0 0 0 、 2 形彡イ をア ー 0 ン第 0 0 0 0 ぶきような手つきでワインをすすめてくれっている。漢方の本を研究してつくったよ」 ながら、ワカマツはいっこ。 「健康によさそうだなーーー」 「雨の中をよくきてくれたなあ、何年ぶりだ わたしはロの中で舌をひねりながらいっ こ 0 ろう ? 」 あいかわらす、小首をかしげたままの、さ「からだが丈夫になる」 えない顔つきだったが、眼はうれしそうに笑ワカマツはにこにこしながらうなずいた。 っていた。 しかし、その顔色は、決して健康色とはいえ 「五年ぶりじゃよ、 オし力な ? 」 なかった。学生時代とかわらないペースで研 わたしは顔色から わたしは、くつろいだ気分で、グラスを口究を続けているらしい にはこびながらこたえた。ワカマツはうなすそう判断して、たすねた。 「あいかわらすやっているらしいな ? 」 「卒業して十年になる。その間お葬式と結婚「やっているよ」 式で一度ずつ逢ったな。あれが五年まえか、 「なんの研究にとりかかってるんだ ? 」 はやいものだ : : : 」 「それよりもきみーー」ワカマツはワインを 「光陰矢のごとしさ。ところで、これは何ともういつばいすすめながらいった。「ーー・・き いう種類のブドウでできたワインなんだ ? 」みのほうはどうなんだ ? やはりあいかわら 「セン ' フリなんだ。ゲンノショウコも少し入すか ? 」 ー今月のカラー・ショートショート 人類の進化 石原藤夫 イラスト☆新井苑子 をーは . り 6
船を着陸させた。それからおよそ十年後に、火星にも着陸した。さも、死後の生命について絶対に確信のもてる具体的科学的証明を提 らに、小惑星帯をめぐってソ連と戦争があった これは厳密に言供した。もちろん、それについては、かなりの論議がたたかわされ 2 えば、外宇宙の問題だがね。いや、ソ連じゃなく中国とだったかな た。もっとも、多くは宗教上のものだったがね。紙上の論戦はくり ひろげられる、新聞の見出しには上るといった有様だった。ジェー ムズ・アーチャー 「それはどうでもいい。再生とか死後の生とかいうのはどういうこ ・フリンというハ 1 ヴァード大学きっての名教授 となんだ ? 」 が、ヴァニングの言うことはみなインチキだと主張し始めた。ヴァ 「高校で教わった通りに話すよ。おれは″心霊存続の研究″という ニングとは何年にもわたって互いに議論を戦わせたものだ。 課程をとったんだ。ずいぶん昔の話だけど。まてよ」メルヒルは眉そのころヴァ = ングは、すでにかなりの年になっていたので、一 をしかめて、ちょっと考えこんだ。「これは引用だよ。『人間は原か八かやってみようと決心した。金庫の中にいろんなものを入れて 始時代から目に見えない精神界の存在することを感じ、肉体の死後封印したり、あちこちに隠したり、二十世紀の奇術師フウディ = が その世界に入るのだと考えていた』きみもその昔のことを知ってい約東したようこ、 冫かならず帰ってくると予言したりした。もっと るだろう。エジプトや中国やヨーロッパの錬金術師のことなどを。 も、フウディニはついに帰って来なかったが。それからーー」 そこで話をいっきょにライン博士にとばそう。彼はきみと同じ時代「ちょっとまて」・フレインが途中で言葉をはさんだ。「死んでから の人だ。デーク大学で心霊現象を研究していた。この男のことをも命があるというのなら、どうしてフウディニは帰って来なかった 聞いたことがあるかね ? 」 んだい ? 」 「あるとも。で、彼はなにを発見したんだ ? 」 「それは簡単さ。でも頼むから、一度に一言すっしゃべらせてく 「実際にはなにも発見しなかった。たたスタ 1 トを切ったんだよ。れ。とにかくヴァニングは、人間の不死の魂と人類の不屈の進歩に それからクラルスキ 1 がヴィルナ大学でその研究を引きつぎ、かなついての長い遺書を残して、自殺してしまった。これは多くの選集 り発展させた。それが一九八七年、。ハイレーツがはじめてワールド にのっている。後で幽霊の書いたものだということが分ったが、こ ・シリーズで勝った年だ。