プリンタ - みる会図書館


検索対象: UNIX MAGAZINE 1991年12月号
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1. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

e $ & 0 ce ワークステーション・ガイド PostSc ⅱ pt プリンタ 4 機種 敷田幹文 / 権藤克彦 いまや、 UNIX 業界でプリンタといえば PostScript きれい、騒音が小さい、印字が速いなどの特徴がありま プリンタのことを指すほど、 PostScript プリンタは一 す。 般的なものになってきました 1 。今回はちょっと趣向を変 PostScript プリンタとは ? えて、印字方式が電子写真方式の PostScript プリンタ のなかから、以下の 4 機種を紹介します。 一般に、電子写真方式のプリンタは他方式のプリンタ ・ Fuji Xerox 4109 ( 富士ゼロックス ) ・ LaserWriter Ⅱ NTX-J ( アップルコンピュータジ ヤノヾン ) ・ MICROLINE 801PS ( 沖電気工業 ) ・ NeXT 400dpi レーザプリンタ (NeXT Computer Systems 、キヤノン販売 ) ロプリンタの概要 電子写真方式とは ? 電子写真方式のプリンタは、「ページプリンタ」などと も呼はれますが、乾式の複写機と同し原理を用いて、コ ンピュータから送られてきた情報を紙に印字するもので す。 光が当たるとその部分だけ抵抗値が変わる性質をもっ たドラムの上に、半導体レーザー、発光ダイオード ( LED ) などの光を当てて潜像を作り、帯電させたトナー ( 微粒子状のインク ) をのせて現像します。あとは、これ を紙の上に転写し、高熱をかけて定着させます。 他方式のプリンタと比較すると、解像度が高く印字が 1 PostScript は、 Adobe が開発したべージ記述言語です。 Fuji Xerox 4 田 9 Writerll NTX-J La ser 19 UNIX MAGAZINE 1991.12

2. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

第 e $ & 0 ce 0 ee ロードする PostScript インタープリタやフォント、お よび PostScript データを解釈した結果のイメージデー タの格納に使われます。 4109 自体にはハードディスクは 接続せす、プログラムやフォントデータは、プリンタの 起動時にワークステーションから転送します。 ちなみに、使用時の RAM の内訳は、 PostScript イン タープリタなどのプログラムに 4MB 、フォントに 8MB ほど割り当てられ、残りは展開したイメージ ( 最大で A4 判 2 ページぶん ) や CPU のワーク領域として使われま す。 ほかの 3 つのプリンタは Adobe 純正の PostScript ですが、 4109 だけは PostScript 互換のインタープリタ を使っています。 4109 には PostScript 標準の 13 書体のほかに、 Script の機能もあります。これまでの PostScript の処 AvantGarde や Bookman などの LaserWriter でお なしみの 35 種類の欧文フォントが入っています。しか し、欧文フォントは Bitstream4 製なので、 Adobe の純 正フォントとは微妙に異なり、フォントのデサインに敏 感な人は気になるでしよう ( 図 1 ) 。 日本語のフォントに関してもほかのプリンタと同しく 明朝体とゴシック体の 2 種類をもっていますが、これも ほかのプリンタがモリサワのフォントなのに対し、タイ プバンクのものを使用していてかなり趣が違います 5 。し かし、 PostScript 上では、はかのプリンタとまったく同 じ Ryumin-Light-H や G0thicBBB-Medium-H と いった別名が使えるようになっています。 NeXT の 400dpi レーサプリンタ NeXT の「 400dpi レーザプリンタ」は NeXT ワーク ステーション専用のプリンタで、印字密度は 400dpi あ るいは 300dpi をソフトウェアで選択でき、印字速度は 8 ページ / 分です。このプリンタは厳密には PostScript プリンタではなく、ワークステーションから送られてき たラスター・イメージをそのまま印字する機能しかもっ ていません。 PostScript の解釈はワークステーション 本体がおこないます。 NeXT がもっている PostScript はレベル 2 という最新のノヾージョンで、 Display POSt- 4 米国の会社。 XWindowSystem などにもフォントを提供しています。 ミンライト」と「ゴシック BBB 書体ミデ 5 モリサワのフォント 「 TB 明朝 M 」と「 TB ゴシック ィアム」。タイプバンクのフォント 同じ名前でもかなり印象がちがう。 図ー左が 4 田 9 、右は NTX ー J のフォント。 Courier Helvetica Times-Roman Bookman AvantGarde 明朝 ゴシック Courier Helvetica Times-Roman Bookman AvantGarde 明朝 ゴシック 22 理がバッチ的だったのに対し、 Display PostScript は、 クライアントからの要求に応して画像を描き換えるなど、 X サーバーのような機能をもっています。 NeXT のウ インドウ・システム (NeXT Step) のサーバーは Dis- play PostScript を内蔵しており、プリンタに出力する PostScript プログラムもこのサーバーに渡されて解釈 され、イメージデータに展開されてからプリンタに送ら れます。 このプリンタの構造はごく単純で、本体を開けるボタ ン以外にユーザーが操作するスイッチ類はいっさいあ りません。電源スイッチすらないのです。 ロ各プリンタのインストール プリンタはインストールしなければ使えません ( 当り 前 ) 。インストール作業のおおまかな流れは、 1 ) ケープルなどを接続し、プリンタ側での設定 ( インター フェイスの選択など ) をおこなう 2 ) 接続するワークステーションの設定 (printcap の編 集など ) をおこなう となります。 printcap の詳しい書き方は、本誌 1990 年 10 月号の「 ro 。 t の基礎知識 ( 1 ) プリンタ自由自在」にあ こでは深入りせすに実際の設定例を挙げ りますので、 UNIX MAGAZINE 1991.12

3. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

ew $ & 0 ee 0 を一 ee にくらべて解像度が高く、従来のプリンタのように 1 ド などの点が挙げられます。 ットにつき 1 ピットのようなデータ転送では、転送され PostScript 以外にもページプリンタの制御コードは いくつかありますが、キヤノンのシ るデータが大量になってしまいます。また、文字だけで はなく、図形を含んだデータを印字することも増えてき リーズなどで使われている「 LIPS 」がよく知られていま たため、従来のような制御コマンドでプリンタをコント す。文字や図形から構成されるデータを出力する場合、 ロールするのは困難なうえ、ソフトウェアの負担も増え PostScript よりも転送するデータは少なく、プリンタ側 ます。そこで、文字の表現能力が高く、 2 次元図形の描 での処理も少ないので高速に印字できます。また、複数 画命令をもつ一ジ記述言語〃が必要になりました。 のフォントのサポートや図形の描画を PostScript とほ このなかのひとつで近年注目を集めているのが、 Adobe ほ同様にできるほか、プロッタのエミュレーションに向 Systems が作った PostScript です。 いたコマンドを備えているため、 CAD や DTP など、多 くのアプリケーションが LIPS をサポートしています。 今回とりあげたプリンタは、いすれもこの Post- Script 言語 ( 相当 ) のインタープリタをもっており、ワー しかし、プリンタに送るデータは基本的にバイナリ形 クステーション側からプリンタへ送られるデータはすべ 式なので、人間が読んで理解するのは難しく、 Post- Script のように手でクコードを書くのは困難です。ま て PostScript のプログラムになっています。 PostScript 言語の特徴としては、 た、コードの構造化も難しく、繰返しの多い図形データ をわすかのコードで表現するような、、芸当〃はできませ ・従来のプリンタの制御コマンドとは違い、人間が読ん ん。 でも意味が分かるテキスト形式 各プリンタ士様 ・ Forth に似たスタック言語で、変数や手続きが定議で きるなど、高級プログラミング言語並みの能力をもつ ・文字は任意の大きさに拡大 / 縮小が可能で、回転、反 原理の説明が終ったところで、今回とりあげた各プリ ンタの仕様を紹介します。 転、変形などもできる ・図形を描くための豊富な命令をもつ おもな仕様は表 1 にまとめましたが、 こでは各機種 ・解像度を含めてデバイスに依存しない命令体系になっ 独自の特徴を挙げてみます。 ているので、 PostScript 対応ならばどのプリンタに LaserWriter Ⅱ NTX-J 出力しても同し結果 2 が得られる アップルコンピュータの「 LaserWriter Ⅱ NTX-J 」 ( 以ード、 NTX-J と略す ) は、同社の LaserWriter lr NTX に日本語機能を実装したもので、プロセッサに M ℃ ROLINE 801PS ロ 2 もちろん解像度が低い場合には、それなりの印字品質になります。 NeXT Printer 20 UNIX MAGAZINE 1991.12

4. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

e $ & 新 0 ル 0 00 を直接編集してはいけません。 リモートプリンタの pr ⅲ tcap 次に、はかのマシンからも使えるように設定します。 表 6 rm rp sd If リモートプリンタのための printcap 記述例の説明 プリンタ名は umxps で別名は xps 、、 A4 、 A4Paper 出力デバイス名はこのようにかならす NULL 文字列にる リモートホスト名は unimaga リモート リンタ名は umxps ール・ディレクトリは /usr/spool/ra41pd ス ログファイル名は usr adm/lpd. errs 基本的には使いたいマシン側の printcap を編集し、 lpd デーモンを動かせばよいのです。ここでは典型的な例を ・リモートプリンタのための printcap 記述例 1 加 xp 引引 1 可 A41 A4Paperl Auto select A4 tray: \ 、、、もとに説明します。 : lp= : m=unimaga:rp=umxps : \ : sd=/usr/sp001/ra41pd: \ : If = / us て / a 面 / 1 . errs : このように、プリンタ名とスプール・ディレクトリを 定義します俵 6 ) 。注意点は lp フィールドに NULL 文 字列を指定することと、プリンタが実際に接続されてい るワークステーション ( この例では unimaga) の /etc/ hosts. equ ⅳに自分のホスト名が含まれているかどう かを確認することです。 SunOS4. X や 4.3BSD の場合 には、 /etc/hosts. equiv のほかに /etc/hosts .lpd とい うファイルがあり、自分のホスト名が hosts. equiv に入 っていなくても、 hosts. lpd に入っていればプリンタに アクセスできます。 hosts. equ ⅳはセキュリティ・ホー ルになることがあるので、できるだけ hosts. lpd を使う ほうがよいでしよう。 べンチマークテストの説明 今回は、とりあげた PostScript プリンタについて、ワ ークステーション本体のようにべンチマークテストで性 能を評価してみました。 しかし、 PostScript プリンタの性能を計るための標 準的なべンチマークテストは、残念ながらありません。 そこで、 PostScript の各種の性能を計る簡単なテスト をいくっか作ってみました。これで十分とは断言できま せんが、ある程度の参考にはなると思います。 テストは大きく分けて 2 種類あります。 1 つは、 Post- Script の代表的な機能を集中的に実行し、それにかかっ た時間を謙則します。これは、ワークステーションのテ ストにおける xbench のようなものです。もう 1 つは、 UNIX MAGAZINE 1991 ユ 2 MUSBUS のように日常的な作業でのパフォーマンス をはかるために、 roff や X の文書の出力をおこなう ものです。 時間の計り方 前述のとおり、 PostScript は高級プログラミング言 語並みの能力をもっています。また内部に時計ももって いますので、べンチマークのために実行時間を計るよう なプログラムも簡単に書けます。 べンチマーク用プログラムは次のような構成になって います ( 26 ページリスト 1 参照 ) 。 ・時間計測用の手続きを定義する ・テストの手続きを定義する 現在時刻を記憶する ・テストの手続きを呼び出す ・現在時刻からテスト前の時刻を引いて、結果を出力す る テストの内容をあらかしめ手続きとして定義しておき、 あとでわざわざ呼び出すようにしたのは、時間を計り始 める前にテストプログラムの転送を終えて、計測される 時間のなかにテスト内容の転送時間が含まれないように するためです。 ただし、大きな文書を印刷するテストでは、 1 つの手 続きとして定義するのが困難であるなどの理由でこの方 法は使っていません。この場合には、時間を計測する手 25

5. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

news&notice 0 ce NeXT の評価 4 機種のうちもっともよい成績を上げています。 PostScript の解釈をしているのが NeXT 本体の 68040 なので当然でしようし、ほかの 3 機種とは構成が 大きく異なっているので一概には比較できません。 NeXT の PostScript に関してすこし気になる点は、 PostScript のバージョンの違いです。とくに、 NeXT の PostScript インタープリタは Adobe の推奨している 、、 Document Structuring Conventions" に従って入力 を解析します。これは、 PostScript の文法にはないがコ メントのなかにこのコンべンションに従った各種の情報 を入れておき、各種のアプリケーションが PostScript ファイルを処理しやすくするものです。 たとえは、複数ベージにわたる PostScript ファイル 〃という文字列をベージの区 のなかで、、 %%Page: 切りに入れておくと、最後のページから逆順に印刷され て最終的に 1 ページ目がいちばん上に重ねられるので便 利です。また、 NeXTStep 上のプレビューアでこの PostScript を見ると、本来は先頭から順にしか表示で きませんが、ページごとに戻ったりページを指定してジ ャンプしたりできます。 しかし、このコメントの解析に時間がかかるため、デ ータを送ってから最初のページが出力されるまでに多少 時間がかかるようです。また、ほかのプリンタではこの 情報を無視しているため、あるプリンタで問題なく出力 できる PostScript ドキュメントが、 NeXT のプリンタ では出力できないことがあります。 PostScript を生成 するアプリケーションが、これらの情報を誤った形式で 出してしまうことも多いようです。今回のべンチマーク でも jdvi2kps の出力したファイルから % % Page : 〃を 削除する作業が必要でした。 話は多少それますが、 NeXT 以外の 3 機種ではこの 出力順〃の問題は機械的に解決しています。紙が出てく る部分がプリンタの上部にあり、印字面を下にして重ね られていく 7 ようになっています。この方式なら印字され た順に並んだ印字結果が得られるので、あとで人間が並 べ替えたり逆順に出力する必要はありません。 7 これを「フェイス・ダウン」といいます。逆は「フェイス・アップ」です。 UNIX MAGAZINE 1991.12 本体のサイズですが、 NeXT のプリンタは形状がシ ンプルで小さいにもかかわらす、一方にトレイを挿し反 対側から出力が出てくるため、実際にはかなり広い場所 を必要とします。 ディスプレイとプリンタ双方への出力を DispIay - PostScript によって統一したのは画期的なのですが、プ リンタ出力中はディスプレイ側の描画スピードにかなり 影響を及ほしますので大量のデータを出力していると きには多少レスポンスが悪くなります。インストールは NeXTStep 上のほかのアプリケーションと同様にとて も簡単です。総合的にみてこのプリンタもかなり魅力的 だと思います。 おわりに 今回は、日本語 PostScript プリンタのなかから 4 機 種を紹介しました。残念ながら今回は PostScript 自身 の説明や PostScript を使ったアプリケーションなどに ついてはほとんど触れることができませんでした。 種々の形式のイメージを PostScript に変換するコン バータ、 X の d ⅵ出力を PostScript に変換する dvi2ps や jdvi2kps 、 xfig や idraw などのお絵描きツ ール、 PostScript のプレピューアや PostScript 関係の アプリケーション、 NeXT の DisplayPostScript につ いても語るに尽くせないものがあります。 機会がありましたら、これらについても紹介したいと 思います。 参考文献 [ 1 ] " Pos ゅーん〃〃 g ge ル〃化 M の " , Second Edition , Adobe Systems lnc. , 1990 [ 幻 " んげル / ″ NTX-J 0 “盟 ' S Guide" [ 3 ] CFUJI XEROX 4109 レーザープリンターユーザーズガ イド』、富士ゼロックス [ 4 ] "NeXT Uset ・ 's e. 元〃化 " ,NeXT Computer Sys- tems lnc . ( しきだ・みきふみ、ごんどう・かつひこ東京工業大学 ) 31

6. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

e $ & 0 ee 0 ce 後だけなのに対し、 4109 はワークステーションをリプー トするたびにかならす待たされるので、頻繁にワークス テーションをリプートする人は気になるかもしれません。 また、マニュアルでは禁止されていますが、ワークス テーションの稼動中にプリンタの電源をいったん切り、 再度入れたときにどのくらい待たされるかも計ってみま した。結果は約 280 秒でした。このように、プリンタを 再起動した場合には、再度ワークステーションから情報 を送ることになっていますが、 SCSI で接続されている のでやめたほうがよいでしよう。最悪の場合、ワークス テーションがハングアップしたり、ほかの SCSI デバイ スに悪影響をもたらすことも考えられます。ューザーズ ガイドによると、電源を落とす正しい手順は、システム をシャットダウンして ROM モニターまで落としてか ら、本体、プリンタ、ディスプレイの順で電源を切るこ とになっています。 今回テストした 4 機種のうち、 4109 だけがバナーを出 力する設定になっていました。これは printcap の if で 指定してあったものです。このバナーの文字のせいで、 ワークステーションからのダウンロードが必要なのは 、、最初の印刷時〃かヾ最初にフォントを使ったときクかの 確認ができませんでした。やはりバナーの出力を止めて 確認するべきでした。べンチマークの結果の経過時間に もバナー出力の時間が入っていますが、空テストの結果 を差し引いているので総合的な結果に影響はありませ ん。 総合的には、かなり印字が速く、 A3 まで出力可能とい う魅力的なプリンタです。接続できるワークステーショ ンが限られていることや、気軽に電源が切れないという 点、ほかの 3 機種にくらべて大きい ( 高さが約 2 倍 ) 点が ちょっとマイナスポイントですが、電源を切る必要はあ まりないでしようし、大きさについても A3 まで利用で きてトレイが 2 つ使えるという利点を考えれば、仕方が ないでしよう。 本物の PostScript ではなく互換性のあるソフトウェ アという点が気になるところですが、テストのために使 用した範囲内ではまったく問題なく普通の PostScript インタープリタとして利用できました。ただし、利用す るアプリケーションによっては、印字結果がはかの PostScript プリンタと明らかに異なる場合があります UNIX MAGAZINE 1991.12 ( 図 2 ) 。メーカーに問い合わせたところ、近くおこなわ れるシステム・ソフトウェアのバージョンアップで改善 される予定だそうです。なお、バージョンアップは保守 契約 ( 年間 98 , 000 円 ) を結んでいれは原則として無償で すが、テープ代程度の実費が必要になるとのことです。 プリンタ自体の性能とはあまり関係ありませんが、前 面の液品パネルに表示される情報がかなり不親切な点 が気になりました。ほとんどのプリンタは、データを受 け取っている最中や、内部で処理をおこなっている際に は、液品パネルや LED インジケータで「ショリチュウ」 などの表示をしてくれますが、 4109 では、用紙がなくな ったり、重大なエラーが発生したとき以外は、つねに「プ リントデキマス」のメッセージしか表示しません ( 次ペ ージ図 3 ) 。このため、スプールからデータを送り終った あと ( lpq で何も表示されない ) で、プリンタ内部での処 理に時間がかかるような場合、確実に動作しているのか どうかが分からす困りました。この点についても、次の バージョンで改善される予定だそうです。 NTX-J の評価 ます転送時間がとても長い点が気になります。これは インターフェイスが RS232C ( 9 , 600baud ) であること が原因です。これが影響して IbX 300dpi のテストは内 図 2 上は M ℃ RO 凵 NE 、下は 4 9 の出力。 同じアプリケーションを使用。 29

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e $ & 0 ce 0 ce 表 4 4 田 9 を接続するための printcap 記述例の説明 sd sh 訂 mx If cf プリンタ名は umxps で別名は xps,lp, A4, A4Paper 出力デバイス名は /dev/rxpsA4 スプール・ディレクトリ名は /usr/spooI/a41pd ジョブヘッダを出しない 改ページコードを出力しない スプール・ディレクトリに書き込めるファイルサイズ ( 単位は BUFSIZ) で /usr/local/lib/lpf/umxpstxt. courier cifplot フィルタの出力に使うフィルタ名は /usr/local/lib/lpf/umxpstxt テキストファイルの出に使うフィルタ名は ログファイル名は /usr/adm/lpd ・ errs こでは 0 を指定しているので制限なしとなる 表 5 rw xs xc fs fc br RS232C て続するための printcap 記述例の説明 出力デバイスを読み書きできるモードでオーンする tty のローカルモードフラグのうち 04 40 をセットる ない ) tty のローカルモードフラグのうち 0 クリアる ( つまり何もクリアし tty のモードフラグのうち 03 セットる tty のモードフラグのうち 0374 をクリアる 転送速度は 9600baud タなども指定しています。 NTX-J の場合 : If = / て / a 面 / 1 . e 江 s : \ : sd=/usr/spool/ntxj : \ : lp=/dev/ttya: sh:ff=AD : sb : mx # 2000 : \ ntxjl LaserWriter ll m—J via 232C : \ ■ RS232C て続したプリンタのための printcap の例 で接続しました。ますプリンタ側のディップスイッチに 前述のとおり、今回は AppleTaIk ではなく RS232C 、、、よってインターフェイスを選択し、設定の変更を反映さ とを確認します。次に printcap を記述します。 されるスタートアップ・バナーを見て、設定が正しいこ せるためにいったん電源を入れなおします。この際出力 : b て # 9600 : fc # 0374 : fs # 03 : xc#O : xs # 040040 ルモードフラグの設定はやや面倒です は表 5 を参照してください。 tty のモードフラグ、ローカ 最後の行が RS232C に関する部分で、それぞれの意味 MICROLINE の場合 味を調べることができます。 でモードフラグ、ローカルモードフラグの各ピットの意 % man 4 tty ップ・バナーで設定を確認します。ワークステーション です。 NTX-J と同様に電源を入れなおし、スタートア でインターフェイスをセントロニクスにセットするだけ ラレルでの接続は、ケープルを接続し、メニューボタン 38 , 400baud までのスピードで接続できることです。パ なくプリンタ上のメニューボタンで設定することと、 のは、インターフェイスの選択をディップスイッチでは ルの場合、設定方法は NTX-J とほば同しです。異なる の 3 種類のインターフェイスを装備しています。シリア MICROLINE は、 AppleTalk 、シリアル、パラレル 24 側では printcap を編集します。 ■セントロで接続したプリンタのための printcap の例 mll OKI MICROLINE 801PS : \ :du#l : # 4000 \ : 1p=/dev/1p0 : sd=/usr/spool/ml\ : If = / Ⅱ sr / a 面 / 1 . errs : \ : df=/usr/local/lib/df. : \ : if=/usr/local/lib/if. : \ : sh: ff=AD: sb シリアルによる接続の場合と違い、出力デバイスとして /dev/Ip0 (NEWS OS の場合 ) を指定するだけです。 NeXT の場合 NeXT プリンタは、 NeXT ワークステーション専用 のプリンタなのでインストールはとても簡単です。電源 ケープルとシリアルケープルを接続するだけで、プリン タ側での設定は必要ありません。ローカルに使うだけな ら、ワークステーションをリプートすればすぐに利用可 能です。はかのマシンから使いたい場合や、プリンタ名 などの再設定は、 NeXT の上で PrintManager を起動 してインタラクテイプにおこないます。またリモートプ リンタの設定も同様です。ただし、 NetInfo(NeXT の ネットワーク管理システム ) との関係で、 /etc/printcap UNIX MAGAZINE 1991.12

8. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

第 e $ & 第 0 0 ee べンチマーク・プログラム 今回おこなった各テストの詳細は以下のとおりです。 ◆空テスト何もしないテスト。テストする手続きの部 分が空で、時間計測部分だけしかない PostScript フ ァイルを送ります。つまり、内部時間ははとんど 0 に なります。 どのテストでも、経過時間には最後に内部時間を出力 するのに要した時間も含まれてしまいます。空テスト の経過時間を求めておくと、内部時間の出力にかかる 時間が分かるので、はかのテストの経過時間からこの ぶんを差し引いて、真の経過時間が推察できます。 ◆転送時間意味のない文字列を大量に送り、受け取る プリンタはそれをすべて捨てます。つまり、プリンタ は複雑な計算をすることもなく、文字や図形を出力す ることもないので、純粋に転送に要した時間に近い結 果が得られます。 たとえば、あとで述べる結果のなかで、 NTX-J の空 テストは 19 秒、転送時間テストは 292 秒になってい ます。この 292 秒から空テストの 19 秒を引くと、純粋 な転送時間は 273 秒となります。このテストでは約 256KB のデータを送っているので、 256X1024 十 273 = 960 .23. (B/s) となり、 1 バイトはデータの 8 ピットとスタートピット、 ストップピット各 1 ピットで 10 ピットに相当するこ とから、ほば 9 , 600bps で転送されていることが分か ります。 ◆直線さまざまな太さの直線を大量に描きます。、、テス ト A" は水平な線だけを使い、、、テスト B" は多種多様 な角度の線を描きます。 ◆英文字 Times-Roman のフォントを用いて、種々 の大きさで文字を描きます。文字に関しては、アウト ラインのフォントから生成したイメージをプリンタ内 部でキャッシュすることがあるので、同しテストを連 続して 2 度おこないます。この際、可能な場合は 1 回 目のテストの前にプリンタをリセットして、キャッシ ュがクリアされるようにしました。 ◆漢字漢字に関しても英文字と同様に、 Ryumin- UNIX MAGAZINE 1991.12 Light ー H というフォントを用いて 2 度のテストをお こないました。 ◆イメージ 256 階調のグレイスケールの適当な画像を 描きます。、、テスト A 〃は正位置で描画し、テスト B" はテスト A" と同しデータを 30 度左に傾けて描画し ます。 ◆ troff の出力 (TranScript) 実使用時に近い Post- Script ドキュメントの出力例として、オンライン・マ ニュアルを TranScript6 を用いて PostScript に変 換したものを出力します。使ったマニュアルは、、 term - cap(5 ) 〃で、出力枚数は内部時間の印刷を含めて 10 枚です。このテストでは内部時間のほかに、経過時間 も測定しました。 ◆明 X の出力 ( アスキー X 十 jd ⅵ 2k ) 日本語の 文書の出力例としては、 X の文書 ( d ⅵファイル ) を jdvi2kps で PostScript に変換したものを使いまし た。出力は内部時間の印刷ぶんを含めて 14 枚です。た だし、日本語のフォントに関しては内蔵のアウトライ ンフォントを使用しますが、でよく使われる 、、 Computer Modern" フォントは PostScript のフォ ントではないため、 PostScript ファイル中にはその 文書で使用するすべての文字のピットイメージが入る ことになります。しかし、これが一般的な使用形態と 考え、テストはこのままおこないました。 こで問題があります。一般的には PostScript はデ バイスの解像度に依存しないことになっていますが、 アウトラインではなくビットイメージでフォントを送 る場合にはそうはいきません。デバイスの 1 ドットの 大きさと送ったデータの 1 ドットの大きさが微妙に 違うと、出力はされますが汚いものになります。この ため、 jdvi2kps などのソフトウェアでは、ヾー d 〃オプ ションでプリンタの解像度を指定できるようになって います。 4109 は 400dpi ですが NTX-J など 300dpi のプリンタもあるので、このべンチマークでは 300dpi の場合と、それぞれのプリンタで使える最大の解像度 の場合の 2 とおり (300dpi だけの場合は 1 とおり ) を テストしました。 6 Adobe が開発した、各種ドキュメントを PostScript デバイスに出力するた めのソフトウェア。 27

9. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

表 7 プリンタのテスト結果 0 ce e $ & 0 ce NTX-J MICROLINE セントロ MICROLINE RS232C / 19 , 200bps NeXT 空テスト 転送時間 直線 A 直線 B 英文字 ( 1 ) 英文字② 漢字 ( 1 ) 漢字② イメージ A イメージ B roff( 1 ) r 研 ( 2 ) 300dpi ( 1 ) 300dpi ② 400dpi( 1 ) 400dpi( 2 ) 4109 8.5 29.9 66.7 14.7 14.1 13.8 7.6 25.2 38.8 64.4 62.2 162.9 162.7 156.8 156.8 ( 27 ) ( 28 ) ( 90 ) ( 90 ) ( 220 ) ( 220 ) ( 210 ) ( 210 ) 30.0 47.3 13.0 8.7 0.3 20.9 16.4 40.6 96.3 35.5 27.5 258.3 213.7 ( 19 ) ( 292 ) ( 102 ) ( 102 ) ( 555 ) ( 543 ) 17.3 53.5 148.3 1.9 44.8 40.7 69.9 160.4 58.7 48.4 266.2 217.4 263.5 215.0 ( 16 ) ( 34 ) ( 91 ) ( 87 ) ( 287 ) ( 240 ) ( 283 ) ( 235 ) 31.4 53.4 147.9 9.1 44.7 40.0 69.7 57.1 47.5 270.5 210.9 273.2 216.0 160.0 ( 16 ) ( 152 ) ( 94 ) ( 90 ) ( 350 ) ( 310 ) ( 390 ) ( 350 ) 0.4 23.5 36.5 8.2 18.1 23.2 7.0 6.0 51.1 40.6 49.5 47.8 ( 25 ) ( 31 ) ( 94 ) ( 92 ) ( 208 ) ( 185 ) ( 211 ) ( 203 ) テスト結果および評価 ストでは速くなっています。しかし、英文字のテストで と、 CPU の処理速度や転送速度が速いせいか、大半のテ 一方、 NTX-J や MICROLINE などと比較してみる なのかもしれません。 ンも違うことを考えると、このくらいの差は生して当然 成はほかとかなり異なっており PostScript のバージョ より劣っているようです。しかし NeXT プリンタの構 能はほば同しなのですが、内部時間でくらべると NeXT 体の CPU は 68040 ( 25MHz 、 15Mips) です OCPU の性 NeXT の PostScript インタープリタが動いている本 4109 の CPU は 14.5Mips の RISC チップで、 4109 の評価 きましよう。 それでは、それぞれのプリンタについて結果を見てい とんど一致するからです。 った時間から内部時間を引くと、、空テストクの時間とほ ズが小さく、紙を出力することもないため、実際にかか の経過時間は省略してあります。これらのテストのサイ このなかで、、、直線′′、ヾ英文字〃、、、漢字ク、、、イメージ〃 内の数字は経過時間です。 を表します。また、結果の数値は左が内部時間で右括弧 です。テストの項目で、、 ( 1 ) 〃は 1 回目、、、 ( 2 ) 〃は 2 回目 テスト結果は表 7 のようになります。単位はすべて秒 28 はあまりよくない結果が出ています。このあたりは、 UNIX MAGAZINE 1991.12 的には短いのですが、 NTX-J がプリンタの電源投入直 源投入後に十数分待たされます。これにくらべれば時間 ほどよけいにかかるわけです。なお、 NTX-J では、電 だけは約 170 秒かかることが分かりました。 2 分 20 秒 した。その結果、通常は約 30 秒で出るものが、最初の 1 回 プールに入れてから、紙が出るまでの時間を計ってみま めの複雑な計算も必要ありません。このプログラムをス これなら転送にはほとんど時間がかからす、描画のた showpage ムを使います。 ような白紙を 1 枚出すだけの 10 バイトほどのプログラ かるので、この時間も計ってみました。これには、次の 力するときは、フォントの転送などによけいに時間がか 4109 はワークステーションのリプート後に最初に出 合に威力を発揮しているようです。 ではなく、プリンタ内の RAM に置く方式は、漢字の場 われます。しかし、すべてのフォントを比較的遅い HDD はメモリ上の限られた量のキャッシュしかないためと田 スク上に大きなキャッシュをもっているのに対し、 4109 ます。これは NTX-J や MICROLINE がハードディ ことから、キャッシュの効果はあまりないことが分かり 度目で NTX-J や MICROLINE ほど結果に差がない しれません。また、 2 回おこなうテストでの 1 度目と 2 Adobe 純正の PostScript でないことによる影響かも

