参加五カ国 ( 日米英ソ加 ) 」 4 ー司 8 月 31 日より , 9 月 3 日に至る 4 日間 , 東京 , 名古屋 , 大津において国際 S F シンポジウムが開かれました。 それに出席した世界の職業 SF 人は , 各国における事情の違いはあれ , おた がいに深い理解と共感を持っことができると信じている点において , 全員の意 見が一致するに至りました。 私たちは SF を通じて結ばれ , 私たちが一つの家族であることに気づきまし 0 私たちは人類愛にもとづく確信をもって , SF が世界平和のために , 未来と 人類のため , 大きな効果を発揮しうるようになるものと信じております。今回 のような S F シンポジウムが , ひろく世界中の S F 職業人に参加を呼びかけ , かっ参加国をふやしつつ , 各国の持ちまわりで数年ごとに開催されることをわ れわれ全員が希望し , 期待しております。 席上 , アルゼンチン , ブラジル , ブルガリア , チェコスロヴァキア , ポーラ ンド , スカンジナヴィア , その他世界各国の SF 事情の報告がなされ , それに よって今回参加できなかった国々の人びとも同じ気持であろうと思われます。 今回得た貴重な経験にもとづき , 今後とも参加者全員が , できるかぎり , の方針の実現にむかって個人的努力を惜しまないことを確認します。そしてそ のためには , 学校において SF 教育への関心が深まり , SF 専門図書館がいた るところに設けられるようになればいいと思います。 S F の向上と , 世界の S F 人の協力によって , 地球の未来と , 人類の子孫の ために貢献できると信じています。 われわれは , 以上を確認したいと思い , 今回出席した世界の職業 S F 人が新 たな希望と信頼をもって , ここに署名いたします。なお , 海外からの参加者が , 真の SF 精神が生きているこの国を訪れる機会にめぐまれ , 日本側委員の努 力と歓待と , 優れた運営に接し , 心から満足していることを附記します。 地球と人類のより良き未来のために 1970 年 9 月 3 日 日本・屁琶湖ホテルにおける最終パーティにて ( 署名 ) プライアン・オールディス ( イギリス ) 浅倉久志 ( 日本 ) ー 55
でこそあ ? て、占星術者の介入を許さぬ吉祥のしるしとしてむかえ の司、主の御言葉をその子らに伝えんがために : 、、・、 られた。 『種子は神のことばなり : : : 』このキリスト聖書の中の言葉をとり こんた予言書『種子の章』が、いかなる方法、先験、予見的認識カ 表一〇二年東方ガゾリ ' グ千年戦争の終結。二 0 の世界 年己 線確定 をもって行なわれたのか、それは、今なお神秘ではあったが、この い二五三年四位一体論の勝利。第十三次宗教会議 『南方聖典』の膨大さの中にあって、ほとんど聖職者、教義学者た 四一二年異端者ダルコダヒルコの斬刑 福 ちの注目をひかなかった部分を想いだして、同じく同様の膨大なシ 至五五三年空間航法における〈場〉の理論発見 グメン天文台年鑑の片隅にのった小さな発見と結びつけた一人の下 下五七六年イ = ロ = ムス・、ホッシ = 作〈快楽の園〉の解 級学僧の名は、今は有名となり、衆人の推薦によって、東方聖域区 釈をめぐる異端論争。焚書刑 レ 第一聖職者の地位についている。同じく、この不思議な植物星の発 一七〇八年大飛躍航法の実用化 見者は、その後、法皇庁内天文台長として、年金をあたえられて、 ュ 八八六年ローラン航路の発見。教国圏の拡大 チ 安楽な余世をおくっているのだった。 ジ九〇〇年東方境界線の設定 この聖なる衛星は、天文年鑑登録番号、大角座六八番恒星系、第 イ 九六五年カタヴォロス星発見 三惑星付属衛星といったが、キリスト暦二〇世紀の哲学者兼工業デ ザイナー、ウィリアム・カタヴォロスの名をとって、カタヴォロス 想えば、イジチュール世襲治下の紀元一千年の期間は、内外世界星と呼ばれていた。 