ネットワーク環境は、ローカルエリア・ネットワーク ( LAN ) から広域ネットワークへと拡大し、ネットワーク・サービスも分 散処理が前提となりつつあります。 このような環境を構築するには、 NFS (Network File Sys- tem) や NIS (Network lnformation Service) 、 LAN 環境の各種ネットワーク・サービス、広域ネットワークに接続す る際に運用するネームサーパーなどのシステム・アプリケーショ ン、各種の経路制御など、さまざまな技術を習得しなければなり ません。 また、広域ネットワークを考慮した UNIX ワークステーショ ンの運用・管理には、 UNIX に関する知識はもちろんのこと、ネ ットワークのハードウェア、プロトコル、アプリケーションなど、 多様な知識が必要です。さらに、分散処理環境では、サーパー システムやケートウェイ・システムの管理を、ネットワーク環境 全体における運用という視点から統一的におこなわなくてはなり ません。 このように多種多様な知識や情報が必要となりますが、それを 得る機会はあまりないのが実情です。そこで、 UNIXMAGAZINE の執筆者を講師に迎え、セミナー「ネットワーク環境での UNIX システム管理ー LAN 環境から広域ネットワーク環境まで」を 皆様の参加をお待ちしています。 開催いたします。 申込 : 9 月 21 日 ( 月 ) 必着、先着順 テキスト : 会場て日に配布します 中村修 ( 東京大学大型計算機センター ) 師 : 山口英 ( 大阪大学情報処理教育センター ) 所 : 東京青山小原流会館 3 日間とも 10 時 ~ 17 時 30 分 時 : 1992 年 10 月 6 日 ( 火 ) ~ 8 日 ( 木 ) 開催要項 講 場 日 ・お申込みは、銀行振込みまたは現金書留でお願いします。 UNIX MAGAZINE 1992.8 その旨を明記してください。 ・領収書が必要な方、宛先を申込者名と別の名義にされたい方は、 務先 C 物交名 ) を明記のうえ、下記宛にご送金ください。 ナー参加申込み」と記入した用紙に氏名、住所、電話番号、勤 ー」係までお問い合わせください。現金書留の場合は、「セミ 銀行振込みの場合は、弊社直販部「 UNIX MAGAZINE セミナ UNIX MAGAZINE セミナー開催のお知らせ ネットワーク環境での UNIX システム管理 ー LAN 環境から広域ネットワーク環境まで一 参加費 : 80 , 000 円 請求書が必要な方はご請求ください。 ・申込みは 9 月 21 日到着ぶん ( 必着 ) までの先着順とさせてい ただきます。 ・参加費には消費税が含まれています ( 昼食代は含まれていませ セミナー・プログラム 10 月 6 日 31 FAX ( 03 ) 3406-7163 TEL ( 03 ) 348 7114 「 UNIX MAGAZINE セミナー」係 株式会社アスキー直販部 〒 107-24 東京都港区南青山 6 ー 11 ー 1 現金書留・請求書依頼の送付先 UNIX 管理についての知識があることを前提に解説します。 す。時間が限られているので、すくなくともスタンドアローンの に焦点を絞り、技術の相互関係を明らかにしながら解説を進めま 本セミナーは、、、ネットワーク環境のワークステーション管理・ とも問題となる糸習各制御の手法についての解礼 プリケーションの導入・管理方法と、広域ネットワークでもっ BIND などの広域ネットワーク環境で要求されるシステム・ア 広域ネットワーク環境でのシステムの運用・管理 10 月 8 日 築手法を紹介。 験をもとに、利用者にとって使いやすいネットワーク環境の構 ションの導入方法。さらに、講師が分散処理環境を構築した経 能と管理手法、 Mail 、 News などのネットワーク・アプリケー 分散処理環境を構築する際に必要な NFS 、 NIS などの構造、機 基本的なアプリケーションの運用・管理 10 月 7 日 ステーションの接続方法などの解 クの構造と経路制御の手法、サプネットの概念、 UNIX ワーク の利用方法と管理、 lnternet ProtocoI にもとづくネットワー LAN でもっとも一般的なネットワーク・デバイス Ethernet ネットワークの運用・管理、ワークステーションの接続
