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検索対象: SFマガジン 1974年10月号
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1. SFマガジン 1974年10月号

ばさないかぎり、入礼も拒否するという。二十五年 ! そのあい会がある。どうしても三選を実現させる必要があり、そうするため には法律を改正する必要がある。そして、もちろんーーーと、ネフハ だ、あの数字の中には、おそらく水素核融合反応の秘密や、ひょっ とするとそれ以上の大発見が、いくつかも隠されたままなのだ。そウゼンは心の中で認めた , ーー最悪の圧力は、コンスティテューショ れらが、むこう数週間のネフハウゼン自身の生命をあずかる鍵だとン号に関して乱れ飛んでいるだ。おれは大統領に警告した。あい いうのに・ にく、大統領はそれに耳をかさなかった。おれは、二人の人間に知 電話が鳴っこ。 られた秘密はすでに傷ものであり、二人以上の人間に知られた秘密 彼はとびつくように受話器をとって、さけんだ。「はい、大統領ではない、と諫めた。だが、大統領は強引に意志をつらぬいて、秘 密を高官たちに打ち明け、しかもその輪をしだいに広げていったー 閣下 ! 」 ちょっとあわてすぎたようだった。聞こえたのは、彼の秘書の声ーもちろん、口外しないことを誓わせてだが、そんなことがなんの たしになろう ? いうまでもなく、あらゆる予防手段にもかかわ だった。その声は震えをおびてはいるが、決然としていた。 「大統領ではありません、ネフハウゼン博士。ですが、コ。フリ】上らず、秘密は洩れた。恐れていたよりも、洩れ方は少ない。だが 院議員がいま電話に出ておられて、緊急な用件とおっしやっていま耐えうる限度よりははるかに多い す。どうしてもーーー」 ネフハウゼンは、コンスティテューション号からの報告を、愛撫 「いかん ! 」ネフハウゼンはどなると、受話器を叩きつけるようにするような手つきでさわった。あのビューティフルな若者たち、彼 らはまだいまからでもすべてを立て直せる、すばらしいものにでき 置いた 6 そうしながらも、彼はすでに後悔していた。コ。フリーは、 軍事委員会の委員長をつとめている大物だ。ネフハウゼンとしてもる : 最も敵にまわしたくない人物であり、事実、何年間ものしん・ほう強 なぜなら、彼らをすばらしいものにしたのはこのおれだからだ、 い垣根作りをつうじて、うまく味方にひき入れたつもりだった。しとネフ ( ウゼンは自分に告白した。おれがこのアイデアを思いつい かし、コプリーだろうがだれだろうが、大統領が彼の電話に答えて た。おれが彼らを選んだ。そして、彼らがほかの連中にとって代ら くれないうちは、話をするわけにいかないのだ。コ。フリーの地位はれたりせず、まちがいなく乗員になれるように、まだ自分でも気の きわめて高いが、ネフハウゼンの属する階層組織の直接の上司ではとがめるような細工を、いろいろとほどこした。しかも、その保証 ない。その階層組織のトツ。フが彼との対話を拒絶しているあいだをよりいっそう確実にするため、あらゆる手段に訴えて、彼らの忠 は、ネフ ( ウゼンはこの世界から切り離されたも同然なのだ。 誠心をとりつけた。訓練。統制。愛情と友情のきずな。さらに、よ 彼は状況を客観的に検討して、自分の気をおちつかせようとしりいっそう信頼の置けるきずなーー彼らがほかになにをしようと、 た。いま現在、大統領にのしかかっている圧力・ーーそれは巨大なも地球へ忠実に報告を送ることたけは忘れないよう、思いつくかぎ のだ。まず、全都市でつづいている暴動がある。目前に迫った党大 り、目につくかぎりの広告刺激と、モチベーション・リー サチ的な に 6

