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検索対象: SFマガジン 1969年5月号
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1. SFマガジン 1969年5月号

イ 5 月刊行予定 第 1 巻 4 月刊行予定 工ドワード・ オールビー全集 鳴海四郎訳 / 46 版上製箱入 0 ウアージニア・ウルフなんかこわくない 0 デリケイト・バランス ウィリアム・ サローヤン戯曲集 之つ 0 ■おーい、救けてくれ 0 君が人生の時 0 わが心高原にタ空晴れて 加藤道夫・倉橋健訳 / 46 版上製箱入 Y560 650 維新の日本 幕末の日本 金子治司著 異色の幕末・維新史三部作 ! ジャーナリストが足で描いた Y570 明治の日本 古き良・スペース・オ季物代 SF 英雄辭像 S F 英雄群像 古き良きスペース・オペラ時イ弋 野田昌宏 Y400 るアメリカ S F を解析してみせたのが本書である / ヒーローたちの縦横無尽の活躍を紹介し、黎明期におけ キニスン、キャプテン・フューチャーなど、おなしみの リチャード・シートン、キムボール・ ョン・カーター ン・ 現代アメリカ S F の礎を築いたスペース・オペラ

2. SFマガジン 1969年5月号

0 ☆夫 への返事でね。 そこを教えてくれないか ? かれは、座談会出席者たちの発言にも、また座談会そのものの震囲気にも、無責任あ るいは恣意として非難さるべきものはなかった、と確信をもって言う。もし発言中に、 非礼あるいは不用意ととれる言葉があったとしても、それは日本の界に対するそれ それの発一言者の強い期待がなさしめた激情の発露であって、そこに悪意の一片だに介入 していなかったことは、責任をもって断言します、と書いているな。 なるほど。 まだ続くんだよ : : : だが、そうした発言を総合的には日本界にプラスするものと 考えた編集部としては、その責任の所在を明らかにするコメントを同記事につけるべき であった、ということを直截に認めます。ただわたし ( 福島 ) は、こうしたことを、く だくだしく説明する必要があるとは思っていませんでした。ましてや、この座談会を、 われわれが勝手気ままな放言をするためのかくれみの、と考えられるなどということは 想像だにしませんでした : : というようなことから始まって、日本界には総合的な 批評の場がない。そして、十分な批評を受けるチャンスがなければいけない。だが、ジ ャーナリズムに、 co 全体を批評するほどに読んでいる人々が、きわめて少ないことは 残念ながら事実です : ・・ : 。 とにかく、すべては善意で、界の進歩向上のためにという熱意たけだったんだ が、文章にしてみると、ああもニューアンスが違ってくるんだな。批評のむずかしさを あらためて感じさせられた。作家は矛盾と微妙な神経を持った人間であって、コン。ヒュ ーターじゃないしね。蛙のつらに水で批評を無視する作家も困るが、指摘された欠陥を ホイホイさっとあらためる作家がいたらなんとも妙なものだ。むずかしい。 とにかく、あの座談会が原因で多少のごたごたが起きたとすれば、ここは界の年 寄り、星、矢野両氏に収拾をつけてもらったらどうだろう。 星氏はサポートにまわらなきゃあ。あの批評でほめられているんだから、なれあいだ と思われるよ。 とにかくこれからの界はますますむずかしくなるな。 新人も旧人もたいへんだ !

