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検索対象: SFマガジン 1971年1月号
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1. SFマガジン 1971年1月号

いお方でごぜえまして、わしらに織物や糸つむぎのやりかたなどをではありませぬ」 教えてくださいやした」 横立が壁の礼服を見あげると、とっ・せん、タ・ハーナ姫が、なにご 7 村長は、そういってから、壁につるしてある礼服を見やって、得とか喋りだした。こういった織物を知っているというつもりらし しったん 意そうに説明した。 悉曇の国は、この漢の国とも、交わっているというから、輸入 まもなく、食事がすむと、村長がもどっていったので、王子は、 された品々のうちにあったものを、覚えていたにちがいない。 尾張の田子をよびよせ、丘の上の館へつかわした。義理の叔父にあそのときである。門ロのほうで、大の吠え声がおこった。誰かが まなくろ たるらしい人に、面会できるようはからわせるつもりであった。 やってきたのを見て、真黒がいどみかかったらしい。弟彦がでてい 食事のかたづけをすませた村の女がでていくと、石占の横立が、 って真黒をとりしすめると、尾張の田子に導かれて一人の若者が立 王子のまえに膝をすすめた。内密に話したいことがあり、機会を待っていた。漢の国の服をつけた下人である。丘の館で召しつかわれ っていたのであろう。 ている者にちがいない。 やかた 「王子、黒姫さまのこと、ご存知で ~ 」 「大和の王子さまに、お館のご返事をつたえるため参りました。手 さぎ 「いや知らぬ。たぶん、先の大王の王女のひとりであろう」 前は、召使いの赤人と申します」 「いかにも、そのとおり。だが、黒姫さまは、すでにこの世の人で赤人と名のった若者は、なおも吠えつづける真黒を迷惑そうに見 はありませぬ」 やりながら、ここへきた用件をつたえはじめた。 「なんと ? 」 「よかろう。申せ、赤人」 「黒姫さまは、先の大王の御世に、漢の国へつかわされたお方でご 小碓の王子がこたえると、赤人は、はじめてみる大和の王子の顔 ざいます。なんでも、彼の国では、女子の地位がひくく、一国の遣をまぶしそうに見つめてから、おそるおそる話しはじめた。 わした正使が女という例はなく、わが国は諸国のもの笑いになり、 「わが主人は、あいにく病いに伏せっておりますので、三日後こち おいたわしくも、その帰路にあたって、黒姫さまは海へ投じて、はらよりご挨拶にうかがいたいと、申しておりまする」 、もり てられたということじゃ。そのことは、Ⅱ 一。田使の田島の守によって、 赤人が、そこまでいったとき、とっ・せん、真黒が弟彦の手をふり この国へ伝えられました。しかしながら、守がもどってきたとき、 きって襲いかかった。とめる暇もなく、真黒の牙が赤人の腕を咬 たまき かむさ 珠城の大王は、死去りましたのちのことで、この使いのことは、うみ、そのまま引きたおそうとする。びつくりした王子がかけよった しよう やむやに終ったということですぞ」 とき、赤人の形相が変りはじめた。髪の毛がむくむくと逆立ち、猩 じよう 「うむ。すると、叔母なる人は、生きているはずがないと ? 」 猩のような緋色にかわり、おだやかな顔が一変し、牙をむきだした みずかき 「さよう。この礼服をごらんなされまし。この国のものではなく、獰猛な面がまえになり、水掻のついた手足が大地をけった。その尻 あや あやはと 漢の国のものです。漢織りと申す技術で、この国の女にできるものからは太い尾がのび、うねうねとくねりはじめた。 ためし

