「反重力装置さえ開発すれば、交通問題は一挙に朝十一時近く、琵琶湖ホテル別館ホールで、総括 ーティング。まず実行委員長小松氏が立 ? て、 8 解決する。この装置があれば、魔法の空飛ぶジュ ウタンみたいなロマンチックな交通機関が実現すこれまでの経過をふりかえり、この画期的な 人の国際会議を成功させることができたのもひと るわ」 ( メリル ) えに、海外からの参加者の寛容と励ましと情熱の 「重力をへし曲げる超密度の中性子物質の輪で、 亜空間への入口を作り、あっというまに遠隔地へおかげ、と感謝をのべた。 飛ぶスペース・ワープ方式をおすすめする」 ( ク次に、参加者全員の共感と連帯、の向上、 ラーク ) を通しての人類の末来への貢献をたがいに確 場という空想科学型あり、さらには、交通機関の認し、さらにこれを第一回として、さらに広く大 ム開発の必要性そのものヘ疑問を投げかけて、「なきな規模の国際会議開催を、参加者全員の名にお ウぜ動かなけりゃならないのか ? 動かなければ安いて世界中の人に呼びかけるコミュニケの作 成を提案。大伴事務局長から「共同宣言」草案が ポ全だ、金もかからない」 ( 星氏 ) ン 「いまの自動車は速すぎるし、超音速機は遅すぎ出され、若干の訂正ののち、全員の拍手と署名に よって採択した。 6 る。未来では、電話とテレビですべて用がたり、 第・ル出歩く必要がなくなるだろう。交通機関はレジャそのあと、ソ連を代表してザ ( ルチ = ンコが実 1 化し、ロケットと自転車の両極端が喜ばれるよ行委員会への感謝と全員への祝福の意を表し、 都うになるだろう」 ( クラーク ) と主張するアンチ「次のシンポジウムはもしかしたらソ連で聞くこ ・スビ 1 ド党ありといったぐあい。そしてこの最とになるかもしれない」と結んで、盛大な拍手を 後の疑問に答えるように、この日三人目の特別ゲ受けた。ついでアメリカのポールが立って、「こ 書 スト、京都大学の社会学者加藤秀俊氏がこう話をれまでほとんど英語に訳されたことのなかった日 本ののアンソロジーを、・せひアメリカで出版 しめくくって、聴衆に深い感銘をあたえた。 「人間はスビードの価値を人間の価値そのものと・するよう努力する」と発表、イギリスのオールデ 錯覚しがちだが、じつはビジネスの価値にすぎなイスも「このシンポジウムの成果として、同じこ い。このさいもっとス。ヒードの価値を考えなおすとをイギリスでもやりたい。それは同時に次のシ ンポジウムへのいしづえとなるだろう」と述べ、 必要があるのではないか。われわれ人類はみな、 地球という空間を走る乗物に乗って、未来へ運ば日本側から感謝の拍手を浴びた。最後に小松氏 などといういささか無責任な提案 ? から、 れているのだ。この乗物をもっと大切にし、もつが、本シンポジウムが第一回となることを望みつ 「ペ 1 リング海峡をせきとめて、ロンドン・パリと乗り心地のよいものにしなければいけないと思っ、閉会を宣言、全日程を無事終了した。 ・モスクワ・ ~ ニューヨーク・・フェノスアイレス・ う」かくて、名古屋シンポジウムは盛況のうちにそして午後十一一時半、全員が万博会場へ移っ 南極を五日間で結ぶ原子力超音速列車を、各国の終り、夕刻五時半、東名高速・ハスを利用し最後のて、エキスボ・クラブでお別れパーティを開き、 二時半に散会。すでに見学ずみのクラークをのそ 協力で実現させよう」 ( ザ ( ルチェンコ ) 移動地、大津の琵琶湖ホテルへと向った。 く全員が、待遇で各館を見学 ( クラークは 「引力を利用した地球貫通列車はどう ? 地球深 くでカー・フして再び別の地表に出るトンネルを掘■最終第六日 ( 九月三日 ) 総括ミーティング及び大阪空港からシンガポールへ向かった ) 。ふたた って、入口から落下させねば、中心点から先は引お別れバーティ大津、琵琶湖ホテル及び大阪千び琵琶湖ホテルに一泊して、翌九月四日午前、新 幹線で帰京、別れを惜しみつっそれそれの故国へ 力に引かれて減速し、出口でビタリと止まるしく里ガ丘、万国博会場エキスボ・クラブにて 飛び立っていった、おそらくは、二度と忘れ得ぬ みだ」 - ( ・ヘレジノイ ) いよいよ本シンポジウム最終日がやってきた。ー思い出を胸にだき、またあとに残して : ・ と・いう規模雄大な科学派あり、