3. SFマガジン 1969年5月号

《全巻別巻 1 》内容 ①ヴェルヌ地底旅行 / 海底二万リーグ ②ウエルズ宇宙戦争 / 透明人間 / タイム・マシン ③ドイルロスト・ワールド / 毒がス帯 ガーンズ・ハックラルフ一二四 O 四一十 ④ ティン時間流 ワイリイ闘士 ⑤ ライト時を越えて ステープルドンシリウス ⑥リ、イス沈黙の惑星より ⑦スミス銀河バトロール / 宇宙のスカイラーク ⑧べリャーエフドウエル教授の首 / 無への跳躍 エレンプルグトラスト ⑨チャベック山椒魚戦争 、ツクスリイすばらしい新世界 オーウエル一九八四年 ミルトン時果つるところ ラインスターオペレーション外宇宙 ⑩ハインライン人形つかい / 夏への扉 ⑩プラッドベリ火星年代記 / 華氏四五一度 ⑩アシモフ鋼鉄都市 / 宇宙気流 ⑩クラーク幼年期の終り / 海底牧場 プラウン火星人ゴーホーム スタージョン夢みる宝石 のヴォクトスラン / 宇宙船ビーグル号 ベスター虎よ、虎よ、 ⑩・ ティック宇宙の眼 トリフィドの日 / 地衣騒動 ⑩ウインダム プリッシュ地球人よ、故郷に還れ シマック都市 ポール / / コーンプルース宇宙商人 フレッシュ ①エフレーモフ宇宙船 / アンドロメダ星雲 ム砂漠の惑星 / ソラリスの陽のもとに ストルガッキー兄弟神さまはつらい のグロモワ自己との決闘 ゴ ルクムビ ・ハルンヤベル荒廃 タルトン禁しられた者の世界 結晶世界 オールディスグレイベアド 0 次回配本〈 4 月日〉 日本の I-L オーウ = ル、 ~ い界全集 ハクスりイ オ、・ウェ第 第巻 ー短篇集 ( 現代篇 ) の委部公房第四間氷期他 ⑩星新一ショート・ショート傑作集 ⑩小松左京果しなき流れの果に / 継ぐのは誰か ? 光瀬龍 ⑩筒井康隆新作書下ろし長篇 眉村卓 ⑨短篇集英米仏編 ①短篇集英米編Ⅱ ⑩短篇集東欧ソ連編 ⑩短篇集日本編— ①短篇集日本編Ⅱ 巻講座 世界全集 ( 白抜き巻数は既刊 ) 箱入総クロス豪華版 4X6 版・平均 500 頁 定価 700 ~ 800 円 毎月 25 日発売

4. SFマガジン 1969年5月号

ノ ど、生食しない友人のほうがトモで、私の方がおよそフ 0 リダ州のイアミに着いた。するとそこは、むせる 正気の沙汰ではなかったのかも知れない。が、私はいまような暑さで、冬装束の私たちは、全身汗だらけとな 9 だに、その味が忘れられず、はるばる日本まで持「てきり、ようやくの思いでホテルにたどりつき、ほ 0 と一息 た大きな貝殻を眺めては、生ツバを呑んでいる有様なのついたのだった。 アイアミでは、豪華な海洋水族館を見てまわり、浜に ワシントンへは、二度行った。 出て少し泳ぎ、スコールを浴びたりした。港には、日本 そして ( 米国航空宇宙局 ) を訪れ、その世話の貨物船の姿も見え、こんなところまできているのか で、近くのゴダード宇宙飛行センターや、ラングレー研と、ちょっと驚いた。 究センター、ワロップス島の宇宙基地などを、つぎつぎそれからケープケネディ基地を訪れ、サターンの巨大 と見てまわった。それからジ = ット機でシカゴに飛び、 さに眼を見張り、アポロの成功を祈りながら、ニューヨ そこから八〇キロほど離れたイリノイ州モリスのドレス ークに帰着したのである。するともう、私の乗る船は、 デン原子力発電所を訪れた。 ハドソン川で待っていた。 イギリスのキュナー ここは沸騰水型の発電炉を使っており、出力二〇万キ ド・ライン社が誇る、八万一千一一 ロワットであった。石油の豊富なアメリカでは電力が安百余トンの老巨船クイン・メリー号ーー私はそれに乗っ 、原子力発電の実用化は、なかなか進まなかった。 て、大西洋を横断することになったのである。 が、このドレスデンや前のインディアンポイントは、 先鞭をつけて、民間に原子力による電力を売ったところ である。それだけに自信をもっており、ドレスデンの技 術者は、 「原子力は必ず既製の火力発電などに勝っと思う。私た ちは、大都市の真中に発電所をもっていって、既製の電 力と競争したいのだ」 といっていたが、実際、いまでは大出力の原子力発電 の時代である。 二月のシカゴは寒さが厳しく、ミシガン湖は結氷こそ していなかったが、一面に青ざめていた。私は、そのほ とりの宮殿のような建物の水族館に入り、この湖でとれ た巨大な魚を見た。 それからふたたびジェット機に乗って、一路南下し、