むろん、理由はあった。この植物衛星は、カタヴォロスが提案し をとわず、まこと平穏無事な御代ということができた。 むろん、最大半径二〇〇光年にわたゑ壮大なるこの大教皇国た有機的化学建築の概念に、酷似していたからであった。 に、大小無数の数限りない事件、事象、発見などがあったが、この だが、予言者イジチ = ール、即ちイジチ = ール一世とこの前記ウ ィリアム・カタヴォロスの因果関係は、現在、不問にふされてい 春うららかな日和のようだった一千年間にあって、池に投ぜられた るっというよりは、神聖裁判所の判決例が示しているように、イジ 小石の波紋ほどのこともなかった。 至福一千年 , ーー。と称せられる、イジチ = ールの御代は、栄えにチ = ールの神聖は、唯一絶対にして、侵犯すべからざる法皇教国権 の神聖独立性に包合されていた。 栄え、教国民たちの敬愛と感謝の念は、歴代の法皇に寄せられてい 事実、ある家系学者は、あえて、この両者の血統的研究を発表し たのだった。 従って、最後の世紀もおわりまちかい九六〇年代にあって、発見ようとして、斬舌の判決をうけたのであった。 されたカタヴォロス星のことは、法皇の権威をますます高めた事件それはともかく、この聖なる星は、イジチ、ールの神聖なる空想 ・ヒックジャン・フ
番組中一位だったというのに、君がその面白くない話をはじめてか がどこかにあるはずだった。そしておれには、それがこのスタジオ らびりに転落した」彼は顔をまっ赤にして怒っていたが、・ とうやらの中のどこかにあるような気がしてならなかった。それはおれがこ 2 赤い顔料を塗って顔を赤く見せかけているようでもあったし、必要のスタジオへ入って以来、ずっと感じ続けてきたことだったのであ 以上に大きな動作でけんめいに腹立ちを表現しているようでもあっ カメラの彼方には副調整室と呼ばれるポックスがあり、この部屋 一方、怒鳴られた方の中年男も調子を揃えて大きく驚き、眼を見を見渡せるガラス窓の彼方にひとりの男が立ち、にやにや笑いなが ひらいて恐怖を表現し、身をしゃちょこばらせ不必要なほど恐縮しらこちらを眺めていた。やがておれは、そのガラス窓のフレームが て見せた。「これは部長 , 大きく身ぶるいした。「しかしそれは、 正確な長方形ではないことに気づいた。それはテレビ・スクリーン わたしが悪いのではありません。この人がいけないのです。わたし特有のあの丸味を帯びた疑似長方形をしていたのである。 はそれでもこの人のわけのわからない話をできるだけ面白くしよう あれだ。 とけんめいの努力をー おれはそう思った。思うなり席を立ってそちらへ駈け出してい 「いや。君の責任だ」上役は彼に近づいて、やくざっぽい調子で胸た。あれが脱出口だったのだ。このにせものの世界全体を眺めるこ ぐらをつかんだ。「わが社の宣伝課長として、この番組を担当してとのできる本物の世界の窓があれだ。あれは本物の世界のテレビ・ くび いる君の責任だ。君は馘首だ」 スクリーンなのだ。あそこに立っている男こそ、本物の世界の人間 くび 「ええつ。く、く、馘首 , なのだ。眺められていてたまるものか。おれもそっちの世界へとび こんでやる。この世界から脱走してやる。 ますます芝居じみてきたため、おれはすっかりしらけた気分にな ってしまった。ふたりは典型的な「サラリーマン喜劇」の一場面を脱走してやるそ。 演じ続けていた。 ガラスで頭を割るか、破れたガラスで頸動脈を切るかもしれなか これがもしドラマでなかったにしても、どこかに彼らの演技を、 ったが、生命よりもほんものの世界の方が大切だ。 