小説 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1971年7月号
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1. SFマガジン 1971年7月号

金持ちの男 , 崖から足をふみはずす かげたものになる。ある仮説が実現されたら、その新しい tn コミックスの世界 角度から眺めた、人間の感情の動きや行動に、興味がでて くる。そして、それは、少数の人間の「個人的経験にもで きるし、また、スウイフトの「ガリヴァー旅行記」のごと が、最初あらわれたときに、新味があったと思う。 こうはん 、人間社会の制度や、その欠陥を批評するような、広汎 それまでは、空想的探検小説を除けば、その空想的要素く を、魔術によって、間に合わせたものである。フランケンなものにも拡大できる。私は、青年時代から、いまに到る シ = タインでさえ、彼の製造した怪物に、生命を吹きこむまで、深い嘆美の情を、スウイフトに対して抱いているの で、その影響が、私の科学小説のなかには、さかんに現わ には、魔術じみたことをしている。その怪物の霊魂につい めんどう ても、面倒があった。ところが、一九世紀のおわりになるれる。特に、現代の政治や、社会問題に触れるのは、その いちじるしい点だ。 と、魔術で、金を作りだすことすら困難になってきた。そ れで私は、今までのように、悪魔や魔術師をひつばりだす「モロー博士の島」「タイム・マシン」「宇宙戦争」は、ス かわりに、科学的術語を巧妙に使用するのが、好結果を得ウイフトの伝統にしたがった冷酷なものであるが、本来、 られるだろうと思った。これは、決して大発明でない。チ私は、悲観主義者でも楽観主義者でもない。以上の三小説 ン。フなものを現代的にし、できるだけ現実の理論に近づけは、どんな勝手な現像をはたらかせても、さしつかえない 方面を書いている。それに、恐怖の させたにすぎない。 ほったん 物語は、愉快なものよりも書きやす この発端のところ 、。「神々の食物 . The Food of the がすめば、空想小説「 ' Gods 「彗星の日」 ln the Days 0f 作家の仕事は、あと Comet 「人、神の如く」 Men like を、人間らしく、現 ~ Gods は、楽観的なものだ。 実らしくすることで ある。散文的に、く 私は、ウエルズの小説を読むと、 わしく述べたり、最 それが、であろうと、なかろう 初の理論に厳密に追 と、その、ストーリイ・テリングの 随してゆくことが うまさに、いつも感心してしまう 必要になってくる。 が、この文章には、いわば、。フロフ この本来の空想以外 ェショナルのストーリイ・テラーと に、ほかのことを混 ( ( ~ しての、ウエルズの姿勢が、はっき 入してくると、全体 りと出ている。そして、私が、いっ が、でたらめの、ば 《ページよりつづく ) たんび

2. SFマガジン 1971年7月号

新冑 0 幻の名作、渇望の秀作、戦後推理小説の派別体系化成る " 戦後遺産を新しい視野から発掘集 成し、純粋推理小説不毛の現況に 原点から挑む全集〃】 ^ 各巻内容〉 各価七八 0 円 第一巻本格派の系譜 大坪砂男、日影丈吉、高木彬光・ 江戸川乱歩・坂口安吾・水谷準他 第ニ巻本格派の系譜Ⅱ 仁木悦子・加田伶太郎・佐野洋・ 中村真一郎・戸板康ニ・陳鉾臣他 本第三巻ロマン派の饗宴 香山滋・三橋一夫・笹沢左保他 見 内第四巻社会派の展開 椎名麟三・松本清張・水上勉他 呈 傑作選 ( 全五巻完結 ) 現代の 全四巻Ⅱ完結 ・編集委員松本清張平 謙中島河太郎 区 4 ・わが国推理小説のメッカ「新青年」の完全再現田に * 乱歩・不木・正史・宇陀児作品など入手不可能の作品を多数収録。 束 米挿絵を「新青年」誌より復刻、往年の面影を伝えることに努めた 東南 米最終巻に創刊号から終刊号までの「収録作品総目録」を付した。 〈各巻内容〉 四六判貼箱入・各価九ニ 0 円・⑤のみ一三 00 円 ①推理小説編②怪奇・幻想小説編③恐怖・ユーモア小説編④翻訳編 : 呈内容見本 ⑤読物・資料編・ 振替東京 74493 電話 ( 727 ) Ⅱ田 ~ 8

