ベストセラー異変①小松左京『日本沈とか太郎さんと考えてやってると、ほんとうい。なお本書 〉・◆・◆・◆・没』上・下②安部公房『箱男』③池田大作に片一方で急に、たとえば今西先生の本なん 、 ~ にはめこま ・◆・◆・◆・『生命を語る』④広瀬正『タイムマシンのつか読むでしよう、そうするとショックを受けれている挿話はシ ョ , ー , い・ンヨーー、 くり方』⑤大江健三郎『同時代としての戦ちゃうな」 ( 『今西錦司座談録』ー河出書房新 後』 : : : 東京渋谷・大盛堂調べ ( 図書新聞 4 社・ 780 円ーから ) の傑作である。 月日号 ) がフィクション部門の上位ある苦言 「 : : : 小説としての底の浅さと半村良『産霊山 一・・を独占したのは、もちろん史上空前のこと いう面でも、この作品 ( 『日本沈没』 ) は小説秘録』 ( 早川書房 ・ 9 7 0 円 ) の楽 - - で、同じ週の文庫部門にも、平井和正『狼であることを超えてしまっている。 : : : 私は よ、故郷を見よ』が 3 位に、 Z ・・ジョー まだ小松左京が防衛庁の ;-æ小説を書く作家しさについては、 ・・蜘ンズ『放浪惑星骸骨の洞窟』が 5 位に、顔をだとは思っていないし、日本沈没という発想いまさら改めて書 出している。こうした″異変″の背景につい の原点にある作家的な内面には常に魅力を感きつらねるまでも ◆・◆・◆ては、評者が朝日新聞 4 月日朝刊に書いたじているのである。問題とすべきは、こういあるまい。本誌に ◆・◆・◆「界に新時代」を参照していただければった大構想を支えぬく作家としての小松左京連載されて〈人気力ウンター〉でも最高点を ◆・◆・◆幸いである。 の主体性であろう」 ( 山野浩一・週刊読書人とりつづけてきた伝奇大口マンである。「古 『黒「時評」から ) へ山山へメクリテ神ニ仕フル人アリ。タタ日 あるベストテン①・プラッドベリ トノミ称フ・高皇産霊神ノ裔ニアリ、妣ナク いカーニ・ハル』②星新一『おかしな先祖』③ シテ畸人多ク生レ、産霊ノ地ヲ究ムト言フ」 安部公房の六年ぶりの書きおろし『箱男』 『プラ , クウ , ド傑作集』④・ ( ー 一 - ・『デ、ーン・砂の惑星』 1 ⑤『ダンセイ = 幻 ( 新潮社・ 700 円 ) を夢中になって読ん ( 神統拾遺 ) という途方もない虚構の上に組 想小説集』⑥筒井康隆『俗物図鑑』⑦中井英だ。ダンポールの箱をかぶって暮らす人間のみ立てられた日本史であり、読者はただ - ・ - 夫『幻想博物館』⑧平井和正『狼の怨歌』⑨物語だが、この作品の面白さを短いスペーその神変ヒ一族をめぐる壮大なホラ話に聞き ほれるばかりである。「上の巻」「下の巻」 筒井康隆『家族八景』⑩広瀬正『鏡の国のアスで説明するのはむずかしい。本の箱につい ◆・◆・◆ リス』マンスリー 4 月号・肥年度のべている石川淳の文章ーーー「人類といふやつは各四篇の物語で構成されているが、評者に 9 スト投票結果・投票者は会員幻人 ) そろそろ滅亡したはうがよささうだとしては、『神州畸人境』でヒの女が登場する場面 ある感覚武田泰淳「宇宙人が人間を見たも、さしあたって人間の生き方になにか新しと、『時空四百歳』で元亀一一年の比叡山から ◆、」◆・ら、おっかないでしようね。なんという恐ろい形式を見つけることができないものだらう昭和二十年の東京へテレポートした飛稚が ◆・一◆・しいやつらがここにはいたかと思って、ホト か。安部公房君は新作『箱男』においてその焼跡で活躍するくだりとが、とりわけ興味深 ◆ , く・◆・ホトあきれかえって、攻めるのをやめちゃう智慧を出して見せた。人間みづから箱といふかった。作者はひきつづき「末の巻」を書い ◆〕 - 、・◆・かもしれない ( 笑 ) 。これは触らないほうがサナギを作ってその中に入りこめば、状況はて、生きとし生ける者の願いを容れた産霊山 しいという気持になるのではないかな。たかたちまち変って、ここに一箇の生物として今の霊験がどのような形で現われるかを明らか - ・ - ら、そういう感覚が、とても重要だと思うのから出直すことになる。この生物の成行よ、 , 。しにすべきだろう。 ですよ。というのは、生物学あるいは生物かが。記録はこの一冊にあふれてゐる」と、 来月回しになった本。ー・ーー広瀬正『タイム - に【史、進化史というものが、いろいろ分裂して丸谷才一の文芸時評 ( 朝日 ) の一節ーー「『箱 マシンのつくり方』 ( 河出書房新社・ 680 いても、なにかしら、そういう感覚をわれわ男』の登人物はみな、個人ではなイ一例と : ・安部はど円 ) 、『推理小説代表作選集・ 1973 』 ( 講 ・・「れに与えてくれるわけね。ところが僕らのよしてわれわれに迫るのである。 うな、ある特殊な小説家は、そっちのほうのうやら小説の歴史が終って以後の何かを、し談社・ 1200 円 ) 、平井和正『狼よ、故郷 かもかなり優れた何かを書いてしまったらしを見よ』 ( ハヤカワ文庫・ 230 円 ) 感覚抜きに、やはりメスとオスの関係とか、 ′◆◆い◆ . それをメスとオスとも考えないで、花子さんい」とで、大体の見当をつけていただきたほか。 日本セクション 担当 : 石川喬司