5. SFマガジン 1969年5月号

にどだ。 などは、河口などにほんの僅かあるだけなのだ。 皮肉な笑いを浮べた人も多かったが、どうして、どうし だがには同じ大きさの基板の上に、数百個もの これと同じようなアイデアに、軍事用の浮橋がある。 て。アメリカでは飛行船を見直す動きが、このところ極 素子が組み込まれている。もちろん性能も *O とは比べ だがこれは一時的なものであって、とても実用の橋とはめて活発となってきた。 ものにならぬほど高い。かっては大きな部屋を必要とし いえなかった。 飛行船というのは、見かけほど頼りないものではな た高性能の電子計算機も、このの生産が軌道に乗 しかしこのガラスの橋はれつきとした実用品で、幾つ 飛行機と比・ヘると、航続性能や搭載能力はずばぬけ れば、テープルの上に置くことができるだろうといわれ るほどた。 もつなぎ合わせることにより、数車線にしたり、手すりている。急ぐ旅には向かないにしても、経済性も乗り心 をつけたりすることもできる。耐久度も強度も、これま地も、右に出るものはない。 現在、開発されている卓上型電子計算機は、少なくと での橋と比べて引けをとらないのだそうだ。 こうしたたことから、国防省やグッドイヤー社、ゼネ も *O を一〇〇個必要とするが、なら一〇個程度 災害の度にすぐ橋が流れてしまうわが国でも、このよ ラル・エレクトリック社、それにポストン大学などは、 で充分。いまにポケッタ・フル電子計算機も開発が可能と 一致協力して、二十一世紀型飛行船の開発研究に着手し なるにちがいない。 こ 0 こうして米国や日本の電子メーカーは、このの 船体は、これまでのようなゴム製ではなく、がっしり 開発に全力を挙げているが、生産は極めて困難らしい とした総軽合金製。それを気密にしてヘリウム・ガスを これまでに試作されたものは、—O を作っておき、それ つめる。動力はもちろん原子力。原子炉によって六〇〇 を組み合わせてとしたものや、—O を何層にも重 〇馬力のタービンをまわし、プロべラで推進する設計と ねてとしたものらしい。しかし顕徴鏡と組み合わ なっている。 すせた工作機械や、新しいプリント法の開発などによっ 橋 全長三〇〇メートル、直径五四メートル垂直に立てれ て、を一挙に作ることも可能となりつつあるとい っ ば東京タワーよりちょっと短かいほどといえば、その大 ぎ び できさがわかっていただけるだろう。 そうなれば、製造コストもかなり安くなり、エレクト と 一案によると、貨物四五トンと、乗客四百人を積み、 ロニクスの世界は、革命的な影響を受けるわけた。エレ 繊時速一〇〇キロほどで、地球のどこへでも無着陸で飛ぶ クトロニクス日本の名を守るためにも、各メーカーは懸 ス す ことができる。このほか小型自動車一五〇台と乗客を連 命の努力を続けている。 ん ばせ、フェリー ・ポートならぬフェリー飛行船とする案 え もある。 ◇浮ぶガラスの橋 ( 英 ) いまの飛行機の旅は、むやみと早いだけで、何の面白 さ人間の考えることは、まったくおもしろい。そのびと 味もない というのが、設計者たちの主張。ところが つの例が、英国に登場したガラス繊維の橋である。 この飛行船には旅客船並みの船室、遊歩デッキ、劇場、 橋といえば、だれでもコンクリート や鋼鉄の、高アー 理容室、食堂などがついていて、心から旅を楽しむこと チや長い桁を思い浮べるだろう。高くするのは船を通し がで tJ るようになっている。 たり、出水のとき路面が冠水しないためである。 たとえ装置が故障をしても、不時着は自由自在。緊急 だが船の場合はともかくとして、冠水しないために高 連絡のためには、小型旅客機を積み込んでおき、急ぐ人 くするのは不経済な話。水面に路面を浮べて置けば、何 うなアイデアを広く採用してはいかがなもの。交通確保はそれで地上へ送り届けるようにするのだそうだ。 も大工事をする必要はなくなるはずだ。 と公費節約の一石二鳥だと思うんですがね。 設計によると、原子炉など推進機間は、プロべラも加 こうして考えられたのこのガラスの橋で、強化ガラス えて五四・四トンで作ることができるらしい。「飛行船 ◇実現するか原子力飛行船 ( 米 繊維の中に、発泡プラスチックが詰めてあり、極めて軽 は前世紀の遺物どころか、ユニークなあすの交通機関。 これを水面に浮べ、つなぎ合わせるだけで、立ちど 昨年秋、ドイツのツェッ。 ヘリン伯号以来三十九年ぶり 大いに期待しよう」と、飛行船党の面々は呼びかけてい ころに橋は完成する に、世界に三隻しかない飛行船の一隻、飛竜号が日本各 る。 水面が上っても、橋の路面が上るだけで通行には全く 地を飛びまわり、大きな話題をまいた。 支障がない。船は通れないが、もともと下を船が通る橋「いまさら飛行船など : : : 」と、大空のこの愛敬ものに 8 9

