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検索対象: SFマガジン 1974年5月号
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1. SFマガジン 1974年5月号

■しばらく前、決心をつけかねていたある相 談ごとのため、 20 年ぶりに帰郷しました。と いっても、私は疎開者 ( この言葉、今の若い 人たちには実感がないでしようね ) で、実家 があるわけでもないので、疎開先を訪ねたあ と旧友の所に厄介になったのですが、やはり ふるさとはいいものだなあ、としみしみ感し たことでした。 こにも押し寄せてはいましたが、国鉄の新幹 線から少しはすれた小都市の、そのまたはす れといった立地条件のおかげでか、憶えのあ る風物がここかしこに残っていて、その一つ ーっが私の心の扉を押し開いては懐かしい思 い出を引っぱり出してくれました。 ■とりわけ、どきんと胸を突かれるような衝 撃と共に発見したのは、間借り先の節くれだ った柱の陰に彫りこんだ古い傷跡でした。そ れはたしか小学五年のころ、海野十三の怖い 、、空想科学小説 ' ' を読んで夜も眠れなくなっ た私が、あれこれ空想して考えだした宇宙人 の絵の一つを、切り出しナイフで深ぶかと彫 りこんだイタズラ書きだったのです。 ーその古傷を見たとたん、そのころから現在 に至るまで S F と共にあった私の青春のさま ざまの傷跡が、懐かしく、切なく、やるせな くうすき出したのです。そしてそれと同時に なんの脈絡もなく、ためらいつづけていた私 の心は、はっきり決まったのでした。 ああ、おまへは何をして来たのだと・・ 吹き来る風が私にいふ・・・ 中原中也 ・私、このたび一身上の理由で現職をしりぞ くことになりました。 1965 年 5 月、前任者の 後を受けて SF 部門の長になってから 5 年近 くその間、私なりにさまざまの企画を推進し 出版した S F 図書は 2 5 0 点余、 S F マガジン は 62 号にもなります。企画途中でやり残した ものは新全集、 S F コミックス、 S F 画集、 個人アンソロジイなどたくさんありますが、 現職から離れても、企画面で今後も協力させ ていただくことになりましたので思い残すこ とはありません。後事を托す新編集長長島良 三君に、読者のみなさんのより一層のご支援 を賜わりますよう、心からお願い致します。 5 ド MA GAZINE SPECULA 02 & ドに 02 FANTASY VOL. ー 5 NO. 5 19 7 4 MAY ■ご多分にもれす、列島開発の波とやらがこ

