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検索対象: SFマガジン 1972年2月号
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1. SFマガジン 1972年2月号

やそれでいいのかもしれねえや」 洋人邪法とあらあ。こうだ。 はだかおんな 平岡同心がなかなか解ったことを言う。作次郎はまだ疲れが残っ 西洋人本国の皮帛を以って贏婦を製す。長短人のごとし。これ 2 ているのか、がつくりと肩を落した。 を匣中に秘し、旅途幽亭無聊の時、匣より出し捧げ上げ気を吹け ば、忽然として肥沢通躰、真の人ごとし。抱きて衾中に擁すに、雙 「ところでこっちも二、三わかったことがある。聞きねえ : なづ 手交頸、両脚勾欄、己が意のごとし。これを出路美人と号く。一軆 調べがついただけでも、日本橋、神田、上野かいわいにかなり幸の価銀一流と。一流は十二両を云ふと : : : 」 吉の客が多い。〆めて七十名ほどがあきらかになっている。ことご平岡は書物をばさりと伏せた。 とくが常連であり、三、四日に一度ぐらいの割合で順番が回ってき「黒甜瑣語三編の三にこう書いてあるんだ。どう思う ? おめえた ているようだ。 イ、良が太い息を吐いた。 男たちの相手をする女は一人。ふたごの姉妹とも思えない。 「それだ ! それにちげえねえ」 作次郎が感に耐えないもののようにうなった。平岡同心が満足そ うにうなずいた。 反物屋、小間物屋、髪結など、どの線から当っても幸吉の家に女 気はない。 「そうだよ。 " え、そうだよう。おめえこれにひっかかったんだ。幸 吉の親父、幸助は長崎でその妙な人形を手に入れやがったんだ。息子 の幸吉は親父に似ねえとんだできそこない。死んだ視父の遣した物 の中にそいつを発見してやつなりに算段した、とこういうわけだ」 「なあるほど」 イ次郎は何度も合点した。 「で、だんな。これからあとはどうしますえ ? 」 平岡同心は気ぜわしく煙管を動かした。 「ようし。ここまでわかればあとはおれの方でやる。おめえたちも これ以上、人のなわ張りじや動きにくかろう」 お小者を使って捕ろうというのだろう。 「それじゃ、おれたちは御用ずみで」 「ごくろうだった」 いうわけだ」 平岡は煙管を。ほん、とはたいた。 ばけもの 「だんな ! それじゃまるで化物だ」 作次郎が胸前で小さく手をふった。 「一人の女がそんなにつとめられるわけがねえ。こも抱きの一等か せぎが八人だって言いやすぜ」 「一両だからなあ。回すようなわけにゃあいくめえ」 「女っ気がねえというのがひっかかるなあ」 延次がつぶやいた。それを待っていたかのように平岡が背後から 一冊の書物をとり出した。 「いいか。ちょっと読むぜ。

