ト・ンレヴァーく ーグの新作長篇『髑髏ののを告白する場面は、圧巻だという。シルヴァしハ エラールの回想』をお手本にしているのは明らかだ 書』 "THE BOOK OF SKULLS ・・ (Signet ーグの最高傑作という声もあり、 & coc.æ誌の書評が、本書はドイルのそれらの作品に十分迫る出来ば Books 950 の評判がしし では、ジェイムズ・プリッシュが「いますぐ買い、 えを見せている」 古代言語を研究している学生イライは、大学図書くりかえして読め」と推奨している。 スタ】リング・ラニアーは今年四十五歳。以前チ 館の地下倉庫から〈髑髏の書〉と題した秘教の古文 ルトン・ブックスの編集者だったことがあり、この と、きにはフランク 書を発見する。この本は、希望者が四人のグルー。フスターリング・ラニアーのフェローズ準将シリー トの最近翻訳の出た を作ってある儀式に参加することを前提に、不死術ズといえば、六八年から & 誌に登場して、ア『デーン / 砂の惑星』を ( ードカバーで出版した の伝授を約東している。この古代秘教の修道院が今ーサー・クラークやス。フレイグ・ディ・キャンプの ( り、ジ = イムズ・シ ミツツに傑作『カレスの魔 でもアリゾナ砂漠の奥に存在するのをつきとめたイ絶讃をうけたシリーズだが、そのうちの七つの中短一女』を長篇に書きのばすことをすすめたり、といっ ライは、友人たち三人と語らって、探険に出発す篇が一冊にまとめられた。『フェローズ準将の奇妙た注目すべき仕事を残している。作家となったい る。彼らは首尾よく目的の修道院を見出し、〈髑髏な功績』 "THE PECULIAR EXPLOITS OF ま、近く二冊の長篇の出版が予定されているが、彫 の守護者〉に迎えられる。だが、不死の伝授にはっ BRIGADIER FFELLOWES" by SterIing 刻家としてもなかなかの腕前で、 トールキンの『指 ぎのような苛酷な条件がつけられている。さまざま Lanier (WaIker $ 5.95 ) がそれ。物語はどれも、輪物語』の登場人物をかたどった金属製の小立像を な肉体的精神的試練を経たのち、不死を与えられるマン ( ッタンのクラブでのタベの一刻、イギリス陸製作し、すでにトールキン自身の許可も得て、市販 のは四人のうちの二人だけであり、あとの二人のう軍退役将校のドナルド・フ = ローズ氏が、葉巻とワ一する計画を進めているとか。 ち一人は友人に殺され、もう一人は自殺を選ばねばインのグラスを手に悠然と語り出す彼自身の体験 ならない。そして、まだ修練の終わらないうちにだ談、という形式をとっている。カリブ海、ス = ーデ定められた一つのテーマに何人かの作家がとりく れかが逃げ出せば、四人とも命はない。それそれ自ン海岸、ケ = ヤ、 = ーゲ海の孤島などの = キゾチッ一むという、変わ 0 た形式のアンソ 0 ジーが二冊出 分なりに不死を熱望する理由をもった学生たちは、 クな風光を舞台にした、現代の怪異譚という感じた。『四つの未来』 "FOUR FUTURES"(How ・ この条件にもひるまず、儀式に参加する。さて、そで、ほかにちょっと類のない作風である。批評の中一 thorn Books $5.95 ) と、『太陽が静止した日』 の結果は・ : から拾ってみると・ーー「ひたすら痛快な冒険物語を "THE DAY THE SUN STOOD STILL" 一見怪奇小説風の設定だが、作者は四人の学生を読者に与えようとする作者の衒いのない態度、簡潔 (Thomas Ne1son $ 5.95 ) で、編者はどちらもロ・、 交互に語り手に据えて物語を進めていきながら、そで明快な筆致が、かえってウィットと知性を感しさート・シルヴァーく れそれの性格をみごとに描き出しており、中でも、せる。『もうひとりの準将の物語を読み聞かせてく前者はアイザック・アシモフの案で、人口増加が 試練の一つとして、彼らがおたがいに一人の相手をれた』父親への献辞からも、作者がアーサー ・コナ。ヒークに達した二〇二五年を想定し、その時代の① 選び、これまでに自分が犯した最悪の行為と思うもン・ドイルの『勇将ジ = ラールの冒険』や『勇将ジ非認可出生児胎外生育児③天才児④死、の四つの LL 」、ス「キャ 新作、新リ・新雑誌 浅 久 ′じ、 2