2. SFマガジン 1974年5月号

気分 せそ オ底射そ し分 アメリカ S F 専門誌 1973 つれ再す 昨年度のアメリカ SF 雑誌の出版統計がこ で彼 味 0 ま のほどまとまり , ニュース・ファンジン「ロ ーカス」誌上に発表された。以下はその概要 陽カ : に上 ( 発行部数順に並べたもの ) 。 は押 を側 気こ い過 づと しを ①「アナログ SF 」月刊 , 178 ページ , ぶも い折 星窓 帯行 編集べン・ポヴァ , 12 回発行 , 1 回の平均 ぶた 部数は 11 万 6521 。 る咆 ・閉 ②「ギャラクシイ」月刊 , 750 176 べージ , Ⅱ蚫ロ 編集 E , ジャコプスン , 8 回発行 , 平均部 、が震と 始オ 数は 5 万 4524 。 ら動 ③「ワールド・オヴ・イフ」隔月刊 , 750 , 176 、さ せ手 ページ , 編集 E ・ジャコプスン , 6 回発行 , 暖福 平均発行部数は 4 万 5994 。 ま後 ④「ファンタジイ・アンド S F 」月刊 , 750 162 、ページ , 編集工ドワード・ L ・ファー マン , 12 回発行 , 平均部数は 4 万 3963 。 ん間 ⑤「アメージング SF 」隔月刊 , 130 べ ージ , 編集テッド・ホワイト , 6 回発行 , い閃 をを 平均部数は 2 万 6577 。 ス太 ⑥「ファンタスティック S F 」隔月刊 , 立が タ陽 ちし はた 130 ページ , 編集テッド・ホワイト , 5 回発 の加 行第平均部数は 2 万 584 。 この上位 6 冊のうち , 過去年 5 ~ 6 年おおむ ね着実に部数を増しているのは , 1 位のアナロ たか グだけで , 他は軒なみにダウン気味。一昨年あ 。ら たりから , ギャラクシイとイフが大幅な進出 の人正か をみせているものの , 依然として総部数の 50 し白人連 ッす % 近くをアナログが占めていることになる。 チが マ頭男郵 このほか , 部数は公開されていないが , 昨 が船 年登場した大型上質紙の「ヴァーテックス S 去す F 」がある。定価 $ 1.50 , 部数はおよそ 6 万と いわれ , これが本当なら「アナログ」につぐ勢 ん視 り恐 力ということになる。 、ろ 同じく詳細が発表されていないのは「スリ 報本 リング S F 」 ( 6 回発行 ) , 「 S F アドヴェンチ は度 つむ ・クラシックス」 ( 6 回 ) , 「ウィッチクラ フト・アンド・ソーサリー」 ( 1 回 ) など。め 布に ずらしいものとしては「ウェアードテール ズ」が 1955 年以来の沈黙を破って新編集者の に極 さげ もとに 3 冊を出し怪奇ファンを喜ばせた。 いつぼう新進の「ホーント・オヴ・ホラー」は 2 号までで中絶している。 場カ いまひとつ注目されるのは , ペーパー が話 ッ世 つな 来と ク・スタイルで定期的に出る ( 「マガブック」 身お などとよばれる ) 翻訳シリーズの「べリー・ロ にん ーダン」 ( ェース・ブック刊 ) で , 1969 年に 3 ま親 冊出たのを皮切りに逐次加速し昨年は遂に 。発 と友 16 冊を刊行 , 計 36 冊に達した。邦訳 ( 早川 S よ働 F 文庫 ) と同じく , 本国版 2 冊を 1 冊とした もので , 定価は 75 , 各 18 ページ。 (C ・ R) あナ けれ 9 ろ と ロ イ が 叫 た 俺 た ち は 脱 し た ん は 恍 惚 葉 : 巻 き の ー先 を 切 火 を レナ ナこ 界 S F 情 報 き い 太 レ ) の じ る ら ) ら ち う 見 マ ク カ ン 0 よ し く っ つ り と 不 気 嫌 な 顔 の ま ま 安 物 の 、そを は く ょ り に 瞬 光 。き ら め 思 う ヤねゆ ぇ う カ : き 先る出 の の では確 あ ら る 可 能 な 情 を あ ~ た 信 し て た 違 い な い と も びれ席 らわ太背全 再 び、 で輝け き し 。彼 ら は か な る 祝 福 さ れ た か を に 耳悳、 き と . る と 0 よ 当 な重私 丿 ( ま る な で す 度 で に 陽を船 つ ら れ な 幸 感 ひ ナこ た も の 熱数速 し ク カ ッ ヤ ン さ ん の . 屈 送わ折ミ人 カ ど の よ う に い リ ス 号 は 体 . る と せ ナこ ノ、 イ ロ ッ ト 。た吹 年・ス 輩 、髪 の ゼ ロ ン・ ス ス ス ス し て し る 深 し、 響 き の 哮 と も に ケ ツ ト は 火 を に で二宙 の し、 フ・ . た社 マ ク カ ツ ヤ 本 と 屈 カ 、場 ク ) 明 噴 于 合 。金 星 ー支 社 の フ フ ク ク カ ツ チ ヤ の フ イ し つ し、 ゴ と シ が 熱 っ をま く ぶ ケ ト ツ る レ 、を っ し む よ う に さ よ つ た 気 ま ら な っ 力、 だ て の の恐分 し 、屈ぎ ら 出 さ る . 尾 ロ ケ ツ ト ト さ 冷はた ま がた福 だ昇満 る かだ線・ た彼温 ら毛計 。を投 ら く ま た と て イ の は リ オ ス 号 ら と し 至 ち た を た あ

