アポロ宇宙船の帰る場所は一つしかなかった。 地球ーーたとえ、そこがキノコ雲におおわれ、死の黒い雨がふり そそいでいようとも、アポロ宇宙船は帰らなければならなかった。 地球はアポロ宇宙船を宇宙に産みだした母たったから。 地球の年齢については諸説があるが、約四十五億年ぐらいという のが最も支持されている。 人類が死減していようと、待っているものは死だけであろうと、 アポロ宇宙船の帰るべき場所はただ一つ、人類が生まれ育った、青その四十五億年の最初の二十億年は無生物時代が続き、それから い海と緑の山々に包まれた地球以外にはなかった。 はじめて水中に生命のかけらが登場したという。 地球からの通信が途絶え、飛行に非常な困難をきたしながらも、 更に二十億年の時を経て、魚類が誕生する。魚類の時代が二億年 アポロ宇宙船は慎重に、そして正確に機械船部を切り離した。 ほど続いて、やっと両棲類の出現を見る。 残る最後の難関、大気圏再突入で全てが終り、アポロ宇宙船は地地球誕生から四十三億年たって、恐竜の闊歩する時代が来て、下 球へ帰るのだった。 等な哺乳類へと・ハトンを渡す。この時、地球歴四十四億四千万年。 死の灰は地球の全上空に拡散していたが、一五〇キロの上空から現在より六千万年前のことである。 見る地球は、まるで何事もなかったように青く輝いていた。 それから、何度も何度も氷河が全地球を覆い、現在より五百万年 姿勢制御ロケットが点火され、大気圏再突入の姿勢がとられた。前に原人が生まれたのだそうだ。 しかし、この原人は古生人類と呼ばれ、現人類の直系の先祖では 突入角度が浅すぎた。アポロ宇宙船は厚い大気の表面で大きく・ハ シリョウガフソクシティル 質問 8 残された人類の生存期間は ヤクニシュウカン 質問 9 再度尋ねる。人類存続の可能性は ナイ 有難う。それだけだ ウンドし、地球着陸コースからはずれた。 アポロ宇宙船は姿勢制御ロケットを全動させて、地球へのコース をとりもどそうとした。 その試みは無駄だとわかっていた。もう、アポロ宇宙船の行く先 は、暗黒と静寂の宇宙空間しかなかった。 アポロ宇宙船にとっては、死の灰に包まれた地球へ帰るのも、宇 宙の果てへ漂行するのも、結果は同じことであった。 それでも : : : それでもアポロ宇宙船は、たった一つの故郷〈地 球〉へ帰ろうと、宇宙に対して最後のはかない抵抗を続けるのだっ 地球へ :
収集して、甘い汁を吸っているだけになっちまうだろうな」 「馬鹿ばかしい」ガリツェフは繰りかえしていった。「都市や鉱山 だって・ : : ・六人乗りの密閉したドームがか ? 」 密閉したドームって何んなんだ ? その六人ってのは何者なんだ よ ? ・ ーしナ「どっ 「どうでもいいんだ」ソロチンスキーが投げやりこ、つこ。 ちだって同じことさ。どの道、空挺隊員にとっちゃ、終りさ。密閉 したドームだって、そんなものはただ事の始まりにしかすぎんよ。 オートマチック・シップ まず最初に、卵を送り込む無人宇宙船が出かけてゆき、そこで、な にもかもお膳立てが出来たところへ、人間様が乗りこんでいく : ・ かれは、ヴァフラーコフの有名な報告を公然と引用しながら、 発生工学の将来の見通しについて論じ始めた。たいていの連中 が、今じゃあんなことを考えている。あれはあれで確かに間違っち ゃいないなとアシマーリンは思った。字宙ロポットが初めて実験さ ) 洋一 / ー一れ初期 0 = ろも、 = れ宇宙飛行士も楽が出来 0 と」われも ~ システム・オプ・サイ・ ( だ。アキーモフとセルムスが最初の O ( サイバネックス調 ネチックス・ロ・ホット 査システム ) を打ち上げた時には、アシマーリンでさえ宇宙空挺隊 をやめたくなった。