そして彼らの演技にいや応なくつきあわされているおれの姿をじっ 疑似長方形のフレームの中心めざし威勢よく頭からとびこんだ時 と見ている観客がいるはずだし、ドラマであった場合は尚さらだ、 には軽い嘔吐感があっただけで、不思議にも窓ガラスは破れなかっ とおれは思い、あたりを眺めまわした。一台のテレビ・カメラがレ た。そこにはもともとガラスなど嵌め込まれてはいなかったのだと ンズをこちらに向けていたが、すぐ、そんなものには用がないこと いうことをおれは知った。正確にいえば、つまりそれはガラス窓で に気づいた。この世界のにせものの情報をにせもののこの世界へ送はなかったのである。薄い靄の層あるいはスモーク・スクリーンの り続けているカメラとは別に、 このにせものの世界全体を、ひとつようなわけのわからぬ白っぽく冷たい気体の壁を通過したおれのか の情報として眺めている本物の世界のカメラのレンズみたいなものらだは、一瞬後、窓のこちら側にあり、フロアーの上に腹這いにな こ 0
になっている。もしも情報がおれの精神の中核部を突き刺したとしもとの世界に戻れるのだ。おれがもとの世界に戻れた時、おれは情 ても、おれにはまだ行動の自由が残されている。だが、考えてみれ報による呪縛から解き放されているのだ。 ばこれこそがにせものの世界のにせものの情報たるゆえんなのであ このにせものの世界のにせものの情報を、はっきりにせものであ ろうけれど、その情報に何ら本質的なものがなく、単に末端的な、 ると証明した時、おれは呪縛から解放されるに違いない。そして今 しかも見せかけだけはいかにも本質的くさい情報であった場合は、 のところ、むろんそんなことは証明されていない。証明されていな そして、すべての情報がそんな情報ばかりであった場合は、それは いからこそ、つまりそれがにせものか本物か自分で確信が持てない おれの行動の自由だけでなく、精神の自由さえ奪ってしまうのだ。 からこそ、おれはがんじがらめにされているわけであって、にせも そしてそれこそ、おれが情報による呪縛と名づけているものなのでのだと思う理由が単なる異和感でしかない間は、おれは呪縛から解 ある。 き放されることはないのだ。それが証明される迄は、おれは情報か 事実、現在のおれは、このビルの最上階の八階にあるおれの部屋ら解放されることはないのだ。 から外へ出たことがないのだ。 情報が本質的でなく末端的であり、ゆえに本物ではなくにせもの 食事も部屋で、テレビを見ながらとる。すべて注文し、持ってきであること、それはどうすれば証明されるだろうか。情報の源をさ てもらうのである。食事をしながらテレビを見ることが可能であるぐればいいのだ。そして、情報が末端的であることを最も露骨に示 している媒体がテレビである以上、テレビを放送している場所へ行 というのに、どうしてわざわざテレビのない屋外へ出て行き、どう き、テレビを放送したり、放送させたりしている人間に会って、彼 してわざわざテレビのないところで食事をしなければならないとい らのすべて、彼らの放送のすべてがにせものであることをつきとめ うのか。 そうだ。そう考えるということこそ、おれが情報に行動の自由ばればいいのである。 そういうことができるものだろうか かりでなく、精神の自由さえ奪われかけているということになるの だ。では行動の自由、精神の自由を得るためこよ、 冫。いったいどうすやって見なければわからない。 行動にとりかかろう。 ればよいのか。いうまでもない。 この情報による呪縛から解き放さ この部屋を出よう。 れることが必要なのだ。では、情報による呪縛から解き放されるた に、いったいどうすればよいのか。それは、このいやらしい 脱走してやるそ。 おれは部屋を出た。 にせものの世界から、もとの世界へ脱出すればいいのだ。脱出。そ れは如何にして可能か。どうすれば脱出できるのか。 自分の部屋を出るのは、この前万年筆を買いに出た時以来二カ月 逆もまた、真なり。 ぶりである。このにせものの世界では、さすがににせものの世界ら 情報の呪縛から、解き放されればよいのだ。それによっておれはしく生活全般にわたり、すべてがルーズな調子で生きていけるよう 2