3. SFマガジン 1974年5月号

その考古学者の書斎が、今日から遠く隔たった時代に属するもの部屋の中央、ちょうど床と天井の中間あたりに、息をのむほど美 であることは、明らかだった。ここかしこに見られる親しみ深い類しい七彩の鱗をもった魚が一びきうかんでいる。それを支えている 似点が、かえって全体の異質さを際立たせているようだ。天井の窓ものはほとんど目に見えないため、さきほどの奇妙な絵画や、緑が からさしこむ日ざしは緑色を帯びて弱々しいが、周囲の壁や床に埋かった光線も考えに入れると、これはてつきり水底の場面を作り出 めこまれたある種の発光物質がそれを補っている。広い机の表面すのが目的だなと、だれでも思うにちがいない。 や、あちこちのものかげからも、柔らかい光が滲み出ているように探険家は、そろりそろりと芝居がかった動きで、その書斎にはい ってきた。そして、甲羅経た考古学者を驚かせてやろうという計算 見える。机の上に散らかっているのは、金属で裏打ちされた数枚の 物板と、数本の鉄筆、それに大きくて奇妙なかたちをしたメガネ。づくで、温かく彼を抱きしめた。やがて探険家はものかげに席をえ ぎっしり詰まった書棚にはとりたてて異様なところがないが、どのらび、考古学者に質問を発したが、それはわれわれの知っている言 本にも金属の表紙で装幀されており、その背に刻まれた文字は当代葉や語法とはあまりにもかけ離れたものであるため、異種の言語と 一の言語学者すら見たためしのないものだ。なかの一冊は読みかけいうよりは、むしろ異種の意思伝達手段と呼ぶほうが適切なぐらい のまま、ものかげに置かれて、柔軟な不銹金属の薄箔でできたペー だった。とにかく、その意味はつぎのようなものである。 ジと、そこに記された発光文字をはっきりと見せている。書棚のあ「さてと、あれはどんなぐあいなんだ ? 」 いだには、憐光絵具で描かれた何枚かの油絵が飾られているが、そかりにこの言葉に驚きを感じたとしても、考古学者はそれを表に の大半は陰欝な緑と褐色を基調にした海底の風景である。写実的と出さなかった。彼の表情に示されたものは、長らく故郷を留守にし も抽象的ともっかぬその画風は、どんな美術史家をも当惑させるよていた友人と再会できた喜びだけだった。 うなしろものだ。 「なにがどんなぐあいだって ? 」考古学者はききかえした「 大きな色クレョンを備えた黒板が、この書斎に、なかば教室、な「きみの発見さ ! 」 かば仕事場、といった。雰囲気を与えている。 「なんの発見だね ? 」考古学者はいたずらつにくとぼけてみせた。 2 ℃ 0 280 2 日 0 ー 80 920 9 引 890 999 ー 07

4. SFマガジン 1974年5月号

ートラインにジ = ット機で乗りこめば、結果は違ってくる。しか あります。たとえば、海岸そいにある一つの町からもう一つの町へ し、人間が充分な思考と努力を傾けないうちは、動物のほうがはる 行くとする。歩いてもいいし、馬に乗ってもいいし、自動車でも、 かに勝ち目が多いでしよう。飛ぶことにかけても、泳ぐことにかけ 飛行機でも、モーターポートでも行くことができます」 ても、戦うことにかけてもーー」 「当然だな」 ウォルターズは眉をよせた。「暗示を与えることにかけてもか ? 「百年前には、このリストがもっと短かかったでしよう」 ウォルターズは考え深げにうなずいた。「きみの言わんとすると体を揺らして相手を催眠にかけるという、蛇のように ? 」 「そうです。それと、ほかの仲間が追いはらわれた中で、あるスズ ころがわかってきたぞ。つづけてくれ」 「この鎧戸を完全と見たものは、だれによらず、そのとき異常な精メバチだけがトタテグモを刺すように」 神状態にあったわけです。どうしてそうなったか ? われわれはま「フム。かもしれん。だが、わたしはサプリミナル広告説をとる ず麻薬を想定しました。しかし、ある町から別の町へ行く新しい手ね , ウォルターズは模型に目をやった。「装置があるとすれば、ど こだと思う ? 」 段がいくつもあるように、ある精神状態から別のそれへ移る新しい 手段も、いろいろあるかもしれません。たとえばサ。フリミナル広「やはり塔でしよう」 ウォルターズはうなずいた。「警備するにも、客を遠ざけるにも 告。『のど』『カラカラ』『ビート』といった文字を、目に見えな 楽だからな」 いほどの速さでスクリーンに流す、あれです」 「鎧戸もそれで説明がつくかもしれません。修理屋をあそこまで上 「あれは法律で禁じられているー 「かりにそれを探知されずにやってのける方法をだれかが発見しげる危険を冒したくはないのでは ? 」 て、小規模に試してみようと考えたとしたら ? 視覚的な情報の代ウォルターズは葉巻の灰をはたき落とした。「しかし、どうやっ りに、ほとんど気づかれないような聴覚的情報を使っているとしたて忍びこむ ? 」 ら ? 「かりに ふたりは模型をじっと眺めた。ウォルターズがいった ウォルターズは目をそばめた。「よし、あの家から出るあらゆる″家屋検査官″をあそこへやったとする。やつらはその男を気絶さ 音を分析してみよう。そのほかにも、感覚的刺激の疑いのあるものせた上で、何組かの幻想を心に植えつけ、なにも探らせずに送り出 は、徹底にチ = ックする。ところで、もう一つの考えというのはしてよこすだろう。もし大勢で手入れすれば、やつらはその機械の 助けをかりて姿を消してしまうだろう。しかし、なにか方法はある 「また旅行のたとえに戻りますが、一つの場所から別の場所へ行くはずだ」 ジムはポツリといった。「このへんの木の枝は、部屋の上に張り 3 のに、人間よりも早く走ったり、飛んだり、泳いだりできる動物 は、いくらもいます。人間がある期間その問題に取り組んで、スタ出しています」

