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検索対象: SFマガジン 1970年3月号
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1. SFマガジン 1970年3月号

世界 SF 全集朝縣 世界で初めての画期的企画 / * 第回配本 / 1 月日発売定価七七〇円 国ジュール・ヴェルヌ 地底旅行」村上啓夫訳 海底ニ万リーグ〈村上啓夫訳 巨大な潜水艦ノーテイラス号の二万リーグにわたる驚異の海底旅行を通して描く、偉大なる反逆児ネ 豊富な想像力と正確な科学知識が生みだしたの始祖の最高傑作ー モ艦長の怪奇な復讐の物語ーー ◆好評発売中 〇アシモフ宇宙気流 / 鋼鉄都市 ミルトン ~ 時果つるところ ラインスター「オペレーション外宇宙 十六世紀の古文書から地球の中心に達する地下道が発見され、二人の冒険家が地底旅行に向かった : : 科学的空想と冒険精神とによって、未知の地底世界の謎と驚異を探ったクラシックの最高峰ー 七八〇円 七六〇円

2. SFマガジン 1970年3月号

田 . 田田 田十、田出田 8 田田田 出ト : 田 現代イタリア文学の代表的傑作を 網羅するわが国初の画期的な選集 0 第 7 回配本Ⅱ第 1 巻千種堅訳①九六〇円 カルロ・エミリオ・カッダ メルラーナ街の防るべき混乱 イタリアで最も畏敬される作家がツダが、十三年の歳月をかけて 完成したこの作品は、二十世紀世界文学の金字塔であるばかりか 文学的次元を越え、ひとつの文化を生み出したといわれる傑作で ある。本書によって、いま世界各国で騒がれているガッダの全貎 か明らかにされるであろう。翻訳権取得。 大久保昭男訳⑦八七〇円 ミケーレ・フリスコ 霧の螺旋 カルロ・エミリオ 刊 ガッダ は アルヘルト・ ② モラヴィア 巻一 ~ チェーサレ・ 。、ヴェーセ 全 0 プラトリー = 近刊・第 8 回配本Ⅱ第 8 巻 イタロ・ ・⑤ジュゼッペ・ベルト カルヴィーノ ・ノヨル / ョ ハオロ・ヴォルポーニ ⑦カルロ・カッソーラ アンナ・マリア ミケーレ ォルテーセ プリスコ ⑩短一篇「集 ピエル・パオロ パゾリーニ別巻イタリア文学研究 ⑨ ⑩

3. SFマガジン 1970年3月号

⑩ののの⑩⑩の⑩⑨・⑦⑥ 3 ④③②① ウデベヴスプクアブハラハオハチェベスリろラワテガドウヴ ライイミーツャレリ イ ユーイン イスオーララシッンンク。ンヤ ノレウへ プイイズイ ダッタクジウーモドラス スプーイルリ ノレノレ べイタトエリッノ ムクートンンクフリン一ンルイクグフススントインクルズヌ ト宇虎ス夢火幼鋼火人オ時一す山トド銀沈シ時闘時ラロ宇地 リ宙よラみ星年鉄星形ペ果九ば椒ラウ河黙リを士間ルス宙底 フの、ンる人期都年っレっ八ら魚スエバのウ克流フト戦旅 争行 イ眼虎 / 宝ゴの市代かーる四し戦トルト惑スえ ワ / / よ宇石に終 / 記いシと年い争 D 教ロ星て ド 四一透海 新 E 授ーよ 、宙ホり宇 / / ョー ク ) C ル明底 船ー / 宙華夏ンろ世 ク ) ノレり 日 首 / ビム海気氏へ外 界 / 宇 / 間万 底流四の字 地 十毒 / リ 無宙 牧五扉宙 衣 グ ガター ノ、・の スイグ 度 号 ク ) ス 動 帯ム フ ン′ ク 0 プシ久 ロ マ シノ本 ュク 2 月 25 日 第 《全巻巻 1 》内容 プリッシュ地球人よ、故郷に還れ シマック都市 ↑ル / コーンプルース宇宙商人 フレッシュ のエフレーモフ宇宙船 / アンドロメダ星雲 ム砂漠の惑星 / ソラリスの陽のもとに ストルガッキー兄弟神さまはつらい のグロモワ自己との決闘 ゴ ルクムビ ・ハルンヤベル荒廃 タルトン禁しられた者の世界 ラード結品世界 のれーレディスグレイ ~ アド ー都市 ー地球人よ、故郷に還れ の安部公房第四間氷期他 星新一作品网 ⑩小松左京果しなき流れの果に / 継ぐのは誰か ? 光瀬龍 ⑩筒井康隆新作書下ろし長篇 眉村卓 ⑨世界の I-L 短篇集 ( クラシ / ク篇 ) 世界の (-OLL 短篇集 ( 現代篇 ) ⑩世界の LL 東欧ソ連編 ⑩日本の (J) LL 短篇集 ( クラシ ' ク篇 ) 3 日本の LL 短篇集 ( 現代篇 ) 巻講座 ( 白抜き巻数は既刊 ) 箱入総クロス豪華版 4X6 版・平均 500 頁 定価 700 ~ 800 円 毎月 25 日発売

