・と・く ODM と SMIT A Ⅸのシステム管理の大きな特徴は、システム情報を ODM ( オブジェクト・テータベース・マネージャ ) に管理さ せているところです。システム情報をテキストファイルで管 理している IJN Ⅸが多い中で、異色ともいえましよう。 ODM 採用の目的は大きく 2 つあり、一つはシステム情報を データベースで一元管理することにあります。既存の IJN Ⅸ では、お互いに関連しあうシステム情報がばらはらのファイ ルに記述されていることも多く、設定の変更を行なったとき にシステム情報の矛盾が生じることがあります。これに対し、 ODM により情報を一元管理すれば、このような矛盾は生じ なくなります。もう 1 つはシステム情報をノヾイナリ化して、シ ステム情報に対するアクセスを制限することです。これによ りシステムの安全性を高めることができます。 ODM 以外にも A Ⅸ独自のシステム管理の拡張があり、シ ステム管理の方法が既存の IJN Ⅸと多少違う。システム管理 用のコマンドには A Ⅸ独自のものが多く、いままで CJN Ⅸを 使っていたユーザーは戸惑うこともあるかもしれません。 そこで A Ⅸには、システム管理をできるだけ簡単に行なえ るように SM ( システム・マネジメント・インターフェー ス・ツール ) が用意されています ( 図 ) 。 S Ⅵ丁を使えば、メニ ュー形式で項目を選択して必要なノヾラメータを入力するだけ で、自動的にシステム管理コマンドを起動します。実行した 処理の履歴を残してスクリプトにする機能もあり、複数のマ シンで同じ設定を行なうときにも便利なように設計されてい ます。 システムに慣れてきてメニュー形式がうっとうしくなって きたら、コマンドラインから直接コマンドを実行するのもよ いでしよう。 SM 一丁では、処理をディスパッチする直前に PF6 を押すとコマンド・シーケンスを表示するようになって います。これを覚えておけは S Ⅵ T を使わなくてもシステム 管理ができるようになります。 ■ SM の機能 ューザー テ画 シ設 メニュー画面 カ 面入 ュ示ザ メのユ smit の起動 S M 灯 ログ・ファイルの作成 smit.log システム管理用の コマンドを起動 コマンド スクリプトの作成 smit. script 環境設定 ファイル ODM ータベー 。 = が、 FORTRAN コンバイラがないと FORTRAN で作成したフ ログラムは動かないのですか。 ください。 ■ A ー X のミラーリング フィジカル ・ポリューム ム グ 丿レ プ A Ⅸはダイナミック・リンクを標準サポート しているため、実行時にシェアード・ライフ ラリが必要になります。 FORTRAN で作成され たプログラムを実行するときにも FORTRAN 用のシェア ド・ライプラリが必要です。したがって、 FORTRAN のラン タイム環境 (Runtime Environment) を導入する必要があり ます。それでは FORTRAN をインストールする以外に解決策 がないのかというとそうではありません。ダイナミック・ リンクをやめてしまえばいいのです。 ダイナミック・リンクをやめるには、プログラムのリン ク時に一 bnso オプションをつけます。このオプションをつ FORTRAN で作成したアプリケーションを けるとシェアード・ライプラリを強制的にリンクしてしま いますので、実行時にシェアードライプラリか不要になり 動かそうとしたら、うまく動かないマシンか ます。このオプションをつけるときには、一緒に一 bnodelc - ありました。おそらくそのマシンに FORTRAN コンバイラをインストールしていないせいだと思うのです sect オプションと一 bl* プションもつけてください。これ フィジカル ・ポリューム ロジカル・ポリューム LP LP LP ファイル・システム pp : フィジカル・バーティンヨン LP : ロジカル・パーティション 広告
連載 UNIX Communication Notes 46 齊藤明紀 Cnews(1 ) 今回から数回にわたり、 Cnews システムについて解説 などから配信されるニュースを受け取り処理するシステ します。 Cnews とはネットワーク・ ムを想像しがちですが違います。 ニュースシステムの 名称で、次のような特徴があります。 たとえば、世界中に張り巡らされた広域ネットワークの 上で、人びとが公開されたかたちで議論 ( あるいはよもや ・己事の伝達 / 保管の機能の部分カ唸まれる。 ま話 ) をおこなうためのシステムです。 己事の読み書きのためのユーサー・インターフェイス・ 図 1 を見てください。ニュース ( 掲カ財反 ) システムを運 プログラム ( ニュースリーダーなど ) は含まない。 用している計算機は組織あるいは部門ごとに存在し、利用 ・ Bnews とくらべて次の特徴があります。 者は自分の属する部門が運用するニュースシステムを使用 します。そして、ニュースシステムを運用している計算機 ーシェルスクリプトが大量に介在し、構成が複雑 どうしが、ネットワークを利用してメッセージを交換しま ー処理効率を大幅に改善 す。