急成長 - みる会図書館


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1. フラワービジネス

一花きは唯一の成長部門 ( 1 ) 一〇年間で生産額は倍増 第一章の冒頭でも簡単に触れておいたが、わが国の花き産業は年々成長を続け、小売価格べースで 通 一兆二〇〇〇億円に達した。花きの生産額をみれば、八五年から毎年ほぼ一〇 % 増の成長を続け、八 九年には五〇二七億円に達し、低迷する農業のなかで唯一成長する花形部門である。この急成長に産 生 よって、わが国の花き生産は世界的にも屈指の大国になった。 大阪府立大学の今西英雄教授の情報では、わが国の切り花・鉢物・苗物類の生産額 ( 八八年 ) は、アの メリカ ( 二九〇九億円、うち切り花七〇五億円 ) 、オランダ ( 二八三三億円、うち切り花二〇五七億円 ) に次い日 国 で第三位 ( 二七一七億円、うち切り花一九一七億円 ) 、なかでも切り花はオランダの生産額に迫っている。大 花 露地・施設を合わせた作付面積では、アメリカの一万七五〇八ヘクタールに次いで第二位の一万七二 章 八〇ヘクタ ] ルに達している。最近の転作花きの増大など新しい動きも加わって、生産額、作付面積 第 ともに世界一になるのはそう遠くないであろう。 図Ⅳー 1 は、『生産農業所得統計』をもとに、八〇年を基準として部門別伸び率を示したものであ

2. フラワービジネス

一成長続ける一兆円産業 ( 1 ) 成長年率一〇 % のフラワービジネス フラワービジネスは、一九八九年の小売価格べースで一兆二〇〇〇億円産業に成長し、数年後にはる 一一兆円産業に達するだろうといわれている ( 図—ー 1 参照 ) 。花木類等も含めた花き類の生産額は八八を 年に四七〇〇億円、八九年には五〇〇〇億円を突破した。花の世界はいま、需要適応と需要創出の両ン 面から能動的に市場を急速に拡大しつつある。 の 八五年から八九年の年平均伸び率は、花き類全体が五・三 % であるのに対し、切り花類は八・四 % 費 ととりわけ高い伸びを示している。八九年には二〇〇〇億円を突破し、前年比九・九 % の伸びである一 ( 全体は六・二 % ) 。後で詳しく述べるが、切り花の種類別生産状況をみると、キク、カーネーション、ラ バラの " 御三家。は着実な伸びを示す一方、 = リやチ = ーリップの球根切り花、洋ラン類、宿根カス 章 ミソウ、トルコギキョウの生産額の高い伸びが目立っている。これらが急成長の主役である。 第 また、鉢物類も前年比一二・六 % の高い伸びとなっている。街路および家庭などで需要が高い花壇 用苗の伸びも見落とせない

3. フラワービジネス

八〇年代前半に急成長するが、以後停滞して八九年には、八〇年比三二・八 % 増の一七六七億円に なった。球根類も同様に停滞的である。生産額が約七〇億円前後、作付面積も一万五〇〇〇 5 六〇〇 〇ヘクタールで推移している。 他方、生産額こそ少ないが、伸びの最も著しいのが芝・地被類である。八〇年に四六億円の生産額 でしかなかったが、八五年には二倍以上の一〇三億円に、さらに八四、八五年以降のリゾート・ゴル フ場開発のブームに乗って急成長し、八九年にはほぼ四倍増の一八四億円にも達した。なかでも芝類 は、七三、七四年の列島改造ブームのときも急増し、以後五〇億円弱の生産額で推移するというよう に、増減の激しい分野である。 ( 2 ) 切り花″御三家″の着実な伸びと新種の急増 ノラの″御三家〃が増大しているのに加 切り花の急成長の中身をみると、キク、カ 1 ネ 1 ション、く えて、トルコギキョウ、スターチス、またチュ 1 リツ。フやグラジオラスなどの球根切り花といった新 種の急増に支えられていることがわかる。 まず″御三家〃についてみておこう。″御三家〃はその呼び名のとおり、切り花生産額全体の五八・ 八 % を占めている。内訳をみると、キクは切り花全体の三五・六 % 、カーネーション一二・四 % 、 ラ一〇・八 % となっており、キクのシェアはダントツである。