3. SFマガジン 1971年7月号

・ G ・ウ工ルズの絵本「トミイの 冒険表紙 ( 上 ) これが , 誇り高き金持ちの男 ( 下 ) 0 存するのであって、発明そのものに 存しない。人情小説と同じような興 味を動かすのである。違った世界と か、奇抜な発明とかいう、空想的な 要素は、われわれの心に起こる驚 異・恐怖または当惑の情を強化する ために使用するので、それ自身は何 でもない。この原則をのみこまない おろか と、愚な、誇張したものが出来あが なにびと る。何人でも、裏返しになった人間 とか、鉄亜鈴のごとき世界、反撥す る引力などは考えられるが、しか し、かかる想像を、興味あらしめる のは、それを、日常の事物に転換 し、翻訳して、ほかの不可思議なこ 、た。彼は、読者に、その実現しとを、い「さい、そのなかから除外するのにある。そうす た暁を想像させ、それから生しると、人間味がでてくる。豚が飛行して、雇根を越えてき る面白み、興奮などを、味わわせみのほうに向「てきたとき、どう感するか ? きみが、急 にロバになって、誰にも話せなかったらどう思うか ? き た。彼の想像した発明の多くは、 みの肉体が見えなくなったら、どうするか ? そんなこと 実現されている。 けれども、私の科学小説は、可能性のあることを取扱 0 が、起こらないとも限らないと思わせるところに興味があ ていない。ま 0 たく相違した方面に、想像をはたらかせてる。しかし、垣根も家も、飛行する、前後左右の人間が いるのである。みんな空想だ。まじめな可能性を、示そう獅子、虎、猫、大になる、みんな見えなくなる、とした としたものではない。夢のなかで持つぐらいの真実らしさら、ばかげてしまう。いかなることでも起こりうる世界を 、と思 0 て書いた。読み終るまで、読者をー書けば、興味がなくなる。 があればいし 空想小説の作者は、読者に興味をおこさせるため、ま ー証拠や議論によらずーー文学的技巧や幻想によって 惹きつければ足りるので、読者は、巻を閉した瞬間に、そず、不可能な理論を消化させなければならぬ。有りそうな ことだと思わせて、その錯覚が消えぬうちに、筋を発展さ の不可能なことに、気がつくであろう。 かかる種類 0 小説 0 生きた興味は、非空想的なと = ろにせる 0 で、そ 0 点に、私 0 科学小説 ( 一八四一、〉」「づく ) 6