5. SFマガジン 1974年5月号

SFM インデックス 刊行のお知らせ ! 序文初代 S FM 編集長 元 S FM 編集長 編集 SF 作家 福島正実 森優 石原藤夫 圏わが国唯一の SF 雑誌 , 『 SF マガジン』 の画期的なインデックスが , 久々に刊行さ れることになりました。 ■内容は全 14 章に分かれ , 小説 , コラム , 科 学解説 , SF 評論 , 海外 SF 紹介 , SF 映 画解説 , その他あらゆる種類の記事を , さ まざまな角度から整理・分類・集積してあ ります。 新 TS F マガジン』編集部の全面的なご協力 により , 原典 , 原著者 , 翻訳者 , ペンネー ムなどに関する , 本誌だけではわからない 資料を豊富に盛りこんであります。 ■前回のインデックスでは不充分だった , ソ 連 , イタリア , ドイツなど米英以外の各国 の作品に関する調査も詳しく行なっていま す。 ■さらに , 各種の統計をはじめとする多数の 図表を作成しました。 SF 読書の楽しみを増すために , また SF 研究の資料として , 座右においてご活用く ださい ◇ B 5 判 / 約 300 ページ / 上質紙使用 ◇頒価 17 円 , 送料 300 円 ( 含包装材料費 ) ◇申込方法 / 振替か現金書留でお早めにお中 込みください。 ◇申込先 / S F 資料研究会 〒 150 東京都渋谷区神宮前 3 ー 6 ー 1 石原藤夫方郵便振替 95942 前回 , S FM 編集部や S F 研究家のご協力 のもとに刊行しました“ S F マガジン・イン デックス ( 創刊号ー 18 号 ) ”は , おかげさま で圧倒的な好評をもってむかえられ , 書評に とりあげられ , 多くの有名出版社や図書館か らもご注文をいただきました。現在は絶版と なっており , ファンの皆様にはご迷惑をおか けしておりますが , もしご希望が多数あれば 復刻を試みたいと考えております。ご希望の 方は , ご一報ください。頒価は同程度におさ めるつもりです。 現動宇 すを宙宇こ る、に宙れ にし乗気ら はばり流は 短し出そ 歌ばし 36 の の体て年後 よ験ゆ 5 の うすく、作 なるさ 10 品 短のい月で いでに号す 詩は、所 のな単載 形い純 F こかた人 そ、が類サ ビそ強は一 誌 ノレ 、ク つ・し、し、 あもなら がてれも F とかて S 、かせ 本てにま 日し目読 はいおく にろかし 人そし楽 本いでも 日せ本て 、に行と りり単 ばぶ、号 * つしん月 や久だ 2 。がふの し作た S ま本し リ表感 タをな ッれ烈 てひ日ま 我西もかし原見 に空のか にる 死鋭異 ねく境 と光大に やるシ ? ノレ ) 項 母テ のイカ、 星スた のく な 地藻 球の は原 始生 背林命 き ! 保 しつ ぎ 力、 る の こ砂 来び そ にさ 星か 火あ ね はか 等 我化 、酸 て鉄 き 生り でみの参多 しは考少 たじ最には ケ読社か 力を々何 ツれ元の キそ、め く ゆれ時の てさる作 つ出い創 なりて に売っぬ アが思ら ニとな マ集三ば F 全三ね S 説はえ が小の加 の学もも た科る作 。め新な創 方の文が受がてはそ後で 東だ章ら験三んこし自のもは 宮糀ー書ー君れしにちんい 静世とく一成のて精、一勤どか 雄田 の 5 の 3 蔵 大 区 谷 寿 村 中 305 の 30 。よ言功ごやカ三時務んと なはなて。度出で、の とう心つん一ん。今がそ こと婆ばせうさた いん老んまもくしで。で しほにがれもたま由す形 か、後、し私がい理でる ずは最たも、たまののす むのだまからかし等たり とるた。るないてりし取 っ作。すなる若ったと先 ずをいまにれななつうを と句さみ気さうになよれ っ俳だ望る動よ形にけそ ずやくをみ活のの忙続 も歌て闘てに君止多りえ り短し奮っ的浦停が作考 大 阪 市 西 成 区 北 男 ロ 7 の 5 の 2 茶 下 どツ J 本い書ノやでりせにい もて 、ルカ篇とい日行の本いまろら 方しくもェ二長塞いさ、単な行てりしあ お出なでヴ、し要ただンで変単つわもと のしあ庫ノーろ間みくサろもら変おあ 家どや文 F 、下空読て川こ。でもは、な 作しじ A S にき亜をし早とす。て話もる ッいろ川く度をるのノは くさお早な一かかて本 F お ンだき度でにんとつ日 S の ガく書ーズ月なだ思。本本でたすいた テ 下 さ い ね 。し S て出、限と S ヴな の F もし早界ぼ F 工し 未シいて川のくフル 発リいく S ヤはアズ 表ーんだ F ヌ思ンの 長ズでさシスいは数 篇ですいリま な出よ。ーだす日も んし。別ズと。本っ かた早にみか をヤ川日た のと モふ 出がのめ る街、がて との文い思 聞博、ろい い物イいま て誌ラろし スあた 読がトり ん終とま でつ毎す外 て回が国 大が楽の 喜つしも びくまの ー 5 2