4. SFマガジン 1970年3月号

れているので、御存知の方も多いかと思う。 これの創刊は、早川書房からマガジンが創刊された翌年の一 九六一年に、モスクワの″若い親衛隊″出版社から、多くの読者の 期待を集めて出版された。実はわれわれにも、専門誌だという 前宣伝が伝わっており、カタログに現われた時には大いに期待し て「さっそく注文したのだが、実際に手にして、予期に反しており がっかりしたことを覚えている。しかし、に相当多くの頁を割 くらしいことが、創刊号の巻頭言からも感じられたし、事実、それ 以後今日まで、積極的に内外の作品を紹介しているし、新人の 発掘にも努力している。 「この雑誌は、と冒険、夢とロマンスを愛し、思考の飛躍と人 間の勇気を高く評価する人々のためのものである」という言葉で始編海 まって、巻頭言で次のようにいっている。 「 : : : 広く内外の作家の作品に、多くの頁を当てるつもりであれわれにとって興味があるのは、ソ連 ( と社会主義諸国も含めて ) る。そこに描き出される未来に対する大胆な意見、人類の持っ理性以外の外国作家の作品に対する考え方である。後ほど、この雑誌に の偉大さに対する確固たる信念、ソ連と社会主義諸国の作家達の描紹介された英米のの作家と作品の中から日本にも翻訳紹介され く共産主義の近い将来についての明るい夢、これらが、き 0 と読者たことのあるものを選んで挙げてみたい。そういう読み方ができる を楽しませてくれるはずである。外国の作家の作品の中には、そこものなのかどうか読み返してみるのも面白いと思う。 に書かれている未来が、暗く陰気で、曖味なものとして目につくこ 創刊を祝して辞を寄せているのは、ソ連のの巨匠イワン・エ とが時としてはあるかもしれない。しかし、そこでは醜悪な資本主フレーモフを始めとして、科学アカデミー総裁のア・ = ヌ・ネスメ 義社会の現実や戦争に対する怒りと憎悪がこめられていることを読ャーノフ ( 文壇の大御所ミ ( イル・ショー ロホフ、アカデミー会員 み取らなければならない。そこで、作家達がいいたいのは、人類がア・イ当・〈ルグである。これを見ても、この雜誌がに並々なら 選ばなければならない道は、ただ一つ、平和と進歩の道であるとい ぬ関心を持っていたことが伺える。 うことである : しかし、この雑誌は独立した雜誌としてではなく、大衆雑誌『世 現代科学の成果と未来の展望、宇宙開発、未来の宇宙旅行、サイ界めぐり』の付録誌として出版されている。『世界めぐり』という ・ ( ネティックス、電子工学、生物学、化学等々人類の前に洋々と開誌名からだけでは、些か子供つ。ほい感じが免れないが、実はソ連で けている未来の可能性について、著名な学者に筆をと 0 てもらうつも数少ない、革命前から一世紀以上も生き延びてきた珍しい伝統の もりである」と述べた後に簡単にスパイやスリラー物も載せると約ある難誌である。写真や挿絵をふんだんに入れ、世界の風物、地 束し、最後に古典の紹介欄を設けると結んでいる。ここで、特にわ . 理、風俗習慣などを、記行文や探険記、冒険談を通してロシア人に 『探求者』創刊号 9

