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検索対象: SFマガジン 1974年10月号
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1. SFマガジン 1974年10月号

ものには一一つの、あやしい影のよう それは、その光体の下の部分から 突然何かガラス管のような透明なもなものが見えていることを ! もっ とも、それらは、人影というには余 のがスルスルッとのび始めたと思う りにも小さく、また変形していた。 と ( その時には、何かミンミンゼ、、 がなくような、かすかな音のような その光景を見た時、彼は、その球 1 体がほぼ頭上に停止していることを ものが聞えた。しかし、その音は、 セミのなき声のように一本調子のも感じながら、頭を両手でかかえこん のではなく、その音がだんだん低くでハンドルにもたせかけ、声になら な 0 ていくのが感じられた、という ) ない声で、ウンウンとうな 0 ていた。一 その管の先が水面にふれたとたん、 それでも、必死になって球の様子 伊 急にその部分が発光し、海水をどん を見ようとしたところ、その球の外、 1 どん吸い上げていくように、見え始頭上よりもななめの所に、同じよう めた ! な光球がもう三つ四つ、浮んでいる ワシントン 6 あまりにも信じられない光景に、 のが、目には入 0 た。その上、それ〕 にもまして恐ろしかったことには、 おもわず顔をふせて、しばらくして 1 合衆国 ( ワシントン ) の大統領は、執務室の防風窓をあけて身を〔 また頭をあげてみると、その光はそその横の所に、ドラム罐を三つつな〕 ぎ合せたような形をしたものが一 の行動をすませて、中空の物体とな 乗り出し、彼の科学最高顧問にどなった。 っていた、という。 つ、ほとんど黒色に近い茶色の外観〕 リー、さっさとこないか ! こっちは待ちかねてるんだ ! 」 それから、そのは、彼の乗をして、ぬうっと浮んでいるのが、 っている車の上空約五〇米の所めざ目にうつった ! リーは顔を上げ、手を振 0 てから、か 0 て北側芝生であ 0 た湿一 そして、突然、そのドラム罐状の して、まっすぐに進んで来た ! そ 地帯のジャングルを、根気よくかきわけて近づいてきた。伸びほう冖 れを見た彼は、全く生きた心地がし物体の中に、いままで見えていた光】 だいの雑草と、雨と、ぬかるみの中で、歩みははかどらないが、大 球状のもの全部がすーっと吸いこま なかった。 しかし、その光の玉は、ピタリとれ、ドラム罐状のものが動き出した】 統領は同情を見せなかった。窓をばたんと閉めると、いった。 と思うと、あっという間に流れ星の 中空で停止した。その時の光の玉は 「あん畜生め、わざとおれをじらすようなまねをしやがる。いった ような速度で、北の空へ消え去って バレーポール位の大きさに見え、そ い、いつまで待たせるつもりだ ? こっちは首都を移転すべきかど いってしまったー 一の光は、遠くにある時とは逆に光の 強さが弱まりオレンジ色よりも白に 全く思いがけない不思議な体験談】 うか、すぐにも決めたいのに」 であるが、ナゾの球体が下方から透 一近い色を放 0 ていた。 副大統領が編物から顔を上げた。 冖彼はその二つの目では 0 きりと見明な管のようなものをのばし、水を。 その球体の中心部から、向吸い上げたという実例は、実は海外 「ねえ、ジンボ、どうしてそうガミガミどならなくちゃいけないのた、 ではこれまで一一、三あったので、そ よ、あなた ? さ「さと引越しちゃえば、それで片がつくでしようう側の見えない部分にかけて細かい 窓のようなものが沢山についておりれとひきくらべてみて、非常に興味 ある実例だということが出来る。 ハ中央部にある三つの窓の中の左側の ( 近代宇宙旅行協会提供 ) 6 「まったく、八方ふさがりだ」大統領は椅子にがつくりと腰をおろものには一つの、一つおいて右側の 世界みすてり・とびつく・・、 : = 3- = ー した。「おれは、就任十周年記念のパレードを、心から楽しみにし 暗号解読課最高責任者 合衆国海兵隊少佐 ダーワード・ r.n ・リクタ 直接手渡しに限る 署名ダーワード・・リクター