6. SFマガジン 1974年5月号

いる間に、二人で、俺たちが帰ってから貴様に復讐することを誓い 不審に思った帳簿係が思わず無遠慮に扉口からのそきこんで、その 合った。その誓いをこれから果たそうってわけなんだ」彼はジミー まま凍りついたように立ちすくんだ「他の者たちも扉ロ周辺に黒山 7 のほうに向きなおった。「さあ、どうした。始めろよ。もうだいぶのように寄り集まり、畏敬の念に打たれた風情で、ひそひそとささ やきあった。マクカッチャンが笑ったそ ! 時間を無駄にしちまったじゃないか」 「やめろ、君たち」とマクカッチャンがようやく口を開いた。「は徐々に、この年老いた総支配人の笑いの発作は鎮静した。呼吸困 つきりさせておきたいことがある。君たちが言ったことは、まず第難の発作とともに笑いやむと、彼はやっと、その紫色になった顔を 一に、屈折カ場があまり効果的に働いたので、すべての放射をはねエースパイロットたちのほうにむけた。彼らの憤怒はとうの昔に驚 かえしてしまい、船内にあった熱はすっかり吸い取られてしまった愕に道をゆずっていた。 ということだな ? 」ジミーは短いぶつきら・ほうな言葉で肯定する。 「なあ君たち」とマクカッチャン。「こんな傑作な話ってわしは 「そして君たちは、そのために一週間こごえて暮した ? 」とマクカ初めて聞いたよ。たぶん君たちの給料は倍額になるだろう。二人と ッチャンが続けた。 もな」彼はまた笑い人形のように周期的な笑いに襲われ、さらに、 再びぶつきらぼうな肯定。 景気のよいしやっくりの発作がそれに加わった。 すると非常に奇妙な、異例な出来事が起ったのである。「渋くれ 二人のパイロットは、この豪気な提案にもいっこう感服しなかっ 爺さん」で通っている、「笑筋」を欠如しているのではないかとすた。「いったい何がそんなに死ぬほどおかしいんです」とジミーが ねる。「私には笑うべき理由など何もないと思えるがねえ」 ら導される男、マクカッチャンが、なんとほほえんだではないか。 いや実際歯をむき出してにたにたとしたのだ。しかもそれだけでは マクカッチャンの声は蜂蜜にど」っぷりとっかったように満足げだ なかった。このにたにた笑いは次第々々に拡がり始め、ついに長期った。「なあ君たちょ、わしがここへたつ前に、わしは君たちめし 間使用されずに錆びついていたようなくすくす笑いの声がもれ出めいに、重要通達事項が記載された数枚の謄写版刷りの紙を渡した し、それが次第したいに大声になってきて、とうとう一人前の大笑はずだ。あれはどうなったのかね ? 」 いにまで成長し、さらに、咆哮のような爆笑となってほとばしるに 突然、当惑の雰囲気があたりをつつんだ。 至った。このとほうもない大声の哄笑によって、マクカッチャンは「どうなったのかなあ。俺のはどこかにしまいなくしちまった」 ほとんど一生涯近くも続いていた暗鬱な渋面に一段落をつけたのでと、ロイがごくりと唾を呑みこむ。 ある。 「全然見もしなかったつけ。忘れていた」とジミーは全く周章狼狽 四壁は震動し、窓ガラスはガタガタと鳴り、ホーマーの詩の中ののてい 神々のとめどなき笑いにも似たこの笑いは、なおも続いた。ロイと「そら見給え」とマクカッチャンは勝ち誇って叫ぶ。「すべて君た ジミーはあんぐりと口を開け、全く面喰らったまま立ちつくした。 ち自身の馬鹿さ加減のせいなんだ」

