年 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1970年3月号
223件見つかりました。

1. SFマガジン 1970年3月号

うに思われた。規則や慣習はあるのだろうが、初めて目にする・フレ インには、まったく、はらはらさせるような混乱ぶりだった。 頭上五十フィートのところに商店街があった。そこへ上るのには 一「ユ 1 ョ 1 クの町は一見、超現実的なスグダッドのようだった。 どうしたらいいのか ? そう一一 = 〔えば、この騒々しくけばけばしい混 白と青のタイルで葺いたずんぐりした宮殿、回教寺院ににたほっそ乱の中で、彼らはどう生活し、健康を保っているのか ? 人口の密 りした赤い尖塔、けばけばしい中国風の屋根と、先のとがった玉ね度は気狂いじみていた。人の海で溺死するのではないかと思うほど ぎ形の丸屋根の混り合った不揃いな建物が見えた。東洋趣味が全市だった。この超大都市の人口はどのくらいあるのか。千五百万かそ を風靡しているかのようだった。・フレインは自分が今 = 、ーヨークれとも二千万か ? それにくらべたら一九五八年の = = ーヨークは にいるとはとうてい信じられなかった。まずポンべイかモスクワまるで田舎の村みたいなものだった。 か、よくい 0 てロサンジ = ルスだとしても = ーヨークなんてもの彼は立ちどま 0 て印象を整理しなければならなか 0 た。歩道には じゃない。彼は曲線の多いアジア風の建築物と対照的にそびえる単人があふれて、ゆ 0 くり歩けば押しまくられ、おまけに悪態をつか 純でまっすぐな摩天楼を見つけ、ホッとしてそれを見上げた。彼がれた。公園もべンチも見当らなかった。 以前から知 0 ていた = = ーヨークの親しい番人のように見えたそれ彼は列を作 0 て並んでいる人たちに気がついた。そこで自分もそ よ。 の後について並んだ。列はゆっくりとすり足で前に進んだ。・フレイ 街路は小型の乗物でいつばいだった。オート・ハイ、スクーター ンもいっしょに進んだ。頭が鈍く痛んで、ひと息いれたくなってき せいぜいポルシェくらいのサイズの自動車、ビュイックそっくりのた 大きさのトラックなどが走っていたが、それ以上に大きなものは見しばらくいくうちに、彼は、自分の頑丈な粘液質の体を、今まで 当らなかった。 = 、ーヨ 1 クの人口過剰と空気汚染の解決策がこれよりいくらか敬意をもって考えられるようになった。おそらく、過 だとすれば、これもしかたのないことだろう と、彼は思った。去から来た人間が落ち着いて未来を見たいと思えば、こんな肉の外 大部分の乗物が頭の上を走っていた。翼とジ = ットで動く車、皮が必要なのだ。反応のにぶい神経系統も、それはそれなりの利点 ・タクシーと があるのだ。 空飛ぶトラックと一人乗り高速飛行車、ヘリコプター スカイボートセカンドレベル 「空港第二面」とか「モントーク行き急行」とか書かれたエアパ 列は静かにゆっくりと前に進んだ。・フレインはそこに立っている スなど。垂直と水平の道がきらきら輝く光の点で区切られ、その中男女の服装がみすぼらしく、しかも汚れているのに気がついた。だ で乗物が飛んだり、止ったり、転回したり、上ったり、降りたりしれもが一様に不機嫌で、絶望的な顔つきをしていた。 ていた。 パンでも買う列だったのか ? きらめく赤や、緑や、黄や青の光が乗物の流れを調整しているよ彼は前の男の肩をたたいた。「あのう、ちょっとききますが、こ 5 2 給