2. SFマガジン 1972年2月号

この惑星特有のジャングルの枝葉をかきわけていくと、いくつか ができる。はじめのうちは、この義手義脚の扱いがうまくいかな、 が、慣れれば造り物とは思えないくらい、巧みに操ることができるの黒い影がもつれあっている。おもわず立ちどまって声をかける 8 と、四つばかりの影が、今度は、こっちにむかって襲いかかってき ようになる。 た。正面からきたやつを、石斧で殴りたおすと、もう一方から一人 ゴンべの入っているカプセルは、すこし構造がちがうらしいが、 くみついてくる。尾で・ハランスをとりながら、そいつを蹴りたおす これは体形から考えて当然のことだろう。 こうして、ぼくたちは、二人のチースリク人に化けおおせ、夜陰あいだに、ゴンべが超小型銃をつかって、一人を射ちたおした。残 る一人は、生命からがら逃けていく。 に乗じて基地をぬけだした。 さきほどの場所へいくと、一人のチースリク人が倒れていた。習 「いよいよ、面白くなった。わしたち、ス。ハイとして、敵中に潜人 、お・ほえたデータからわかるのだが、女だ。といっても、オッパイ するわけだ」 ゴン・ヘは、子供みたいに、わくわくしているようだった。どうやは袋のなかだから、性別の手がかりにならない。全体の肉づきから 女とわかる。 ら、スパイの風俗も研究したことがあるのだろう。 「だめじゃないか、地球語で喋ってるのをきかれたら、なにもかも「ありがとう、恐かったわ。もうすこしで、あいつらに喰べられる ところたったわ」 おしまいだ」 「あいつらというのは ? 」 ・ほくはいゴンべをたしなめて、夜のジャングルをすすんでいっ ロップ・アウト た。 ~ 」ここから先は、おたがいに北方チースリク語の翻訳機を通して「落伍者よ」 チースリク人の女は答えた。もとの言葉では、どういう単語かわ 話したほうが、無難といちものだろう。 禁断の聖域ーーっまり「 . 中継基地から、徒歩で二時間ばかりのとからないが、翻訳機はそう訳した。その落伍者たちが、なぜ彼女を 食おうとしたのが判らないが、いずれ判るごとにちがいない。 ころに、いちばん近いチⅱスリク人の部落がある。 ばくたちは、この部落へむかっていた。夜道をかけてきた旅の者」かく、・ほくたちは、北方からきた旅人と名のり、 , いちばん近くにあ るという彼女チリルの部落へ行くことになった。・ という言い訳も通用するにちがいない。 鋭い悲鳴がきこえてきたのは、そのときだった。翻訳機から流れ一途中、ぼくたちは、チリルから、いろいろなことを説明してもら てきた声は、明らかに女のものになっていた。 「あなたたち、禁断の聖域を見物にきた巡礼でしよう ~ 」 「こ・つちだ」 チリルに訊かれて、ぼくたちがうなすくと、彼女は、・すすんで説 「行ってみよう」 ぼくとゴンべは、超小型レーザー銃をしこんだ斧をかまえ、悲鳴明をかってでたのだった。 禁断の聖域ができてから、彼女の部落へやってくる巡礼の数がふ のきこえてきた方角へ駈けだした。

3. SFマガジン 1972年2月号

ハヤカワ S F 文庫 ロマ、のか尸々 最新刊 地球生まれの銀ラ可人 プラケット Y 230 だカ { 彼こそは突然変異による大銀河の支酉己者だったのだ一 独な男トレノ、一ン ミュータント部隊 Y230 - マーーノレ & 、ンヨノレ . ス . 宇宙人襲来 ! 地球全滅の危機に敢然と立ち向うローダンらく第三勢力 > の男達 ! 大宇宙の魔女 狼の紋章 平井和正 \ 200 暗黒星大接近 ! 最後の地球船 ポイド 復讐鬼コナン 銀河の神々のたそがれ 、ンエーー丿レ & ターノレトン 〔 1 月刊行作品〕 ベルシターに還る 望郷のスターウルフ / 、ミノレトン 狼の怨歌平井和正 只旡刊 45 点 Y240 Y 250 / 、ミノレトン \ 240 \ 220 テ・イ・キャンプ & ニュー - べリイ 200 / ヾロウス・ A 6 判 ( 文庫サイズ ) カラーロ絵・挿絵っき S F 文庫特男リ版 第一期全 12 巻 類猿人ターザン 発売中 第一回 \ 280 配 本 ターザンの復讐 ・発売中 \ 270 ーザンとアトランティスの秘宝 ーザンの凱歌 1 = ロ Y 240 2 月刊行 ェドガー・ライス・バロウズ原作 全巻武部本一郎画伯のカラー表紙ロ絵・挿絵入り 文明と他者への不信に徹し、おのれのカのみをたの んで密林に生きる男、ターザン一現代に失われた 原始と野生の息吹きを、ヤングから知識層まで、全 現代人の胸に呼びさます永遠の名作クラシック ! ロ

