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1. SFマガジン 1972年10月号

バットマンをめぐる女たち ( 新版バット・ウーマンと新版キャット・ウーマン ) 、 - 睿臺いド第 00 第ど、ツ 0 、第物蠍を , を を終えたウは、たいしたことなく、悪人が医者と組んで、レントゲン イングマン写真に細工をし、バットマンの足にギブスを巻いて、戦線 から、離れさせようとしたのだった。だが、途中でロビン ツ。 ( に帰っは、それを見破ってしまう。いきなり彼は、金づちで、ギ たのだっプスをたたき壊してしまう。そして叫ぶ「・ ( ットマン、き た。「ロビみは歩けるんたよ ! 」驚きながらも、なんとか立ち上る・ハ これは、感動的な物語で、私は、何度もくり ンは不必ットマン 要」といっ返して読んだものだ。 たのは、ヨ 黄金時代の・ハットマンは、このように、熱気にあふれて ーロッパでいたのだった。ゴッタム・シティの〈夜の番人〉である・ ( は、ロビン ットマンは、夜の熱気のなかで、戦っていたのである。そ に相当するして、ボ・フ・ケーン ( 実際は、主としてジェリイ・ロビン 相棒の少年スン ) の絵は、男らしいやさしさをもった力強くおおらか ヒ なタッチで、私は、その雰囲気が、大好きだった。 は、なくてもいいだろう、という意味だったのだというこ だが、この熱い濃密な香りにむせかえるような世界は、 とがわかる。やれやれ。 やがて終りを告げる。それは、ちょうど映画「ラスト・シ ョ ー」で、アメリカの良き時代が終末をむかえる一九五 0 しかし、 、中学生だった私には、このロビン少年の不 安が、痛いほど理解できた。自分は、結局は、役にたたな年代の前半と、時期を同じくしている。つまり、私は日本 こにいてコミック・ブックを読みながら、「・ハットマン」の い存在なのではないか、見すてられるのではないか うした不安は、少年時代の友情関係のなかにも、よくあるラスト・ショーに立ち会ったことになる。 のではないか。ロビンの気持には切実さがあった。 ( ひとつ、つけ加えておきたいことは、コロンビア社が、 がたな 。・、ツトマンが負傷する。おっとり刀シリーズものとして製作した・ハットマンの連続活劇映画の 逆の場合もある / ことである。一九四三年に作られたこの作品は、戦時中と で、ス 1 パーマンがメトロポリス市からかけつけ、ロビン はいえ、完全に、日本人を悪役に仕立てた、その意味で と組んで戦う。事件にとびだしていくふたりを見送りなが ら、彼は、さびしげにつぶやく「・ほくなんかより、スーパは、はなはだ不愉快なしろものである。とりわけ、時の政 1 マンのほうが、ずっと強いから、ロビンのやっ、もう、府の意向を反映して、日系二世まで非難してある内容は、 ひとつのアメリカの汚点として、残るだろう。なぜ、こん ぼくとのコン・ヒを嫌がるかもしれないな」。 くるまいす 足を折った・ ( ットマンが、車椅子に乗ったまま、なんとなことを書くかというと、戦時中の二世がアメリカで受け か工夫して、悪人と戦う話もある。だが、実は、その怪我たしうちについて、最近になって、さまざまな事実が明る