それは二〇年も昔の話だったが、それ以来かれ は今日までにのぶつこわれた残骸を求めて地獄へ飛び込 んだり、連中にできないことをやらなければならなかったのは、一 黔度や二度ではなかった。無人宇既船にしろ、良にしろ、今 エンプリオ・メカニクス 度の発生工学にしろたしかに人間の力を飛躍的に増大させている メカニズム ことはいうまでもないが、機械が、人間の頭脳や熱い血のかわりを 完全につとめることなど思いもよらないことだ。多分、これから ン先でも、そういうことはあり得ないだろう。青一一才のくせに、少し エムプリオ・メカニクス
刊行予定作品ピックアップ , ーれに紹介するのはほんの一部です 全版権取得・すべて仮題 ハヤカノンリトズ 危険なヴィジョンアンソ。ジー 栄光の道と、一ゴー賞受賞作 闇の左手ヒ、一ゴー , ネラ両賞受賞作 ノヴァ ゴプリン保留地ギャラクシー賞受賞作 ザンジバルに立つヒ、一ゴー賞受賞作 ニューワールズ傑作選 IIIIII その男を見よ 夜の翼とーゴー賞受賞作 私の歌が体を感電させる破集 地球は空地がいつばい集 機械生物 砂丘の惑星ヒーゴー賞受賞作 世界 S F 短篇傑作選 I 、ツ、ヤワ ハーラン・エリスン編 ート・ A ・ハインライン ロ / ヾ アーシュラ・ル・グイン サミル。日・ディレーニイ クリフォード・シマック ション・プラナー マイケル・ムアコック編 マイケル・ムアコック ート・シルヴァーバーグ ロ / ヾ レイ・プラッドベリ アイサック・アシモフ ション・ T ・スラデック フランク・ / 、一 / 、 ウォルハイム & カー編 亜空間探険者 さいはてのスターウルフ星根シリーズ 宇宙大作戦テレピ化シリーズ 銀河のオデッセイ タイム・トンネルテレピ化シリーズ 神にはむかうソンガーレムリア・シリーズ 宇宙の男ローダン英雄ローダン・シリー 新しき火星の戦士新火星シリーズ むせびなく小惑星 星の海の王者 インべーダー テレビ化シリーズ 殺人宇宙船狂戦士シリーズ 流れる星を手のひらに 謎の円盤 U FO テレビ化シリーズ S F 文庫 20 ー ズ 全版権取得・すべて仮題 E ・ E ・スミス 工ドモンド・ハミルトン ジェイムズ・プリッシュ キイス・ローマー マレイ・ラインスター リン・カーター シェール & ダールトン マイケル・ムアコック マレイ・ラインスター ポール・アンダースン キイズ。ローマー フレッド・セイバーへーケン ション。プラナー ロバート・マイアル
丘にはなにもなか「た。ここへ、百年前に卑劣な連中が = ンクリ殺したような、誰かの叫び声を聞いたような気がしたが、焼けただ ートで覆 0 た暗い場所を建て、そこ〈砲弾を積み込んだ。胚芽にれたドームが襲いかか 0 た時、かれ自身があげた自分の声であ 0 3 は、ここが弾薬庫であることを知る術がなかった。砲弾の何たるか を知るはずがなかった。それというのも、生命のプログラムを組ん だ人間達でさえ、砲弾というものが昔はあったのだということを、 5 とっくに忘れてしまっていたのだから。どうやら、砲弾には高性能 爆薬が装填されていたらしい。その砲弾のうちのどれか一発が、熱 ただ横になって、青い空を眺めていられた。かれが、青い空を見 、刀 シ ' ' クで信管が作動したに違いない。そうして、まだ爆発でなくな 0 てから、ずいぶんとた 0 たが、青空はいつ見ても、それだ きるのは全部、爆発を始めたのだ。こうして、優秀な機械もがらくけの価値はある。宇宙空挺隊員だ 0 たころ、金星の北極〈降下した たの山と化してしまったわけだ。 時、ヤベトを襲撃した時、トランスプルトニヤで破損した宇宙船に 上から、小石がばらばらと振りかか 0 てきた。