2. SFマガジン 1974年10月号

ゃならないが、あれは言語学的におそろしく貧弱なので、長いことていた。そう、タ・ハコは命とりになるかもしれない。しかし、タ・ハ 読んでいられないのだ。しかし、考えてみると、その必要もないよ コは緊張緩和剤でもあり、いまの彼にはそれが必要なのだ ~ それ うに思う。結局、・それはゲーデル数化された直観像的言明の中に、 に、命とりになるとして、なにがわるい ? 命をとられるよりもっ すべて含まれているのだから。というわけで、これからその言明をと悪いことが、この世にはいくらでもあるさ、と彼は憂欝な心境で そっちへ送信しようと思う。そうすることが・ほくにとっては一種の思った。 この二、三年 復習になって、こんどこそ因果性がちゃんと理解できるかもしれな どの角度から見ても・・ーー・・と彼は客観的に考えた は、おれにとって苦難の連続たったな。あの連中、出だしはすばら そうだ、ヒントを一つ提供しよう。・このメッセージの中には、ジしかったのに、すっかりおかしくなってしまった。もっとも、それ エリーの考えた、プラズマを五〇〇秒間閉じ込めておく方法もはい だって、遠い子供の頃の思い出ほどひどくはない。あの頃は、だれ っている。これが解読できれば、そっちでも、・ほくたちの出発前にもかれも貧乏で、ベルリンはおそろしく寒く、冬期救済事業でもら 話しあっ . たような、核融合反応炉が作れることになる。さあ、鼻の ったつんつるてんの服があるきりだった。むろん、大戦の末期とだ 先にニン・シンをぶらさげられたんたから、がんばってメッセージの って、比べものにならない。南米と中東で暮らした最初の何年かも 復元にとりかかるんだね。問題のプラズマ閉じ込め装置は順調に動ひどかった。フォン・・フラウンや - エーリケといったクラスでも満足 いてしる。ただい推進方法をそれに切りかえたときの事故は、、 しまな給料をとれなかった時代のことで、ネフハウゼンのようなヒョコ 考えても残念だ。爆発でウイル・べックランド が即死し、一時はみは、ジャガイモの皮むきやエレベーター・ポーイで食っていくしか んなの命も危なかった。 なかった。しかし「経歴の絶頂にある人間としては、およそ予期す それはとにかく、電力がだいぶ心細くなってきたし、かんじんのるいわれもないような苦難があることはたしかだ。一、、 メッセージを送りそこないたくないので、このへんで切り上げてお アルフ、ア日アレフ計画は、基本的にはまちがっていないー「、彼は く。このあとのが、そのメッセージだ。 や、神 歯ぎしりしながらそう考えた。計画はいまに成功するーーー・い 1973 ま 4 十 331802 十 172008 十 547 十 390g 十 2 b78 E} 一。 かけて、げんに成功しつつあるのだ。世界はそれによって生まれ変 では諸君、幸運を祈るー わる。未来の世代が、きっとわかってくれる。 しかし、未来の世代はまだ姿を見せておらず、現在の事態は悪化 の一方だ。 われに返った彼は、受話器をとりあげて、秘書を呼び出した。 「大統領・にはまだつながらないのか ? 」 「あいすみません、ネフハウゼン博士。お言いつけどおり、十分ご ワシントン 4 ネフハウゼンは、デスクの上に散らかった書類から顔を上げた。 目をこすり、・ため息をついた。・彼は大統領と時をおなじくしてタ。ハ コ・を・やめたのだが、大統領にならってまた吸いはじめようかと考え