2. SFマガジン 1972年10月号

新しいバットマン ( おとなのムードである ) レ第ま窈を 04 をラて、必ざ・ま、 %EN こ今幻を 私す ~ A 夸し年 第い・ 70 7 0 にまノ 姦 1 了、 0 丁オ れるけれど、そんなことはない。少年があこがれるのは、ほて、安心だった」 しかし、私は、必ずしもロビンが嫌いではなかった。と んとうの男、おとなの男なんだ。ロビンは、悪い前例にな いって、ロビンにあこがれることなど、決してなかった。 。、ーヒ 1 ローには、必ず少年ヒ っちまった。あれ以来、スー / ーーの相棒が、まとわりつくようにな 0 たんだからな」私に関心があ 0 たのは、このふたりのヒーーの、自分の パートナーに対する独得の感情だった ( もちろんホモ・セ 名著「コミック・ブックの偉大な英雄たち」の著者であ り、「ンガ家兼小説家兼劇作家兼シナリオ作家兼文明批評クシ , アルなどではない。そんなことは問題外だ ) 。つま 、・ハットマン日ロビン・チームにおける緊張関係と 家 ( なにしろ、最近のこのひとの活動範囲は広いからね ) り であるジ、ールス・ファイファーは、「私は、・ ( ットマンでもいおうか。たとえば、こんな話がある。 悪人を追撃中、ロビンは足を滑らせて骨折、直るまで、 が大好きだったけれど、ロビンは嫌いだった」と書いてい 。・、ツトマンは、ひとりで戦うはめになっ る。「ロビンは、当時、少年だった読者の私と同じ年かっ数カ月かかる , インダーポー た。ちょうどそのとき、国際警察では、犯罪阻止のため、 、・、ツトマンの片腕として働いている。気にく こうなのに 、・、ツトマンのような存在が必要だと考 わなかった。ロビンみたいになろうとしたって、もう間にヨーロッパにも , 、・、ツトマンのも 合わないからだ。でも・ ( ットマンならまだ大丈夫。ずっとえ、ヒーローの候補者を、訓練のために , とに送ってくる。ヨーロツ。 ( から来た男は、赤いマスクに 年上だから、 少年の私もか翼のついた 0 スチームをまとい、ウイングマンと名のつ 、くットマンと活動を共にすることになる。 らだをきたえて、しばらく / ロビンの地位を奪う 「・ハットマンに新しい れば、 、、 , ( ットマか」新聞が、派手に書きたてる。さあ、気が気じゃない 、・、ツトマン ンみたいになのがロビンだ。「・ほくの足が直っても、もう , れるかもしれは、・ほくなんか要らないっていうかもしれない。考えてみ ない。可能性れば、・ほくは子どもだし、今まで・ ( ットマンにとって、足 が残されてい手まといだったかもしれないなあ」ーーー悩むロビン少年。 くットマンを助け るわけだ。ロしかも、ウイングマンは、なかなかよく , 、・、ツトマンとウィ ビンを見てるている。ある日、ロビンは、こっそり , ングマンが話しているのをまいてしまう「ロビンは、必要 とくやしくな ないね」。絶望にうちひしがれるロビン。これで、・ ( るけれど、・ハ ットマン、なマンⅡロビン・チームは、おしまいなのか。やがて、ロビ 3 、・、ツトマンがやって来ていう「ロビ 4 ンの足が直ったとき , ら、まだ間に ン、またいっしょに頼むよ ! 」びつくりするロビン。訓練 合うと思っ とし

3. SFマガジン 1972年10月号

だ。牛は納屋に人る門のところで待っており、風にむかってかがみんなものだと、かれにはわかっていたーー・しかし、どうして、たっ たいま時間旅行から帰ってきたところだなどと言えるだろう ? こみ、皮膚は氷と雪におおわれ、暖い納屋に逃けこむことを待ちこ がれていることだろう。豚は餌を与えられていないし、鶏たってそ保安官はおもしろくなさそうに言った。 うだ。人は飼っている家畜のことを考えてやるべきものだ。 「なんてことだ。われわれはあんたを探していたんだそ。べン・ア しかしたれかが下にいる。ランタンを持っただれかが、崖っぷちダムズがあんたのところへ行って、あんたがいないんで驚いた。あ いつはあんたが森の中を歩きまわることを知っているんで、何かあ のところにいるのだ。その馬鹿な連中が気をつけていないと、足を すべらせたら最後、百フィ ートもの虚空にまっさかさまだ。アライんたにおこったんじゃないかと心配した。それであいつはぼくに電 グマを追っている連中というところだが、アライグマの猟に出るよ話をよこし、われわれはあいつの息子たちといっしょに、あんたを うな夜ではない。アライグマはみな、穴の中に閉じこもっているは探しはじめた。われわれは、あんたが崖から落ちたか、怪我でもし ずだ。 ているんじゃないかと心配していたんだ。こんな嵐の夜に、そう長 しかしその連中がだれだろうと、かれは下りていって警告してやく生きていられるはずはないからな」 るべきだ。 ダニエルズは尋ねた。 地面に置いてあったらしいランタンのところへ近づいていくと、 「べンはいまどこです ? 」 だれかがそれを高くかかげ、ダニエルズはそいつの顔を見て、だれ保安官は丘の下のほうへ手をふり、ダニエルズはふたりの男、た かすぐにわかった。 ぶんアダムズの息子たちだろうが、木のまわりにロー。フをくくりつ ダニエルズは急いで前進した。 けており、そのロー。フが崖の下にのびているのを見た。 保安官は言った。 「保安官、こんなところで何をしているんです ? 」 だがかれは恥ずかしい気持にかられた。明かりを見たときすぐに 「あいつはロープの下だ。洞穴の中をのそいているんだ。あんたが わかっているべきだったのだ。 洞穴の中にいるかもしれないと思ったんだ」 「だれだ ? 」 「そう考えるのももっともな : : : 」 保安官は急いでふりむきながらそう尋ね、ゆれるランタンはダニ ダニエルズはそう言いかけたが、ロを開くと同時ぐらいに闇は恐 エルズのほうに光を投げかけた。 怖の叫びに切り裂かれた。その悲鳴はとまらなかった。それはいっ 「ダニエルズ」かれは息をのんだ。「よかった、いったいあんたはまでもつづいた。保安官はダニエルズにランタンをつきつけ、急い で前方へ進んだ。 どこに行っていたんだ ? 」 「散歩していただけですよ」 度胸がないってわけだ、とダニエルズは考えた。だれかを死の危 と、ダニエルズは小さな声で答えた。その答はまったくいいかげ険におとし入れるほど、かれを洞穴の中に閉じこめるほどの悪意が 2