二〇〇〇年ごろ、フォン・レドナーといれはまたべつの話だ。・ とこまで話したつけ ? 」 う男がいた。彼は米世の一般理論をまとめ上げたが、それの証明は「ヴァニングが自殺したところだ」 しなかった。そして最後に、ミカエル・ヴァニング教授にいたるわ「そうそう。彼は死後アーチャー ・フリン教授に会って、隠したも けだ。 のがどこにあるかを話した。これが確証になったのだ。死後の生は ヴァ = ング教授はすべての総まとめをした人だ。人間は死んだ後これで認められたというわけさ」 も生き残るということを証明した。生き残った人たちと交渉を持っ メルヒルは立ちあがって背伸びをすると、また腰をおろした。 て、語り合ったり、記録にとどめたりなどの仕事をした。なかで「ヴァニング研究所は」と彼が言った。 「だれもヒステリックにな
′、ヤカワ・ノンフィクション よ . みえる前世糸己動物 。 ' み / 、恐竜の発見 ート / 小畠、亀山訳 コノレ′ヾ であり、科学論文であると共にロ ・言ジディッラ 冒険物語でもある。事実、恐竜の歴 ィックなものはない。本書の主題は 知年代に ける英国のマンテルとパックランド 4 年のモンゴルーポーランド探検隊 でいる。北米西部の有名な探検と の成果まて ヾでの重要な業績、ドイツ人による ンダグルでの発掘、アメリカ自然史 ジア探検隊の成功など注目すべき まり知られていない発掘・発見に おり、大変有益である ーサイエンス誌、 1 9 6 8 年 7 月号評 46 枚・写真 73 葉収録 / 定価 880 円 46 判上製 オ戎未来の入口に立 0 て 巨大機 ロベルト・ユンク / 松井巻之助訳ジ、ネーヴ近郊にヨーロッパ 13 カ国が 100 億 円を投じて作った、 28BeV の大加速機を有す る大研究所 C E R N ( ョーロッパ原子核研究 機関 ) 。その歴史を「千の太陽よりも明るく』 で知られるユンクが生き生きと克明に描く / 回 ネ具ーー第一線記者 60 年 アーサー・クロック / 八木勇訳三度にわたてピ、一リツツア賞を受けアメ リカ新聞界の重鎮として知られる著者が、ヘ イズからジョンソンにいたる 60 年に及ぶ政治 己者生活を回想し、多くの人物・事件の目撃 者として体験を描く名著。 ( 3 月下旬刊 ) 近刊 一三ロ
すでに翻訳されているハインラインの『異星のも関心が深く、イギリスにおけるその 客』ーーこの傾向のロ火をきったのは、これかもし運動の中心に立つ一人で、現在は、暗 れない そして『月は無慈悲な夜の女王』、フラ殺されたマーチン・ルーサー・キング ンク・ しハートの『デューン』 Dune ( 1965 ) 。以牧師を記念する文学賞の設立に力をい 上はどれもハードカ・ハー版で四百ページ前後の長されている ( キング賞については、昨年 ・か亠めり、リ」、れ , もヒュ ーゴー賞を受賞したが、このグの春、朝日その他の新聞の海外トビッ ル 1 。フにもっとも新しく仲間入りしたのが、六九年クス欄で報じられたので、ご記憶のか 度の長篇賞に輝く、ジョン・プラナーの『ザンジ・ハたもおられるかもしれない ) 。こんな ーに立っ』 Stand on Zanzibar ( ダブルディ社 ) 経歴からもわかるとおり、プラナ である。 は、精力的な活動にかけては現代英米 全訳して約千七百枚、普通よりひとまわり大きい界でも五指に数えられる作家であ ( ードカ・ ( 1 版で五百二十四。ヘージのこの長篇は、る。彼なら、そんな未来全体小説を書 びとロで言ってしまえば、二十一世紀初頭を舞台にいても不思議はなさそうだ。 題名の意味は、こんなところから出 した全体小説だ。 プラナー作『ザンシ′ ・ヾーに立っ 四十年先の世界を描いた全体小説 ? 多くのている。地球上の全人類を立たせたま 作家の共同作業ならともかく、一人でそんなものがま一個所に集めると、イギ屮スのワイト島 ( 面積一「『ザンジ・ハ ーに立っ』は、 いうなれば一つの長篇 書けるのか、とあなたは思うかもしれない。社会の四七平方マイル ) にすつぼりはいってしまうという小説と、 いくつかの短篇小説と、一連のエッセイ あらゆる事象をまとめて整理し、さらにその資料か俗説がある。