2. SFマガジン 1974年10月号

テストにおいて、彼の視力は抜群に優秀と判定された。旧友たち 明確な言語で記述されたのち、底とベキ指数に符号化される。メ ッセージの各文字は、それそれ素数の自然な順序として表わされ の証言は、彼がたえず視力の鋭敏化に興味をもっていたことを示 している。それに代る説明。彼が透視力あるいは予知などの超常 るーーっまり、第一の文字は底の 2 で表わされ、第二の文字は底の ・ : というぐあ現象に興味をもっていた、と考えられる根拠もある。したがっ イ上 71 1 上 、第三の文字は底の 5 、以下、 7 、 て、現在においてはありえないことと見なされてはいるが、彼は いである。メッセージの中のある位置を占める文字の正体は、そ の・ヘキ指数で明らかにされる。簡単にいえば、ベキ指数の 1 はそ時間の″前方を見る″ことを指すのに、この用語を使ったのかも の位置にあたる文字が < であることを意味し、ベキ指数の 2 は文しれない 字がであることを、 3 は O であることを、意味するわけであ る。つぎに、メッセージ全体は、すべての底とベキ指数の積とし エトセトラ、エトセトラ。 て表わされる。例。 2 ・ cab" なる単語は鬯 x3 一 x 望または 600 ( Ⅱ 8 ネブハウゼンは、散らかった書類をいとしげに、絶望的に見や X3X25 ) として表わすことができる。 : Abe こなる名は 56 。 250 まり、そしてひたいに手をあてた。あのいたずらっ子たち ! 彼らは : だが、おそろしくやんちやで : : : おまけに理解 たは 2 一 x x5 。 ( H2X9X3125 ) として表わされることになる。実にすばらしい "John = 。という文章の場合は、つぎのような数の贖としてしにくい。自分たちのほんとうの業績を隠しておくとは、なんとい 2 一 0x 3 一 5X58X7 一 4X 110X 13 一 2X 179X1922 表わすことができる じわるなやりくちだろう。水素核融合反応の秘密 ! それだけで X23 。 X29 】。 x3 て ( ここでベキ指数の 0 は語間のスペースを示も、この全計画を正当化して、まだおつりがくるぐらいだ。しか し、ベキ指数のは便宜的に。ヒリオドを示すものとする ) 。例にし、それはどこにある ? あのなんの何乗だかのたわごとの中に、 見られるとおり、ゲーデル数化した表現では、短いメッセージも がっちり錠をおろしてしまいこまれているのだ。ネフハウゼンも、 非常に大きな数となるが、こうした数は、いくつかの底とベキ指 その方法がエレガントであるのを認めるのにやぶさかではなかっ た。そういう明快で簡潔な考案を、真剣にとりあげるだけの理解カ 数の和という形で、きわめてコンパクトに伝送することが可能で ある。コンスティテューショソ号から伝送されたメッセージは、 も持ち合わせていた。いったんその数の合計が出れば、あとはそれ 省略のない中型辞書一冊分の内容にほ・ほ匹敵するもとと考えられを割れるところまで 2 で割っていけばよい。その回数から最初の文 字がわかる。つぎに、割りきれなかづた残りの数をつぎの素数の 3 ( ーストウは、小・中で割っていき、その回数で二番目の文字を知る。しかし、その実行 ″遠視。問題のジェイムズ・マディスン・ 学校時代に近視であったことが知られている。明らかに本の読みのむずかしさ ! まず全体の数を算出しないかぎり、最初の文字す すぎから起こったこの近視を、彼は″ペイツ式療法″ ( 別項参ら知ることはできないし、その数を打ち出せるようなコン。ヒュ 1 タ ・・ハンクの製作が難物だ。社では、開発期間を二十五年に延 照 ) に似た訓練法で治そうと努力した。アルファアレフ計画の

3. SFマガジン 1974年10月号

やれよ、といっておいた。 があるかを、みんなは身をもって知ったわけだ、ーー刺激を越える創 船のス。ヒードはかなり上がって、船首と船尾の星・ほしの青方変移造、というやつ。 アン・べックランドとジェリー・ レッキは、Ⅱ 害当てのリクリエー と赤方変移がいちだんと進み、もう肉眼ではほとんど見えないぐら ション・プログラムをはやばやとすませて ( はやばやもいいところ いにな . った。妙なことに、まだアルファ日アレフが観測できない。 だー「ー・旅の終わりまでかかるはずだったのに ! ) 、マイクロフィッ 主星を円盤で隠してみてもだめ。おそらく青方変移の関係で、船が シュを交換しあった。ふたりとも内果関係に興味をもっており、相 減速するまでは見えないのかもしれない。太陽はまだ見えるが、い まわれわれが見ている光は、地球でいう紫外線だと思う。相対論的手方のそれからなにかのヒントを得たい、という名目。いま、アン な波長の変化で、いうまでもなく通信にも余分な補償電力が要求さはカントやカルナップに熱中し、ジェリーは水耕農園にアキレア・ れる。ひっくるめたところそんな理由で、日曜日ごと、朝食と野球ミレフォリウムがないことに大変なおカンムリだ。その茎がなくち の試合のあいだをさいて、きちんきちんと手紙を出すなんてまねや研究ができん、という。やむをえず、彼はいまルー・フル貨を使っ こうけ は、とてもできそうになくなった。 て六爻の卦を立てている。実をいうと、ぼくたちもときどきそれを しかし、飛行はいたって順調だ。″個人関係。もしつくりいって借りるんだが、これは正しいやり方じゃない。管制センターよ、は る。その面では、予定表にないささやかな実験的研究をやってみた つきりいうが、ジムが怒るのも当なんだ・せ。セックスや整数論だ 。 : 結果はオーケイだった。なんの問題もない。大成功。詳細は省けじゃなしに、それ以外の・ほくたちの欲求にも、もっと気をくばっ てほしかったね。これじゃ、台所のゴミをあさって、食べ残しの骨 ぐが、とにかくそのおかげで・ほくたちはノリにノッてるよ。まあ、 じらすのはやめて、一つヒントを上げよう。、これはドット・レツ . キを使うこともできやしない。そもそも、台所のゴミってものがない から管制センターのみなさんへのことづけだ。縞の。ヒルを二錠とんだからな。むろん、おたくらにしたって万事ソッなくとはいかん 。とにかく、こっちは手持ちのもの だろうが、 = それにしてもね ″青い悪魔を一錠、よく砕いて、茶匙四分の一の黒胡椒と、約二 OO の循環再生システム添加液と混ぜ合わせます。これをオレンジでやりくりして、なんとか間に合わせてるよ。 ・シャーベットの上にかけていただくと、もう最高。はじめてみん待てよ、そのほかには ? ジム・・ ( ーストウの〈ゴールド・ ( ツ、 なでそれをやったあと、フローがあれは″お精水″であるようなこの予想〉の証明は、・もう送ったつけ ? あれは、彼がいったんマル とを言い、・ほくはプライベートな冗談かと思ったのだが、みんなはチプレックス・パリティ分析のアイデアを考え出してしまうと、実 ころげまわって笑った。ドットは何週間も前にこれを発明していたに簡単に解けたよ。だが、もう・ほくたちはああいう種類のことで時 間をつぶさないことにしてる。整数論は、おいしいところをぜんぶ らしい。どうしてドットの〈戦争と平和〉があれほどビッチが上が つまみ食いして、もう飽きてしまった。いま ( 各個人の興味の対象 ったのか、みんなでふしぎに思っていた矢さきに、彼女が秘密を公 開してくれた。そして、それが感情的にも知的にもどれだけの効果は別にして ). みんなでとりくんでいる共通のものがあゐとければ、 9