ÄINTEROP'92 Spring 情報が得られる環境が必要な職種が数多くあると述べ る。その副産物として、 OS のバージョンアッフ。や、ほか た。そして、 Wireless サーピスによるネットワークへの の OS への移行に段階的に対応することができるよう 接続が 90 年代のトレンドとなるだろうとの予測も示し になり、コストの軽減も可能と孑商した。 た。また、 Wireless ネットワークの導入により、オフィ こ 2 ~ 3 年のうちに見込めるビジネスチャ そして、 ス構成の変更や、病院や会議サーピスなど、ケープルが ンスとして、商用 IP サービス、マルチベンダー環境での 邪魔になるような環境でのコンピュータ・ネットワーク 無線によるメッセージ・サーピス、高機能ルータ / ハプ / の導入が促進されるだろうとも予測している。 、 SNA ルータ、ディレク コミュニケーション・サー 2 番目は高速ネットワークである。ネットワークの高 トリ・サービスに代表される情報提供サーピス、 ATM 速化への期待が高まる一方で、アプリケーションの面で を中心とした高速ネットワーク・サービス、 FDDI はマルチメディア通信など、かなり大きなバンド幅を必 LAN 、セキュリティ機能を付加したメッセージ交換サー 要とする、、 Killer Application" が登場しつつある。そ ビス、オンラインでの書籍・文書出版などを挙げた。 のような現状を考えると、高速ネットワークにもビジネ D011 は、このようなチャンスを活かすために企業が備 スチャンスがある。現在は発展途上であり、 SONET 、 えるべき特徴として、次のような点を挙げた。 SMDS 、 Frame ReIay 、 ATM などが期待できる技術 だが、最終的にどれが主流になるかは不透明である。 ・明確なピジョン、世界と勝負できる技術をもつ 3 番目は LAN である。 DoII は、いくらバックポーン ・オープンで、かっ誠実である が速くなってもユーザーが接続するのは LAN であり、 ・倫理感をもち、一所懸命活動する そこで十分な性能を提供しなければならないと指摘し ・新しいサービスが提供できるようなアイデアをもっ ている。より大きなバンド幅が必要になるであろうし、 そこに接続されるネットワーク機器もバラエティに富む そして最後に、これまでの成功者として lnterop の ようになるであろう。とくに、最近流行のハプについて Dan Lynch 、 cisco 、 Vital link 、 Wellfleet を挙げた は、接続台数が増えても性能が劣化しないような機構を が、現時点では、、まあまあ成功している部類〃という辛 とりいれるべきであると述べた。さらに、 LAN で発生す い評価を下した。そして、これからは誰が覇者になるか る障害を、できるかぎり短時間に効率よく解決する障害 分からないし、どの企業、どの個人にもチャンスがある 解決支援システムも必要になると述べた。 と締めくくった。 4 番目の SNA のネットワークは、導入数がかなり多 Showcase, ShowNet & Exhibitions く、巨大な市場を形成している。さらに、ネットワーク 相互接続機能も充実してきている。しかし、その管理は きわめて難しく、現在の TCP / IP によるネットワーク INTEROP の楽しみの 1 つは、展示会 (Exhibition) との共存の可能性をみつけ、 SNA ネットワークの管理 とそこでおこなわれる Solutions Showcase である。 手法を確立することが重要と孑商した。 Solutions Showcase は、 INTEROP が計画し、注目 最後は、クライアント・サーバー・アプリケーション すべき技術のいくつかについて、それに関連する各種の である。ネットワークを利用した強力な環境を構築する 製品を集めて紹介するデモである 01NTEROP の展示会 ために、より多くのアプリケーションの開発が必要とな で、ぜひとも見るべきものの 1 つに数えられるだろう。 SNMP て匍御されている自動販売機 Sun や太陽電池を積んて伏陸を縦断した自転車 (lnternet の 45Mbps リンクを使ったバケットビデオ ) 22 UNIX MÄGAZINE 1992.8
\JCD ネットワークを あなたのパワーに 週調出当リ盟Ⅲ驪聞聞川ミョ聞腿Ⅷ搬物睥 ネットワーク・コンピューティング ? ? 簡単にネットワーク・コンヒ。ューティングと呼ばないて、欲しいの て、す。 PC やワークステーションのべンダーから提案されるこ の概芯は、高性能なデスクトップ・コンヒ。ュータをネットワーク て、結んだ分散環境を意味しています。確かに情報を共有化 して GUI て、使える環境はネットワークのメリットを充分に生かし たものて、す。しかし個別のインストールの手間やアッフ。グレー ドの煩わしさ、それもデスクトップのそれぞれに管理することの 思かさを思い浮かべて下さい。さらにデスクトップ・コンヒ。ュー タのライフサイクルは極端に短いという大事なことをお忘れて、 はありませんか ? NCD19c 19 インチ・カラー 、 ( 1280X 1024 ) 一懿 - 88100RISC 2 グラフィックス ASIC NCD15b 15 インチ・モノクロ ( 1024 x 800 ) 68000 1 グラフィックス ASIC ネットワーク・コンピューティング ! ! ちびくのて、す。 X ウインドウ・ターミナルは節約型て、実現します。 ンバー全員をグループすべてのアプリケーションの利用へみ のすべての資源をあなたのウインドウにささげます。あなたのメ ウインドウ・システムはそれを支援する心なのて、す。ネットワーク ワークそのものがコンヒ。ュータなのて、す。産業標準としての X と呼びます。そこて、はデスクトップがコンヒ。ュータて、はなくネット 見い出しました。それを我々はネットワーク・コンピューティング 担を最小に、かっ分散型のメリットを最大限に発揮する方法を 幸いにも 90 年代に出現した新しいアーキテクチャはコストの負 1 グラフィックス ASIC R3000 RISC ( 1280X1024 ) 19 インチ・モノクロ NCD19r
