宇宙飛行士 - みる会図書館


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1. SFマガジン 1974年6月号

つきとめようというのか。まず利用できるのは気ー 象予報だ。 熱診断によって雲の温度やその変化がこまかに わかるので、その雲がどの程度の雨を、いっ降ら せるかも、容易につきとめられる。雨量や雨域の 予報も、これを利用すれば、ぐっと正確になるだ ろう。 】ト・熱診断は、公害防止にも役立 0 。海面に油をた れ流したりすると、海面の温度が変化するので、 すぐに発見できる。 このほか漁業用にも応用できる。海水の塩分が 変わると、反射度も変わる。海面の温度を監視し ていれば、魚群がどう移動し、いまどこにいるか も、つかめるわけだ。反射度は波の高さでもちが うので、シケによる漁船の遭難を、防止すること にも役立つだろう。 注目されるのは、この熱診断が、軍事用にも使 えることだ。原子力潜水艦の開発により、潜水艦 の探知はきわめて困難となったが、たとえ潜航し ていても、この装置を使えば、ただちに発見でき る A ) い、つ。 第期待される地球の熱診断 その精度については、公表された資料がないの からだの具合いが悪いというと、すぐ持ち出さで何ともいえないが、原子炉の出す熱量から考え 専門化する宇宙飛行士訓練 れるのは体温計。熱の測定は異常を知るもっともると、熱診断で潜水艦を見つけることは、からだ■ 手つ取り早い方法だが、このことは地球についての中の化膿部分を見つけるより、簡単なのではあ るまいか。 このところ有人飛行は中休みのかたち。米ソ共 も同じことらしい Z << は赤外線による熱診断に続いて、マイ同のアポロ日ソューズ計画までは、これといった 米航空宇宙局 (Z ) は、軌道気象衛星ア 仕事もないようだが、宇宙飛行士の訓練は休みな イトスに赤外線放射計を積んで打ち上げ、地球のクロ波を使った診断方法も研究しているらしい。 熱診断を続けている。三月から毎日二回ずつ、日マイクロ波を利用すると、海面がわずか五〇センく行なわれているようだ。 だが訓練といっても、現在のは初期のとかなり 本の気象庁にもこの測定器を使って撮影した熱写チ上昇しても、わかるのだそうで、津波の測定に ちがっているらしい。ウオストーク 3 号とソュ 威力を発揮することだろう。 真を、届けてくるようになった。 ズ 9 号で二度の飛行経験を持ち、現在はユー 赤外線放射計は、アイトスだけでなく、他の衛これまで人類は、数万年も地球に住みながら、 ・ガガーリン記念宇宙飛行士養成センターの副所 星でも使われているが、アイトスのものは、従来地球のことをあまりかえり見なかった。こうした のそれとかなりちがう。何しろ条件が良ければ、診断は、住み良い地球を作るために、きっと役立長をしているアンドリャン・ニコラエフ空軍少将 によれば、目的に応じた専門訓練が行なわれるよ 〇・五度の温度差までキャッチできるというのだつにちがいない。 うになっているという。 からすごい。 初期の宇宙船に乗り組んだ宇宙飛行士は、これ このような装置で、地球の熱を測定して、何を 畆フヾーヨー・た影、 あ冫・こな 0 ・ 宇宙船シミュレーターの中で 専門訓練を受けるソ連の宇宙飛行士 6