2. SFマガジン 1971年1月号

「わたしです」ウイレンドルフ以外のものではありえないどら声が ち、手で燃料を入れてやらねばならないということを意味したが、 答えた。「思考転換器を捜しているんです , すくなくともあのいまいましい振動だけはおさまったわけだ。 船が正常に航行しはじめると、ヘイリーは人間業とも思えない冴わたしは急いで廊下を駆けてゆくと、倉庫のドアの掛け金をはず えた勘で船を操り、またたくまにわれわれをその最寄りの星系へ連し、彼の前に立ちふさがって間いつめた。「なんで転換器が要るん れていってくれた。まもなく船は着陸戦道に乗り、小さな惑星の表だ . 「異星人を見つけたんですー彼は簡潔に答えた。 面さして旋回しながら降下していった。 わたしは乗組員たちの顔を注意ぶかく見まもっていた。この連中わたしは眼をむいた。調査表によれば、銀河系のこの分枝ではい かなる知的地球外生物の存在も確認されていないのだ。しかし考え いうなれば気むは知 とは、長年宇宙旅行をともにしてきている れきっているというわけだ。その経験から言うと、このような事故てれば、この惑星は未踏査なのだから、べつに驚くにもあたらな が発生した場合、早急に故障をなおして飛びたたないかぎり、みん わたしは後部のキャビネットのほうへ手を振ってみせた。「翻訳 な非常に気が荒くなる。すでにしてわたしは、乗組員同士の不和と ヘルメットはあそこだ。おれも二、三分したら行く。規定にのっと 口論、よけいな場所での差し出口、などを予見することができた。 ってコン々一クトするよう注意しろよ」 惑星の空気が呼吸可能なものであるのを知って、わたしはますほ ーセントに達す 八十二パ っとした。わすかに窒素の濃度が高い 「おっしやるまでもありません」ウイレンドルフは翻訳ヘルメット る , ーーが、これでも十七。 ( ーセントの酸素と、二、三の雑多な不活を取りだすと、わたしを残して出ていった。わたしはしばらく待っ 性ガスのための余地は残っているわけだ。これは、人間の肌にはさてから、エアロックへの狭い梯子を登り、外をのぞいてみた。 ほど荒つぼいものではない。修理にとりかかる前に、わたしは一時乗組員全員がひとりの小柄な異星人を囲んで立っていた。彼らの 間の自由休憩を命じた。 輸の真ん中で、その異星人はちつぼけに、弱々しく見えた。わたし はその光景に微笑んだ。異星人は二本ずつ手足の揃ったほぼ人間に 乗組員が外に出て手足をのばしているあいだに、ひとり船に残っ たわたしは、めちやめちゃになった燃料補給回路網を陰気な眼でな近い体型をしていて、周囲の薄紫かかった光景によく調和した淡 がめ、複雑な電子頭脳機器を蘇生させるのに必要な予備行動計画を いみどり色の皮膚を持っていた。思考転換器をわずかに傾けてかぶ っていて、その左側から、ふわふわした毛におおわれた小さなみど 練ろうと努めた。 ェアロックをひらいて乗組員を外に出してやって十分後、わたしり色の耳がとびでていた。ウイレンドルフがかれに話しかけてい はだれかが船尾の補給品倉庫でごとごとやっている気配を聞きつけ こ。 そのとき乗組員のひとりがひらいたエアロックに立っているわた引 しを見つけすぐにヘイリの声で、「降りておいでなさい、船長 「だれだ、そこにいるのは ? 」わたしは怒鳴った。 、 0 こ 0