4. SFマガジン 1972年10月号

うにできている。信号は、ただ、君が外にでた、。と告げるだけだ。 君は、・私がオリジナル 彼はもう少し顔をしかめた。「つまり 私は君を追おうとしたが、君は跡をくらました」 のドラヴェクだと思っているのか、一九四七年生まれの ? 」 「少し奇妙な感じがする」私が言 0 た。「だが、それこそ、私の考「けっこうな考えのようた。たとえ、あんたの〈・フラッキイ〉がけ ちな射ち手だとしてもな」 えていることだ」 彼は四分の一インチほど首をかしげた。しかとは認めがたい理由「麻酔弾を使うように命じてあ 0 た」 「なかには、キツィ弾もあったがね」 で、しかめつ面が徴笑に変わった。 「君がイライラするのも無理はない」彼は言 0 た。「さあ、銃をし彼はうなずいた。「ジ = ス・ラルフという小男のことは、すまな かった。君たちがあそこにいるのを見て、奴らはびつくりしたの まって、そこに坐り、一杯やりたまえ。私はナン・ハー 1 ではない。 ナイハー 5 だ ! 」 私は彼のまわりをぐるっと回って椅子に近づき、彼には別の椅子「誰かが内報したんだ。奴らは待ちぶせていた」 「言うまでもないが、 0 z-«の敷地は厳重な警備のもとにー を手で示し、彼が坐るのをじっと見た。それから、私が坐り、震え る手をそれと悟られぬように、銃を膝に置いた。ロメオがジ = リ もし、あんたがおれと話したかったのな 「そんなことじゃな、。 ットを求めるほど、酒が欲しかった。 ら、な・せ、おれの眼につくところに伝言を残しておかなかったの 「ナイハー 4 はどうしたね」 だ ? その場所はわかっているはずだ。あんたの〈・フラッキイ〉に 「君の想像するとおりだ。盛りをすぎたーーー五十歳を越えている。 十 / しカ . 」 私は彼と話そうとしたが、彼はそうしなかった。なぜ彼が話しをすおれを傷つけろと命ずるより簡単なことじゃよ、 「君は私を信じただろうか ? 頭部テー。フにフレイジアが入れてお るはずがあるね ? 彼は世界を持っていたのだもの」 いてくれた最後の指示を思いだす。それによると、〈老人〉のひど 「どのくらいの間 ? 」 く暗い絵があるんだそうだ。それは、私が思うようにあやつるには 「四十年以上だ。私は、ここに地歩を固めるとすぐーーそれには、 ある程度策が必要たったんだがねーーわれわれが他にもいるのか好都合だと思った。君に私と同じ道をたどらせようと思ったのだ。 君をひそかにここへ連れこむのにも一層好都合たった。われわれが どうかはっきりさせようとした」眼をしばたたかんばかりだった。 二人いるといううわさがひろまるのはやっかいな事だ、と君にわか 「とうとう君があらわれた」 ってもらえると思っている」 「そこのところを話してくれ」 「かもしれん。ついでだが、あんたの手首 「ふーん」私は言った。 「タンクは、内側から開けられた時、信号をだすように作られてい チ・し力」 た。マイクロ波で、短くただ一回、。ヒーと鳴るんだ。君も、それをを見ようじゃよ、 聞く場所をあとで知らねばならん。あいにくと、位置はわからんよ考えこんでいる様子であった。やがて、右の袖をびきあげ、あら 3