連載 /NET WORTH—① ・システム運用でのネットワーク利用 に区分することにしよう。 異機種間ネットワークの利用について、さらに次の 2 っ ・アプリケーション・プログラムの違い ・協調的なネットワーク処理 ョンを支援する。 ミナルのエミュレートなどの基本的なアプリケーシ リモートでのプリンタ出力、ファイル転送、メール、タ 用したプリンタ出力やファイル転送の設定でさえ、かなり ク用のソフトウェアを使ったとしても、ネットワークを利 易にネットワークを運用できる。だが、市販のネットワー というクラスに属する場合は、後者の場合にくらべて、容 一般に、ネットワークが前者の、、システム運用での利用〃 の使用。 たとえば、分散データベースのようなアプリケーション ハードウェアは頭痛の種 の経験と時間を要することがある。 IEEE 標準であり、 IBM の LAN ハードウェアに採用 ・ 4Mbps の TokenRing ハー ドウェア ( もう 1 つの どのワークステーションには最初から内蔵 ) ・ 10Mbps の IEEE 標準 Ethernet コントローラ ( ほとん ・ 2Mbps の Arcnet ポード ()C の市場標準の 1 っ ) ミナル・コントローラや Mac 内蔵の ZiIog チップ ) ・同期シリアル・ハードウェア (IBM メインフレームのタ ・非同期シリアルポート ()C の COMI—COMx など ) ンには次のようなものがある。 現在、一般的なネットワーク用ハードウェアのオプショ ・特定のマシン専用のハードウェア・ポード ・ FDDI されている ) UNIX MAGAZINE 1992.8 をもつ場合である。だが、異なるハードウェア・インター ンピュータすべてが同しハードウェア・インターフェイス 理想的なのは、ネットワークに接続しようとしているコ フェイス間を接続する場合、たいていは多くの作業と出費 が必要になる。この仕事を受け持つのは一般にルータやプ リッジと呼ばれ、そのための専用機器や特別な外付けのハ ードウェアを必要とする。 ネットワーク用ハードウェアにかかる費用は、あなたが 判断すべきそのはかの決定項目にも影響をおよほすだろ う。 PC べースの UNIX マシンについては、ネットワーク 用ハードウェアを次のように段階づけることができる。 ・非同期シリアルポート 基本的に無料 ( たいていは本体に内蔵 ) だが、きわめて遅 い ()C べースのハードウェアでの理論的最大値は 115Kbps)0 ・同期シリアル・ハードウェア 60 ドル以まだ遅い。 ・ Arcnet ポード PC カードの通信販売は 70 ドルぐらいから (2Mbps と 妥当な速度 ) 。 ・ Ethernet カード 通信販売で 150 ドルぐらいから (10Mbps)0 ・ TokenRing カード 店頭価格で 250 ドルぐらいから ( 第 1 世代のもので 4Mbps)0 こに挙げた PC ネットワーク・ハードウェアの値段 は、 ISA(PC/AT 互換 ) バスマシン用である。 IBM PS/2 MCA マシンの値段は、いくらか基準を落として選択して も 100 ドル以上はよけいにかかることを覚悟しなければ ならないし、 EISA 版のネットワークカードになるとノー ド 1 つあたり最低でも 500 ドル弱は出さなければならな では、 Apple の Macintosh で一般的に使われているネ ードウェアにはどのようなものがあるのだ ットワーク・ ろうか。 ・非同期シリアルポート 基本的に無料 ( Mac 内蔵 ) だが、きわめて遅い ( 54.5 Kbps) 。 ・同期シリアル・ハードウェア 基本的に無料 ( Mac 内蔵 ) 。まだ遅い ( 理論的最大値で 127