ダニーは目をこすりながらぜんぶのスイッチを切り、外を眺め彼の種族が生み出したものであるのに気づいた。一つ一つ、彼はそ た。頭上には、弱々しいが温かな日ざしが青味がかった空からさしれらを調べていったーーー彼の財産、これからのわが家 ! こみ、小さな雲が二つ三つ、地上近くにうかんでいた。宇宙船の降テー・フルの上には一冊の本が無造作に置かれ、そこに若い娘の荒 り立った、荒れほうだいの離着床の砂地のむこうには、緑の草原と つぼい筆蹟のある紙きれが立てかけられてあった。好奇心にかられ 濃い密林が見えた。地平線はおそろしく近く、これがほんの小さなて彼はそれをとり上げ、・こびりついた埃をはらいながら、文字を読 世界にすぎないことを彼に思い出させたが、それ以外は地球といわみとった。 れてもわからないほどだ。彼は前方に古びた格納庫を見つけ、アン ダージェットに弱い推力を入れてしばらくテストした。それから、 船体をゆっくり前進させ、中へ入れて、空からは見えないようにし サマーズが墜落したあいつらの宇宙船を見つけ てしまった。 て、わたしを迎えにきてくれました。わたしたちは、にすて ェア・ロックへ急いだ彼は、スイッチを入れた。それが開くにつ きな新居を作るつもり。もし、ジェットが動くようなら、ぜひ れて、草木のさわやかな匂いが流れこみ、近くで小鳥の声がきこえ パ。ハの婿に会いにきてください てきた。まろぶように日ざしの中へとび出していくと、足もとから びよんとウサギが顔を出した。伸び広がった雑草と下生えが、すで 日付はなく、『。 ハ。ハ』が帰ってきたかどうかも、また彼らの身に にまわりの建物を覆いつくしていた。ふと、彼はため息をついた。 なにが起こったのかも知る手がかりはなかった。しかし、ダニーは こんなはずはない。出たとこまかせの最初の試みで、天国が見つかそのメモをうやうやしくテー・フルにもどして離着床のほうを眺め るなんて。 た。まるで、その古びた宇宙船が、この世界を包もうとしているた しかし、建物の外観が、その疑惑を追いはらった。かっては、美そがれの中へ、ゆっくりと這い降りてくるように思えた。『あいっ しい古風な庭園にとりまかれた壮麗な邸であったものも、いまは石ら』 . というのは、戦争のあとでの新人類を指す言葉としか考えられ の廃墟になりかけていた。そのむこう側には、なにかの残骸から作ない。とすれば、ここは彼の種族の最後の前哨であったわけだ。そ られたような、小さな家が建っていた。こちらはまだ健在で、なかのメモは、十年前のものかもしれず、数世紀前のものかもしれない だが、彼の種族は、地球を失ったのちも、ここに残って戦いを ばッタに覆われたドアは、彼が指を触れただけで開いた。 彼らにそれがで この小世界にたえず地球の面影を与えている大原子炉からの電力つづけ、そしてなんとか生きつづけていったのだ。 , で、ヒーターはまだかすかに赤く輝いているが、あらゆるものに埃きて、彼にできぬはずはないー がかぶさっていた。しかし、設備の状態は良好だった。彼はそれら それに、たとえかすかな望みにせよ、彼らの何人かがまだどこか にいる可能性もある。もしかすると、彼の種族は、時と、艱難と、 を眺め、そのいくつかが博物館にあったのとおなじもの、つまり、