2. SFマガジン 1974年6月号

ぶ・ほう大な水素が、一秒間に二〇〇キロというも といった専門知識は必要とされなか - った。科学的 の凄いス。ヒードで、マゼラン星雲から銀河系宇宙 な仕事といっても、搭載機器の大半は、乗員の生 をめがけて、押し寄せているという。 命を維持するシステムで、ただ飛行を続けること 銀河系宇宙については、あらためて説明するま だけで精一杯だった。 でもないが、マゼラン星雲とはどんなものか。一 だが最近の宇宙船はちがっている。昨年の一二 六世紀に有名な冒険王のマゼランが、南半球を航 月一八日に打ち上げられ、八日間の飛行を行なっ 海中に関心を引き、その名がつけられた星雲で、 たソューズ号には、天体物理などの観測装置が さまざまな恒星や星団からできている。大小二つ ぎっしり搭載されており、クリムク船長とレ。ヘデ あり、直径はそれそれ三万光年と二万光年。銀河 フ技師は、それを操作することを要求された。 系宇宙に比べるとかなり小さく、まあわれわれの つまり、天文学や天体物理学について高度の知 宇宙の伴星雲といってよいだろう。 識を持っことが、この二人の宇宙飛行士の訓練だ それにしてもどうして、このお供の星雲から、 ったのである。 水素が橋のようにほとばしり出ることになったの ニコラフ少将によると、宇宙飛行士の専門化 か。マシューソン博士はこのような見方を出して は、今後ますます進み、目的に沿った専門家が宇 いる 宙船に乗り組むことになるらしい。 「計算によると、約五億年ほど前に、このマゼラ そのために、これまでは訓練の中心だった無重 ン星雲は、銀河系の近くを通過したようだ。その 量状態への順応も、かなりはしよっているらし さい、銀河系の重力によって、マゼランの水素が く、宇宙医学者たちは順応を最短期間ですませる 引き寄せられ、それ以来、水素は噴流のように、 研究を続けているという。 銀河系へと流れ続けているらしい」 宇宙飛行士の最大の条件は、肉体的にも精神的 この水素のかけ橋の研究は、まだ始まったばか にもタフであること、などといわれたのは昔のこ りだが、これを調べれば星雲間の相互作用や、宇 と。少くともソ連では、宇宙飛行の目的に応じた 宙の起源解明の手がかりがっかめるかも知れない 専門知識を身につけることが、最も重要な条件と なっているようだ。 と、天文学者たちは意気込んでいる。 ■火星に大量の水蒸気が ■宇宙にかかる水素の橋 星雲と星雲とが、水素ガスの橋によって連結さ ソ連ご自慢の惑星間ステーション「火星 6 号」 れている現象は、すでに観測されていることだ図に記入しているうち、銀河系宇宙とマゼラン星が、火星の表面に着陸した。昨年八月に打ち上け られて七カ月。モスクワ放送の解説をもとに推測 が、われわれの銀河系宇宙と、お隣りのマゼラン雲との間にも、水素の橋があることを発見した。 マシューソン博士らは、この橋を「マゼラニッすると、まずェア・プレーキを開いて制動をか 星雲との間にも、この水素ガスのかけ橋が、かカ っていることがっきとめられた。 ク・ストリーム」と名付け、その長さなどの計算け、スビードがにぶったところでパラシュートを これを発見したのはオーストラリアのキャンべを行なっているが、橋といっても宇宙のものだけ開き、軟着陸を行なったらしい ラにあるマウント・ だが、この着陸カプセルからの通信は、接地直 ストロムロ天文台の、ドナルに規模壮大。地球の感覚では気が遠くなりそうな 前に途絶えた。その原囚が何であるのかはまだわ 7 ド・マシューソン博士をリーダーとする天文学研しろものだ。 2 究チーム。半年ほど前、直径一八メートルの電波これまでの推算結果によると、長さはざっと一かっていないが、七一年十一一月に軟着陸を行なっ 望遠鏡を使い、水素から放射される電波を、宇宙六万四〇〇〇光年。太陽の質量の一〇億倍にも及た「火星 3 号」も、接地一一〇秒後に地球との連絡 - 銀河系とそっくりのアンドロメダ星雲にも 大小一一個の伴星雲が