4. SFマガジン 1971年7月号

S F でてくたあ コノデスト・ノベル ーパー以外のも 今月は、いわゆるプロ ーモア風未来小説としても迫力がある。 イの『十二月の鍵』いわゆる〈濃縮小説〉の 一つでシ = ールな技法を用いた・ハラードの のに、読みごたえのあるものがあった。その『後継者たち』のゴールディングはアレゴリ 一冊は、アンソニイ・・ハ ージェスの『時計じカルな傑作『蠅の王』で読者にもよく知『暗殺兇器』新しいデスト。ヒア小説をめざし ュ かけのオレンジ』 ACLOCKTVN 「 ORKOR- られているが、本書はネアンデルタール人とたプラナーの『ノ、ーボディ・アクスト・ ー』現代人の疎外感を的に処理したディ ANGE 62 ( 早川書房刊・乾信一郎訳・五ホモ・サビエンスの種族交代ドラマを描いた ッシュの『リスの檻』などが面白かったが、 〇〇円 ) もう一冊はウィリアム・ゴールディ異色作である。実はこの作品はウ = ルズの短 どこかもうひとっ喰い足りないのは、新しい ングの『後継者たち』 THE INHERITORS 篇『気味の悪い奴ら』を下敷にし、それを裏 波がまだ完全にその技法を定着させていない 】 955 ( 中央公論社・世界の文学新集・囀巻・返しにしてみせたものだ。つまりウ = ルズの からか ? 続篇を待とう。 作品では〈後継者〉であるホモ・サビエンス 川和夫訳・六五〇円 ) である。 創元推理文庫はラリー・マドックの『空飛 が善玉となりネアンデルタール人が悪玉となぶ円盤』 THE FLYING SAUCER GA ・ アンソニイ・パ ージェスは現代イギリス文 っているが、ゴールディングはその立場を逆 MB 一 T 》 67 ( 高橋泰邦訳・一七〇円 ) が出 学を代表する新鋭作家たちの一人で、「イー にし、無智で平和な猿人たちの一家が智慧あた。マドックのスパイ小説シリーズ〈テ ヴリン・ウォー以来最も有能な」諷刺作家と る人たちの惨忍な征服欲の犠牲となって全減ラの工作員〉シリーズの一作めで、銀河連邦 いわれているが、本書も徹底した管理社会の させられる姿を描く。彼は人間の邪悪さが智の平和をみだす敵〈エンパイヤ〉の野望をく 実現した近未来のグロテスクさを痛烈に諷刺 じくべく組織されたテラ ( 時間エントロ。ヒー 慧とともに発生したのだということをいいた ート。ヒア小説である。 した一種のアンチ・ユ 修復機関 ) の工作員が、時空を超越した虚々 かったわけで、ウエルズ流の「進歩」思想に 社会主義体制が完備し、衣食住の心配のま 実々の戦いを展開するーーといった娯楽作品 反対しているのだ。小説はすべての経緯が、 だが、わりと出来はよく、けっこう楽しめた。 ったくなくなった近未来のイギリスで、その 言葉も論理も殆ど持たないネアンデルタール あまりに機械的な生活に退屈しき 0 た十五歳人の視点から描かれ、それが一種不思議な幻太古世界シリーズの一一一冊め『時の深き淵よ の少年アレックスが、三人の仲間とともに夜想的雰囲気をかもしだしている。 り』 OUT OF TIMES ABYSS 1924 ( 関 の市街に出、ありとあらゆる暴力を振う ノヤカワ・・シリーズからはマイクレ ノロ幸男訳・一七〇円 ) が出た。南海の秘境キ 何の理由もなく通行人をなぐり、本を破き、 ・ムアコック編の『ニュ ・ワールズ傑作選ャスパックを支配する超能力の有翼人種と主 人の家に押し込り、壊し、女を輪姦し、強盗 zo ・ 1 』 1967 ( 浅倉久志・伊藤典夫訳・三人公たちが闘争す を働き、車を盗み、人を轢き殺しーーー不良仲五〇円 ) が出た。現代に新転回を試みたる。 ・ワールズを根城に活再録では・ハロウ 間と殺しあい、に酔い、親を含めた大記念すべき雑誌ニュー 実 ・ウェーヴ〉の作家たちズの『戦乱のベル 人の社会全体を嬲る。しかし、彼にとっては躍を始めた〈ニュー シダ 1 ー』がハヤカ 正 その暴力そのものの中にしか〈生〉はない。 オールディス、セラズニイ、スラード、 ョ ワ・文庫に、 そのアレックスが、科学によって選択の余・フラナー、ディッシュなどの作品が組織的に シ島 ハワードの『コナ ク言田 地ない矯正を受けるが・ーーそれこそいっそう紹介されるこのアンソロジーの持つ意義は大 ンと髑髏の都』ス セ 救いようのない「時計じかけのオレンジ」にきい。 ( その意味で巻末の伊藤典夫の〈ニュ トーカーの『吸血 ・ワールズ小史〉も有益だ ) なることだった : 鬼ドラキュラ』が 一当 海 こんなストーリーが、ナッドサット言葉と本書では、人類のミッシング・リンクに取創元推理文庫に、 日一 いわれるティーンエイジャー陰語で、ぶつき材したオールディスの『小さな暴露』宇宙開それそれ入った。 ら・ほうに、しかも能弁に語られ : フラックュ発用に改良された種族の運命を語るセラズニ 0