緊急特別取材 ■来日作家たちの到着第一声 ・・ハインライン、レイ・・フラッド・ヘリ、アイザック アシモフ、ソ連のイワン・エフレーモフ、ストルガッキー兄弟な 「ジェット・オデッセイ三〇〇一だね」 ( 八月二十三日 ) アーサー・ O ・クラーク ( 。ハン・アメリカン三〇〇ど、日本のファンにもおなじみの作家たちゃ、イギリスをのそく他 のヨーロッパ勢の不参加は、期待が大きかっただけにシンポジウム 一便で来日したから ) の成否に重大な影響を及・ほすのではないかと、疑念する声も出たこ 「モスクワは今日も十度だった」 ( 二十七日 ) ワシリー ・ザハルチェンコ・ソ連代表団団長 ( このとは事実である。 しかし、数こそ減ったが最終的に米英ソ加から八人の作家たちの 日東京は三十度を越す猛暑だった ) 「ガスマスクを持っていけっていわれたけど、だいじようぶ、息が参加を得て、つつがなく五日間の全日程を終ったとき、その懸念は まったくの把憂にすぎなかったことがわかったのは喜ばしい。シン できるわ」 ( 二十八日 ) ジュディス・メリ / ポジウムの前夜、レセプションの席上で、イギリスのプライアン・ 「時差のおかげで四度食事させられた。でも以前ヨーロッパを旅行・オールディスはいみじくもこういった。 「この会議は、いわば したとき、一日三度朝食をとったことがあるから驚かないが : : : 」という国際言語を仲人とする、東と西の結婚式である」と。 ( 同 ) まさにその通り。東と西の作家が世界の史上はじめて一 フレデリック・ポール夫妻 堂に集り、同じ空気を吸い、同じ問題を論じあい、そしてイデオロ 「スモッグで空が見えないって聞いてきたが、なんだ、金星が見えギーと観に違いこそあれ、だれもがをたんなる娯楽小説と してではなく、人類の文化とその未来へのアプローチにきわめて有 るじゃないか」 ( 二十九日 ) 効な機能をもっ文学として、積極的に育てていこうという真摯な姿 プライアン・・オールディス 勢をもっていることを、たがいに確認しあったのだ。これはたいへ んな収穫である。 ーはじめに 当初、国際シンポジウム実行委員会は、約人の招待作家を予定その上これを契機として、今後より活湲かっ緊密な国際交流をは した。ところが開催期日が迫るにつれて、残念ながらそのうちかなかろうという機運が高まってきたことを考えるならば、この世界 9 りの人数が、参加を強く望みながらも健康、日程、経済上などの理史上初の国際会議は期待通り、いやそれ以上の成果をあげたとい 由からあいついで来日不可能になってしまった。とくにアメリカのうことができよう。 国際シンポジウム速報レポート
空想科学小説 国際 S F シンポジウム第 1 報 ・ヒ作、家第新長篇連籖 脱走と叺サ / / ヾ・井康隆 ・■今月のガフー・シートショート 2 前新宿で、光瀬龍 ■特選ノエルく前篇・ 160 枚 > 、、 .. ジ 3 ナサ、ン ! ホ・の不愉快な職ーハイ ■特別・ 7 ( セプノ・ ・ P' 春章太郎、、 巨匠最第作第 時間線のぼろうシマアー , 、一グ、 第 3 、回 éA 0FiCIENCE 日 C 引 0N & FACT 早川書房