3. SFマガジン 1974年6月号

を絶っており、火星には地球人の設計者には予測惑星ステーションの欠陥なのか、それとも未知 のつきかねる、何らかの特殊な条件があるようだ。の障害のせいなのか。もしかすると火星に知的生 しかし、降下途中の観測で、火星の空白の部分物がいて、着陸を妨害しているのかも・ : が、またも明らかになってきた。タス通信は「地 表の起伏や温度、土の構造、大気の成分などで、■ 一人乗りの月面車 新たなデータが得られた」といっている。 接地寸前に連絡が切れているのに、どうして月に上陸した宇宙飛行士たちが、月面車という 「土の構造」がわかるのか、その辺のところは首新型式の乗り物を使って、動き回ったことは記憶 をかしげたくなるが、興味深いのはカラカラに乾に新しいが、そのミ = チ = ア版ともいうべき一人 いていると思われた火星の大気に「従来考えられ乗りの車が、イギリスに登場して話題を呼んでい ていたより、数倍も多い水蒸気が含まれていた」る。といってもこれは宇宙飛行士用ではなく、身 という事だ。 体障害者用の乗り物。電池によって動く四輪車 ソ連の学者の中には、火星の地表上でも生物がだが、月面車と同じようにスプリングや動力伝達 育っと主張し、火星の環境を実験室内に作って、装置に工夫がこらしてあり、五〇 % という急こう そこで生育のテストを行なった人がいた。し、し カ配の上り坂でも、ひどいデコボコ道でも、とくに 実際はそれほど厳しい環境ではなかったらしい 操作を必要とせず、楽々と進むことができる。 これで火星に期待を持つ人びとは、さらに気負重さは一〇〇キロほど。電池は普通の自動車用 い立っことになりそうだが、気がかりなのは、火のもの三個で、一回の充電により二九キロも走れ 星に到達した惑星ステーションが、どうしてこう るそうだ。操縦や制御の装置は : とこに障害があ も連絡を絶っのかということだ。 るかによって、変更される。手や足でなく、首やれ、レーザー光で写真を撮影し、診断をすること あごで運転する部品も準備されているという。 に成功したという。 階段も昇れる動くイス これなら交通渋滞のひどい都会でも、楽胃カメラはすでに実用化し、胃かいようや胃ガ ) , 一楽と走れそう。いまにこうした月面車のよンの診断のために、幅広く使用されているが、こ うな車が、大都会の真ん中を、行き来するれとホログラフィー診断はどうちがうのか。 よ、つにユなるか、も : 従来のカメラでは、平面的な写真しか撮影でき なしが、ホログラフィーを使えば、立体的に患部 ■ ホログラフィー医学 を調べることができる。つまり、かいようやガン の進行程度も、はっきりと確認できるわけだ。 レーザー光を使い、映像を再生するホロ このほかホログラフィーによって、高速で動い グラフィーの技術は、二〇世紀後半に開発ているものも、キャッチできる装置を完成した。 おどろくべきものの一つだが、これが医学を、立体写真で見ることができるわけで、理論研 にも応用され始めた。 究を進めるうえでも、工業技術の面でも、測り知 ソ連の報道によると、光学・物理学計測れない貢献をするものと期待されている。 研究所の学者たちは、このホログラフィー 写真といえば平面的なものというのが常識だっ を使って、胃の内壁を検査する方法を開発たが、それをホログラフィ 1 技術はくつがえした した。直径一四ミリの超小型カメラを入ともいえる。応用分野は、まだまだ広がりそうだ。 1. 0 高速の動きをキャッチする 光学・物理研究所のホログラフィー装置 8