に間違いなかった。小さな四畳半の中で、卓袱台をかこんでタ食をコマーシャルをやっていた男が、血まみれになってぶつ倒れ、呻き している、夫婦とふたりの女の子が、こちらを眺め続けていた。そ続けていた。 して彼らの顔は、スクリーシの彼方へ放射されている画面の明りに 「よかった。やつばりここはほんとの世界だったのだ」安堵のあま 映えて、一様に蒼かった。 り、おれはすすり泣いた。「今までいたところは、テレビの中の世 あそここそ、ほんとの世界だ、おれはそう思った。なんというこ界だったのだ。テレビの中の世界が末端肥大症的であることは、こ とだ。おれが正子といっしょに乗ったポートで、あのビルの障子窓れは当然のことだったのだ。ねえ。そうでしよう」 を開いた時こそ、おれがこのにせものの世界へつれてこられる瞬間顔をあげると、歳下の女の子が眼を丸くしておれを眺めていた。 だったのだ。窓から入っていったおれたちは、それまでテレビを眺「ねえ、 この人、テレビの中から出てきたわよ」 め続けていたあの家族たちがおれたちもテレビの中の人物であると だが、卓袱台を囲んでいる他の三人は、おれの方には見向きもせ 錯覚したことによ「て、彼らの内部の世界、つまりテレビの中の世ず、プラウン管の中の血まみれのコーシャル男が担架に乗せられ 界へ一瞬にして押し込められてしまったのだ。 て運び去られるさまをじっと眺め続けていた。 真相がはっきりしたそ。おれをこの世界へつれ去った犯人は正子 「こわいこと」と、やがて母親が父親に向きなおり、改まった口調 でもなく、貸ポート屋の親爺でもなかったのだ。あそこにいる、あ で喋りはじめた。「いつ、大怪我をするかわかったものじゃないわ の、ビルの管理人の家族たったのだ。 ね。。、パ。あなたも気をつけてね」 あそこ〈戻ろう。もう一度あの四畳半にとびこんでやる。そして「もちろん気をつける。しかし」父親はいかにもせりふめいた口調 このいやらしいにせものの世界から脱走してやるそ。 で答えた。「災害というものは、いつやってくるかわかったもので 脱走してやるそ。 。ない。いくら気をつけていても駄目な場合があるのだ」 テレビ・スクリーン型のフレームの方へ駈け寄り、ふたたび頭か「まあ。じゃあ「安心できないじゃないの」歳上の女の子が、棒読 ら中へ身をおどらせた時、それがガラス窓でなかったことは前と同みしているようなせりふで、大袈裟に表情を曇らせた。 じだ 0 たが、嘔吐感は以前よりもず「と激しか「た。もちろん、お「しかし、安心しなさい」父親は和服の懷から一枚の紙を出し、肩 れの気のせいかも知れないのだが、あるいはそれは虚構と現実の間 の上にさしあげていった。「これがありさえすれば、いざわたしが を常に甘 0 たるく味つけし、境界線をぼかし続けている意識の中の大怪我をしても、お前たち家族があわてることはないのだ。そう。 ある次元を乗り越えようとする際に起ゑはっきりした肉体的な もちろんお前たちも知っていることだろうね。これはドバタ傷害保 現象だったのかも知れない。 険の保険証書なのです」 卓袱台の畳にころがったおれが、出てきたところをふり向けば、 ( 以下次号 ) それは今やはっきりとテレビのスクリーンであり、その中ではあの 0 3
ト・ンレウアーヾ ヒサンチン帝国減亡を目撃後さらに三世紀さかのばった彼女がそこに見出したものは ? 明。乢達八郎 履島森野藤 中、 - 金楢水伊 ン次ラ鍋淵府藤 表目イ真、お杉斎。 、速報【際 cn ンジ赤 , ジウム査特別 らロ国翁米ソ加 ) 共同宣言 - 工 3 靦代版プ 鏡 房亠月 東川 発 0 行・ 、・、第を「へ日本 > でてイたあ を第司 ~ 海外をを 1 発東 発 8 所 加藤 ) 喬」 - 4 号・印 2 5 日 月日町物 ン月田 り岩」の ガ年区京 マ恥田東人 れ代圧集 昭千丁編 んてな WORLDS OF 工 F S C I ENC E F 工 C T 工 ON 冖。世界みすては り・ -V 。ひっ′ \ 人気力ウンター すべーす・たいむ・ 126 5