3. SFマガジン 1971年1月号

樹齢数千年にもおよぶのであろうか、巨大な幹は天をついてそそ手をうけているのだ。 りたち、あたりを圧する感があった。その下に立ってみると、人間 王子は、そこで剣をふるうのをやめ、弟彦をつかわして、兵士ど の卑少さを、いやというほど思いしらされるような気がしてくる。 もを呼びよせた。そして、かれらに命じて、老木を切りたおさせる 下枝まで二丈あまりあり、かわいた樹皮は真鉄のように光り、みることにした。兵士たちの斧の音がひびき、老木の幹は、しだいに深 からに荘な感じのする老木であった。 く切りこまれていく。 「な、なにをなされますだ 2 ・」 その下に立ったとき、王子は、いささか気のひるむ想いであづ た。この古木は、幾星相にわたって生きつづけ、矮小な人間界の出斧の音をききつけて村長がかけつけてきたが、手のあいた兵士の 来事のかずかずを、冷やかに見おろしてきたのであろう 。いかにも弓矢に、行動をはばまれた。ついてきた村人たちは、地にひれふし て許しをねがうばかりであった。 神霊のすまいそうなたたずまいであった 7 「横立、石占を立ててみよ」 これ 「これは、神木などではない。邪霊のやどる棲家にすぎない。 王子は、老人を見やった。自分ひとりでは、判断がっきかねたのより、わしの手で切りたおして、船につくるのだ」 ばち である。 「減相もねえ。そんなことをすれば、ご神木さまの罰があたります 老人は、ゆっくり地面にかがみこんだ。いつものように小石を拾だ。わしらの村は、毒気にあてられて、みんな、おっ死んじめえま すだよ。どうか、やめてくらっせい。わしらを助けるとおもって、 いあつめ、くりかえし転がして占なうと、まもなく卦がでた。 「卦は凶とでておりまする。この樟の・木は、神木などではなく、邪やめてくらっせいよー すみか 村長の樟守は、泣きわめきながら哀願するが、弓矢にさまたげら 悪な霊の棲家になっておるのです」 おろちつるぎ 老人の言葉をきくやいなや、王子は、大蛇の剣をひきぬき、太いれて、とめることもできない。 王子のとなりに立っタ。ハーナ姫が、顔をしかめたのは、そのとき 幹にかけよった。刃をたかくふりあげ、カまかせにふりおろしたと つづいて、弟彦も、鼻をゆがめて、あたりを見まわし たんに、すさまじい悲鳴がきこえ、はげしく枝葉がざわめいた。幹であった。ー に刻まれた傷痕から、赤い血のような樹液が、たらたらとしたたり おちていた。 , 「妙な臭いがするぞ、王子」 「邪霊よ、去るがよい。大和の王子小碓が、この樹を所望しておる「まさか、神木の瘴気とやらでは ? 」 王子と弟彦は、顔をあわせた。鼻をつく嫌な臭いは、しだいにつ のだ」 王子は、大声でさけび、心のなかで天照大神をとなえながら、ふよくなってくる。はたして、傷つけられた神木の怒りのためであろ たまぎ たたび剣をふりおろした。またしても、魂消るような悲鳴がわきおうか ? そうでないと言いきる根拠はなかった。 こり、枝葉がざわめいた。樹の幹にやどった邪霊は、あきらかに痛王子は、兵士たちの作業を中止させ、ひとまず兄熊の家へ引きと こ 0 つわもの

