よ金 カ : に答 ち 場 れ ー 1 ー し 所ー は シ シ′ つ ぎ 、て イ乍 え わ ト ど狂 う で ン 委 だ て や か ン に ス 、戦 ッむも 、は 押 る殺 り た カ : か の ダ 細 め ら に の い ク 、ノ 冷怪 し 当は 訊 彼 し 等 し迅士 リ 中 と カ ; チ は 力、 て か 、は速 、が ろ 然 じ て 問 ら こ航 な 人 ま そ に マ 彳丁 ン 監 し果カ を救 大 だ めや る を ふ に め ホ シ わ い で に の 、女台 っ 尢 冫こ ルな敢さ ず 声 ん ら 士 無 で しろ ナこ 日 め気れ ぎ う ん ら た は 出 し 慈手 が ポ響 し ト 力、 に は ら シ ン 。だ 、た っ特む て と た と ャ 悲も を・ び と だ は し た ロ 。き い水人 ハた務け とわ と な も 出 ト 力、 な の ク ) な る と 間 で人 。艇ナ の も も 才し き ん き っ に ん は し ト と の 食た ど あ の救 く 中 いわ のな けた に 、狂 だ物ち る部命 ど ・体し 。に も ー占 んれ 狂 シ ちモ、 な ン新 。下 ポ拠 き っ を ホ戦 を い 入か 戦 る の は ら の 側プ 、ひ し士 た . あ ル士 っ ン 士れ か し の て 体 すき ト そ 0 ょ ト た て て レ し、 体 がず がを き 大 だ カ : じ し に に の の し ス形は ざ て いく そ 、だ 拿ま や て も つ意れ のを見 っ う つ上 う な く そ戦 と げ と シ す ば か 人 か外も 小 つ て れ闘 な 人 り け に抵 隊し の ら よ ン し に し、 づ人 う 外な を ず も 推も 抗 タ・ て わナ の はか たた 予あ 、す め型 っ坐け で と進 が 冫こ へ い 測 囚装人 あ の 絶 と 順 しす と にを めた っ る よ 人置間 と 歩 か 叫 さ の手 し し に て た で ひ は新と 外し な を を れナ だ た ま だ し 力、 は 追 窮 、けち ぜ か へた さ マ た た ル 連 九対 0 丿卍ー っ そ っ そ を っ テこ を え し、 、ン 人 た た う 武 ト 夢 の マ なた ひそな の ン 連 のな器 は シ 場し ポ き ク ) の し、 の ノレ 囚気ガ I> タ 1969 年 12 月号分集計結果 . 作者 浮游都市 光瀬龍 彼岸世界 ( 後篇 ) マレイ・ラインスター 午後のプリッジ 小松左京 ウォルター・ M ・ミラ 夢みるもの —Jr. 御入用の品あります ルイス・パジェット 次点地球の子ら 前回首位の「彼岸世界」は後篇で第二位に落ちました。く都市〉 シリーズは相変らず好調。小松左京の「午後のプリッジ」がショー トショートながら第三位を占めたのはさすがといえましよう。 今号 8 篇に対し , 規定の方式 ( 秀作 5 , 佳作 4 , 水準作 3 , それ 以下に 2 , 1 ) に従って葉書にてご投票ください。同評価の作品が 何篇あってもかまいません。住所・氏名・年令は必ず明記のこ と。締切は 3 月末日。抽選で 5 名の方にハヤカワ S F シリーズ最新 刊を進呈。今月は下記の方に「 10 の世界の物語」 (A ・ C ・クラー ク ) をお贈りします。 北九州市戸畑区新池 3 ー 15 ー 10 宮本浩英様方古田均様 , 旭川市 四区一条 2 の 2 藤波美智子様 , 所沢市下安松 187 平野孝一様 , 愛援県宇和島市和霊東町 1 ー 3 ー 16 影山健治様 , 東京都杉並区和 泉 2 ー 31 ー 16 朝日出祥一様 2 3 位 1 《り 0 れ 0 -4 【 0 順 評点 一 0 っ 0 、 1 っ 0 っ ) っ 0 00 っ・・・朝 0 0 ・ 0 0 0 ・ 0 0 0 0 ・ 0 % 朝 ・ 0 00 00 - ぐら