10. UNIX MAGAZINE 1991年12月号

サーノヾー・クライアント・モテルという概念 が意識的に使われ出したのは、ネットワーク ( 特 に LAN ) によるワークステーションの接続が一 般的になってからである。特に 1983 年にスター トした M げの Athena プロジェクトで強く意識 された。 Athena プロジェクトとは分散処理環 境構築の研究プロジェクトで、その基本概念と してサーノヾー・クライアント・モテルを明確に 定義した。 サーノヾー・クライアント・モテルとは、コン ビューター資源の管理と利用に関する 1 つの手 法である。コンピューター資源のサービスを提 供する側と、それを利用する側を明確に分離す ることによって、分散処理環境をできるだけ単 純な形で実現することを目的としている。 コンピューター資源を管理し、サービスを提 供するものをサーバーという。具体的なコンピ ューター資源は、演算処理能力、テータベース、 プリンター、グラフィック機能などが挙げられ る。 1 つのサーノヾーは、これらの資源のうち特 定のものを管理、サービスできるような専用機 能を持っことが一般的である。 一方サービスを利用するものをクライアント という。クライアントはサーノヾーにリクエスト を送ることによって、サーバーの持つ資源を利 用する。クライアントは資源そのものの構造を 意識する必要はないため、容易にコンピュータ ー資源を利用できる。またサーノヾーとクライア ントのインターフェースに通信を用いることで、 ネットワークを通じた資源利用が可能になる。 現在も分散処理環境の様々な実現方法が模索 されているが、サーノヾー・クライアントは概念 が単純で実現しやすいため、最も一般的に用い られている。 あわなければならない。そのためにワークグループ・ ピューティングの統合が必腰になるのである。 クライアント / サーバー・コンヒューティングとは、 1983 年、 M に始まるサーバーとクライアントの概念 データ バー ■サーバー・クライアント・モテルによってコンピューター ・リソースをネットワーク上に分散することができる アプリケーション プ - プ CPU 能 ディスク プリンター アプリケーション GUI ワークステー 、 / ョン サーバー・クライア ント・モデルによる プログラムモジュー ルの分離 プリンタ サーバー CPU サーバー C P U C P U CPU プリンタ ネットワーク ー - タヨナ - ーノヾー - ネットワークによ るプログラムモジ ュールの分散 アプリケーション ューザー ァ コン る。その目標はワークグループを支援するエンドユーザー のような要求に応えるための分散システム構築の方法であ ・コンヒ。ューティングを企業全体に拡げることであり、さ そのトボロジーにある。まずユーザーに近いところでは、 クライアント / サーバー・コンヒューティングの特徴は、 情報の共有を実現する。 らにそれらを統合することによって広いエリアにまたがる