4. SFマガジン 1971年1月号

た泥の飛沫をあたりにふりまいた。 こうなれば、ここで待っしかないと、腹をくくったようである。 「それまで、わしらが、生きていられるかどうかな ? 」 王子は、ふたたび同じことをさけび、すぐさま場所をかえて、火 横立が、鼻をうごめかしながら、悲しげに首をふった。あたりにの泥の柱をさけた。こうして、三度、四度とくりかえすうちに、晴 は、つよい匂いが、ただよいはじめていた。鼻をつきさす嫌な匂いれわたっていた空が、にわかにくもりはじめた。王子のほうも、無 くす で、ちょうど銅を焼くときの煙とよくにている。だが、あの樟の木傷ではすまなかった。場所をうっすたびに、近くに泥の飛沫がはね の里でかいだものより、はるかに強い匂いであった。こうしているとび、腕や足に火傷をおった。しだいに、王子の動きがにぶってき あいだにも、胸が咳こみ、眠が痛くなるほどである。 「東海竜王よ」 「このままでは、全滅を待つばかりだ」 五度目に王子がよびかけたとき、とっぜん雷鳴がとどろき、満天 王子は、つぶやいた。そして、じっとすわりこんで、考えはじめ をよこぎって電光がはしり、大粒の雨がおちてきた。宙空につきあ 思案は浮かばなかった。い た。大蛇の剣に手をかけてみたが、いい かに名剣であっても、火の精には通用しないであろう。銀竜をたおげた火の柱が、にわかに雨にうたれて湯気をふきあげ、みるみるう し、樟の古木をきり、大和の刺客をさした剣 : : : 。銀竜 : : : 、水をちに萎えたように、くずれて消えた。あたりには、激しい風がふき かい、王子の髪をあおりたてた。それとともに、むせるような毒気 司る竜王の太子だ。 は、ふきはらわれていった。 「そうだ ! はげしい電光がかけぬけ、一瞬のあいだ王子の視力をうばった。 王子は、とっぜん、立ちあがった。ゆっくりタ・ハーナ姫のところ ようやく眼をあけたとき、天空には途方もなく大きなものが、なが に近より、その肩をだいて、じっと顔をみた。もし、失敗すれば、 そなたの顔も、これで見おさめになる。と、ロにはださずに、心でながと浮かんでいた。 別れをつげてから、腰につけた小袋に手をいれ、銀色に光るものを 黒い雷雲の峰に水品のような前足の爪をかけ、金色にかがやく鱗 げきりん とりだした。銀竜をたおしたとき、この剣でそぎおとした逆鱗であをさかだて、巨大な翼をひらき、うねうねした黄金の尾をふりまわ こんりゅう る。 し、稲妻の階梯を後足でふみしめ、宙天いつばいに金竜がわだかま 王子は、右手に剣を、左手に逆鱗をもち、岩の凹みからとびだしっていた。見るだに恐ろしい東海竜王の真の姿であった。 し、東のかたへむかって立ち、大声でさけんだ。 「東海竜王よ、わしは、大和の小碓の王子。あなたのご子息を討ち かたみ 「聞け、東海竜王よ。わが手にかけてたおした竜太子の遺物を、こ とった仇じゃ。さ、これに持ってきた太子の逆鱗を受けとるがよ れに持っておるそ。欲しくば、現われてとってみよ . 王子は、ミけびおわると、すぐさま場所をうつった。はたして、 王子は、声をはげまして話しかけた。 火の泥の柱は、今まで王子が立っていたところに降りかかり、熱し「大和の小碓。太子の鱗を返せば、わしの怒りをやわらげられると 幻 2