3. SFマガジン 1974年10月号

わないもの。たんに、それをするには、可能な方法がいくつもあるの原野なのである。いまだかって、ここにきた男はそう多くはない とい、つのも、 ) こ 2 ってだけのことよ。、だったらな・せわたしは、あんたが沈黙に身をつし、まして女性にいたっては、さらに数すくない。 つんで、たづたびとりどこかへ行ってしまうのを、こんなに気にすの地域は、文字どおり法律の外にある土地だからだ。いかなる行為 るのかしら。ひょっとしてそれ、あんたがたやすくおまえのものにも、一ここでは罰せられることがない。それは社会を確固たる・ものに する一助となる、とわれわれは聞かされている。われわれのうちの たらない、そうしたければしてみろって感じを与えるから ? 」 「おまえは考えすぎるよ」わたしは言う。「ここにきてまでそうも一つとも暴力的なものも、それによってその衝動に捌け口を与えら だ。おまえは見せかけの未開人にすぎん。″生得の、隔世遺伝的衝れるかもしれないから。 - けれどもわたしは、わたしの《明けの明 動をやわらげるため〃に、おまえは未開の原野を訪れる。たが、自星》がみまかづてのち、多くの時間を未開の地で過ごしてきた 分の内なるコンビ ~ ューターをとりはずしてただ単純に感じ、革純わたし自身は、孤独以外のなにを求めてでもないけれどもーーそし そこの地でなにが起こづているかを、これまで人類学書や歴史書を に生きることは、けっしてできないんだ」 読んそきた目で見てきた。現在ここでは、さまざまな制度が発達し 彼女は眉をさかだてて怒る。、わたしの言棄ば痛いと、ころを衝いた のだ。彼女を通り越して、彼方の火のような楓とシ = 1 マック、真づつある。儀式、部族制、血と残虐の行為、ほかの場所でなら不自 鍮色の楡と、焦げ茶色の樫の巨木の尾根に目をやったわたしは、ほ然と呼ばれるべき行為、それらが年ごとに複雑になり、より期待さ かのものたちが木陰から姿をあらわしたのを認める。すべて女性ばれるものになりつつあるのだ。それから、その実践者らは都会の家 かり、彼女の追随者たちだ。彼女に劣らす粗野な身なりをしていに帰る。そして心から信じこむのだ、いままで未開地で新鮮な空気 て、びとり・は腰に一つがいの鴨を荒繩で吊るし、それからしたたつを、運動を、 - 緊張をやわらげる愉快な娯楽を楽しんできたと。 トラキアはいつでもナイツの た血が、その女の腿を汚して、黒く乾いている。彼女らの運動にた彼女を本気で怒らせてみるがいい いしては、つぎのような認められざる秘義が、いまではトラキアの助けを借りることができるのだ。 ものとなづている。男性だけが、都会の気楽な日常生活と快楽を捨そこでわたしは、しいてわが心に鞭打って彼女の肩に両手をの てて、毎年数週間ずつ、われわれ現存人種を生みだした食人種にも、その修つけられたまなざしを正面から受けとめて、せいいっ・は どる、などということを許されてはならない。女性もまた、そうい いやさしく言う。「すまない。おまえが善意であることはわかって う厳しさを求めるべきであり、それによっ・て、ふたたび文明生活にるんだ。おまえは《彼女》が腹を立てて、おまえの仲間に災難をも もどったときに、よりいっそうそのよさを賞味することができる、 たらすのを心配しているんだろう ? 」 というものだ・。 トラキ」アは唾を呑みこんで、ささやくように言う。「いいえ、そ 、わたしは一・瞬不安を覚える。おたしたちのいるのは、きちんと整れは論理的じゃないわ。ただね、わたしはあんたの身に起こること 備された散歩道やキャイフ場のある公園ではないのだ。 , こ・こは未開を心配しているの。そうなったらーーー」とっぜん彼女は言葉を切っ