だが、それは第一次大戦当時の話であと、無数の断片的情報を、一つの文学的な構築物と ら四十年未来の世界を外挿し、そのなかで数十人のって、一九六〇年代後半の現在では、一三一平方マして組みあげたものだ」とスビンラッドは言う。 登場人物を動かしながら、読者の興味を惹く物語をイルのマン島にもおさまりきらないくらいだ。だ「その意味では小説ではない。これは、単行本のか 進めていかねばならないのだ。まず、並の人間ではが、二〇一〇年ーー・・この小説の時代ではーー人口はたちにした映画なのだ」 不可能な仕事だろう。 それよりはるかに増え、六四〇平方マイルのザンジそれは、七ページにわたる目次を見るとはっきり だが、どうやらプラナーはそれにある程度成功しー島ぐらいの土地が必要になるにちがいない。 とわかる。目次は四つのセクションに分かれ、もっ ノン・ノヴェル たようなのだ。一九三四年、イギリスに生まれ、十プラナーはこの小説を″非小説″と呼んでいる。とも重要な登場人物ドナルド・ホーガンとノーマ 七歳で最初の長篇を出版し、五八年から本格的に書アメージング誌昨年九月号の書評欄で、これを読んン・ ( ウスが活動するセクションの見出しは「コン きだして、この十年間に出した単行本が五十冊 ( そだノーマン・スビンラッドがうまい解釈をしているテ」 Coutimuity この部分が長篇小説。そして ェッセイ類は「情況」 Context のセクションにま のうち九十。 ( ーセントは ) 。また、平和運動にのでそれを抜き書きしながら話を進めていこう。 0 0 0 0 0 0 ・を ZANZIBAR A NOVEL BY JOHN BRUNNER 7
こー 毎年、秋にはいるころになると、・ほくはおちつかハ ーラン・エリスンの「声なき絶叫」、フリツツ・刊傑作集に収録しているほどたが、・ほくらの目から なくなる。 ライーの「骨のダイスをころがそう」がそれそれ見るとこの作品には致命的な欠陥が二つある。最近 ーグだけあっ 前の年に出た雑誌や単行本をとりだして眺めてみ短篇と中篇部門の受賞作。ノヴェラ ( 長い中篇 ) 部好調の波に乗っているシルヴァー・ハ たり、雑誌やファンジンの最新号が出るたびにとび門で受賞したファーマーの作品は、訳出が不可能にて、読んでいるあいだはさすがに飽きさせない。け つくようにしてその書評欄や消息憫を読んだり、海近いということで、マカフリイの作品は版権の問題れども、主人公のおかれた救いのない状況を、どた 外のファンと広範囲に文通している同人誌「宇宙でそれそれ掲載することができず、代わりに候補作んばでいともあっさりと逆転させてしまう、結末の ート・ンレヴァー。、 であったロバ 1 グの「ホークスあの安易さ。そして、作者の考える未来社会の思想 塵」の編集長、柴野拓美氏に電話をかけたり・ : というのは、八月末から九月のはじめにかけて、ビル収容所」がとりあげられた。いずれにせよ、三の底の浅さ。これでは、いけない。 アメリカで恒例の世界大会が開かれ、そこで決作ともファン投票では上位に推されたものばかりだ「声なき絶叫」は、自分で訳したくらいで、なかで まったヒュ ・ : はいちばん好きな作品だし、それほどっまらなくも ーゴー賞の結果が、そろそろこちらにもから、本誌での評判もいいはずである。ところカ はいってくるからだ。毎月、雑誌の書評を読んで結果はどうだったか ? ないと思うのだけれど、あくの強さが読者を反発さ いれば、め・ほしいの情報はたいてい手にはいる三カ月後の「人気力ウンター」をごらんになればせたらしい。たとえば、各工。ヒソードのあいだにコ が、話題になった作品を全部読むことは、・ほくの貧わかるとおり、かんばしいものではなかった。票はン。ヒュータ・テープをはさむという、エリスン一流 弱な語学力ではとてもできない。そんなとき最良の かなり分散したが、豊田有恒の「地球の汚 指針となるのがヒーゴー賞である。なにしろ、千名」が一位、ゼナ・ヘンダースンの「ギレア ーー」は三位、 人をゆうに越える熱心なファンの投票で選びだデ」が二位、「ホークスビル された作品ばかりなのたから。 ( ここ二、三年は、 これらが三点台で並び、すこし落ちて四位が 初夏にも同じようにおちつかなくなる現象が起こっ平井和正の「ゴースト・イメージ」、五位が ている。新しく設立されたアメリカ作家協会の「声なき絶叫」、「骨のダイスーーー」はなん ネビュラ賞が発表されるからで、こんなコラムを受と次点にとどまった。一九六七年のアメリカ けもっている・ほくみたいな人間にとっては、これもの最高傑作と保証されたものが、このて 年間の十大ニュースのうちの一つだ ) いたらく。いったいどうなってるんだ、と言 だが、この数年、ちょっとした疑問が、・ほくの頭いたくなる。 から離れない。本誌を続けてお読みのかたなら、おもっとも、こんな順位におちついたのも、 わかりになるはずだ。このヒュ ーゴー賞をどれだけ考えてみれば無理はないかもしれない。「ホ ークスビル 信じていいものだろうか、という疑問である。 。ハリイ・ハリスンなど 本誌の昨年三月号は、ヒューゴ 1 賞特集だった。 が六七年の最大の収穫とほめあげ、自分の年 0 0 0 0 0 ナ 詳 伊藤 ノ、一ラン・エリスン 2
「お客がやって来たときさ。おれが思うにはここに閉じこめられて「おれも無神論者さ。しかし、死んだあとも生き残るというのは事 から一週間になる。きみも・ほくもいっ連れ出されるかわかったもん実なんだ・せ」 じゃない。ひょっとすると、一、二週間連れ出しに来ないかも知れ「やめてくれ」とプレインはむつつりして言った。 「ほんとうなんだよ ! 科学的事実なんだ ! 」 ない」 「レイ、・ほくに説明 ・フレインはこの若い宇宙飛行士を見つめた。 「やつらは・ほくらの心を殺してしまうんだろうな ? 」 してくれないか、一九五八年以後に起ったことをざっと。頼む」 メルヒルはうなずいた。 「そいつはえらい注文だな」と、メルヒルが言った。「おれはいわ 「しかし、それは殺人だ ! 」 「まさにその通りさ」メルヒルが同意した。「まだ殺人が起ったわゆる教育のある人間じゃない」 「ただ、あらすじだけを話してくれ。来世っていうのはいったいな けじゃないがね。おそらく警察の手入れがあるだろう」 んだ ? 再生とか宿主の体とかいうことについて。いまなにが起っ 「それは疑問だね」 多ているのかも」 「おれもそう思うよ。きみは来世保険にかかっているのかい ? メルヒルは身体をそらすと深い息をした。「よし、やってみよ 分きみも死んだあとも生きられるよ」 一九五八年、いや一九六〇年ごろ、人間は月のある地点に宇宙 「・ほくは無神論者だ。そんなものは信じられない」 よ み ロエ 絵ド が 写ウ コ 世 図ル 版バ 枚ト 物 四小 判郁 上生 製 / 亀 八山 八龍 〇尉 円訳 紹れと化究アた虫 介た骨石のメち類億 す男格を第リがが年 い以 るたの求ーカ ! ち復め人ののか上 の元、者古研にも 世にあが脊究し昔 ヤ 界とる、椎にて カ をりい荒動身発地 ワ 豊くは涼物を見球 ノ富む研た学投さに ンなこ究る者じれ君 フェの室原とて、臨 イヒ。恐で野しきいし クソ竜ひでてたかた につ恐恐のな巨 ョド憑そ竜竜かる大 ンでかりの研 ? 人爬 47 ー 2 2 7
S F でてくたあ 《世界全集》の〈第燔回配本〉第巻アの全く新しい宇宙航行法ーー物質伝送法であでは二十年以上のキャリアを持つべテラン女 シモフ『鋼鉄都市・宇宙気流』 ( 早川書房・る。物質を分子にまで分解し、その途中装置流作家だが、わが国では本書『アルタイル 七八〇円 ) の内容は、もうここで説明する必に内蔵された走査機によってその物質のすべから来たイルカ』 THE DOLPHINS OF " 」「 . 要もないだろう。いずれも、アシモフの、。ての量子的デ 1 タをとり、これを送信機にか ALTAIR ( 一九六七年・矢野徹訳・三三 0 ヂット・未来小説と、宇宙小説の系列のなかけて目的地をめがけて送る。目的地には受信円 ) が初出版。百万年以前に、アルタイルか での代表的傑作である。