アシーリンが見一人で坐 0 ていた時に、すでにかれはそのことを知 0 ていた。そう 上げてみると、ガリッ = フがかれの方へ降りて来るところだった。 しうところこよ、、 冫。、わゆる空といえるものが無かった。あるのはた 反対側の壁をソロチンスキーが降りていた。 だ星だけの空間と目を眩らます星ーー太陽だけであった。そのこ 「きみたち、どこ〈這 0 ていくつもりなんだ ? 」アシーリンが尋ろ、かれは青い空が見られさえしたら、人生の最後の数分と引き替 ねた。 えにしてもいいとすら思ったものだ。地球へ戻ってみると、そんな 「お手助けがしたかったんですよ、フヨードル・セ ミョーノヴィ感情はたちまち忘れてしまった。その時になって、人は思いだす が、いつでもそれは遅過ぎるようだ。だが、後になって、遅くはな 「きみたちの手は借りん、用はない ! 」アシマーリンはいった。 かったと悟るものだ。 「ぼくたちはただ : : : 」といいかけて、ソロチンスキーよ、 ーしいよど「おい、どうやら、かれ、生きのびたらしいぜ」というソロチンス んだ。 キーの声が聞えた。 アシマーリンの後の壁に、亀裂が走った。ドームがぐらりと揺れ アシマーリンは誰のことを話しているのか、自分のことか、ある いはガリツェフのことなのか分らなかった。ガリッ = フは並んで 「あぶない ! 」ソロチンスキーが大声で奐いた。 横たわっていた。かれは意識を失ったまま、呻いていた。かれは、 アシマーリンは一歩脇へ避けたが、砲弾につまずいて倒れた。うアシマーリンをドームの下から引 0 張り出すとき、全身に火傷を負 つぶせに倒れたが、すぐに体を回転させ背中を下にした。そこへ、 った。ソロチンスキーも火傷を負っていた。 まともにドームが倒れてきた。かれば思わずまぶたを閉じた。押し「どんなことをしても、生きのびてみせるそ」とアシ「ーリンは思 ルエ /
トーチカ にツト 塞』は、『点』という意味の英語、『点』が元であるという話をした ! 」 た。その後、要塞や穹窖や銃眼や一平方メートルあたりの射撃密度「もう少し小さい声で話せないのか、爺さんの眼を醒しちまうぜ」 3 などについて長々と物識り顔に始めたので、アシマーリンは早々に ガリツェフが注意した。 食事を切り上げ、フルーツもことわった。食事後、かれはガリッ = アシマ 1 リンは体を楽にするために坐りなおして、顎を前のシー キャビン フを卵の見張りに残して、車に入り込むとまどろみ始めた。あたり トの背にのせると、眠をとじた。車の室内は暗くて、少し蒸し暑か キャビンメダロ・プラスチック は驚くほど静かだった。ただ、小川 で食器を洗っているソロチンス った。室の金属性合成樹脂は冷えるのが遅かった。 キーが時おり歌をうたっている声が聞えてくるだけだった。ガリッ 「きみは爺さんと一緒に飛んじゃいけないのじゃないか ? 」ソロチ = フは双眠鏡をかかえて坐っていたが、絶えず丘の頂を監視してい ンスキ 1 が尋ねた。 「とんでもない」とガリツェフが答えた。 アシーリンが眼を醒すと、太陽は北に低く傾き、暗い革色の黄「ぼくは少しかれに同情してるんだ。と同時に羨しくもあるがね。 昏が南から忍び寄 0 てきて、涼しくな 0 てきた。西の山並みが黒ずかれは、・ほくが経験したこともないような人生を送 0 てきたんだ。 み、先刻見えていた円錐形の火山が灰色の影にな 0 て地平線の上にそう、ばく以外だ 0 て、たいていの連中が想像も出来ないような人 浮んでいた。丘の頂にある卵は、赤紫の炎で輝いていた。瓜畑の上生経験をね。ところがそれをかれは生き抜いてきたんだ」 を薄青色のもやが這 0 ていた。