2. SFマガジン 1970年3月号

「もちろん出られます」 いいながらプレインはためらった。聞く約東にな 「ありがとう」と っていながらいまだに果たされていない説明が聞きたかったのだ。 ニューヨークはどんなところになったのか、この土地の習慣や規則 はどうなっているのか、どんなものを見、どんなものを見てはなら ないのか、そんなことを守衛に聞きたかった。しかし守衛は過去か ら来た男についてなにも聞いていないようだった。彼はただ、目を 丸くしてプレインを見つめていた。 ・フレインは金も知識も友人もなく、仕事も住居も持たず、ただ不 愉快な新しい体をつけて、二一一 0 年のニューヨークの中に飛び出 つまるとこ して行くのはいやだった。だがこれもやむを得ない。 ろ、自尊心にはそれなりの値打があろうというものだ。彼はあの磁 器みたいにコチコチのミス・ソーンや、レックス社の連中から援助 を受けるくらいなら、独り運だめしをした方がましだと考えた。 「外へ出るのにパスが要りますか ? 」彼は望みをかけてきいた。 「いや、ただもどって来てくれればいいのです」守衛は不審けに眉 をひそめた。「どうかしたんですか ? 」 「なんでもない」彼はこんなにたやすく放免されるのが依然として 信じられないまま、ドアをあけた。だが、これが当り前かもしれな い。彼は死んだ祖父と話したり、宇宙船や来世ジェネレーターが存 在し、自己宣伝のために過去から男をひっさらって来て、事もなげ に抹殺したりできる世界に住んでいるのだ。 ドアがしまった。背後には大きな灰色の固まりに似たレックス・ ビルがあった。そして前にはニューヨークが横たわっていた。 ドレ・ホセ・マニュアル・サンタ工 きてほしい、というのは、その方向 リヤを死のまくらべに呼びよせて、 に財宝が埋っているからだ。ともか 当時の模様をくわしく物語ったた く何とかしてその財宝をもう一度世 め、後世にまで伝えられることとな に出し、その金で今なお充分に普及 った。 されていないキリストの教えを我が しかも、この財宝は五千人を越す国土に広めるようにしてほしい、そ 担い手によって運ばれていたもの れが私の願いだ。 ( この老人は、ず . で、皇帝が殺されたとの知らせを受 0 と昔にキリスト教に帰依してい け取るや、夜を日につぎ、食べるも のもろくにとらずに五日間にわたっ そこで、サンタエリヤ師は何人か て走りぬき、この大平原へ来たり、 の配下の牧師たちと共にその大平原 二、三週間もかかってその一角に埋 に行き、問題の指示石を探しまわっ 匿したというのだから、その厖大さ たが、どうしても見つからず、その が想像できよう。 うち老人は死んでしまった。 ただこの大平原は、四方を雪をい ところが、一一 0 世紀初頭に至っ ただいた峰々にかこまれ、たえず強 風がふきしきり、道はくねくねとて、とうとうドイツの宝探し屋アド ルフ・ウィットによってこの石が発 れまがって危険きわまり、地すべり や地震がひんばんに起り、現在です見されたのである。 だが何たる運命のいたずら、その らたやすく近づけるような場所では ない 石は横に倒れていたので、もともと どちらを同いていたものかわからな 瀕死の老人の語るところによると かったのだ。 その埋蔵個所を後日知ることができ その上、それらの模様がいったい るように石の指示標が立てられた。 その模様を見れば、財宝の埋蔵個所どういうことを意味するのか、それ 以来多くの人たちの熱心な努力にも がわかるようになっているのだが、 はるか昔のこととて、自分もその模かかわらず、いまだに充分には解け ていない。 様がどんなものだったか忘れてしま かくて、この時価五億ドルにのぼ った。しかし、もし今その石をさが し出し、その模様を写してきてくれると推測される古代インカの莫大な れば、その解き方を語ることができ財宝は、この荒涼たる大平原のどこ る。ただその際、石の一方の側に刻 かに、今なお眠りつづけているわけ んである「聖なる島」がどちらを向である。 いているか、をよく注意して戻って ( 近代宇宙旅行協会提供 ) トー : ~ : ー : を : ー : を : 世界みすてり・とびつくー、・ 幻 5

3. SFマガジン 1970年3月号

タトコロダ・・ : : ココ、コみホシ、コノ : ・・ : キミタチガチキウト法 = シタガッタ。ワレワレ ( アル谷間デクラシテイタ。ソノ営ミ ( 呼プホ〉 , 「トダ。ワ」ワ」 ( = 「デ、急速ナ繁栄ヲ遂ゲ・・・・・・手 = 長ク、オタガイガ兄弟ノ = ウ = 、〉ジ〉タ。ワ」ワ」 ( ツネ = 少数ダッタ。キミタチ人間ノョウニ、世界中ニ歩ヲシルスコトモシ 入レラレルモノヲ全テーー」 ナカッタ。アタタカイ谷底で、文明ヲ築キアゲハシタガ、ソレモ 「つまり、進化したというわけだな ? 」 「トテモ速イソクドデ進化シタ。道具モックリダシタ : ・ : ・機械モダキミタチノ「一ウナ大都市ノ文明デ ( ナカ ' タ。ソ・ンナモノ ( 必要デ : モノヲ造ル人間ノカンガ = 。人間 ( ナ = ヲ造ルベキ力、ソレヲナイカラダ。ワレワレガ築キアゲタノ ( 、精神ノ文明ダッタ 「モチロン、必要ナトキハ、イク 考エルチカラ。ソウダ ! ソウダ、ソレ ( 知性ダ、論理ダ。直観 ? 幽霊は自分の頭に手をやった ッカ / 機械モ造ッタ。ソシテ、ソ / 谷間ガ海ニョッテ破壊サレルコ ソウダ直観モソウダ。ワレワレハ互イニョク理解シアッタ。キミ トヲ知ル日ガ、ヤガテャッテキタ。谷間 ( 海面ョリモ低イトコロニ キミダケノ仕事ヲスル。ヒ タチハ互イニ理解シアワナイ。キミ ヒトダケ / 仕事ヲスル。・モシモ、キミガ - ヒトト一緒 = 仕事ファ ' タカラ、ソレヲ護ル脆弱ナ山脈ガ崩レ去ルト、海水ヲフセグ手 段ガナクナルノダ。 : ィッモキミ スレバ、キミハチカラヲアワセルガ、大事ナノハ・ ヒトジシンノホウダ。シ アル者 ( ソ / 事実 = 耳ヲ貸サナカッタ。マタアルモノ ( サラ ジシンダ。ソウデナケレバ、大事ナノハ = 奥深イ内陸へ移ッティッタ。移ッティッタ者ガソノ後ドウナッ カシ、ワレワレニトッテ大切ナモノハ造ラレルモノ自体ナノダ。 : ワレワレ以タカ、ワレワレ ( 知ラナイ。残ッタ仲間ノナカニ ( 、機械ヲ造ッ 三十世代ニモオョ・フワレワレ / 祖先ガワレワレヲ : : コノチキュウカラ脱出シタ者モイタ」 テ、コノホシカラ : 外ノモ / カラ解放シテクレタ」 「宇宙船か ? 」 「環境からか ? 」 「イヤ、船デ ( ナイ。キミタチガ考エルョウナ機械デハナイ。キミ 「ソウダ、自由ニナッタノダ。ヒトッ / 問題ヲモットイウコトハ : カタイ物 ニ、ワタシノ心ガ読メレ・ハ話ハ早イノダガ。ソレハ・ : ソレニカナウ方法ヲ : : : ソレヲ解決スル手段ヲ発見スルコトダ。 植物 = ( 進化ガアル。動物モ進化ショウトスル。ウマク進化シタモ質ヲ溶解シ、ソレヲマタ、別 / 場所デカタメテ造リアゲタモ / ダ。 ワレワレオトコタチト、ナンニンカノオンナタチガソノ機械ニ乗 ノ、ウマク進化デキナカッタモノ。ソシテ、進化ニ失敗シタモノ リコミ、地上ヲハナレタ。 死ヌ。ワレワレ ( 変ワッタ。ワレワレ ( タダ善ィモ / 、造ルべ : コノホシ / ョウナ惑星ヲ捜スタメニ設計サレタモノダ 機械ハ キモノダケヲ造ロウト努メタ。ワカルカ ? 」 ッタ。オモク、アタタカイ、コノ大気ガ存在スル惑星ヲ求メテ、機 「わかるような気もする」ワ 1 ナーはこたえた。「おれたちだっ しままで三千年かけて造った以上の械 ( 遙カ彼方マデ飛行シタ」 て、過去三世紀たらずの間に、、 「長い旅だったのか ? 」 ものを造り上げたんだからな」 、・ノメ ( ソノ方「機械ノ中デ ( 長イ旅ナドナイ。時間 / 感覚ガナクナルカラダ。機 「ソウダ。ソレガ進化ノ方法ダッタ。ワレワレモノ、、