4. SFマガジン 1974年10月号

ックホールがあることを示す、重要な証拠といっ遠い将来、島宇宙間の探査飛行が行なわれるこ とになれば、このプラックホールは最大の障害と てよいだろう。 ここでプラックホールとは何かを、簡単に説明なるにちがいない。へたに近寄ると、ぐんぐん引 き込まれて、どんな強力なロケットでも、脱出は しておこう。恒星は核融合反応を続けているが、 燃料となる物質を消費し尽すと、みずからの重力不能ということになる。 引力レーダーを見ながら、宇宙の落とし穴を避 でつぶれ、直径一〇数キロ以下にまで縮まってし けて : : : 島宇宙間飛行は、生やさしいものではな まう。 だがこうなっても、強い引力は残っていて、周さそうだ。 囲のありとあらゆるものを引きずり込む。光でさ 管理社会化か合理化か えもこの引力から逃れることができず、この天体■ は外部から見えなくなってしまう。プラックホー ルというのは、そこから名づけられたもので、 未来社会というと、管理され、システムに組み、「。に・」 , 」 0 てみれば太陽よりず 0 と大きな星の、墓場とい込まれた、身動きのとれない人間を連想する。個一 えるだろう。 人の自由は奪われ、生きるすべもままならず : ・第を ここで賢明なの読者は、こうおっしやるに ちがいない。「見えないものの存在を、どうやっ まあ、そんなにペシミスティックになる必要も て発見したというのか。おかしいじゃないか」 ないだろうが、ちょっとそんな社会を思い浮ばせ ごもっとも。まさにその通りだが、ジャッコー るオペレーションが、米国はコネチカット ニ教授らは、うまい方法を考えた。宇宙には数多 ハートフォード市で始まった。 くの >< 線源がある。それを精密に調べれば、線事の起こりは昨年秋以来の石油不足。いまでは張り切った州政府は、マイカーの相乗りを希望 の届き方に変っているところが見つかる。そこにそれほどでもなくなったが、節約を図らねば先行する人には、コンビューターから最も適当なマイ は何か , ーーっまりプラックホールが , ーーあるはき不安との判断から、州政府はマイカーの管理作カーを選び出し、教えることにした。タクシーを 待つなんて、面倒なことをすることはない。電話 ず。 戦を開始した。 具体的にいうと、教授らは、ウフルという名の米国ではマイカーは、文字通り市民の足。持つひとつで、コン。ヒ = ーターはこんな情報を教えて くれるのである。 線天文衛星を利用した。ウフルは宇宙からのていないと仕事にさし支えるほどである。だが一 ハミルトンさんのマイカ 線を調査するために、一九七〇年一二月、イタリ人、一人が勝手に乗り回すのでは不経済。これを「もう五分で、ジョー ーが前を通りかかるから、それに乗って下さい アの宇宙観測陣が、米国の協力を得て、インド洋管理して、効率の良い利用をしようというのが、 目的地の前を通るので、そこで下ろしてもらえば 上から打ち上げたもの。その観測データを分析しこの作戦の趣旨である。 大型コンビ 州政府はまず、ユニ・ハック 110 6 て、・フラックホールをつきとめたのだ。 ハートフォード市に勤務して このマイカー相乗り作戦を進めていけば、市内 しかしプラックホールを発見するには、もっとユーターを使って、 いる人びとの出退勤時、住んでいる場所、勤め先に車を乗り入れる人が減り、駐車場難も解消す 手つとり早い方法もある。そんなに引力が強いと るだろうーーーと州政府はいっているが、そんなに なると、付近の天体をも引きつけているはず。つの場所をリスト化した。 まり伴星があることが、考えられるのである。 その結果、意外に多くの人が、同じパターンでマイカーが減ったら、この作戦もどうなることや コンパス座についても、オーストラリアの動いていることがわかった。一台の車には、五人ら。 天文学者たちは、薄暗い星がまわっているようから六人乗れる。相乗りができれば、ガソリン不マイカーの利点は、いつでも好きなところに、 だ、という報告を寄せている。確認はされていな足の緩和に役立つばかりか、交通ラッシ = による自分の個室ごと移動できることにあるが、「ンビ ューターはその自由も奪いかねないようだ : ロスも防げるのである。 いが、恐らくこれは伴星であろう。 1 コンピューターを使って , マイカーに 目を光らせるコネチカットのお役人 以 8