■ INTEROP'92 Spring さらに、多くのルータが SMDS 、 Frame Relay に対応 図ー ShowNet のトボロジー しているほか、 AT&T Network Systems は Frame R = Roufer E = Ethernet Relay 、 SMDS に対応した交換機の展示もおこなってお TC = Terminal Clu 並「 り、これらのサービスに対する関心の高さがうかがえた。 日本国内では、 NTT が現在の ISDN からいっきに ATM による B-ISDN のサービスに移行すると表明し ているが、米国では現在のデジタル専用線が 45Mbps ( T3 ) のサーピスを提供するほか、 SMDS や Frame ReIay など、 ATM までのつなぎになる技術がマーケッ トを形成しつつある。このため、日本国内と比較して広 域ネットワーク構築時の技術の選択の幅カ昿い。また、 大学や企業がネットワークを構築する場合も、スムーズ なスピードアップと、目的と予算に合ったネットワーク 構築が可能である。これまた、米国のネットワーク先進 国ぶりを感しさせる一面であろう。 Token Ring B ShowNet cisco 、 Proteons WeIIfleet しかなかった。 INTEROP では、展示会に参加している企業のプー また、 CAD システムを使っての全体の計画立案や、ト スを相互接続して、会場全体を 1 つのネットワークにし ラブルチケットによる障害管理の導入など、新たな試み た ShowNet が用意される。今回の INTEROP でも も導入された。すべてのルータやコンセントレータを Spine-Rib-Hub 構成をとり、 242 のプースを相互接続 SNMP で管理しているという点でも、現在の技術を集 していた ( 図 1 ) 。 めたネットワークとなっている。 今回のネットワーク構築では、 FDDI と Ethernet を しかし、残念な点もあった。参加者のためのターミナ バックポーンとして、相互にバックアップできるような ル・ルームに、前回は X 端末が用意されていたので日本 構成をとっている。使用したケープルは、 325 , 000 本の 語環境も使えたが、今回は ANSI 端末しか備えられて UTP ( 総延長約 99km ) 、 15 , 000 本の光ファイバー ( 4.5 いなかった。このため、まったくメールが読めす、個人 (m) 、 10 , 000 本の STP ( 3. lkm ) である。プロトコルに 的にはたいへん不便に感した。 は、 IP 、 OSI 、 IPX 、 AppleTalk の 4 種類、 1 , 200 台の そのほかの展示 ネットワーク機器を使用し、 105 人のボランティアの協 力のもとに構築したものである。ちなみに lnter 叩社の 今回の展示会の特徴は、コンセントレータ / ハプとネ 己録によると、 ShowNet を構築するまでの約 4 日間で、 ットワーク管理システム関連の製品を展示しているプー スタッフは 4 , 200 本のソフトドリンクを消費し、 100 ポ スがたいへん多かったことであろう。これも、技術が成 ンドのチョコレートを食べ、各参加企業から寄付された 熟し、一部の企業だけのものではなく多くの企業が対応 600 枚の T シャツを着たそうである。 できるようになったからだろう。 ShowNet では、プロトコルとして TCP/IP 、 IPX 、 また、 Ethernet 、 TokenRing 、 FDDI のどれも、 UTP OSI 、 AppleTalk を、ネットワーク・メディアとして によるネットワーク構築が可能になってきている。これ FDDI 、 Ethernet 、 TokenRing 、 TI 、 T3 を用いてお によって、オフィスに簡単にネットワークが導入できる り、現在のネットワーク環境のほばすべての技術が投入 だけでなく、 FDDI のような高速ネットワークにも楽に されている。また、今回の ShowNet でも、経路制御プ 対応できる。 ロトコルとして TCP/IP は OSPF を、 OSI で IS-IS ネットワーク管理については、 Network General が を用いたため、バックポーンに利用できたルータは Distributed Sniffer と呼ばれる製品を展示していた。 NFSNet ALTERNet Pubhc Switcbed Telephone Network R R R に感 2 FDDI Backbone R R R R R R R R Subne ロ 8 50 し 10 ロ 9 Subnet 20 S リ品 21 釦品。ロ 釦品 2 5 しし net 3 釦 b 細 5 釦し ne 局 5 しア 釦品 8 釦品 9 釦ト ne ロ 0 釦ト n い 釦品 0 ロ 2 釦。ロ 3 釦品可 1 4 釦し河 15 S しし回 16 Su 品 0 ロ 7 Token Ring A 1 三ロ 24 UNIX MAGAZINE 1992.8