5. SFマガジン 1970年3月号

ソ連の I-L 一雑叫 に多いのだ。少なくて数十万、多いものになれば、『技術青年』や 『世界めぐり』などのように一〇〇万を遙かに越える雑誌も少なく よい。発行部数の比較はともかくとしても、他の国ではあまり例を 編集部からソ連の雑誌について書けといわれたが、これがそ見ないこういう事情もあって、それなりに需要を満しているため れですと紹介できる雑誌が、実はソ連にはない。しかし、を載に、専門誌が出版されるのが遅れているとも考えられる。 イスカーチェリ 時どき日本でいわれているように「官僚統、売手市場、用紙不 せている雑誌はたいへん多い。主なものを挙げれば、『探求者』 ューニイ・テ ゥーカ・イ・ジーズニ 「技術青年』『知識はカ』『世界めぐり』『科学と生活』『若い技足」などのお家の事情たけによると考えるのは、少し考え過ぎでは ウラルスキイ・スレド・ヒイト カスチョール ーツニク ないだろうか。とはいえ、まったく専門誌を要求する声がな 術者』『。ヒオネール』『たきび』『ウラルの猟師』などがある。だ が、こうして、誌名を並べてみたところで、ほとんどの読者にと 0 く、読者が現状で満足しているとは考えられないし、事実、そうい う要求のあることも聞いている。したがって、当然、将来われわれ ては縁の遠いロシア語の雜誌であれば意味のないことに違いない。 どうにも比較のしようが無い雑誌もあるが、だいたいの感しは、日のマガジンとは違「た性質と役割を担って現われることになる と思う。 本の『自然』『科学朝日』『子供の科学』『新潮』などの雑誌に、 イスカーチェリ というわけで、ここでは特にに力を入れている『探求者』を ほ・ほ毎号連載、短篇、中篇が載ると考えていただければおおよその この雑誌は、前にも紹介されたに 主として取り上げて、紹介したい。 見当はつけていたたけるかと思う。 たた全然比較にならない点がある。どの雑誌も発行部数が桁外れこともあり、マガジンにもこの中からいくつかの作品が翻訳さ 世界展望 当を

6. SFマガジン 1970年3月号

。世界一おまつり騒ぎが好きなくせに世界一 展示やショウが下手クソな日本の国民性がその 現在封切待機中の映画。 fBeneath the Pla ・ まま証明されることがないように祈りたいが、 net of the Apes 』 ( 続・猿の惑星、カラー 奈良のドリームランドなどという粗悪なマガイ ハナビジョン ) tJourney to the Far Side モ / や、十年一日のごとき / ーテクの浅草国際 春のおどりなどを毎年見せられていると、万博 the Sun 』 ( カラ 1 ・反宇宙映画 ) 『 Sec ・ 、ミルトンからトニー・ウ onds 』 ( アーサー でいいのは建物だけになるのではないかとどう イルソンへの転身Ⅱセコンド、黒白、フテンケ しても不安な気持にならざるをえない。いずれ ンハイマー作品 ) 『「 hen Dinosaurs Rul- にせよ、成果はあと一カ月ではっきりする。 万博・電力館正面スクリーンのロケ風景〔上〕公開が待たれる『セコンド』〔下〕 & the Earth 』 ( 恐竜時代、カラー、ダイナメ ーション作品 ) fMore than Human 』 ( 人 パナ・ヒジョン、スタージョン 間以上、カラ 1 原作 ) 『 Twisted Nerve 』 ( 恐怖の部屋、カ ラー ヘイリー・ミ ルズ主演の恐怖映画 ) ・ : 以上はほ・ほ確実に今年前半に見ることがで きるだろう。 映画に的な発想の作品が激増して いる。放映された時期にとらわれず面白いも のを来月号から紹介していきたい。あなたが ご推薦のを教えて下さい。それと、あな たの地方での映画上映状況 ( 封切日、作 品、劇場、上映期間、料金、当ったかガラあ きだったか ) を本欄までおしらせ下さい のスライドを作ってみませんか ? 邦 人作品 ( 特に短篇 ) や海外名作、あるいはオ リジナルを三十コマから五十コマぐらい ・スライドにするのです。ファン・ のカラー グルー。フ、学校の演劇部や同好会に所属して いるファンで計画しませんか。実現可能 なプランであれば、カラーフィルムを援助し ます ( 絵やマンガは不可。実写か特撮、人形 模型によるドラマ ) から、簡単な計画書とシ ナリオを私あてに送って下さい。音 ( 音楽や セリフ ) を入れて大会で上映したり、私 がプロデューサーをしている青少年週刊誌に 掲載したり、海外に配布したりしたいので す。有志の申し出を待ちます。