参加五カ国 ( 日米英ソ加 ) 」 4 ー司 8 月 31 日より , 9 月 3 日に至る 4 日間 , 東京 , 名古屋 , 大津において国際 S F シンポジウムが開かれました。 それに出席した世界の職業 SF 人は , 各国における事情の違いはあれ , おた がいに深い理解と共感を持っことができると信じている点において , 全員の意 見が一致するに至りました。 私たちは SF を通じて結ばれ , 私たちが一つの家族であることに気づきまし 0 私たちは人類愛にもとづく確信をもって , SF が世界平和のために , 未来と 人類のため , 大きな効果を発揮しうるようになるものと信じております。今回 のような S F シンポジウムが , ひろく世界中の S F 職業人に参加を呼びかけ , かっ参加国をふやしつつ , 各国の持ちまわりで数年ごとに開催されることをわ れわれ全員が希望し , 期待しております。 席上 , アルゼンチン , ブラジル , ブルガリア , チェコスロヴァキア , ポーラ ンド , スカンジナヴィア , その他世界各国の SF 事情の報告がなされ , それに よって今回参加できなかった国々の人びとも同じ気持であろうと思われます。 今回得た貴重な経験にもとづき , 今後とも参加者全員が , できるかぎり , の方針の実現にむかって個人的努力を惜しまないことを確認します。そしてそ のためには , 学校において SF 教育への関心が深まり , SF 専門図書館がいた るところに設けられるようになればいいと思います。 S F の向上と , 世界の S F 人の協力によって , 地球の未来と , 人類の子孫の ために貢献できると信じています。 われわれは , 以上を確認したいと思い , 今回出席した世界の職業 S F 人が新 たな希望と信頼をもって , ここに署名いたします。なお , 海外からの参加者が , 真の SF 精神が生きているこの国を訪れる機会にめぐまれ , 日本側委員の努 力と歓待と , 優れた運営に接し , 心から満足していることを附記します。 地球と人類のより良き未来のために 1970 年 9 月 3 日 日本・屁琶湖ホテルにおける最終パーティにて ( 署名 ) プライアン・オールディス ( イギリス ) 浅倉久志 ( 日本 ) ー 55
1970 年 9 月 3 日国際シンポジウム終了に際して ワシリイ・べレジノイ ( ソビエト ) アーサー・ C ・クラーク ( イギリス ) 深見弾 ( 日本 ) 石川喬司 ( 日本 ) 伊藤典夫 ( 日本 ) 大伴昌司 ( 日本 ) ・パルノフ ( ソビエト ) エレメイ フレデリ ック・ポール ( アメリカ ) ・カガリッキー ( ソ連 ) ューリ 高斎正 ( 日本 ) 小松左京 ( 日本 ) 真鍋博 ( 日本 ) 眉村卓 ( 日本 ) ジュディス・メリル ( カナダ ) 森優 ( 日本 ) 斎藤伯好 ( 日本 ) 豊田有恒 ( 日本 ) 矢野徹 ( 日本 ) ヴァシリイ・ザハルチェンコ ( ソ連 ) (ABC 順 ) 註 . 署名者は最終日に出席したもののみ 共同宣言採択に拍手する作家たち ー 54
工の団編 作想 , 作辺国評を万学 エ一ガ」な 〉頭ジ集」」 作が」 ウズ表任 点で 覧子ャンり ギ波「 ロ編年ズ 思て傑炉同学 1 部科 説 ・ル代責 9 下 科の 1 一ス電ジリ終険イいド。 , 、 ノ誌の一 , ちの ,-«o 工連版 , 学力の探 ( しア数カンフ足リ訳がを , 連 , 分月 者 家う光連・ウ , ソ語 ソ曰癶 3 は 待 集の数 , 者科作 , のソ「訳 ( 本 ギ文科・の新・ ( 多リアイ猫一未 , 厖たカ刊 ) 。作未ワ日 コ , 編面部連学 」ソの点陽 。りス幼宇デぶレなア家イ」ス一ナ・ンてメ「 式 レ 一家表 , コ〉 ク家あネ「「 並グ ) ( 作シ人ジカ宀しア作ノ 正 ン長 > 紙行ソ化所下 ( 一駄 キ論代論ニ学 一作もユ作」 一と「訳ルク商ロ ( ソ躍前表お工団年は発 者ラでも表旅オド作未一ラ宙一ソルン活年代たチ団青誌在フ家研åノ国著二ッ評。評プ文 リ集 ( エト ル表術同現ノ作属星ジ和に「 加ク ()n 者て代の 一表 ( ポ線ャ宇タンリアで 2 ル附新レ共で作ガ編」ジェ 一超べナま表力のを作コ , ビ 参・の学し。