ガリッ = フは同じ姿勢で坐 0 たま「なぜ、わざわざそんなこというんだ ? 」ガリッ = フが聞き返した。 ま、ソロチンスキーの話すのを聞いていた。 「かれはただ飛ぶのをやめただけだよ」 「アストラ ( ンで」とソチンスキーは話していた。「ばくは " イ「飛ぶのをやめた鳥は = ・ = こソチンスキーはロをつぐんだが、思 ラン国王のばら。印の瓜を食 0 たことがあるが、あれは美味か 0 い切 0 たようにい 0 た。「まあ、空挺隊員はだれだ 0 て終りだが た。・ハナナの味がしたよ」 ね」 ガリツェフは咳払いをした。 「馬鹿ばかしい」ガリツェフは静かにいった。 アシマーリンは、脇腹の鈍い痛みに聴き耳を立て、身動ぎもせず ソロチンスキーがごそごそ体を動かす音がアシマーリンに聞え もうしばらく坐っていた。かれは、金星で、コルポフスキーと食べた 瓜のことを思い出していた。惑星学研究所用にと地球から宇宙船い 「そら、それがあれさーとソロチンスキーは卵を指差していった。 0 ばいの瓜を送 0 てよこした。かれらは、ざくざく音をたてて果肉「これからはああいう代物で分隊を編成して、未知の危険な世界〈 に歯を立て、が 0 が 0 と貪り食 0 た。果汁が頬を 0 た「て流れ、た送り込むようになるんだ。そこで、卵どもが、都市や宇宙港を建設 がいになめらかな黒い種を吹きつけあった。 し、鉱山を切り開くことになる。きみの寄生虫だって、連中がっか 「食通として、きみにいうんだが、指までなめまわすほど美味か 0 まえて、研究してくれるよになるんだそ。空挺隊員はただ情報を
で、きさくなんだなあ , 「無ロで、いか にできる。だから自分の作品の初期のものということで版権をとらなくてもいちおう もとつつきにくそうだけど、話してみると が、わが国で翻訳されていることを原作者 しいわけはたつ。好意と皮肉の両方の意味 フレデリック・ポールが、あのなかではい が知らない場合が多い。 Z にのったを含ませた、この返事のいやらしさ ! ちばん誠実そうですね」「いやあ、メリルオールディスのエッセイ「紙宇宙船の騎士 シンポジウム第四日目、名古屋の名城大 おばちゃんは、 いい人だ」 たち、は、六八年に発表されたものなの学で超音速滑走体を見学した。クラークが というようななかで、「愛矯たつぶりで、もちろん翻訳権はとった。エージェン 「カミカゼ・トレイン , と名づけたこと で、おそろしく人あたりはいいけれど、あ トはオーケイしてきたが、作者の耳にはまは、もうあまりにも有名だけれども、その いつは相当なくわせものだぜ」そんなとこオー、 どよ、っていないらしかった。訳者の浅倉ドサクサにまぎれてオールディスがいった ろで全員の意見が一致した 久志氏がそ言葉はあまり知られていない。 のが、プライアン・オールー ( 、、、 のことをオ とにかく現段階では、発車直後の加速が ディスだった。 ールディス四十 ()5 、ゴキブリとカメしか生き残らない 聞くところによると、ニ に話すと、 というモーレツな乗物で、停止させる有効 、クネームは、〈腕白プラ・、 それにこたな方法も完成していない。 えて その模型の見学をひととおり終えたとこ ィアン〉 , ー、・陽気で、話好 「版権なんろで、大学側の通訳氏が興奮の面持ちで、 きで、いたずら好きで、あ】・ かとる必要招待作家たちに意見を求めた。 んまり調子がよすぎるの ないさ。 . こ 「以上ごらんになったところで、何か役に で、「こいつ、裏で何を考 っちにはわ立ちそうなアイデアはございませんでしょ えてるんだろう ? 」と心配 、りやしな 一つ : 刀 2 ・」 になってくるのだ。