5. SFマガジン 1971年7月号

TARZAN それは S F 編集部が総力をあげて、全 S F ファン、 冒険小説ファン、 パロウズ・ファンにおくる本年度最大の企画 ! TARZAN それは世界大衆冒険小説史上、永遠不減の光に輝く最高最大の遺産 として、全世界を熱狂させつづけてきたヒーロー中のヒーロー ! TARZAN それは映画・テレビで偶像化された英雄の衣を脱ぎすてて、文明と 他者への不信に徹し、おのれのカのみをたのんで密林に生きる孤独 な闘志の男 ! TARZAN それは冒険とロマンを熱愛するヤングから、現代の不毛と虚妄の疎 外状況の中で真実を求めるアダルトまで、あらゆる階層年令層の人 びとにアビールする名作シリーズ ! かって日本のどの出版社も果し得なかったくターザン。シリーズ全 26 巻完訳決定版刊行〉の壮挙にご期待を ! 全巻武部本一郎画伯のカラー表紙ロ絵に挿絵 20 葉入り ハヤカワ S F 文庫特別版として 7 月より毎月一冊刊行 ! 第一期刊行予定作品 類猿人ターザン ターザンの逆襲 ターザンとアトランティス磅必宝 恐怖王ターサン ターザンと蟻人類 洋 密林の王者ターサン ターザンと失われた帝国 ターザンの凱歌 ターサン黄金都市へ行く ターザン対ライオンマン ターザンと禁断の都 素晴らしきターサン ー 07

6. SFマガジン 1971年7月号

れた乗員たちが、この問題をいかに克服して生きのたこのリストは、アンダースン・ファンには見逃せも、こんなふうに形無しになる ホールド びるか、それがこの小説の最大のクライマックスない資料だろう。 「昔のシルヴァー・ハ ーグは白痴。しかし、新しいシ だ。それは、チャチなファンタジイの及びもっかな ルヴァーく ーグはそれとは別ものーー華麗な描写に な帰結でもある。そして、・フリッシ = がこの小説にン論は、四ページたらずの短いものだが、 , 彼の作品ロドラマ的な、道徳的アレゴリーの作家である」 カプトを脱いだ理由も、わかるような気がする。プに見られる科学、詩、喜劇、悲劇の各要素を手際よ 2 この長篇は、ギャラクシイ誌の六七年六月号か リツンユ がかってある小説で試みたアイデアを、アく解説している。その中で、最後の部分が、この作ら二回連載された outlive E 窄 rn 一こに手を ンダースンがもっと鮮かに処理しているからだ。さ家の見過ごされがちな一側面に触れているので、す加えてひき伸ばしたもの。 て、その解決法とは ? こし引用してみる 3 マイクル・カラジョーンは、ジュディス・メリ 「悲劇の観念も、では稀にしか見られないものルが六五年度の年刊傑作選のあとがきで、有望新人 どうしても結末を明かしたくな 0 た。それにずとか、愛するものの死とか、戦争や自然の暴威によネームだ 0 たことがこれではじめてわか 0 たわけ。 れしたあなたなら、もう察しはついておられるかもる殺戮といった、ありふれたものの中には内在してさて、ウインストン・・サンダースだが、この名 しれない。だから、思いき 0 てその一部だけパラしいない。物理学者として、彼は = ント 0 。ヒー勾配がの由来をあなたはご存じだろうか ? がポールの てしまおう。 容赦なく一つの方向をめざしていることを知ってお頭文字、サンダースがアンダースンのアナグラムで クリスチーネ号は、宇宙のつぎのサイクルが始まり、そのことを未練がましく歎いたりはしない。彼あるらしいことはわかる。しかし、伊藤典夫氏が教 るまで、飛びつづけるのだ。 にとって、悲劇のヒーローとは、一部は状況によっえてくれたところによると、それだけではないの て、だが、大半はみずからの良心によって、正し いだ。・・ミルンの有名な童話『クマのプーさ タイミングのいいことに、この原稿を書いている理由のためにまちがった行為をするように駆りたてん』のはじめに、プーさんが森の中でサンダースと とき、 & 誌の四月号ーーポール・アンダースられた人間 , ーーそして、その行為を背負って生きな名乗って住んでいた、というくだりがある。つま ン特集号ーー・が出た。彼の新作中篇一つ、そのほかければならぬ人間なのだ」 り、 Winnie the : Pooh こ Sanders—Winston P. に、アンダースンのプロフィルをゴードン・ディク Sanders となるわけ。アンダースンは、こんなニ スンが、アンダースン論をプリッシュが、それそれ マニアのための注 クイまねもできるエライ人なのです。 書いている。そして、ビブリオグラフィ。これまで の著書五十四冊と、ウインストン・・サンダー 1 最近では、プリッシュ以上にすさまじい毒舌を ス、マイクル・カラジョージ、・・クレイグ名吐く、ジョアナ・ラスという批評家が現われた。彼 義 ( 注 3 ) を含む二百十八の短中篇をくわしく記し女の手にかかると、最近絶好調のシルヴァしハ 「ス ( キャ