5. SFマガジン 1972年10月号

るが、オデッセイア、イ 1 リアスや的な神話 ■「地球 0 年」「狂ったエまたは交換でお譲り下さい 次 等の超古典もやっていただきたいものである。 Z デン」を半額程度で譲りま ( 招愛知県西加茂郡三好 可目 の方も今よりさらに新しくし、楽しめる思考文す。美本。 ( 北九州市八町三好上近藤和也 ) も ■「宇宙兵プルース」「宇 学にしてほしい、怪奇小説も、単なる夏向きの幽幡区東通町 9 岩本光子 ) で係 れと霊物ではなく、文学的なのを翻訳されては怪奇小■「銀河帝国の崩壊」「月宙の孤児」「地球人よ故郷 説も見なおされる事であろう。また、も見離世界へ行く」「字宙の果てに帰れ」「泰平ョンの航星 を超えて」「巨眼」「海が日記」号 さないで、もう一度取り上げ、 0 ならではのい 消えた時」「われはロポッ倶楽部 123 号を適価 書れ い所を取り人れたいものである。 ト」「地球脱出」「時の凱でお譲り下さい。 ( 神戸 迎葉で では、界に新風を吹かせようと努力するで 歌」「再生の時」を適価で市須磨区明神町 2 の 5 の 1 あろう貴社の御健闘を祈る。 譲ります。 ( 府中市押立向井克明 ) 稿書先照 、 ~ ( 鵬号 ( 埼玉県和光市本町幻の日暮雅夫 ) 町比留間政義 ) 投封宛参 ■「」「冒険世界」欠 ) 、 ~ 号を適価でお 前略、先日、テレビの午後の女性手帳「新青年」他、海野十一 = 、譲りします ( 川岡山市津島 賀川豊彦、山中蜂太郎の本ぶ 1540 奥山善治 ) 幸いにも夏休みになったので文句の一つでもつで、「宇宙人はいるか」という題で小松左京氏の ■島 ~ 川号を適価で 希望の方二十円切手同封の ける。最近、復刻プームででも「光の塔」話が何回にもわたって放送されました。私も 上御連絡下さい。 ( 第板橋つお譲りします。 ( 埼玉県 をやった。また、なる奇怪極まるものも盛んファンのはしくれとして興味をもって拝見させて 区坂下町 1 のの 2 桂田米熊谷市新堀坂本忠 ) わ ~ 号 ( 多少欠 で、 9 月号では特集もやった。それに、怪奇小説いただきました。空飛ぶ円盤に始まり、相対性理店方堰田和也 ) ・も栄え始め、増刊号の特集、の「異次元論や宇宙人の存在する確立などまでの幅の広いお 「電車で行こう」「明すけても可 ) を一万五千円程 を覗く家」、文庫の「山荘綺談」等頑張って話でしたが、私がまったく残念に思ったのは、宇日泥棒」を適価でお譲り下度でお譲り下さい。 3 兵 ( 兵庫県明石市大く庫県芦屋市楠町Ⅱの四緒 おられる。ところで、以上を総合して考えてみる宙人が存在するかどうか、いいかえれば、現実にさい 方正人 ) と一つの恐ろしい結論が出てくるのである。つま空飛ぶ円盤がいるかどうかについて、小松氏自身蔵谷字清水弸佐伯剛 ) っ ~ Ⅷ号を一冊百 り、正統派 ( オーソド〉クス ) の作品が伸びなやの意見が一言も聞かれなか「たことです。確率的集英社「ン。 ( クトプ ' ク スのヴ , ルス全集、全幻巻円程度でお譲り下さい ( 鼎福島県大沼郡会津高 み、界全体が停滞し腐蝕し糞詰まりになってにみて宇宙人は絶対に存在するとか、存在しても 適価でお譲り下さい。 ( 圏 田町字御田 2 6 8 4 田近 いるのではなかろうか ! そうだ、そうだ ! 巨おかしくないような証拠があるとか、まるで内閣神奈川県相模原市東林間 2 す 定男 ) 匠の作品も最近少なくなり、ももはや新しくの答弁のような話で、これでは「小松氏は、ひきの 8 の 9 小野俊己 ) ビクセン・エクスター天 なくなりマンネリ化し、亜流として怪奇小説が出ようだ」と思われてもしかたがないと思います。 ■ を適価でお譲り下さい。人 いったい小松氏は、空飛ぶ円盤の存在についてど体望遠鏡を適価でお譲りし て来、 0 ファンが昔をなっかしがるごとく、昔 の盛期を回顧し、復刻プームなる物が出現したのう思 0 てみえるのでしようか。ところで、私見をます。倶楽部 1 、 2 号号可 ( 躍市川市市川南 1 の 9 のⅡ渡辺禎 ) 述べさせてもらえば、私は空飛ぶ円盤は存在しな「の手帖」「黒死館殺 第「地球は狙われている」 これが今、我々ファンの標いと思います。もちろん明確な証拠があるわけで人事件」を適価で、また国 新風出でよー 際シンポジウムのバンイヴ = ング・スター社版を 語だ。この際、早川書房、およびでもそのはありませんが、存在を肯定するような証拠は将 フレットを多少高くともおお譲り下さい。高価でも可 全面的活動を行ってはどうだろう。つまり、創刊来必ず何らかの他の説明がなされうると思うので 譲り下さい。 ( 多摩市 ( 静岡県天竜市二俣町 南鹿島の 2 平野泰敏 ) 当時のが行ったような新人コンテストを再す。もちろん宇宙人が、この広い宇宙の中に存在一の宮の 5 星野薫 ) びやるのだ。そうでもしないかぎり、は昔のしないというのではありませんが、その存在は確■「ビッグ >< 」「フライン■世界全集 ( 但巻を グべン」「流星王子」「ス除く ) を適価でお譲り下さ さながら、超低級娯楽文学になり下がってし立の中にのみあると思うのです。 ( Ⅷ北海道函館市宝来 リル博士」「ロストワール まうー 一度の読者にアンケートでもやってみた ド」その他手塚作品を適価町幻 ~ 大竹一 ) ここで一つ我輩の意見。古典復刻もいいのであら、いかがですか。