7. SFマガジン 1970年3月号

W 0 R LD S 0 F 工 F S C 工 E N C E 工 C T 工 0 N 約 特 和靖靖和直 ) ・、ンタジイ。・コミック 、特別連載カラ幸《ッ 藤島森島藤藤 斎中金中斎伊 ( セプンビわソその ? : レイ、ツラッドベリに ~ 石森章太郎 紙扉ト博造子ニ ・ス慶苑健 次ラ鍋淵井方 表目イ真岩新緒 石原藤夫 野田昌宏 美術館【 5 】オリジナル誌の画家たち 伊藤典夫 ^ 日本 > 石川云同「引 ^ 海外〉福島正実 でてくたあ 大伴日日司 トータル・スコープ 加藤喬 4 サイエンス・ジャーナルガン・ウイルス説の新証拠 架見〉蹕 ソ連の U)LL 雑誌世界展望 母親に会いに来た前世の息子 人体各部のお値段ー 古代インカの大財宝はどこに ? s F マガジン 3 月号 ( 第 1 1 巻第 3 号 ) \ 250 昭和 45 年 3 月 1 日印刷発行発行所東京都 千代田区神田多田 T2 の 2 郵 1 0 1 早川書房 丁 EL 東京 ( 2 ら 4 ) 1551 ~ 8 発行者早川清 編集者森優印刷所東洋印刷株式会社 ソ連で刊行される日本の LL 国際 LL シンポジウム一計画・ 人気力ウンター 世界みすて りとびつく 世界 LL 情報 U) LL スキャナー一 LL 日・ポット工学入門ト 宀兀成が待たれる LL 映画 てれぽーと ニ = 122

8. SFマガジン 1970年3月号

すでに翻訳されているハインラインの『異星のも関心が深く、イギリスにおけるその 客』ーーこの傾向のロ火をきったのは、これかもし運動の中心に立つ一人で、現在は、暗 れない そして『月は無慈悲な夜の女王』、フラ殺されたマーチン・ルーサー・キング ンク・ しハートの『デューン』 Dune ( 1965 ) 。以牧師を記念する文学賞の設立に力をい 上はどれもハードカ・ハー版で四百ページ前後の長されている ( キング賞については、昨年 ・か亠めり、リ」、れ , もヒュ ーゴー賞を受賞したが、このグの春、朝日その他の新聞の海外トビッ ル 1 。フにもっとも新しく仲間入りしたのが、六九年クス欄で報じられたので、ご記憶のか 度の長篇賞に輝く、ジョン・プラナーの『ザンジ・ハたもおられるかもしれない ) 。こんな ーに立っ』 Stand on Zanzibar ( ダブルディ社 ) 経歴からもわかるとおり、プラナ である。 は、精力的な活動にかけては現代英米 全訳して約千七百枚、普通よりひとまわり大きい界でも五指に数えられる作家であ ( ードカ・ ( 1 版で五百二十四。ヘージのこの長篇は、る。彼なら、そんな未来全体小説を書 びとロで言ってしまえば、二十一世紀初頭を舞台にいても不思議はなさそうだ。 題名の意味は、こんなところから出 した全体小説だ。 プラナー作『ザンシ′ ・ヾーに立っ 四十年先の世界を描いた全体小説 ? 多くのている。地球上の全人類を立たせたま 作家の共同作業ならともかく、一人でそんなものがま一個所に集めると、イギ屮スのワイト島 ( 面積一「『ザンジ・ハ ーに立っ』は、 いうなれば一つの長篇 書けるのか、とあなたは思うかもしれない。社会の四七平方マイル ) にすつぼりはいってしまうという小説と、 いくつかの短篇小説と、一連のエッセイ あらゆる事象をまとめて整理し、さらにその資料か俗説がある。だが、それは第一次大戦当時の話であと、無数の断片的情報を、一つの文学的な構築物と ら四十年未来の世界を外挿し、そのなかで数十人のって、一九六〇年代後半の現在では、一三一平方マして組みあげたものだ」とスビンラッドは言う。 登場人物を動かしながら、読者の興味を惹く物語をイルのマン島にもおさまりきらないくらいだ。だ「その意味では小説ではない。これは、単行本のか 進めていかねばならないのだ。まず、並の人間ではが、二〇一〇年ーー・・この小説の時代ではーー人口はたちにした映画なのだ」 不可能な仕事だろう。 それよりはるかに増え、六四〇平方マイルのザンジそれは、七ページにわたる目次を見るとはっきり だが、どうやらプラナーはそれにある程度成功しー島ぐらいの土地が必要になるにちがいない。 とわかる。目次は四つのセクションに分かれ、もっ ノン・ノヴェル たようなのだ。一九三四年、イギリスに生まれ、十プラナーはこの小説を″非小説″と呼んでいる。とも重要な登場人物ドナルド・ホーガンとノーマ 七歳で最初の長篇を出版し、五八年から本格的に書アメージング誌昨年九月号の書評欄で、これを読んン・ ( ウスが活動するセクションの見出しは「コン きだして、この十年間に出した単行本が五十冊 ( そだノーマン・スビンラッドがうまい解釈をしているテ」 Coutimuity この部分が長篇小説。そして ェッセイ類は「情況」 Context のセクションにま のうち九十。 ( ーセントは ) 。また、平和運動にのでそれを抜き書きしながら話を進めていこう。 0 0 0 0 0 0 ・を ZANZIBAR A NOVEL BY JOHN BRUNNER 7