4. SFマガジン 1970年3月号

0 0 ・ 0 ー 0 とめられ、「コンテ」とはほとんど関係のない、他れる。 ンヴィア・スティール、エトセトラ、エトセトラ。 の多くの登場人物が活動する、それそれ独立した短ノーマン・ ( ウスとドナルド・ホーガンは、厖大こんなふうに極端にダイジェストしてしまうと、 篇小説群は、「クローズアップを使ったトラッキンな人口をかかえるニーヨークのアパートで共同生作者のシリアスな意図とはうらはらに、どうも通俗 グ」 Tracking with Closeups のセクションにお活をしている。黒人の ( ウスが勤めている会社は、的な面ばかりが目立ってきてしまう。しかし、その さめられている。そして、番組とか、コマーシベ = = アの大統領と取引を結んでおり、 ( ウスはべ責任はある程度、作者プラナーのほうにもありそう ャル、引用、その他ありとあらゆる断片がまとめらニニア開発計画を担当することになる。べニニアにだ。 れているのが、「 ( ップニング・ワールド」 The 住むシンカ族の非暴力的性質が突然変異によるもの五百ペ 1 ジ余のポリ、ームが与えるインパクトは Happening Wo 「 ld のセクションだ。「われわれであることを、社会学者チャッド・マリガンが発見すさまじく、アメリカのファンたちがそれに圧倒さ がこの本のなかに見出すのは、映画のスプリット・したのは、それからしばらくしてからだ。 れて投票してしまったのも無理はないが ( それに、 スクリーンのテクニックを応用した″小説″なの一方、ホーガンは、ヤタカングのスー パーマン生長さのわりには、つぎつぎと趣向が変わるので退屈 だ」スビンラッドはそう書いている。 産計画の中心人物スガイグントウング博士を暗殺すしない ) 、スビンラッドのいうように全体をいくっ 目次では、長篇小説や短篇小説、エッセイなどはるため、東南アジアへとむかっている。アメリカのかのプロットに分解してしまうと、その通俗性が目 四つのセクションにまとめられているが、もちろんある諜報局に勤める彼は、特殊な方法で今では殺人についてくるのだ。 本文はそうではない。全体は、一一九の章に分か機械と化している。迂余曲折を経たのち、彼はとう手法自体も、界にあってはまったく目新らし れ、いくつかの物語が平行に進んでいく。 とう博士の暗殺に成功するのだが、・ へニニアにおけ いが、純文学の分野では、すでに先例がある。ジョ 二〇一〇年、世界は人口過剰にあえいでいる。太る″平和″の遺伝子の発見が報道された今では、そン・ド ス・パソスの『』がそれだ。『ザンジ 平洋の制海権をめぐって、ベトナムを思わせる小されも空しい ーに立っ』が、ドス ・パソスの影響を受けている な戦争がひっきりなしに起こり、アメリカと中国の以上が、この作品の軸となるストーリイ。これに - ことは、プラナー自身率直に認めている。だが、そ 関係はますます険悪化している。先進国は厳しい優彩りを添えるものとして、合法化された麻薬、奇怪の方向からプラナーを非難するのはまちがいだろ 生法を施行しているが、そんな法律のない後進国のな。 ( ーティ、チャッド・マリガンの新語辞典からのう。スケ 1 ルの大きい未来小説を書く場合、『 一つャタカング ( インドネシアに似た架空の国 ) で引用、生きている ( ? ) コンビ、ータ″シャルマニ <t 』の手法ほど便利なものはない。非難するなら、 は、逆に遣伝子を人為的に改良してス ーパーマンをザ 1 ″、 ニュース番組″スキャナライザー″工むしろ、この手法を今まで見すごしていた界全 作りだす計画が進められている。このニュ 1 スは先トセトラ。 体に対してするべきだろう。 進国にも伝わり、人びとの不安をかきたてている。脇役として、人間嫌いの社会学者チャッド・マリ オリジナリティの点ではやや不満だけれども、お そのころアフリカの小国べ = = アでは、窮乏の生活ガン、生まれる子供にきたない現実を見せまいと麻もしろいし、敢闘賞としてのヒーゴー賞なら文句 を続けながらも、他人をまったく襲おうとしない、薬をのみ続ける妊娠したフラワー・チャイルドの少はない。 シンカ族と呼ばれる平和な黒人種族の存在が発見さ女ポ。ヒー・、 シェルトン、ファッション界の女王グイ 8