フルコイハータしたサイボーグマンに劣らぬほど、情緒とは無縁の これで答えになるかしら ? 」 「・ー・・市の市立病院の地下室にと呼ばれるコンビ = 存在だったに違いない。ばくは自身の生い立ちを恋人に語りきかせ 8 ータが鎮座ましましている」・ほくの声はいささか乾いているようだているのではなく、ある科学実験のプロセスをクラスメイトにレク っこ 0 チュアしているのだった。 乙ド % - , 彼女は、病院付属「かれらはらくらくとその受精を成功させ、受精卵を人工子宮で育 胎生学研究室てた。実験の真の眼目はじつはその次の過程にあった。かれらは一 0 研咋 グネーム 名の由来はケ月に成長した胎児の体内からいくつもの細胞を分離させて培養し 6 はじめた。それらの細胞にはオリジナル細胞の遺伝パターンがコ。ヒ そ , 8 たものだ。 / 彼 1 して与えられ、成長促進のための特殊な化学物質が注がれ、その 1 。醢 7 Öヰ LJ 。タ 7 くテレプリン未分化の細胞から、神経細胞や筋肉細胞が発達し出したーーっまり 女 6 酢 それらの細胞の一つ一つが、一人の人間のための原細胞になったん ラフを閃めか だ。そうやって十二人の人間が誕生させられた」 に 9 = 一一雌一ヰ 「・ : ・ : クローン・メンね」 空白な心を抱い てュ一 おそ 三一 女がばくを忘彼女の囁きはかすかな震えをおびており、ぼくはその中に畏れ ) んエ一 ・グース″のと、そしてあえかな哀れみとを感じ取った。 ロ三一 て辛エ一 君も知っ 「そう、これが・ほくと・ほくのクローン兄弟の物語だ。 ⑦一 乙、 を てる通り、クローン人が人間の生殖形態のルネッサンスになりかか のさ」 った時代は呆っ気なく過ぎ去った。栄養生殖による遣伝学上のいろ 唇をみつめてい 9 んな問題ーー雑種強勢がはたらかなくなって人類の淘汰が止まって 9 士 るのを感じた。 階層形成の問題ーーーそ 一ル 0 一連の実験のしまうというようなおそれ、一種の = リート 杲コ一ー ス″は、最新のんな類いのお題目もさることながら、要するに大衆の、つまり大多 ~ をつくり出し得る数の人類のモラルの平衡感覚に、そいつはびんと来なかったわけ だ。それは平均的人類の根づよい自己保存本能の現われだったかも 一家を成していた イ ~ ったアメリカ女性知れない。 工 主 年代は多少ずれるが、ぼくらの他に、クローン化された子どもた いっとき この一刻、ばくはちのチームが数組あったんだ。かれらが思春期まで成長すると、言 ⑨ ueder 0 人 0 上 シティ ′ランス
彼はやれやれといった顔をした。「いいや、冗談じゃない。彼のでもびつこをひいています。こんど発作が来たらもうダメでしょ 研究生たちにですよ ! 彼が受け持っている博士の候補生たちにでう。その発作もいつなんどき来るかわかったものじゃない」 すよ ! 彼らは彼といっしょに研究に従事して来たのだから、その 「それでは、彼は死亡したとお思いですね ? 」 仕事の詳細に就いては私よりも、いや、どの教授たちよりもよく心 「あり得ないことじゃない」 得ておりますよ」 「だがそれでは死体は何処に ? 」 「だってそれはあなた 「それも一法ですな」と何けない調子で私。確かに一法には違いな 、それがあなたのお仕事じゃあないです かった。どうしたわけか、私はそのことを、言われてみなければ気か」 がっかなかった。多分、どんな教授でも、どんな学生よりも物を知 そのとおりだった。私は辞去した。 っていると考えるのが自然だからだろう。 私がいとまを乞おうとして立ち上ると、カイザーは私の上衣のえ私は、研究所という名の、恐ろしく混雑を極めた場所で、タイウ りの折り返しをつかんで、「それに、そもそもあなたの方針そのもッドの四人の研究生と、一人ずつ面会した。二人の短期間の研究生 のが間違っている。ここだけの話だが、そしてこういった異常事態の言によると、こういった、研究生のための研究所は通常、見込み だからこそ私は言うのだが、タイウッドは科学者として、あまり高のある研究生は二人しかかかえていないのだそうだ。というのは年 く評価されてはいないのです。