4. SFマガジン 1974年10月号

く切りかえてみてください ありがとうーアルプアアレフと呼レッキによると、われわれは現在光速の約十五パーセント、毎秒 ばれる黒点は、デ一一スのポールのように往復し、その間、ほかの星三〇〇〇〇マイル近いス。ヒードで飛行中。核融合ドライプの作動状 ばしの黒点はじっと静止したままだった。「これが、いわゆる明減態は円滑かっ順調。燃料、電力、および生命維持曲線は、最高限度 ゴン。ハレーター法と呼ばれているものです。もし、みなさんがごらをたもっている。船に関しては いや、そのほかのなにごとに関 んになっているものが惑星でないとすれば、大統領閣下、下品な表しても、まったく苦労はない。 ハーストウ 現をお許しいただきたいのですが、こんなヘンテコリンな恒星見た相対論的効果が、予想どおり現われはじめた。ジム、 ことない、ということになります。しかも、それは、われわれが電のスペクトル観測によると、前方の星ぼしは紫外部への変位を示 波望遠鏡のデータに基いて予測したものと、びったりおなじ距離にし、後方の太陽やその他の星ぼしは、赤外部への変位を示してい コンパス座の あり、びったりおなじ公転周期を示しているのです。さて、これでる。しかし、分光器なしではあまりよくわからない。 まだ質問はおありでしようか ? 」 べータ星が、いくらか変化して見える程度。太陽はまだ非常に明る 「いや、ありません ! 」「でかしたぞ、ネフィー ! 」「牡牛が見た 数時間前のジムの観測で、マイナス六等光度という値が出 牝牛のけつのように、はっきりしとる」「結論は出たようだね」 た。こんなふうな太陽を前に見たことがないので、わたしにはその 「アカのやつら、グウの音も出まい」 色が変化したかどうかの見当がっかない。ふつう c50 型の恒星から 大統領の声がそれらを圧してひびきわたった。 連想するゴールデン・イエローでないのは事実だが、前方のアルフ 「もう明りをつけていいだろう、マートン少佐。ネフ ( ウゼン博ア・ケンタウリもそうではないし、両者の色の違いはほとんどわか 士、ありがとう。すまないが、どこかこの近くでしばらく時間をつらない。その理由は、どちらも恐ろしく明るいために、色彩の印象 ぶしてから、のちほど執務室のほうへきてくれるかね ? いまの写が明るさの印象に負けてしまう、ということではないか。とにか 真の公開に先立って、マレーとわたしが声明文の内容を検討するのく、いま言ったように、分光器ではちゃんと違いが出る。われわれ に協力してもらいたいから」 は交替で、しよっちゅう後方をふりかえっている。当然のことだと 大統領は彼の科学最高顧問に重々しく退出許可のうなずきを与え思う。望遠鏡をのそけば、まだ地球も見えるし、月さえも見える てから、閣僚たちの幸福そうな顔にやっと気づいたように、 ・ : ちょっと冒険だ。きのう、レッキが、最大倍率で集光された太 りとほほえみかえした。 陽を、あやうく目に入れるところだった。いまでは両者の角距離が ほんの十二秒ぐらいしかないからだ。あと二、三日で、もう分離が コンスティテューション号 2 できないぐらいにくつついてしまうことだろう。 えーと、ほかになにがあったかな ? シェフィールド・ジ + ックマンの日誌。星船コンスティテー リクリ土ーションの数学のプログラムは、好調に進んでいる。ア シ一ョン号。第九十五日。 5