連載 /NET WORTH—① 230Kbps)0 ・ Arcnet ポード 128 る ( 商務省標準局に採用されたのは GOSIP と呼はれる ) 。 だけでなく国防総省を含む多くの国際機関で認可されてい OSI モデルは公的に採用されており、米国商務省標準局 connect) として知られる 7 階層のモデル ( 図 2 ) ・ ISO が作った、 OSI プロトコル (Open System lnter- られた 4 階層のモデル ( 図 1 ) 防総省の基金を得て TCP/IP のプロトコルをもとに作 ・もともと ARPANET のために開発され、さらに米国国 ルには次の 2 種類の人気者がいる。 ヤ ( またはプロトコル ) の階層として考えられる。このモデ 国際標準化機構 ) が作ったモデルにもとづいており、レイ (lnternational Organization for Standardization : 一般に、ネットワークに利用されるソフトウェアは .ISO ネットワークの階層モデル 用いられる。 を介して使うとき、ハードウェアの違いを処理するために のあるネットワーク・ソフトウェアを異なるハードウェア ジやルータが必要となるからである。プリッジは、互換性 様なネットワーク・ハードウェアを接続するためにプリッ ついては、膨大な出費になるにちがいない。なぜなら、多 策となるだろうが、 Mac や UNIX ワークステーションに たとする。この選択は、 DOS マシンならば安上がりの解決 仮に、あなたが 100 台のマシンを Arcnet でつなごうとし トを軽視してはならないことはお分かりいただけるだろう。 ネットワークの専門家でなくても、ハードウェアのコス ぎるのでここでは考慮に入れない。 ットワーク・インターフェイスカードはコストがかかりす PC は除く ) について考えてみよう。ただし、そのほかのネ いる UNIX ワークステーション ( UNIX が走る 386 / 486 最後に、初めから Ethernet ハードウェアが内蔵されて 通信販売で 200 ドルぐらいから。選択範囲はかなり広 ・ Ethernet カード 500 ~ 1 , 000 ドルのあいだ。ますますの選撼 図灯 CP / 旧の階層 アプリケーション層 TCP 層 UDP 層 図 2 ネットワーク・インターフェイス IP 層 OSI の 7 階層 第 7 層 アプリケーション層 第 6 層 第 5 層 第 4 層 第 3 層 ネットワーク層 第 2 層 データリンク層 第 1 層 物理層 プレゼンテーション層 セッション層 トランスポート層 それとくらべて、 TCP/IP のプロトコルはより一般的で、 連邦政府機関以外のとくに商業的な分野でよく使われて いる。たとえば、最近オレゴン州の州立機関では、州の機 器調達基準に TCP/IP を採用するようになった。 また、 PC では Novell と 3Com が、もともと Xerox が 開発した XNS(Xerox Network Services) という TCP / IP の 4 段重ねのモデルによく似たプロトコルの階 層を使っている。 DOS の世界にはもう 1 つ、 NetBIOS が ある。 NetBIOS は、 IBM の初期の PC ネットワーク・プ ログラム ( いまは PC LAN にとって代わられている ) と Sytek が IBM 用に作ったネットワーク・インターフェイ スカードとのあいだをつなぐインターフェイスとして始ま った。 NetBIOS は、セッション層のプロトコルであり、モ デルの階層の一番上に置かれるものである。 Mac で使われ る AFP (AppleTalk Filing Protocol) は OSI モデルに もとづいている。 DEC は DECnet プロトコルをサポート しているが、 DEC 専用のプロトコルであるうえに、 VAX マシンと PC や Mac をつなぐ以外には使い途がない。 ネットワーク全体では互換性のないネットワーク用ソ フトウェアが、別々の LAN 上で走っている場合、相互に UNIX MAGAZINE 1992.8
甘い言葉におだてられた私は、 UN Ⅸの社会に浸透し 増大しつつある、ネットワークの狂騒と驚異について、 のコラムを書くことになった。読者の皆さんが耳慣れない 言葉に惑わされることのないように、予備知識として 1 つ のたとえを考えてみよう。 夏の日のピクニックなどに持っていって遊ぶ、ツイスタ ーゲームをご存しだろうか。このゲームは、さまざまな色 の大きな円か描いてあるシートの上で、次々と指示される 色の円内に、手や足をなんとかしてくつつけていくという ものである。そうすると、遊んでいる人の格好が、しだい に体操選手や曲芸師のようによしれていく、そんなゲーム である。いまの私についていえば、一方の足は UNIX の世 界をしつかりと踏みしめている。もう片方の足は DOS 環 境の上で、両の手は VAX/VMS ミニコンの円と IBM メ インフレームの円に軽く触れており、第 3 の手で Macintosh のマウス色の世界にちょっと手を出そうか、と いうところだろうか。異機種間ネットワークについての議 論をするにはちょうどいいポジションだろう。 原稿の締切から雑誌が皆さんの手許に届くまでに時間 があるので、最初の 2 ~ 3 回は他人からとやかくいわれる ことなく書ける。だが、もしあなたが何か困った問題を抱 えていたり、あるいはとくに言侖したい話題をおもちなら、 どうか私までメールを送っていただきたい。読者の皆さん からのフィードバックがあるまでは、ともかく異機種間ネ ットワークでのプログラミングについて論していくことに しよう。