宙ラ代」・一ギ「ア , 名カ住一俄んも。 ( ら 1 集創・訳ソ ・イれ代 , ・誌詩さ 一のトけ年。ン・手裸 , のも表 , 巻スのメ題に ( か一第係み受 1 数ア旗のリ派。代訳 7 イ派ア問ダ 一盟雑 , にイデ作一ラそ。訳一第全とナ通く ・の中デ会ト。未全デ会。のナ」影リ同学家。メカ表リク。 ;-k 未リ連ズ一語誌者 外サ界関リを 2 多イ 海一世学ナ賞「どラ , 派のレ社ス長 ( ( ュ社家上力選のシ家科論部レ 1 ア代シウ家 ( 一ソル生リ本雑集 フ ュ ア ジ プス ワ作 とユーモラスに歓迎の挨拶をのべた。 ここに掲載するのは、成功裡に終った国際名人や、東京在住のイギリスの女流幻想小説家ア シンポジウムのあらましを伝える速報レポートでンジェラ・カーター嬢やドイツのハイコン ( 本年そのあと外国作家たちが順に紹介され、 ″日本一上品な人″を自負する失野徹氏の音 ある。なお会期中におこなわれた各氏の講演、 度の世界コンペンション、この八月二十日か ネル・ディスカッション、及びインタービュウのら三日間ハイデルベルクで開催された ) からの帰頭で乾杯。つづいて、オールティス、一グラークが 全容は、本誌上で今後順次掲載していく予定なの途、日本に立寄ったというアメリカのビッグ・フ短かい感謝の辞を述・ヘ、さらに、ザハルチェンコ で、ご期待願いたい。 アン、フランク・ディーツ夫妻といった多士済々が、「は困難な時代に生きる現代の人々に、 な顔ぶれがそろった。 輝く未来を描き示す。の創造がいかに意義あ 第一日 ( 八月二十九日夜 ) レセプション東まず司会役の斎藤伯好氏 ( 翻訳者 ) の紹介で、 る仕事であるかを、ここに集った日米英の同志た 京、ホテル・ニュージャパンにて マイクの前に立った小松氏、こ 0 シンポジウムがちがさらに深く理解することを希望する : : : 」 開催にまでこぎつけることができたのは、彼の超といかにもソ連人らしい演説口調で一席、ここ 歓迎パーティは、三階の広間で定刻六時半きつ人的な活躍に負うところが大きいだけに、さすがで、ファンでアマチュア・フォークシンガー かりに始まった。クラークをはじめオールディ にうれしそう。 の今岡清君が自作の曲『地球の緑の丘』 ( ご存じ ス、メリル、ポール夫妻、それにザハムチェンコ 「はるばる日本においでいただいた外国作家のみハインラインの名作、同題の短篇中に出てくる詩 を団長とするソ連代表団が、正装に威儀を正してなさんは、これまで私たち日本の人にとってに譜をつけたもの ) をギタ 1 演奏、遠く病床に伏 出席。迎える日本側は小松左京実行委員長、大伴は、通信はキャッチできるが姿は見えぬ遠い星のせているという ( インラインに捧けて、喝采をあ 昌司事務局長をはじめ、星新一、福島正実、石川宇宙人みたいな存在でした。それが今こうしてまびた。 さらに余興として、大伴昌司氏の提供による 喬司、豊田有恒、眉村卓、光瀬龍、柴野拓美、伊のあたり拝見し、まるでファースト・コンタクト 藤典夫、森優らインサイドの面々が参加。さ ・テーマのが実現したような、胸のときめき的なコマーシャル・フィルムを三〇本上映℃ らに安部公房、真鍋博、手塚治虫、石森章太郎、を感じます、私としては、もうこれでシンポジウて、参加者の目を楽しませたあと、八時三〇分、 終始友好的な雰囲気のうちに宴を終った。 永井豪、内田少年ガジン編集長ら関係各界の著ムは半誠功主たような気持です : 三・」 ー 50