4. SFマガジン 1972年2月号

・ , て、つか・も しれません わたしは幼いころから 自分をそのよ、つにしつけて 0 ↓まーしに。 . ( はにごレ」に・も、じを一 動かされることのない非情さを 身につけなければならなかった からです。エス。ハー戦団の指導者と なるためには感情に動かされる よ、つな・人問で↓のってはならない からですー おまえのい、つ 通りかもしれ ません それが母のクイ 1 ン・ルーナの遺一言でした けれどやはり、わたしも人間です。たとえ わかって 氷のような女といわれても : ほしい . のです。地球人類は〈幻魔〉に敗れ いま完全に成亡しようとしている。この事実の 重みの前に、人問的感情は無意味です まもなくわれわれは残らす死に絶えるで しよう。けれど、たったひとつだけしなけれ ばならぬことが残されている・ ーし学 6 、つの」に : なにをオ・ る A 」い、つの ? ・ タイム 時間跳躍者を用いて、人類の過去の 歴史を書きかえるのです。地球人の 、、、、敗北はひとえにエスパーたちがまったく 劣勢だったため ! もっともっと力な エス。ハーさえいたら : そう、われわれの なし、つることはたったひとっ お蝶をもう一度過去に戻し 超能力者の種子を蒔かせる ことです。 ^ 幻魔〉が襲ってき たとき、強大なエス。ハー戦団が ・そ、つ、た : え、は ・迎一撃・で 0 るよ、つに・ わたしの属するジーベンビュルゲン王家の ような新しい超能力者の家系を作りに しし一 ( ーしよ、つ・ 一何くといっても、 あたしだって時間量子論の ことを一の一しは聞いたことが あるわ。ちんぶんかんだった けど : ・もし、タ . ・ム・、「一フベル が可能だとしても連続した・ 時間線を往復できるわけ 土 6 さ、か そんなこと 237

5. SFマガジン 1972年2月号

と困った。どうしたってそんなわけないものね。ポ キー・スピレインのサディズム小説であり、現代のってくるのです。 ュ 1 トピアとはポルノグラフィの世界、すなわちポこれは問題ですゾ。ランドウォールは、まず古典ルへスだって、バラードだって、ライ・ハーだって、 ルノトピアなのだ ! そこではいかなることも可能的なファンタシーとモダン・ファンタシーの差異点一このアンソロジーに関する限り、先の分類のどちら だ」こういった通俗さ、軽薄さが何ともいえず心にを指摘してくれます。「すなわち、古典的なファンでもないよね。あたりまえじゃないか。 残る。もちろんこれはぼく自身の軽薄さ、通俗さにタシー作品は、当時は現実と考えられていたものに . 甘いんだよ。ランドウォールって人は、どうしょ 由来する感情かもしれないけれど。 ついて書かれていたものであり、現代ファンタシーうもない。サイエンス・ファンタシーと剣と魔法と 先を急ごう。次の章は飛ばして、第 5 章、 "THE はーーーファンタシーなのである」なるほどよくわかいうファンタシーの二大分野について、以後連綿深 る。 MAGIC UNREALITY" 「魔術的非現実」 遠な考察とやらをめぐらせてくれているのだけれ ど、これがげらげら笑えて仕方がない。だから、歴 この本の中ではこの章が一番長い。・ほくにとって次に現代ファンタシーも分類してくれます。 も一番面白かった。何たってハチャメチャなんだも「この五十年間に書かれたファンタ - シ 1 文学の大部史的考察や、ジャンル別考察なんてやめてほしいと ソーズ & ソーサリイ のね。ファンタシ ! 論をやっているつもりなんだろ分は、サイ = ンス・ファンタシーと剣と魔法の物いうんだ。これじゃ悲惨だものね。「文学の一ジャ うけど、出だしからしてすごい。怪奇凄絶、奇々怪語という、比較的把握しやすいグルー。フのどちらかンルであるサイ = ンス・フィクションのこれまた一 怪というぐらいのものだ。 分野であるファンタシーというものを、サイエンス 「この宇宙の法則をま 0 一に属している」 たく無視しているいわゆるファンタシーと呼ばれる何、そうだったのか、・ほくは大あわてで本棚をひ・ファンタシーとヒロイック・ファンタシーの二つ サイエンス・フィクションの一つのタイ。フにぶつかっかき回し、ペ 1 しハックの山を造り出す。まずに大別し、そのそれそれに深い考察をめぐらせてく った者は、いったいこのサイエンス・フィクションその中の一冊 "NEW WORLDS OF FAN- 一れているのです」このランドウォールって人は。 というジャンルの一分野が、文学のどの部分に属す TASY" ヰ 3 。テリー・カー編のアンソロジーなん べきものであり、それが何故であるかという疑問に一だけれど、ポル〈ス、・ ( ラ 1 ド、ライーなんておき枚数がなくな 0 てしま 0 たけれど、次回は今回の とりつかれずにはいられない」のだそうだけど、フまりの人といっしょに、。ヒーター・・ビ 1 ガルの続きです。ちょっと時間があるので、文句がある アンタシーがサイエンス・フィクションの一タイプ短編 "FARELL AND LILA THE 「 ER- 人、文句を下さい。たぶんまたビーグルの話もでき とは知らなかった。ぼくはまた、どちらかといえば WOLF" 「ファレルとリラ」が入っているので、るんじゃないかなと思っています。楽しみ。 逆と思っていたのです。ランドウォールがファンタ・ほくはすごく気に入ってしまったんだ。その話とい シーとして挙けている作品の作者を見ると、ルイスうのは : : : 待てよ、「ファレルとリラ」は最近五十 ・キャロル、フランク・・バウム、ダンセイニ、年間に書かれた現代ファンタシー だ、するってえ ジェイムズ・プランチ・キャベル、・・ラヴクと、もしかしたら大ランドウォール先生のおっしゃ ラフト、フレドリック・プラウン、 ( インライン、 ( るとおり、サイエンス・ファンタシーか、剣と法 ・・ハワ 1 ド、フクツツ・ライハ etc ・とな一のどちらかに属するのかもしれないと考えて、はた 0 0 0 0 0 (D 「ス、キャナ