ああ、そりゃあ、学生を教えるぶんごとにメイ ( ーの交替があるからだ。 にはまあまあでしよう。それは認める。だが彼の研究論文が高い評こういった交替がある結果、ここでは実験装置類の堆積が階層を 価を受けたためしなどありはしなかった。いつも実験による確証のなしている。実験用のべンチには、今すぐにも使用される装置類が ともなわない、曖昧な机上の空論に堕する傾向を見せて来た。あな置かれ、最も手近にある三つ四つの抽き出しの中には、使用される たの持っているその一ペ 1 ジにしたって多分、そういったものの一率の高い予備品や補給品が入っている。遠いところにある抽き出し つでしよう。そんなもののために彼を : : : ええと、誘拐しようなんの中や、天井にまで及ぶ棚の層や、目立たぬ片隅やには、過去の世 て企む者などおるはずが無い」 代の研究生たちの使用した装置類のなごりが次第に影を薄くしなが 「そうですかな ? なるほど。では、彼が何故、そして何処へ出奔らもころがっている。 こういった残り物は決して使用されない したかに就いて何か御意見は ? 」 が棄て去られもしない。実際、自分の研究所の全内容を知りつくし 「確かなところはわからない」と彼はロをすぼめながら「でも彼がた研究生は未だかって無いとと言われているのだ。 病人であるということは周知の事実ですよ。二年前に卒中の発作を タイウッドの研究生たちは四人とも心配していた。だがそのうち 起し、その時は一学期間、教壇に出られませんでした。そして完全の三人は主として自分たち自身の地位のことを気に病んでいた。っ にはなおってはいません。しばらくの間、左半身不随たったし、今まり、タイウッドが居なくなったことが自分たちの「問題」にどの 2 2
ルランプをきらめかせて、橋へと吸い込まれて行っていた。 「へえ」とぼくは呟き、半ば純粋に知的な好奇心につき動かされて つぶや 「どうやら敵はコーヒープレークのようだな」と、ぼくが呟いた途訊ねた。 サイン 端に、プレートがするすると伸び、文字が点減した。 「そいつはどういうシステムなんです ? 」 レティシアが鋭く息をのむ音が聞えた。 彼は肩をすくめた。 「 : : : ナン・ハー・一三四六八の車両、停止せよ」 「テレビアイが市内幹線道路の各ポイントですべての通行車のナン 「まずいな」とぼくは言った。 ・ ( ーを走査している。そのインブットは交通局のコンビ = ータに放 「お呼びがかかったそ。突走るかね ? 」 り込まれ、こちらの条件づけの該当者のナイ 、ハーだけが戻ってく 「馬鹿を言え。言われる通りしろ。そして旨くやるんだ」 る。あとはうちの″電気亀〃にあるすべてのドライヴァー記録でそ ・ほくは大ぎく息を吸い、・フレーキをおもむろに踏んで、車をプレのデータを補正するだけの話さ」 ートの下に寄せた。 彼の言う″電気亀″とは、背後の不細工な電子特殊車を指すらし コップ 。 ( トカーの蔭から二人の警官が現われ、一人がコク。ヒットを覗きかった。 込んだ。もう一人は数歩離れて腰のホルスタ 1 にさりげなく手を当「単純なはなしだろう ? ーー・ ところで、ずいぶん佳い匂いがする シチュエーション あぶら て、状況をカ・ ( ーしている。脂ぎった中年の顔を近づけて覗き役な。。、 ーティの帰りかね ? 」 の警官が言った。 リンメイー 警官の視線はさりげなくぼくの背後に移動した。すべてを読みと 「林・明、シティカレッジの気象工学専攻生だな。間違いないならずにはおかぬ目付だ。 「そうなんですよ。ちょいとばかりクラシック趣味のワインパー イでね。すっかり出来上っちまったのを一人、送り届ける途中なん ぼくは一瞬、真底おどろいて警官の顔を瞠目した。思考が凍ってです」 しまったようだった。 ・ほくは軽い吐息でその白を終らせたが、ステアリングを握ったま 「そうです。しかしなぜ : ・ : こ まの右の掌にじっとり汗が湧くのを感じた。 「分ったかと言うのかね。しかしそれより何故止められたかという「世間ではどんな騒ぎが持ち上っているか承知しているんだろう 理由の方が問題なんじゃないのか ? 」 な。ずいぶんと気楽な連中が集まったものだね」 「なるほど。では先を続けて下さい」と、ばくはいくぶんか自分を「よき市民のル 1 ルを守 0 ているだけですよ。 " 汝のテリトリーを 取り戻して言った。 守れ、そして一歩もはみ出るな″という、あいつをね」 「そいつは君が学生だからだ。われわれはかれらのシンパになりう「早く私たちを解放して、お巡りさん」 とろ るポテンシャルを持った車の持主を今チェックしている」 レティシアが蕩けるような声を出した。ばくにも聞かせたことの しんそこ せりふ 20 ー