うかもしれんのだそ、わかってるのか ? 」 くちばしが小刻みに動いた。「スモー・フロッド ? スモープロッ 「ちょっと、頼むからこらえてくれ。・ほくはびつくりしただけなん ドなんてところは知らないな」 だーーー」小さな口笛の音が漏れた。「 コーントと間違えられた「この太陽系の外惑星だ」 ものだから」 「ああ、そうカ 、。ぼくらはガズムって呼んでいる。ある種の生物 「おまえはコーントじゃないのか ? 」 がそこに植民地を作ったって話は聞いたことがある。だけど・ほく 「・ほくが ? 冗談しゃない、もちろん違う ! 」圧し殺されたロ笛のは、そういう話にはあんまり注意を払っていないものでね」 音が、くちばしからまた漏れた。「あいにくと、・ほくとズ・フはパ 「時間を無駄にしてるそ、レティ ーフ」・マニャンは、そういうと、 ップなんだ。博物学を勉強してる」 「こいつらを縛り上げて、急いで宇宙船へ戻るんだ。そして逃げ出 「コーントそっくりに見えるんだがな」 すんだ。こいつのいったことを聞いたかーーー」 「全然似てないよーーたぶん地球人たちにはわからないだろうが。 「この下の入江に、コーントたちはいるか ? 奴らの宇宙船はどこ コーントたちは、みんな十フィ ートを越えていて、逞しい体の悪漢にあるんだ ? 」 どもだ。そして、もちろんだけど、けんかばかりしている。実際の 「タールーンに、という意味か ? もちろんいるよ。大勢さ。彼ら ところ、特権階級のなまけ者さ」 の冒険の一つに出かける用意をしてる」 「特権階級 ? おまえは、コーントたちがおまえたちと生物学的に 「それは、スモープロッドへの侵略のことだろう」とマニャン。 は同一なんだとでも、いうつもりなのかねーー」 「急がないと、レティ ーフ、最後に疎開する人々といっしょに、向 「全然違うよ ! くーップがコーントを受胎するなんて、考えたこ こうで捕まってしまうことになりそうーーー」 ともない」 「タールーンには、いったい、何人ぐらいのコーントがいるんだね 「おれがいしたいのは、おまえたちが同じ系統にあるんじゃないか 「大勢だ。十五人から二十人ほどはいるよ」 ということさーー・・恐らく、共通の先祖から進化してきたのたろう」 「ぼくたちはみんな、パッドの子孫なのだ」 「え ? 何が十五人から二十人たって ? 」マニャンの当惑したよう 「おまえたちとコーント族とは、どこが違うんだ ? 」 な顔つき。 「コーントが十五人から二十人さ」 「もちろん、コーントは議論好きで、誇り高く、人生の美しき物に 対する認識に欠けているんた。彼らの水準にまで堕ちることを考え 「コーント族ってのは、全部合わせて、たった十五人から二十人ぐ ると、そっとするよ」 らいしかいないっていうのか ? 」 「おまえは、スモー・フロッドの地球大使に送られた文書について、 またロ笛めいた音をさせて、「そんなことはない。この区域のコ 5 何か知らないか ? 」 ーントについてだけの話さ。他の中心巣にはもっといるよ。もちろ
椅子に似た乗物との輪郭をかたちどった赤い像が、小さく なわぬ概念を唯一の礎として構築された文明、そんな文明を、か や、はるかに遠く、あざやかに浮かびあがっていた。だが、その驚れは理解しようとしたが、ついにできなかった。その概念がまった くべきへだたりの与えるとてつもない距離感に、ワ 1 ナーは声ひとく否定し去られたとき、その上に立っ文明がどのようにして崩壊し つ出ず、ただ愕然としてその場に直立するだけだった。 ていくか、かれは理解しようとしたが、やはりだめだった。だが、 たとえ理解できようとできまいと、そのような文明がたしかに存在 それだからこそ、かれはいま、単純でたしかなものごとにだけーし得ること、これだけはかれにも納得できた。わずか一瞬のあいだ ー墓を掘り、銃をみがき、足を運ぶことにだけ心を集中させていたとはいえ、かれにはとうてい理解し得ないものを、赤い螺旋のうず のである。めくるめくほどに赤い、あの螺旋が消えてからすでに数の中にかいま見た以上 : 時間、しかし、その残像だけはいまだにハッキリと、かれの脳裡に かれは目を閉じ、眉をひそめた。「深く考えないことにしよう」 焼きついていた。おそらく、その残像が消えることは、永久にあると、かれはつぶやいた。あの旧人類のことを、あの異星人のことを まい。赤いうずを目撃した瞬間、かれは、自分の意識がその中へ巻 かれらが新しい星を見つけ出さねばならないことを。