まの人さえでる盛況を呈した。むりもない。それ ■第ニ日 ( 八月三〇日 ) 本大会】テーマ「とまで遠い存在だった著名な外国作家の顔がじかに 文明」東京、科学技術館にて 拝め、声がじかに聞けるのだから。 十時三〇分。盛大な拍手のうちに、事務局長大 明くる三〇日、いよいよ開幕する国際シン伴昌司氏が開会を宣言。まず、壇上にずらり並ん ポジウムを祝福するかのように、からりと晴れあだ外国作家と日本作家をひとりひとり聴衆に紹 がった夏らしい青空の下を、入場自由とあってた介。 くさんのファンがつめかけ、四百人収容の会暫時休憩のあと、実行委員長小松左京氏の「 場の地下大ホールはいつばい。坐れずに立ったまと文明について」と題する記念講演。 「これまでは、科学がもたらす宇宙や人間に 〈レセプション〉 ついての新らしい認識と思いがけない超日常的ス 右より安部公房、小松左京、べレジノイ、 リルを追求してきたが、科学の発達が文明的状況 星新一、オールディス、ザハルチェンコ、 を化したいま、も転換期に直面している メリル、カガリッキー、クラーク、 のではないか。文学としてのとはいったい何 フの各氏 か、人類にとってとは何かを真剣に考えた と問題を提起し、さらに、 「各国ののよって立っ基盤の違いをたがいに 明らかにし認めあうことによって、をより豊 かにさせ、明日の普遍文学たらしめることができ るのではないか。またが文明の新状況に直面 している人類に、なんらかの役割を果せるのでは ないか。その可能性をみなさんと探りたい」 と、シンポジウムへの期待を述べた。 ここで休憩。一同はホテル・ニュージャ。ハンに 一戻って昼食をとり、再び科学技術館へ帰って午後 の部へ。 〈本大会〉で紹介される作家たち こんどは、ワシリー ・ザハルチェンコ氏の講演 「科学とについて」。 と、科学を先導するの役割を強調した。 「 r•-nc-k 作家が超自然的能力によって、未来を生きそのあと、スケジュールの都合上参加できなか 生きと予言することに驚く。は科学を養分とったアメリカのレイ・・フラッドベリからの丁重な して奇跡的なフィード・ハックを行って科学を前進詫び状がひろうされ、さらに、同氏から本シンポ させる。現実のモデルを組み立て実証するのが科ジウムに贈られた新作の長詩『老ェイ ( プの友、 学だが、それが不可能なときモデルは科学的空想そしてノアの友なるもの、その物語を唱う』が、 すなわちとなる。 . そして一定期間を経るとこ新劇女優瀬能礼子嬢の朗読によって発表された。 の二者が総合、止揚されてサイクルが完結し、人第一線のテレビ・ディレクターである野田宏一 郎氏の映像、音の両面にわたるみごとな演出が、 間の現状は認識の新段階へと進むのだ : : : 」 1
ない 9 私はこれから地球にごく近い話をするから とユーモラスな前置きをして、「宇宙の約東す るもの」と題する講演にはいった。 「宇宙開発は北大な浪費と考えられているが、私 は近い将来、宇宙技術が人類に大きな利益をもた らすだろうと確信する。さまざまの人工衛星の利 ち用によって、資源開発や通信・情報革命がおこ り、また月や惑星は四百年前の旧世界に対する新 ン 世界のように、危険、将来性、機会とを秘めた新 らしいフロンティアとなる可能性がある。宇宙進 、′、け出の偉業は人類をせまい地上の争いから解放して くれるだろう。私は宇宙の探険こそ、かって生物 め っ が海から陸へ進出したときと同じように、人類の に 氏新らしい進化をもたらすものたと信じる : : : 」 ) 京 会 なお、各作家のス。ヒーチのあとにもうけた質疑 左 本淞応答の時間には、若いファンから空飛ふ円盤やシ - れ第物 べリアに落ちた大隕石の謎、作家になる方法 】幻 2 などをめぐり熱心で愉快な質問が出て場内は笑い につつまれ、なごやかな交歓ムードがかもしださ れた。 そのムードは、そのまま夜のプログラム、〈フ アンと作家交歓の集い〉に引きつがれ、司会の野 田宏一郎氏のてきばきとしたリードに、ますます 盛りあがるなかで、楽しい余興とゲームの二時間 があっというまに過ぎた。そしてジャンケンで勝 一いを淑化 ちぬいた四〇人のファンに外国作家たちのサイン 古代の神話を千万年の未来に投影したこの美しい に起こったいわゆる″新らしい波″をはじめ、新入り色紙がくばられたのを最後に、この日の全プ 詩の雰囲気をいやが上にも盛りあけ、聴くものにらしいオリジナルな思考、革新的なアイデア、実ログラムをとどこおりなく終了した。 