4. SFマガジン 1974年6月号

SF の初心を伝える 冒険とロマンの ハヤカワ SF 文庫 只旡干リ凵 6 点 最新刊 出雲のヤマトタケノレ豊田有恒 3 0 0 幻想の影深き古代日本に、若き英雄を次々襲う超自然の・屋異 ! 新神話物語第二弾 超ミュータント出現 ! 2 8 0 - マー - ノレ & 夕、一 - ノレトン ・他人の意志を自在に操ることのできる・屋人くオーヴァー、ツド > とは、そも何者 ! ? こノレトン 惑星ソルの王女 ヾノヨ - ーン′ . ス・ 秘密スイッチ X 人狼地獄篇 平井和正 暗黒神のくづけ 、ンヨノレス . & / 工ーーノレ 矢野徹 地球〇年 カーター ソンガーと竜都 マーノレ & ダーノレトン アンドロイドお雪 / 、ミノレトン 宇宙囚人船のし 死にゆく太陽惑日 皆殺し軍団 リオ男 琉獅子コナ 核戦争回避せよ ! 炎の塔の剣士 0 い、ン水無明 \ 2 4 0 セイ / ヾーー、一 2 9 0 / 、ワード & ティ 0 階層宇宀創造者 2 6 0 Y 2 6 0 Y 3 5 0 . 艮河のさすらいびと 邪神と闘うゾンガー カーター 2 7 0 Y 2 7 0 Y 2 4 0 2 7 0 Y 2 6 0 2 3 0 3 2 0 2 8 0 Y 2 5 0 Y 2 7 0 平井和正 砂漠の救世主 〔 5 月刊行作品〕 宇宙帝王事件 ( 仮題 ) 宇宙のおとり ( 仮題 ) ダーノレトン & シェーノレ A6 判 ( 文庫サイズ ) カラーロ絵・挿絵っき

5. SFマガジン 1974年6月号

おおよそ想像がつく。それは、ほるかに俗悪的な雰囲気を持ってい では、この経巻を紐解くことにする。 たのではあるまいか。 まず絵である。 デカン高原にあ とすれば、この″白魔経″の正体は、案外、異端として裁断され ″白魔経〃の上半部分の彩色画は、印度アジャンタ り、開掘は四世紀 抹殺された小分派の仏典であったかもしれない。 えられしの壁画に、様式的に類似している。 問題の釈迦前世を物語る箇所には、確かに真白き獣人ともっかぬそれがいかなる分派であったかは今日全くわからない。しかし、 、ぎよう ヒマラヤの山岳地帯に孤立したヨーガチャーラ派と同類だった可能 異形の者たちが画かれている。下段の経文は、漢文の素養に乏しい ので詳述できぬが、 " 白魔。の文字がみられる。要約するならば、性はある。ヨーガ派は、四世紀にアサンガによって確立されたもの この概 だが、独自の神秘主義的教義を発展させたため、仏教の主流とはな 釈尊は、前世において白魔であり、その住む島、即ち蓬薹島 ( 念ま、 中国的なものであるから、島の原名はわからない。おそらくサンスク ) より天竺に渡らなか 0 た。 ト教典″正しき教えの白蓮″にあるスメール山のことであろう ーリッヒ・フォン・デニケン ところが、″星への帰還″の著者工 来した、という意味である。 によれば、その秘典の中には、なんと火を噴いて空をとぶ飛行者の そもそも経とは、釈迦が生前物語った話を、弟子たちが記録した ことが記されているというのだ。 ものなのだ。しかし、ロ伝の期間も長く、また解釈も加えられてい これには、否定できぬ根拠がある。我々にとって、今日、目にふ るので、多様に変化し今日の万巻の経となっているのである。勿 れることの可能な正典の一つ″法華経。でさえも、読みようによっ 論、伝来のうちに消減したものもあった。 「ウリア朝の時代すでに仏教は多数の派に分かれたという。解釈ては、宇宙船の存在が暗示されている個所が沢山あるからだ。 たとえば、見宝塔品の章をみよ。「地中より塔が現われ、空中に をめぐり、派閥的な争いも絶えなかった。純学理的な論争ばかりで はなく、当時の政権の政略もからま「ていたから、生き残 0 た経典 - とどま「た。塔には一人の仏が乗 0 ていた」とある。 しかし、正統仏教は、高邁な哲理的態度によってのみ、釈迦の言 が真実を伝えているとはかぎらない。また、ウバニシャッド、ヴェ ーダの哲理をも摂取して学理的と整備されていった。まして、中国葉を解釈した。釈迦の言葉の意味が、この世の常識を越えていたか らである。ために彼らは、その真の謎を象徴の次元へ稀釈してしま に伝来してのち、解釈も中国的に変更されたのである。 が、 " 法華経。の原典である " 正しき教えの白蓮。を通読してみった。事実を物のたとえと解釈した。が、真意はそうではない。あ ればわかるとおり、経の本来の原形は、極わめて通俗的であ「たよくまで釈迦は、具体的な事実、出来事を弟子たちに語 0 ていたので うにおもわれる。これは、民衆宗教の立場に立った釈迦が、無智文ある。 とするならば、釈迦とは一体何者であったのだろうか。 盲の大衆に対して説いた教えである以上、むしろ当然である。 印度の古い詩句によれば、彼はしばしば、″太陽氏族の一人″と 今日、印度教といわれるヒンヅー教が、日本的にたとえるなら、 稲荷信仰のように民間伝承宗教であることを知れば、当時の実態は呼ばれているのである。濮訳仏典では、″日種。と訳され、ている。 2 2