5. SFマガジン 1974年10月号

テストにおいて、彼の視力は抜群に優秀と判定された。旧友たち 明確な言語で記述されたのち、底とベキ指数に符号化される。メ ッセージの各文字は、それそれ素数の自然な順序として表わされ の証言は、彼がたえず視力の鋭敏化に興味をもっていたことを示 している。それに代る説明。彼が透視力あるいは予知などの超常 るーーっまり、第一の文字は底の 2 で表わされ、第二の文字は底の ・ : というぐあ現象に興味をもっていた、と考えられる根拠もある。したがっ イ上 71 1 上 、第三の文字は底の 5 、以下、 7 、 て、現在においてはありえないことと見なされてはいるが、彼は いである。メッセージの中のある位置を占める文字の正体は、そ の・ヘキ指数で明らかにされる。簡単にいえば、ベキ指数の 1 はそ時間の″前方を見る″ことを指すのに、この用語を使ったのかも の位置にあたる文字が < であることを意味し、ベキ指数の 2 は文しれない 字がであることを、 3 は O であることを、意味するわけであ る。つぎに、メッセージ全体は、すべての底とベキ指数の積とし エトセトラ、エトセトラ。 て表わされる。例。 2 ・ cab" なる単語は鬯 x3 一 x 望または 600 ( Ⅱ 8 ネブハウゼンは、散らかった書類をいとしげに、絶望的に見や X3X25 ) として表わすことができる。 : Abe こなる名は 56 。 250 まり、そしてひたいに手をあてた。あのいたずらっ子たち ! 彼らは : だが、おそろしくやんちやで : : : おまけに理解 たは 2 一 x x5 。 ( H2X9X3125 ) として表わされることになる。実にすばらしい "John = 。という文章の場合は、つぎのような数の贖としてしにくい。自分たちのほんとうの業績を隠しておくとは、なんとい 2 一 0x 3 一 5X58X7 一 4X 110X 13 一 2X 179X1922 表わすことができる じわるなやりくちだろう。水素核融合反応の秘密 ! それだけで X23 。 X29 】。 x3 て ( ここでベキ指数の 0 は語間のスペースを示も、この全計画を正当化して、まだおつりがくるぐらいだ。しか し、ベキ指数のは便宜的に。ヒリオドを示すものとする ) 。例にし、それはどこにある ? あのなんの何乗だかのたわごとの中に、 見られるとおり、ゲーデル数化した表現では、短いメッセージも がっちり錠をおろしてしまいこまれているのだ。ネフハウゼンも、 非常に大きな数となるが、こうした数は、いくつかの底とベキ指 その方法がエレガントであるのを認めるのにやぶさかではなかっ た。そういう明快で簡潔な考案を、真剣にとりあげるだけの理解カ 数の和という形で、きわめてコンパクトに伝送することが可能で ある。コンスティテューショソ号から伝送されたメッセージは、 も持ち合わせていた。いったんその数の合計が出れば、あとはそれ 省略のない中型辞書一冊分の内容にほ・ほ匹敵するもとと考えられを割れるところまで 2 で割っていけばよい。その回数から最初の文 字がわかる。つぎに、割りきれなかづた残りの数をつぎの素数の 3 ( ーストウは、小・中で割っていき、その回数で二番目の文字を知る。しかし、その実行 ″遠視。問題のジェイムズ・マディスン・ 学校時代に近視であったことが知られている。明らかに本の読みのむずかしさ ! まず全体の数を算出しないかぎり、最初の文字す すぎから起こったこの近視を、彼は″ペイツ式療法″ ( 別項参ら知ることはできないし、その数を打ち出せるようなコン。ヒュ 1 タ ・・ハンクの製作が難物だ。社では、開発期間を二十五年に延 照 ) に似た訓練法で治そうと努力した。アルファアレフ計画の