4. フラワービジネス

一水田地帯で急成長する北海道 ( 1 ) 急成長の要因は水田転作と端境期出荷 北海道の花きは、全国に占める生産額シェア一・五 % 、全国二〇位 ( 八九年 ) の位置でしかないが、 る み 全国の伸び率をはるかに凌いでいる。道農政部資料によれば、九〇年の生産額は八四億円に達し、八 六年の二・二倍増、全国のほぼ二倍の速さで成長している。栽培面積は九〇年には八六年の一・六倍現 増の五八三ヘクタ 1 ルに、栽培農家数は八六年の一・八倍増の二七〇五戸に達した。また道内におけス る一世帯当たり年間消費額も、八五年の五八八九円から八九年には九六一六円に、実に六三・三 % もジ 増大した。 ワ 花き急増の主役は切り花で、なかでもカスミソウは、栽培面積の二五 % を占め ( 九〇年 ) 、八六年比ラ フ 三・二倍増の一〇四ヘクタールになっている。そのほか最近急増しているものでは、栽培面積第五位 章 三ヘクタール 5 のトルコギキョウ・一七ヘクタ 1 ル ( 面積シェア四 % ) 、第六位のデルフィニウム・一 ( 三 % ) である。栽培面積第二位のキクは八六年に二八 % あったシェアは九〇年には一一 % に急減、第 三位カーネーション、第四位スターチスと続く。

5. フラワービジネス

( 3 ) 施設化で周年栽培と安定供給を目指す ( 鵬 ) 三合理化と近代化が進む花き流通 ) ( 1 ) 再編近代化される花き市場 ( ) ( 2 ) 一本一〇〇円のバラが五〇〇円になる不思議 ( Ⅲ ) ( 3 ) 求められる鮮度保持の流通体制 ( Ⅲ ) 第五章フラワービジネスを現地にみる 一水田地帯で急成長する北海道 ( 盟 ) ( 1 ) 急成長の要因は水田転作と端境期出荷 ( 盟 ) ( 2 ) 有望な石狩平野のフラワーゾーン ( 鵬 ) ( 3 ) 課題は雇用労力の確保と戦略花きの開発 ( ) 一一多品目総合供給産地を目指す長野 ) ( 1 ) 恵まれた自然条件を生かす ( ) ( 2 ) トルコギキョウとカーネーションの産地 ( ) ( 3 ) 小規模生産の大産地形成も一つの生き方 ( Ⅷ ) 三イノベーターが集中する花き王国愛知 ( ) ( 1 ) 王国にふさわしい花き生産 ( ) ⅵ

6. フラワービジネス

はしがき 第一章フラワー消費のトレンドを探る 一成長続ける一兆円産業 ( 3 ) ( 1 ) 成長年率一〇 % のフラワービジネス ( 3 ) ( 2 ) 「ゆとり」と「うるおい」と「やすらぎ」を求めて ( 6 ) 二変わりゆく消費トレンド ( 8 ) ( 1 ) 仏事用品から生活および業務日常品へ ( 8 ) ( 2 ) 高級花と大衆花への二極化 ( ) ( 3 ) 花の世界も「軽白淡小」へ ( ) 三多目的化するフラワー消費 ( 絽 ) ( 1 ) フラワーデザインで売上げを伸ばす ( 絽 ) ( 2 ) 遊び心たつぶりのエディ、、フルフラワー ( ) 目 次 ⅲ

7. フラワービジネス

はしがき 本書は、フラワービジネスの消費から生産まで、その全体像と見通しを、ビジネスの視点、すなわ ち能動的に需要に適応あるいは需要を創出して阪路を拡大し、よりよい財やサービスをより適正な価 メセナなど ) 格で提供し、安定した利益を得るとともに社会的責任・貢献 ( 環境問題、フィランソロピー も果たすという視点で書いたものである。そのために本書は、新聞情報から現地取材まで、可能なか ぎり網羅的に収集した情報をもとにしている。本書は、花屋さんから生産者にいたるまで、ビジネス の参考になるように書いたものであるが、消費者の方にも十分楽しんでいただけるはすである。 フラワービジネスは、急成長のビジネスである。現在小売べースで一兆二〇〇〇億円産業であるが、 数年後には二兆円に達するといわれている。停滞・後退する農業のなかで唯一の成長部門である。輸 入も急増している。しかし、流通の分野などには前近代的部分も少なからず存在している。このよう な消費から流通、生産、貿易、海外事情までの全体像と見通しを、ビジネスの視点から明らかにした 本はないに等しい。これが、農林統計協会からの執筆依頼以上に、私の執筆意欲を駆り立てた原因で ある。 農林水産省、市場関係者、県および市町村関係者、農業改良普及所、そして生産者の方々、このほ か多くの方々のご協力なしには、本書は出版できなかったであろう。また出版に際しては、農林統計

