輸出 - みる会図書館


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ら輸入されている。輸入される主な種類は、葉物や苔が一億一二三五万ギルダーで全体の二九・二 % を占め、次いでカーネーション一億一三一万ギルダーで二六・三 % 、バラが六・二 % となっている。 次に球根の輸出状況をみておくと、八九年で輸出量一五万一五三四トン、九億八五四〇万ギルダー となっている。輸出の中心はチュ 1 リップで、一六億四九八五万球、二億六四〇〇万ギルダー、輸出 額の二六・八 % を占める。次いでグラジオラス八七一一万ギルダー ( 輸出額全体の八・八 % ) 、スイセン 七一二二万ギルダ 1 ( 七・二 % ) 、ヒアシンス五九〇六万ギルダー ( 六・〇 % ) となっている。 これらのうち日本への輸出状況をみると ( 八九年 ) 、金額で三一八八万ギルダー ( 輸出額全体の三・ 二 % ) である。品種別ではチ = ーリップが最も多く、日本への輸出額全体の三一・九 % を占め、また日情 事 本はオランダのチューリツ。フ輸出額全体の三・九 % を占める。 花 ( 2 ) " 世界の花工場″を支える流通体制 や 華 の オランダの花き生産が伸びてきたのは一九六〇年以降のことで、そう古くはない。現在では、世界界 世 の切り花輸出額の約七割、鉢物輸出額の約五割を占め、なかでもチューリップやユリなどの球根は完 章 全にヨーロッパを席捲、まさに世界一の″花工場〃なのである。 第 このような目覚ましい伸びの最大の要因は、生産から輸出まで民間組織が自立して協力し合うシス テムが確立していることだといわれる。わが国でも学ぶべき点である。図Ⅲー 1 のとおり、たとえば、

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段が異常な高値をつけ、以降ランの生産が拡大された。タイ国農業・協同組合省の統計では、八二年 には七三二八ライ ( 一ライⅡ〇・一六ヘクタール ) 、七八〇〇トンまでになり、八六年には一万八〇〇ラ イ、一万四〇〇〇 5 五〇〇〇トンの生産をするまでに成長した。 輸出量も年々拡大し、八二年に六三一三トン、三億三四四〇万バーツ、八五年には七七八一トン、 四億八九四〇万バーツ、八九年には一万七五二トン、五億六九〇万。ハーツに増大した。このラン輸出 ( 花き輸出品目の七五 % はデンファレ ) は世界五〇か国に及ぶが、その中心は日本である。 日本への輸出シェアをみると、八二年二〇・〇 % 、八五年二七・八 % 、円高後の八八年には四七・ 八 % に増大している。が、八九年には四四・八 % と日本への輸出シェアはやや減少した。日本への輸情 出が多い理由は、円高が進行したことと日本の花き相場が高いこと、また輸送コストが欧米に比べて花 を生かして、わが国の資本が参人 、カ 安いことなどである。第二章でも述べたように、これらのメリット し、開発輸人する場合も少なくない。また、現在の海外への輸送体制が整備されれば、ラン輸出は華 の 界 いっそう増大する可能性がある。 世 タイと同じような条件でラン輸出を伸ばしているのがシンガポールである。シンガポールはいま、 章 国花、ランの増産に国家をあげて取り組み、国の一大輸出産業に育てようとしている。 第 シンガポールはタイほど労賃が安くないために、生産効率を上げなくてはならない。その一つの対 ーク計画を発足させた。これは、農業の活性化と 策として、政府は八七年にアグロテクノロジ 1