個々の計算機ではたんなる掲カ反システムにすぎませ ー扱う記事形式に関して互換性がある んが、複数の言 t 算機がネットワークで接続されることによ ーーヨ殳ューザーからみえるニュースシステムの切ロは、 り、記事を交換する大きな論理的なネットワークを構成し ほとんど同し ます。なお、全体を統括するための中心となる計算機はな ー管理者にとってはかなり違う く、完全な分散管理体制です。 ・ Bnews か稼動中でも、止めすに Cnews をインストー ネットワーク・ニュースシステムで充通するメッセー ル、テストできる。 ジは、記事 (article) と呼はれます。その形式は、 ARPA ・バージョンアップ / バグフィックスがきわめて頻繁だ internet での電子メール 1 の形式に似せてあります。記 いたい 1 カ月に 1 回程度の頻度。 事をネットワークに向けて発信することを投稿する (post)" といいます。これは、具ー和勺にはユーサーが使っ ているローカルなニュースシステムに記事を入力すること にほかなりません。記事はますそのホストのニュースシス テムに蓄えらそこのユーザーには読めるようになりま す。同時に、ニュースシステムを運用しているはかのホス トへ記事を送る活動がおこなわれます。 己事の伝播は、記事を受信した各ホストが近隣のホスト 1 言劼、莪雑になってしまうので詳しい説明は省略しますが、 UNIX に凾 に組み込まれている sendmail などのメールシステムの形式だと思って = 1 一口 = 1 一口 Bnews を解説したのは連載の 12 回目で、 3 年前のこ とでした。その後技預勺にもいくっかの点で進歩したの で、ニュースシステムの概要から再度説明します。なお、 以降の説明で Bnews にも言及しますが、とくに断わらな いかぎり Bnews2.11.19 を指します。 ネットワーク・ニュースとは 1 三ロ ーロでいうと、計算機ネットワーク用の電 - 曷反シス ニュース " という言葉から、新聞社や通信社 テムです。 ください。 34 UNIX MAGAZINE 1992.4
連載 /UNIX Communcatlon Notes 図 2 Cnews システム成 も使います。これは実際のユーサーの作成でも、メールの aliases への登録でもかまいません。 各ホストにおけるネットワーク・ ニュースシステムを機 能ごとに分けて考えると、次のようになります。 1. 記事の受付け、管理をする部分 2. 記事を保管する部分 3. 記事をほかのホスト / 当医する部分 4. 古い記事を消去する部分 5. ューサーか記事を読むためのユーザー・インターフェイ ス 6. ューザーか記事を投稿するためのユーサー・インターフ ェイス ニュースシステムの中核となるのが 1 です。狭義のニ ュースシステムは、この部分です。 ニュースシステムは、 ニュースグループの一覧表と記事の連番付けのためのカウ ンタ (active) 、このシステムで現在保管している記事に関 するデータベース (history) 、このホストと記事を交換し ているほかのホストに関するデータ (sys) などから構成さ れます。 とです。 新規投稿の記事を受け付けるのが inews 、ほかのシステ このように ニュースシステムは大量のディスクが必要 ムから記事を受け取るのが rnews です。 Cnews では、ど なため、ニュースを使う人力リ用する各言算機で運用する ちらも受け付けるだけで、実際の処理は relaynews とい ことはできません。ニュースシステムを運用しているホス うプログラムカ甘は当します。 relaynews は受け取った記 ニュースサーバー ) にリモートログインして読むこと 事 1 つごとに、ヘッダの角斤、到着済みかどうかのチェッ もできますが、現在ではネットワーク経由でサーバーにア ク、連番付与、データベース登録、謝妾ホストへの転送な クセスし、記事を読み書きするのが一勺です。このとき どー里の処理をおこないます。 にも NNTP が使われます。 UNIX では、 2 は実際にはたんなるファイルシステム の一部にすぎません。これをニューススプールと呼び、通 ニュースシステムの本冓造 常は /usr/spool/news をニューススプールにあてます。 UNIX のファイルシステムの階層構造をニュースグルー では、 Cnews を用いたネットワーク・ ニュースシステ プの階層構造に 1 対 1 で対応させ、 1 記事 1 ファイルで ムの構成と動きについて説明してゆきます。図 2 もあわせ オ褓内します。ファイル名は、ニュースグループごとの連番 て見てください。概要は、 Bnews についても通用します。 です。たとえば、 comp. sources. unix の 101 番目の記事 ニュースシステムでは、ユーザー news とグループ は、ファイル /usr/spool/news/comp/sources/unix news を使って運用します。この news は、ニュースシス / 101 に↑褓内されます。これは Bnews も Cnews も同し テム関係のファイルと記事のオーナーであり、一ユース です。 システムの管理運営に関する管理ューザーでもあります。 前述のとおり、ネットワーク・ ニュースシステムを運 また、メールによる連絡用に usenet というューザー名 用している各ホストは独立して動いています。ですから、 三 - 豢第一 / / 不木 ほかのホストから言ほかのホストへ送信 sendbatches lnews rnews nntpd nntpsend usr/spool/newsnn. comming /usr/spool/news/out ・ going rela news ・デー・タベース スル ュプ ある一つのホスト 36 UNIX MAGAZINE 1992.4