『ソノ前 きこまれ、奈落の底へ押し流されていってしまうようなーーー奈落をニワレワレハ死ヌダロウ』かれらの死とは、、 しったいどのような死 越えて、見も知らぬ未知の果てへ突き出ていってしまうような、譬なのだろうか ? そして、死んだあとに、何がやって来るのだろう えようもない不安に襲われた。そしていま、この朝、かれは依然とか ? 死後の生活。 して、ふと気をゆるめれば、自分の体がアッという間にうずの底へ 巻きこまれてしまうのではないかと憂慮しつづけていたのだった。 かれは笑った。やつらが死んだら、きっと天国へ行くさ。 林道へもどるつもりで、小暗い森陰をさまよっているうちに、か そう考えたあと、かれは、異星人たちにとって天国が何を意味す れは、あの奇怪な邂逅が行なわれた地点にたどりついた。足もとのるものか想い返した。それを想い返したとき、笑いが消えた。笑う 地衣のうえにも、むこうの灌木のそばにも、死んだネズミの毛深い理由など、・ とこにもーーなにひとつなかった。かれは灰塵に目を落 体が横たわる前方の岩場にも、もやもやとした黒い灰塵が散在してとした。笑う理由は、・ とこにもなかった。 いた。あるものは発煙筒をたいた跡を思わせ、またあるものは錆の 死んだネズミが見える岩場に腰をおろしたかれは、両手にあごを ふき出た金属片に似ていたが、そばに必ず、生き物の死骸が横たわうずめて思案にくれた。どうやって、いったいどうやって、この出 っているという点では、ともに共通していた。 来ごとを他人に話したらよいのたろうか。 かれは足をとめた。フェローも、あのネズミも、またあの地衣 も、あの木葉も、すべて死んでいた。人間だって、きっと死ぬにち 、よ、。文明といえども、おそらくは減びるだろう。実体をとも こけ 9 4
をのんだ。 のような顔が、一心に考えようとしていた。舌がびくびく動いて乾 渦まくような透明な響きはクライマックスに達してーーそして消 いた唇をベ・ろりとなめた。 えた。 「私に雇われて仕事を続ける気はないかね」 ? ドークが一一一一口った。 青い霧も消えた。ケネディの目の前の、白い砂の矩形だったとこ「何ですって」ケネディが驚いて言った。 ろはーーー今や町の新しい一部分であった。 「年に十万ドル ! 」ドークが言った。「もし君がこの秘密を解くな ドームは十二家族、もしかしたらもっと多いか、もっと少ないか ら五十万ドルのポーナスつきで」とドークはつけ加えた。 もしれないが、それら家族のための住居であった。完成品の一つ一 ケネディは笑った。笑わざるを得なかった。正に笑う時であっ つには花園がついていた。砂のあった所に土と水とがあった。花々 た。中し出は恐しく愚かな、馬鹿馬鹿しいことだった。 が砂漠の中に開いているのだ。 「ポーナスを百万ドルにしよう」ドークが言った。 守衛たちが、その位置から離れた。青い霧があった時には、見て ケネディは見晴し窓の方を身振りで示した。「なんてあんたは間 いた火星人たちは動かなかったのだ。一インチたりともである。だ抜けなんだ ! もし私があの秘密を知ったら、百万や一千万ドル が今、火星人たちは町の新しく造られた一画を通って、砂を動かしが、私にとって何になるのかい ? 」 た機械がうまく仕事をしたかどうか調べること、すべてがちゃんと ドークの顔がこわばった。「そう思うんじゃないかと思っていた いったか、仕事のでき具合はどうかと、検査したりしながら列をな よ . そう言うと、素早くケネデイから机の反対側へ回った。「だか して歩き始めた。それとも、火星人たちはその場所の美しさを賞賛ら私は他の切り札を用意してきた。地球で君は十二歳の娘をミス・ していたのだったろうか ? ケネディには分らなかった。・フラウンガズリーの私立学校にやっているね ? 」 トは絶望的に宇宙船の方を見ていた。 「何だって ? 」ケネディの喉から出た声は声帯があわや根こそぎ引 「どうやったんだろう」ドークがしわがれ声でいった。 き裂かれるような響きを持っていた。 ケネディは肩をすくめた。「見たでしよう、あんたは私と同じだ拳銃を構えながらドークは机から新聞の切り抜きをケネディの方 け知っているんだ。あれが連中が穀物や水を得る時のやり方だ。貯へグイと押しやった。 蔵所も貯水池もーーナナし こ・こ、つばいになっているというだけなんだ」 私立学校から子供が失踪 「しかし君はその過程について何かを知ってるはずだ」とドークが 絶望的に言った。「君はここへきて二年になる。おまけに君は優秀 ジョン・ケネディ DZ 従業員の十二歳になる女の子が、昨日 なる科学ーーー . 」 行方不明になったと届け出があった。子供の母親は死亡し、父 「もうたくさんだ。私だってそいつを見つけようとしてるんだ ! 」 親は探険隊に加わって火星にいると伝えられており、子供はお ドークは躊躇した。その目はケネディにそそがれていた。カエル ばに当る人とずっと暮していた。暴行の形跡はない。 ロ 6