6. SFマガジン 1972年10月号

れはわれわれがおこなうことを嫌悪しているからであり、おまえをかナ っこ。太陽は空から照りつけ、その球体を輝かせており、ダニエ ふたたびいかなる形の生命とも接触し得る可能性のまったくない場ルズはまたも自分が息を求めてあえいでいることに気づいた。 所におくため、おまえの存在を停止させるほうがこの方法よりもわ疑いもなく、その浅い水の中に、この島まで傾斜して上がってき れわれの目的にふさわしいより親切な方法かもしれない。ここ、銀ている軟泥の上に、あの石の中にいた生き物がいるのだ。 河系内の交通からもっとも遠く離れたところ、この宇宙図にものつ では、あの石灰岩の下にいた知性を持つものについてかれが考え ていない惑星において、われわれはわれわれの目的が達せられるこてきた疑問のすべてに解答を与えてくれるこの場所に、一マイクロ セコンドもの時間で百万年を何百倍する歳月を越えてかれを運んで とを望むだけだ。われわれはおまえが自分をよく考え、あり得ない ほどの偶然から、考えもおよばない時期に、無知と悪意とから解放くることを可能にしたことはどうしてなのだ ? これはただの偶然 されることがあれば、このような運命にふたたび会うことのないよ などではあり得ない。偶然というにはあまりにも確率が大きすぎる うにおまえの存在を律することを自分で発見することをすすめる。 ことだ。かれはな・せか、無意識のうちに、自分が気づいていた以上 さて、われわれの法律により、おまえはいかなることであろうと望の知識を、あの岩棚にとまっていたきらめく生き物から得たのだろ むとおり最後の言葉を話してよろしい うか ? かれは、ふたつの心が会い、混じりあったことを思いだし その声は終り、しばらくすると別の声がひびいた。そして用語は たーーあの瞬間に、自分では気づかないうちに、知識の移動がおこ ダニ土ルズのつかめる範囲を越えていたものの、その慣用句は容易なわれ、かれ自身の潜在意識の片隅にでも埋めこまれたのだろう に人間の用語に翻訳された。 か ? それともかれは、この捨てられ流罪になっているものをいっ ″くたばっちまえ″ か解放する誘惑にかられるかもしれない未米の知的生物をおどかし と、そいつは言ったのだ。 やめさせるための、何か超心理的警報が出されているプロセスを見 轟音はたかまり、船はまっすぐ空へ上昇しはじめた。ダニエルズているのだろうか ? は、その轟音が消え、船自体が青の中にかすかに光る一点となるま そして、あのきらめいていた生き物はどうしたのだろう ? この で見つめていた。 球体の中に閉じこめられているものには、何か隠れた、うかがい知 かれはしやがみこんでいた姿勢から、ふるえ、元気をなくしながることのできない善が存在しているのだろうか ? なぜなら、そい ら、まっすぐ立ち上がった。かれはうしろに手をまわして岩をさぐっは、あの岩棚の上にいた生き物に、地質時代的な長い歳月をかけ り、それを見つけて、また腰をおろした。 て岩石が侵食していくあいだ待ちつづけさせるほどの忠誠心と献身 ふたたび、聞こえてくる音は岸にうちよせてくる水の音だけになを持たせているからだ。その疑問は別の疑問を作りだした。善と悪 った。かれは聞こえたように想像していたが、岸から百フィートほとよ、、 ~ しったい何なのだ ? それを審判するのはいったいだれなの ど沖に坐りこんでいる光る球体をたたく水の音を聞くことはできな 0 0 ・