しかも第 とするとオールディスがおもむろに ( なに 「リトル・ポーイ再び」と飛 央いんだ、。 仲んどん訳ししろ、あたりは騒がしく、通訳氏は興奮し いう、あの悪名高い短篇の町 クたまえ」 ていた ) 作者ーーーー裏をかんぐりたく なるのも無理ないだろう。 Z 「一つ実用的なアイデアを思いついた。も クは、今のとし人間が乗るようなことになったら、乗客 最近改正されたが、わが 国の著作権法では、海外作 見ころ赤字覚みんなに鎮痛剤をのませるんだ」 品の著作権は出版後十年ち 体悟の自費出通訳氏がそれを正確に訳して伝えたかど よっとで切れてしまうので うかまでは、見届けなかった。 版だから、 一九五九年以前の作品は翻 速同人誌みた 八月三十一日の深夜、森優、山野耕世両 訳権を得しなくても出版 超いなものだ氏のあとについて、ホテルにオールディス 4
観測器具室を焼いたり、長期間水中に入れて浸水キャッチされていることだ。 するかどうかを調べたり。テストは英国の 故アインシュタイン博士は、相対性理論から カ社宇宙システムグルー。フが担当しているが、いま「宇宙は閉じている」という説を出した。つまり 宇宙空間の物質密度は比較的濃いという見方をと 一のところは上乗の成績だという。 メ っていた。 ス 宇宙は開いているつ・ ■ しかし 0A02 号の観測が正しければ宇宙は予 想以上に広く、物質密度もそれだけ薄いというこ た宇宙の大きさはどれほどなのかーー・天文学者たとになる。つまり宇宙は開かれた存在だという可 しらのこの疑問に、米国の天文観測衛星号能性も考えられるわけだ。紫外線を出さない正体 使が貴重なデータを提供、にぎやかな話題をまいて不明の物質が何であるかはわかっていないが、紫 をいる。 外線を出しもせす反射もしない天体であるとすれ 号は大気を通過しない星や小宇宙の紹ば、これまたおどろくべきことといえる。全ぐ宇 ム外線を研究するために四十三年暮れ打ち上げられ宙はナゾだらけ。科学が進んだといっても、やっ ウた。その後高度七百七十二キロの軌道をまわりなと門戸に到達したばかりといってもよいだろう。 がら数千枚の写真を撮影、それを地球に送り届け参考までに、これまでもっとも遠くにあるとい た。この写真を分析したところ、銀河系の外にあわれた小宇宙の距離は、ざっと七〇億年から八〇 カる小宇宙の紫外線は、予想以上に強いことがわか億光年。これが四倍遠いとすれば二八〇億光年か った。これまで考えられたより強かったというこら三二〇億光年ということになる。宇宙は膨張を とは、小宇宙までの距離が予想以上に遠いという続けているのだから、宇宙生成の時期もまた、そ ことになる。 れだけさかの・ほることになるわけだ。 して利用されているが、重さは一個が一八〇ミ グラムしかなく、宇宙用としても考えられている分析陣の報告によるとこの光の強さからみて、 ロケットの耐熱テスト 小宇宙までの距離 し J し、つ は従来の計算よ り、三倍ないし四 新 字宙の火あぶりテスト 倍も一いという。 欧州宇宙研究機構は大気圏上層部ということは宇宙 の観測に使うロケット「スカイラーク」の開発をがそれだけ大きく 広がっているとい 進めているが、問題はその回収。 宇宙線の飛跡などをキャッチした写真乾板などうことになる。 は何としても地球に持ち帰ってもらわなければなそれにもまして ~ ~ らないが、いまの方法では空気の摩擦熱で焼けてこの報告で注目を しまう。さらに落下地点が海上だと、浸水してた呼んでいるのは、 とえ沈みはしなくとも、資料はめちゃくちゃとな C<Ca 号の写真 るだろう。そこでロケットの観測器具室を特殊なの中に、紫外線は 防熱材料で作り、完全気密にしてこのほど火あぶ出していないが、 り、水浸けテストを始めた。 明らかに存在する 石英の赤外線ランプで回収のさいと同し条件でと思われる物質が 水浸テスト 1 ー 27