6. SFマガジン 1974年10月号

慣れてきたようだ。打ち上げ後の総点検を何週間も前に片らけて、 コンスティテューション号 1 一時はネフハウゼソ博士の予言どおり、暇をもてあましたこともあに った。いまから惑星アルフテアレフへ到着するまでのあいだは、 恒星船コンスティテーシ目ン号船長、アメリカ空軍中佐シ出フ 宇宙船の操作といっても、ほとんどなにもすることがない。そこで 1 ルド・ Z ・ジャックマンの航宙日誌。第四十日。 、たくさんの個人的なメッネフィ 1 の推奨したリクリエーシン計画にしたがって、航空宇宙 こちらはすべて順調だ。管制センター セージをありがとう。そちらから流してくれたコンサートは、みん局飛行訓練・人事管理課編の間題集を使うことにした。最初の反応 は ( イソディアナ永リスの連中ももうおとななんだから、知らせて な喜んで聴いた。交信状態が悪くなったときの用意に、大半を録音 おくが ) 冷淡そのものだった。彼らが手ほどきとしてよこしたこの しておいたぐらいだ。 われわれがアルツア・ケンタウリの惑星プレプへ探険の旅に出発整数論と命題計算は、うすのろ向きのしろものだと、全員の意見が してから、まもなく満六週間目を迎える。地球からの有人飛行で一」一致した。われわれはそこまで退屈していないということで、ほか れまでに到達された最大距離を越えて、いよいよ本格的な旅が始まの道楽をいろいろやってみた。・アンとウイル・べックラソドはチ = った気分だ。最近の飛行点検でも管制センターの計算と一致、冥王スに凝った。ドット・レッキは〈戦争と平和〉を詩に翻案しはじめ 星の軌道を横切るのは、第四十日、つまり本日、船時間でほば一六た。ほかのものは船内備品をいじったり、天体観測をしたり、だペ 三一時の予定。レッキは、時間拡張効果の観測を続行中。光速の約ったりして、時間をすごした。だが、ネフィ 1 が説明会でいったと ーセソトに達した現在、この効果はかなり重要なものになりはおり、まもなくそれにも飽きがきた。そこで、われわれはネフィ じめた。レッキによると、問題の時刻は、管制センター、そちらののアイデアを討論した。字宙船内での最良の服つぶしは、数学的問 時間に直して、午前二時十五分前ぐらいにあたるそうだ。冥王星軏題に興味をもっ習慣を身につけることーー余分な質量になるような 道との交又点を″沿岸浮標〃と見なすことに、一同の意見が一致し道具はいっさい不要だし、勝負事の要素がないからもめごとも起こ というあれだ。考えてみると、うなずけるところがある。 た。その時点から、われわれは太陽系をあとにして、恒星空間の深らない、 淵に踏みこな最初の人間となるわけだ。そこで、祝賀式を計画してというわけで、レッキはもうこれで十日間、素数の公式を見つけよ いる。レッキとアン・ペックランドは、通過点で投下しようと、アうと張りきっているし、わが愛表フローは、合同の理論を使って メリカ国旗をこしらえた。これを、すでに準備してある大統領の歓〈ゴールド・ハッ ( の予想〉を証明しようとしている。 ( 二カ月前に 送演説入りのスチール製記念板といっしょに、第三観測窓から船外は、クリー = ング屋の請求書もたし算できなかった女がだよ ! ) た へ放出するつもり。また、各個人の記念品もそこへ含めたい。わたしかに、暇つぶしにはもってこいだといえる。 医学的には全員異常なし。一同の血圧、脈摶、トセトラの詳し しは空軍土官学校の卒業記念指綸を提供することにした。 いデータを、ロケットと航法系統の読出しに添えて、伝送してお この前の報告からあまり変化はよい。一同、単調な日課にうまく