のめした。心の中では思考が焔のように燃えさかっているにもかか リーにつきつけた。 わらず、彼は身じろぎもせず、いかにも冷静そうに、そこに横たわ「来るんだ ! 」 っていた。理由はわからないが、なぜかあの吸血鬼族は貨物船が中 ハナーディは。ハトリシア・アンガーンの部屋の前まで来ると、そ にはいるまで待っていたのだ。そして、はいった瞬間、すさまじ いの鏡板をはめたドアのわきにある、小さな光がいくつも輝く装置に 攻撃を開始したのだ。一団となって ! 手をのばした リーがとびかかり、一撃で彼をなぐり倒したの 「ハナーディ ! 」よく通る女の声がスビーカーの一つから響いた。 は、そのときだった。リーはくずおれる相手のずんぐりした重い体 丿ーのそばに倒れていた操縦士が、ふらふらと体をおこした。 を受けとめると、カのない手に握られた銃を奪い、通路の床にそっ 「はい ミス・パトリシア」 と男の体をおろした。そして立ちあがると、巨大な野獣のように、 「あなたは知らない人をいっしょに連れてきたわね ? 」 あたりの物音に耳をすました。 「ただの記者ですよ、お嬢さん。わたしの仕事のことを記事にする静寂 ! 彼は部屋へと通じる金色の鏡板に眠をすえ、荒々しい意 んです」 志だけで、美しい木目のある板を通り抜けようとでもするかのよう 「このうすのろ ! そいつは、ウィリアム・リーよ。そいつはね、 に観察した。またもや彼を驚かせたのは、静けさだった。そして次 今あたしたちを攻撃している悪魔どもに催眠術にかけられたスパイ は、トンネルを思わせる長い通路の人のなさだ 0 た。彼は呆然と なのよ。すぐ、あたしの部屋に連れてくるの。早く殺してしまわな考えた。あの父娘は本当にここに住んでいるのだろうか、友人や、 いと」 召使い、その他ありとあらゆる人間的接触を何も持っこともなく ? 「ばかな ! 」とリーは言いかけ、そして体をこわばらせた。操縦士また二人は、あの強大で恐ろしいドリーフ族に立ちむかう手段を何 は眼を細めて、彼を見つめている。その粗けずりの鈍重そうな顔かか考えているのだろうか ? ら、親しみがぬぐわれたように消えていた。リーは空元気を見せて もちろん相当な動力がここにはあるに違いない。地球上と変わら 笑った。「そんな話を信じるのか、 ( ナーディ ? ・ほくは一度まちない重力を維持するだけでも、途方もないエネルギーが必要なはず がえて、あのお嬢さんの命を救ってしまったことがあるんだ。それだ。しかしとにかく、しびれをきらしたあの娘が武器を手にして出 以来、・ほくを怨み続けているのさ」 てくる前に、行動をおこすことだ。しなければならないのは、ごく 鈍重そうな顔が彼をにらみすえた。「お嬢さんを知っているんだ単純なことだ。スパイ行為とか、催眠術とか、そういったナンセン な、え ? そんなことは、これつ。ほっちも話さなかったじゃよ、 オしスとはまったく関係はない。 コンスタンチンから二人でとびだした か。おれに叩きのめされんうちに、し 、つしょについてきたほうがい ーーーミスタ ハトリックがーーー逃走に利用した、あの自動 あの夜 車と宇宙船のあいのこを見つけるのだ。そして、その小型船に乗り 彼は肩のホルスターから不器用に拳銃を抜くと、その醜い銃口をこんで、アンガーンの小惑星からなんとかして抜けだし、ドリーフ 6 9