8. フラワービジネス

しかし、最近の成長は目覚ましいものがある。花の生産額は、八五年には一億円を突破し、八八年 には一億二三六一万円に達し、浦臼の農業総生産額の四・〇 % を占めるまでに成長した。翌八九年に は前年比一四・四 % 増、九〇年には一億六七八八万円、前年比一八・七 % 増の成長をみせている。 浦臼においても、売上げの主力は共選一元出荷のカスミソウで、九〇年の生産額の四一・七 % を占 めている。次いでカーネーション三一・三 % 、バラ一四・七 % 、スターチス四・九 % となっている。 出荷先は、当別や月形のように収益性の高い道外中心にはなっていない。道外への輸送体制を確立す る るには、輸送コストに見合った生産規模と安定供給体制をもたなければならない。そこで、九一年春、に 浦臼と浦臼隣接の新十津川町、奈井江町の花き農家で、浦臼指奈出荷組合を結成した。これからが正現 を 念場の花産地である。 ス ネ ジ ( 3 ) 課題は雇用労力の確保と戦略花きの開発 ワ 北海道の花きは、ほとんどが水田主軸の複合形態で栽培される。前述のとおり、もともと水田転作ラ フ の高収益作物として導人されたものである。平均水田面積六—七ヘクタールのフラワーゾーンでは、 章 三ヘクタールの水田、残りを転作の花き一ヘクタール、二 —三ヘクタ 1 ルを麦、大豆、馬鈴薯、野菜 第 などの畑作物、というのが花き栽培経営の一般的な姿である。 このような複合形態は、農家経済の危険分散になると同時に、減反のもとでは重要な所得源になる

9. フラワービジネス

北海道花きの急成長の最大の要因は、水田転作と 作 一ム しての花きの導入である。むしろ、水田転作がなけ る 比 位 れば、北海道に今日ほどの花の生産は根づかなかっ 単 る ワ」よ たかもしれない。 面 1 恥 ち作 一ム 道比 九〇年の栽培面積は、表ー 1 のとおり五八三〈 海き ヒ花き積 クタ 1 ル、このうち九割が水田からの転作である。 一圓 -0 00 00 1 ワ〕ワ〕 00 っ 0 政一 9 5 田農 ュリワ〕 00 00 囀 -4 LO 水田稲作の生産調整を契機にして始まった花き栽培 海 花作 L.n -0- LO っ / 一 8 9 、 -0- は、八〇年代に入って本格化し、転作花き比率は 「 / 8 一 8 8 8 8 8 料 年 表 資 六 5 七割に達した。全国の花き栽培面積が四万三七 一一五〈クタール ( 八九年 ) 、このうち転作による面積が二万一三七八〈クタール、四八・九 % である状 況からすれば、北海道の転作の花きの比率九割は際立って高い。 転作花きは、厳しい農業情勢〈の農家の当然の対応である。米価が下がり、転作面積の割当てが増 えるなかで、その所得減少分を埋め合わせるために、農家は単価の高い花や野菜を選定する。なかで も花は需要が高く、しかも北海道の気候を生かして高品質の花が生産でき、高価格で販売される。 急成長のもう一つの要因が、北海道の夏の冷涼な気候を生かした端境期出荷である。北海道は夏季 の気温の日較差が大きいために、連作障害や病虫害の被害が少なく、花や葉の色が鮮やかで茎のし 0 122

10. フラワービジネス

一一花き生産の特徴的な動き ( 1 ) 水田転作で伸びる花き栽培 成長する花き部門に新規に参入する農民の多くは、稲作転換対策 ( 水田利用再編対策および確立対策 ) によって、やむなく稲から花き栽培に転換するものである。畜産や果樹が自由化によって困難な状況流 のなかにあって、唯一成長する花きに参入・転換するのは当然である。八〇年代に入って、花きへの産 転換面積は一万七〇〇〇 5 八〇〇〇ヘクタールで推移したが、八六年以降とりわけ八八年、八九年のき 花 の 花きへの転換面積の伸びが顕著である。 稲作転換対策によって花き類へ作付け転換した面積を地域別にみると、三点ほど特徴を指摘するこ日 大 とができる。 花 第一に、北海道と東北は、総転作面積に占める花き類への転作面積の比率がごくわずかであるが、 章 花き類に転作する速度がここ数年顕著なことである。北海道は、花き類への転作面積が八五年に三一 第 九ヘクタールあったが、八九年には六一九ヘクタール、一・九四倍の伸びを示し、なかでも切り花・ 鉢物類は八九年に三二七ヘクタールで二・四八倍、種苗類は一八五ヘクタ 1 ル、二・九四倍であった。