5. SFマガジン 1971年1月号

た。苔むした根かたの樹皮は ' きのうとま「たく同じように、回復えてきた。殺気だっていた村人たちが、おもわずふりむく。曲がっ た腰と膝とを、いそがしく働かせて、石占の横立がくだってくる。 していたのである。 「どうした、横立 ? 」 すでに、兵士たちは、ざわめきはじめていた。その心のすきにつ けいるように、村人たちがさわぎたてるので、ますます混乱を大き「瘴気のでる源は、銅の山でございまする。この樟の木とは、なん くしていた。ここで弱味をみせたら最後、動揺した兵士にそむかの関係もありませぬ。雲のたれこめた、風のない日などは、とくに 銅を焼く煙が、村里ひくくおりてきて、よどんでしまいまする。老 れ、暴徒と化した村人に、なぶり殺しにされるのであろう。 木にとりついた邪霊は、このことを利用して、いかにも神罰をくだ 「くるか。わしの剣をうけたくば、くるがよい」 王子は、大蛇の剣をふるって、三度四度つづけざまに、幹の根もしているかのように、村人をたばか「てお「たのでございます」 とを切りつけた。そのたびに、すさまじい悲鳴がわきおこり、兵士老人は、息せきき 0 て、探ってきたことを話しつづけた。 や村人の肝をひやした。村長の樟守は、化石したように立ちつくし「それでは、河の水がくさったのは ? 」 樟守が、挑むように問いかけた。 ていた。剣がふりおるされるたびに、まるで自分がら斬れたかのよ うに首をすくめる者もいる。あふれでる赤い樹液を見やって、目を「銅を焼く煙が、河水にとけこみ、海へながれこむからじゃ。魚の 死骸が浮かんだのは、そのためなのじゃ」 そむける者もいる。 王子は、斧をも「た兵士をよびよせ、作業にかかるように命じ老人は、そういってから、へたへたとすわりこんだ。弟彦が手を かしてささえると、老人は、顔をおこして山地のほうを見やった。 た。村人の非難のまなざしのなかで、いつまでもちこたえられるか 山の上には、煙がたちの・ほっている。そして、山肌は、無残に禿 疑問であったが、もはや他に方法はなかった。斧が打ちおろされる たびに、村人のざわめきが大きくなった。そして、弓矢をもっ兵士げあが 0 て、草木は見あたらなか 0 た。 たちにむかって、ゆっくりと包囲の輪をちぢめてくる。もし、いよ「あの山は ? 」 いよというときは、一の矢で、何人かたおすことができるであろ「へい、村の者たちが、かわりばんこにのぼって、銅を焼いており う。だが、二の矢をつがえるすきに、おどりかかられたら、こちらまする。できあがった銅の一部は、大和の大王に献上し、残りは商 人に売りはらいますだ」 も無事ではすむまい。 村人たちは、さらに近づき、いよいよ対決は避けられないかに見村長の樟守は、おとなしく問に答えた。どうやら、この村の豊か えた。すでに、兵士たちは、斧を打ちおろす手をとめ、村人のほうさは、この銅によ 0 てもたらされているらしい。なおも催にたず っそう事情がはっきりしてきた。山へのぼる者は、 ねてみると、い に向きなおっていた。 一月かぎりで交代しないと、目や喉をいためて廃人になるという。 「王子よ、瘴気の正体がわかりましたそ ! 」 この村に老人がすくなく、咳のでる病人や盲人が多いのは、そのた だが精いつばいの大声が、きこ 山側の細道から、しわがれた 円 2

6. SFマガジン 1971年1月号

いだえに ン置て 加ビ キドの高ロ ジた も広ロ白可 わル ヤのそ で おおおお ョン工し、ン ーい哀 ツかれも れれれれ は ーはネ建ド こつは ク ? としれた連 ど芝ルド想 コ死ル物ン はは ( まは もそが 。鎖 が がのギがの 世放毎ホ お 生スレな 、う本 的 歌街ー崩街 界射日ン 歌 にのロス工 に能酔キ つおだ当 も庭イとリ っとしれ全 に 崩 だ たにつイ たれとに なはス宝ザ たなか落体 だ酔てト 。る残ちが たし未 れ と石べ 始 ちた来 とス のって最 つし、ン の 人ばるク にらの ね たてい後 め 。いくの た のら は なの活 生 んれド きた いだ動 く 。。を 残 なたン 未ちな 全ロ続 り か 来はの ら てンけ 地 しなだ かぜろ 響 崩ンい が な音う れにた 伝 い楽か 落は かな ? ち高重 らど たいカ て 時建の 音やテ 、物法 楽つイ 彼 等 完の則 をて一 全持に やし、ン の 演 につ従 つるは ての考 ロ、つ はる方 しろ ては い街崩なかだ シ・ ゆ宇空天神 ャ歌か 雨あだ っ全れいよ り / く人 え宙ははは た体た のなか には宇空天 中たら 。をビお ク ど空宙にに は問ジで そおルれいト文 をは工 歌いョ演 こ間になな んおのたかは明 つかン奏 人だザ ないコちに考だ にないい 中渦ンは正えっ もない たけはし か 。る考て 何い けス で巻クそしたて も いリのく て こえし、 行 六て一た生重つ とたる な が く 人空トめき要か で今と はヘがにるなは だ い舞砂音かの減 きはが け る何 ついけ楽だは亡 、す のもど か上むを 虚つりや充いる だ判う 空たとる実か らい の。水のしに こなう れい意 旅六しだた減れ が。味 を人ぶ。文亡は 続のき 旅判を 明し け視をはなそ なら持 て界立減いの のなっ いはて亡で た閉た し生つ かい てきの らる 演の さそもの亡 奏だ れれ悔びび その後重要な新事実が判明した。つまり、六人は五曲目の演奏中 に消減したにもかかわらず、録音テー。フには八曲と、最初に演奏さ 82