を聞いたばかりですもの。 言葉が消えていった。 ーニー」ケネディは息がっ 「なんてこった ! 」ケネディはつぶやいた。神経、大脳葉、それが 「警官のおじさんと一緒にお行き、ジョ まったような声でいった。 「パパは次の宇宙船で帰るからね。おじ機械の本体だったのだ。回転発電機でもなければ、大型原子力動力 炉でもなかった。車輪もなければ、歯車もなければ、挺子もなかっ さんと一緒に行くんだよ」 た。原子を動かし、いくつかの究極のものを動かしているのは、大 「あの幽霊は何た ? 」警官はぎよっとしてあえいだ。「あんたは誰 脳葉だったのだ。 ど ? どこにいるんだ ? 」 青いポールがかき消えた。それは無の中へ去り、どこへともなく「だがあなた方はどうやってそんなものを発達させることが出来た 消えた。警官の声が止んだ。 んです ? 」 しやがんでいた火星人たちは緊張をといた。精神の集中の色が火 トライヤーは答を知っていた。トライヤーは説明しようと試み 星人たちの顔から消えていた。トライヤーはほほえんだ。 た。ずっと昔、雲がなくなって貯水池が空になり、豊かな農地に砂 「あれは私の子供だ ! 」ケネディはつぶやいた。「あの子の声を聞漠が出現して、火星人が死に絶えざるを得なくなった時、特別な脳 いたんだ」 葉をもった突然変異が生まれたのだ。 トライヤーは手を振って、青い霧があった場所を、小さな身振り「我々ハ彼ノ息子テス」トライヤーが笑いながら言った : で示した。「アレ、トオシテ、我々、ス・ヘテ / 空間、トドク」 外は星の輝く火星の夜だった。ケネディは自分が学んだことを理 ケネディはため息をついた。「あなた方がどこかに機械を持って解しようとした。特別な大脳葉の中に、火星人はパラダイスの秘密 いるってことは分っていたんだ」と、ケネディはいった。ケネディ を見つけたのだ。それは人類が恐らくは、決して証明することの出 にはこのしやがんでいた一団がどのようにして機械の操作をしたの来ない秘密であり、ほとんど確実といってもいいほど模倣は許され か、どうやって彼らが願いを伝えたのか、どうやって真空地帯を越ないであろう。変種。奇形。突然変異。自然がそれを再び複製する えて彼らの願いを実際の行動に移したのか、ちっとも分ってはいなチャンスは無限分の一つしかないのだ。 かった。しかしそれは今では知ろうとするほど重要なものではなか ちょっとの間、ケネディは悲しかった。それからその悲しみは消 った。おいおいに分ってくるだろう。 えた。ケネディは背をしゃんと伸ばした。一つの種族には一つの運 トライヤーは頭を振った。「機械ナイ」と、笑いながら言った。命があり、別の種族には別の運命があるのだ。火星人が神からの贈 「ココニアル」トライヤーは額をたたいて言葉を捜した。「マダアり物として受けとったものを、人類は節くれだった自分自身の手に ナタノ持ッティナイモ / 、神経デス、脳葉デスーー」ロごもった言よる労働で得なければならないのだ。 ケネディの行く手に、すべての人間の行く手に、ラツ。ハのひびき 8 葉が消えていった。「ココ、脳葉トオシテ、我々スペテノモノ、サ が鳴り渡っているのだった。 ワル。スペテノモノ、変エル。ナントイウ ? ナントイウ ? 」
「私のそばに近づけないでくれ」ドークは叫んだ。しやがんでいる ケネディはドームの中に入っていった。ポールが先導した。それ 火星人たちにはその声が聞えないようだった。ポールは動き続けは再びしやがんでいる火星人たちの輪の上に位置を占めた。 こ。ドークの手の中のビストルが、さっとトライヤーを狙った。 「どうしたのだいトライヤー ? 」ケネディはしわがれた声を出し 「撃っぞ ! 」 ドークが叫んだ。 ポールはドークに向 0 て突進した。ドークは引金を引いた。静か「喋 , テ ( イケナイ」トライヤーが答えた。「聞キナサイ」 な部屋に轟音が雷のように響いた。弾はポールの中に入った。ドー 火星人たちの顔の上の精神を集中するためにできた皺が深くなっ クは身をひるがえしてドアを駈けぬけた。 た 0 七人がポールを見つめた 9 部屋の中はしいんとしていた。静け 気の狂った雄牛のように、ドークはドームから飛び出した。ケネさが増した。ドアがどこかで開いたようなカチリという音がした。 ディはあわてて通り道をあけた。ドークの後から、ドークよりはる「何だろう ? 」ケネディは呟いた。どこかで子供が泣いていた。 かに早い動きで青いポールがやってきた。ドークが開かれた戸口を 男がその女の子をあやそうとしていた。すすり泣きが言葉になっ こ 0 出たところで、その霧はドークをつかまえた。 