6. SFマガジン 1972年2月号

れ」 「かしこまりました。で、だんなとしては何か方策でも ? 」 作次郎がひざに置いた手をたたみにすべらせて半身になった。 てだて 「方策はおめいたちにまかせるが、先ず一丁、おめえたちの一人が 隠居はむりだから白ねずみにでも化けてようすをさぐって来いや」 へえ。と言ってから作次郎はちら、と思案を顔に浮かばせた。 つら 「なんでえ、その面あ ! わかってるよ。一両は御用が終ればちゃ んとお上からお取扱い費用としておさげわたしにならあ」 翌日、おれは作次郎と連れだって橘町へ出向いた。 平岡は笑いとばした。作次郎はどぎまぎして言葉を失った。 「いえ、そんな : ・ : こ でも一両た・せ。だから二人はだめ橘町の西半分はもと小笠原備中守様の屋敷跡を、お上があらため 「わけじゃあなかったのかい ? て町屋敷地としておさげわたしになったものとかで、敷地内は比較 だ。ようすをさぐるのは一人にしてくれ」 一両か ! 延次も首をすくめた。御用聞の心がけとして、いつで的区画整理がゆきとどいて新家が多い。青蓮寺の土塀に沿「た小さ も一「三日の御用旅をまかなえるぐらいのたくわえはしてあるもな堀川に面して元浜松屋のせがれ幸吉の家があ 0 た。堀川にかけら れた一間ほどの橋をわたるとすぐ格子戸。流れの早い水面に猫柳や の、ようすをうかがうだけの一両はちょっと痛い。 南天の小枝が影を落しているという寸法だ。妾宅造りのような粋な 「ようがす。さっそくもぐりこみやす」 「でも、だんな。いきなり行「て大丈夫なんですかい ? 紹介はい構えではないが、小さいながら奥に長い結構の良い家た。大店の、 小金をためた出世番頭などが家を一軒持ったなどというあれだ。 らねえんで ? 」 もん 「おう。ここだ」 「わたりはつけておいた。今戸の菊半の者ということにしてあら」 「紺屋町の。ほんとうはおれはこんな役目はいっち嫌えなんだ。お 平岡は無造作に言った。 めえ、しつかりさぐってくれろよ」 「菊半 ? なんですい ? そりや」 なまえ 作次郎は苦虫をかみつぶしたような顔で言った。 いいかげんな名前よ。仕出し屋かなんそにしておけ」 「ばかだなあ。 「そんなことはわかっているよ」 それから三人でこまかいうちあわせをした。作次郎の方が見栄え 「だんなもだんなならお係の与力の上田様も上田様だ。ただのうわ もぐり がよかろうということで客に化けることになった。 、ち、ち投文なんそ真に受けて無鑑札しらべに さじゃねえのかい。しし 「おい。どんな味だったか、あとでおしえろよ」 おれたちが出向くことはねえやな」 平岡は煙草を勢いよく。ほん、と打ちつけた。 てだて 「今戸の菊半だけで大丈夫でやすか ? 突込んで聞かれたら何と 延次は平岡と作次郎に半々にたすねた。 「聞きやしねえよ。そんなこと」 平岡がてのひらに受けたお新香を口にほうりこんだ。 2 きれ かみ 0 2