皆さんのなかで比較的年配の方は、このコラムの 内容に親しみをもっていただけるのではないかと思う。ま た、 UN Ⅸの市場を拡大しようとなさっている方たちにと っても、役に立っ部分が話のどこかにかならすあることが 連載 NET WORTH from U NIX REVIEW M. Steven Baker ネットワークの魔術 ・下位レベルでのネットワーク用ソフトウェアのプロトコ お分かりいただけるだろう。 126 問題はどこにあるのか ? 今日、ほとんどの UNIX ワークステーションはなんら かのネットワークにつながっている。スタンドアローンで 計算機を動かす時代 C 私〃の時代 ) は終りを告げ、ネットワ ークで計算機を動かす時代 ( 、、私たち〃の時代 ) となった。さ らに幸いなことに、 IBM メインフレーム独占の時代 C 彼 ら〃の時代 ) からも脱却しつつある。この状況下では、 UNIX マシンと異なるタイプのコンピュータが相互に接 続されていることがよくある。たとえば、会社の IBM MVS メインフレーム、各部署の DEC VAX/VMS ミ コン、 Sun や HP のワークステーション、さらには少数の Macintosh や多数の MS-DOS PC がつながっていると いった具合である。それぞれはみな、 Ethernet 、 Token- Ring 、あるいは FDDI で、複雑な配線に、しかも無節操に 接続されている。あなたは、手許の UNIX マシンでローカ ル・ディスクドライプのファイルやリソースにアクセスす るくらい簡単に、ネットワーク上のほかのマシンのファイ ルやリソースにアクセスできればいいと思うだろう。 ネットワークを構成するソフトウェアとハードウェアに ついて、いくっかのオプションを選び、正しく部品を組み 合わせることができれば、異機種間ネットワークにおいて もこういった透過性が得られる。このときついてまわる厄 介な問題は、次のように分類できる。 ・ネットワークに使用するハードウェアの検討 ・上位レベルでのネットワーク用アプリケーションの選択 ・マシン間の OS の違い UNIX MAGAZINE 1992.8
連載 /NET WORTH—① UNIX MAGAZINE 1992.8 TCP は、配送が保証された信頼性の高いストリーム型通 ルがあるが、 こではそのうちの 2 つだけをとりあげる。 組み立てられる。 IP 層の上には、実際には 4 つのプロトコ バケットは、それぞれ行先に適した順序に分割され、また あるのは、ネットワーク間の制御をおこなう IP 層である。 ネットワーク・ハードウェアのインターフェイスの上に る。 TCP / IP の階層は図 1 に示したように 4 つの階層からな なサーバー・クライアントモデルを基盤に成り立っている。 ーク・アプリケーションは、 UNIX システムと同様に強力 リケーションは UNIX 社会で発展した。 UNIX ネットワ 元来、 TCP/IP のネットワーク・プロトコルとそのアプ TCP/IP 通信もできるようになるだろう。 会の一員である Sun と NetWare プロトコルの透過的な NetWare の利用が可能になり、それによって UNIX 社 NetWare の SunOS への移植を発表している。近く かったが、 SunConnect(Sun の新しい子会社 ) が e は、つい最近まで UNIX の世界に入り込むことができな に追加モジュールを提供している。 Portable な NetWar- は、 Mac や UNIX へのネットワーク接続を支援するため ントは、あまりない。 NetWare の最近のバージョンで NoveII が使用する XNS プロトコルに関するドキュメ に接続するための基礎として用いられている。 Mac どうし、 UNIX ワークステーションどうしを透過的 合わせることにする。これらのプロトコルは、 PC どうし、 これ以降は、おもに TCP/IP と AppleTalk に焦点を ロトコノレ ・ TOPS と AppleShare で使われている AppIeTalk プ ・ NetWare で使われている XNS プロトコル ・ TCP/IP のプロトコル いくつか特定のものについてみてみよう。 世間一搬に使われているネットワークのプロトコルから、 プロトコルの山を登ろう 通信するためにはゲートウェイが必要となる。 信を提供し、 UDP は信頼性の低いデータグラム型通信を 提供する。アプリケーション・プログラムは、両方のプロ トコルを使うことになるだろう。 TCP は基本的な概念と して、コネクション〃を使用する。コネクションは、プロ トコル・モジュールの両端を 1 組として結びつける。 こまでの説明は、かなり難解だったかもしれない。そ れでは次に、ほとんどのプログラムとプログラマーが利用 するアプリケーション層の話に入ることにしよう。 TCP/IP の上には、皆さんもご存しの標準的なアプリケ ーション・プログラムがいくつかある。 ・ FTP (File Transfer Protocol) にもとづくネットワ ーク・ファイル転送プログラム (UNIX ではふつう ftp と呼ぶ ) ・ SMTP (Simple Mail Transport Protocol) にもと づくメールプログラム ・ TELNET プロトコルにもとづくネットワークに透過的 なターミナル・エミュレータ ( UNIX ではふつう telnet と呼ぶ ) これらのネットワーク・プロトコルを実装する UNIX のプログラムと、その基礎を成すプロトコルは、同しもの とみなされがちである。しかし、それは誤りである。 で挙げた 3 つのアプリケーションのユーサー・インターフ ェイスの設計は、例によってネットワークの各機能 ( ファイ ル転送、メール、ターミナル・エミュレーション ) を実装し ている UNIX プログラムにもとづいている。しかし、基礎 となるプロトコルとのインターフェイスに選択の余地は なく、プロトコルが規定するインターフェイスを実装しな けれはならない。したがって、ネットワーク・プロトコル を守ることにより、逆にアプリケーションの機能に影響を およほさすに、ユーザー・インターフェイスの完全な書換 えをおこなうこともできる ( 図 3 ) 。 ソケット アプリケーション・プログラムと TCP / IP プロトコル 間のインターフェイスとしては、プログラマーのあいだで はソケット (socket) がもっとも一般的である。これは、 BSD UNIX の一部として開発された。 API は正式に標準 化されたわけではないが、幸いなことにたいていは、 BSD 129
て、 Kapor は次の 2 つの点を指摘した。 1 つは、 lnternet の開放性である。 lnternet には誰でも接続でき、情報を 入手するだけでなく、情報の提供者にもなれる。これによ り、特定の方針に従って情報を制限するような、、ポリシ ーの障壁クを取り除くことができるようになった。もう 1 つは、、、厚い〃接続性である。これは、スピードと接続 性の両方を指しており、 lnternet では最低でも 64Kbps 程度のリンクを使っていること、そして、ダイヤルアッ プのような間歇的な接続ではなく、連続的な接続を基盤 としていることを指している。この 2 つの特質により、 誰もがいつでもストレスなく情報にアクセスできる環境 か構築され、新たな世界を生むことになった。 このような世界をさらに拡大するためには、より多く の組織や個人に接続性が提供されねばならない。しかし、 現在の lnternet には NSF Backbone Acceptable Use PoIicy という、学術目的のネットワーク利用だけ に制限する方針があり、商用利用を妨げている。現在の 商用 IP ネットワークは、まだ IP carrier の役目を担っ ているだけで、その点では学術研究コミュニティにはメ リットがあまりない。しかし、データベース・サーピス や、オンライン会議サービスなどのアプリケーション / サ ーピスを提供するようになれは、学術研究コミュニティ にもメリットが生まれてくる。そのときには、 lnternet の商用利用への道が開けるかもしれないと述べた。 さらに、 lnternet が発展するためにも、現在の商用 IP ネットワークの成長が大切と考えて CIX を始めたとい う。 CIX は非営利団体であり、商用 IP ネットワークを 相互接続し、 NSF Backbone を通過せすに商用ネット ワーク間での通信を可能にしている。現在は PSI 、 AIter- net などの 8 つのネットワークが接続している。また、 NSF Backbone を提供している ANS との接続にも 積極的で、これが実現すれば、 ANS に接続されている多 くの大学、研究機関との通信が可能になる。 そして、、、すでに lnternet は成熟の段階にあり、学術 研究目的だけに制限するのではなく、商用目的の自由競 争を基調としたネットワークを導入してもよいのではな いか。ネットワークの商用利用と学術研究利用は共存で き、そして共存すべきときがきている〃と語り、 lnternet にとって新たな出発の時機が到来したと述べた。 通信基盤の整備については、 ISDN に熱い期待を寄せ ている。現在の ISDN は end-to-end で 64Kbps のデ UNIX MAGAZINE 1992.8 NOTICE ジタル・サービスを提供しており、在宅勤務や圧縮技術 を利用したマルチメディア通信、メッセージ交換などが 可能である。これらの点で、現在の ISDN は出発点とし ておおいに期待できる。しかし、現在は米国でも通信事 業に対する政府の規制のために自由に事業が興せす、す べての家庭やオフィスに ISDN を引くことはかなり困 難である。そこで、米国で普及しているケープルテレビ のシステムを使い、情報通信の新たな基盤を整備すれば よいのではというアイデアを披露した。 