5. SFマガジン 1974年10月号

それから、わたしは平井和正のウルフガイ・シ次の道しるべはだれになるのだろうか。いや、も ( 東京都北区十条仲原 1 のの川福島英哉 ) う自分で歩かなければならないのだろうか。おー ーズにはじまり、『エみパイ』『果てしなき : ・ だれか教えてくれー ・ : 』で小松生「燃える傾斜』で眉村卓などと、 回想・ーー十六年ーーわたしが読書というものに ( 石川県小松市安宅町山多宏 ) はじめてはいった入口には『推理世界』と書かれ次々と日本人作家の後を追いかけていった。そし た板がさがっていた。乱歩少年探偵団にはじまて、わたしは、ここで『世界』の広さをつく づく思い知った。 ( 特に小松左京によって ) また、 り、お定まりのホームズ、ルバンを通過してルル 日本人作家のレベルの高さには感心をした。 クロフツなどの本格なものに進んでいった。 だが、次にクイーンに進もうと思っていたところ最近では、半村良の「石の血脈』を読んで感激し、 〈第ニ回日本 rn シー〉 へ徐々に進行していた『推理世界』に対してのあ筒井康隆によって、シ 4 ート・ショートを書きは じめ、広瀬正によってタイム・マシンによってお きが、ついにわたしを完全に支配した。 あなたも参加しませんか 2 それからというものはわたしは、夢遊病者のよこりうる矛盾に頭がおかしくなり、星新一、豊田 第一回より、更にな内容です。 うに『推理世界』と『純文学といわれる世界』の有恒らにも触れはじめた。 ー第一部ゴジラ年 こうなったら首まで『世 このあいだに、 あいだをいったりきたりしてさまよっていた。が、 あの「ゴジラ」第一作を新ミリで ! ある日、中学校の図書館で児童むけのベルメの界』にどっぷりとっかってやるそと決心し、二人 講演「ゴジラ詰」や覆者の対談もあり 「地底探険』を読んだのが、わたしにとって大きの友だちを『世界』にうまくひきずりこむこ な転換をするきっかけとなった。わたしはとに成功し、平井和正氏に手紙を書いてその返事 景・二部小松左京シ 4 ー 世界』への道を歩きはじめたのである。わたしはをもらいとびあがってかけずりまわり、の 小松左京氏のワンマンツーです 9 アッと ベルヌの作品全集をはじめとして、図書館にあっ存在を知り、人気力ウンターに応募してうまいこ 驚くプ戸グラムをお楽しみ下さい 9 がい た小説 ( 大部分は児童むけ ) を、毎月読みあとシリーズ最新刊があたらないかといのり続つばいの大クイズもあります。 さった。は、わたしを空想の世界にひきずりけ、二月号の「てれぽーと」でていた土屋公俊 こみ、わたしはとても満足だった。そして、わたさんと文通をしはじめた ( ああ、つかれた ) 。 しはというものは冒険小説なのだという結論ここまで書いてふりかえってみると、とても長 いような気もするが、わたしとしては、まだまだ にたっした。 次に、わたしの『世界』でのベルヌの後をこれからだ。『世界』というものは、まだま / ロウズであつだ広いのだと確信しているところが、このごろ ついで道しるべとなったのは、く た。特に、わたしはスロウズのシリーズのうち、恐しいことに、わたしは、に、あの『推理世 ベルシダー・シリーズを選んだ。そして、ここで界』のときと同じようにいきづまってきたのでは 目ハ月 3 日 ( 日曜日 ) 午翦時 ~ 午後 早川文庫という存在を知ったのである。とこないかと心配なってきた。 7 時 ろが、もうべルシダー・シリーズもあと二つだと今後、はどうなるのだろうとはやくも心配 日所東京世田谷区「砧 ( きぬた ) 区民会 いうときに、平井和正の『狼の紋章』をふっと読しはじめては、そんなことを心配してもどうにも んだのが運のつき、わたしは、一一代目の道しるべならん、なるようになるさ、と途中で心配をはぐ 参加御希望の方は一五〇〇円を現留あ となってわたしとともに歩んできた・ハロウズをほらかしてまぎれさせるのである。本も高くなった るいは為賛で ( 〒刪 ) 東京都武魃野市四久保 っぽりだして、平井和正をはじめとする日本人作し、タイムマシンでもっと安くが手にはいっ ー幻ー松崎健一宛へ 9 月日までにお 家にくらがえしてしまったのであった。 ( しかし、た時代にもどりたいとか、「てれほーと」に、も ( 0 ウズにつれだ 0 て歩いた世界はとても楽しかしかしてわたしの投かでないかとか、でてくた送り下さい 9 ( 切手代用不可 9 作所氏ー明 9 記のこと ) 折返し入場会をお送り致しま っこ 9 く ノロウズよ、ありがとう。最近また、あをもっとふやせと編集部に文句をいってやろう ウズ熱の兆しが見えてきたような感じもする ) かなどと考えている毎日である。今後、わたしのす。