7. SFマガジン 1972年2月号

他人の書評やレコード評を読むのは、どちらかと具合に、 "Science Fiction; What 一 ( AII About": 書き出しの部分から、実にうれしがらせてくれ いえば好きだけれど、それでも「こいつは何もわか「サイエンス・フィクション、それは何か」と称する。もちろんこれは皮肉だよ。要約すればこうだ。 っちゃいないんだなあ」と思うことがよくある。結るべー ーパックがここにある。サム・・ランド「我々、英語圏のサイエンス・フィクション 局のところ、ぼく自身、何もわかっちゃいないんだウォール著、セント、エース・フック、】 97 一。 256 と書いたのでは意味が違うから、以下すべてサイエ といってしまえば、それまでなのだけれど、でももページ。 ンス・フィクションと書く ) の読者は、読むに価す っとわかっちゃいない奴ってのがいるものだ。 誤解されないうちにいっておくけど、ぼくにはこる作品はすべて英語で書かれたものであるという妙 それはまあいいとして、たとえば君がスキャナーの評論、わりと面白かった。一つはランドウォールに視野の狭い考えを持ちがちである。しかしそのよ を何だと思っているのか、・ほくの書いていることをがスウ = ーデン人である関係から、北欧のの動うな偏見は、ある意味で確固とした基盤の上に立っ どう考えているのか、少しはこちらに知らせてやろ向みたいなものが何となくわかるからだし、もう一ているのである。すなわち、ヨーロッパや日本で出 うという気持はないだろうか。 つは、この評論は受け売りが多いし、ひどく公式版されているサイエンス・フィクションを見てみる たとえば、昨年の八月号のスキャナーでつぶれた的、類型的な部分も多いけれど、たまにいいことがと、驚くべきことに、その % から % までが英語 と書かれているクロウダディが、イエナにでていま書いてあるから、【本当にたまにだけれど。とにかの作品の翻訳なのだ。たしかにヒ、 1 ゴー・ガーン すよとか、「 ( タフライキッド」の作者のチ = スタく、その他の部分は減茶苦茶なのた。わかっちゃいズ・ ( ックのアメージング・スト 1 リーズの時代に ・アンダースンていう人は二代目のクロウダディな、。 この大馬鹿野郎と思って吹き出してしまうこは、我々 ( アメリカ ) の作家に肩を並べて、ヨーロ 誌編集長じゃありませんかとか、テリーとキャロルともしばしばだった。もしかしたら、これからけちッパの作家たちが誌面を埋めていた。だが、どうし というのはテリー・カー夫妻のことですよとかいうをつけることになるかもしれないけれど、それはったことかこの年月の間に退歩が起こった。どこか ような情報でもいいだろうし、ロックとなんかまらないからじゃなくて、面白くてしようがないかで、ヨーロッパの幻想小説が持っていた可能性は脇 関係ないよ程度のことたってかまわない。とにかくらなんだ。 へそれていってしまったのだ」 君だって、字は書けるだろうし、ロをきくことぐら よくいうよ。どっちが脇道なんだいフ いできるんだろう ? それすらできない人だってい序文を書いているのがドナルド・ <t ・ウォル ( ィ一「では本当のサイエンス・フィクションの展望はど るんだ、もしできるという幸運に恵まれているのなム。それを見た途端、この本の内容が想像できるようか ? 若者の心をこれほどまでに担んで離さぬサ ら、やってみようじゃないか。ぼくだけじゃない、 うな気がした。何しろ・ほくはこのウォルハイムといイエンス・フィクションとは何なのか。今日、そし 浅倉久志氏だって団精一一氏だって、何らかの君の反う人にかなり偏見を抱いているのだから。何ていって過去のサイエンス・フィクションとは一体、何で 響を求めているんだと思う。ちょっと考えてみてくたって、例の "UNIVERSE MAKERS ・・「宇宙あったのか ? 文学や社会にとって、サイエンス・ れないか 製造者たち」を書いた人だものね。まあそれが誤解フィクションとは何を意味するのか ? 要するにサ スキャナーなのだから、たまにはまともに co であることを祈って読みはじめたのだけれど、やっ・イエンス・フィクション、それは何なのか ? 下という奴を取り上げてみようか。ちょうどうまいにり思ったとおりなのだ、この人の書くことは。 とまあ大上段にくる。ファンの悪いたよ 0 0 0 0 0 一 U)LL をっ ~ 0 岡田英明 6