NO CE 実行しようとするといそのプログラムはすでに実行され ている〃とか、、、システム管理者に相談せよ〃などのメッ セージがいくつか表示された。 同しライセンス番号の SoftPC が SLC 上で実行され ていたのが原因だった。この 2 つのシステムは Ether- net で接続されており、プログラムを実行すると SPARC station2 側の SoftPC は Sun SLC 上で同しプログラ ムが実行されているのを検出し、起動しないのである。 この間題は Sun SLC 上のプログラムを終了することで 解決した。 性能のところでとりあげる問題を除けば、 SoftPC は Sun と NeXT 上で期待どおりに動作し、 MS-DOS 用 のほとんどのプログラムとアプリケーションが実行でき ・一 0 SoftPC はロードされると、 PC の画面に似たウイン ドウを出力先としてオープンする。このウインドウは PC と同しように機能するので、 MS-DOS のユーザー は、インストールされた SoftPC システムを気軽に利用 できる。 SoftPC は PC とまったく同様に、 MS-DOS を ロードしプートする。 SoftPC の HDD は、実際は 1 つの UNIX ファイル で、このファイルのサイズが SoftPC の HDD のサイズ になる。この ( 仮想 ) HDD 上の個々のファイルを、 UNIX システムから直接アクセスすることはできない。 UNIX システムは、 SoftPC が使用するファイルのフォ ーマットを正しく解釈できないのである。 テスト中、われわれは Sun SPARCstation2 (FDD 付 き ) 上に、 20MB の SoftPC HDD ファイルを作成した。 このドライプに、テストプログラムとデータを FDD 経 由でロードし、この HDD ファイルを SunSLC システ ム ( FDD なし ) にコピーした。すべてのテストと SLC で のべンチマークを実行したあと、 SPARCstation2 での べンチマークを続けるために、 HDD ファイル全体を SPARCstation2 にコピーしなおした。 このように、 SoftPC のデータの移動は、 UNIX ネッ トワークで多少大きめのファイルをコピーするのに等 しく、簡単である。 操作性 UNIX MAGÄZINE 1992.4 性能 図 1 には、 OrangeSPARC システムのテスト結果 いることによるものである。 のほうが優れていて、ディスクバッフアをうまく使って よい。この結果は疑いなく、 UNIX のファイルシステム ディスク性能は CPU 性能と FPU 性能よりも相対的に Khornerstone の要素を個別に見ると、 UNIX 上の る。 シュメモリがない 20MHz の 80386 システムに相当す 12MHz の 80286 機に近い。 SPARCstation 2 はキャッ 80836 機における MS ー DOS に近く、 Sun SLC は なっている。 NeXTstation の総合性能は 16MHz の ュがない 16MHz の 80386 システムよりもかなり速く Compaq 386 にだけキャッシュメモリがあり、キャッシ 結果も示した。これらのシステムのうち、 20MHz の でのいくっかの PC で MS-DOS を稼動させた場合の また、 IBM PC/XT から 20MHz の Compaq 386 ま は Sun の 2 機種の中間であった。 SPARCstation がもっとも速かった。 NeXTstation station) のなかでは SunSLC がもっとも遅く、 Sun ( Sun SLC と SPARCstations 68040 搭載の NeXT- 図 1 を見れは分かるようにに、 3 つの SoftPC システム の構成要素を個別に詳しく考察できる。 性能、ディスク性能の小計が得られる。これにより性能 stone テストの結果を正規化すると、 CPU 性能、 FPU ーティング・システムの性能が比較できる。 Khorner- ソースファイルを使用して稼動するので、 2 つのオペレ テストである。これは、 MS-DOS と UNIX 上で同し CPU 性能、ディスク性能の 21 のべンチマークからなる Khornerstone べンチマークは、浮動小数点性能、 する。 び NeXTstation 用の SoftPC ではつねに正しく動作 コードにおかしな部分はなく、 MS ー DOS システムおよ 命令〃工ラーが出たり、ハングアップすることがある。 1 つみつかった。このプログラムを実行すると、未定義 SPARC 用の SoftPC では正しく実行されないものが す。実行した一連のべンチマーク・プログラムのなかから、 および各種 MS-DOS 、 UNIX システムの性能比較を示 図 1 に、 NeXT 1 機種と Sun 2 機種における SoftPC 、 21