6. SFマガジン 1974年10月号

・・・・・人もちろんではないし、ポーダーライン もと、過去何回も逆転し消減したことがあてた点で新鮮な楽しさがある。過去へ時間観 り、そのとき地上に・ーー従って生物にーー大光客を案内する時間ガイドになった中世史研 0 作品と解釈しても、それほどの出来とはとう ・・てい思えないにもかかわらず、やはりここで災厄をもたらしたことがある、という理論を究家の主人公が、歴史を遡 0 てビザンチン帝 ・・は最初にいま評判のリチャード・ ・ハックの踏まえて ( これは、作者自身本書の中でいつ国まで行き、さまざまの冒険と情事を重ねて - ・ - 「かもめのジョナサン』 "Jonathan Livings ・ ているが、先月の本欄で紹介した。ヘーター いくというストーリーだが、構成も展開もが カイザーの『凍る地球』の仮説とそっくり同 っちりしていて、読者を飽きさせない。 、・・ ton Seagull"'70 ( 五木寛之訳・新潮社・六 じである ) その磁場消減が一九八六年四月に 、〇〇円 ) に一言触れておかないわけにはいか わが国では長編が初めて紹介されるデーヴ ・ - ない。なにしろこの本には、はじめアメリカ突然起こり、その結果一次宇宙線シャワーが ィッド・グリンネルの『時間の果て』 : Edge ・・のヒッビーたちの間でほそ・ほそと回し読みさ地表を直撃して人類と生物の大半を殺す。同 of Time" ( 川村哲郎訳・五五〇円・久保書 - ・・れていたのが、突然爆発的にベストセラー化時に起った地殻の大変動は地球的規模の地震店 ) が、久々に復刊した O ・ブックス ・、・し、今では数百万部を売りつくしたばかりを引き起こし世界を一挙に破壊する。それをから出た。平和な田園に、とっぜん原始の大 ・・か、今度わが国に上陸するや、前評判をしの事前に察知していた主人公たちがオーストリ 密林と恐屯とが出現し、昨日までなかった未 - ・ぐすさまじいばかりの売れ行きを示している アの古城にたてこもり、一種のロビンソン・ 来都市が忽然としてあらわれまた消える。火 という神秘的ないわくがついている。 クルーソーとして生きながらえていく。寒冷山爆発が起ったと思うと幻影のように何事も ・・話はごく単純で、カモメとしての生き方ー 空気の侵入による異常気象、放射線による人ない現状に復帰するーー、といった怪事件がっ ぎつぎに起きるが、実はこれは、マイクロコ 間と動物の突然変異、公害のさまざまな後遺 ・・ーっまり食うために飛ぶという生き方を否定 ズム計画・ーー人に的につくった小宇宙を進化 ・・して、スピードの限界に挑戦し、そのため群症・ーー酸欠空気、農薬や化学物質による水質 させその未来を先取りして、よりよく未来を から異端視されながらも、孤独で徹底的な自汚染、飢餓と狂気に迫られた他 0 生残者たち コントロールしようという計画 , ー、ーがなせか との闘争など破減ものの条件を何もかもぶち ・・己鍛練の結果ついに時空を一瞬に越えるテレ 破綻して現実世界にさまざまの影響を与えは ・・ポーテーションの秘術を身につけるジョナサ込んだところがややジャーナリスティックに じめるーーー・というストーリ ー。な・せか、アセ ・・ンというウルトラ・カモメの物語である。問 過ぎる憾はあるが、データに偏らず、壮大な スメントなしに未来を先取りしようとした未 題は、な・せこんな、初歩的なまがい、下悲劇をたんたんと物語ろうとするところは十来学によく似ているような皮肉なものを感 ・・手くそな劇画まがいの粗雑な小品がこれほど分に読みごたえがあるーー・これを読めば最近ずる。 ト説のみならずノン のわが国の破減もの このほか創元推 ・の人気を博するかだ。恐らくこれと、最近の ・・・央画『 = クソシスト』やノストラダムス騒ぎ フィクションや映画も含む , ーーが、むやみと理文庫からは・ 実 非合人間の自然に対する力を誇大視しすぎた劇画 ・スミスの『惑 ・◆・◆・◆ : との間には重要で単純な関係がある 正 調をおびているのがはっきりわかる。 星連合の戦士』 ( 榎 理主義〈の無条件降服である。 ョ ー TJ ではロ・ハ ート・シルヴァ 島 林哲訳・二六〇 ・◆・◆・◆・・破減ものがなおつぎつぎと紹介される ーグの『時間線を遡って』 "Up the Line" 円 ) ハヤカワ文庫 , ◆・◆・◆ ! が、オーストリアの作家・シュタインホイ セ 》 69 ( 中村保男訳・三二〇円・創元推理文庫 ) , ◆・◆・◆ ! ザーの『地球壊減・一九八六年「ゼロ時」』 が出色。時間旅行ものも数多く書かれている ロウズの『ターザ ・◆・◆・◆・・ "Unternehmen Stunde Null 1986 こ ) 74 当 が、この作品は改めて正面から時間旅行のパ ンと黄金都市』 , ◆・◆・◆ ! ( 大久保和郎訳・朝日新聞社・一一〇〇円 ) 日一 ラドックスを扱い、これにポルノ風の愛とセ , ◆・◆・◆ ! はこの種のものとしては新機軸で、なかなか ( 矢野徹訳・三二〇 ックス遍歴を絡めた徹底した娯楽作品に仕立円 ) などが出た。 ト・・◆卩の説得力をそなえている。地球の磁場はもと