ポールが触れた時、死の苦痛と恐怖に、ドークは喉からし・ほり出「あの人どこへ行っちゃったの ? 」子供の声がした。「ついさっき すような声で悲鳴をあげた。そしてドークはいなくなった。 までここにいたのよ。おじさんは警官でしよう ? 」 肉眼では追いついていけない方角へ、 「おじさんは警官だよ」男の声が言った。 ドークの所属していた空間 とは別の空間へ、多分知覚出来るものから知覚できないものへと行「ノ 。、パにあいたいの」子供の声が言った。「おばちゃんにあいたい ってしまったのだ。 の。お家に帰りたいの」 ケネディはドークの体の輪郭にきらきら光る小さな光が燃えるの ケネディの喉から興奮した言葉が出た。「ジョーン、ジョー 、。、。、よここたよ、ン ・ヨーン、何ともないかいジ を見た。ケネディは一度、一つのロが、あわてて不本意にも水の下 にもぐってしまったカエルのように、ゴクリとやるのを見たように ハハとこ ! 」子供の声は喜びとなった。「大丈夫よ、 思った。それから、カエルのロも消え、ドークも消え、トライヤー なの ? パの声は聞えるんだけど、姿がみえないわ」 のドームの戸口には浮かび漂うポールが残っているだけだった。 再び、荒々しい声が、聞えてきた。「さあ、さあ、いい子だね、 「ああ ! 」とドークの部下の一人があえぎながらいった。かれらは 。、パはここにはいないんだ。パパは火星にいるのさ。でもおじさん 気が狂ったように走り出し、走りながらポールが追いかけてきやしがここにいるから、もう何にも心配しなくていいんだよ。おじさん ないかと、肩越しに振り返った。それは戸口のところで静かに漂っがついててあげるからね」荒々しいがやさしい声であった。それは ていた。駆けていく足音は火星の夜のしじまの中に消えていった。親切な声であったけれど、同時にびつくりした声でもあった。 「キナサイ」トライヤーが囁いた。「キナサイ、友達」 「でもパパはここにいるわ」子供が抗議した。「あたし、パ・、 ′の声 田 6
「レティ ーフ。こいつは普通じゃない。おそろしく冷酷な軍隊の話「あ、ちょっと待って下さい」とズ・フ。「コーンを見て下さい。宴 を聞いたことはあるが、こいつは狂気以外の何物でもない」 席の中で最も背の高いーー真紅と紫、それに銀と。ヒンクの頭飾りを 「音を立てないように。こちらへ・ ・ : 」ズ・フが黄色の光に照らし出付けた、あれですよーーー」 された廊下の曲り角に向かって歩きながら、手招きした。レティー 「十二フィートはあるな」マニャンが概算した。「さて、もう本当 フとマニャンが前に進み出る。廊下は、高い二重ドアを通って、巨に、急いで戻らないと , ーー」 大な楕円形の部屋へと連なっている。円天井が高く、薄暗い部屋「あれが、この乱暴者たちの首領なんです。あなた方は、彼と話を だ。黒ずんだ壁板におおわれた壁には、ぼろぼろの旗や、傷のつい してみたいんでしよう。コ】ンはタールーンの船ばかりではなく、 た槍斧、矛、錆びついた長剣、十字になった槍、青錆びの出た鎖か他の中心巣の船も、同様に司令するんですよ」 たびら、へこんだ放射能防御服、腐蝕したライフル銃、角と牙を持「どんな種類の宇宙船た ? 戦艦か ? 」 った動物の頭部の巨大なミイラ、こういったものがかけられてい 「もちろんですよ。コーントが、他のどんな船に興味を持つってい テープル る。壁の張り出し棚や、長卓に沿って置かれているスタンドの中にうんです ? 」 は、ろうが垂れている大きなタイマツ。そのくすんだような光を、 「君たちには」何気なくマニャンが続ける。「彼らの船の型と積載 鏡のように磨きぬかれた床が反射している。きれいに光らせた銀の量、武装、人員なんてことは、わからないだろうな ? それと、何 器や、紙のように薄いグラスも、タイマツの光に輝き、その光は暗隻で艦隊を構成しているかなんてことも、現在どこにあるかなんて 色のビンを宝石のような赤と金とに照らし出しーーー・ほんやりと浮きことも」 出て見える、食卓の前の十五人の巨人たちの後ろに、小きざみに揺「完全自動の二万トン級の、全用途型の弩級艦です。いろんな武器 れる長い影を投げかけている。くちばしを持ち、髪を乱し、巨大なを積んでますよ。なにしろ、コーントはそういったものが好きです 眼の小柄な巨人たちが、湯気の立っている大皿を持って、鳥のよう から。