5. SFマガジン 1970年3月号

は鏡 にや 国際 S F シンポジウム計画 つ巻 日本でははじめての国際 S F シンポジウムを むて 開催しようと , 有志の手でいま着々と計画が進 ど顔 甲、あ められている。主催は日本 S F 作家クラフ・と日 いな 本 SF ファングルーフ。連合会議。 そ低 話のきっかけは , 千葉県在住の有力ファン遠 在た 藤大也氏が , 昨年 4 月 , かねて親しく文通して いるイギリスの作家フ・ライアン・ W ・オールデ どず 。ん ほ漠 たれ イスから , 昨年プラジルで開かれた国際シンポ でだ ジウムの成功にならって , 日本でもどうかと勧 唇そ は顔 められたことから始まる。 日本の S F も十数年の発展期を経てようやく に厳 地歩が固まり , 国際的に通用する作家や作品も は自 なし、 いけ が影 ぞくぞく現われているいま , 今後の国際進出の 、て な車 契機ともなれば , という氏の熱心な呼びかけ た事 に , プロ側からは小松左京氏 , 野田宏一郎氏 , の故 を表 豊田有恒氏 , 伊藤典夫氏 , 大伴昌司氏 , 石原藤 のね 夫氏 , 森優、 ( 本誌編集長 ) ら , ファン側からは し顔 ち死 たを 柴野拓美氏 , 大宮信光氏 , 三田皓司氏 , 深見弾 氏 , 高斎正氏らが応えて立ちあがり , このきわ めて有意義な計画の実現にのりだした。 レそ すでに実行委員の会議が , 東京で何回も重ね られ , 計画全体の青写真もほばできあがり , 最 、イ じ判 断そ 大の難関だった資金の調達もある程度のメドが 態深 救大 つは ついた。招待メン / く一の規模は 20 人 ( 日本側は い切 のぞく ) ときまり , もっか招待状の作成や宿泊 条か 出な 件ら 所の決定に大わらわ。 っと 招待予定の海外作家をあげると , アメリカか そを だな れ助 らハインライン′アシモフ , プラットペリ , ア ンダースン , ハリスン , ポール , メリルの 8 相オ か狂 ノイギリスからオールディス , クラーク , バ て ラード , ムアコック , キングズリイ・エイミス いす の 5 人 , ドイツからはヘルベルト・ W ・フラン ケ , ポーランドからレム , それにソ連からはェ だけ フレーモフ , ストルガッキー兄弟 , ラヒム , カ 体イ ガリッキーの 5 人。このうちアシモフ , プラッ ドベリ , ェイミス , フランケ , レムをのぞき , 15 人が参加を快諾している。 開催日は今年の 8 月 30 日から 9 月日 , S げ私 F, 未来学などをテーマに各種の講演 , 討論な どを , 東京と京都で開く予定になっている。 で一之 すあ (M) 203 世 S 報 だ と 0 ) と は せ ま す ね も 私 た ち あ 体 う 糸屯 卆 オよ 静 的 下 で そ う か も し れ ん し か も っ 現 実 プ レ ン さ ん の 体 は 死 の で す 動 で ン マ カ ; し、 さ の だ う や な い ひ か え 目 な し、 を し て . る の む ろ 心 の 彳皮 に 。近 け た そ し の 赤 い 小 さ な カ ; 悪 夢 の 葉 漏 ら 状 況 に も っ と 間 取 る つ た ん っ た マ リ ソ ン く か が ん で 、美 無 情 な そ り や う さ し、 つ ま で ミ ) し、 る わ に は 行 か な か ら . ね で械が はを彼 つ し、 女 は え と し た の気威唸平 見 せ な カ ; ら だ方機 た 蠅 が ン プ ン う ・つ た 。妙あ 関 で 彼 の 存 な と 、ん ど しかを い な い よ う お そ ろ し く ひ か ズ - 目 オよ を と り き 窓 に た 力、 る 繩 さ な カ : ら に り ら ポ ル 、紙 の と ひ、 そ り た : 彼 覚 め る ク ) オよ い 夢 の に し、 ナこ た の よ う な ー男リ た ち レ ン 叫 ぼ ロ を 開 た が ま た 閉 じ た 信 ら れ な れ ク ) は体れ を を の、 も つ て 行 っ 2 よ 、お 顔れ触 の じ や な し、 お の 顔 ど へ や っ ん お な た の を 応 新 し を さ あ の 彼 に れ ・′つ し、 で る え る 指 で を な で 回 し し、 ち ん の さ ち