「鋼鉄都市」 CAVES 装置があり、この装置に入ったデータによっら水陸両棲の哺乳類種族が地球に植民にやっ OF STEEL ( 一九五三年・福島正実訳 ) のて一瞬のうちにもとの物質が再生される。人てきた。水を好んだものは海へ、陸を好んだ ロポット、・ダニールは、何度読みかえし間もこの方法で何十パーセクとはなれたはるものは陸へとわかれたが、そのとき両者のあ てみても、に登場したロポットたちのなかな宇宙のかなたへ到達することができるのいだでは、互いにその領域を犯さないことを かでもっとも現代的、論理的な魅力あるロポだ。そのためには目的の星に受信装置を置く〈誓約〉した。陸に棲んだものは人間となり ットだしパートナーの刑事イライジャ・べイ役目をもって宇宙を永遠に飛び続けているの水を選んだものはイルカとなったが、その誓 リーのロポットに対する嫌悪感は、これまたが、宇宙船サザン・クロス号で、この船内に約はもちろんかって同族であったことも忘れ すべてのロポット小説の人間サイドの感情を備えつけた送受信装置によって、たえず当直た人類は、海を汚染し、あまっさえイルカを 代表している。ロポットを書こうとし乗員が出入りしている。そして目的の星に到捕えてドレイ化しようとした。イルカたちは て、この作品の影響力から成功的にまぬがれ達し植民可能だとわかれば、あらためて大量報復と生存のために立ち上る。ややジュヴナ イルめいた発想だが、いかにも女流作家らし るのはじっさい大変なことだ。一方の「宇宙の移民を送りこむ、という仕組みなのだ。 小説では、このサザン・クロス号が黒色矮いタッチで、好感の持てる作品だ。 気流」 THE CURRENT OF SPACE ( 一 九五七年・平井イサク訳 ) は、アシモフの宇星を発見、それを調べるために四人の科学者このほかには、立風書房の・キーン、・ 宙史シリーズのなかではもっとも完成度が高が派遣されるが、その星の超強力な磁場によ・フライン共著『狂ったエデン』 (WORLD く、宇宙小説が陥りがちの擬似時代劇ふうのってエンジンと伝送装置を破壊され、おそる WITHOUT WOMEN 一九六〇年・中尾 雰囲気もすくない。それでいて、辺境の見すべき重力のとりこになる。さて彼らはどうし明訳・四八〇円 ) がある。もし全世界から女 トリッキイな宇がいなくなったらという、破滅テーマ。 てられた一小世界の地位におとしめられた地てこの苦境をのり切るか ? 十六カ月間南海の孤島で生活していた夫婦が 球と、それを含む厖大な宇宙の空間と時間の宙ファン向きである。 マーガレット・セント・クレアはアメリカもどってきてみると、核実験の結果まきちら 流転がこの作品ほどしみじみと伝わってくる された放射能が全世界の十五歳から三十五歳 も珍しい。敢えてアシモフの代 までの女の九九。ハ 表作とした所以もここにある。 1 セントを殺し、 今月の〈ハヤカワ・・シリー 実 残りを不妊にして ズ〉海外ものはまずアンダ 1 スン。 ン アンダースンはかなりの多作家で、 ンしまったのだ。野 正 ョ このシリ 1 ズに入るのもこれで七冊 デ獣と化した男たち めだが、それそれ非常に的なア はあらゆる手段で ク一 0 田 イデアが楽しめるのがミソで、その っ女を得ようとする 狂 意味でこの『敵の星』 THE ENE ・ 設定と展開が MY STARS ( 一九五八年・岡部 お手軽なのが難だ 当 宏之訳・二七〇円 ) は、秀抜なアイ が、通俗とし 海 デア・ストーリイだといえる。 て読めばけっこう この小説の立役者は人物よりもそ 面白い 狂ったエデン 0 ・キーン L ・プライン 中第明訳 しし ー 20