それにもちろん、コーントは各自、自分自身の艦持ってい な足どりで活発に歩き回っている。また、三人ばかりが一団となっ ます。実際、コーントたちがそれそれの船に加えた個人的な好みの て、細いビンのような格好の楽器を下手くそに鳴らしている。複雑他は、船の型はみんな同じなんです」 「なんてことを ! レティ な様式のダンスを跳びはねるようにして踊っている。そんな彼らの ーフ ! 」マニャンはささやき声で、びつ 姿さえも、このコーントたちーーー素晴らしく着飾り、帯を締め、羽 くりしてのけた。「まるで、この野蛮人どもは、馬鹿がオモチャの 飾りを付け、宝石を付けたコーントたちが、互いにがなり立ててい帆船をいじってでもいるように、戦艦の大艦隊をいじくっているよ る凄まじいざわめきの中では、ほとんど目立たない存在た。 うに聞こえるじゃないか」 レティ 「なんとも興味深い、原始的な美の大会だな」マニャンがため息を ーフはマニャンとズプの前に出、宴会中の広間を眺めた。 ついた。「さて、もう帰ったほうがよさそうーーー」 「行動を支持する票は、十分に集まっているらしいな」
すでに翻訳されているハインラインの『異星のも関心が深く、イギリスにおけるその 客』ーーこの傾向のロ火をきったのは、これかもし運動の中心に立つ一人で、現在は、暗 れない そして『月は無慈悲な夜の女王』、フラ殺されたマーチン・ルーサー・キング ンク・ しハートの『デューン』 Dune ( 1965 ) 。以牧師を記念する文学賞の設立に力をい 上はどれもハードカ・ハー版で四百ページ前後の長されている ( キング賞については、昨年 ・か亠めり、リ」、れ , もヒュ ーゴー賞を受賞したが、このグの春、朝日その他の新聞の海外トビッ ル 1 。フにもっとも新しく仲間入りしたのが、六九年クス欄で報じられたので、ご記憶のか 度の長篇賞に輝く、ジョン・プラナーの『ザンジ・ハたもおられるかもしれない ) 。こんな ーに立っ』 Stand on Zanzibar ( ダブルディ社 ) 経歴からもわかるとおり、プラナ である。 は、精力的な活動にかけては現代英米 全訳して約千七百枚、普通よりひとまわり大きい界でも五指に数えられる作家であ ( ードカ・ ( 1 版で五百二十四。ヘージのこの長篇は、る。彼なら、そんな未来全体小説を書 びとロで言ってしまえば、二十一世紀初頭を舞台にいても不思議はなさそうだ。 題名の意味は、こんなところから出 した全体小説だ。 プラナー作『ザンシ′ ・ヾーに立っ 四十年先の世界を描いた全体小説 ? 多くのている。地球上の全人類を立たせたま 作家の共同作業ならともかく、一人でそんなものがま一個所に集めると、イギ屮スのワイト島 ( 面積一「『ザンジ・ハ ーに立っ』は、 いうなれば一つの長篇 書けるのか、とあなたは思うかもしれない。社会の四七平方マイル ) にすつぼりはいってしまうという小説と、 いくつかの短篇小説と、一連のエッセイ あらゆる事象をまとめて整理し、さらにその資料か俗説がある。だが、それは第一次大戦当時の話であと、無数の断片的情報を、一つの文学的な構築物と ら四十年未来の世界を外挿し、そのなかで数十人のって、一九六〇年代後半の現在では、一三一平方マして組みあげたものだ」とスビンラッドは言う。 登場人物を動かしながら、読者の興味を惹く物語をイルのマン島にもおさまりきらないくらいだ。だ「その意味では小説ではない。これは、単行本のか 進めていかねばならないのだ。まず、並の人間ではが、二〇一〇年ーー・・この小説の時代ではーー人口はたちにした映画なのだ」 不可能な仕事だろう。 それよりはるかに増え、六四〇平方マイルのザンジそれは、七ページにわたる目次を見るとはっきり だが、どうやらプラナーはそれにある程度成功しー島ぐらいの土地が必要になるにちがいない。 とわかる。目次は四つのセクションに分かれ、もっ ノン・ノヴェル たようなのだ。一九三四年、イギリスに生まれ、十プラナーはこの小説を″非小説″と呼んでいる。とも重要な登場人物ドナルド・ホーガンとノーマ 七歳で最初の長篇を出版し、五八年から本格的に書アメージング誌昨年九月号の書評欄で、これを読んン・ ( ウスが活動するセクションの見出しは「コン きだして、この十年間に出した単行本が五十冊 ( そだノーマン・スビンラッドがうまい解釈をしているテ」 Coutimuity この部分が長篇小説。そして ェッセイ類は「情況」 Context のセクションにま のうち九十。 ( ーセントは ) 。また、平和運動にのでそれを抜き書きしながら話を進めていこう。 0 0 0 0 0 0 ・を ZANZIBAR A NOVEL BY JOHN BRUNNER 7