7. SFマガジン 1971年7月号

・ラメカ児童・お界の第 . 「人者アン . 下レ・ ~ / ー . + ンに「『軼惑、、小は、マシジをイト・を ~ 驟切 .2 殺も屋に追われる身となった主・ 星』 W Wo 「 ld 、 . といおとな向きの長第がある。 = 九三年に【、 . 人公・が、イ守スのかたいなので奇な科学者に出会ところか奓 発表され、ヒイゴⅱ賞のオオン投票で朝クリアまドド・ を々、み【・姙まみそ科学者ばなぜ溽彼の素﨡 . を知ていを・命がほむけれ ぞの中継るテヨシ宿ン』・にれて次点にとどまわたが売れゆき・ . ばそ叔にすわる主かない費する相手が敵であれ味方であれ、 は好部でそのど冊も続府が・書かれた 一・ ) をまで自分行動を知をれは、彼にま選択 0 計血はないを】ち ア緲自王法説のなかに「 . 〈命取カ・の座〉と呼ばれる . 石のかけらん彼が到着ルたのは、題名の . とおい魔法としか思えない力が支 の話が出て、る . ゞ聖杯を捜しだす運命を担・やたもののために予定さ、 . 配すお惑星 9 ・そルて主人公の行手には、奇怪なできざをがつぎ . つぎ れている・ . 〈円卓〉 . の空席で、それには魔力がありゞ六人の騎土がすと . わろうと (-) て命を落した ~. 無事にその座につくことができたのは、 なんて知ったようなことを書 . いているが、、何をそう、・ほくはこ . 二人の騎士ーー ーシヴテルとギャラ ( ッドだげだったという。 の小説、三分の一も読んでいないのだ。だいたいアンドレ・ノート そんなものがこの世にあるはずはない。時代を経るうちに、だれンの長篇で、最後まで読み通したのは一冊もない。半分くらいまで かが物語につけ加えた小道具の一つだろう。ところが伝説のその部たどりついたのが三、四冊あって、どれもこれも底の浅さと味気な 分は事実で、〈命取りの座〉は今もなお存在するというのだ。たい文章に耐えきれず放りだしている。ぼくだけが生理的にうけつけ だ、それにすわった騎士たちは死んだのではなく、瞬間的に別世界ないのかと、あちこちたすねてみたのだが、ノートンをおもしろく 〈と漣はれたのである。 読んだという人間には、少なくとも日本人でよ、、 もまだかって一人 . プイ ( アをフ・マ ( 、タスティ功 宇宙製造者たち ( 2 ) 、載 伊藤典・夫 6