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占めている。 ( 2 ) 増加に転じた切り花輪出 円高が花きの輸入を増大させたのとは対照的に、表Ⅲー 3 のとおり、切り花の輸出量は八五年から 八八年にかけて急減した。八五年にはシンガポ 1 ルや香港を中心に、二万六三八キロほど輸出されて いた切り花は、八六年には前年の三分の一の六八三三キロにまで激減し、六〇〇〇キロ台で八八年ま で続いた。金額ベ 1 スでも八五年には七一八二万円あった輸出額は、八八年には一九八九万円まで急 減した。 しかし、円高の定着に伴って、輸出量は徐々に回復し、八九年にはほぼ八五年水準に近い一万九五 七〇キロに達し、金額ベースでも増加しつつある。とはいえ、円高以前の水準に実質的な回復を図る には、技術・品質向上のための時間と資金を必要としている。 球根の輸出量も、表Ⅲー 4 のとおり切り花と同様急減した。八五年に二一三八万球あった輸出量は、 八九年には七六九万球にまで激減、九〇年になってやっと回復の兆しがみえ始めた。ただ、数量の激 減のわりには金額ベースの低下の度合いが小さいのは、高品質・高価格の輸出で対応したためであろ わが国が花の国になるためには、花の需要を増やすと同時に、花の供給力も増大させていくことが

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られた知的労働を必要とし、まさに農業分野における知識集約型の典型的部門である。 知識集約型産業を百科事典で引くと、「一般に高度な組立て技術を必要とする産業で、研究開発、デ ザイン、専門的知識など、高度で多面的な知的労働が要求される産業のこと」 ( 小学館『日本百科全 書』 ) とあった。 三花の国の花事情 ( 1 ) タイとシンガポールのラン タイで生産される中心的な花きはランである。コロンビア、コスタリカ、エクアドルなどのラテン アメリカ、ケニア、南アフリカ共和国、エチオピア、モロッコなどのアフリカ、これら途上国の花輸 出がそうであるように、タイでランを生産しているのも、ラン輸出で外貨を稼げるという輸出振興に 。途上 よるところが大きい。オランダのような先進国の花き輸出は、むしろ例外といったほうがいい 国は安い労賃と恵まれた気候を武器に、花きの値段が高い日本やドイツなど先進国を中心に輸出して タイがランを最初に輸出したのは一九五七年だといわれるが、このときの三五〇本のラン輸出の値

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あり、図Ⅲー 1 のとおり、球根試験場は花き園芸評議会から予算の五割を助成されている。だから、 たとえば消費需要の高い品種の開発、その品種の大量増殖技術やウイルスフリー種の開発など、生産 者や輸出業者に直接役立っ研究が行われる。 飛躍的な発展の第二の要因は、花の鮮度保持が徹底的に行われている点であろう。生産者が卸売市 場の周辺に集積しているという点だけでなく、輸送もきわめて迅速で鮮度保持のためのさまざまなエ 夫がある。これによって、輸出しても輸出先の国産ものに優る鮮度と品質を保持し、輸出の伸びにも つながっている。 生産者はまず収穫時に、鮮度保持のために剤で前処理を行う。この前処理は、卸売市場の規情 定で、それが必要な品種と前処理が奨励されている品種とがあり、これを市場の品質管理部が定期的花 に検査して、生産者の処理の実行を確かめている。このようにして収穫された花きは、市場の規格にカ 合った姿にされて水入りのポリバケッまたは段ボール箱に人れ、荷が多い場合には台車で出荷される。華 の 市場では、日本の大田市場でも採用したコン。ヒューターを使った機械式のセリで、生産者から出荷さ界 れた台車のままで市場の予冷庫からセリ場へ、そして保冷庫に移動し、直ちに取引業者に引き渡され 章 る ( セリ落としてから引き取りまで一五分 ) 。こうして国内ではその日のうちに小売店頭に並べられる。 第 輸出用の場合でも、たとえばヨーロッパ各地への輸出では、高速道路網を利用した周到な輸送シス テムによって、その日の午後には花屋さんの店頭に並ぶといわれている。日本などへの輸出では、直