6. SFマガジン 1969年5月号

′、ヤカワ・ノンフィクション 向後英一訳 / 予 480 ン , ェイ ンガ、ポールは陥落した。 月 1 4 2 」レ ' といわれた大英帝国の要 事な戦いを展開した日本 塞は 勢ん : ・界を夫ぎ第変えたこの戦闘の意味を こ、はこ 3 , 央国植民地主義の歴背景に鋭くえぐる傑作ー ■新シリース《ワールド・アフェアーズ》 ? 電駭させたフランス フランス学生革命 《 3 革 = の 3 カ月を、新聞・ ーなど、当時の厖大 バリケー 克明に再現しなが を追求して、フラ 第 - 百に売れた話題の書。 L ・リュー / 、決定版 ! 市 岡村孝 り、圧倒的な米軍 メアリイ・マッカン , げることなく抵抗を続 る北ヴェートナム民衆の生活と戦 師したマッカーシ りのままの姿をしる 村上博基な / Y40 すと 且国アメリカを痛烈 解 = 、エトナム報告ー 死のオーストラリア縦断 、恐るべき空白 ラン・ムーアヘッド / 尾塩尚訳 / 予 Y520 - , 、オーストラリア初縦断に成功しながら、 とも行き違って、果て 一探検隊の運命を、 鮮烈にえがいた英国文学協会賞受賞作 ! 絶讃発売中 世界を変えた戦闘 第 0

7. SFマガジン 1969年5月号

ハヤカワ S F シリース 最新刊・近刊 ジャック・ウィリアムスン野田昌宏訳 航時軍団 存在し得る可能性を持っ二つの未来世界が、その実在を賭けて闘う熾烈な時間戦争′・定価三三〇円 リスン倉久志訳 テクニカラー・タイムマシン タイムマシンを駆って過去へ飛んだ撮影隊が繰り広げる、奇想天外の現地オール・ロケ′ 価二八〇円 ハート・ < ・ハインライン高橋豊 動乱ニ一〇〇 西膰一二〇〇年ーー第 = 一次世界大戦後のアメリカは、新しい暗黒時代へと突入し シオドア・スタージョン高橋豊訳 奇妙な触合い 現代文学に強烈な衝撃と新鮮さをもたらした幻想派の巨頭スタジョ異色短篇集。価三五〇円 画像文明石原藤夫 サイエンティフィックな創意と想像力に富んだ、日本界のホの第一一傑作短篇集。定価三三〇円 ポール・アンダースン 無限軌道 千人の開拓者を乗せて、無辺際の宇宙空間を突進す植船団の運命はいかに ? 定価三〇〇円 星新一 午後の恐竜 ショートショートの名手が贈る、ユーモアとエスプに富んだ十世紀の新しい寓話集。定価三三〇円 アーサー・ 0 ・クラーク平井イサク訳 白鹿亭綺譚 酒場〈白鹿亭〉の常連が披露する途方もないほら話ーー軽妙なタノチで描いた巨匠の異色集。定価三二〇円 ロ 三六〇円