0 ce ソニー NWS -3250 テスト・リホート十 David WiIson UNIX MAGAZINE 1992.4 ーがあるので馴染みにくい。 ーキーがある。独特のレイアウトに加えてこのダミーキ 異なっている。さらに押すことのできない 2 つのダミ しであるが、スペースの関係でほかの標準的な WS とは すこともできる。キー配列は従来の NWS シリーズと同 いる。また、キーポードをシステムユニットから取り外 システムのキーポードはフルサイズのキーを使用して スも装備している。 3 ボタンのマウス、さらにオーディオ・インターフェイ ル・インターフェイスとバラレル・インターフェイス、 1.44MB FDD 、 Ethernet 、外部 SCSI ポート、シリア まで拡張可能である。また、このシステムは 3.5inch の 基本システムは 8MB の主記憶を実装し、最大 24MB を備える。 令、データ各 32KB すっ、計 64KB のキャッシュメモリ 33MHz のはうが一般的である。システムボード上に命 R3000 搭載システムの大半よりも遅い。 25MHz または の NWS シリーズと同等である。しかし、これは現在の R3010 を使用している。クロック周波数はデスクトップ NWS ー 3250 は、 CPU/FPU に 20MHz の R3000 / プル・マシンとしても使用できるからである。 れらのシステムはデスクトップ・マシンとしてもポータ の WS ともあえて比較することにした。というのも、 NWS ー 3250 を選択するはずはないが、バッテリー駆動 る。バッテリー駆動の WS を必要とするユーザーなら、 のような影響が生しるか、といった点を中心に検討す 協点があるかどうか、またその結果としてユーザーにど なくボータブル WS として設計したことに起因する妥 今回は NWS ー 3250 について、デスクトップ WS では を、簡単に移動できるように設計したものである。 必要になる。 NWS ー 3250 は標準的なデスクトップ WS はバッテリーを内蔵していないので、 AC の外部電源が む総重量は約 8kg で、十分に持ち運べる。このシステム ル・ワークステーションである。 LCD ディスプレイを含 ソニー NWS ー 3250 は、 RISC を使用したポータブ このシステムには、ハードディスク・ドライプを 1 台 内蔵できる。ソニーからは 240MB と 406M B の 3.5 inch 内蔵ドライプが提供されている。 OS は比較的大き いので、 240MB 3.5inch のドライプを使用する場合は 十分考慮しなければならない。この場合、オペレーティ ング・システムの一部を削除しなければ、ユーザーのア プリケーションのための領域が不足する場合もある。 ディスプレイは、 llinch のバックライト付き LCD で、解像度は 1 , 280X 780 である。最近のほかの WS の ピクセル数 ( 解像度が 1 , 152X900 ~ 1 , 280X1 , 024 のも のが多い ) にはおよはないが、 X11 の使用にはなんの支 障もなかった。典型的なマルチウインドウ環境には、 の解像度でまったく問題はない。 基本機能以上にシステムを拡張するには、外部 SCSI インターフェイスを使用する。ソニーは 1.3GB DAT ドライプ、 QIC-120 カートリッジテープ・ドライプ、お よび光磁気ディスクドライプなど、外部 HDD 以外にも 各種のデバイスをサポートする。ポータブル WS を普通 の WS として使用するには、大量のデータを格納するた めの大容量記憶装置 (CD-ROM など ) が必要になるだ ろう。 OS は SVR4 を移植したものであり、 NFS 、 TCP/IP といった標準ネットワーク・ユーティリテイも含まれて いる。 X11R4 と OSF/Motif も供給されている。 C コ ンパイラは MIPS Computer 社が供給しているもので、 Fortran などのコンパイラも同様である。 NWS ー 3250 の基本価格は、 8MB の主記憶と 240MB HDD のシステムで 9 , 900 ドルである。同様のシステム でも主記憶が 16MB ならば 11 , 100 ドル、主記憶が 8MB でディスクが 406MB のシステムは 11 , 900 ドル になる。 今回テストするのは、主記憶が 16MB で HDD が 406MB の基本モデルで、価格は 14 , 100 ドルである。 れに 280 ドルの OS インストール・キットと 1 , 200 ドル from UNIX REVIEW の Fortran を追加した。 15