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ちに飛行機に積み込まれ、日本市場でセリを終え、三日後には店頭に並べられる。 ここで、オランダの花き流通を支える各分野の概況を紹介しておこう。まずセリ市場である。オラ ンダは現在九つの花市場があり、四二億一五六〇万ギルダーの取扱高をあげている ( 八九年 ) 。最大の 市場は取扱高全体の四三・九 % を占めるア 1 ルスメア市場、次いで三四・〇 % を占めるウエストラン ド市場、フロ 1 ラ市場 ( 一〇・四 % ) 、ベルケル市場 ( 五・五 % ) と続く。 アールスメア市場は、世界最大のフラワーオークション市場で、総面積七七ヘクタ 1 ル、建物三三 〈クタールの広さをもつ。八九年の取扱高は一八億四九〇〇万ギルダーで、うち切り花が一一億五六 五〇万ギルダ六二・五 % 、ほかに花壇苗・鉢物六億三七九〇万ギルダー、三四・五 % となってい る。この市場は生産者による組合方式の運営で、四八〇〇人ほどが組合に参加し、。 ( イヤーが三二〇 〇人、うち輸出会社が三〇〇入っている。場所的には、オランダの玄関口であるスキボ 1 ル空港に近 く、輸出上の条件がよく、オークションの八〇 % は輸出される。 オランダ第二のウエストランド市場は、八九年の取扱高が一四億三三六〇万ギルダー、うち切り花 が一〇億五九七〇万ギルダ七三・九 % となっている。この市場も生産者による組合方式で二六〇 〇人ほどが参加している。 さて、セリ市場でセリ落とされた花きは、卸・輸出業者によって小売・輸出に向けられる。卸・輸 出業者は全部で五四三六業者あり ( 八九年の内訳は、球根一〇八一、花き二九五一、植木一四〇四 ) 、このう

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求められるし、花先進国から多くを学ぶ必要もあろう。そこで、次に世界最大の花先進国であるオラ ンダおよびその他諸国の花事情をみることにしよう。 二オランダの花事情 ( 1 ) . 花のお客は世界の人々 オランダはわが国の九州ぐらいの大きさで、農業人口は総人口の四・〇 % 、農業生産額は Z の 七・三 % で ( ともに八八年 ) 、このなかにある花き産業のウェイトは高い。オランダの農業生産額は三 二六億二〇〇万ギルダー ( 一ギルダーⅡ七〇 5 八〇円 ) で、このうち花きは四五億八五〇〇万ギルダ 1 一四・一 % を占め、球根・植木を含めれば全体の一八・四 % を占めている。そして、生産される切り 花と鉢物の八割、球根の七割が輸出に向けられる。このように、オランダの花き産業は世界の人々を 相手にしており、まさに″世界の花工場〃といった位置にある。 表Ⅲー 5 はどんな国に花を輸出しているかを示したものである。八五年から八九年の四年間に金額 で二八・一 % の増加、また前年比でも八九年は八・二 % も伸びている。輸出の中心は近隣の諸国 で、輸出全体の約八割を占め、なかでも西ドイツがダントツのシェアで約五割を占めている。次いで

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五 % という輸出中心の生産構造は他の花の国の脅威となっている。カーネーションは、切り花生産量 、ハラ一五 % を占める。切り花栽培に適した高冷地に 一一万トンの四六 % を占め、次いでキク二五 % 立地し、施設もビニ 1 ルハウスによる栽培 ( 全体の九五 % ) で資材費が安いうえに、労賃も安い点が大 きな武器になっている。 後述するように、アメリカは七四年からコロンビア産力ーネ 1 ションの輸出攻勢で大打撃を受け、 八一年にはカーネーション協会が解散し、現在では全米カーネ 1 ション消費量の約八割がコロンビア 産である。バラも消費量の四割以上、輸入物の七五 % がコロンビア産である。日本市場へは品質や規 格の面、輸送上の問題などがあるが、コロンビアの生産農場、輸出業者などは日本市場の有望性から、情 事 輸出増大に力を入れ始めている。 花 、刀 や ( 3 ) アメリカの花き 華 の アメリカは花き生産額世界一を誇る花の国である。その中心的生産地はカリフォルニアである。ア界 メリカ農務省 :FIoricuIture Crops 一 990 Summary= によれば、九〇年の花き生産額は二七億六八八六 章 万ドル、うち切り花五億二五五万ドル ( 一八 % ) 、鉢物六億七一一六二万ドル ( 二四 % ) 、観葉植物五億一 第 二一三万ドル ( 一八 % ) 、苗物九億七一〇五万ドル ( 三五 % ) となっており、地域的にはカリフォルニア が生産額全体の二六 % を占め、次いでフロリダ一九 % となっている。とりわけ切り花ではカリフォル