7. SFマガジン 1974年5月号

ャンは俺たちに汚らわしいことをやりやがった。人間の心の底にひ人とも小山のように毛布を重ねた下にうずまって、こごえた手や足 そむとてつもないいやらしさを俺たちに見せやがった。だが、借りをこすり合せ摩擦していた。一分また一分とたって行くにつれて、 6 は返してやろうぜ。六千一二百と何分かのちに、これを乗り切った ほとんどマクカッチャンだけのことに集中した彼らの会話は、いよ ら、俺たちはマクカッチャン氏への借金の返済に専念しなきゃなら いよ痛烈さの度合いを加えてきた。 ん」 「のべっ会社のあのくそいまいましいスローガンを引用しやがって 「どうしようってんだ ? 」ロイの眼は血に餓えた者の期待に満ちてからに、『われわれの宇宙航ーー』」ジミーは絶望的な激怒で息を つまらせた。 「たった今思いついたところでは、いきなり掴みかかって、細かく「全くだ。それでいていつも椅子の毛ばばかりむしってやがって、 宇宙空間に出て来て、男らしい働きをするなんてことはまずしやが ひきちぎり、小間 切れにしてしまうなそどうだろう」 らねえ。あの腐れなになにめ」とロイ。 「残忍さが不足だな。油で釜茹でにするのはどうだ ? 」 「うむ、それも悪くないな。しかし時間がかかり過ぎる。古き良き「うむ、あと二時間で俺たちは屈折帯から脱出する。それから三週 はや 時代に流行った打擲法をほどこしてやろうじゃないかーー・・黄銅の拳間後には金星到着だ」とくしやみをしながらジミ 骨でな」 「待ち遠しいったらありゃあしねえ」ここ二日間、鼻をずるずる鳴 が応ずる。俺はもう宇宙航行は絶対にしない ロイは両手をこすり合せた。「真に奴にふさわしい方法を考え出らせていたスニード す時間はたつぶりある。あの汚らわしい、神にも見放された、腰ぬぞ。たぶん地球に帰るためのそれを別にすればな。これからは中米 けの、癩病やみのーーー」それから先は、印刷するわけこよ、 冫をし力なしで・ハナナを栽培して暮しをたてるつもりだ。あすこでなら少くとも 言葉となって流暢に口からとび出した。 結構あったかに暮せるだろうよ」 つづく四日間、水銀柱は下降を続けた。最後の日という十四日目「マクカッチャンに借りをかえした後では、金星を離れるわけには に至って、水銀も凍結した。固体となった赤色の柱は、その凝結し いかなくなるだろうよ」 た指で零下四〇度を示していた。 「なるほど、それももっともだ。だが、かまわんさ。金星は中米よ りもっと暖かい。それだけでもう何も言うことないさ」 この恐るべき最終日には、彼らは極めて残り少なくなったストッ ーナーをともした。震えわななき、凍死寸前 クの石油を使って、 「法律上の心配だって全然ないんだぜ」とまたくしやみをしながら の状態で、彼らは火にびたりと寄りそってうずくまり、最後の熱のジ、、 「金星では第一級謀殺に対する刑は、終身禁錮が限度だ。 すべてのしたたりを身にまとおうとした。 残りの生涯を暖かい乾燥した小部屋でずうっと暮せるんだ。これ以 ジミーは数日前、どこかの片隅から一組の耳おおいを見つけ出し上の幸福があるかね ? 」 クロノメーターの第二の指針は落ちついたペースで進んでいた。 た。そして今やそれを二人で一時間交替につけているのだった。一一