7. SFマガジン 1974年10月号

で、みなさんにすべてをお話することにします。ソ連の言っている「大統領閣下 ! この写真を公開してはいかがですか ? 」 ことば仮説です。それに対するわたしの反論は、よりよい仮説であ「この会議がすんでから、すぐに公開することにするー大統領は答 3 えた るだけでなく、客観的事実でもあります。わたしはアルファアレ フが存在することを知っている。な・せなら、わたしはそれを見たか 。やがて、委員長が再度発言した。 らです ! もう一度明りを消してください、少佐 ! そして、つぎ「大統領閣下、あなたがそれをくだんの惑星だとおっしやるなら、 のスライドをお願いします」 わたしもまちがいなくそうたと思います。しかし、国外ではまだそ スクリーンが明るくなり、白一色の眩しい背景に、細かいほこりれに疑問をいだくかもしれませんその黒点は、わたしの目にはど のように散らばった黒点が現われた。大きな黒点が一つ、画面のまれもまったくおなじに見えるからです。そこで、できれ・はネフハウ ん真中を占め、そのまわりを小さな黒点がとりまいている。ネフハ ゼンに、素人の好寄心を納得させてもらいたいんですがね。どう、し ウゼンは指示ライトをとり上げて、小さな矢印形の光を中央の黒点てそれがアルファアレフだとわかるんですか ? に向けた。 「第四のスライドをお願いしますーー、第三のスライドはそのままキ 「これはネガ写真です。つまり、実際には黒いところが白く、白い ャリジに残しておいてください」こんどもおなじような画面だが、 ところは黒くなっています。これらの黒点は天体です。わが・フリア徴妙な違いがあった。「みなさん、こんどの・写真では、問題の天体 これですーーーが別の位置にあることにご注目くたさい。つま レオス十二号衛星が、海王星へ向かう途中、十四カ月前に木星の軌 道付近から撮影したものです。中央の天体がアルフア・ケンタウり、 動いたのです。もちろん、みなさんは、恒星というものが認知 リ。この撮影には、恒星の光の大部分を濾し去るような特殊器具をできるほどの動きを示さないことを、よくご存じでしよう。これが ・フロミネンス 用いました。電子工学的な性質を持った装置で、太陽の紅炎を撮動いたのは、この写真が八カ月後、つまり海王星接近飛行をすませ 影するのに使われているコロナスコープと似たものです。この手段た・フレアリオス十二号の帰途に撮影されたものであり、その間に惑 によれば、惑星アルファアレフを実際に撮影できるのではない星アルファアレフがその公転軌道上を回転したからです。これは か、とわれわれは期待したわけです。ごらんのように、それは成功仮説ではなく、証拠なのです。申しそえますと、この写真原板を作 しました」指示ライトが、中央の恒星に一番近い小さな黒点へと、そ成するもとになったテー。フはゴールドストーン基地に保管されてお の矢印を向けた。「みなさん、これがアルファ日アレフです。それ りますので、誤解の生じる余地はないと思われます」 こんどのルーくルー・ハは、前よりも高い、興奮した調子だった は、われわれが電波望遠鏡のデータから予測したのと、寸分たがわ ぬ位置にありました」 ほくそえんだネフハウゼンは、止めの一撃を打ちこんだ。 ふたたびデー・フルからざわめきが起こった。暗闇の中で、それは 「では少佐、ここで第三のスライドにもどしてくれますか ? そう 前よりも大きく聞こえた。国務長官が鋭くさけんだ。 です , ーーそして、できれば第三と第四のスライドを、できるだけ速

