利用 - みる会図書館


検索対象: UNIX MAGAZINE 1990年8月号
125件見つかりました。

1. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

FreeSoftwa 「 e の世界 UNIX MAGAZINE 1990.8 psfig の出力コード の処理に、後者はⅱ teral の処理に使用することになりま がそのまま出力されます。大雑把にいえば、前者は figure ルの展開をおこないます。後のほうは、 literal PostScript 最初のエスケープ・シーケンスでは、フィルタがファイ \X'ffiIename ' \X'p1itera1 POSTSCRIPT ' たちで使用しています。 psfig は、このエスケープ・シーケンスを以下のようなか のようなシーケンスを出力するようになっています。 \!x X text のまま出力する ) を利用して、 ケープ・シーケンス ( このシーケンス以降から行末までをそ ません ) のためのパッチがあります。これは、 \ ! というエス い ditroff(C/A/T コードを出力する旧い troff ではあり たものの、前述の ftp を利用できるサイトにはこれより旧 使用することはできません。しかし、 news には流れなかっ すから、 DWB2.0 より旧い troff ではそのまま psfig を ジスタ、ストリングなど ) を入れておくことができます。で のなかにほかのエスケープ・シーケンス ( 文字列の長さ、レ と出力します。、、 text" の部分は troff が解釈するので、 x X text と書くと、 troff は、 \X'text ' ので、 に依存するコードを troff の出力フィルタに渡すためのも 使用しています。このエスケープ・シーケンスはデバイス の troff で追加された \ X というエスケープ・シーケンスを のコードを渡しているのでしようか。これには、 DWB2.0 ところで、 psfig は troff にどのようにして PostScript スになります。 比較的短時間で出力できます。文中の図形はただのスペー アでも見当がつきます。また、長方形を描くだけですから れませんが ) おおよその位置は別のプリンタやプレピュー ファイル名が表示されます。これによって、 ( 図形は出力さ す。 \X'p ' は、ファイルを挿入するとき troff のほか のコードの邪魔にならないようにしたり、図形の大きさを 変更する際、座標変換のために psfig 自身が PostScript コードを前後に入れるのにも使用されます。この目的で psfig が使用するオペレータは、あらかしめプロローグで 定義します。 これからも分かるように、 psfig で指定したファイルを 実際に展開して出力のなかに組み入れるのは psfig でも troff でもなくフィルタです。冒頭に述べたとおり、フィル タには TRANSCRIPT'€ッケージの troff 用のものを 利用することになっていますが、ほかのフィルタを改良し て用いるときにはエスケープ・シーケンスを解釈し、 troff 自体のコードとの整合をとるために psfig で使用するオペ レータを書き直すだけでいいでしよう。 なお、 psfig は指定したファイルを絶対パス名に変換し ますが、フィルタは同し計算機上でそのファイルに対する 読込み許可をもっている必要があります。 psfig は PostScript プリンタでしか利用できませんが、 サイズの孑ぐに troff のレジスタが使用できることや文章 のなかでも利用可能なことを考えると、かなり強力なツー ルであるといえるでしよう。 さらに、 X ウインドウや Macintosh などのアプリケー ションに PostScript 対応のものが多いことから、 pic よ りも将来性があるかもしれません。いすれにせよ、 troff と PostScript のユーザーであれは・いちど使ってみる価値は あると思います。 おわりに [ 参考文献 ] [ 1 ] Adobe Systems , Do 夜ィ川の s レ″ c 版〃 g co 〃〃〃 0 〃 s - s. 加 c れレ e あ〃 2 . ム 1989. [ 2 ] Adobe Systems, 石田晴久監修、松村邦仁訳 CPostScript リファレンスマニュアル』アスキー、 1988. [ 3 ] Adobe Systems , E れ c ゆイ Po S げ / が万“ - 電〃 0 れれ 2 . 0 , 1989. [ 4 ] Net BatcheIder and Trevor DarreII , Psfig ーー D ″妲産 P ゆ川化 ss の・知 PostScript F ″尾 s , 1987. [ 5 ] J. R. Mashey, PWB/UNIX S 厖〃 T ″ねれ , Septem- ber 30 , 1977. 77

2. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

ネットワー代のワークステーション管理 別名の機能を使えば、 ることもできます。 たとえは・、 nakayoshl : keisuke , oshima, fumiyo , kokubun 1 人だけでなく複数の人に転送す と思いますが、運用開始時にはとりあえす次のように設定 alias の設定はメールの運用にしたがって増加していく れないことがあります。 のような alias を設定するとループが生し、正しく処理さ user:user@localhost. 10C 訌 dom localdomain というシステム上で、 ただし、 sendmail のバージョンによっては localhost. で作ることが多いようです。 てもかまいません。通常、メーリングリストはこの仕組み ューサーとして総げ@ ん os / . 川 4 切形式の表現を使っ うな名前でもかまいません。また、ほかのシステムの上の ー名でも、 aliases ファイルのはかの行で置換えが生しるよ に転送されます。左側に書かれた名前はローカルなユーサ とすると、 nakayoshi 宛のメールは以降に書かれたところ daemon: keisuke root : keisuke MAII. ER-DAEI{ON : postmaster Postmaster : root しておくとよいでしよう。 が解釈され、 sendmail が利用する DBM ファイルが作成 ドを実行します。このコマンドによって aliases ファイル aliases の設定が終ったら、かならす newaliases コマン えておいたはうがよいかもしれません。 UUCP を利用している場合には、それらのための記述も加 スに書き込んだほうがよいでしよう。また、 news や 個人 ( この例では keisuke という利用者 ) のメールポック mon になって読んでもいいのですが、通常は実際の管理者 まなメールが届きます。それらをいちいち root や dae- メールを運用していると、 root や daemon 宛にさまざ 26 ホームディレクトリに置かれ、その利用者宛に届いたメー . forward ファイルがあります。このファイルは各利用者の なお、 aliases の設定と似たような処理をするものに されます。 ルをファイルのなかに書かれているアドレスに転送しま す。 . forward の処理は、 aliases ファイルの処理後におこ なわれます。 aliases ファイルで特殊な設定をする場合は、 各利用者の . f 。 d ファイルの設定と矛盾しないように 注意しなくてはなりません。 新しいファイルによる sendmail の起動 sendmail. cf は、設定が終ったら /usr/lib ディレクトリ に置きます。これで、次に sendmail が起動されたときに は新しい . cf ファイルで制御がおこなわれるようになりま す。ただし、環境によっては以下の 2 つの項目に注意しな くてはなりません。 ◆ sendmail . fc ファイル sendmail. cf の記述は sendmail を起動するたびに解 釈されるので、 CPU の負荷が大きくなることもあります。 これを避けるには、 sendmail.cf を解釈した後のメモリイ メージを sendmail. fc というファイルにダンプしておき ます。 sendmail は、 sendmail.cf でなくこちらを使用し ます。 現在 sendmail. cf を使用しているが負荷の軽減のため に sendmail. fc に変えたいとき、または現在使っている sendmail. fc を新しくしたいときには、 sendmail.cf ファ イルを / usr / lib ( または / etc ) に設定した後、次のコマンド を実行します。 # /usr/lib/sendmail —bz これによって新たな sendmail. fc ファイルが作成され、 以後起動される sendmail はすべて新しい設定を使用す るようになります。 ◆ SMTP daemon TCP/IP ネットワーク上のメール転送には、ほとんどの 場合 SMTP メーラーを使用します。ほかのメーラーと異 なり、 SMTP ハンドラは sendmail に内蔵されています。 そのため、はかのシステムからの SMTP 要求を受け付け るには、 daemon モードで動作している sendmail が必要 で、 bd オプションを使って次のように起動します。 # /usr/lib/sendmail 一 . —qlh UNIX MAGAZINE 1990.8

3. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

FreeSoftware の世界 define "macfig"@ f igure define l'macfig'l / figure/ ; file mac ・ pro g10b ; このマクロを最初に使うときには、 file コマンドで mac. pro の内容をグローバルに定義します。そして、次の行でそ のマクロを再定義し、次にこのマクロを呼び出すときは figure だけを実行するようになります。 この構文では、ツクと、、 } 〃で囲まれた部分に literal を 使えば、 PostScript のコードをそのまま書くこともでき ます。 また、これを利用すればパラメータが必要な図形などが あった場合、 figure func. ps { literal / 矼 gl 矼 g2 / f igure のように書くこともできます。 psfig か扱う PostScript ファイル psfig が扱う PostScript ファイルには、図形の大きさ の情報が入っている必要があります。この情報は以下のよ うなかたちのコメントです。 %%BoundingBox: 11X 11Y urx ury この例は、ファイルのなかの図形が ( 1 ⅸ , 11Y ) と (urx, ury ) の 2 点を対角線とする矩形のなかに収まることを示 しています。このような特殊なコメントを、 PostScript の structuring convention ( 構成規約 ) と呼びます [ 冂 ( バー ジョンは旧くなりますが、 [ 2 ] にも解説があります ) 。 また、この PostScript プログラムのように、ほかの PostScript プログラム (troff も PostScript プリンタに 出力するときには、最終的に PostScript プログラムに落 ちます ) との互換性を保ち、一定のコメントが書かれている ものを EPS (Encapsulated PostScript) と呼びます [ 3 ] 。 したがって、 EPS コードを出力するアプリケーションで作 76 成した図形は、 psfig でもそのまま利用できることになり ます。 ただし、実際に psfig が見るコメントはこのうちの % % BoundingBox だけなので、この情報を補うことによって X11.4 の xpr や xfig の出力ファイルなど EPS コードで はないアプリケーションでも利用可能です。このコメント がないファイルには、 bound というキーワードを使用し て、文書のなかで図形の大きさを定義します。 psfig コマンドの起動方法 psfig は troff のプリプロセッサなので、利用するとき には次のようにします。 psfig file ー troff —mmacro -mpsfig ー ほかのプリプロセッサも使うときは、 psfig の前にタイ プします。ー mpsfig は . F 十マクロや . F ーマクロの定義ファ イルを指定するもので、 PostScript で書かれた図形をセ ンタリングします。 X ウインドウやさまざまなグラフィック・エデイタなど によって作成される PostScript コードはかなり大きいの で、これらの図形を入れた出力ファイルはややもすると膨 らみがちです。また、 psfig を使用していると PostScript に依存した出力になってしまうので、別のプリンタやプレ ピューアを使用することができません。 そのようなことを考慮して、 psfig には、、ドラフトレベ ル〃という概念が用意されています。 psfig コマンドのなか に level というキーワードに続けてレベルを表す数字を書 くと、その図形は指定したレベル以止で psfig を動かした ときしか描かれません。 それ以下のレベルで psfig を動かすと、 . F 十と . F ーで囲 まれた図形は、 ドラフトレベル UNIX MAGAZINE 1990.8 sml ey. のように、位置と大きさを表す長方形のなかにその図形の

4. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

ネットワー代のワークステーション管理 メールシステムのセットアップ 田中啓介 ■はじめに 20 メールアドレスで発信されてしまうケースもあります。そ よっては、何も設定せすにメールを出すとそのメーカーの にどんどん送られてしまうこともありますし、システムに が ) 。しかし、メールの場合はエラーメールがあちらこちら せん ( むろん、周囲に誤った情報を流すことはあります 続を拒否される程度で周囲への影響はさはど大きくありま メール以外のネットワーク機能は、設定を間違えても接 常な運用のためには設定が必要です。 ければ十分に利用できないのと同様、メールサービスも正 /etc/passwd の設定やホームディレクトリの生成をしな も ) スイッチを入れるだけでそれなりに使えます。しかし、 ませた状態で搬入されるので、利用者は ( 管理者であって : 丘の UNIX システムは OS などのセットアップをす 前にメールを出してはいけません ません。 の存在も無視できないのですが、今回の解説ではとりあげ mailx 、 mh などメールを読み書きするアプリケーション ください。また、実際のメールサーピスでは、 ucbmail や 述べません。末尾に挙げた文献 [ 冂 [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] を参照して かぎられていることもあり、 sendmail の詳細については それ以降の運用についてまとめていきます。なお、誌面が てメールサービスを一般利用者に開放するまでの手順と、 移植されています。ここでは、この sendmail を中心とし たものですが、現在では多くの SystemV 系システムにも あります。 sendmail は BSD 系のシステムに含まれてい メールを配送するための中心的な機構に sendmail が く広域ネットワーク環境でも利用されています。 れほど神経質にならすに利用できますし、 LAN だけでな しよう。ほかのサーピスのようにセキュリティについてそ されるものは電子メール ( 以ード、メールと記す ) サーピスで ネットワーク上のサービスのうち、もっともひろく利用 んなメールを受け取ったときは、差出人に苦情のメールを 出そうにも、発信者のメールアドレスに出したのではメー カーに送られてしまいます。 困ったことに、間違った設定でもシステム内のローカル なメールのやりとりは可能なことが多く、利用者の混乱を 招きます。こういった事態を避けるためには、すみやかに メールの設定をおこなうか、 ( その余裕がなけれは ) メール ■ な手順でおこないます。 sendmail を使ったメールシステムの設定は、次のよう メールシステムの設定 の機構が働かないようにしておくべきでしよう。 ドメイン名 6 ) 運用の開始 5 ) sendmail. cf 以外のファイルの設定 4 ) sendmail.cf のテスト 3 ) sendmail. cf ファイルの設疋 2 ) メールシステムの環境の決定 ドメイン名の決定 1 ) 昔は ( といっても今でも通用するのですが ) メ ドレスを、 ん 0 弘 ! ん 0 2 ! ん OS / 3 ! user のように言当していましたが、現在では、 ″sの・@ ん os / . 川〃か ールのア の形式が大勢を占めるようになりました。 JUNET あるい はそれに類似したネットワークの利用者は、おもにこの形 式のメールアドレスを使用することになります。 そのためには、ますドメイン名を決定する必要がありま す。ひと口に、、ドメイン名〃といっても、も丘ではさまざ まな文脈で使われています。今回の特集だけでも、 UNIX MAGAZINE 1990.8

5. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

FreeSoftware の世界 ともできるのです。たとえは、 MacDraw で作成したファ イル lab. ps とそのプロローグ・ファイル mac. pro があ るとき、 figure lab. ps { file mac ・ pro figure } width \ Ⅱ ( . lu とすれば、 troff のなかで文字を反転することはほとんど 不可能ですが、 psfig を使えば figure black. ps height 40u width "\w' 白黒反転 'u + ln"reserve 0 0 @\c @ literal / 1 setgray/ @白黒反転@ literal / 0 setgray/ @ のように容易に実現できます。 とすれば、 tr 。仕のなかで文字を反転することはほとんど不可能 ですが、 psfig を使えば のように容易に実 現できます。 のようになります。 reserve というキーワードによって、その図形を印刷す るために troff に空けておいてもらう領域を指定します。 領域を指定しないと、図形の大きさのぶんだけ空きます。 この例では、図形と troff で書いた文字とを重ねたかった ので 0 にしてあります。ソ〃はたんなる区切り記号ですか ら、 PostScript コードの一部 ( 普通の行のなかで使用する ときはデリミタも含む ) でないかぎりなんでもかまいませ ん。もし、カラー PostScript プリンタがあれは、これをす こし変形させて色付きの文書を作成することも可能です。 また、 pic では線種を変えられるのは直線だけですが、 のように目的の図形を描くことができます。 psfig を使えば円やスプラインを点線にすることもできま この例では、 lab. ps のまえに mac. pro が取り込まれ、 す。 lab. ps は mac. pro の環境を利用できます。 mac. pro の 図形の幅や高さを毎回するのは面倒なものですが、 環境が有効なのは挈と、ツで囲まれた範囲なので、 lab. マクロ機能を使えは簡単です。たとえば、 ps の図形を出力した後はもとの環境に戻ります。 define smiley /figure smiley. ps width 3 Ⅱ / 同しアプリケーションの図形を何枚も使用するときなど は、 file で同しファイルを何回も転送するのは時間の無駄 です。このようなときは、 global というキーワードをつけ のように書いておくと、次からは@ sm ⅱ ey@ と書くだけで この図形を文章中で使用できます。 ればファイルの内容がグローバルな範囲で利用可能になり、 Macintosh で作成した PostScript のデータ ( アプリケ 次の図からは file の指定を省くことができます。上の例で ーション ) を UNIX で利用するときには、 PostScript オ mac. pro の部分をグローバルに定義したい場合は、 ペレータの定義などか書かれたプロローグ部分を別のファ イルに保存しておき、そのオペレータを使用するスクリプ figure lab. ps{ file mac ・ pro global ト部分だけを入れ替えて印刷することによってファイル容 figure } width \ Ⅱ ( . lu 量を節約するのが一般的です。しかし、そういった場合で も psfig のために 2 つのファイルをつなぎ合わせる必要は と書きます。こういうときには、次のようにマクロにして ありません。 psfig では、図形ファイルを取り込むまえにほ かのファイルを読み、その図形のための環境を用意するこ おいたほうが便利です。 白黒反転 75 UNIX MAGAZINE 1990.8

6. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

大阪大学情報工学科ネットワーク ( その 2 ) 実際にどうだづたカ 1. ワークステーションの質に対する要求 ようなコンセプトを掲げました。 今回、引・算機システムを入れ換えるにあたっては、次の 基本的なコンセプト 42 割にはそれはど利用されないからです。ワークステーショ としませんし、 X ウインドウは初期設定などがたいへんな 1 台は要りません。入門用にはさはどの計算パワーは必要 が必要です。一方、低学年での教育にはかならすしも 1 人 ような実験には、たしかに 1 人 1 台のワークステーション ログラミング教育がおこなわれています。高学年でのこの 年では X ウインドウ・システムやソケットなどを用いたプ UNIX の使い方や C 言語などの教育に使われており、高学 いる実験をみるとその使い方はさまざまです。低学年では めつくしてしまいました。ところが、実際におこなわれて 以前の構成は、実験室を多数のワークステーションで埋 2. 計算機利用の階級化ーー初心者教育用と高度教育用 求されたのです。 を揃えてサービスの質を向上させ、種類を増やすことが要 などです。これら、さまざまなクラスの言 t 算機や周辺装置 ンタやカラー・ディスプレイを備えたワークステーション 要求が出てきました。たとえば、解像度の高い高速なプリ むしろ、研究室の環境ではより質の高い計算機に対する ているような気がします。 考えて必要以上に台数を増やすことへの警戒心が根付い 易になりました。学科の人びとのなかに、管理上の手間を も登場してきたので、端末の台数を揃えることは比較的容 ョン並みのユーサー・インターフェイスを実現できるもの X 端末のような、管理に手間がかからす、ワークステーシ 研究室単位でも気軽に入手できるようになりました。また、 なかったワークステーションも価格の低下にともなって、 す。しかし、研究室の環境は変わってきました。以前は少 に使用する計算機の台数は、従前どおり 1 人 1 台が原則で のワークステーションの導入が要求されました。学生実験 で、またホストとなる計算機がなくなることから、相当数 前回は、ワークステーションを持っている研究室も少数 ンをばらまくと、管理だけでけっこうな手間がかかります。 とくに、教育用に使うためには標準の設定などを教官があ る程度準備しなければならず、これを個々のワークステー ションごとにおこなうのは面倒です。むしろ、漢字端末で ⅵといった使い方で十分とさえいえます。 そのため、計算機設備を高学年用と低学年用に分け、高 学年用としてはワークステーションからなる分散システム を、低学年用には汎用機 ( といっても、サーバー型のワーク ステーション ) からなる集中システムを用意して管理の手 間を減らそうと考えました。 3. サーバーによるアプリケーションの共有 大きな記憶領域を備えたファイルサーバーを実験・演習 用に何台か用意して計算機環境の整備はサーバー上でお こない、ワークステーションではそれを共用するような仕 掛けが要求されました。これによって、アプリケーション やその使用環境をすべての実験・演習用ワークステーショ ン上で揃えることができます。このように、教育に用いる 部分ではできるだけ管理の手間を減らさなければなりませ ん。同様に、研究室の環境のサポート用にもサーバーを使 うことにしました。 システム構成 新しい副・算機システムのハードウェア構成は図 1 のとお りです。一見して分かるとおり、 DECstation が 80 台も並 ぶというきわめて贅沢な環境になっています。 図の上半分が学生実験用の計算機群です。 1 台の DEC- station がローカルサーノヾーとなって 4 台のディスクレス をサポートする形態になっており、計 45 台の DECstation があります。これらの計算機は、プリッジを利用してほば 10 台すっ別系統のネットにすることでネットワーク全体 のトラフィックを抑えています。さらに端末 ( Vt382 ) が 45 台あり、おもにこれらをサポートするために 3 台のサーバ ー (icsfsl 、 icsfs2 、 icsfs3) があります。図の下半分は研究 用の計算機群で、各研究室にサーバーが 1 台とディスクレ スが 2 台すっ割り当てられています ( 10 講座、計 30 台 ) 。 研究用の計算機も、ほば 6 台すっ別系統のネットワークに しています。このほか、従来からある言 t 算機が lcsnet にぶ ら下がっています。 icsvax は唯一の VAX アーキテクチ ャの計算機 ( VAX3900 ) で、学科全体のサーバーとして演 習用のネット (Expnet) と研究用のネット (lcsnet) のゲー UNIX MAGAZINE 1990.8

7. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

JUNET 便り みるく やドキュメントにはその旨か書かれていますが、フリーソ PDS にしろ、フリーソフトウェアにしろ、ソースコード ・フリーソフトウェアの制限 アの違いをよく理解して正しく使い分けたいものです。 無用の混乱を起こさないように、 PDS とフリーソフトウェ フリーソフトウェアを作る人、利用する人のいすれにも 人が多くなってきたようです。 を認識していたのですが、最近になってふたたび混同する の違いに関する言侖をした糸習韋から、多くの人がその相違 JUNET では以前にヾフリーソフトウェア〃と、、 PDS" 分けられます」などと説明しているものまであります。 アウェア〃 ( 使ってみて気に入ったら使用料を払うもの ) に には「 PDS を分類すると、、、フリーソフトウェアクと、、シェ 、、 PDS 〃という言葉を使っていることが多いようです。なか 介されていますが、どうもフリーソフトウェアのつもりで 描丘、よく雑誌などでフリーソフトウェアや PDS が紹 リックドメインにおく ) というふうに使うそうです。 る場合に "put XX in the public domain" ()X をパプ 権や特許権などの ) 消滅状態クという意味で、権利を放棄す 語の辞書には載っていますが、、、公有地〃あるいは、、 ( 著作 PDS の、、 public domain" という言葉はすこし大きな英 作権はあるよ〃という点です。 して、フリーソフトウェアは、、無料で使っていいけれど著 ので、、煮て喰おうが焼いて喰おうが勝手〃にできるのに対 違は、 PDS が、、著イ料莅を放棄した状態のソフトウェア〃な Domain Software) とは違うものです。もっとも大きな相 すが、同しように無料で入手できる PDS (PubIic フリーソフトウェアは無料で入手できるソフトウェアで ・フリーソフトウェアと PDS リーソフトウェアにまつわるお話をしたいと思います。 ェアを、、フリーソフトウェア〃といいます。今月はこのフ トされていますが、このように無料で入手できるソフトウ 今月も fj . sources にはたくさんのソフトウェアがポス 128 フトウェアの場合はさらに、、どういう条件で何をしてもよ い〃という制限事項が書かれているのが普通です。たとえ ば、、、営利を目的としないかぎり、このプログラムのいかな る複写、移植、改変、修正も許諾します〃という簡単なも のから、、、著作権表示について〃、、配布内容についてクプロ グラムの利用による損害の保証についてハ商用利用につい て〃などの各項目ごとに制限カかく孑ぐしてあるものも あります。 たとえば GNU のソフトウェアでは、「コピーする各フ ァイルには著作権表示をかならす記載しなくてはいけな い」「バイナリを配布するときはソースコードも添えなくて はならない」「配布に関する手数料は請求してもかまわな い」というようなことか書いてあります。 フリーソフトウェアを利用するときには、これらの制限 : 第頁をよく理解したうえで利用・配布・改造などをするよ うにしましよう。 ・フリーソフトウェアの回覧 fj. sources には、描丘大きなソフトウェアの投稿が増え てきて、 20 から 30 ものパートに分けてポストされている ものも見かけるようになりました。とはいえ、 1 パートが 50KB として単純計算してもニュースで配布できるのは数 MB ほどカ吐限になります。 しかし、 X ウインドウ・システムのように全体のサイズ が 100MB 以上にもなるフリーソフトウェアもあります から、そのようなときには有志が集まってテープで回覧す ることもあります。これまでにも、 X11. [ 3 / 4 ] のほか、 MH 、 KERMIT 、 NCSA software 、 USENET ソフト ウェア・アーカイプなどが回覧されています。 これらは、そのフリーソフトウェアを入手した人の好意 によるものです。よいフリーソフトウェアを入手したら、 ぜひ回覧して皆で幸せになりましよう。 ◆今月の話題から ( 1990 年 6 月 22 日現在 ) Newsgroups: fj . general Subject: Status Of Bitnet overseas line BITNET 国際回線の利用状況と利用制限についてのお 知らせです。現在、 BITNET の日本と海外ゲートウェイ間 の転送速度はそれはど高速ではないのにもかかわらす、大 容量のファイルの転送リクエストが相次いでおり、回線が UNIX MAGAZINE 1990.8

8. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

メールシステムのセットアップ 特集 もできますが、システム側で設定したほうが楽な場合もあ ります。 このための設定方法には、以下の 3 つが考えられます。 1) NFS を使って、メールポックスのためのディレクトリ を物理的に 1 つにする。 2 ) sendmail.cf を変更して、ローカルなメールポックス に書き込まれるメールをメールサーバーに転送する。 3 ) aliases ファイルを設定して 1 カ所にメールを集める。 1 ) の方法は簡単ですが、メール配送時の書込みとメール のアプリケーションによる読出しが同時に生した場合に、 ファイルのロックをどうするかが問題となることもありま す。ここで安易な方法を採ると、メールポックスが消去さ は、ルールセットのなかで、 sendmail. cf のなかに書けるようになりました。たとえ 同時に、ホスト名を正式なものに変更するための記述が と管理しなけれはなりません。 す。その代わり、 BIND サーバーの MX レコードをきちん く、したがって sendmail.cf はほとんど変更せすにすみま 基本的に、メールの転送のための記述はこの 1 行だけでよ SMTP メーラーに smtp という名前を使用しています ) 。 に対して SMTP を使ってメールが送られますにこでは、 対する MX レコードを参照し、その結果得られたシステム keisuke@unimaga ・ CO. jp であれば、 unimaga ・ CO ・ jp に という senmdail. cf の日当があったとしましよう。宛先が UNIX MAGAZINE 1990.8 合です ) 。 や /usr/lib/sendmail. subsidiary. cf の記述を使った場 ように設定されています (/usr/lib/sendmail. main. cf になっています。現在、 NIS を利用する仕組みは、以下の Sun か胱供している sendmail は、 NIS を利用するよう N 旧の利用 た正式な形式に変史することができます。 完全なものや、別名となっているものをドメイン名を含め と記述すれば、ドメイン名に省略があるなどホスト名が不 ゝれるような事故が起きる可能性もあります。 2 ) と 3 ) は 1 ) よりも安発生が高いものの、利用者が設定 している . forward がシステム側の設定と矛盾している場 合にループを生しるおそれがあります。その点に注意すれ ば、かなり有効な方法といえるでしよう。ただし、利用者 はメールサーバーでしかメールを読むことができなくなり ます。 N D からの青報の取得 「 BIND サーバー」の章で説明があったように、 MX レコ ードを設定し、それにしたがって sendmail の動作を制御 することができます。 MX レコードは、最終的な宛先を決 たとえば、 定する際に使われます。 31 の情報を参照できます。しかし、 2 ) の機能を使って参照で 前号の「 NIS 」の説明でも触れたように、 NIS は BIND になります。 く、ドメインマスターのシステム名を付けることが可能 メールポックスを置いているシステム名 ) を出すことな することで、 From : に個々のシステム名 ( 利用者個人が という From: フィールドを keisuke に直します。こう From: keisuke@hlssystem.unimaga ・ co ・」 p とあった場合、 keisuke : keisuke@hissystem.unmaga ・ CO ・ JP 向の情報をもっています。たとえば、 /usr/lib/aliases YP マップ mail. byaddr は、 /usr/lib/aliases の逆方 されます。 3 ) From : の行は NIS マップ mail. byaddr に従って置換 ホストに直接 SMTP を使ってメールを送ります。 2 ) NIS マップ hosts. byname に登録されていれは、その aliases ファイルから作成されます。 通常、 mail. aliases は NIS のマスターサーバーの プ mail. aliases を使って別名の処理をおこないます。 1 ) /usr/lib/aliases (/etc/aliases) に先立って、 NIS マッ

9. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

、特集 応用的な事項 漢字コードの変換 ネットワーク時代のワークステーション管理 、ゝ 1 ) メールシステム ( sendmail など ) でおこなう 現在では、日本語 ( 漢字コード ) を簡単に扱える UNIX が多くなり、メールも国内でやりとりされるものはほとん どが漢字混しりになってきました。 日本語化された UNIX は、 EUC を標準として使ってい る場合が多いようです。これに対して、メールとして転送 する場合には JIS コードを使うように奨められています。 とくに組織間でやりとりするメールに EUC を使っている と変換がかかって文字化けが生しるので、かならす JIS コ 2 ) アプリケーションでおこなう 3 ) 利用者が個人でおこなう という 3 種類から選択できます。どの方法にも一長一短が あって決定的なものはないのですが、本来は 1 ) がもっと もよい解決方法でしよう。ただし、 sendmail 自体はコード 変換の都合を考えた設計にはなっていないので、あまりす っきりした解決はできません。 こでは、とりあえす使用 する方法を記しておきます。 外部から入ってくるメールに対しての変換 ローカルなメールポックスに書き込む段階で変換を加え ードにする必要があります。 漢字のコード変換方法は、 MIoc 訌 , P=/bin/ma11 , F=rIsDF&n, S = 10 , R = 20 , A=maiI -d $u となっている部分を以下のように変更します。 ます。具体的には sendmail. cf で、 M10c 訌 , P=/usr/Ioca1/etc/ma11-nt0h, F=r1sDFMmn, S = 10 , R = 20 , A=mai1-nt0h -d $u mail-ntoh は以下のようなシェルスクリプトです。 # ! /bin/sh exec /usr/local/bin/ntohk ー /bin/mail $ * ( ここで、 ntohk コマンドは JIS コードをそのシステムの 漢字コードに変換するフィルタとします ) 。 外部に出ていくメールの変換 そのシステムから外部に出ていくだけのものに対しては、 有効な変換方法はありません。ただし、 /usr/ucb/mail だ けを対象にするのなら、以下の方法があります。 MaiI. rc ファイル ( あるいは各利用者の . mailrc ) に以下 # ! /bin/sh ードに変換するフィルタとします ) 。 ( htonk コマンドは、そのシステムの漢字コードを JIS コ mail-hton は、以下のようなシェルスクリプトです sendmail=/usr/local/etc/mail—hton の行を加えます。 exec /usr/local/bin/ntohk ー /usr/lib/sendmail $ * 30 この方法では /usr/ucb/mail にしか対応できません。 のほか、 /usr/lib/sendmail 自体を、漢字コード変換フィ ルタを通してから本当の sendmail を起動するようなシ ェルスクリプトに置き換える方法もあります。しかし、 uucp でメールのやりとりをおこなうようなシステムでは、 そのシステムを通過するだけのメールにもコード変換をお こなってしまいます。そういった意味では、あまり推奨で きない方法です。 なおはも丘の日本語化された UNIX では mail などのユ ーザー・インターフェイスのプログラムでコード変換を自 動的におこなうものもあるようです。 メールサーノヾー ーは、あるネットワークでメールポックス メールサー を集中して管理するマシンです。 Ethernet にたくさんの マシンか接続されている環境で、あちこちのメールポック スにメールがそれぞれ書き込まれてしまうと面倒です。で きれは 1 つのシステム上のメールポックスに集めたはうが、 管理者にとっても利用者にとっても都合がよいでしよう。 もちろん、各利用者が自分で設定して 1 カ所に集めること UNIX MAGAZINE 1990.8