6. SFマガジン 1974年6月号

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行物体の着陸用の信号だったどいう。そし ったわけではないということにもなろうが : 、 : ・筆者などに - は、どうも、デニケンの考え方は、思いっきに過ぎるよう て、 ~ その証拠として、高原の・西のはずれに な気がますますしてくる一方である。過去の文明を担って あるビス 0 湾を見おろす断崖の斜面に巨大 ~ す、 ) 第香 ' いた人々が、宇宙人などに教えられなくとも、それそれの な三叉状のシンポルをあげる。この三叉の第 時代の理性に応じて、現代からはおいそれとうかがい知れ 先が、正確に、ナスカの方向を指し示していま、 ない技術をうちたてたであろうと考える方が、むしろ本当 る 0 というのである 9 なるほどナスカのシ ~ 既、第 の意味でロマンチックなのではないだろうか。現代とち 〉ポ ~ 群は、一見すると現代の空港そ 0 く、【一 ' 、」 , がって、呪術が生きていた時代に、彼らが、力をつくして りに見えるし、海上を飛来した飛行物体 = - 一 彼らなりの奇想天外な考え方を、このシンポル群によって が、まずこの巨大な三叉を発見して方向を「第み歸 定め、・ナスカ空港へ着陸姿勢をとったーー 現わそうとしたのだろうと考える方が、人類文明への、歴 という考え方は、、おもしろいにはおもしろ 史へのより高いファイダリティを持・つているのではあるま いか。この頃のオカルト好みの軽率さにーー現代文明が困 難さにぶつかったからといって、たちまち合理主義をなげ しかし、ライヒ工 - をはじめ考古学者たち ナスカ高原の巨大なクモ うち、自然の全体的理解という美名のもとにまたぞろ蒙昧 はもっと現実的な解釈をする、つまり。プレ ・インカ人の天文学的シンポルだった、という解釈である。たとえば、このな神秘主義を有難がろうとする 9 愚かさきわまったりのおっちょこちょいさ ー的 シンポル群を一、九三九年最初に発見したロング・アイランド大学のポールを にーー・我慢がならなくなってきている筆者などは、デ、ニケン流の、、 ブマンチシズムが、いっそうむかっくのかもしれないが : コソック教授の研究ではい直線の何本かは、 - 」冬至および夏至の日の日の出の 方向をむいているし、ほかの線の何本かはこのシンポルがつくられた頃のプ それはとにかく、この貴重な、まだ解かれぬ謎を山ほど秘めている古代遺 レアデス星団のあがる位置をむいている。そして「この時代の古代民族は ) 跡が、最近非常ないきおいで損壊されつつあり、適当な保護の手が差しのべ しばしばプレアデス星団を、非常に重要なものと考えていた。 られないかぎり、もう長いことはもたないかもしれないという。・この遺跡 そこでコソック教授は、このシンポル群を〈世界最大の天文学書〉と考えは、もともと乾燥した気候のおかげで今日まで保存されてきたのだが、その た。これを使って、当時のプレ・インカの天文僧たちは四季を計算し、恐ら一部をパン・アメリカン、ハイウェイが横断するようになってから、デニケン くは、雨期や、月蝕などを予測したのであろう、と主張したのである。 などの本や映画で刺戟をうけた観光客の車のタイヤで蹂爛され一部は痕跡も とどめないまでになくなってしまったでベルー政府の保存措置も不十分で、 もっとも、これには、 , 異論もある。 天文学者ジェラルド・ホーキンズ博士は、最近出版した著書の中で、これこの地域を戦車隊の演習地に使ったりしている有様である。前記のマリア らの線と、太陽や月、星などとのあいだにはゞたんなる偶然の一致を除い ・ライヒ工女史などが、 ( ベルー政府に対して、この地区を立ち入り禁止にする て、論理的なつながりはない、といっている。 べきだと陳情をつづけているが、今までのところ、財政難を理由に、却下さ ということは、まだデニンのロマンチックな解釈も全く否定されてしまれているという。 9 をこ、