これだけの広さがあると、米国の平均家庭一〇 う。町中で買いものや散歩に着てもかまわない が、釣り師や漁夫、船員、冷蔵倉庫の従業員など、〇軒分の電力をまかなうことができる。もしポ 1 寒いところで作業する人に喜ばれそう。老人たとタ・フルラジオに使用するとなると、ざっと二五万 か、体温の低下によって悪化する病人にも役に立台分。エネルギーに換算すると石炭一万五〇〇〇 トンに相当するという。太陽電池の性能は急速に ちそうだ。 病院や作業国、家庭で使う場合には、電線に接高まっており、耐久性もかなり長期間にのびてき 続することも可能。からだを動かして熱すぎるよた。石油や石炭などの化石エネルギ 1 を使ってい うになると、サ 1 モスタットで調節するようになるため、地上では公害ぎが続発しているが、こ の程度の大きさの太陽電池で済むのなら、地上用 っている。 し「やがて地球人は電熱服を、平常の冬の衣服としの = ネルギー源としても応用を考えてほしいも て着るようになるだろう。気密服の下につければの。 宇宙でも役立つ」とメーカー。この電熱服を、地それはともかくとしても、こんな太陽電池を連 び上げ、組み立てるのは大仕事。しかし 球人のユニフォームとしたがっている。 では「宇宙ステ 1 ションが実用となるかどうか は、すべてこのエネルギー源にかかっている。何 世界最大の太陽電池 としても実現させる」と意気込んでいるという。 宇宙のエネルギー源としては、原子力発電と太っいでだが、アイソトープを利用した原子力電池一 陽電池がもっとも有効なものと考えられているも性能アツ。フと改良が進められており、英国の ( が、原子力は放射能汚染の恐れがあり、太陽電池ーウエル原子力研究所は、プルトニウム 238 を は起電力が弱いという欠陥があった。起電力が弱使った新型電池を開発した。 いというのも、太陽エネルギーを電流に変える電起電力は小さいが、長期間、安定して使用する 地球でも宇宙でも ことができ、この種のものとしては極めて実用性 池がかさばり、そうそう宇宙に運び上げられない が高く評判になっている。 習慣というものは恐ろしいもの。寒いとなるとためである。 布製の衣服を重ね着し、何とも思っていない。考だが原子力のように汚染の心配がないし、何とすでに心臓病患者のためのペースメーカー用と してもーーーと米航空宇宙局 (Z< 地球人の電熱ュニフォーム えてみるとたしかにおかしな話ではある。 こうしてイギリスの科学機器メーカーが、どんは、マンモス太陽電池をメ 1 カーに作らせることになった。 な寒いところでも調節でき、しかも完全に自由な 動きができるという電熱服を開発した。電熱服といかに大きいかは、この太陽電池 いうと、ジェット機。 ( イロットや宇宙飛行士用のが幅一八・三メートル、長さ六〇 ( ものものしいものを考えがちだが、この電熱服はメートルという寸法でおわかりだ 一一般人用のもの。フィットした繊維の中に発熱体ろう。駅のプラットホ 1 ムなど、 一が入っていて、ベルトの内部の電池で温められ顔負けの広さなのである。 る。重量はチョッキから上着、下着、電池ともすこんな大きな電池をいったい何 べてで一・三六キログラム。それでいて着用してに使うつもりなのか。 Z は これを一九七〇年代の後半に打ち いる人の体温を常に快適に保ってくれる。 電池はニッケル・カドミウム方式で四個一八上げる宇宙ステーションの動力源 にする考えなのだ。 ルト。一晩に一個を入れかえるだけでよいとし 冫ヾー・た第、畩 あ . フこな 3 ロ 6