6. SFマガジン 1970年3月号

よ金 カ : に答 ち 場 れ ー 1 ー し 所ー は シ シ′ つ ぎ 、て イ乍 え わ ト ど狂 う で ン 委 だ て や か ン に ス 、戦 ッむも 、は 押 る殺 り た カ : か の ダ 細 め ら に の い ク 、ノ 冷怪 し 当は 訊 彼 し 等 し迅士 リ 中 と カ ; チ は 力、 て か 、は速 、が ろ 然 じ て 問 ら こ航 な 人 ま そ に マ 彳丁 ン 監 し果カ を救 大 だ めや る を ふ に め ホ シ わ い で に の 、女台 っ 尢 冫こ ルな敢さ ず 声 ん ら 士 無 で しろ ナこ 日 め気れ ぎ う ん ら た は 出 し 慈手 が ポ響 し ト 力、 に は ら シ ン 。だ 、た っ特む て と た と ャ 悲も を・ び と だ は し た ロ 。き い水人 ハた務け とわ と な も 出 ト 力、 な の ク ) な る と 間 で人 。艇ナ の も も 才し き ん き っ に ん は し ト と の 食た ど あ の救 く 中 いわ のな けた に 、狂 だ物ち る部命 ど ・体し 。に も ー占 んれ 狂 シ ちモ、 な ン新 。下 ポ拠 き っ を ホ戦 を い 入か 戦 る の は ら の 側プ 、ひ し士 た . あ ル士 っ ン 士れ か し の て 体 すき ト そ 0 ょ ト た て て レ し、 体 がず がを き 大 だ カ : じ し に に の の し ス形は ざ て いく そ 、だ 拿ま や て も つ意れ のを見 っ う つ上 う な く そ戦 と げ と シ す ば か 人 か外も 小 つ て れ闘 な 人 り け に抵 隊し の ら よ ン し に し、 づ人 う 外な を ず も 推も 抗 タ・ て わナ の はか たた 予あ 、す め型 っ坐け で と進 が 冫こ へ い 測 囚装人 あ の 絶 と 順 しす と にを めた っ る よ 人置間 と 歩 か 叫 さ の手 し し に て た で ひ は新と 外し な を を れナ だ た ま だ し 力、 は 追 窮 、けち ぜ か へた さ マ た た ル 連 九対 0 丿卍ー っ そ っ そ を っ テこ を え し、 、ン 人 た た う 武 ト 夢 の マ なた ひそな の ン 連 のな器 は シ 場し ポ き ク ) の し、 の ノレ 囚気ガ I> タ 1969 年 12 月号分集計結果 . 作者 浮游都市 光瀬龍 彼岸世界 ( 後篇 ) マレイ・ラインスター 午後のプリッジ 小松左京 ウォルター・ M ・ミラ 夢みるもの —Jr. 御入用の品あります ルイス・パジェット 次点地球の子ら 前回首位の「彼岸世界」は後篇で第二位に落ちました。く都市〉 シリーズは相変らず好調。小松左京の「午後のプリッジ」がショー トショートながら第三位を占めたのはさすがといえましよう。 今号 8 篇に対し , 規定の方式 ( 秀作 5 , 佳作 4 , 水準作 3 , それ 以下に 2 , 1 ) に従って葉書にてご投票ください。同評価の作品が 何篇あってもかまいません。住所・氏名・年令は必ず明記のこ と。締切は 3 月末日。抽選で 5 名の方にハヤカワ S F シリーズ最新 刊を進呈。今月は下記の方に「 10 の世界の物語」 (A ・ C ・クラー ク ) をお贈りします。 北九州市戸畑区新池 3 ー 15 ー 10 宮本浩英様方古田均様 , 旭川市 四区一条 2 の 2 藤波美智子様 , 所沢市下安松 187 平野孝一様 , 愛援県宇和島市和霊東町 1 ー 3 ー 16 影山健治様 , 東京都杉並区和 泉 2 ー 31 ー 16 朝日出祥一様 2 3 位 1 《り 0 れ 0 -4 【 0 順 評点 一 0 っ 0 、 1 っ 0 っ ) っ 0 00 っ・・・朝 0 0 ・ 0 0 0 ・ 0 0 0 0 ・ 0 % 朝 ・ 0 00 00 - ぐら