向かっている。おれは届けられた郵便物を全部机に運び、読みはじ『あの島田照子さんが、大岡英 = 一さん ( ミイラ学術写真家 ) と婚 める。郵便物を送る限りは送る方でも読めといって送ってくるのだ約』 ろうから、読んでおかないと何かまずいことが起るような気がして『君もやれ。みんなでやろう。コンコロリン大パーテイ』 つい読んでしまうのである。読んだことによ 0 ていいことが起 0 た『ホネ場⑩情報・草豆海岸西満丁インターチ = ンジの人妻幽霊』 り、おれにと 0 てプラスにな 0 たことはまだ一度もないから、おそ『農民企業夏期講座小説〈わが家の光〉蓄浦劇男』 らく読まなくてもまずいことは起らないだろうと思うのだが、やは こういったものを読んで異和感を感じない人間がもしいたとした り読んでしまう。どうせ、読んでもすぐ忘れてしまうのだが、それ ら、それはその人間がこの世界生えぬきの人間であるからに他なら でもやつばり読んでしまうのだ。 ない。そしてこの世界とは、以前おれが住んでいたあの世界そっく 「お送りしたものをお読みいただいておりますか」 りに作られた、にせの世界なのである。だから、この世界生えぬき そういって訊ねられたことは二、三度あるが、いずれの場合もは の人間とは、つまりにせものの人間なのである。 いと答えればそれでその話題にけりがつく。それ以上深く訊ねられ配達される郵便物すべてを読んでいるとはいえ、そのすべてを、 たことは一度もない。 隅から隅まで読んでいるというわけではない。だいたいにおいて、 ーいったい、なぜ読むのか、そう問われた時におれが答えるこ ななめ読みである。そのため、ますます頭に残らなくなる。特に最 とのできる理由はただひとつだ。 近は仕事の量がふえてきたし、今後ますますふえる筈であるから、 情報の持っ本質的な迫力のためだ。そしてそれこそ、おれが情報すべてをななめ読みすることさえ不可能になってきた。肝心の、仕 による呪縛と名づけている現象へ人間をいざなうものだ。 事をする時間がなくなってしまうからである。故に今ではあまりに 以前いた世界では、出版物に対してこんな感情を抱いたことは一もおれ自身あるいはおれの仕事に無関係と思えるものは読まないよ 度もなかった筈だし、読まなければならぬという義務感なしで読んうにしている。無論、読まないと気持が悪い。非常に不安である。 でいた筈たから、これこそはおれが、この世界で感じる異和感の代読んでいない出版物が、三つ並んだガラス窓のいちばん左端の窓ぎ 表的な例ではないだろうか。 わに積みあげられ、それがどんどんどんどん高くなっていくのを見 その異和感はまた、出版物の内容からも感じられる。こういったていると、いても立ってもいられない気持である。今ではその不安 ものを読んだ場合、ふつうの人間なら当然異和感を感じる筈だと思を書いたものの中へまぎれこませる術を憶えたが、だからといって える内容が、そこには数多く印刷され、掲載されているのである。 不安がなくなるわけではない。左端の窓ガラスが出版物によって覆 試みに定期刊行物として最も代表的なスタイルのものを一冊とりあわれる時、おそらくおれの不安は頂点に達することだろう。 げ、内容を見てみよう。 郵便物以上に、おれの不安を煽り立てるものがある。 『あたま山フェステ イ・ハルが終って、誰がいちばん儲かったか』 出版物の場合は、全然読まなくても何らさしつかえないのだとい 9
うことを心の底では知っている。それなのに、無理やりそれらをお「今日も売れてる連中、たくさん来てるね。売れてないの、おれだ れに読ませるものは、いわれのない不安である。ところがテレビのけだね。黒浜君がいるね。この人、いつもにこにこ笑っていて、馬 2 場合は違う。テレビの場合は、いわれのない不安、などという漠然鹿じゃないかと思うんだけど、聞いてみようかね。おい馬鹿。ゃあ としたものではない。 あの丸味をおびた疑似長方形のスクリーンをご免ご免。黒浜君、今年の夏はどうだったかね」 「もぐり損ねたんです」 眺め続けていない限り、人間として社会生活を営む上に支障をきた すというはっきりした不安だ。いかにこの世界がにせものの世界で 「あ、やつばり馬鹿だ。はつはつは」 「ほほう。