■テストリホート■ SoftPC い。 CPU と FPU の性能もかなりよいが、システムクロ ックが 20MHz なので多少落ちる。グラフィックス性能 は、ほかのエントリーレベルの WS と同程度である。コ スト・パフォーマンスは、比較したシステムのなかでは 最高だった。ほかのシステムよりも価格がいくらか安く、 Khornerstone 性能がいくらか高かったためである。 NWS ー 3250 は、デスクトップ WS と比較しても、申 し分のないシステムである。キーポードは慣れにくく、 スクリーンもディスクの正面からでなければ見づらい。 さらに可搬性のために、システム内部の拡張性がやや制 限されている。しかし、デスクトップ WS の性能に、小 型軽量という利点が付け加えられている。 デスクトップ用としても移動用としても、実用に耐えう るであろう。 ・ David Wilson したがって、 ⑥ 1991 , UNIX REVIEW(). S. A. ) UNIX REVIEW 1991 年 11 月号より tion 」 「 Tested Mettle: The SONY NWS ー 3250 Portable Worksta- ータ・システムのソフトウェア開発と性能分析をおこなっている。 Workstation Laboratories を経営。同社はさまざまなコンピュ SoftPC David Wilson テスト・リホート ( 2 ) ーーー from UNIX REVIEW UN Ⅸシステムの MS - DOS 工ミュレータ lnsignia S01utions 社の S0ftPC は、広範な UNIX のプラットフォームで利用できる MS-DOS 工ミュレ ータである。今回は、 NeXT 68040 用と Sun SPARC 用を評価するが、 S 。 ftPC はこれら以外にもさまざまな システムで利用できる。入手先は、 lnsignia 社 (Apple Macintosh 用など ) または同社と OEM 契約を結んで いるシステム・べンダー ( HP や DEC など ) である。 製品自体は MS ー DOS 工ミュレータであり、フルセッ トの 80286 / 80287 IBM PC/AT システムと同等の機 能をもつ。ホストの GUI 上で実行すると、 SPARC 上の SoftPC は EGA 、 CGA あるいは Hercules 互換のディ スプレイと 1 ~ 2 台の HDD を備えた PC をエミュレ ートする。また、ホストシステムがサポートしていれは、 FDD を使用することもできる。 SoftPC 上で MS-DOS のプログラムは、本物の PC の MS ー DOS で稼動してい るのと同様に実行される。 SoftPC の興味深い特徴は、同一ホスト上で複数の PC セッションが実現できることである。したがって、 SoftPC の実行ライセンスは、同時に利用するユーザー 数に対して与えられる。 インストール NeXTstation のシステムには SoftPC があらかし 20 めインストールされていた。 SPARC 版ではカートリッ ジテープとインストレーション・マニュアルが提供され る。 SPARC へのインストールは、期待していたほど簡 単ではなかった。 SoftPC のマニュアルは構成が悪く、イ ンストール作業の指示も曖昧であった。そのため、イン ストールを 2 回失敗したところで断念し、 lnsignia 社の SoftPC マニュアル ( 短いものである ) を最初から最後ま で読み直した。これで SoftPC の正しいインストール方 法が十分に理解できた。 最初に生した間題の 1 つは、 SoftPC が使用するフォ ントへのパスが正しく設定されていなかったことだ ( こ れはわれわれの誤りだった ) 。このため SoftPC のプロ グラムを起動すると、 X から致命的工ラーのメッセージ が表示され、プログラムが終了してしまった。 SoftPC は、実行を開始するといくっかのメッセージを表示した 直後にクラッシュしてしまうので、原因究明が困難だっ た。 X のメッセージは情報が少なく、また lnsignia 社の マニュアルは、この症状を予想されるトラブルとして記 載していないため、どこから手をつければよいのかさっ ばり分からなかった。 もう 1 つの問題は、 SoftPC を 1 つのシステムにイン ストールして実行するのに成功してから起こった。ます Sun SLC 上でテストしてから、同しプログラムを SPARCstation2 上で起動したのである。ところがいざ UNIX MAGAZINE 1992.4
造テスト・リホート 0 ソニー NWS ー 3250 購入 の質問に答えて、システムがロードを完了するのを待っ はテープで供給される。インストール作業は、いくつか OS はあらかしめインストールされている。 Fortran インストール ろうか。 均的な実売価格が他社製品と同程度になるのではなか べたほうがよいだろう。扱う販売店が増えてくれは、平 入者はいくつかの販売店に問い合わせて、最低価格を調 大幅な値引きをおこなうかどうかは分からなかった。購 はかのべンダーでは一般的だが、ソニーが定価からの いようだ。 に関しては他社製品ほど幅広い販売経路をもっていな 販売店などさまざまな経路で入手できるが、ポータブル 問い合わせるとよい。ソニーのマシンはふつう、 VAR や どこでこれらの製品を購入できるかは、直接ソニーに だけである。 