8. SFマガジン 1972年2月号

0 7 米国出身のリンカーン専務は、かね 人種差別抗議スト全土に てから土星人労働者の配置転換は地 金星行きロケットは全面ストップ 球人の人種差別的意識のもとで行わ れているとして、会社首脳と対立し 郎【土星】土星人総評労組とプラネッ 州、ユカワ州では州兵三個大隊が警 た立場にあった。 ト金鉱社のトップ会談は今朝ついに 地球南ア出身の地球人ヴァン・ア 良 もの別れとなったため、土総労はた備に配属投入され厳重な警戒につい イク会長は、リ ンカーン専務を背任 だちにストに突入、会社側はロック 一方、事態を重くみたプラネット 行為の責任者として解雇するものと 水アウト宣言を出した。 見られるが、こ、つした強気がさらに このため、共闘体制にあった土総会社内でも、会社首脳退陣要求の造 全土を混乱に巻き込むことも子想さ 集労系の金星同盟は全土星からの金星反重役の動きが注目されている。 造反派の中心人物と見られる地球 れ、成り行きが注目される。 編行き 0 ケ〉トをスト〉プさせたため 各地の発射ステーションでは、早く も、乗客とのイザコザが起こりはし ウル・クオン・ゲリラ名地で暴れる めている。 聞 宇ステ交番でロケットビン爆発 また、未加入、未組織の土星人労【地球新宿】昨夜午前零時一一十分頃 新 働者達は、全土各地の工場でポイコ新宿上空一万キロの宇宙ステーシ , ットをはしめたため、早くもマヒ状ン第三十九号交番わきで突然爆発が ッ 態となり、キュ リー州、ケネディ 起こり、窓ガラス一枚が割れ、火は すぐ消しとめられた。 幸い人類に被害はなかったが、目 撃者の話では、火星人らしい二人組 刊 が、小型ロケットビンを投げて走り 日 走ったといっており、昨年来活発な 動きを全字宙で見せているウル・ク オン一味のゲリラの仕業と思われ、 犯人割り出しを急いでいる。 発 光線銃三丁奪う ヶ月の重傷を負った。 ョコタ警官一名重傷一分足らすの出来事で、通行人も 年 【地球ョコタ】昨日午後八時すぎ五殆んど気がっかす救援もおくれたが 人組火星人が、ヨコタ地区交番を急警官としては虚をつかれたかたち。 現場に赤い星をつけたヘルメット 襲、光線銃三丁を奪い小型ロケット が一個落ちていたことからウル・ク カーで逃走した。 オン・ゲリラの一味の行動とみて捜 襲撃にあった交番では当時一一名の 査中。 警官しかおらす、格闘となったが、 【写真は現場に落ちていたヘルメット】 地球人警官モリタ・クニオ巡査が二 0 警備にあたる州兵たち 225