7. SFマガジン 1974年10月号

が笑わせる。 流行〈りりイ「あたし、木星に行きた七九七年の未来を告げようとしたのだ。どう して現在の私たちが、孫子の時代を深刻に心 モチーフ〈こ : ◆・◆・◆い」研ナオコ「ふんふん : : : でも、一度くら 配する必要があるだろう ? 〉Ⅱ高木彬光『ノ の連作を書きはじ 》・◆・◆ , ◆い手始めに月に行ってからにしたらどう ? 」 ストラダムスの大予言の秘密』 ( 日本文芸社める時、・ほくは自 りりイ「月もいいけど、ア・ハタばっかりだっ : ◆・◆・◆ ・ 5 5 0 円 ) から。 分に次のような制 ・・ - 一ていうじゃない」順子「でも、木星はぬかる ②〈学者 O 「じゃああなたは科学者であり限を加えた。①女 ◆ 9 ◆一みばかりだ 0 て」ナオ = 「ほんとオ」りり ながら、何故ノストラダムスの予言などとい を出さないこと。 ◆◆ 3 イ「木星 0 ていうくらいだから樹でもい 0 ば : ◆・◆・◆い生えてて、花も咲いて、すごくイイところうキワ物を吹聴して、それでなくても不安定②ジャズのスタン な人心を動揺させるんです ! 」西山良玄「残ダード・ナン・ハ スポッ 『スター 了◆・◆・◆だと思ってたのにね」〉 の曲名をタイトル 念ながら公害の問題はいくら理屈で分ってい : ◆・◆・◆ト』創刊号「りりイと研ナオコの対談」 - ・・一から。とはいっても、内容はスプーン曲ても、自分の身にひっかぶらなきや。ヒンと来にすること。③症 名のある異常性 ・・・一げや = ーレイの話。どうやら「」が客寄ない。しかしそうな 0 てからでは遅い。だか ら私は理論と共にノストラダムスの詩のイメ格、異常性欲の持 了 9 3 せの看板になる時代が来たらしい。似たよう ジを借りて警告しているのだ」〉日東宝映主を主人公にする 〉・◆・◆・◆な例証は、『奇想天外』 9 月号の「失楽園」 こと。 ( 中略 ) なぜ小説を書く上でそんなっ 了・・欄にも紹介されている。感無量の向きは同誌画『ノストラダムスの大予言』シナリオか ら。なお西丸震哉・五島勉『実説・大予言』 まらない東縛を加えたかというと、別に意味 ・ - ・一 100 ページをどうぞ。 了◆・◆・◆ 十 ( よ、 0 、 ( 祥伝社・ 550 円 ) は、この映画の理論篇 しわば著者の趣味だったわけであ 卓説〈漫画とは本質的に合わないと ◆・◆・◆いうのが、私のひそかな意見である〉〈いそ活字版である。 る〉ⅱ筒井康隆『男たちのかいた絵』 ( 徳間 タコッポ化〈 : : : ・フラウンの強みは、 書店・ 890 円 ) から。『問題小説』誌で好 〉・◆・◆・◆がねばならぬのは、減びの支度なのだ〉日中 なんて初めてだ、という読者をもひきずり 評だったチンビラやくざを主人公にした連作 〉・◆・◆・◆井英夫のエッセイ集『黒鳥の旅もしくは幻想 こんでしまう無条件の面白さに、実はあるの 短篇集。『あなたと夜と音楽と』のエンディ ◆・◆・庭園』 ( 潮出版社・ 1000 円 ) から。 だ。そのプラウンが『世界全集』でスタ 作家になるには〈よく「作家に ングなどま、 ーいかにもジャズ好きの作家 ージョンと二人で一冊という扱いを受けてい ◆ 3 なるには、どうしたらいいでしよう」と質問 らしい効果をあげている。 るこ A は、・ま ~ 、こよ、、 力なり、ひっかかる。 〉・◆・◆・◆されることがある。おざなりの答しかできな 誤訳〈知人がカタログで How to Hold その″扱い″じたいは、いろいろな事情があ 〉・◆・◆′◆い 「一回、目標喪失の地獄に落ち、もがい るにせよ、これは日本の界の体質に関連 Up a Bank というノンフィクションを見つ ←てみることですな」と答えなければならない けて、てつきり、銀行強盗の実話か研究書だ があると、・ほくは考えている。はまず小 ・ 0 と、説明のしようがないのである〉。《星新説だ、というタテ「 = をとりながら、界ろう、と注文したら、とどいたのは「堤防 は、丸山真男の、いわゆるタコッポ化してゆ ・第 3 一の作品集》 1 『ポ , 「ちゃん・ようこそ地 きつつあった、というのが・ほくの見方であ法」をといた上木関係の本だった、という例 ◆・◆球さん』 ( 新潮社・ 800 円 ) の月報「星く が最近にもあったくらいで、内容を知らずに る〉日小林信彦のエッセイ集『東京のロビン .4 ずのかご」から。この作品集は全燔巻。毎巻 題を訳すと、しばしば失敗する〉ⅱ都筑道夫 ソン・クルーソ ] 』 ( 品文社・ 16 0 0 円 ) ・・・一に作者から″読者への手紙″がつく。 のエッセイ集『目と耳と舌の冒険』 ( 品文社 ・ 12 0 0 円 ) から。 ・ー・「大予言①〈一九九九年七月に人類が減亡から。 読者とは 〈「俺が読むのはスペース・ するということは、あくまでもノストラダム 秘ホシ語録〈小松左京「星新一は、 オペラが中心だけど、・ハラードだって結構面 ・◆スの予言を拡大解釈した五島氏個人の断定で 度でいいから象と正常位でやってみたいなん 白いと思うんだ。ウルフガイもファンだし、 ◆・◆ある。人類はたしかに病んではいる。しか て、つまらん考えをもっとる ( 笑 ) 」藤岡喜愛 - - - 一し、死期が科学的に予測された癌のような重日本沈没なんか読むと本気で心配になっちゃ 「雄大やなあ ( 笑 ) 」小松「象にセーラー服を着 ・ - ・一態までは至っていない。これが私の結論なのう」〉Ⅱ半村良『亜空間要塞』 ( 早川書房・ せて、正常位でやってみたいそうだ ( 笑 ) 。飛 ・・・だ。どうか『大予言』を読んで絶望された方 000 円 ) から。本誌に連載されたオフザケ びこして、いきなりナンセンスになってしま ◆・◆・◆ 長篇。仲良しファン四人組が異次元世界うわけだ」〉 " 小松左京編『シンポジウム・性 ・・・一は希望をとりもどしていただきたい。ノスト : 0 「◆い◆ラダムス自身でさえ、自分の息子に、西暦三 に巻きこまれる話だが、最後のドンデン返し文化を考える』 ( みき書房・ 1600 円 ) から。 日本セクション 担当 : 石川喬司