た風オ そ ら た も り と と 。た 単 しな ト い疑だ 調 した て 彼 い 冒 た でて ス いかも の痛も 険 っ フ・ みな的 陳 全 . る ・つ の く と 生 な腐最た レ 、死 り 面イ 涯な で中 い彼カ 、死 は自 平死 . 虎 い は にあ分凡 に死 な に後 の方 あ 襲 の だな し 死を 方冫 つかわ をす た に ナこ つれをな 手 な のたた し . ・つ 組 だ よ い の り た て っ う 取こ か自 み だ ろ と う 立 り ろ っ分 に ーよ て運早 う 吹 た の き 形命 く も死 作づ 、彼 ま の ん けあも な く る だ ぜ る と と ら り は 山 ~ 隸き と れ 自 ′つ 分 たき に て つ の 費 にた い り り の さ で知 死 た よ れ じなを っ は の だ く ぜ考 て て 力、 癶 く っ この作品は , 1959 年に発表されたロバー ト・シェクリイの最初の長篇 SF で , それ か を っ 年かた イ か ク ) まで短篇ばかり書いてきて , 天性の短篇作 、で死 つイく と し 冫こ .. っ に ォこ 士彼待を の 死 かはた違 も 家 , アイデア S 寧作家と見られていた彼 の に 最 と ち考興 カ : の な は し動 し、 が , 長篇にもその力量のほどを示そうとし 方 後 き か 県 、か ん 味 力、 た最初の試みだった。 の 彼 候わ : 大し た あ を ま いす 精神と肉体を交換するというこの作品の し 数 は は ぇ る カ - 子・ アイデアが , シェクリイはことのほか気に た秒 自 な と時 に て彼 出 に 入っているらしく : 短篇でも「暁の侵入 人 が 分 の代そ の来 月 の 力、 い れ 者」ほかで繰りかえし使っているし長篇 たあ事 並 に グ ) で つ、い でも 1966 年作品の『精神交換』 ( ハヤカワ っ彼考た ら あ で き の の で はは の れ の死ああ なか S F シリーズ収録 ) で改めて使っている。 た ぇ に か と が 瞬 かな . る い な幼 て つ フレドリック・プラウンもこのアイデア 。た確 白 か間 り 年 つ し、 が好きで , 「 73 光年の妖怪」などの作品で 暗 プ つを と て た は時 力、 これとほとんど同じアイデアを用いている 決 自 っ代 た は し、 レ が , このこととシェ名リイとプラウンの作 。あ き冫 直 定 と 分 イ いを 風全体が強い相似性をもっていることとを 線 的 は な ん持 は り ク ) ュ ン は 考えあわせると , 面白い現象である。 な 何 だ は にか っ した の ・強人て S F を思考実験の最良の方法と規定する に を かけ ただ っ し 警 カ ; か いも漠 イ た シ し、 二人の作家にとって , 精神を他人の肉体の の の ヤ好死 の 然 た ウ 中にもちこむという , このややグロテス . ク 奇は だ か め の なアイデアがどんな意味をもつのか考えて い オよ 個 イ な し シ 心、 みるのも面白いかもしれない。 正 ま い を人 を た り た なお , この長篇の訳出にあたっては , ギ たも最 、兆 確 も 疾 の 三候 ャラクシイ誌 1958 年 11 月号から 5 カ月にわ の後 に 何 走 っ生 たって連載されたものに , 著者が全面的な は を の イ て涯 十 し し 数 改訂を加えッパシタム・ブック版で出した ど しな ウ 自 て の か な に秒 ェ分 う も のな 決定版を底本とした。 ( 訳者 ) 臨短篇の名手の処女長篇 当み・朝れつみ気ヨヤまを 第一部 2 円 0