「しかし : : : それでは、・、・ / ヒ tL ニア衛星ーーーポルノ衛星と、ミ げられ、軌道に乗せられ、電波管理を受けるのさ。そしてある日、 ティー信仰との関係は ? 」 あるとき、それが、・ハビロニア衛星に変化するというわけだ」 「もちろん、ミ = ータントたちの、世界征覇の陰謀の一環だ。彼ら胴間声は完全に沈黙してしまった。 は、女たちのミ = ーティー信仰を利用し、ミ = ータントに対する崇渦はいつのまにか停止して、四周の壁面や天井に、門 日の抜けた、 拝をたかめるために、ポルノ放送専用の衛星を打上げる計画をたて平凡な光のパターンをつくっているだけだった。 た。それが、・ハビロニア衛星だ」 末石はひどい疲れを感じながら、また何人か、・ハビロニア衛星の 「でも、 いったいどこでそんなものを製作して、どの宇宙基地か信者を獲得したことに、たつぶりした満足感を味わっていた。 ら、どうやって発射するつもりなんだ ? そんな大規模な技術陣をもちろん、・ ( ビロニア衛星計画などというものがあるわけはな 持っていたら、いくら秘密にしても、それが知れわたらないはずは 。しかし、計画があると信じこんだものは、これで、確実にまた ないだろう ? 」 何人か増えた勘定になる。 「・ ( ビロニア衛星という名前の衛星は、この世のどこにも存在しな何のために ? 。それは、全く別のーーたとえば、資源開発衛星とか、気象衛星それは、彼自身にもわからない。なぜなら、分裂症患者が、自分 とか、通信衛星という正式名称を持って、正式の機関の手で打ちあを、気違いと意識するはずはないからだ : ・ 号辷 , ( が畍虜一りウ 3 を。、の一一はの ( 、・ル裂てあ、攴 , 夫、円 誦いおフ ~ 撃をれ一盤」嚀分をし第でニゞ . 血 (. 、 , ( ~ 、を第なは」の ~ 爆ゾご〕円、ド的英説げ一藤、 8 、な一国 , 畔一に。」第を文。をト ま一を ~ ( をを ~ 第い第を第罅《一をま物 早川書房 5 6
っ着・ ェわた棒たひ ジョン・ W ・キャンベル記念賞 のれ つだ シ懸 シカゴのイリノイ工業大学 ( I I T) で S F の講座をもっているレオン・ E ・ストーヴァー ち人 博士の主唱により , 毎年国際的規模 ( といって も英語圏内のことだろうが ) で優れた SF 長篇 を選んで表彰する「ジョン・ W ・キャンベル記 、オょ 念賞」が設立され , この 4 月 6 日 , 第 1 回授賞 式がおこなわれた。これは , 去る 1971 年 4 月に 故キャンベル氏が同大学で講演し , 以後毎年訪 れることを約束しなから , 同年 7 月他界したた め果たせなくなったという因縁によるもので , 地元の新聞は「かくしてキャンベル氏は毎年人 た四 びとの記憶の中で当地を訪問することになっ た」と報じている。 転の 第 1 回の受賞作品は次のとおり。 ル白 ◎第 1 席 : Beyond AP0110 ( , くリイ・マルッ ヴ子 よも ーグ , ランダムハウス刊 ) っ速 両が ◎第 2 席 : The Listeners ( ジェームズ・ E ・ ラ年 ガン , スクリブナー刊 ) ◎第 3 席 : Fugue For a Darkening PIain 塗を ( クリストファー・プリースト , フェイノく フ土イ / く一刊 ) のわ っ加 ◎特別賞 : Dyinng lnside ( ロ / く一 ト・シルヴ グ , スクリブナー刊 ) 第 1 席の Beyond Apollo は金星への旅を がず 描くリアルな作品。 The Listeners は地球外 の転 の知的生命を扱ったもの。 Fugue for a Dar- いぐ kening Plain は未来のイギリスを舞台とする ろれ人余 数は 政治小説。 