三人 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1971年10月臨時増刊号
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1. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

しかた あのニ人 なんだか 可哀想 さア ば、つ . や 船が出る ぼうや 父ちゃん や母ちゃ 最後の お別れを 一一いな 238

2. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

☆四次元鉄道は三次元の人間を度々うらぎる トンネルを抜けても雪国はない 自身もも、ついない はすっとすっとむこうを走っている

3. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

それも ニ人ね : まるで そんな 人間がいる とでも いいたげな ロぶりじゃ 実際 いるのさ さてや ! や こんな所 まできて そんな タチの悪 い冗談は 聞きたく 22 ア

4. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

重力と重力制禦法、空間と歪曲、エネルギー論宇宙船技術等々 : ・ んど理解できなかった。 : 、 カこれは漫画の空想的な世界の出来 。それから宇宙土木学のクッテル氏の名前は彼も知っていた。有事とはちがうことだけは確かだった。これは現実なのであった。少 名な″クッテルの公式″の体系者だ。彼がそれを発見したのは十四なくとも、彼がそこにそうしているという現実感があった。少なくと 歳のときだったという。ひねこびた子供を思わせる小柄な人物だつもこの臨場感たけは本物だった。は会議の途中から、話の内容を た。同時にこのクッテル氏は木星学の権威だった。が学生時代に理解しようという努力を放棄していた。彼はそして、以前書いたあの 学んだ「超空間における流体の理論」のなんと難解だったことか。半ば遊び的だった論文のことをぼんやりと思いおこしていた : すでに、その昔、ツイオルコフスキーは予見していたのだ。 はため息をついた。ャンの名前は別欄にあり、確率論と予知と あった。べラの名前もあった。情報と心理学。肩書の欄をみる。コ彼は太陽系の全空間が植民地化される過程は、第一段階では小惑星 ーネル社会心理学研究所客員教授 : : : 。はさらに下の欄をみてもの改造による〈エーテル都市群〉からはじまるだろうと考えてい る。小惑星を分解して得られる建築材料を使った人工天体は、その う一度おどろいた。アンアンの名前があったのだ。渉外・ : 目をあげる。そのとき、軽やかな鈴のような笑いを混じえなが就道上をエーテルのようにめぐりめぐる。やがて、小惑星の資源が ら、この二人のレディが入場してきたのだ。長身のグラマーのべラーなくなったら、仕事は月に移る。月がおわると人類は、再びその故 は、例のパーであったとき同様、ヌ 1 ドにちかかった。アンアン郷である地球自身の再改造をはじめるが、それにつづいて、大惑星 ツイオルコフスキーの空想は、結果的 の改造がはじめられる : は、淡い王朝風のガウンを身にまとわせていた。 にはほ・ほ正しかったといえた。 「全員そろいましたな」と正面の議長席についた。フラトン博士がい むろん人類は、地球型惑星の火星と金星の植民事業をもあわせて った。教授たちが、大学の卒業式でつけているような角の帽子に黒 いガウンを羽織っていて少しこつけいだ。「久しぶりですな。我々行なっていた。現在火星には五千万人の人間が住んでいる。でも、 のチームが全員こうして顔をそろえるのは」博士はここで空咳をひそれはそれつ。ほっきりでしかない。開発事業費の一人当の人口収容 とっした。「我々が探していた青年がやっとみつかりました。我々率を算出してみればわかるとおり、あまりにも能率が悪すぎた。そ にこの計画を思いっかせてくれたこの君のユニークな例の論文のれにあの惑星は地球に似かよりすぎているせいか、火星の埴民者は 表題にちなみまして、我々のこの偉大なる事業を、大木星計画と正無意識下の地球的なものの力によって、大部分が心理的に破産しか 式に命名したいと思うが、しかがでしようか。全員異議なしですけているのだった。これは、一つの例にすぎない。人類が、地球人 な。では実施段階における具体的な論議に入るとして : : : 」 から太陽系人となる過程の壁の一つにすぎない。地球的という一つ こうして、。フラトン博士を議長として、会議はすすめられていつの観念から人間が脱出するためには、人間自身が変わらなければな た。そのス。ヒードにはとてもついていけなかった。そして、この漫らない。地球の財力、地球の技術は、増大し進歩し、ツイオルコフ 画の主人公たちのような姿をした、超天才たちの話の内容も、ほとスキーの空想を、彼が予定した期間の何十分の一にもちぢめはした

5. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

☆宇宙ステーションは 亠ま当、ーレ / 、亠 9 ていしょん″であり 分岐点である いつもそこには人が群がって ゆくべき道を捜している 工も事実行先を捜している

6. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

もそっくりに動く。アンアンだって同じだ。本の中のアンアンも漫は、渦巻いている。渦の中へ、枯葉のように平らったい、切抜き人 画本を読んでおり、やはりその中のミ = チ = アな情景は、部屋とそ形のような、が墜ちていくのだ。は、時間と空間の十字架には 9 つくりだった。 りつけにされた、聖者みたいだった。そこから逃れることはできな 「ねえ」とアンアンがひとり言のようにつぶやいた。「あなたっ アンアンがどこかでクスクスと笑っている。アンアンは、を て、おかしな人ね」 支配している。夢ではなかった。アンアンは実在するのだ。 ほんとだ。まるでおかしい。と、 いつばい床に散らばっていた漫夜半、子供の夜泣きの声で目を覚したとき、は少女が乳の出な 画本の一冊が、時間でもきたみたいに、すうっと、その金属板のよ い乳房を、子供にふくませている光景をみた。あの子供は自身なの うな。ヒカ。ヒカ光るべージを、ひとりでめくった。こいつは、宇宙活かもしれない。少女はアンアンなのかもしれない。一つきりの窓を 劇的な世界で、やつばり原色で彩られ、見覚えのあるスーパーマン降り出した雨が叩いていた。その窓枠が、ちょうど額縁のように少 がそこに存在していたが、・ とういうわけか、そこに空間があり、活女のいる部分をふちどっていた。は、薄闇の中で、じっと目をこ 人画みたいなそいつが、光線銃をこちらへむけて、いきなり撃ってらしていた。は長いこと眺めていた。にはそれが、なぜか敬虔 きた。一条のビームが、まっすぐ漫画本の外へとび出してきて、さな宗教画のように見えるのだった。キリストを抱く聖母を画いた、 つきの九星盤に命中した。瞬間的にそれが反応し、音もなく回転を祭壇画のように思えたのだった。 はじめ、ずいぶんと回っていたが、やがてとまって、ある目を指示「あら」少女が、おきあがったに気づいていった。子供は寝つい グイヤル した。と、部屋そのものが、その目盛によって変化するように装置た様子だった。少女は子供を横たえた。「すみません。起してしま 1 トみたいに、光をつて」 されておるのか、部屋全体が、高圧電流のショ いいんだ」とはいった。「もう夜明けだね」 放ち、ネガティヴになった。つまり急にアンアンの裸身の部分が、 「ええ」少女のをみつめる視線が固定する。雨の音は一層激しく くつきりと空間がくりぬかれたみたいになり、それは、も同じこ なっていた。 とで、部屋の様々な調度類も同じことで、何もかも、ネガティヴに なり、代りに、空間がポジティヴになっこ。 二人はそのまま、起きていた。雨は降りつづいており、暗い朝の それから、は、墜ちていった。きりおとされた切抜組工の図柄光がしのびよっていた。部屋の中の物が、少しずつ輪郭をとりもど の部分みたいに、その地理的な世界から切り離されて、時空構造のしていた。は、その腕の中に少女を抱いている。 中を、ヒラヒラと落ちていった。そうやって、はある長大な時間 のようでもあり、瞬間的な時間よりも短いようにも思える、ある超ここはどこだろう。ここは小さな惑星の上 : : まるで 越的な時間を、墜ちていったのだ。ヒラ、ヒラ、ヒラ。 な・せ、抱いたのか、にはわからなかった。は妹を抱くように 枯葉みたいだ。その下とはいえぬ下の方に、銀河がみえた。そいっ マドンナ

7. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

きみは なんでも 人のせいに するー 怪獣映画 、はっ - かり・ みせる か、ら・よ ・も、つ ト 6 、、つ ごめんな ′こ アンタ マタ手紙ヲ・ ョンデアゲ ナカッタネ カⅡ 192

8. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

TARZAN BOOKS 刊行開始 第一回配本絶賛発売中 頁袁人ターザン 梨ターザンの逆襲 10 月刊行 映画・テレビで作られた英雄の衣を脱ぎすて、文明と他者への不イ に徹し、おのれのカのみをたのんで密林に生きる男、ターサン ! あらゆる年令階層をこえてアピールする今世紀最大の英雄一一に 全巻武部本一郎画伯のカラー表紙ロ絵に挿絵 20 葉入り ハヤカワ S F 文庫特別版として 8 月より毎月一冊刊行 ! 第一期刊行予定作品 類猿人ターザン ターザンの逆襲 ターサンとアトランティスの必宝 恐怖王ターザン ターザンと蟻人類 密林の王者ターザン ターザンと失われた帝国 ターザンの凱歌 ターザン黄金都市へ行く ターザン対ライオンマン ターザンと禁断の都 素晴らしきターサン ニ = ロ 347

9. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

もうすでに、四人の兄弟の血を吸っているやつだ。 で来た時、おれの頬骨がガンとなって、おれは四、五メートルも横 「柄にもねえ。よしなって事よ。 お前みたいなシラミみてえな にふっとばされた。おれは横にころがって第二撃をかわそうとした チン。ヒラがくるようじゃ、おれやまだまだ死ねねえよ。あと何匹く が、顔をあげた時は、おやじの靴が眼の前にあった。両手をあげて るか知らねえが、お前みたいな最低野郎は、もうはい出してこねえ靴先で眼をやられないようにするのがやっとたった。ガッツ、ガシ ようにねがいたいもんだ」 ツ、と闇の中のひらめく赤黒い火花のような打撃が、顎に、肋に、 脇腹に炸裂し、その度に体がずっしりと、重くなって行くようだっ おれの全身は、さっきガラガラ蛇に対した時みたいに、かたくか たくひきしまりはじめた。眼の前のでつかい蝮野郎に対する恐怖た。襟首をもってひきずり立たされた時、妙なにおいがすると思っ が、徐々に冷たい怒りにかわりはじめた。 カンカン照りの太陽たら、おやじは葉巻きを吸っていた。左手でおれの襟首をつかみ、 にさらされつづけて汗がながれはじめたが、それは氷のように冷た右手で葉巻きをおれの眼につつこもうとした。おれは何かわめいて かった。おれはまた、腰のナイフへむけて、ジリジリとこわばった身をよじったが、頬骨の所にこすりつけられて金切り声をあげた。 腕をさげていった。 やつは、サイド・ハッグの中から、今度はリおれだって、腕をふり、やつの顔だの腹だのなぐったが、まるで岩 ンゴを出してかじっていた。おれの手がやっとナイフの柄をにぎつをなぐっているみたいだった。おれの中の毒は煮えくりかえってい たとたん、やつの手もとでオレンジ色の閃光が光り、おれの右手はたが、それは自分自身を苦しめる無力な怒りになってはじけるだけ ・こっこ 0 おれの中でたけくりくるっていた「毒蛇」は、今は戦 やけつくような痛みを感じた。右手の甲に、まわりの焦げた小さな 丸い穴が貫通し、肉の灼ける胸のむかっくような臭いがした。 意を失い、しつぼをまいて、どこか逃げこむ岩穴があったら逃げこ 「ごそごそするない : : 」やつは、リンゴをかじり、銃口をおれにもうと思いはじめていた。まっくらになったおれの視界の底で、さ むけながら、ゆっくりと近づいてきた。「さあ、ひょっこ。いまおっき逃げかけていたガラガラ蛇の姿がちらちらしていた。 やじさんが、手でひねってやるからな」 おれは腹をなぐられ、体を二つに折った所を顎をつき上げられ、 やつは、食いちらしたリンゴの芯をおれの顔にびしやっとぶつけあおむけざまにひっくりかえった所を、靴でのどをおさえつけられ た。よけそこねて横面にあたったが、おれもとっさにやつの面に陲た。 を吐きかけた。そいつは見事にやつの鼻の穴にあたった。やつはち「もうちょっと何とかなるやっかと思ったら、まるで台なしじゃね よっとたちどまり、毛むくじゃらの手でゆっくり粘っこい液体をぬえか : : : 」おやじは息もきらさずにいった。「これじゃ、骨を細か ぐい、それをながめた。 く折ってやろうと思っても、折りようがねえ : : : 」 爪先に力をこめられて、おれはのど仏がつぶれるかと思ってうめ シュウシュウと、やつの口からガラガラ蛇ののどからもれるよう な笑い声がもれた。 おやじはゆっくりと歩みよって来た。おれ の全身から滝のように冷たい汗が流れつづけた。三歩はなれた所ま「そうだーー・おめえは、あの毒トカゲを始末するのに、なかなかお 5 3