8. SFマガジン 1969年5月号

らも 8Z8 の作品を読破していきたいと思見事に表現しています。仮説とは単なる奇 。返事は必ずします。 います。「虹の彼方」「情報エリート」「地抜なアイデアのみを意味しているのではあ ( 東京都杉並区方南 2 ーー一〇六 井元奈津 ) 球の汚名」は三者三様の良さが出ていてほりません。人間を深く見つめ、真剣にその とんど差がありません。ラッセルは最近在り方を考えるところから自ずと浮び上が ャスパースの死が報道された日に にわりと紹介されるようになって、文ってくるものです。そのような真の意味で 四月号を手にしました。まず″てれぽー 体に慣れてきたのかだんだん好きになってのは非常に数が少なく、作品と言 と″を開いてびつくりしました。立石喜一 きました。石原氏の作品はガーンズ・ ( ックわれるものの大半に愛好家としていっ 郎氏の″哲学″についての文章です。″小 でも採凧したかもしれませんね。豊田氏のも軽い失望を感じざるを得ません。日本 説が哲学であり得たのはプラトンの時代だ 作品で少し残念に思うのは、主人公の性格 @作家諸兄にお願いします。アイデアだけ けなのだから″と氏はいっておられます。 をもっと強く、魅力的にしたら印象深いし に走らず、あなたの全力を投入して、濾過 しかし、それは哲学について単にアリスト い作品になったのではないかと思います。し、蒸留してでき上った純粋な結晶のごと テレス的な分類のみを頭におかれているか 最後に英米で無視できなくなってきた〈新き作品を発表して下さい ( 長崎市本原町三六ー七長野孝道 ) らではないでしようか。けれども哲学は現 しい波〉の作品を日本でも誰か書くような 代においてはるかに拡がりました。実存主 人が現われてくるのを期待します。 初めてお便りします。私は中学一年のエ義、構造主義、そして極大への宇宙物理学、 ( 三重県北牟婁郡長島町 四月号の概評を僕なりにやってみまし ス・ ( ーです。エス。 ( ーなんて言っているけ極少への素粒子や、の探究、 二七六ー五石田秀敏 ) た。「旅行かばん」はまったくの好みの問 ど、テレバシーの練習や、サイコキネシスこれらは。 ( スカルのいう無限大と無限小の 題で、的というのではなく主人公に魅世界 (f)@全集レムの作品を読了しました。のための精神統一を、よくや 0 ている = ス問題にぶつか 0 て哲学の領域に接近しつつ せられたからです。僕もいっか長篇をとても良か 0 た。人間とは何かということパー見習い生のプアンです。わりとあるのです。だから僕には二一世紀が哲学 書きたいと思います。 ( たぶん友人に無理を考えさせられます。顕微鏡の下のゾウリ若い方のファンだけれども、熱心にの世紀のように思えるのです。同じように いって読んでもらうのがおちでしようが ) ムシが人間の存在を知らない ? のと同様を読んでいます。四月号の「地獄の ( イウ小説も哲学と結びつきます。たとえばカフ すると主人公はどうしても「旅行かばん」に人間もまたあまりにも超越的な人間より = イ」はよかった。「異境」は、テーがカの全作品、特にいくつかの短篇はも のジ = ーのような男になってしまうと思うも高度な存在のことを気づかずにいるのでよかったと思います。この小説に地球と いのです。的といえばニーチェの『ツア のです。次にクラシック = ーナーも快調ではないでしようか ? 人間の知性の及ばなうものが、いかにすばらしいオアシスであラトウストラ』 ( 詩の型で書かれた小説 ) すね。毎号楽しみにしています。さて「月い存在が宇宙にはあるのではないでしようるか、またなぜ地球が古くさく、孤独になや『喜ばしき科学』の中の狂人のアフォリ 下の怪影」ですが、文句なしに面白かった。 か ? そもそもこの大宇宙の中での人間のっていくか、ということがあらわされていズム。これらは哲学ではないでしようか。 伊藤典夫氏がいうところの〈新しい波〉も存在、とはいかなる意味を持っているのでるように思います。を読んでみて、 なるほどの愛読者になって数年にな よく分からないのにやはり読みたいというしよう。人間とは何か、その存在の意味は超心理学について、あまり出ていないのでりますが、哲学と真剣に感じた作品はあり 魅力は感じますが、でもどうしても古き良人間が人間である限り解らないことなのかも 0 とのせるようにして下さいお願いしまませんでした。そのほとんどが = ンタティ きにどうしても一歩を譲 0 てしまうのも知れません。人間のち 0 ぼけな脳ミソで、す。私はほんとうのというのは、何ンメントに近いものでした。も 0 とも僕は です。で、またまだ修業の未熟さからこの広大無辺な宇宙の真理を究めようとすを基準にして言うのか知りませんが、の = ンタティンメントを否定する者で くるのかと自分を励ましています。「地獄るのは単なる妄想なのか ? 人間の知 0 てとは、想像、未来、シーン、抽象、そのはありません。むしろその魅力にとりつか の ( イウ = イ」、にはどこか共通点いることは有限なのに、それなのに知らな他、すべてをひ 0 くるめて、私は現実に半れているかもしれません。でも、 = ンタテ がありますね。伊藤氏によればは いことは無限にあるように思われます。だ分姿をみせ、次元を越えて抽象に半分姿をインメントと飄刺。それに俗 0 ぽいヒ、ー 〃アウター・スペース〃ではなくルイナーけど人間は大いなる空想の翼を持っていまかくしているものを、本当のだと思、 ・しマニズムやモラリズムのみに頼った作品ば ・ス。〈ースみへ向う傾向 ( それとも必然かす。その一羽ばたきで何百光年も跳躍できます。私にもよく言いあらわせない、なに かりでは文学としてかたわです。そんなこ な ? ) にあるそうですが、この作品も舞台るということは何とすばらしいことか ! かが感じられるものがの本体ではないとで純文学を否定したりするならばそれは を地球に限ってますね、これはわざと外宇私の考えではとは仮説の文学だと思うでしようか。最後に、の研究をし、 自閉症患者のひとりよがりみたいなもので 宙を締め出すことによ 0 て情熱を内面へ向のです。に対して無知な人はこの仮説 = スパーへの道を歩んでいられる方、もししよう。 ( 東京都世田谷区豪徳寺 けようとしているのだと思います。これかの意味をご存知ないのです。レムはそれをくはス・ ( ーの方、どうかお手紙をくたさ 一ー四二ー九塩見信太郎 ) 202 ー