7. SFマガジン 1970年3月号

れ物 デ別 ソ連で紹介される日本の S F ~ 皮ヌ 言語的な障害や SF といえども作品によって は , 風俗習慣の著しい違いが避けられない日本 の S F をロシア人達はけっこう熱心にロシア語 葉死 にしている。日本 SF 短篇集『日本売ります』 ド、る の後 , 69 年も歳の瀬が迫って , 2 冊の本がソ連 かた から入ってきた。安部公房の『砂の女』と『他 人の顔』を収めた 20 世紀外国文学シリーズの中 ダすを小 の 1 冊。出版社は純文学でソ連随一といわれる 言宅ノ く文学〉出版社。したがって , 安部公房のこれ ビ体 らの作品は = SF = としてより , 現代日本文学 のひとっとして扱われているとみた方がよい。 か生 に全れ物 発行部数は 5 万。これはソ連では学術専門書並 。と みの部数で少ない。かれの『第四間氷期』の時 は 31 万 5 千部だった。 < 海外 SF 〉シリーズは , 妙部 それなりに企画に苦労しているようである。作 すな 家別 , 国別 , テーマ別などのアンソロジイを編 集しているが , 今までの変り種に , ジャック・ ツ然 ロンドン , 0 ・ヘンリイなど 13 人 16 篇を収めた 。生面 : シ 『ファンタジイの世界の客達く非 SF 作家の S F 短篇集〉』 , ウイナー , アシモフなど , 作家 15 人 , 16 篇の作品からなる『悪魔の饗宴く学者の SF 短編集 > 』がある。今 1 冊が , このシリー ズの中のアンソロジイ『宇宙時代のミューズ達 く芸術についての短編集〉』である。その中に はわ 福島正実の作品「花の命は短かくて」が , プラ ッドベリ , テン , フ・リッシュ , モーロアなどの レ説 作品と共に収録されている。他にも , ポーラン ド , ルー ニア , スペインの作家達の作品が入 っている。訳は今までの日本 SF 短篇のほとん どを手懸けているラヒム氏。発行部数は不明。 翻訳専門の出版社くミール > だけが , 印刷部数 を明らかにしないということは , さては版権問 デお 題にからんで・・・・・・これは考え過ぎ ! ? 最近の情報によれば , 今年の夏頃 , 小松左京 の「明日泥棒」の翻訳がくミール〉出版社から 出ることになっている。翻訳者その他詳しい ルな とはわかっていないが , 恐らくく海外 SF 〉シ リーズの中に入るのではないかと思う。蛇足だ が , ゴェモン氏の日本語は相当な代物であるか ハを ナす ら , どんなべテラン訳者が手懸けているのか分 らないが , 出版されるのが楽しみである。 (Y) い触 43 リ ツ フ - ノ ヲ 剥 カ・ ナ カ ツ タ 、ン ア モ ダ ソ レ・・ 触 レ ノレ ワ レ ワ レ ハ 別 種 ノ ア ノ モ ァ ン コ ト ウ タ ト タ ト 幹 カ フ ッ ァ ク 界 S 情 報 く た 無 ス意な 識 に の ダ間れ ら り と し た ソ ノ 理 . 由 目月 シ ヨ ウ 、ン キ ガ 理 解 、ン ナ イ ト キ 、カ、 ら し . み に く 目 へ小枝 枝 向 け る 投 げ て で も な る ん だ ガ 幽 は ま た の を ま オど な さ か つ た そ れ た も の す・ へ て 死 ん て、 し う な ら な ぜ に と ど ま つ て 悲 し み、 の カ ; よ ぎ た ー 1 チ キ ウ ム ア ノ 全 ァ ノ キ ど う も か ら お え は イ可 を し て る ん だ お ま が ド ク 丁 死 ダ ロ ウ ト ァ モ ク し一 ク ) モ奇大 。な分 い ソ ウ ド ク 何 か で も 4 寺 て ク、と チ キ ュ ウ ガ ワ ノ、テ モ、ン ノ、ノ ソ、コ にノ た し、 の 力、 ナ ゼ フ ワ タ シ ハ 自 ノ 意 ウ シ ァ イ フ - イ イ ワ タ シ 1 ノ か し・ ま た な ぜ フ な は そ ん る ん だ シ ウ イ ヌ タヒ コ ノレ ワ タ ノ ワ シ マ ウ ノ ダ カ フ タ・ ジ、話ァ ン、ヲ / レ、・ヤ イ、メ コ コ ワ レ ワ レ ガ 生 レ ド ク ヲ キ 散分 フ シ リ シ イ ワ タ 自 身 ガ ク、キ - ド、ス ト ナ ダ ワ レ レ 死 フ - 、ン ノ ア シ ア 、ン ア ト 死 の 場 所 変 ワ ツ フ -