8. SFマガジン 1974年5月号

守旧国産物ーーあとも鳥 , かたくる椎の木 いつものお箱・・ うヒドイありさまだ。びつくりしながらも一ヶ月余りも入れた。この目玉で眺めると地底界の様子が、ガラリ変 大掃除して、半年目にやっと造作も整った。経机に向かわって見える。つまり、地底界住人の眼で見れば、たと い如鐘を叩いて読経を挙げると、壁の中から変な声で呼え竹石土木といえども皆生物として見えるのだ。これを 眼鏡にこしらえて役に立てようと懐に入れ、やって来た ぶ者がある。 問答の末、壁の中から声の主を助けだしてみると、このが糠山窟という黄土の山岳地帯。ここには蒴果泥とい どりゅうせい あしやりん そあ ばん れが礬化を受けた浄虫で蘇蛙と称する蛙 ( 後の蛙舎麟 ) 。う金属の中から生まれた土龍聖というモグラがおり、 孫悟空は山の下に閉じこめられて五百年たってから助けばっている。金属が生を受けてモグラに孵った奴だか られたが、こっちは仏の命令で三百四十年間、壁の中へら、神通カ格式あたりに及ぶ者なしというわけで、 , かっ て傍若無人のふるまいをしたために如来の怒りにふれ、 塗りこめられていたのだ。 さて、この蛙の伝言で寺の裏山にある東親洞という洞三十七尊の三事戒罰を喰って へ出かけた一年法師、竜身をもって現われた観世音大菩禁足の最中。 さて、土龍聖のほうもかね 薩に、地竺へ参り大願地経という貴い経文を受け取るよ うに命令を受け、仏信によって擬人の徳に浴し、人体にて大日如来から地竺へ行く仏 僧の来ることを聞いており、 変わった蛙舎麟を連れて、地底世界へ旅立っことになる。 その供をして修業すれば罪を 地親洞なる洞穴から地領の原野 ( ? ) 彩荘へ入り、 きょ 四、五十里行くと渠林という国があり、地底界の入口と許すといわれていたのだが、 して大羅門がある。ここより土壊三百八州の国を通るた見ると弱々しい若僧が変てこ めには、螻眼というオケラの眼玉をはめこまれて行かねな蛙の弟子を連れてやって来「 ばならない。 これを拒む者は漉官という下水管理の司令るからムラムラと例の高慢心 官が、溝水の堰を切って外へ押しだしてしまい、決してが起こって、とうとう蛙舎麟 羅門を通さないシステムになっている。それも一年法師と大ゲンカになってしまった。 と蛙舎麟は螻眼のすげ替を拒絶して、あくまでも羅門を、土龍聖は変化の術を知って 押し通ろうとしたから、とうとう大乱闘が始まった。蛙いるうえ、雲に乗って飛ぶこ 舎麟は仏から授った武器を一つ持っている。純銀製の如とができる。孫悟空が乗った のは一刻に十万八千里走る觝 想繩という繩で、ふだんはロの中にしまってあるが、い ざとなると取りだして三べん振ると思うままの業を行な斗雲だが、こちらは軻石雲、 ーマシンだ。 うことができるというスー 日嗣雲と呼ぶ土雲 ( ガ ? ) % 出 を使い分けて飛ぶ。スピード たちまち、相手をやつつけ羅門 ( 実は石炭でできてい る ) を崩して通過するが、この時敵方の目玉を一つ手には一刻六万三千里、そのほか ろう さつか ノ / に 7

9. SFマガジン 1974年5月号

表面温度は、年齢と一定の関係がある。球状星団 に属する天体は、同じ時期に、同じところからっ くられたとみてよいから、組織や温度などを調べ れば、宇宙誕生後間もなく作られた球状星団の年 齢もわかる。 こうしてイプンやルードたちは、宇宙の年齢を 一六〇億年ないし一〇〇億年とはじき出した。 しかしこのような計算には、あまりにも前提と なることが多い。そこでシュラムは宇宙にある物 質の原子核崩壊の程度から、宇宙の年齢を割り出 すことにした。 宇宙が誕生した時、元素はどのような割り合い で作られたか、いまはどのような割り合いになっ ているかをつきとめ、それを比べて年齢を計算し たのだ。 その結果、宇宙の年齢はこれまでの推定よりや や若く、七〇億年から一五〇億年の間であること がわかった。もっとも可能性の高いのは、一〇〇 億年という数字だった。 らガスを噴射し、衛星の向きを変えようという この三通りの判断を重ねてみると、一〇〇億年げは、画期的なものだった。 から一五〇億年以前に、いまの宇宙は誕生したこ というのも、これまで打ち上げに使われたロケもの。三周ごとに一〇度の割りで衛星は向きを変 え、この実験も成功を収めた。 とになる。 ットは、いずれも誘導装置のないもので、コスト 今度の実験は五〇年春に打ち上げを予定してい われわれの地球は四五億年ほど前に誕生したもこそ安いが、信頼性が低いという欠点があった。 のだから、宇宙では中年といえるかも知れない。 ところが今度のミ = ー 3C1 号ロケットは、団る第 3 号科学衛星の準備として行なわれたもので もっともいまの宇宙が出来る以前はどうなってい体燃料ロケットでありながら、誘導装置がついた東大宇宙研では「誘導打ち上げ方式の実験成功に たか、この疑問にはいまのところ、何とも答えよもの。二段目に推カ方向制御装置がついていて、三より、衛星を正確な軌道に乗せるメドがついた。 うがないようだ。 段目以降を予定軌道に乗せる方式が用いられた。今後はこの方式を、さらに技術的に優れたものに 打ち上げは鹿児島県内之浦の発射基地で、二月して行きたい」といっている。 お見事ーたんせい 2 号 十六日に行なわれた。発射四分二四秒後、誘導に地味だが、純科学的な日本の科学衛星には、各 よって予定軌道に乗っていることを確認した地上国の学者も大きな期待を寄せているという。今後 ともがんばってほしいものだ。 東大宇宙航空研究所が打ち上げた試験衛星「た観測陣は、電波指令で三段目に点火した。 んせい 2 号」は、順調に周囲を続けている。試験「たんせい 2 号」はこうして衛星になった。その 衛星なので、地上への送信電波はとだえたま、軌軌道は、近地点二七三キロ、遠地点三一八〇キキャッチした金星の雲 道にほ・ほ正確に乗っているため、地球の周囲をロ、周期一一時間一分で、予定道に極めて近かっ 金星と水星の探査に出かけた米国のマリナー 二、三〇年にわたって、回り続けるそうだ。 2 人工衛星の打ち上げは、もちろん今度が初めてその後、二月十八日に、東大宇宙研は、衛星の号が、金星最接近四日後の二月九日に撮影した金 ではなく五度目。だが「たんせい 2 号」の打ち上方向転換を開始した。これは電波指令で / ズルか星の全景を、地球に届けてきた。 こ 0 「たんせい」を軌道に乗せた ミューロケットの発射