7. SFマガジン 1971年1月号

どは弟彦のほうへ向きをかえようとした。そのはずみに、太い尾がも、警戒をゆるめることはできなかった。 うねり、王子の立っている板子めがけて振りおろされた。王子はか 小碓の王子は、異国の少女とともに、壊れかけた船上から、作業を らくも海中へおどりこみ難をさけた。いったん水中に沈んだ王子を見つめていた。その背後では、弓矢をもった弟彦が、油断なく見 は、剣を手に浮きあがり、海竜の背後から抜手をきって近づいた。張りをつづけている。 肩のあたりにとりつくと、あつい鱗が恰好の足場になった。そこか「わしは、大和の小碓という。そなたの名は ? 」 ら這いあがり、首のうえにまたがり、大蛇の剣を逆手にかまえ、 王子は、少女が言葉を解さないことを知りながら、ゆっくり尋ね 鱗のあいだめがけて、柄も通れとっきたてると、すさまじい叫び声てみた。昨夜は、疲れきって寝こんでしまったので、名を尋ねる がわきおこり、山のような背が弓なりにそりかえる。弟彦の矢が、 もなかった。この美しい異国の少女の、せめて名前なりと知りたか のけそったはずみに目前に近づいた大目玉めがけて、鋭くいはなさったからである。おのれの顔を指さして名のったのが通したのであ れた。矢は酒樽のような瞳につきたち、尾羽のあたりまでめりこんろうか。少女は、黒い頬をさしてから、一言たけ答えた。 さしもの悪竜も、二カ所に痛手をうけ、耳を聾するような叫びを とこか遠い異国の この少女の名前が、そうであるにちがいない。・ あげ、ここかしこと狂いまわった。船の残骸をたたきつぶし、さんものらしい、ききなれない名であった。少女は、それから、一枚の ざんに暴れまわったのち、やがて巨体が水中に没したとき、小碓の布きれを取りだした。水にぬれているところをみると、この廃船の 王子は、血刀を手にして水面をただよっていた。 どこからか取りだしたものであろう。その布には、、一人の異国の貴 人の絵が縫いとりしてあった。白衣をまとい宝冠をいただき、白髪 をたらしている人物は、この国の王かと見えた。 2 異国の姫 「デーヴァ・。フトラ。ヴァースデーヴァ」 タバーナは、絵の人物と自分を、かわるがわる指さしてから、な にごとか一一 = ロった。 その夜、海竜は水中に没したまま、ふたたび姿をあらわすこ、とは おうすみこ よ、つこ 0 、 「これは、そなたの父か。そなたは、王の娘だというのだな ? 」 学 / 、刀ュ / る碓の王子は、難をまぬかれた異国船に救いあげられ、 王子が間いかけると、タバーナは、浅黒いつやのある頬に笑みを 見張りをたてて警戒にあたったが、なにごともなく一夜があけた。 このまま竜の淵にとどまるわけこよ、 冫しかないので、一行は、手頃うかべ、両手をあわせて膝をかがめてみせた。ロばしった言葉は、 いかだ な材木をあつめ、くくりあわせて筏をつくり、近くの浜へむかうこ父にあたる王の名らしい。 ふら とにきめた。淵の主である銀竜は、それきり姿を現わさない。よこ 。子 , 「タ、、ハーナ姫」 して死んだものかどうか定かでないので、筏をあむ作業のあいだ 王子は、その少女の名を口にしてみた。すると、異国の姫は、左 うろこ らう ほは 9