8. SFマガジン 1970年3月号

しかしまだ彼のうちには、本当の緊張は生まれていなかった。とめに、こんな歓待をするやつはいない。そう考えながら、彼は眼を 細めた。そして、そっけなくきいた。「客用の電話は ? 」 にかくレストランへ行ってみることだった。 一分後、彼は受話器にむかって話していた。「大学総合事務局で 彼は広々とした壮麗なコンスタンチンの入口である豪華なロビー ミスタ ハトⅱ , ック A 」い、つ ? この地方のどこかの大学に、 にはいった。その大きな入口のところで立ちどまり、きらめくたくすか さんのテー・フルや、庭園の上に宙吊りにされた契茶室を見わたし人が在籍されているかどうか調べていただきたいんですがね。もし た。世界的に知られたレストラン、このきらびやかなコンスタンチ在籍されているようなら、そのかたがそこの大学新聞から、プラネ ンは、彼が最後に訪れたときと比べて大して変っていなかった。 タリアン通信のウィリアム・リーとのインタビュー記事をとるよう 、トリックという人が、予に命じられているかどうか、それも調べていただきたいんですが。 リ 1 は自分の名をつげ、それから、「 / わたしはリ 1 です」 約しているはずだが」 ( トリック様の予約六分間のプランクがあった。やがて返事がきた。きびきびした、 、リー様ですね。 受付の女が言った。「はい 「こちらに登録している十七の 。トリック様か言葉巧みな、決定的な回答だった。 で、三号個室をおとりしてございます。いま、その ( ミスタ ハトリックは三人おられます。現在は、三人と ら電話がございまして、「あと二、三分でまいられるということで大学に、 もそれそれの寄宿舎で食事中です。また、こちらの調べでは、ミス す。支配人がご案内いたします」 パトリックも四人おられました。しかし、その七人とも、大学新 女の馬鹿ていねいな口調に首をかしげながら、リーは踵を返し た。そのとき考えがひらめいた。彼は女のところへ戻った。「待っ聞とは何のつながりもありません。 = セ学生でしたら、別におカ添 えの方法もありますけれどー てくれ、いま三号個室と言ったね。代金は誰が払ったんだ ? 」 リーはためらった。やがて口を開いたとき、彼の心には、とうと 女は答えた。「電話でお支払いいただきました。四千五百ドルた う深入りしてしまったという奇妙な暗澹とした自覚があった。「い しかに ! 」 リーはしばし無言で立ちつくしていた。通りであんなできごとにや、けっこうです」そう言って、電話を切った。 遭ってからも、この会合は彼にとって相変らず、わずらわしい些事自分勝手な想像に動揺しながら、彼は電話ポックスを出た。この の一つにすぎなかったのである。ところが今、それはとっぜん途方瞬間、この市に自分がいる理由は、一つしかない。殺人事件だ ! ドルだっしかも知人はほとんどいない。彼の目的と無関係な理由で、まった もない異常なできごととなっていた。四千ーー五百 くの赤の他人が面会を求めてくるとは考えられないではないか。彼 て ! 自分の第一印象を強めようとする、どこかの金持の子供の企 は気にさわる胸さわぎがすっかり消えてしまうまで時間をおいた。 みだろうか ? 彼は冷たい論理で、その解答を破棄した。人間の中には、桁はずそして案内人に言った。「三号個室だ」 ほどなく彼は、贅沢な続き部屋を眺めまわしていた。それは、官 れのエゴイストもいる。だが一介のレポータ 1 に好印象を与えるた

9. SFマガジン 1970年3月号

でもおこりうることだという暗示がちゃんとついてる。気をつけつばられて、 リ 1 はようやく、通行人がまちがってぶつかったので ろ、市民諸君か。そのうえ、この惑星間飛行の時代においては、つはないことに気づいた。 ぎの殺人は今夜どこで行なわれるかわからないという、警告のおま ふりかえると、そこには皺たらけの褐色の顔があった。彼は相手 けまである。さっきも言ったが、うまいよ。これで、今夜一晩もつの熱をおびた黒い眼を見おろした。小男は、一束の紙を目の前で振 っこ 0 リーはその紙の上の手書きの文字を一瞥した。と、男がぶつ くらいのネタにはなる。おっと、忘れるところだったーーー」 「何ですか ? 」 ・ぶっと喋りはじめた。「リーさん、百ドル出さないかね、こんな : : こんな話は 「半時間ばかり前、子供がきみに会いにきたぜ。約束したと言って た」 「ほう」失望を感じながら、リーはていねいに言った。「プラネタ リアンのオフィスへ持っていってくれませんか。値打のある記事な 「子供 ? 」リーは眉を寄せた。 「名前はパトリック。高校生、十六ぐらいだろう。いや、考えてみら、主幹のジム・・フライアンが買います」 ると、第一印象はそんなふうなんだがね。十八、もしかしたら二十それで問題は片づいたものと漠然と納得して歩きだした。すると ぐらいかもしれん。自信たつぶりで、居丈高で、頭のよさそうな感不意に、小男がまたもや腕を引っぱった。「特種なんだ ! アンガ 1 ン教授の日記でさ。星の世界から来た宇宙船のことがみんな出て じだ」 「思いだしました」とリー。 「大学生です。大学新聞のインタビ、る。それに乗ってた悪魔が、血を吸って、キスで人を殺すことも ーを約束したんです。きようの午後、電話があって。よくいる演説 ! 」 「困るねえ ! 」とリーは腹をたてて言いかけたが、そこでロをつぐ のやたらにうまい連中の一人でしよう。こっちも、よくわからない うちに、コンスタンチンでタ食をいっしょにするとうけあってしまんだ。不気味な冷たい風が体を吹きぬけた。頭脳の中で一つの思考 : かたちをとった。その衝撃でかすかに体がゆらぐのを覚えなが ったんですよ」 「なるほど。むこうは念を押してったよ。行ってもいいんだろうら、立ちつくしていた。″血″や″キスのディテ 1 ルまで載って いる新聞は、また街頭には出ていないはすた。あと五分たたなけ リーは肩をすくめた。「約束しちゃったんですからね」 「ほら、どのページのあたまにも、金文字でアンガ けれども、遅い午後の日光が降りそそぐ通りに出たときには、彼男は言った。 ーン教授の名前があるでしよう。十八光年も遠くにあった宇宙船を の頭に、大きな意味のある考えは何一つはいっていなかった。予感 はじめて発見したときのこと、それがどうして何時間もしないうち など、なおさらのことだった。 にここまで飛んできたか、全部書いてある : : : そして、それが今ど 5 周囲では、人ごみがしだいに密度を増している。巨大なビル群か こにあるかもーーー・」 ら、五時退社の人の波の第一波があふれでてくる。二度、袖口を引 はたち トクグネ