み二千低の太陽たぢの多くが、その生成過程で、こうした生 こマーソン隕石そ分も分 命構成物質を、太陽系の場合と同じように生産したと考えて は、木星と火星の中間にある、 も、すこしもおかしくないからだ。 いわゆる小惑星帯に属する隕石 とすれば この厖大な宇宙空間のそこ、ここには、大自 で、四五億年前に発生したもの 然が生産したアミノ酸その他の莫大もない蓄積があって、チ と推定されているーーーこれは、 石 ャンスに恵まれれば、いつでも生命の誕生にむかって進化を 地球はもちろん太陽そのものも とはじめる準備をしていることになるのだ。そして、そうした まだガス状物質の塊りの段階か ら凝固して間もなくの頃であ 。二チャンスを持ったあちこちの太陽系で、さまざまの宇宙生命 り、もしこの頃からアミノ酸が マが発生し、生物が、そしてわれわれと同じような高等生命で 、っそうの現実性をも すらが進化しているであろうことが、し 隕石に附着していたとすると、 ンって想像されるのである ! 従来の生命起源説は完全に新ら ナ的といって、これほどみごとに的な状況が、また しく考えなおされなければなら とあったろうか ? なくなる。 その的な状況を、新しい生物学の分野の一つである 従来の定説ーーこれとてここ 「地球外生物学ー・ー・宇宙生物学」がつくったということは、 一、三十年のものだがー・ー また興味ぶかい。現在この学問は、アメリカが研究の中心に ると地球上の生命の起源は、地にー " なっているが、ヨーロッパでも、日本でも、その傾向はした 球生成ののち、つまり今から三 いに拡がってきているという。生命の起源を問う科学が、多角的な拡がりを 〇億年あまり前、地球表面の地殻がかたまり、内部から水蒸気が噴出して、 原始大気ができた頃、窒素、炭酸ガス、メタン、アンモニア、硫化水素、燐求めているうちに、宇宙生命の存在にまで発展してきたのである。 ツ・トヒートぶ . り . は、 ( それにしても、こうした新しい、画期的な理論のデ 酸などに紫外線や放電が刺激を与え、複雑な化学反応をくりかえした結果生 ったく驚くべきものがある。ついこのあいだは、生物の遺伝をつかさどる物 じたアミノ酸その他の有機成分から生まれた蛋白質である、と説明されてい 質が、だけでなくでもあり得ることを証明する革命的な実験が る。だが、もしポナンベルマ博士たちの提出した〈証拠〉が正しいとすれば、 アミノ酸はそうしたプロセスのはるか以前に、すでに太陽系の混沌とした物行なわれて、分子生物学の定理がくつがえされるかもしれないという「事件」 が伝えられたばかりである。科学はいまや、日に日に、あらゆる分野におい 質塊のなかに混在していたことになるのだ。 そこでもしこの推測が当っていれば、宇宙における生命の可能性は、従来て、従来の世界像の修正を求めつつある。地球外生物学という一見と見 まがうようなこの新しい科学の分野で今日またこうした「事実」が起ったの よりもいっそう : : : いや飛躍的に増大するだろう。太陽系の生成。フロセス が、宇宙で最もありきたりなパターンであることを思えば、銀河系を構成すだ。明日はどんな「事実」が発見されるだろうか ? 、、 SC I 0 目、 JOÜR 岩ト . 5