9. SFマガジン 1972年2月号

じめに惑星チースリクへ来航したコンタチ。ハ 1 ヌ星人が、着陸地点 として利用していたのは、ここより二千キロばかり北方だった。そ の地烹の地形や風景が、立体ヴィジョンで写しだされ、・ほくたちの 頭にたたきこまれる。この地方にいるチースリク人は、基地周辺の 種族よりも、やや灰色がかった厚手の毛皮をもち、かなり発音のち がう言語を話している。 ぼくとゴンべは、これら北方の種族に変装し、基地のちかくの種 族と接触することになった。この北方チースリク語については、さ きに着陸をくりかえしたときに、じゅうぶんな研究がおこなわれ、 完全な翻訳機がつくられている。 「今度ばかりは、タキイ、あんたも、カプセルへ入らなけりやいけ ない」 冫しナこいつめ、ぼくが閑所恐怖症な ゴンべは、冷かすようこ、つこ。 をの知っているくせに、わざとと・ほけているのだ。 「助けてくれ、やめてくれ、出してくれ / 」 ・ほくは、さんざん駄々をこねたあげく、とうとう、チースリク人 そっくりにつくられたカプセルに、押しこまれてしまった。そうな ってみると、閉所というよりむしろ、着衣がかわったようなもの しんきこうし で、べつだん心悸亢進がおこるということもなかった。 チースリク人というのは、ちょうど、石器をもったカンガルーと いった恰好で、身長一「五メートルくらいの大きさである。したが って人造のカプセルを製作し、そのなかに地球人が一人おさまる と、ちょうどいい具合になった。もちろん、補助モーターも内蔵し てあるし、怪しまれないように、外観もていねいに作ってある。し たがって、ぼくが足をふんばると、その動作が増幅されて脚の部分 へ伝えられ、ほんもののチースリク人そっくりにジャンプすること 世界で初めての画期的全集 ! 箱入総クロス 豪華装四六版 羊細カタログ進呈 圏■ - 全 35 巻堂々完結 ! 科学・技術と真の意味でかかわりを持つ時代に 生きる我々にとって、この新しい人間のあり方 を把握し、未来に向かって急テンボで進む世界 を認識するためには、科学・技術を意識した新 を一聞しい思索が、古 0 、常識に捉われない自由な空想 1 00 、 00 0 、 00 0 。 00 = ・ 0 0 索と想像力とを文学の中に持ちこんだ新しいジ ャンルである。この全集はこうした新しい文学 立集 が持つべき S F 的思考を十分に含む代表作を歴 史的・体系的におさめた最初の試みである。 287

10. SFマガジン 1972年2月号

熱心で、ソ連の文化一般に通じたすぐれた紹介者が ) もあり、今後ますます多くの読者がふえるこる』 ( 本誌一九七〇年の秋の臨時増刊号で紹介 ) を失ったことは、むしろソ連側にとって大きな痛とと思う。またソ連東欧という視野で見ると、とから一一一年振りで新しい宇宙画集『星への道』を昨 手であったはずである。ソ連界は、ここ一年つくに翻訳されていてもよいと思われる作品など年、ガガーリンの宇宙飛行十周年を記念して出版 たらずの間に、袋一平氏だけでなく、児童向けのが未紹介になっている。そうした現状の中で、そした。基本的な編集のしかたは前回と全く変ら 「ペリャーエフ選集」などの翻訳出版で活躍されれでなくても社会主義圏の紹介者が手薄なところず、同じ容器に違った中味を盛った感じをあたえ た馬上義太郎氏も失っている。欧米の紹介者へもってきて、柱ともいうべきすぐれた両氏を一一る。『星が : : : 』が、地球周辺の戦道から無限の の数からくらべると、まさに一人が一〇〇人にも人まで失った今、ソ連東欧の研究者が一日も彼方まで地球、月、惑星、銀河 : : : 宇宙深淵と、 相当する貴重な存在であった。日本のファン早く一人でも多く現われることを心から期待した六つのテーマに分れていたが、この画集は、『宇 宙最初の人間』、『地球周辺、月、惑星への軌道 が世界の他の国のファンにくらべ、比較にな らぬほど巾の広い世界のに接することが出来その意味で、この解説もなにほどかの役に立てで』、『はるかなる彼方の世界』の三つのテーマに まとめられている。 るのは、幸いにもこうしたすぐれた紹介者を持つば、と願って本題に入りたい。 アンドレイ・コンスンチノーヴィチ・ソコロフ全く独立した新しい画集ではあるが、わずかに ていたことによるものである。 ソ連にも、教条主義的固さから脱し、しだとアレクセイ・アルヒポーヴィチ・レオーノフ ( 五点ほど ) 再録された作品があり、それはレオ ーノフの宇宙写生画で、序文に相当する『宇宙最 は、一九六七年に出した『星がわれらを待ってい いに面白くなりそうな気配 ( だけかもしれない 〈太陽の近くで〉 〈火星の衛星で