8. SFマガジン 1974年10月号

六マイルの望遠鏡に匹敵する性能が得られました。では、つぎのス ル以上の惑星も、また主星から五億マイル以内の距離にある惑星も、 ともに存在しえない。 ライドを ここにタス通信の公電の写しを持ってきてあ カチッ。巨大な電波望遠鏡の写真は横へ流れて、それに似た る。むこうは、自分たちの望遠鏡の性能がわれわれのそれに劣るこ しかし、見るからに小さくみす・ほらしいーー・建造物の写真がとってとを認めた上で、なおかっ二十二名の専門学者が署名した声明書を 代った。 引用しているんだ。それを読んだかぎりでは、ソ連の望遠鏡がいま 「みなさん、これがソ連の望遠鏡です。直径は、われわれの望遠鏡 いったような惑星を見逃すことはおろか、わが方の宇宙飛行士が着 の約四分の一、素子の数においては、十分の一たらずしかありませ陸できるだけの大きさをもった天体を見逃すことも、まったく考え ん。報告によりますとーーこれは極秘情報ですが、わたしの聞いたられない。あなたはこの声明書のことをご存じか ? 」 ところでは、この会議で発表してさしつかえない、そうでしたね ? 「もちろんです。熟読しました」 報告によりますと、その性能はきわめて不完全であります。 「では、あなたが″アルファ日アレフ″と名づけた惑星はどこにも や、お粗末とさえいえるでしよう。 存在しない、と彼らが自信をもって断言していることも、知ってい るんだね ? 」 この二つの望遠鏡の情報収集能力を比較しますと、約百対一で、 冫し、知っています」 われわれに軍配が上がります。明りをつけてください」 「それだけじゃない。パ リ天文台とトリエステのユネスコ天体物理 ネフ ( ウゼンは、テー・フルを囲んだ一同へ順々にほほえみかけな 学センター、それにイギリス王立天文学会の公式声明、どれも、ソ がら、よどみなく説明をつづけた。 「つまり、こういうことです。もし、ソ連が『ノー』と言い、われ連の出した数字を承認し、支持している」 ネフハウゼンは快活にうなずいた。 われが『イエス』と言った場合は、『イエス』に賭けるべきです。 「おっしやるとおりです、ベルデン議員。彼らはまさしく承認しま わが電波望遠鏡は信頼できます。ソ連のそれは信頼できません」 一同はおちつかなげに椅子の上で体をずらした。ネフハウゼンがした。もし、観測結果がソ連の公表どおりであれば、当然その結論 は、月裏面のべレジネフグラードにあるソ連施設が出したものに一 彼らを説得したがっているのとおなじぐらい、彼らも彼を信じたが っているのだが、まだ自信がもてないのだ。 致する、とね。わたしは、その計算の正しさに疑いを持ってはいま せん。たた、申し上げておきたいのは、その観測が不適当な器具で 下院歳入委員会委員長のベルデン議員が、一同を代表していった。 「だれもあなたの機械の性能を疑ってはおらん。それに」と彼はつなされたものであり、そのために、ソ連の天文学者たちはまちがっ けくわえた。「われわれがいまなおその支払いによる打撃をこうむた結論に達したのだ、ということです。しかし、わたしは裏づけの っている以上、なおさらだ。しかし、ソ連はきわめて断定的な発表ない言葉でみなさんのお耳をけがしたくはありませんー議員がまた をした。それによれば、アルフア・ケンタウリには、直径一千マイもやロを開こうとするのを見て、彼は急いでつけたした。「そこ

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「ネフハウゼン博士、わしはあんたのチームと長い付合いだ。だか ネフハウゼンは中にはいっこ。 「おお、ディーターか、まあ掛けたまえ」の声もかからない。副大ら、あんたが述べた意見をとやかく言いたくないが、あの一件をそ 3 こまで断定していいのかね ? ソ連では、かなり説得力のある数字 統領が駆けよってきて、彼の腕をとり、親しげに背中をたたく、と いうジ , スチ = アもない。彼を迎えたのは、黙りこくった三十人のを出してきているようだが」 男女の顔で、その中にはよそよそしい表情のもあれば、あからさま「あれは誤りです、長官どの」 「ほう、なるほど。わしはあんたの言葉をそのまま受けとりたい な敵意を示しているのもあった。全閣僚と、半ダースほどの局長ク いや、不平家や造反分子 が、ほかの連中がそれで納得するかな ? ラス、それに大統領の補佐官たちが大きな楕円形のテー・フルをとり かこんでいるのだが、中でもひときわ険悪なのは、ほかならぬ大統じゃない、わしのいっとるのは、善良で穏健な一般大衆のことだ。 ネフ ( ウゼン博士、彼らに対してこれだと示してやれる証拠はある 領自身の顔だった。 ネフ ( ウゼンは一礼した。士官候補生流の悪ふざけへの先祖返りのかね ? 的な渇望にかられて、両踵をかあんと鳴らし、モノクルをいじりた「大統領閣下、しばらく時間をいただけますか ? 」 大統領がうなずくのを待って、ネフハウゼンはアタシェケースを くなったが、あいにく彼はモノクルをはめていなかったし、そんな 衝動にうち負かされる男でもなかった。そこで、自分にあてがわれあけ、中からスライドの薄っぺらな東をとりだした。彼からそれを たテー・フルの一隅におとなしく立ったまま、 , 大統領のうなずきを待手渡された海兵隊の少佐は、目顔で大統領の承認を求め、それから ネフパウゼンのいうとおりに動いた。室内の照明が消され、しばら って、ロを切った。 くビントを合わせるのに手間どったのち、最初のスライドがネフハ 「みなさん、おはようございます。きようわたしがここへ呼ばれた のは、アルファ日アレフ計画に対してソ連が広めている、例のばかウゼンの頭上に映写された。字形の金属柱の長い行列が、荒涼と した、粉末質の大地の上に、えんえんと遠くまで伸びている光景だ ばかしい嘘の一件だと存じますが」 っこ。 、と一同は呟きをかわしあった。大統領がかん高い 「月の裏側にある、われわれの電波望遠鏡です」ネフハウゼンは説 テノールでいった。 明した。「地球からは永久に見えません。月のこの部分は、つねに 「すると、きみはあれがたんなる嘘だと思うのか ? 地球に背を向けているからです。われわれがこの部分を望遠鏡の設 「嘘か、誤解かーーー大統領閣下、いずれにしろ、なんの違いがあり ます ? われわれは正しく、彼らはまちが 0 ている、それだけのこ置地点に選んだ理由も、そこにあります。いかなる種顔の電波障害 もないからです。この望遠鏡は、三千三百万個のダイボール素子か とです」 。国務長官が大統領の顔をうかがい、うなずら成り、数百万分の一の精度を誇っています。実際のサイズは、直 径十八マイルの近似円ですが、綿密な位置決定によって、直径二十 きを受けて発言した。