10. SFマガジン 1971年10月臨時増刊号

られる男たちだ。その追撃者をおびやかしたものは何なのたろう ? 「追いてこい ! 」 かれは相手を見た。闇のなかではほとんど透明に思える厚い灰衣無一一一口のまま案内者の衣をつかみ、ライコンを肩ににないながら、 をまとった、中背の男だったーーー端整な、まるで彫像のような表情エラークは前進した。案内者がいったいどうやって闇のなかを先導 をもっ白い顔が見えた。やわらかい声がひびきでたとき、白い仮面していけるのか、道という道をすっかり憶えこんでいるからでない のなかにとっぜん黒い眼窩があらわれた。「衛兵から遁れてきたのかぎり、エラークには理解の及なない謎だった。しかし、その通路 だな、しかし、もう細剣の要はない わしは友だ」 はーーーそれがもし通路ならのはなしだがーー進むにつれてどこまで 「そういうおまえは いや待て、立ち話ししている間はないのも、うねうねと曲りくねっていた。やがてエラークは、どこか広び ど。礼をいう。また会おう」 ろとした場所へ出たように感じた。たぶん洞窟にはいったのだろ エラ .1 クは身をかがめ、もういちどライコンをかつぎあげた。小 う。足音もどこか違ったひびきをあげる。闇のなかからは、不明瞭 男は目ばたきし、ろれつのまわらぬ調子ではちみつ酒の追加を要求なささやき声がきこえてきた。 していた。武具をつけた足音が、性急な雷鳴のとどろきに似たひび ささやきは、かれの知る言語を用いたものではなかった。そのか きを徐々に高め、急速に近づく松明も、三人の周囲に光斑を投げかすかな震動が、奇妙なふうにかれを襲い、エラークの眉間をせばめ レイー・ヒア けた。 させ、空いた手を思わず細剣の柄にかけさせた。かれはいらだちな 「ここに隠れていれば」と、灰色の甲胄を着けた男がささやいた。 がらロをひらいた。 「ひと安心というものだ」 「ここに誰がいるのだ ? 」 かたわらの石壁に黒い長方形のはざまが口をあけているのを、エ 闇のなかの案内者が、その奇怪な言語をつかってなにごとか叫び ラークは知った。男は、その入口に躊躇なく跳びこんだ。エラーク たてた。ささやきは、とたんに止んだ。 ちょうつがい があとを追った。目に見えないとびらが錆ついた蝶番をきしらせ「味方が集まったのだ」暗闇から、声がそっとささやいた。「目的 て締まったとき、かれらはそのまま完全な闇に包みこまれた。 の地は、もうまもなくだ。あと何歩かすすめばー・・ーー」 やわらかい手が、エラークの手に触れた。いや、ほんとうこ手ど 冫オ何歩かすすんだあと、ふ、こ丁 : し冫火力かがやきでた。かれらは、岩壁 ったのだろうか ? いましがたかれが触れた肉体の持ち主は、およをくりぬいて作った小さな長方形の部屋に立っていた。油灯のかが そ人間と名のつく形態に属するものではないのだという、信じがたやきを受けて、硝石の壁がしっとりと照りはえている。洞窟の石床 い感覚が、一瞬かれを襲ったーーーやわらかすぎるし、冷たすぎるのを横ぎって、ちいさなせせらぎが流れ、壁の基部に口を空けた小穴 だ ! その物体の感触に、かれの膚はわなないた。その手が引っこのなかへ、小鬼の嘲笑に似たひびきを発しながら、そそぎこんでい てのひら み、つづいて灰衣のひだがエラークの掌に当たった。かれはそれる。とびらが二つ見える。灰衣をまとった男が、いまそのうちのひ をつかみとめた。 とつを締めようとしていた。 レイピア っ 362