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生産性向上のためのハイテク研究を目的として、各企業に土地を入札制で最低二〇年間リ 1 スするも ので、現在国内十数か所に合わせて二〇〇〇ヘクタ 1 ルの用地が確保されている。このうちラン栽培 用地は三〇〇ヘクタ 1 ルで、うち一〇〇ヘクタールですでに栽培が始まっている。 ( 2 ) 台湾とコロンビアの花き 台湾の中南部は冬の気候が温和で日照にも恵まれ、水利などのインフラも整備され、花き栽培が盛 んである。とくに八五年以降の生産増大が顕著である。なかでも切り花栽培は、全栽培面積五一三四 ヘクタールの五八・六 % 、苗木栽培が三六・九 % を占め、鉢物栽培面積はわずかである ( 八八年 ) 。 切り花のなかで最も盛んなのはキクで、切り花栽培面積三〇一一ヘクタ 1 ルのうちの四五・七 % ( 一三七五ヘクタール ) を占めている。しかし、最近沖縄での高品質の黄ギクが競争力を強めて競合して いる。次いでグラジオラスが一九・三 % ( 五八二ヘクタール ) 、ダリア六・三 % ( 一九一ヘクタール ) 、バラ 四・七 % ( 一四二ヘクタール ) となっている。これら切り花の輸出総額は、二億七九〇〇万ドル ( 前 年比六六・八 % 増 ) 、このうちの九〇 % の二億五〇〇〇万ドル ( 同八八・九 % 増 ) が日本向けである。 台湾のちょうど裏側に位置する南米のコロンビアも花の国である。コロンビアは、オランダに次ぐ 世界第二の切り花輸出国である。 栽培面積は三二〇〇ヘクタールで、日本やアメリカの二割弱ほどだが、急増中である。輸出比率九

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を目指す。 合弁の相手は、。ハラ育種会社としては世界最大手のフランスの「メイアン社」と、日本向け輸出で 「クラシック」と提携関係にあるタイ最大のデンファレ農園の「エクセルオーキッド社」である。タイ のバラ栽培はほとんどが露地で品種も古いが、合弁農園では「メイアン社」が誇る新品種を導入し、 温室栽培で品質の高いバラの生産を行う。「クラシック」はさらに、メキシコにも「メイアン社」等と 合弁会社を設立し、年間一七億本生産・輸出している。輸出の中心はアメリカで、日本へは一—二割 が向けられている。 このような開発輸入に対応して、「クラシック、は九〇年三月、千葉県成田市に花東加工工場を完成 させ、すでに稼働している。輸入された。ハラ等はここでアレンジされ、生花店やカタログ販売にも対 応した流通ルートも確立している。 商社の例にもどろう。前述の「日商岩井」とは違った輸人販売をしているのが「住友商事」である。 「住友商事、はアメリカのフラワーギフト会社「ブラック・タイ・ヴァレイ社」 ( 本社カリフォルニア 州 ) と提携し、同社の目玉商品″ブラック・タイ・ローズ〃をライセンス生産する。 ″ブラック・タイ・ローズ〃は、長持ちするように保冷・給水装置が内蔵された化粧箱のなかに黒 のタキシード姿に包装された一二本のバラが納められており、一箱一万二〇〇〇円もする高級ギフト である。アメリカではブッシュ大統領や政府高官などの著名人への贈答品として利用されている。同