9. SFマガジン 1969年5月号

「ばかにしていたことは知っているよ」 「忘れるといったって、ぼくたちは夫婦だ」 「それはそうよ。あなたの家は、運よく土地を自分のものにして、 「そうよ。だから財産については問題はないでしよう。幸い私は若 5 、それの値上りで金を作ったんじゃないの。成り上りといったってふ いから、再婚だってできるかもしれないわ。子供ができてなくてよ つうの成り上りにはそれなりに努力なり、才能なりがあるわ。あな かったわ」 たの家はそれもない。そういう元は、私の家が昔から持っていた土そういうと、妻は目の前から消えた。 地をただ同然で手に入れたんじゃないの。小作人のくせに、私と結それから、すぐに彼は見舞客が続々とつめかけるのにてんてこ舞 婚するなんて生意気よ」 いだった。友人、知人、従業員、いろいろな人が、入れかわり、立 「でも、君の家だって、ぼくとの結婚をそれほどいやが 0 てはいなちかわり、彼の目の前に現われた。 かったよ」 「どうも、このたびは : 「それはそうよ。私の家は落ちぶれていたし、私は素行が悪くふつ 「七日たったわけですね。そんな気がしませんわ。つい、きのう、 うじゃ結婚できなかったもの。例え乞食相手だって、私と結婚するお目にかかったような気がしていましたのに」 相手がいれば、喜んでさせたでしよう。それに、正直なところ、私「とにかく、けりをつけた方がいいよ。そういう意味ではいいじゃ の家なんて、このあたりでは旧家ということになっているけど日本ないカ 中、どこにでも、いくらでもある小地主だもの。家柄なんてことを「伺おうと思ってたんですが、出張していたものですから : ・ : ・」 いえるほどじゃないのよ , 彼らは、彼が返事にとまどっているのにも無頓着にのぞきこんで 彼女はそういって彼をにらみつけてから、 は勝手な挨拶をしていった。 「ただ、あなたの家にくらべるとましというだけよ。そのあなた 一しきり客がたて混んだが、やがて目の前に現われる数が減り、 が、弟の結婚相手の地位や職業についてとやかくいうんだから、世途切れがちになった。彼はのどが乾いたので、水がのみたいと思っ の中ってのは面白いものね , た。しかし、声を出して呼んでも、誰もいないらしく、返事がなか 「そう、頭ごなしにいうなよ」 った。彼はおそるおそる首を動かして見た。首は動いた。痛みもな 彼は閉ロしていった。 かった。これにはげまされて、肩を動かしてみたが、何ともなかっ 「ともかく、君に尊敬されているとは思っていないけど、そうずけた。彼はそろそろと上体を起こしてみた。背中も腰も、別に何でも ずけいわなくてもいいじゃないか , なかった。どうやらなおったらしい。あれだけの負傷ーーーもっとも 「でも、今いっておかなければ、もう永遠にいうチャンスはない どの程度だったか、彼自身は見ることもできなかったが わ。だって、私はそう悲しんでいるわけじゃなし、もう忘れてしまそのように、全快した。気を失なっている内に運びこまれたので、 うかもしれないもの」 どこの病院だかわからないが、案外腕のいい外科にかつぎこまれた