同様に、 ードウェアのインストールも簡単である。 というのも、自立した可搬型のシステムで比較的軽く、 移動が容易だからである。マウスを接続し、 AC 電源のコ ードをコンセントに挿し込むだけでシステムを立ち上げ られる。 Ethernet のトランシーパ・ケープルを取り付け れはインストールは完了である。 システムの電源を入れると ROM モニターが起動す る。次いでプートコマンドを入力すると、システムはほ んの数分でプートし、ログイン・プロンプトが表示され る。システムの構築とネットワークの接続は、ほかの SVR4 をインストールする場合とほほ同しである。 サホートとドキュメント OS のドキュメントは、独自のマニュアルと汎用の UNIX System V のマニュアルからなる。マニュアル は、オンラインでも参照できる。 われわれが入手したマニュアルは、製品になる前の版 だが、構成と内容は妥当なものであった。しかし、この システムのドキュメントには複数の供給元 (UNIX 16 Sysytem V 、 OSF 、 MIPS など ) があるため、全体の様 式は統一されていない。 以前ソニーのワークステーションを評価したときに は、同社のサポート体制は限られていた。このことから 考えて、このシステムを購入する場合はハードウェアと ソフトウェアのサポートをどこがおこなうのか、マシン の十分なサポートが受けられるかどうかを調べることを 強く勧める。ソニーには、あらゆる保守の専門家がいる だろうが、ユーサーサポートの仕組みについては、顧客 側でも事前に検討する必要がある。 操作性と使いやすさ NWS ー 3250 は GUI に OSF/Motif を採用しており、 ューサーとシステム管理者の双方にとって標準的な SVR4 システムである。システム管理者とユーザーのい すれの立場でも問題なく使え、バグも発見できなかった。 LCD 上で動く Motif は十分に満足のゆくものである。 このディスプレイはシステムの正面から見ればとても読 みやすい ( しかもコントラストを大幅に調節できる ) 。し かし正面以外の角度から見た場合、とくに一般的な CRT モニターとくらべると、かなり読みにくくなる。 ードウェア・デバイスとバッケージング UNIX MAGAZINE 1992.4 性能 図 1 に、 NWS ー 3250 と他機種との性能比較を示す。 内蔵していないので、飛行機などの乗物のなかでは使え テルでもコンセントはみつかる。ただし、バッテリーを える。たとえば、飛行機による旅であれは・、空港でもホ 運べる。旅行者は、どのような場所にいてもマシンを使 売のキャリングケース ( 80 ドル ) を利用して簡単に持ち ポイントは、その可搬性にある。重さは 8kg 程度で、別 本来、他機種に対する NWS ー 3250 のおもなセールス た。これはとても好ましいことである。 のソフトウェアについてはまったく戸惑うことがなかっ 使いやすいものになっている。われわれは NWS ー 3250 は、ユーザーとシステム管理者にはかなり馴染み深く、 とで製品の価値を高めている。このため、ソフトウェア に加えて、より多くの他社製ソフトウェアを導入するこ
UNIX* System V リリース 4 トレーニング。コース翩崔 UNIX システムラボラトリーズバシフィック (USLP) では、最辛万の UNIX オペレーティング・システムである UNIXSystemV リリース 4 の トレーニング・コースを開催致します。 このトレーニング・プログラムは、 AT&T の豊富な UNIX トレーニング経験と、システムを創造し UNIX System v リリース 4 を世に送り出した技術と知識により開発され、これまで米国において幾度も 実施された経験をもつ優れたトレーニング・コースです。 USLP は、 AT&T に代わり新たな UNIX システムのオリジネータとなった USL を代表し、 UNIX system v リリース 4 トレーニング・コースを、皆様に御紹介致します。 日本での開催においては、日本語版テキストを御利用頂ける他、 1 人 1 端末の実習環境、少数クラス ( 2 0 名以下 ) による、行き届いた対応、豊富な例題と実習、そして優れた教師とサポート体制を準備し、必 ずや皆様に御満足して頂けるものと信じております。 OUNIX . △ SYSTEM I.ABORATORIES コース名 AT&T UNIX System V トレーニング・コーススケジュール半期 ) ( 1992.2 月 - 1992.7 月 ) UC1080 UN Ⅸシステム入門 UC1633 ANSI C 言語 UC184 UNIX システム・コールとライプラリ UC1059 UNIX システム・コールとライプラリ UC1058 シェル言語 ( プログラマ対象 ) 第 1 部 第 2 部 受講料 1 開 , 0 円 125 , 0 円 140 , 開 0 円 175 , 開 0 円 105 , 開 0 円 日数 4 日間 5 日間 4 日間 5 日間 3 日間 期間 4 / 13-16 , 5 / 1 1-14 , 6 / 29-7 / 2 4 / 20-24 , 5 / 18-22 , 7 / 6-10 6 / 8-10 6 / 1 -5 5 5-28 上記受講料について別途消費税 3 % を申し受けます。 