するとあなたは相対イマジニア党ですか」 あろうと、本物の世界そっくりにお膳立てができている以上、人間 として社会生活が営めなくなれば最後は死につながるということも「そうですとも。わたしは絶対イマジニア党です」 また、本物の世界同様たしかなことである。したがってこの不安は「へええ。わたしはまた、あなたは絶対イマジニア党だとばかり思 いわば死への恐怖につながる、より大きな不安であるといっても過っていましたが」 言ではない。 「とんでもない。わたしは絶対イマジニア党です」 「何やってんだよう。そうじゃねえってば。オロチョイのチョン、 テレビは、三つ並んだガラス窓のある壁面と対応した壁面にくっ つけて置かれている。そしておれは、時間がある限りこのテレビのオーベンチャラのヒコヒコって、こうやるんだよう」 スクリーンをのぞきこんでいる。時間がある限りといっても、仕事「こうかい。オロチョイのチョン、オーベンチャラのヒコヒコ」 の時間がはっきり決められているわけではないから、結局はテレビ 「そうじゃねえってばよう。こうだよう。オロチョンのチョン、オ を長時間見ていれば見ているほど、それだけ仕事をする時間が減っ ーベンチャラのヒコヒコ」 たり、仕事が遅れたりしているわけである。しかし、仕事の時間が「ううむ。恐ろしい術だ。どうすればあの、秘法虎返しの術が破れ 減るという不安よりも、テレビを見ないための不安の方が大きいのるのか。だが破ってやる。必ず破ってやるそ」 だからしかたがない。出版物の場合と違って、テレビを見ていると「わたくしには夫がいます。いけません。声を立てますよ。声を立 自分の知識が末端肥大症的になっていくことがはっきりとわかり、 てます。声を立てます」 長時間見続けているとそのあまりの異和感のために、なかば気が変「君は昨夜、風呂の湯が熱過ぎたために、うめたといったな。そう になってくる。異和感も、出版物から感じるそれよりはずっと重、だ。それが問題だ。それこそが事件の鍵なのだ。君はその時、風呂 く、しかも多い の湯を、水道でうめたか、ケツでうめたか」 テレビは今もおれの部屋の中へ、このビル内の他のあらゆる部屋 これらの情報は、おれの神経の末端に触れるだけで、何ら精神の の中へ、このにせものの世界のあらゆるにせものの住居の中へオフ中核部へは突き刺さってこない。しかし、それ故に恐ろしいのだ。 イスの中へ、その異和感をまき散らしている。 すべての末端をこれらの情報に捕えられた時、おれはがんじがらめ
ズハヤカワ S F 文庫 早くも人気爆発 ! 限りなく奔放なイマジネーションが 果てなき時空にくりひろげる 異 , 恐怖と幻想にみちみちた世界へ たご招待 / ・オペラ , ヒロイック・ファンタジイ 」、説 , " 剣と魔法 ' 小説など に若さとエネルギーをあたえつづけてきた 舌まら現代までの名作 , 傑作長篇を 収録していきます。 ーウルフ 新シリー / 、ミノレトン 台に、超兵器をめぐって命を張る星の狼 / 河 征服王コナ ハワード ¥ 2 2 0 神秘の超古代大陸で、黒い魔術と闘かう天性の冒険児 . 宇宙嵐のかなた ヴォクト ¥ 1 9 0 暗黒の字宙をく 5 0 の太陽 > めざし巨大宇宙船は進む . 月の地底王国バロウズ ¥ 2 1 0 冷たい月面の下は , 花々カ咲き乱れる月人の国だった / 緑の星のオテッセイファーマー ¥ 2 0 0 緑の惑星を舞台にくりひろげられる愛と冒険の物語 / 蜃気楼の戦士メリット ¥ 2 3 0 蜃気楼の古代世界で探険家リーフの前に数奇な運命が / 青い世界の怪物ラインスター ¥ 2 0 0 紺碧の大海淵に巣くう謎の生物を求めてョットは進む / 〔 10 月刊行作品〕 月人の地球征服 ( 仮題 ) E ・日・ / ヾロウス 星空の果てに レイ・カミングス ( 仮題 ) A 6 判 ( 文庫サイズ ) カラーロ絵・挿絵つき 以後毎月 2 点刊行 ¥ 1 9 0