10. SFマガジン 1974年5月号

しまうたや 住いは、ごく普通の仕舞屋風の家セある。ただ軒先に正十字がう ちつけられてあった。 カニ爪のような手をした宇宙人 「はて、切支丹か ? 」 と源内は頭をかしげた。天草という土地柄だけに、これはいたし 昨年一〇月一六日の朝日新聞朝刊 ラド調査委員会の委員の一人 カー学 / し の「海外あちこち」欄に、次のようで、以来熱心に >ßO 研究に従事し な電があったことをおぼえてお ているカリフォルニア大学のジェー 勿論、誤解である。十字は朝鮮では今もときどきみかける魔除け られる方も多いだろう。 ムズ ・ハーダー博士で、この二人が の呪法である。仏教の卍 ( まんじ ) も一種の十字信仰たが、両者に冖 「舞い降りた宇宙人、夜釣りの一一人実際に目撃者二人を催眠術にかけて 関連があるかどうか。 を連行ーー 川で夜釣りをしていた前述のような意見を発表していると ら、突然空飛ふ円盤が舞い下り、カ いうのだから、これはまずまず信用ハ 余談となるが、東北地方の地蔵像や観音像などに、同じく十字が てんこく ニのような手をした″宇宙人″三人して間違いないものと考えられる。 篆刻されていることがある。が、これを以て直ちに隠れ切支丹信仰 に連れこまれた : : : 米ミズーリ州パ この出来事が起。たのは、昨年一一 スカグーラの警察に、このほど真っ 0 月一一日の午後七時ごろのこと とみるは、誤まりだという。 青な顔をした釣り人二人が息もたえ で、米国ミズーリ州バスカグーラの 第一、像の背中や光背など人目につき易い場所に、十字を彫るこ だえに飛びこんで来た。あまりの驚造船所の労働者チャールズ・ヒクソ きように、大学教授一一人が彼らを催ン ( ) とカルビン・パーカー ( ) と自体おかしい。一説では、習合神道に関係あるというが、詳しく 眠状態にして調べてみたが、それでとが、バスカグーラ河の古い防波堤 は別話に譲る。 も二人の言うことは変らず、教授らの所で魚釣りをしていたところ、プ さて。 も「催眠状態では、とてもこんな迫ンプンというような低い音が聞えて沖 真な演技の出来ない。彼らがとても来た。ふりあおいでみたところ、明亜 美蛾は源内を奥へ招じ入れ、 恐ろしい体験をしたのは事実だろ るく明滅する青色がかった光が目に 「よくそ、お越しくださいました。で、御用向きのお話とは ? 」 う』二人の身体から放射能は検出出 とまり、それが突然停止したと思う ⅶ来なかったが、同地ではこの事件が と、もうその「何か」は、地面から と、幼少の時より日本に渡ったのか、物慣れた土地の言葉でいっ あってから近くで円盤を見たという 、三フィートの所まで来ていた。 届けが相次いでいるという」 見ていると、その一端開いて、 た。むろん一一多少のなまりはある。が、かえ「て声に色気をにじま せていた。 その後このニースの詳報が原地そこから三人の「もの」が現れて来 から来ているので、それを御紹介すたのだが、それらは水の上一一、三メ 「行方不明となられたお父上のことだが、ちとお聞きしたいことが ることにしよう。 ートルの所を歩いて来るようだった 前記の記事の中で、二人の大学教という ! あって参った」 授が彼らを催眠状態にして調べてみ ヒクソン氏によると、それらはあ といいながら源内は、どこやら物寂けな女をばみつめた。衣裳 たら : : : と書いてあるのが誰のこと っという間に襲いかかり、二人がか は、あちらの風俗。裳の形などが、源内に、わが国上古のそれをお かと思っていたら、これが空飛ぶ円りで両手をおさえて、たちまち地面 盤ファンにはおなじみ深い元米空軍から持ち上げてしまったという。 もい浮かばせた。 円盤研究部の顧問天文学者アラン・ その時のショックが余り大きかっ それから、長いこと話した。きけばきくほど、驚くことばかりで ハイネック博士と、これまた元コロ たので、彼はその後の出来事を正確 くるす 2 掲