8. SFマガジン 1971年7月号

ウェープ ) は、マスコミに氾濫しているよう ■「」創刊号 ~ 5 題宇宙麈新号 ~ 川号但一冊 っ 4 次 な奇抜さだけで売り込もうとする手合と同一線上号、「マンハント」創刊号欠、邦訳アメージングスト 8 可目 ー丿ーズ六冊、チャベック ~ 4 号、「ヒチコックマガ の存在と考えられるのだ。過去・現在・未来の も ジン」創刊号 ~ 3 号以上著年邦訳、以上 で係に必要なのは、三流 = ューウェープを抹殺 することだ。・ほくはにおける = = ーウ = ー・フ冊を「」創刊号 ~ 適価で譲ります。 ( 川日野・ 差「れと ー 1 野口 号までの 2 ~ 3 冊と交換し市多摩平 6 ーⅡ 全体を否定するのではない。総てのものには停滞 たし。 ( 名古屋市中川区益雄 ) ま においてさえ、内容的進歩は必要なのだ。すなわ 小本町五反畑一三八八成ぷ新創元社「世界恐怖小説全 書れちにその正統性を保つことが一種の停翳と、 集」全巻、大口マン全集 ネ、田公次 ) 迎葉て うならば、その中での新しさを求めることは真理第圜号 ~ 川号迄全四つ「吸血鬼」「怪奇小説傑作 だろう。しかしアングラ演劇においてアナクロニ半額でお譲りします。 ( 石わ集」を適正価格でお譲り下 稿書先照 投封宛参ズムと = ヒリズムが今なお支配的なようにが川県小松市殿町 2 の 3 寺すさい。 ( 豊島区目白 4 の幻 の字佐美誠一し くだらない前衛さを求めるジャンルになってしま井良直 ) うことは僕にはたえられない。には大なる自■号 ~ 川号適正価題い号 ~ 号を一冊 における、 = = ーウ = ー・フ発生の理由は何由が必要と同時に的制約が決定されなければ格でお譲りします。但し一つ百円程度でお譲り下さい。 括にて。 ( 大阪市城東区永と ( 川都内墨田区八広 4 の だろうか ? それは簡単明瞭なる事であり、いわならない。 田東 3 の 1 深江橋コーポ O の 5 藤和三 ) ゆる広い意味でのニューウェープに従ったものだ ( 都内新宿区柏木一の一三一飯ロ方大沼純夫 ) 新図書解説総目録を適 棟一 0 三号唐津良夫 ) ろう。そして其の対象が映画にしろ演劇にしろ、 、肥正価格でお譲り下さい。 価世界全集 5 、 6 とまれにしても、狭い意味において優劣はお高校へ入学して、校内の図書館で世界全集 1 、、認巻、星新一行本 ( 千葉県香取郡東庄町大久 のずからつけられて来るのだ。すなわち、にを見つけたときは、ビックリして思わず心臓を吐腮冊、マットヘルム部隊シ保蟻堀江和徳 ) おけるニューウェープは小学生の学芸会のようなき出しそうになった。正直言って、・ほく自身 ーズ全肥冊半額程度でお靍キネマ旬報社「世界 演技力と内容性を持って前衛と自負しているようは素晴しい文学だと思っていても一般 ( 特に学校 ) 譲りします。なるべく手渡大鑑」をお譲り下さい。 なアングラ演劇の次にくだらない新しい波となろでは理解されてないものと思っていた。だから世希望 ( 繝大阪市東淀川区山 ( 都内南多郡多摩町一の ロ町七九六の九松岡茂雄 ) 宮弸の 5 星野薫 ) うとしてるい。におけるニューウェープの憂界全集があるなんて、何と言っていいカ : 慮すべきことは、ほとんどが手のつけられないデ 。ともかく・ほくは狂喜して一冊を取り出した。 「なんて、くたらない。だってううじゃ カダン的な前衛さを誇っていることである。さら「クラーク篇」である。そして本のカードに記名よ、 ナ . しカ ! 宇宙人が出てきて、どうのこうのって に救いがたいことは、当事者達が自己陶酔してししてある借り出し人の名前があまりに多いので、 ハカ・ハ力しいったりゃありやしない」「いっ ? ・ク一フ まって己のくだらなささえ自賛していることなのこれまた驚いた。全集は新冊くらいあった。思わたい君。 よを読んだことがあるのか ベスター等の だ。そして大部分の点で前に述べた、アングラ演ず口元に微笑が浮かんでしまう。 ・ク、ハインライン、プラッドベリ、 劇に通ずるものがある。芸術家にしろ小説家にしそれから三月程してクラスで自己紹介があっ名作を一度でも読んだことがあるのか ? 」反射的 ろ、いったん創作活動をしている以上、自分に万た。その時・ほくは姓名だけ言うと、すぐさま自分にそう言ってみた。「そんななんてくだらな いもの読めるか ! 」 全の信頼を与える事は当然だろう。そこにこそ作がに興味をもっており、は文学であると 思っていることを述べた。それから種々さまざま しかたないから、の文学性、諷刺性を論じ 品が完成する論理を見出すのだ。しかしそれは、 あくまでも技術的、思想的完成度を持「て判断しのに関する・ほくの意見を堂々と言「てやるとてみたが、相手はわか「たようなわからないよう なあいまいな表情をしている。話にならない。し た時に、自分自身の作品を偶然でくわした事故なんとも言えない快さを感じた。 クラスの連中に、に興味を持っている奴はかし・ほくは最近の日本を読んで不満を感じて 現場の血準死体を観るように冷酷冷静に評価でき いたので、少しばかり気がひけないでもなかっ るのでなければならないのだ。日常的な泥酔者然一人もいなかった。それどころかを″・ハカ とした自己陶酔者が口々に叫ぶ思弁小説 ( ニ、ー話。呼ばわりする奴さえもいる。なんて軽卒な奴た。特に小松左京氏の作品について特にそう思え