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すをにをす、宿い ~ : 第ツを 一方その巨大なスビードは白熱の天体をすばやく飛 ダイダロスもべつに孤独は感じなかった。はじめ びすぎることを可能にした。さらに、ちょうどのて地球を後にしたのだが、星界の美にもそれほど感 ときダイダロスが重力レーダーを考案した、と伝え動しなかった。ダイダロスの頭は数式のように無愛 られる。太陽の内部、電子ガスの混沌のなかでは、想で正確な、物質の秘密についての考えでいつばい ラジオは無力である 9 しかし重力は重力として残っであった。 ている。レーダーは重力波をとらえる。おかげで船 ときどきダイダロスの計算は語った、「前方に危 には目がついた。一 険あり。注意 ! 」だが先頭を飛んでいるイカロスは さて、出発の日がきた 9 地球から最後の送別の言計算しないでもそれを知っていた。そもそも星界に 葉が伝えられた。 船を操縦する人びとの中で、イカロスにまさる腕き 「両船はあまり近づかないように。なぜなら、重力きの船長はいなかったのだから。 がおたがいを引きつけ合うから。しかし両船はあま こうして二人はまばゆい太陽へ飛んでいき、地球 り離れないように。なぜなら、うつかりするとほのの人びとははらはらしてその飛行を見守っていた。 おの渦にさらわれて、太陽の中心にもっていかれる 一時間毎に船はその速度を増した。強力な太陽の から」 重力はすでに向ってくる船に目に見えない抱擁の腕 イカロスはそれをきいて笑った。ダイダロスは静をひろげたのである。 かに耳をすましてきいた。そして二人は答えた、 地球の時間にして五日が過ぎた。船は太陽のきら 「よくわかりました」。イカロスは気・せわしく操縦めく光線の中にのまれた。電波は大分あやしくなっ 桿に手をかけ、ダイダロスは注意ぶかく諸装置を点てきたが、それでも老船長たちの歌のきれはしとダ 検した。地球からまた電波がとどいた。「ご無事をイダロスのそっけない報告を地球へ送ってきた。 祈る、偉大な発見を期待する ! 」そのころ地球はこ 「彩層に突入。座標 : : : 」 の言葉で星界に立去る船に別れをつげていた。 太陽は紅焔のたいまつで二つの船を迎えた。あた こうして飛行ははじまった。 かも人間どものあっかましさに腹を立てたかのよう エンジンは白いほのおをはげしく噴射し、船は速に、太陽はすさまじい勢いでほのおの巨大な舌を突 度をあげながらはげしくゆれた。地球から見ると、 きたした。船は山に向う砂粒のように見えた。音無 二つの彗星が太陽へ一直線に向っていくようであっしの怒りに燃え、ほのおは = = ートリットをがつが こ 0 つなめた。だがほのおの密度は知れたものである。 イカロスはなんにも危険を感じなかった。だからニュートリットの外装はすこしも熱くならず、冷た レーダーの銀色のスクリ 1 ンを見ながら、星界の老いままであった。 船長たちの歌をうたっていた。 ほのおの舌よりもおそろしいのは重力である。そ 6