10. SFマガジン 1969年5月号

そく、あこがれの恐竜君との会見に出かけた。地下鉄に乗りまちが型のものはこれがまた、エムシュウイラーのイラストにでもありそ えてハーレムのどまんなかにおっぽり出されるやらなにやら、とに うなすばらしいやつで、ジュラルミンだかステンレスだかの塊をと ーヨークの地下りあけ、鋭いナイフでサクリサクリと切り落して格好をつけ、窓の かくやっとのことでたどりついた。なにしろ、ニュ 部分をグイと深くのみでくりこんで : : : という感しである。行先表 鉄の不潔で無気味なことは言語に絶する。博物館のあるセントラル ーク西八一丁目駅などはむき出しのコンクリ ートに十ほどの裸示板がとてもカラフルでこれがまた一段と : アメリカ自然史博物館には、この八十一 まあそれはとにかく 電球 ( 三分の一は断線している ) が盗難防止の枠に包まれて、三〇 丁目駅のホームからそのままじかに入ることができる。螢光灯があ メートル毎ぐらいにぼつん。ほっんとついているだけという妻まじい もの。こんまりはやらない国だからホンワカとした感じの地下ホールの左側は つまり、眼の前に並んでいる無数の食いものの なところでキャフェテリア 兄ンちゃんなかからたべたいものをたべたいだけ選んで自分の皿に盛って貰っ 0 てその分だけ銭を払うというしかけーーーになっているのだが、日本 風のニグロ の一団なんの博物館付属の食堂が大抵の場合に薄暗くて、不潔で、みみっちく かと擦れ違て、安っぽくて、とてもコカコーラの一杯飲む気にもならないのと すったのではちがって、すばらしくスマートで居心地のよさそうな店だった。豪 者 まったく生勢といえば、メトロポリタン美術館の食堂、これはもう本格的なギ 5 リシャ様式の黒大理石のつくりに、正装したウェイターが歩きまわ きた心地は ム っていて、予約で一杯という札がぶら下っていたが、恐れ多くて我 しない。電 々なんそが入れるような雰囲気じゃない。 車そのもの の 2 ありていに言うと、アメリカ自然史博物館の展示物そのものは大 館にしても、 古いやつは部分、べつに唸るほどのものではない。世界各地の哺乳類や鳥類の 史 剥製、アメリカ・インディアンやアフリカ土人の歴史と分類などそ おそろしく れそれ膨大なものであり結構なものにはちがいないが、まあそれだ 古ぼけた今 メ けのこと。蛋白質の生成や z と遺伝情報の話は、テーマが最新 ア のものだけに、すばらしく手の込んだディスプレーとその中にオー ラになりそ ト・スライドやエンドレス映画をいくても組みこんだ贅沢なものだ うないやな が、むつかしくてなんにもわからない 臭気のする 地下から始めて一階、二階と順に上って、ついに四階にたどりつ やつが走っ ている。もき、階段のすぐ脇のホールに何気なく入ったとたんまさしくそこ ちろん最新に、あのプロントザウルスがいたのである。それは『ライカ・マニ 7 ・ⅱⅱいⅱⅱい