10. SFマガジン 1970年3月号

つぎの質問を口にする前に、べつの記者がわりこんだ。「鑑識か くくった。「以上です、みなさん。手がかりなし、逮捕の見込みも ら特に何か言いたいというようなことは ? 事件の発生から、もう今のところ 0 いていません。一 0 だけ断言できるのは、アガー一 7 丸一日以上たっている。何かあるでしよう」 教授に無線連絡したところ、たいへん幸運なことに、教授は木星軌 リーはほとんど聞いていなか 0 た。腐敗防止のため電気的に暖め道上の小惑星基地を出て、地球に来る途中であることがわか 0 たこ られている女の死体は、不気味なほど生き生きとした感触だ 0 た。 とです。今から数時間後、日が落ちてすこししたころには到着する 女の唇がひどく、無残といえるほど傷たらけなのに気づいたのは、 でしよう」 長いことたってからだった。 明りが薄暗くなった。眉を寄せ、運び去られる死体を見ながら立 彼の視線は、男の死体に移 0 た。そこにも、同じ首筋の傷口と、 ちつくしているリーの耳に、話し声の中から一つの言葉がとびこん 同じ傷だらけの唇。彼は眼を上げた。いくつもの質問が口先まで出できた かか 0 た。声にする間もなく、付添人が穏やかな口調で 「ーーー死の接吻ーーー」 「平常、電気防腐装置を使うときには、死体の静電気による抵抗が「誓 0 ていい」と別の声。「その宇宙定期便の船長が、見たと言 0 あるんです。不思議なことに、それがどちらにもなか 0 た」 てるんたーー・宇宙船が一隻、時速百万マイルでそばを通りすぎてい 誰かが言 0 た。「つまり、どういうことですか ? 」 った、しかもそれは減速中だったというんだ、おわかりか、減速中 「この静電気は、生命力の一つのあらわれなのです。ふつうは、ひだ 0 たとさーー・一一日前の話た」 と月ぐら、 しかか 0 て死体からじよじょに流れ出てゆく。そのプロセ 「・ーー吸血鬼事件だ ! おれはそう呼ぶことにしたよ」 スを早める方法はわか 0 ていません。しかし唇の傷跡が明らかに火手首の = ミ = ケーターで手短かな報告をしたとき、リーが使 0 傷であるところを見ると、何か意味はありそうですな」 た呼び名もそれだった。彼はこう結んだ。「タ食をとってきますか 記者たちは首をのばし、前に詰めかけた。リーは押しのけられるら、編集長」 ままにされていた。付添人の声に、リーは動きをとめて耳をすまし「わか 0 た、ビル」支局の編集主幹の声が、金属的にひびいた。 た。「変質者なら、これくらいの乱暴はしかねませんね」 「それから、そうだ、きみの腕前に感謝しなけりゃならん。この事 「しかし」とリーは、一同に聞えるように言 0 た。「変質者はもう件で、プラネタリアン通信と契約を結んだ新聞社の数は、九千社だ いないんでしよう。アンガーン教授が政府を説得して、各学校に教そ。第一一位が = = く ーサルだが、これはだいたい四千七百社だ。き 授の発明した心理試験機を備えさせてから、殺人とか、窃盗、戦ようの取材のアングルもなかなかいし 、じゃないか。夜の散歩をして 争、その他の反社会的な倒錯はす 0 かりなくな 0 たと思 0 ていた」 いた、どこにでもいるような若い夫婦。そこへいきなり現われた悪 黒いフ 0 , ク = ートを着た付添人はためらい、やがて言「た。魔のようなやつが、一一人の血をタンクに流しこみ、生命 = ネルギー 「いちばん性質の悪いのがもれたんでしような」そして、こう締めは電線か何かでーーこれなら連中は信じるよ。それに、これは誰に