9. SFマガジン 1970年3月号

「もちろん出られます」 いいながらプレインはためらった。聞く約東にな 「ありがとう」と っていながらいまだに果たされていない説明が聞きたかったのだ。 ニューヨークはどんなところになったのか、この土地の習慣や規則 はどうなっているのか、どんなものを見、どんなものを見てはなら ないのか、そんなことを守衛に聞きたかった。しかし守衛は過去か ら来た男についてなにも聞いていないようだった。彼はただ、目を 丸くしてプレインを見つめていた。 ・フレインは金も知識も友人もなく、仕事も住居も持たず、ただ不 愉快な新しい体をつけて、二一一 0 年のニューヨークの中に飛び出 つまるとこ して行くのはいやだった。だがこれもやむを得ない。 ろ、自尊心にはそれなりの値打があろうというものだ。彼はあの磁 器みたいにコチコチのミス・ソーンや、レックス社の連中から援助 を受けるくらいなら、独り運だめしをした方がましだと考えた。 「外へ出るのにパスが要りますか ? 」彼は望みをかけてきいた。 「いや、ただもどって来てくれればいいのです」守衛は不審けに眉 をひそめた。「どうかしたんですか ? 」 「なんでもない」彼はこんなにたやすく放免されるのが依然として 信じられないまま、ドアをあけた。だが、これが当り前かもしれな い。彼は死んだ祖父と話したり、宇宙船や来世ジェネレーターが存 在し、自己宣伝のために過去から男をひっさらって来て、事もなげ に抹殺したりできる世界に住んでいるのだ。 ドアがしまった。背後には大きな灰色の固まりに似たレックス・ ビルがあった。そして前にはニューヨークが横たわっていた。 ドレ・ホセ・マニュアル・サンタ工 きてほしい、というのは、その方向 リヤを死のまくらべに呼びよせて、 に財宝が埋っているからだ。ともか 当時の模様をくわしく物語ったた く何とかしてその財宝をもう一度世 め、後世にまで伝えられることとな に出し、その金で今なお充分に普及 った。 されていないキリストの教えを我が しかも、この財宝は五千人を越す国土に広めるようにしてほしい、そ 担い手によって運ばれていたもの れが私の願いだ。 ( この老人は、ず . で、皇帝が殺されたとの知らせを受 0 と昔にキリスト教に帰依してい け取るや、夜を日につぎ、食べるも のもろくにとらずに五日間にわたっ そこで、サンタエリヤ師は何人か て走りぬき、この大平原へ来たり、 の配下の牧師たちと共にその大平原 二、三週間もかかってその一角に埋 に行き、問題の指示石を探しまわっ 匿したというのだから、その厖大さ たが、どうしても見つからず、その が想像できよう。 うち老人は死んでしまった。 ただこの大平原は、四方を雪をい ところが、一一 0 世紀初頭に至っ ただいた峰々にかこまれ、たえず強 風がふきしきり、道はくねくねとて、とうとうドイツの宝探し屋アド ルフ・ウィットによってこの石が発 れまがって危険きわまり、地すべり や地震がひんばんに起り、現在です見されたのである。 だが何たる運命のいたずら、その らたやすく近づけるような場所では ない 石は横に倒れていたので、もともと どちらを同いていたものかわからな 瀕死の老人の語るところによると かったのだ。 その埋蔵個所を後日知ることができ その上、それらの模様がいったい るように石の指示標が立てられた。 その模様を見れば、財宝の埋蔵個所どういうことを意味するのか、それ 以来多くの人たちの熱心な努力にも がわかるようになっているのだが、 はるか昔のこととて、自分もその模かかわらず、いまだに充分には解け ていない。 様がどんなものだったか忘れてしま かくて、この時価五億ドルにのぼ った。しかし、もし今その石をさが し出し、その模様を写してきてくれると推測される古代インカの莫大な れば、その解き方を語ることができ財宝は、この荒涼たる大平原のどこ る。ただその際、石の一方の側に刻 かに、今なお眠りつづけているわけ んである「聖なる島」がどちらを向である。 いているか、をよく注意して戻って ( 近代宇宙旅行協会提供 ) トー : ~ : ー : を : ー : を : 世界みすてり・とびつくー、・ 幻 5