7. SFマガジン 1972年10月号

見えなくなるほど遠くまですべっていったなどとは、どうも信じらまうだろう。 かれは体を丸くし、物音に耳を澄まして待ちつづけた・ー・・草を踏 れないことだった。 ロープは新品の丈夫なものであり、かれはそれを絶壁の上に生えんで歩く足音、枯枝の折れる音ーー崖の上にだれかがいる気配を だ。だが、物音はまったくしなかった。かれが坐りこんでいる岩棚 ている樫の木にしつかりと縛りつけておいた。幹のまわりにきつく 巻きつけ、結び目がほどけないように念を入れて試しさえもしたのの下の樹々も、風にゆれてはいるが、いつものきしる音やうめき声 を立てないままゆれていた。 ところがいま、ロープはなくなっている。これには人間の手が関十五分はたったはずだが、崖の上からはなんの物音もひびいてこ 係しているにちがいなかった。だれかがやってきて口 1 。フを見つなかった。風はすこし強くなったようで、かれが上を見てみようと け、こっそりとそれを引っぱり上け、絶壁の上にかがみこみ、かれ顔を一方にねじったとき、頬に霧が軽くたたきつけてくるのが感じ が孤立したことに気づいて恐怖の吽びを上げるのを待っているのられた。 冗談をやった男が根負けするのを願ってこれ以上黙って待ちつづ だ。このあたりの連中ならだれでも最高のユーモアだと思いこむだ ろう組暴で現実的な冗談。やるべきことはもちろん、そいつを無視けることはできなくなった。かれはとっ・せん、命が危いという恐怖 一こあきてくるまで黙って待ちつづけに襲われた。 し、そいつが自分のやった冗談冫 「おーい 上にいるやっ : ることだ。 と、かれは叫んだ。 それでかれは岩棚に腰をおろして待った。十分、少なくとも十五 かれは待ったが、返事はなかった。 分で、冗談をやった男はしびれを切らすはずだと、かれは自分の心 に言い聞かせた。そうすればロープが下りてきて、かれは登り、家かれはもう一度叫んだ。こんどはもっと大声でだ。 ふつうであれば谷間のむこう側の崖がこだまを返してくるはずだ へもどれるようになるのだ。こんな冗談をやった男がだれかわかれ ば、その相手によってはそいつを家へ連れてゆき、そいつに酒を注った。だがいまはこだまも聞こえず、かれの叫ぶ声はさえぎられて いるようだった。まるでこの原始的な場所が、かれをとりまく塀の いでやり、台所に坐ってふたりで笑いあうんだ。 かれは自分が風に背を向けて丸くなっており、風はさきほど気がようなものを立てたかのようにだ。 かれはまた叫び、霧の世界はその声をつかみ、のみこんでしまっ ついたときより鋭くなっていることを知った。風向きは西から北へ こ 0 変わっており、それはまずかった。 空気を切るような音がおこりはじめた。ダニエルズは、それが樹 岩棚にうずくまっていると、かれは上着の袖に湿気が水玉になっ てついていることに気づいた・ーー雨のせいではなく、吹きつけてく樹の枝をとおしてたたきつけてくる小さな氷の粒によるものだと知 7 る霧のせいだ。気温がもうすこし下がると、ひどい天候になってしった。ひと息するあいだに、吹きつけていた霧が氷に変わったの