深い感動をあたえて、しばし拍手が鳴りやまなか験的な着想をもっ作品に対する深い関心、反戦の っこ 0 意志を貫くためアメリカを捨ててカナダに移住し第三日 ( 八月三十一日 ) シンポジウム】テーマ 二時四〇分。この日三つめの講演はカナダ代た事情などを、とっとっと語った。 「はどうあるべきか」東京、ホテル・ニュ 表、ジュディズ・メリル。題して「と私」。 最後に、ひときわ高い喝采と歓声に迎えられて ジャパンにて 彼女は小さい時からのファンジンを出すほど演壇に登場したのは、赤いタイと青シャツをイキ 熱中し、長じてみずからを書きはじめ、かたに着こなしたイギリスのアーサー・ O ・クラーク舞台は変って、第三日はホテル・ニュージャパン わら「年刊傑作選」など多数のアンソロジー氏。「私から新らしい『宇宙のオデッセイ』の話二階広間。中央の通訳席を囲んで、ソ連代表団と を編むに至るまでの経歴を話し、ついでイギリスを聞こうと期待している人は「 - 失望するかもしれ星氏、西側作家と小松・福島両氏がへやの両サイ 2
、・を求め、「我々はけっしてアンチ・ユートの文学に近づきつつある」 ビアを否定しない。ただそれは絶望では ついで石川氏が、日本十年の歴史とその源 なく警告として描かなければならない。 流、現況を説明、誕生と同時に現在のが直面 我々がつねに未来を楽観的に見るのは、する問題にいきなりぶつからなければならなかっ 努力によってそれを実現できると信じるたことを報告し、一一一口語の壁にさえぎられてまだほ 史からで、不幸に対し何もしないのは最もとんど海外には未紹介だが、問題意識の強さ、視 女いけないことだ」と述べ、米ソの未来観野の広さ、文学性の追求の点では世界に優るとも 劣らぬことを強調した。 の相違をはっきり浮彫りさせた。 メ ついでイギリス代表オールディス。 さらに補足として、オールディスが独仏北欧と メリルがカナダの現況を報告。とくに 「わが国のは、アメリカから輸入さ・フラジル、 れたパル。フ・マガジン的通俗と、そカナダでは、図書館がトロント公共図書館に れを種子として育った独自のとの二設けられていることや、中等教育にがとりい 種がある。この事情は独仏、日本も同じ だろう。わが国独自のものとは国会討論 、奥と戸口附近の席に他の参加者及び傍聴者がの伝統が生んだ社会批判テーマ、破減テーマの 陣取り、星氏の司会でスタート。 だ。我々のの根抵にあるのは楽観でも悲観 はじめのプランでは、①各国におけるの現でもなく懐疑である。作者はいわば逆立ちしてま 況説明、②近代以前のの源流、③これからのったく別の角度から社会を眺め、真の姿を描きだ のありかた、と盛りだくさんだったが、実際す。人口増加、テクノロジー制御の問題は宇宙開 には通訳の不慣れで各発言者が大幅に予定時間を発よりはるかに重大で、我々人類家族は今や、そ ・ハーしたため、ほとんど①とそれそれのの住んでいる家を修理しなければならぬ時に来て いる」 観の批瀝、それと若干の意見交換がおこなわれた だけにとどまったのはおしまれる。 と述べ、最後にウエルズの「我々は動物として 第一発言者はアメリカのポール。「とは何あまりにも長く苦しんできた。これからは人間と かを定義しようとすると、象をなでる群盲の話をして苦しもう」という名句で結んだ。 いつも思いだす。私にとってとは、現実の社ここで昼食。 会が今後どのように変っていくかを描くことだ」午後一時半シンポジウム再開。こんどはソ連の として、アメリカの歴史から例を引きつつ、評論家カガリッキーが、「ソ連のは次第に変 彼の観を次ように述べた。 貌しつつある」と次のように語った。 「は科学と文明の発展を予想するだけでな「ウ = ルズの作品に、月〈行 0 た小人物が地球〈 " ↓象熱靆一 ~ 嚇物「】 0 、 く、予想を実現させる働きをもつ。