Dying lnside はテレバシー能力が 逃面三少 年齢とともに衰えていくというアイデアの物語 シを 金だ彼た 年ん りである。 属 = がで 選考委員長のストーヴァー博士は , およそ 10 たか道ゆ 年前に東京大学の客員教授 ( 文イヒ人類学 ) とし て日本にいたことがあり , そのさい日本の S F フ・アンとも何度か顔を合わせている。夫人は日 たき 本人で , みずくきのあとうるわしい手紙をくれ る。氏はまた米国有数の中国通としても知られ ている。他の選考委員は , プライアン・ W ・オ ールディス氏 , ハリイ・ハリスン氏 , トーマス ・ D ・クレアスン教授 ( オハイオ州ウースター 大学 ) , けィリス・ E ・マクネリイ教授 ( カリ フ土ルニア州立大学 ) と , いずれもストーヴァ ー氏と親しい人たちが顔を並べている。 授賞式は , イリノイ工業大学のグローヴァー ・ M ・ , 、一マン講堂で , 7 時から 9 時半まで開 かれ , 参列者の中にはアナログ現編集長のペン ・ポヴァ氏 , トーマス・ M ・ディッシュ氏 , ゴ ードン・ディクスン氏等の姿もみられた。 ( なお , この賞とは別に , 今年の第 31 回世界 S F 大会 (Torcon-2) で , 参加者の投票により , 優秀な新人作家を選んで表彰する同名の「ジョ ン・ W ・キャンベル賞」が設けられるというニ ュースもある。 ) 99 わ つ ナこ 彼 ら ヴ 工 . フ と 借 用オ し 自 車 の 方 冫こ . む シ ル ヴ 1 ラ 、は ル命立 に ダ ノレ を ん 人 少 年 手 く は ま だ プぜた シ ル ラ は あ て よそ う た説 。明 し な が を り ま な カ : ら 。あ カ ; っ た 奐 て の の十耳女か の は 自 転 ヴ車 ェ用し ポ ン プ で り っ レナ た ふ歌転 う て し、 ナこ の サ イ ク ス ト が リ ト や ン ド リ ン ん し 少 だ っ や ら し し、 わ殴爺革 し、 め ひ 。と り の 自 を車け よ た り今 度 と び て き たた の は フ・ ル の シ ヤ 、ノ を 少人け の に自 泥たを し 女 子 のそ 叫れ び 声乗 カ : し た 、ち く し う 老な し、 ぼ れち あ ヤ で っ路 と し う と 、ろ は ま た タ ク たを か ら 車 っ いかは ん立 に っ て 0 ート・ フ イ ト 走 い う た く 、者て を ミ自 . っ て グ 彼ザ グ に 走 り ツだ し ルた シ転 ル車 ヴ ラ のだち道を ま り ば に あだ っし たた 変ろ の ロ カ ノレ 用 ろ 彼ごが 、地 ドけを人 ろ カ ; っ し、 っ た 0 う の で よ う く ち あ が 自 に ま た 。止路見を の ほ へち 走 り と 速だ変 た ごをた の の ヒ。 ク ツ ク の ジ向馳前 こ走 を ひ っ く り か ぇ し 。立なてげ ら た と ろ で が向ち る と よ う ど が 十 段 . の 。黒 四 の と び か か つ て く に 彼 身 を じ に 、・つ い ナこ し、 の 滓 拭 も、イ がを ら 走 り っ ナこ 売 の : 横 ト も 運 ゅ ゕ げ く 草 の ょ上 ノレ ヴ ェ フ 顔て メ イ ワ ン ひ っ か け づた肥 シ ェ は 自 車 の ト か れ引た あず り お 、ろ . さ し の け ら を 立 て た の か ひ と り の ′つ た 少 カ : 、ン て ツ ノレ か け て らき か た い ポ ン の 第 撃 を を す く め て け 世 S 情 報 っ投 がそだ十 のさ れ 、ン ル ヴ フ は イ