8. SFマガジン 1974年10月号

次結果が発表され、読者に比較して決して豊富とは 府高槻市八幡町 2 の三 【お譲りします】 いえない作家畑にも新もい芽の息吹きが見られる 可目 ー「十月はたそがれの国」谷真一 ) ようになったのは何より , も喜ばしいことである。 他創元推理文庫約三十冊、■コズモ 1 号、鈴木出版手 で係これからも新しい書き手の発掘に努めて、界 ( ャカワ、約十冊塚虫治全集、手塚作品の掲 れと はもとより、文学全体に刺激を与えて欲しいものを適価で。 ( 福岡県筑後載誌 ( 東京都世田谷区代 田 1 ののト / 野純二 ) である。 市北島弸木本俊文 ) マガジンインデッ 号を八万円 入選の三作品とも、単なるファンダム作品の延 書れ 長でないのはうれしい。・ほくには「奇妙な民間療で。できるだけ取りにきて 1 ~ 留号を定価で。 迎葉て くれる方。往復葉書にて連 美本希望。 ( 物咽静岡県榛 一歓・ま法」が一等おもしろかった。小説としてうまくま 絡。 ( 第千葉県船橋市前原 . 原郡本川根町沢間木村浩 とまっていると思うし、読者をひきつける味があ 稿書 東 3 ののひまわり荘美 ) 投封宛る。ただこれは「クロマキー・プルー」について 林博久 ) 7 ~ 盟号のうち、 もいえるがーーー多少アイデア偏重気味でストーリ ■号 ~ 川号、旧号 、 - 剏、号以外をなるべ ーの展開が迫力に欠けるのは惜しい。これからは 号、号 ~ 旧号を各冊 : く安価で、】多少の汚れ可。 少し前のことになりますが、一八六号のアイデアにあまりこだわらず、自由に創作を試み百五十円、号と号を各ミ熊本市草葉町 2 の引山 っムア 0 , ク特集ね、良か 0 たよ。でも、もう一歩るならいい作品を次々と生みだしてくれるのでは冊二百円で。 ( 送料込 ) 新っ田屋旅館内中島尚 ) 品同様。 ( 掲名古屋市緑区題「宇宙気流」「宇宙の 〉 ( といケか ) やって欲しかったなあ。せつかくやよいだろうか。 ( るんだから、もっと派手にさ、 ーンと百べージ「そして・ : : ・」は既成の作家のおおかたが避ける鳴海町会下昭森ふじえ ) わ声」「誰も知らない国で」 「ジュン」「キャプテン ー。ハー大平記』「空気 ( くらい使 0 て ( チト無理かなあ ? ) 。でも良かっ分野に挑戦した意欲を高く評価したい。前の二作 ケン」②「快傑ハリマオ」すの底」上、「地球を呑む」 た、十ント : : : アノ / があえて冒険をしなかったのに対し、恐れずに個 「空気の底』「電人アロ①⑧をなるべく安価で ( 島 ( ところで、一八八号でしたか「てれ。ほー 性を前面に押しだしたのは、拍手に値するのでは ー』「鬼』「時の狩人」く根県松江市奥谷町青山方 小谷喜好 ) 一とのとこで、 O ・・ムーアの特集をや 0 て欲しないか。とにかく、ジャンルそのものがまだ新し『—・」他を適価で。ま いっていうお手紙ありましたつけね。・ほくも賛いにおいて、冒険を避けるようなことはしてたは「まんが専科』『リポ国『リウの道」全巻「火 ( 成、大いに賛成です。・せひともやってくださいまもらいたくないものだ。 ンの騎士」③「双子の騎との島」各篇 - 「鉄腕アトム」 0 else せ、 by all means そして、入選作品以外にも惜しまれる作品には士』と交換も可 ( 福岡県全巻を適価で。 ( 鎌倉市 そんでもって、キース・ローマーの特集も、そ掲載の機会を与えて欲しいと願うのは、銓衡委員行橋市西谷躓井村数弥 ) す大船 6 の 4 の木下径 ■「ダンセイニ幻想小説子 ) ローダン・シリ して御存知ペリ ーズの特集なのみならず我々の願いでもある。 ■ 「ライオン・ブックス』 集」など、幻想、怪奇、 ど、こいつは絶対受けますよ。もしかして、編集 ( 小田原市城山 2 のの 6 佐藤富朗 ) 、推理約冊を定価の半①②④「アポロの歌」下を 部でも「 : : : 近いうちにやるか : : : 」なんてこと 適価で。 ( 京都府舞鶴市 分から四分の一で。リスト 南田辺の 5 市川昭 ) 昨日、早川書房へ行ってきた。神田の駅で降りあり。大阪府東淀川区 ~ に、すでにな 0 てるかも知らんけど。 要「鉄腕アトム』「発作的 ここまで書いて気がついたけど、てれぽーとに たのはい の果て」歴号を適価 ( 出すの初めてや 0 た。今後、いろいろ書かせていしてしま 0 た。一一十冊くら」欲しい本があ「たの【お譲りください】 ただきますのでよろしく。〈これ没にする手はなだが、在庫があ 0 たのはわずか一一冊だ「た。その 第「火の鳥」全巻、「地緑で。なるべく美本希望 ( 神奈川県川崎市南幸町 2 の いョ〉編集部の皆々様、ガン・ ( , テを銀河帰りに、渋谷の紀伊国屋によ 0 て、『亜空間要塞』の球の丘』を適価で。気 今井めぐみ ) ( 系一の誌にしよう ! が出ていたのに気がついた。面白いことは噂で知大阪市住吉区上住吉町四 。 ~ 号送料共五 ( 福島県郡山市桜木 2 の 2 の蜷村田正孝 ) っていたが、それまではマガジンを買う金が高田吉夫 ) 千円、「英雄群像」を 7 ■「火の鳥」鳳凰篇、適価で ( 福島県郡山市桜木 なく、買い始めたのは今年の一月号からなので、 室』を適価で。 ( 大阪 2 の 2 の村田正孝 ) かねてより待望久しいテストもや 0 と単行本が出るのを楽しみにしていた。千円はきっ