・フィクション〉と〈サイエンス・フィクション〉のふ たつにわかれる。この全系列を通して、イラストにはいろいろと面 白いものがあるのだが、とくに一九五五年九月号以来の〈オリジナ ル・サイエンス・フィクション・ストーリイズ〉では表紙、イラス トともにエムシ = ウ , ラーが本匹 2 に 幅に活躍してお 0 0 り、オー / ン ((-o 美術館第 酌一紹介 ) 、匹す ケ . リ . 1 ー・フリ . ムスなどが描いて 0 いるが、そのど 第担れをとってみて 力も、ヤル気十分 THE SPACEMAN ・ S VAN GOGH の表紙画 ( エムシュ画 ) ルの感じにあふれ たものばかりでさえ、どうかするとときどき見受けられる、あの手を抜いた感じが タ大変にたのし いまったくしないのである。 のである。作品 エムシュウイラーの宇宙ファッションには彼独得の装備がついて もアシモフ、シ いて、絵をひと目見たとたんに、ああ、エムシ = だなとすぐわかる マック、ギャレしかけになっている。五七年三月号や五六年五月号の表紙はその代 ット、ラインス表的なものである。たとえば手袋の根元のところ、よくみるとそこ になにやらメーターらしきものやなにかがくつついている。これを ターなど、そう ″インストルメント・カフ″と称しているが、腰のベルトについて そうたるところ いる似たような仕掛けとともに、スペースマンに必要不可欠な計器 が書いているせ いもあって、類、時計やコン。 ( ス、温度計、大気濃度計、放射線量計など、ありと 〈アスタウンデあらゆるものが全部揃っているらしい。女の方は宇宙ステーション イング〉などメの中なので〈ルメットをはずしているが、他の惑星上ではこれにす カっノ、。わけである。アシモフの『生きている宇 ジャーの雑誌でつ。ほりとヘルメット、、、 A 、 TH を SPACEMAN'S VAN 000H
生きている方がましでしよう。、それなら、いくぶんでも感謝してく「失礼だが」と、・フレインが言った。「一九五八年です」 れて当然というものですよ。だから、少しぐらい協力してくれても「それじゃ、一九五八年、激突した自動車内で即死の直後救い出さ いんじゃないかな ? 」 れた男の生命が宿主の肉体を与えられた。この宿主について、簡単 「そうしたいところだが」と、ブレインが言った。「きみたちはあに説明します。それからレックス動力システムが百五十二年の年月 んまりせつかちすぎる」 を飛び越して救出をやりとげたことを強調する。そのために何エル 「わかってます」と、エドは言った。「それに、同情をしていまグのエネルギーが必要だったか、燃料は何を使ったか、ということ す。でも、・フレインさん、あなたは宣伝という仕事を知っているでについても書く。用語の問題は技師と相談するーーーと、こんなとこ しよう。問題はタイミングです。今日こそあなたはニュースになつろでどうですか ? 」 ているが、明日は忘れられるかもしれない。今こそ、あなたを救い カ言 「他の動力源では救出は不可能だと書いてくれよ」と、ジョー : 出したことを宣伝に利用しなければならない。でなかったら、われった。 「これが可能だったのは新測定システムのおかげだとい われにとってそれは何の価値もなくなるんだ」 うことも忘れないように」 「・ほくを救ってくれたことには感謝している」と、プレインが言っ「全部載せてはくれないんじゃないかな」 「たとえそれが完全に利他的でなくてもね。喜んで協力します「載せるわよ」と、マリー・ソーンが言った。「ところで、ヴァネ よ」 スさん。・フレインがレックス動力システムに救われたときの彼の感 「ありがとう」と、エドが言った。「じゃ、しばらくの間なんにも想について一つ記事がほしいわ。ぐっと感情をこめて、書いてくれ きかないでください。そのうちにだいたいの見当がつくようになり ない。未来という驚異の世界に彼がはじめて踏みこんだときの気持 ますよ。ソーンさん、そこのところは全部あなたにまかせよう」 を書きこんで。五段ぐらいね。記事のスペースはわたくしが手配し 「エド、ありがとう」と、マリー・ソーンが言った。「さあ、みなます」 さん、わたくしたちはレイリーさんからこのままで仕事を進めるよ ヴァネス夫人はうなずいた。「いまこの人にインタビューしても う命令されました。計画通りにつづけて行きましよう。ビリー 、あよろしい ? 」 なたは朝刊の記事を考えてね。《過去から来た男》というような見「時間がないわ」と、ミス・ソーン がいった。「創作してください。 出しはどう」 彼の時代以後に起こつだあらゆる変化に戦慄し、恐怖し、驚愕し、 「もうできてます」 驚嘆していること。科学が長足の進歩をとげていること。火星を見 「そう。いつも早いのね」 たがっていること。新しい風習が好きになれないこと。機械が少な 「ひやかさないでくださいよ。そこでと、一九八八年から救い出さく暇の多かった昔のほうが幸福だったと考えていること。・フレイン れた男ーーー」 は賛成してくれるはずよ。ねえ・フレイン ? 」 カリプレーショ / 幻 0