会場 : 〒 105 東京都港区芝 2 丁目 3-18 B R 芝 1 UNIX システムラボラトリーズバシフィック ビル 内容に関するご質問にお答えしております。 アップとして、コース終了後 3 カ月間無料でトレーニング 尚、本トレーニング・コースでは、受講後のフォロー ニングルーム ( 2 F ) お申し込み / お問い合わせ 〒 105 東京都港区芝 2 丁目 3-18 BR 芝 1 ビル UNIX システムラボラトリーズバシフィック ニング・コース係 Tel: ( 03 ) 5484-8635 Fax: ( 03 ) 5484-8e9 UN Ⅸオペレーティングシステムは UN Ⅸ Sys 肥 m レ ra 【 0 日 es , Ltd. が開発しライセンスしています。 資料請求 N 。 87
NEWS Standard) に対応。 ュをもつ。主記憶は、 4925 システムが 32 ソフトウェアは、 OS として SVR4 、デ 価格は、基本構成で 4925 システムが約 ータベースとして Oracle 、プログラム言 ~ 256MB 、 4433 システムが 16 ~ 32MB 。 語として MicroFocus COBOL などをサ 1 , 600 万円、 4433 システムが約 600 万円。 ディスク容量は、 4925 システムが 420MB ポート。 ABI (Application Binary lnter- 年間販売目標は 50 システム。 —6GB 、 4433 システムが 291MB ~ 2.4 face) および BCS (Binary Compatible GB 。 4925 は、 2 ~ 8CPU のシンメトリック 型マルチプロセッサ方式を採用、最大 300 ◆おもな仕様 ューザーをサポートする。 モデル C P U キャッシュメモリ 記憶 H D D F D D テープ装置 入出力 I/F 0 S 外形寸法 (H X W X Dcm) 本体重量 (kg) 4433 システム 80486 ( 33MHz ) 命 :8KB ライトノヾック : 64 ~ 256KB 16 ~ 32MB 291MB ~ 2.4GB 1.44 / 1.2MB 150MB / 2.2GB カートリッジ SCSI 、 EIA-232C 、 Ethernet 、 ARCNET SVR4.0 4925 システム 80486 ( 25MHz ) X 2 ~ 8 命 :8KB コピーノヾック : 128KB 32 ~ 256MB 420MB ~ 6GB 1.2MB 320 / 525MB カートリッジ 1.3GB DAT SCSI 、 EIA-232C 、 Ethernet 、 ARCNET 、セントロニクス、 VME オプション 70.0 X 20.0 X 52.0 18.2 ~ 45.5 ビジュアル・プログラミング環境 菱洋エレクトロ (Tel 03 ー 3546 ー 5060 ) は、 能、グラフィックスや音声、ピデオ動画な どのマルチメディアに対応したピジュアル UNIX のマルチメディア・アプリケーショ ンや DB に対応した「 VPE ピジュアル・プ 化機能、 RDB とのインターフェイス機能、 ログラミング環境」の販売を開始した。 4GL 機能を備えたプログラミング環境。低 価格なランタイム・モジュールも提供する。 こなっている。 VPE は、 Market Focus Technol- 価格は、開発用ライセンスが 1 ューザー ogies 社が開発、 OPEN LOOK 、 OSF/ 対応機種は、 Sun, HP 、 DEC 、 IBM な Motif 、 XIib 対応の GUI 構築ツール機 版で 319 万円から。 どの WS で、現在 Sun 版の日本語化をお 広範囲の複合ネットワークが構築できる。 ソフトウェアでバケット通信網サホート 価格は、 AV シリーズ WS 向けが 82 , 000 円、 AV4000 シリーズ・サーバーシス 日本・データゼネラル ( Tel 03 ー 3438 ー DDX-P および KDD VENUS-P の両パ テム向けが 113 , 000 円、 AV5000 、 6000 、 3611 ) は、同社の AV シリーズで利用する ケット通信サービスとの接続を可能にした。 7000 、 8000 シリーズ向けが 320 , 000 円。初 今後、 MV ファミリーでも TCP/IP に 年度販売目標は 200 衣 ネットワーク通信用ソフト「 X. 25forAV X. 25 プロトコルをサポートする予定で、 Systems. 」をバージョンアップ、 NTT 64.2 X 19.6 X 43.0 31.8 •RYOYO ー 00 一 0 可 ー 0 第 00 、第 物”い 0 ・ - / 、に p い : いは まえま旨Ⅷ 、 01 に On •NDG 'FXIS また、今回のリリースにより、旧バージ Objectworks\SmaIItaIk, ReIease4 ョン「 SmaIItalk-80 システム・バッケー ジ」「 SmaIItalk-80 アプリケーション・パ ッケージ」の販売は中止する。 