8. SFマガジン 1972年10月号

のか、もしくはその淋しさのあまりにひとりごとを言っているの落ち、その枝がほかの木の幹にからみついてとまっていた。切株は なまなましく、木の白さがその日の灰色の中で光っていた。丘の下 か、あるいはかれ以外のなにものかと意志を疎通させようとしてい のほうに面したところが深く刻まれており、最後は鋸を使って倒さ るのか、かれにはそのどれともわからないことだった。 洞穴の前の岩棚に腰をおろしてそのことを思いだしながら、かれれていた。茶色っぽい鋸の木屑が切株のそばに小さい山を作ってい は自分の発見をすこし筋道を立てて考えてみようとし、その生き物る。二人びきの鋸だな、とかれは思った。 の存在をもっともうまく説明してみられる方法はないものか見つけダニエルズが立っているところからすぐ丘は急角度で下に落ちこ てみようとした。そして、確信を持てるはずはなかったものの んでいたが、かれの前に、切株のすぐ前に、奇妙な盛りあがりがあ って、丘の斜面を区切ったようになっていた。ど、・ ナしふ昔に崖から大 実のところ、そんな考えを裏打ちしてくれるようなデータなどまっ かれはこんなことを考えてみた。 たくなかったのだが 量の石がくずれ落ちてたまり、そのうち森にちらばっているもので この地方一帯を浅い海がおおっていたというようなはるかに遠いできた土でおおわれたのたろう。その小山に樺の木がひとかたまり 昔の地質時代に、宇宙のどこからか飛来してきた一隻の船がその海生えており、その粉をふったような白い幹は、ほかの樹々の黒さの に落下し、泥の中に深く埋まってしまった。そしてその泥は長い歳前に幽霊がよりそっているように見えた。 月のうちにかたまって石灰岩となってしまったのだ。こうしてその この木を切り倒すことはまったく意味のない仕事だったはずだ、 船は閉じこめられてしまい、今日までそのままそこに残っていると とかれはもう一度自分の心に話しかけた。この木は無価値なものだ いうわけだ。かれには、その理屈づけに多くの欠点があるとわかっし、あの洞穴に達する道となるほか、なんの役にも立たなかったは ていた たとえばそのひとつ、石火岩を形成した圧力はきっ・と実ずだ。だれかが、洞穴へ達するためにかれが使っていたことを知っ に大きなものたったはずだから、人類の工学技術の範囲をはるかに て、意地悪から切り倒したのだろうか ? それともたれかが、あの 越えたなんらかの物質で作られていない限り、どんな船であろうと洞穴に何かを隠し、そこへ行く方法がなくなるようにと木を切り倒 押しつぶされて、ひらたくなってしまったにきまっているのだ。 したのだろうか ? 事故か、それとも隠れているための方法だろうかと、かれは考え しかしだれがかれに対してそれほどのひどい悪意を抱いていると てみた。閉じこめられたのか、そのように計画したことなのか ? いうのだ ? 風が吹きまくる夜中にやってきて、ランタンの明かり それを知る方法はなく、もっと推測をたくましくしてみたところでで働き、命を賭けて、木を切り倒すなどと ? ペン・アダムズか ? 馬鹿けたことになるだけだった。どうしても、まったくなんの根拠ダニエルズが自分の土地で猟をさせないというのでペンは腹を立て もない初めのころの考えにもどってしまうほかないからだ。 ていたが、意地悪にしてもこれほど労力を必要とすることとなる 丘をよじ登ったかれがやっとそこにたどりついてみると、思ったと、そんなことは充分な理由とならないはずだ。 もうひとつのことーー何かを洞穴に隠すために木を倒す必要がお とおり木は切り倒されていた。それは丘を三十フィートほどすべり 3 7

9. SFマガジン 1972年10月号

知らなかったのである。フレイジアはそれを秘密にしておいた。そ業をひきつぎ、デーナが再生するまで委託して、彼女の名で運営 れ故、それは、秘密のままであった。 していくための法人をつくった。それが瓦壊しないように、彼は持 9 ジェスと私が見つけた、死んだ少年は、ナイハー 2 であった。 てる力をすべて使って、運営には最高の頭脳を雇った。 〈老人〉が殺し、次のドラヴェクがでてきた場合の警告として、置 い考えだったーー彼の医師たちから、自分らは ( 生命〉の謎を きざりにしたのである。その頃には、彼は気にやむようになってい解決し、選ばれた数人の者は、とその研究所が続く限り た。別のアイデアがうかんだ。彼は、私に言ったような策略を考え生き続けられると聞くまでは。ここで違いがでた。というのは、そ ついたのである。彼は、新しい身体、ーー若く、無名の身体ーーに脳の時、経営機構の内部で権力闘争がおこっていたのだ。アレキサン を移させる間、誰かに不寝番をしてもらいたかったのである。そしダー大王の後継者枕投けのような小ぜりあいがあった。免許状とー て、再び、世界を所有することに戻ったのだ。 ー生きているならデューナーーが、 0 をひきつぐのに邪魔 私はミンカを〈砦〉に呼びよせ、結婚した。彼女とデューナは仲 なものだった。フレイジアには、〈老人〉が昼も夜も悩んで、彼女 を保存室に長い間いれつばなしにしないだろうということが、わか 良くやっている。それが当然なのた。彼女はマリオンの曾曾孫で、 デ、ーナは大伯母にあたるのだから。彼女は、ジェスとその秘密組っていた。だが、とうとう、〈老人〉は自分の都合にあわせた。 織について話してくれた。結社は、大したものではなかった。四世そこで、フレイジアは、偽りの機械故障をおこした。偽の葬儀を 代にわたって口伝えで伝えられたものであった。ロ伝の大部分は忘おこない、デ、ーナを安全な場所へ連れていったのだ。 れられた。とにかく、フレイジアは、子孫にこりかたまった憎悪を ああ、そうた。もう一つ。昨日、私の寝室から廊下一つへだて た、二十四時間人の詰めている警報室で、ベルがなった。ナン・ハー つがせようとはしなかったが、可能性のあることなら、どのような 8 が目覚め、動きだしたのだ どこかで。私は彼を見つけるため 形ででも、 O と戦うことを言い残した。ジェスの方法は、 に部下を送りだした。だが、彼の行方は不明である。 公園で〈・フラッキイ〉を狩ることだった。前に言ったように、ジェ スは意外性に満ちた男なのだ。 今、彼を待っているところだ。彼があらわれた時、私は、自分の 〈老人〉は、デューナが死んだものと、本当に信じていた。フレイした事が正しかったと彼を納得させられるように、と望んでいる。 もし、できなかったらーーーそう、その時は、私がすべての責任を負 ジアには、彼女を生き返らせる設備も技術もないことを知っていた のだ。長いこと彼を困惑させてきたことは、フレイジアが彼女をつおう。だが、二十代のスティーヴ・ドラヴェクはたたいても死なぬ れだした理由であったが、ついに、その答えを見つけだした。四十ようにできている。 会えるだろう。 年近い歳月が流れ、フレイジアはついにあることを悟ったのだ 〈老人〉は決して彼女を解凍しないであろう、ということである。 昔、彼が普通の人間と同じ寿命しかなかった時、彼は、死後、事