10. UNIX MAGAZINE 1990年8月号

すが ) 。 さらに、組織外から、、そちらの大学の xx 先生のメール アドレスを教えてほしい〃あるいは、、そちらの大学の出身 者ですが、成績証明がほしいので手続きを教えてください〃 というメールが送られてくることさえあります。相手にし てみれば、問合せ先がよく分からないので postmaster 宛 にしてしまうわけです。ポストマスターは、これらにも ( そ れなりに ) きちんと答えていかなけれはなりません。 これらは技術的な事項ではありませんが、メールシステ ムの運用を続けていくためには重要なことです。管理者の ところにくる可能性のある質問には、次のようなものがあ ります。項目ごとに筆者の経験からいえることを付加して おきます。 ・△△さんのメールアドレスが知りたい 可能なかぎり情報は提供すべきです。しかし、現在その ための有効な手段はありません。 そこのポストマスターさんと親しければ、問い合わせて みるのも 1 つの方法です。ただし、相手はポストマスター を務めるくらいの人ですから多忙です ( ? ) 。あまり迷惑が かからない程度にとどめましよう。結局のところ、、、本人に 問い合わせたほうが早いですよ〃ということになってしま います。いまのところ、これに勝る解決策はありません。 ・相手がメールを読んだかどうか知りたい 現在の UNIX システムあるいは sendmail では実現で きません。相手に、読んだら芯を示してはしいと頼むし かないでしよう。 なお、宛先に確実に到着したかどうかは、メールを出す ときに Return-Receipt-To: というへッダに自分のアド レスを書いておけは、相手のシステムに到着した時点で reply が生成されて送り返されます。ただし、相手側のシス テムがサポートしていない場合もあることをかならす言い 添えておきましよう。 ・いつ誰にどんなメールを出したか、記録を採っておきた いのですが・・ 、、そんなの簡単しゃない〃とあなたは言うかもしれませ ん。しかし、利用者はあなたのようになんでも知っている わけではありません。たとえば、、、 mail コマンドをお使いで すね。それでは、メールを出すときに相手のアドレスに加 えて、もう 1 つ自分の名前を追加してください。そうすれ UNIX MAGAZINE 1990.8 メールシステムのセットアップ は相手に送られると同時に自分にも送られますから、記録 になりますよ〃と答えるだけでもいいのです。そこで、新 しいユーサー・インターフェイスや複雑な使い方を教える のはやめましよう。利用者はメールを使って情報交換をし たいだけで、メールのユーザー・インターフェイスを使い こなすことが目的ではありません。現在の利用者の使い方 から考えて、もっとも簡単でスタイルを変えなくてもすむ 方法を提案するはうがよいでしよう。あなたがそれよりよ いと思われるユーザー・インターフェイスを知っていたと しても、利用者が現在の使い方に不便を感しるようになる までは紹介しないほうが賢明です ( むろん、例外もあります が ) 。 テストメールの出し方 テストメールというのは本来なら出す必要のないメール ですから、なるべく周囲に負担をかけないようにすべきで す。注意が必要な点としては、以下の事項が考えられます。 ・たくさん出さない たくさん出しても成功するわけではありません。 1 つ出 したら syslog や mqueue をチェックして、そのメールが どうなったかを判断しましよう。それから次の行動に移っ てください。 ・なるべく外部に出さない 組織外にきちんと届くかどうか心配する気持ちは分かり ますが、実際にメールを出さなくても sendmail -bt コマ ンドでおよその見当はつけられます。もし、ほかの組織に うまくメールが届かない場合でも、メールのヘッダやログ の情報を見たり、 sendmail 、メーラーの機構、メーラーが 使用する通信プロトコルを分離して調べたほうがトラブ ルの原因を特定しやすいものです。 ・なるべく他組織の管理者に負扣をかけない たとえば、 guru. ed. unimaga ・ co ・ jp から root% guru. ed. unimaga ・ CO. jp@acchi.ac ・ jp にメールを 出します。通常、 acchi. ac. jp のゲートウェイまで届いて から自分のところに戻ってきます。これなら相手の管理者 に負扣をかけることはありません。ただし、エチケットと して、相丁の管理者にはゞそちらに出して戻ってくるこ れこれしかしかのテストメールを出します〃と知らせてお くべきでしよう。 29