ヘルガの伝えた指令はいとも奇妙なものだった。 レーートの 〈 5 月幻日午後 8 時から 8 時分の間、フリーウェイ・ / サンタ・モニカからロザリオまでの区間を、時速 18 0 キロを保つ て走れ〉 ハイウェイバトロールの網の目は決してそう粗くはない。いわば 保釈中の・ほくの今の立場で、スピード違反で挙げられることは、少 なからぬポイントを失うことにつながるだろう。しかしへルガはど んな補足説明もそれに付け加えず、最後に一言、こうしめくくった だけだった。 《何も気にしないで、成り行きにおまかせなさ 。私を信じるのよ》 そこで・ほくは信じたという訳だった。が、スピードメータの針が レッドエリアに入って震えているのを眺めている内に、背筋を得体 の知れぬ虫が這いずり始めた。その意味も、その結果も見当がっか ぬ盲目的な行為というやつは、決して口笛を吹きたくなる気分のも のではない。前後左右にきらめく他車のライトすら、敵意に充ちた けものの目のように感じられる。 フリーウェイの左手には、太平洋が夜の底に果しなく、青黒い澱 となって沈んでいた。ハイウェイスカイ。ハトロールのパトコプター から見下せば、フリーウェイはその縁に沿ってえんえんと伸びてい る、電子装置の神経が細密にはりめぐらされた、海の量感からみれ ぎやしゃ ばごく花車な一本の光の帯にすぎぬだろう。 ばくもまた、その光のベルトールート 6 、、 1 をしささかルールを無 視して突っ走っている機械仕掛のいっぴきの甲虫にしかすぎないの ほくが追い越し車線に出てものの五秒も経ったころ、一組の ライトがさりげなくぼくの車と同じ動作をした。その光の目玉は、 あら えたい おり アラバマ州レキシントンの騒ぎ ″空飛ぶ円盤の大、米国では、ごろ車で市に到着して、同市の人た 依然各地で DßO 目撃事件があとをちと連絡をとって、調査に取りかか った。 断たない。事件のたびに沢山の熱心 彼と他に三人の人たちが、おのお な研究家たちが、現地に急行 し調査活動をしているが、その一例の別の車に乗って各方向にちらば り DAO を見つけたら無線連絡で現 として、本年一月三〇日、アラバマ 州のレキシントンで起った事件をご場に急行しようというわけである・ だが午後九時半までに各地から報 紹介しよう。 告を三つも受けとったが、どれも報 同地では、昨年の十二月二十七日 から本号の一一月初めにかけて、多様告が遅すぎ、現場に着いた時にはも なが目撃されたが、同地近傍う何も見ることが出来なかった・ そこで、今夜は打ち切りを決め、 に住む ( 米国の二大 DAO 一一人の人とハイウェイ一〇一号上を 研究団体の一つ、空中現象研究会 ) の現地調査員ビル・ロジャーズ氏エルジン・クロス街道の方へ車を走 は、それを詳しく調査し、全部で十らせていたが、ふと、最近二、三そ ういう物体の目撃が報じられた、新 七件の DßO 目撃実例を本部に送っ た。 しく出来たゴミ捨て場へ寄って見た たい気になって、ゴミ捨て場から一 そのうち、本年一月三〇日に起っ マイル手前まで来たとき、薄オレン た実例で、彼目身ナゾの物体を 目撃し、扉体の出現と大気中の放射ジ色に輝いた物体が一つ、彼の車の 能の増加との間に緊密な関連がある右手、一マイル位、立木の頂上ほど ことをたしかめている。 の高さを、ごくゆっくりと飛行して その上、物体に儚中電灯の光を指いるのに気がついた。 すぐ、同乗者と共に車から降り し向けると何故か物体がふらついて 降下するという、特徴も彼は目撃して、双眼鏡で観察した。物体は、卵 ている。 型と球体との中間の恰好をしていた そういう点が興味あるので、ご紹が、地上を観測しながら飛んでいる ように見えた・ 介しようと思うわけである。 そして、一分ばかりたった時、物 その日ーー同氏が同市での円盤目 ( 約十 撃騒ぎの本格的な調査に着手して五体は、いったん四 0 フィート 日目のことであったーー午後六時半ニ米 ) ほど上昇した後、着陸するか 2
「いま、マサちゃんて子の小田さんところへ電話してみたけど、おり見えない。乳母車押した人が一人通って行っただけさ」 留守なのよ」 何ごとか大けさな身振りでしゃべり合いながら、ショッ。ヒング・ 母親は云った。 カーを引いて歩いて行く三人の主婦、芝生でゴルフの素振りをして 「ほかに心あたりはないのか」 いる男、自転車を走らせている二人の青年、郵便配達の赤いスクー 「ええ。今のところ : 。ほんとうに、あたし、泣きたくなっちゃう」ター、それらの姿はあるのだが、たしかに小学生や幼稚園児の姿 母親は、夫の顔を振り仰いだ。 は、全く見えなかった。 「泣いたって仕方がない」 「夏休みだから、田舎へ行ったり、旅行に行ったりで少なくなって るのよ」 広場を隅から隅まで、ゆっくりと見渡しながら、夫は云った。 