10. SFマガジン 1972年10月号

ない楽しい一日をすの外国部長カジミーロフ氏だという。どうやら一番期待していたキ ごすことができた。 エフは、いっ . のまにやら公式訪門に変っているらしい。どうもやり 実はたいへん面白い にくい。べレジノイ氏にしてみれば、最大の歓待と思って手配して 話や読者が興味を持くれたのだろう。これで間違いなくド一「エプルの水遊びも、ソ連一【 たれることもあるのを誇る「子ども鉄道」に乗ることもけしとんだ。 キエフの中むにあるウラジミー ルの丘に近いホテルでひと休みし おだが、筆者の私事に なるし、・ハルノフ氏た後さっそく市内見物。作家同盟差し向けのヴォルガ ( ソ連製高級 氏 フと・ハフノフ氏の好意車 ) でまずは作家同盟へ。幸か不幸か土曜日で誰もいなくて、会議 フに迷惑がかかる恐れ室らや議長室を案内された。ペレジノイ氏は作家が集まれなか ' ( バもあるので残念なが ったことをしきりに詫びていた。寺院、博物館、大学、記念碑等々 ら割愛せざるを得なほとんど主な名所旧蹟は見てまわったことになる。ウクライナ人 こ右 が自慢するべチェルスカヤ寺院とシェフチェンコ博物館ではそれそ れ筆者のためにわざわざ若い美人ガイドが待っていてくれた。恥し い限りだがギリシャ正教のこともシェフチェンコについてもろくろ ) 八日早朝、キエフ バのモスクワ駅 ( ソ連く知識のない筆者に、一生懸命説明してくれたお嬢さん方に申しわ では終着駅に出発しけないことをしたと思っている。しかし、いずれも小一時間美人が ~ 、、、た都市の名前をつけび「たり寄りそ「て、やわらかい声で話しかけるようにガイドを務 る ) のホームに降りめてくれたことはひょっとすると今度の旅で一番楽しかったことか 立った。キエフへもしれない。 は、シンポジウムで車中で交した会話から、この外国部長という人はとんでもない記 日本へやって来たただ一人の共和国作家ペレジノイ氏に会うために憶の持ち主で、キエフを訪れた作家同盟に関係のある有名な日本の 出張の一日を割いてやって来た。美しい声でウクライナ民謡を聞か文化人の名前を並べてみせたが、たいへんな数の先生方と面識があ せてくれた好好爺然とした作家ペレジノイ氏とできれば琵琶湖り、かれが記憶しているのは職務上世界各国の文化人だというから で一緒に泳いだように、 ドニエプル川で遊ぶのをたのしみにして恐れ入る。この様子だと筆者の名前も彼の頭の中の名簿に書き込ま 、た。どうせわずか一日の滞在じや見物といっても ( ト・ハス観光にれ、これから訪れる日本の有名人を訝しがらせることになりそう なってしまう。出来れば一人旅の気楽さを満喫しようと期待してだ。 いた。満面笑みをたたえた・ヘレジノイ氏が待ちかまえていた。しか ウクライナの作家は十名たらずで、作家同盟の中に特に し、彼の脇にいるしかめつ面した太鼓腹のかつぶくのいい男は誰だセクションとしてはない。日本で知られている作家はジヴナイル ろう ? ペレジノイ氏の連れらしい。この人、ウクライナ作家同盟 v-v として翻訳がある・フラトコただ一人である。ペレジノイ氏はシ ロ 6