た風オ そ ら た も り と と 。た 単 しな ト い疑だ 調 した て 彼 い 冒 た でて ス いかも の痛も 険 っ フ・ みな的 陳 全 . る ・つ の く と 生 な腐最た レ 、死 り 面イ 涯な で中 い彼カ 、死 は自 平死 . 虎 い は にあ分凡 に死 な に後 の方 あ 襲 の だな し 死を 方冫 つかわ をす た に ナこ つれをな 手 な のたた し . ・つ 組 だ よ い の り た て っ う 取こ か自 み だ ろ と う 立 り ろ っ分 に ーよ て運早 う 吹 た の き 形命 く も死 作づ 、彼 ま の ん けあも な く る だ ぜ る と と ら り は 山 ~ 隸き と れ 自 ′つ 分 たき に て つ の 費 にた い り り の さ で知 死 た よ れ じなを っ は の だ く ぜ考 て て 力、 癶 く っ この作品は , 1959 年に発表されたロバー ト・シェクリイの最初の長篇 SF で , それ か を っ 年かた イ か ク ) まで短篇ばかり書いてきて , 天性の短篇作 、で死 つイく と し 冫こ .. っ に ォこ 士彼待を の 死 かはた違 も 家 , アイデア S 寧作家と見られていた彼 の に 最 と ち考興 カ : の な は し動 し、 が , 長篇にもその力量のほどを示そうとし 方 後 き か 県 、か ん 味 力、 た最初の試みだった。 の 彼 候わ : 大し た あ を ま いす 精神と肉体を交換するというこの作品の し 数 は は ぇ る カ - 子・ アイデアが , シェクリイはことのほか気に た秒 自 な と時 に て彼 出 に 入っているらしく : 短篇でも「暁の侵入 人 が 分 の代そ の来 月 の 力、 い れ 者」ほかで繰りかえし使っているし長篇 たあ事 並 に グ ) で つ、い でも 1966 年作品の『精神交換』 ( ハヤカワ っ彼考た ら あ で き の の で はは の れ の死ああ なか S F シリーズ収録 ) で改めて使っている。 た ぇ に か と が 瞬 かな . る い な幼 て つ フレドリック・プラウンもこのアイデア 。た確 白 か間 り 年 つ し、 が好きで , 「 73 光年の妖怪」などの作品で 暗 プ つを と て た は時 力、 これとほとんど同じアイデアを用いている 決 自 っ代 た は し、 レ が , このこととシェ名リイとプラウンの作 。あ き冫 直 定 と 分 イ いを 風全体が強い相似性をもっていることとを 線 的 は な ん持 は り ク ) ュ ン は 考えあわせると , 面白い現象である。 な 何 だ は にか っ した の ・強人て S F を思考実験の最良の方法と規定する に を かけ ただ っ し 警 カ ; か いも漠 イ た シ し、 二人の作家にとって , 精神を他人の肉体の の の ヤ好死 の 然 た ウ 中にもちこむという , このややグロテス . ク 奇は だ か め の なアイデアがどんな意味をもつのか考えて い オよ 個 イ な し シ 心、 みるのも面白いかもしれない。 正 ま い を人 を た り た なお , この長篇の訳出にあたっては , ギ たも最 、兆 確 も 疾 の 三候 ャラクシイ誌 1958 年 11 月号から 5 カ月にわ の後 に 何 走 っ生 たって連載されたものに , 著者が全面的な は を の イ て涯 十 し し 数 改訂を加えッパシタム・ブック版で出した ど しな ウ 自 て の か な に秒 ェ分 う も のな 決定版を底本とした。 ( 訳者 ) 臨短篇の名手の処女長篇 当み・朝れつみ気ヨヤまを 第一部 2 円 0