「冷たいのね」 「それにしても、児童遊園のあたりまで、まったく影もかたちもな 「そういう意味じゃよ、。 オしこういう場合は、親のほうが冷静になら いってのは変じゃないか ? 現にうちのチーちゃんも、マサちゃん なくちゃだめなんだよ。そうしたいと、ますます子供が、かたくな か ? その子も団地に残ってるわけなんだろう ? 」 って、心をひらいてくれなくなる」 「そうだわ。もうひとっ向うがわの児童遊園にいるのかも知れな 「なにか、あの子の心に負担がかかるようなことしたかしら」 い。マサちゃんと遊ぶのは何時もあっちだわ。あっちは集会場があ 「ビアノと・ハレエを同時にはじめたのは、よくなかったかも知れな って、砂場のあたりも日陰になってるし : : : そう云えば、夏になっ いな」 てから、ひるまは、あっちで遊ぶ子が多いみたいだわ」 「だって、あの子の友だち、みんな一緒にはじめたのよ。だから仲間 「それみろ。冷静に考えれば、すぐ思い当るじゃないか」 夫は笑った。 もいて、遊びの延長のようなものなんだし : ・ 。マサちゃんなんか、 「行って見て来るわ」 毎日一時間も練習してるっていうビアノだって、うちは毎週一回、 「おれも行こうか」 ビアノのある日だけに、即席のおさらいやらせてるだけなのよ」 「あんなもの、遊びでいいんだ」 「あなたは、いてくれなくっちゃ。もし、あの子がほかのところに 「でも、おくれすぎると先生にも失礼よ」 いて、自分で帰って来たら困るでしよ」 「。ヒアノ教師のごきげん取るために、子供を犠牲にしてもいいって 「そうだな。じゃあ、おれは、ここに椅子を出して、下を見てるこ いうのか」 とにするよ」 「ひどいわ。そんな : : : 」 「日射病にならないでね」 母親は涙声になった。「だって、。ヒアノも・ ( レエも、あなた、賛「はは。帽子をかぶってればいいさ」 成してくれたじゃない」 椅子を出そうとしている夫に、簡単な身じたくしながら妻が云っ こ 0 「言葉が過ぎたら、あやまる」 夫は云った。「それより、さっきから見てるんだが、不思議でし「ねえ、何か、匂いがしない ? 」 かたがないことがあるんだ。人通りはあるが、子供の姿がまるつき「さあ」 ロ 4
ように全身をねじれさせ、ロと鼻から血の泡を噴いて死んでいる。 くは平然としていたーーー・ほくのとりつつある行為は動機はどうであ と、ふいにその死体が半身を起す。その顔はぼく自身の顔にすりれ、ともかく本心から出たものであり、事実に基いていたからだ。 変っている。残照を浴びて悪魔的な表情を浮べながら詰め寄ってく ばくは二時間前、その目を初めてヴィデオフォンのスクリーンに るのだった。 見出だした時のことを反芻していた。 ・ほくは死にものぐるいで悪夢の沼から浮び上り、顔の脂汗をぬぐ「君は誰だ」 って、べッドサイドのトランキライザーのカプセルに手を伸ばしな冷たく歯切れのいい声が言った。 がら呟いた。 「主席代表にはお子さんはおられぬことになっているそ」 レティシア。君は・ほくにすべてを預けると言った。その信頼「シティ・カレッジの学生、ミス・レティシア・マンのことを・ほく を悪用させてもらうことにするよ。 は言っているんですが」 「待て」 かすかに彼の表情が動き、早口になった・ 「今、・・ 0 ・ cn を入れる。そのままで待ってくれ」 双方向盗聴防止スクランプル・システム えらく値の張る代物 翌日の午後八時に、ばくはサン・ビーチ・ホテルの—専用の で、なみの市民では買えるようなシステムではない。それだけに、 超高速シャフトに乗って、五十階をめざしていた。 スパイ・キラーと呼ばれるほどの偉力を発揮する。 むろん一人でではない。屈強なボディガード二人とーーーおそらく サイボーグ・メンだろう トム・スコットの三人がばくをがっ数秒、スクリーンは激しいノイズで揺れ、それが拭い去られる と、かすかに顎をこわばらせた彼の顔があらわれた。 ちりと取り囲んでいる。ばくのチュニックスーツは、シャフトに乗 り込んた途端、四つの緻密きわまりない手先で徹底的に調べられ「失礼した。余り他人には聴いてもらいたくないような話なので な。