富士ゼロックス情報システム ( TeI 03 ー し、 SmaIItaIk によるカラーを利用したア 価格は、 NEWS 版が 650 , 000 円、 PC98 プリケーションが開発できる。 SmalltaIk 3378 ー 8011 ) は、 NEWS および PC98 用の 版が 398 , 000 円。年間販売目標は、各仕様 「 Objectworks\SmaIItaIk , Release4 」 本体、オプジェクト指向プログラミングの の販売を開始した。 ために統合化された開発ツール群、 350 以 とも 100 セット。 上の再利用可能なクラス・ライプラリなど UNIXWS 、 Macintosh 、 MS-DOS な どの標準的なウインドウシステムを使用 から構成される。 UNIX MAGAZINE 1992.4 5
連載 ーム 続ウインドウ・システムについて 表 1 X11R5 てサポートされている代勺なプラットフォ VAXstation DECstation 2100 / 3100 DECstation 5000 / 100 / 200 IBM RS / 6000 Apple Macintosh MIPS 2030 / 3230 OMRON LUNA OMRON LUNA-II OMRON LUNA-88K Sun3 Sun4 SPARCstation Tektronix 重名 OS Ultrix-32 4.2 Ultrix-32 4.2 Ultrix-32 4.3 AIX 3.1.5 A/UX 2.0.1 RISC/OS 4.50 UniOS-B 2.00 Utek 4 , 0 SunOS 4.1.1 SunOS 4.1.1 SunOS 4.1.1 UniOS-Mach 2.5 VI. 13 UniOS-Mach 2.5 VI. 40 件やコンパイラに与える特別なオプションなどを、間違 いなく、しかも自重加勺に設定できる仕組みが必要である。 X ではこの問題を解決するため、以下の指針のもとに独自 の、、構築システム " を開発し使用している ( 本稿では、 のシステムを、、 X 構築システム " と呼ぶ ) 。 ・できるかぎり、どのプラットフォームにも存在する既 存のツールを利用する。 ・これらのツールでは、一殳的な機能しか使用しない ( べ ンダーの拡張機能などは使わない ) 。 機種依存のパラメータ記述部を 1 カ所にまとめ、簡単 に修正できるようにする。 ・サイトの竟に合わせるためのパラメータ言己部を 1 カ 所にまとめ、機種依存のパラメータなどとは別に、独立 して設定できるようにする。 ・パラメータの設定状況を失うことなく、本の再構築 ( 再コンパイル ) カ、きる。 ・ソースツリーにアクセスしなくても、外部のソフトウェ ア ( X て稼重丿けるフリーソフトウェアなど ) が正しく構 築できる。 結果として、はばすべての UNIX にある make コマ ンドを使用して本をコンパイルし、機種依存のパラメー タなどを Makefile に埋め込むために、 C 言言韶 ) プリプロ セッサ (cpp) と、 2 つの簡単なプログラム (imake と makedepend) を使用する構築システムカ鯛発された。 構築の対象となるシステム (X 本 ) の規模と、サポー トされているプラットフォームの多様さを考慮すれば、 54 ディスプレイ QDSS / QVSS モノクロ / カラー CX / MX skyway アタブタ モノクロ / カラー モノクロ / カラー モノクロ モノクロ モノクロ モノクロ / カラー モノクロ / カラー モノクロ / カラー 4319 の構築システムはきわめて優れたものといえる。サポート されているプラットフォームであれば、たいていは 1 回 で本を構築して動かせるはすである。はるかに莫の小 さなソフトウェア・システムであっても、面倒な構築手順 を踏まなければならないものは星の数はどある (emacs 、 gcc 、など ) 。 構築を成功させる秘訣 しかし一方では、 X の構築は難しいという話をよく耳に する。これは X の性格上、ハードウェアや OS の細部 の差異か構築 - E の大きな問題となり、しかも構築システム が複雑でその対処が困難であることが一因と思われる。ま た、構築自体はうまくいっても正常に動かないという場合 もある。これは冓築ミスと考えがちだが、実際にはハ ウェア的な解決が必要なことが多い。 つまり、 X Consortium か構築 / 稼動テストをしたプ ラットフォームと寸分違わぬ構成ならばうまくいくはすだ が、たいていのサイトではハードウェアや OS か彳妙に 異なっているからである。また、自力で問題を鮹夬するに は、ハードウェアや OS の細部に関する知識と、 X 構築 システム本の矢歸必喫不可欠となる。 前述のとおり、プラットフォームとは言 t 算機の機種と OS およびディスプレイ、ハードウェアの組合せのことで ある。これには CPU やメモリ、コンバイラや make な どのコマンド類、それにキーポードやマウスなどの入力デ バイス類も含まれる。構築自体がうまくいかないケースの 大半は、構築パラメータの記述ミスか、重要なファイルや コマンドか載せ替えられていることカ源因である。 UNIX MAGAZINE 1992.4