たカ、いまでは五究室となると、事はなかなか面倒となる。 〇キロに達し、搭そこで東大宇宙研の西村研究グル】。フは気球の 載量も一〇トンを下のロ 1 。フにモーターを取りつけ、ロープをねし 越えている。なかることによって観測ゴンドラを一定方向にむける には口径三六イン方法を開発した。太陽検知器や磁気検知器で方向 チの大型望遠鏡ををつきとめ、その指令にもとづいてモータ . 1 ・を回 ぶら下げ、太陽面すという仕掛け。このほか地上からの指令電波に 、 ) の精密観測を行なよってもモーターを回すことができるという。 った気球もある。 何だか頼りないような気もするが、精度はプラ ロケットに比べスマイナス一度程度、短時間なら〇・一度に誤差 て、極めて長時間を押えることができるというからすごい このような新型高性能の気球を使って、科学者 = の観測ができるこ と、人工衛星に比たちは宇宙の何を探ろうとしているのだろうか。 べて大重量の観測あらましをご紹介しよう。 もっともポ。ヒュラーなのは「宇宙線」の観測 器材を連ペること 、アカい など、気球の利点これまでは一億電子ポルトの領域だっこ : 、 一は大きい。そうはでは数千億電子ポルトの分野まで手が蛟げられ、 いっても、浮遊体原子核や電子を捕えることによって、宇宙線の発 である以上、大気生機構解明につとめている。 圏外から完全に脱次ぎは「線星」の発見。 >•< 線を出す天体は五 出できないじゃないかという人がいるかも知れな〇ほど発見されているが、白鳥座の・ 1 は有名 ■ なカニ星雲と並ぶほどの X 線源なのに、まだ見つ いが、濃密な大気下層から出ることができれば、 見直された気球 これを発見できれば、 >•< 線 観測にそう支障はない。遠い宇宙の観測目標からけることができない。 そう厚くもない大気なのに、地球人は長い間その距離は、ロケットであろうと気球であろうと、の発生機構を知る手がかりを与えるだろう。 れにはばまれ、宇宙をのそくことができなかっそれこそほとんど違いはないのだ、ところでこのさそり座の >< ・ 1 という線星は、光学遠鏡 た。ロケット技術の進歩は、その大気圏外に地球気球観測の分野では、ロケットをふんだんに打ちでも位置が確認されており、光の変化と >< 線量の 人を運び出してくれたが、この方法は極めて高く上げる予算がなかったせいかどうか、日本はかな変化との関係もいま追及中ということだ。 このほか太陽大気を知るうえでも、気球は無く つき、おいそれと利用することはできない。 りいい線を行っているようだ 何とか簡便に、この大気の上層に出て、宇宙を 一〇〇万立方メートルなどというマンモス気球てならないものとなっている。太陽のフレア ( 太 のそけないものか・ーー各国の科学陣は研究を重ねは作れないが、五万から一〇万立方メートルほど陽面爆発 ) に伴う線の増加を日本の観測陣はキ てきたが、その方法として古典的な気球が見直さの中型気球をつぎつぎと四〇キロ以上に浮遊さャッチ、昨年八月の国際天文学会で発表したが、 れ、このところとみに気球株が上昇しているといせ、一流の成果を挙げている。なかでもご自慢の各国の科学者から「日本人はまた真珠湾攻撃をし う。気球といってもゴム引きの球体に、水素をつものは、観測器を一定の方向にむける方向規正装た」と高く評価されたという。 フレアに伴って中性子も異常増加するはずだと め込んだだけのものとはちがって、厳密な計算の置つきの気球である。太陽面の観測や、線星の 観測には、どうしても観測器を正しく目標に向けいわれているが、いまのところ未確認。新型高性 もとに設計されており、容積一〇〇万立方メー なければならない。観測員が同乗できればこれも能気球は太陽の全てを知るための貴重な知識を与 ルという怪物のようなものまで作られている。 到達高度も従来のものは一〇キロ前後が多かっ簡単だが、気球のように無人でただよっている研えてくれるものと期待されている。 キャベンディッシュ研究所の開発した 気球 ( 下 ) と観測装置 ( 上 )