9. SFマガジン 1971年7月号

THE ・ OWORLD: OF 、 SF COMIICS 私は、古本屋で、「絹の国への特命使節」を含む、・ハラン マガジンの五月号に載った小説のうち、ずばぬけてタイン・ブックのオリジナル「 Sometime Never 」を見つ 2 いたのは、なんといっても、ゴールディングの「絹の国へけて、夢中になって読んだものだ。その後、「蠅の王」が の特命使節」であった。 翻訳され、ごく最近、「後継者たち」 ( 一九五五 ) と「自 この、皮肉たっぷりな短編のなかにも、ゴールディング由な顯落」 ( 一九五九 ) の二長編が、翻訳された。 ( 中央 は、やはり、出世作「蠅の王」以来のテーマを、追求して公論社・新集「世界の文学」四四巻、ゴールディング、マ ソフィステイケー ッカラ 1 ズ集 ) これは、まあ、いしる = 、説を読みたいと思う いる。おそろしく洗練されたローマの老皇帝に比べると、 他の登場人物たちは、皇帝に反逆する将軍も含めて、みひとは、なんとしても、読むべき本だろう。もちろん、二 な、イノセンスに見える。この、世故にたけた皇帝は、天作とも、非常に的だと、私には思われる。 イ / セント ゴールディングは、 g..q のファンでもあり、「スペクテ 才が、無邪気に狂喜しながら、世界を改良する発明だとい ってさしだした、三つの大発明ーーーその早すぎた発明が、 イター」誌に、キングスレイ・エイミスの論「地獄の この自足したローマ帝国においては、ただ、無用な混乱を新地図」の書評を書いていた。しかし、このところ、ずつ おこすたけの危険物にすぎないことを、すばやく、見ぬい と、作品を発表していない。アレゴリカルな作風は、一種 てしまうのである。この、時代をまちがえて、完成されての綱わたりを思わせていたから、行きづまっているのだろ しまった発明が、ひきおこす事件の結末は、恐ろしく、まう。 こ、ばかばかしくも、こつけいだ。 老皇帝は、進歩のあゆみを早める ( こうした発明が、人「宇宙戦争」を久しぶりに見て、私は、中学生の頃にみた 間から、イノセスンを失わせ、堕落させる速度を早め、未この映画のカットを、ほとんど正確に記憶していたことが 来世界に不幸をもたらすことを、予感するのだ。これは、 わかり、われながら、驚いた。人間というものは、まあ、 実にしゃれた、そして、ペシミスティックな、見事な出来せいぜい十五歳くらいまでが華で、それからはいつのまに ばえの小説で、全篇にひろがるユ 1 モアが、これは、なん か、選択の自由を、つまり、イノセンスを失って、あと ともいえす、とめどなく、おかしい は、自由に落下していくものなのではないかという思い 一九五六年に書かれたこの作品を、ゴ】ルディングは、 を、すてきれないでいる。なんとか、「幻影の扉ーを、み ちょう 二年後に、三幕ものの喜劇に仕たてあげた。「真鍮の蝶」 つけなくちゃならないな。 が、それである。これは、現在までのところ、ゴールディ ングの唯一の劇であり、一九五八年の二月に、オクスフォ ートで初演されている。 私が、卒業論文に、ウィリアム・ゴールディングをとりあ げたとき、また、翻訳は、一冊も出ていなかった。学生の

10. SFマガジン 1971年7月号

REPENT 、第師 000 ・ GO ら 斤・進化した猿 星新一著 A 5 判変形・上製 世界て辷番目に誕生したユニークな わちアメリカ漫画と工ッセイスト星新一と 絶妙なコンピネーションを、笑う能力と想 力のある全てのホモ・サピエンスに捧ける REPENT 日 0 REPE NT AND YE SHALL BE SAVED THE WOR し 0 W 儿し END FRIDAY 好評発売中 / 進化した猿たち V 750 『進化した猿たち』に寄せられた書評 ■本書は、愉しいマンガによって触発された星氏、豆 流動であり、博学な饒舌であり、おおらかな随想・ のきいた小説であり、そこはかとない皮肉と批評 北社夫氏評 第 ・・何ごとにも先受者の苦労というのはあるわけだが、漫 画の山を前にして、それを分類せすにいられなくなってくる 著者の努は妙に切実で、しかもおかしい。 谷川俊太郎氏評