8. SFマガジン 1971年1月号

「貴様、それを使って、どうやって : : : 」 揺れるぜ。どうやら酔っぱらったらしい。な、おい、御大将」 入ってきた二人の姿に気づくと、持衰ーー尾張の田子と名のった弟彦は、怒っているが、田子のしたことをまだ理解していない。 酒や服を賭けて骰子を転がしたことが、まだ呑みこめていないらし 若者は、濁声をあげてからんできた。 。無知な兵士たちをたぶらかし、酒や服をかたりとり、持衰の身 「貴様、どこで酒を手にいれた ? 」 にあるまじき行為をしていたのであるが、それでいて、田子という 弟彦は、怒気を満面にあふれさせた。この災難のわけに気づいた からである。持衰の者が、このような振舞をしていれば、悪ぶる神若者には憎めないところがある。 激動が襲ってきたのは、そのときであった。船体が大きくかしい に祟られるのも当然である。 「へつへ、そんな怖かない顔をしなくたって教えてやるぜ。こいつで、三人とも、もんどりうって投げだされた。横板が破れて、激し い水流がながれこんでくる。小碓と弟彦は、いそいで立ちあがっ を使って、おまえ様の兵隊からまきあげたのよ」 尾張の田子は、ふてぶてしく笑いながら、手のうちにある小さなた。そのとき、田子は、小碓の足にしつかとすがりついた。 四角いものを、ちゃらっかせた。なにかの骨を刻んだものであろ「助けてくれよう。このままじゃ、溺れ死んじまう。足の鎖をなん とかしてくれよう ! 」 う。六面にそれぞれ、点が彫りこんである。 泣きわめく男を放っておくわけにもいかないので、小碓の王子 「なんだ、それは ? 」 弟彦が、ついつりこまれて尋ねた。この場の危機を忘れたわけでは、のふる 0 て、田子の足をつないでいた赤紆の鎖を断ち 冫なしが、田子という男の図太さにつられて、その白いものに興味きり、いそいで板子のうえに駈けあがった。 •-LJ うと ) 船は、まさに大渦のなかにあった。滔々と流れる水は、大きな円 をお・ほえたのである。その小さなものがあると、なぜ酒や服が手に をえがいて廻りながら、ときおり激しく水柱を噴きあげ、船を呑み はいるのか ? 見たところ、武器のようにも思えなかった。 あや さいっ こもうとする。 「これかい ? こいつは、漢の国から伝わった骰子というもんだ。 こいつを転がして、でた目の数を当てる。すると、当たったやつが「漕げ、漕ぐのじゃ」 が、なんでも好きなものをもらえるのさ」 小碓の王子は、水音にまけぬ大声をだし、水夫どもを督励し、板 子のうえを走りまわった。すると、まっさきに櫂にとりついたの 田子は、悪びれずに答えた。 さいっ 骰子が日本へ渡ってきたのは、かなり古い時代と考えられる。もは、尾張の田子であった。足首には銅環をはめられたままである が、兵士からだましとった服をきているので、水煙りをこして見分 ともとは、インドの波羅門の占い法として生まれたといわれるが、 てんびよう 後の天平年間には、日本ですら早くも禁令がでているほどである。けることはできない。他の兵士たちも、あらそって櫂にとりつ、 がんじん 一説には、鑑真和尚が持ちかえったともいわれるが、それ以前にもた。まさか持衰の若者とは気づかなかったのであろう。兵士たち は、田子にならって恐怖を忘れるため漕ぎまくった。 外国人と交際のある人々のあいだに拡まっていた形跡がある。 だみ 2