科学者がの帰途やっと自分が全人類を代表していることに からヒントやアイデアを得た実例がたくさんあ気づく話があるが、我々も同じだ。は国それ る。それは社会問題に関しても同様で、予想しうぞれにより表われ方は違うが、他の文学同様人類 るさまざまな未来を描くことによって、より良き全体にかかわる。以前は宇宙への志向をそのまま 社会への方向の選択が可能になる」 共産主義への志向として描いたが、最近は個人に このあとソ連にアンチュート。ヒア小説がない点とって科学の発遠がどんな意味をもっかを追求し を指摘すると、ソ連側 ( ザハルチェンコ ) が発言はじめた。は文学との境界を消減させ、人類 当しはーをー くファンと作家交歓の集い〉ポール夫妻 ー 5 3
と聞いて、クラークが「オー、カミカゼ・エクス応じて道幅の変化する道路だのという奇抜なアイ次々に発表、場内をわかせた。 プレスね」と肩をすくめてみせた。ここでも、 デアを批櫪して場内に笑いの渦をまきおこし、さ「ポンコツになたつら食べてしまえる″テン。フラ ちばん熱心に質問し、写真をとっていたのはザハらに、 カー″というのを、トヨタに開発してもらいた ルチェンコだった。 「今や現実がに追いついてしまっている。 。これなら廃棄処理の問題も解消する」 ( ポー 全行程を終えて、今夜の宿舎、都ホテルに帰りはもっと思いきり空想力を発揮し、スパーク・ ル ) ついたのは六時ジャスト。息つく間もなく、名古フィクションとして科学技術を刺激しリードして「よけいな機械など使わず、人間自身が車輪型に 屋マスコミ界のプレス・インタビューを受けてかほしい」と、しめくくった。 なれば事故はなくなるし、金もかからなくなる。 ら七時半、二階広間の歓迎レセ。フションへ。だがそのあと、場内にスクリーンを張って、野田昌傷つくんじゃないかって ? 交通事故でケガする 一同疲れも見せず、アルコールが回ってくるにつ宏氏提供による未来的な輸送機関を描いたアメリよりましです」 ( 石原藤夫氏 ) れて、日米英ソ・カナダの作家が輪になり肩をく力の。 ( ルプ・マガジンの表紙のカラースライド「タイム・マシン列車はどうだ。速度は時速五〇 み、世界中のポビュラーな民謡を声はりあげて大を、伊藤典夫氏の解説つきで映写。 キロ以下にし、内部の時間を外部よりうんと遅く 合唱。友好ムード満点のうちにお開きとなった。 つづいて、各作家たちがそれそれじぶんの考え経過するようにすれば、事故とスビードアップの た的な未来の交通手段のアイデアやプランを両立が一度に解決する」 ( オールディス ) ■第五日 ( 九月二日 ) シンポジウム】テーマ「空 想的交通論」名古屋、都ホテルにて 朝十時半、同ホテル三階紫雲の間にてシンポジ ウムを開始。その日の議長は小松左京氏がっとめ た。傍聴自由とあって、つめかけたファンは約三 百人ほど。 まず、特別ゲストとして迎えた朝日新聞編集委 員、岡並木氏の講演。「世界の新らしい交通展 望」。日本交通科学協議会評議員をつとめ・日本に おける交通問題の権威である氏は、ニューヨーク 日ポストン間の真空列車など、各国の未来交通計 画を豊富に引例、乗物を選ぶ人間の心理傾向を重 視しつつ、大都会の人口過密を解消するための新「・〔キ らしい大量輸送手段開発への提言をおこなった。 ついで、二人目のゲスト、 前日作家団を歓 迎してくれた名城大の小沢教授が登壇。むかし戦 闘機乗りだったことから、空中の輸送手段を地上 に応用できたら、と考えたのがはじまりと超音速 滑走体研究の動機を語り、作家たちからの質 問や疑問に答えた。 ここで昼食時間のため休憩。 一時半から再開し、まずイラストレーターの真 鍋博氏が、使ったあと消える道路だの、交通量に 〔上〕トヨタ本社前でクラークと小松氏 〔下〕左からザハルチェンコ , オールディス , パルノフ 7