10. SFマガジン 1970年3月号

・ジュニアの『ライボ も、フォークロアにある bogey man にほる。ウォルター・・ミラー かならないし、だから宇宙船とか吸血鬼ウィッツ讃歌』 A Canticle for Leibowitz ( 六一 いった通俗的な修飾語がやたらに使われ、年度 ) 、ダニエル・キイスの「アルジャ 1 ノンに花 ンだから結末では主人公は、妻や母の待っ束を」 ( 六〇年度 ) など。けれども、こうした例は スへ帰るのに、もっとも遠い地球を一周す稀で、近年ヒューゴー賞に対する不満は、本国のア メリカでも高まってきている。 、デ一道を選ぶ。幸い、この中篇がはじめて ヒューゴー賞は、世界大会に参加したファン ンされたアンソロジイ『危険なヴィジョン』 ア Dangerous Visions ( 】 967 ) には、作品のの投票で決められる。しかしファンとはいっても、 いいかげんな結果が出るのはやむを ル末尾にライ・ ( ーのあとがきがついていて、所詮しろうと。 一作者の意図はすべてわかる仕組みになってえない。アメリカ作家協会がネビ、ラ賞を設立 いる。だが、それがなければ、当のアメリしたのも、無責任なファン投票に対抗して、専門家 カ人でもどれだけ理解できるだろうか ? が厳正に年間の最優秀作を決定する必要があると考 ーゴー賞の妥当性を疑う証拠は、まえたからだろう。 ( このネビュラ賞の結果にも、多 だいくらでもある。『ヒューゴー賞傑作少うなずけないふしがあるのだが、話が長くなるの ・ジでこの程度にしておく ) のはったりだ。 ( ここで説明しておくと、あれはコ集』に収められているウォルター・・ミラー ンビュータの独白を暗示している ) 話もさほど「難ュニアの「時代おくれの名優」 ( 五五年度中篇部 解」だとは思えない。俗な言いかたをすれば、コン門 ) 、ポール・アンダースンの「長い旅路」 ( 六 / 一さて、先月号の「世界情報」で既報のとお 。ヒュータの反乱テーマをもうすこし進めて、私小説年度短篇部門 ) 、ラリイ・ニーヴンの「中性子星」り、昨年八月二十八日から九月一日の五日間、アメ 的な味つけをほどこしたというだけだ。といって ( 六七年度短篇部門 ) などだ。おもしろくないことリカのセントルイスで第二十七回世界大会 ( 略 も、結末がつけたりめいているのには、・ほくもひつまよ : : 冫オしカその年の最高傑作に推されるほどの作品称セントルイスコン ) が開かれ、一九六九年度のヒ かかるのだが。 だろうか ? 長篇にしても、マーク・クリフトンとユーゴ 1 賞が決定した。実は、ここまでえんえんと けつきよく作品として、いちばん完全なのは「骨フランク・ライリーの『むしろ彼らは正しいかもし前置きを書いてきたのも、今回の受賞作のいくつか のダイス 」だろう。だが読者のなかで、作者ラれない』 They'd Rather Be Right ( 五五年度 ) カ ・ : ・ほくの目からすればうなずけないものであった イバーの意図を正確に見抜いたものがどれだけいた ) や、フリツツ・ライ・ハーの『ビッグ・タイム』 ( 五からにほかならない。 フォークロア だろうか ? これは、現代アメリカの民間伝承を下八年度 ) は、現在ではどちらかといえば忘れられた短いものから、先にかたづけていこう 地に、アメリカ社会の母権優勢の風潮を諷刺したフ作品といっていし 短篇部門 ( 日本語に訳して約六十枚以下 ) では、 アンタジイなのだ。主人公と対決する黒づくめの男言うまでもないことだが、的を射ている場合もあ 1 ラン・エリスンの「世界の中心で愛を叫ぶけも 0 0 0 0 0 ー 2 3