9. SFマガジン 1971年1月号

おきな ど半死半生のありさまで、その姿形は白髪の翁のごとく変りはてて が、王子は無言であった。 「このたびの遠征のこと、明らかにあなた様を死地におもむかせるいたという。 くがち 陰謀だ。その証拠に、大王は、倭姫さまを伊勢へ追いはらったでは左に淡路の島、右に四国の陸地が見え、そのあいだに狭められた ずいしよう ないか。天照大神を十鈴川のほとりの瑞祥の地にまつるというの瀬戸めがけて、激しく水流がながれこんでいく。真一文字に突きす は口実にすぎぬ。まことは、あなた様の唯ひとりの味方を、引きは・すむ船は、木の葉のようにもまれ、板子の上の兵士たちが倒れ伏 なすためだ。倭姫さまが日代の宮を去られて、いくばくもなく遠征す。戟や盾がおりかさなって倒れ、あたりに四散する。 じさい 「そうじゃ、王子、持衰の者を斬りすてよう。そうすれば、助かる のことが決まったのは、まさしく、そのことのためなのだ」 弟彦は、かさねて王子に訴えた。倭姫が日代の宮を去って、遠征かも知れぬ」 のことが決まったとき、みずから志願して王子と行動を共にしよう弟彦は、なにを思いついたか、小碓の王子をみちびき、揺れうご かや と申しでたのだが、大王からは一言の言葉もたまわらなかった。そく船の後尾に走った。そこには、萱ぶきの小屋がけがつくってあ して、員数外のあやふやな身分のまま、ここまで同行してきた弟彦り、一人の若者が鎖につながれている。 である。今となってみると、日代の宮でおこなわれたことが、ひと持衰とは、航海の無事を祈って、船中の人々の罪を一身に引きう ぎよ ける者をいう。その者は、航海のあいだ、身を潔めてはならない。 つひとっ合点のいく思いがする。 くそいばり 「言うな、弟彦。もはや、紀の国に流れつく望みも失せた。見よ、衣服も換えてはならず、髪や髭もととのえてはならない。糞尿も、 あたりに仕放にしなければならない。つまり、一行全員のれを この海面を ! 自分ひとりで負うわけである。持衰には、ふつう奴婢がなり、もし 小碓の王子は、舳より身をのりだし、行手の大海原を見やった。 青く白く波さわぐ海面は、はけしく渦まいていた。高みより低み航海が無事であれば平民にとりたてられ、なんらかの事故がおこれ せき ば、たちどころに首をはねられる。 へ滝のように水が流れおちているところもある。堰とめられた水が 逆まきうねり、水煙を噴きあげているところもある。まさに、この 小碓と弟彦は、小屋の幕をひらき、あっといって立ちすくんだ だ。さためし、異臭をまきちらし、汚れ放第になっているかと思っ 世の涯にきたような、壮絶な眺めであった。 ていたのだが、内部はきちんと整っていた。中央のワラ東のうえ 伝えきく海魔の渦である。神代の昔より船人たちに恐れられてい た魔の海が、いままさに一行の船を呑みこもうとしている。この渦に、一人の若者が大あぐらをかいて坐っていた。髪もととのえてい のはてには、巨大な海の顎が、矛を鳴らして待ちかまえているとるし、兵士のものらしい衣服も汚れていない。おまけに左手には酒 伝えられる。これまで、浪速の水門をでて、荒ぶる神の息吹きによ盃をもって、酔いしれて高声をだして歌っている。 ものい って、南のかたへ吹きおくられた船は、一隻たりとも戻ってこなか「へつへ、なにが物忌みでえー・穢れなんか糞くらえだ。この尾張 ったという。運よく淡路の島にたどりついた船人もいるが、ほとんの田子さまにかかっちゃ、どこだって天国だい。ととろで、やけに けが

10. SFマガジン 1971年1月号

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