10. SFマガジン 1974年10月号

く。次回もスケジまールどおりに報告する予定。われわれに代っは、だれびとりなかった。ここも大小屋になり下がったなと考えな て、地球をよろしくーー何年か先にもう一度そこへ帰れる日をたのがら、彼は回転翼の吹きおろす突風に首をすくめた。パイロット しみにしているー が、危険な市街の上空を横切って帰るまえに、できるだけ高度をと っておこうと、ホワイトハウスの上を旋回しているのだ。 ワシントン 1 昔はこうじゃなかったがな、と彼は一・種のノスタルジアにふけり ながら思った。あの懐しい時代のことなら、その一瞬一瞬をまざま その週、ワシントンの都市ゲリラ戦争は小休止の様相を見せてい ポルチ当 た。〈リゴゾターが、ホワイト ( ウスの南芝生へじかに着陸できたざと思い出せる。そうだ、この前廊、ここに立づて、全世界から集 狙撃もなく、熱線追尾型ミサイルも、いや、石つぶてさえ飛んづたニ = ース記者とカメラマンを前に、アルファアレフ計画の、こ でこなかった。くたびれた顔つきのビケ隊が、芝生の周縁そい五十とを発表したものだった。どの新聞の第一面にも自分の写真が大統 ャ 1 ドの立入許可区域にたむろしているのを、ディ 1 ター・フ + ン領のそれと並び、テレビの = 1 スでも自分の顔が大写しになっ ・ネッハウゼン博士はうさん臭そうに眺めた彼らば好戦的ではなて、プメリカに与えられた手つかずの植民可能感星、四光年かなた の新しい地球のことをしゃべったものだった。ケーゾ・ゲネディの さそうだづた。おそらくゲイ・リプ、それとも、えたいの知れない 昨今のことだ、ことによると自然食品運動か単一税運動の一派かも打ち上げ当日も思い出す。全世界からの言五十方人の招待睿ーーー嫉 しれない。 とにかく、ピケ隊からは投石もまったくなく、ただ、ヘ妬と羨望にじりじりしている外国の高官と科学者、そして得意満面 リコプターの着陸と同時に、いたづて気勢の上がらないゾーというのアメリカの指導者。あの頃は、当番兵が敏礼を忘れるなんてこと はありえなかった。おれの講演料は天井知らずだづた。次期選挙の 野次が飛んだだけだった。ネフパウゼソは、衆愚の代表に向かって 皮肉な一礼を返すと、身軽に〈リコゾタ 1 からとびおりた。彼が機副大統領候補に、という声さえあった。まかりまちがえば実現して いたかもしれないーー・もし選挙があの直後だったら、そして、おれ リコプターはさっさと 体の下から離れるのを待っていたように、ヘ 上昇に移づた。ネプ ( ウゼソは、ホワイト ( ウスへとけ出したりが帰化米国人だという間題がなかったら。 いまでは、方事が雲泥の相違だ。階上への乗り物も、業務用星レ はしなかった。悠揚せまらず歩いていった。あのヘリゴゾタ 1 のス イロットはいざ知らず、彼はこのての単純な大衆などこわがってはべ 1 ターである。自分のためにとやかく言うつもりはないが いったいどうして、ゴタ いない。それに、大統領と会うことが、なんとなくおっくうでもあと、ネフハウゼソは心の中で弁解した る。 ヨタがあるという奪が広まったのだろう ? 新聞の記事だけでああ 彼を身体検査した大統領付き武官は、一一ゴリともしなかった。彼なづたのか ? それとも、秘密が洩れたのか ? を西テラスへ案内した当番兵は、敬礼すらしなかった。計算尺と書海兵隊の当番兵が閣議室の大きなドアを一度ノックすると、扉は期 類のはいづた重いアタシェ - ケ 1 スを運んでやろうと申し出るもの内側から開かれた。