話を続けたまえ」 リンメイ 例のメッセージ・リングをはめたぼくの指に、かれらの一人の視「ぼくは林・明。カレッジで、彼女と同じセミナ 1 に属していま 線が止まった瞬間、ぼくは手をポケットに突っ込んでしまいたい衝す」 動をからくも抑えつけた。しかしその男の視線はいそがしく次に動「なるほど、そう言えば君のことは聞いた。問題をおこしたようだ いて行った な。あの連中の起した騒ぎにまきこまれたのだろう ? 」 トム・スコットは、初老の、よく光る広い額をもち、細い目に超「そうです。そのために・ほくは火星のカナリアへ飛ばされることに 硬金属のようなしたたかな輝きをのぞかせる男だった。今、彼はそなりました。その前に、レティシアと結婚したいと思っています。 の鋭い目をぼくの横顔に当てたまま離そうとはしなかった。が、ぼそのことで、彼女の父親としての主席代表に、是非お目にかかりた こ 0 2
の符号を採用できる。例えば、記号を見ただけでは、その意味する フールスキャップ版もそこにあったのだ。大学の卒業免状みたい に巻かれて、輪ゴムで締められており、はり札もしてなければ、表ところが確然とはわからないものなんです。現在までのところ、科 題も記入されていなかった。びっしりと細心な小さな文字がインク学はアルフア・〈ットのあらゆる文字を使用して来た。大文字、小文 字、そしてイタリックス。そのおのおのが、数多くの異なった事物 で書き込まれた二十枚ほどの用紙である 私はそのフールスキャップ判の一枚を持っていたのだ。これを一を表わしている。肉太活字、ゴチック文字、ギリシャ文字の大文字 枚以上持っていた者はただの一人もいなか 0 たと思う。そして自分小文字の両方、それを下方と上方に書きわけることによ 0 ての区 の持っているその一枚を失った者は、政府によ 0 て、うむをいわさ別、星じるし、そして〈・フライ語の文字まで使うに至った。同一の ずその生命をも断たれてしまうのだということを知っていた者はた概念を表わすのに、科学者によって、それそれ異なった記号を使用 するし、また異なった概念を同一の記号で表わすこともある。だか ったの一人しかいなかったということを私は確信している。 さて、私はその用紙を、まるで大学構内を風に吹かれてとびまわらあなたが、このように一。〈ージだけ切りはなしたものを、主題 や、使用される記号の方式に就いての何んらの予備知識も与えず っていたのを見つけた紙きれかなにかのように、カイザーの前に、 に、どこの誰様に見せたところで、いったいなんのことやら皆目わ ・ほいと落したのだ。 彼はそれをまじまじと見つめ、それから裏面をひっくりかえしてけがわからないのはあたり前のことなんですよ」 見た。裏面は白紙だった。彼の眼は一番上の行から一番下の行へと私はさえぎった。「でもあなたは、彼が四重モーメントを研究し ていたと言われましたね。そのことを考慮に入れると、これがわか 動いて行った。それからまた上の行へともどった。 「なんのことやら、これはさつばりわからない」と彼は言った。そってきはしないのですか ? 」そう言って私は、この二日間、フ 1 ル して自分の言葉に苦々しい思いを味わった様子だった。 スキャップ判が次第に重圧感をおびて来ながらおさまっている私の 私は何も言わなかった。ただ、用紙を折りたたむと、上衣の内ポ上衣の胸のあたりをたたいた。 ケットの中へと押しもどした。 「なんとも言えない。それなら含まれるべきはずの標準になるかか カイザーはいらいらした口調でつけくわえる。「科学者というもわりあいがそこにはない。少くとも私がそれと認め得るものがな のは、方程式をひとにらみしただけで、『ははん、なるほど』とう 。でも私にはなんとも自信を以って明言するわけにはゆかんので なずきーー・それからそれに関する本をスラスラと書き上げるものだす」 短い沈黙があり、それから彼は言った。「彼の学生たちにあたっ と、とかく信じられがちだが、それは通俗的な誤謬だよ。数式とい うものはそれ自体は何の意味もないのであって、それは単に、物理てみたらどうなんです ? 」 学上の観測や、哲学上の概念やを表現するために案出された任意の私は眉を上げた。「教室で彼の講義を聴いてる学生たちにですか 符号に過ぎない。各人がそれそれ自分の特殊な必要に応じてそれら ? 」 2