講演の締めくくりとして、自動車を例にとり今後の課 題を孑甜商した。すべての国民が自動車を持っ社会を実現 するには、高速道路や道路システムの整備、運転者サー ピスなどさまざまなものが必要である。同様にすべての 国民がネットワークに接続できる世界を実現するには、 何が必要であり、何をしなければならないか。 EFF はそ のような問題を考えるために設立された組織であり、さ らにコンピュータやネットワークに携わる技術者がこの ような問題について考え、行動することが、よりよいネ ットワーク環境作りにつながるであろう、と述べた。 Dr. Dixon Doll Dr. Dixon Doll は、 Kapor とは対照的に lnternet におけるピジネスの可能性について、かなり具体的な方 向性を示した。 最初に、 D011 は、、まだまだチャンスはいくらでもあるク と、かなり刺滂姉勺なメッセージを聴衆に投げかけた。そ して、現時点で期待できる技術として、 1)WireIess サービス 2 ) 高速ネットワーク 3 ) LAN 4)SNA ネットワーク 5 ) クライアント・サー を挙げた。 ・アプリケー ン - ョン ます、 Wireless サービスである。 Wireless( 無線 ) に よる通信といっても、衛星通信、セルラー、無線などの 形態の違いがあり、全国的なサーピスから LAN までの 広範な導入が期待できるという。とくに、ラップトップ PC やパームトップなどを仕事で使い、持ち歩く人びと が増えていることを指摘し、ピジネス面で移動しながら 21
B 00k ビデオ 0 eVEW ワークステーションのソフトウェア技術 0 物ツ : 基本操作 UNIX の 第 2 巻「ネットワーク環境」環境 第 1 巻「 UN Ⅸの基本操作」ネットワーク 5 (VHS 各 2 本組 ) ・ 38 ′ 000 円 ・岩波書店 ・斎藤信男・村井純監修 内容構成を記したあとで観た印象を書くことにします。 ように紹介すればよいのかよく分かりません。そこで、 あげましよう。とはいっても書籍とは勝手が違い、どの してきましたが、今回は UNIX 学習用のビデオをとり この欄では UNIX に関連するさまざまな書籍を紹介 [ 入門編 ] 40 分 ・ UNIX の基本操作 8. オンラインマニュアル 7. システムとユーサの情報 6. キーの役割 5. ログインとログアウト 4 . ューザ 3. プロセス 2. ファイルシステム 1. UNIX の特徴 10. ウインドウの操作 9. ウインドウシステム [ 応用編 ] 40 分 1 . ファイルの孑旨定 2. ホームディレクトリ 3. ファイルの属性 4. ファイルの操作 5. メタキャラクタ 6. シェルの仕組み 7. ジョフ・コントローノレ 8. プロセスと入出力 9. ラインドウアプリケー 10. ューサの個人環境 ◆ファイノレシステム ンヨン 一般のユーザーなら、ふだんはホームディレクトリと UNIX MAGAZINE 1992.8 テムの全体像が擱みにくくなっています。ここでは、ま 巨大化しています。そのため、ますます、ファイルシス た、ハードディスクが安価になり、ファイルシステムが プロジェクト用のディレクトリしか見ないでしよう。ま さしく視覚的にファイルシステムの全体像を紹介して います。 ◆プロセス UNIX で表舞台に立つのがファイルだとすると、プロ セスは、さしすめ裏方〃というところでしようか。プ ロセスがうまく働かないと何も進まないのですが、ふだ んはあまり意識することはありません。また、ファイル の様子を見るコマンドはたくさんありますが、プロセス を見るコマンドはそれはどないので、なかなか実感する ことが難しいようです。ここでも、それを視覚的に紹介 しています。 ◆ウインドウシステム / ウインドウの操作 ワークステーションの機能を紹介するときに、もっと も文章にしにくいのが、このウインドウ・システムの機 能でしよう。マウスの左ボタンをクリックしてメニュー を表示させ、そのなかの〇〇を選びます〃などと書いて も、ちっともうまく説明した気になりません。また、そ れを読む読者も狐につままれたような気分でしよう。そ あるものの紹介には向いているようです。 やはり、ピデオは文章だけでは説明しにくい、動きの んな心配も、このピデオなら不要です。 [ 入門編 ] 40 分 ・ネットワーク環境 10. 分散環境 9. TELNET と FTP 8. リモートコマンド 7. メールシステムの利用 6. 、エーーヨガ出」コミュ。ニ . - ケーーション 5. ネットワークの利用 4. 名前とアドレス 3. ネットワークの種類 2. ネットワークのノード 1. ワークステーションとネットワーク 5. 経路制御 4. IP アドレス 3. 物理的な接続 2 . プロトコル 1 . ネットワークのしくみ [ 応用編 ] 40 分 9. メールシステムのしくみ 8. 名前管理 7. プロセス間通信 6. サプネット 123