9. SFマガジン 1974年6月号

加藤蕎 一チス高原をめでち論爭 科学的な観測・調査技術が発達し、インターディスプリナリーな研究が進プレ・インカ人たちには、この工事が不可能だったことを理由に、彼らを指 というの むにつれて、昔から人類が抱きつづけてきた夢や、今世紀初頭あたりから芽導してシンポル建設をすすめさせた宇宙人がいたにちがいない、 生えてきたロマンチックな仮説やらが、つぎつぎに覆えされたり潰えたりすだが、いうまでもなく彼の説は考古学者たちのとるところではない。彼の説 るのは、一面からいえば淋しい気がしないでもないが、一面からいえばあまが突飛すぎるという以前に、プレ・インカ人にとって、この工事が不可能だ ったと決めつけることが間違いだというのである。 りに当然なことでもある。そのよい例がアトランティス日ムー大陸説で、こ このことを、実証してみせたのが、この地にほとんど半生を過ごし、アド れなど、まだまだ信者が多数いるにもかかわらず、最近のプレート・テクト ニクスの定説化によって、ついに息の根をとめられようとしている。そし ーベ煉瓦の小屋に寝起きし山羊のチーズと野生の果物を食料としながら研究 て、われわれ読者にはごく身近かな宇宙人来訪説の根拠の一つとしてフをつづけてきた七〇歳のドイツ人女流考古学者マリア・ライヒェである。彼 + ン・デニケンによって大いに喧伝され、これまたかなりの信者がわが国に女は最近、このナスカのシンポルの謎の大半を解くことに成功した、と発表 もいるナスカやビスコの神秘的なシンポルの謎が、最近、ある考古学者の手した。 によって、 " ロマンスの化けの皮をはがされようとしている。 彼女によると、それは比較的かんたんである。プレ・インカ人の技術者 ベルーのほ・ほ中央部、アンデス山脈中にあるナスカ高原に幅およそ五〇キは、工事にとりかかる前に、まずそのミニチュアをつくった。それは、二メ ロメートルにわたって、不思議な古代のシンポルが拡がっている。砂漠の真 ートル四方くらいの小さな粘土製で、たいていのシンポルのそばに、現在で ん中を走る一本の直線から、何本もの線が出て、それがほんの二、三メートもかすかに残っている。この粘土のミニチュアをもとにして、スケッチの構 . ルの幅で何マイルも並んで走っているかと思うと、そのそばには、巨大な一一一成部分をつぎつぎにつくっていったのだ P. 直線は、杭を一一本立て、そのあい 角形や、長方形、梯形が、おどろくべき正確さで同じように並んでいる。そだにロープを張れば、かんたんに引ける。カーヴの部分は、ちょっと難かし いが、これも、ミニチュアを使って工夫をすれば不可能ではない。まずカー して、そのまん中には途方もない大きさの蜘蛛や、九本指を持っ巨大な猿、 ヴをいくつものつながった弧に分割する。弧がちがったサイズの円の円周の 小鳥、魚、爬虫類などが描かれている。・その大部分は、あまり大きいので、 部分であることを理解していた彼らは、任意の円の中心に打ちこんだ杭かあ 空中からでなければ、その図形を見定めることもできない。 このシン・ホルは、少なくとも一〇〇〇年以上前のもので、インカ帝国以前るいは岩にロープを結びつけ、その端をまわして必要な弧を描いた。こうし て線と弧と円の中心および半径などのあいだの正しい関係を把握したのち、 の文明種族・ーー・プレ・インカ人のつくったものであることはわかっている。 この砂漠の芸術をつくるために、プレ・インカ人たちは、まず地表の一番上技術者はそれをほんものの、大きなシンポルに応用して掘りすすむことがで ライヒ工は、こう主張するのである。 の層をはぎとり、その下の明るい色の土層を露出させたのだ。だが、これだきたのだ けの正確なシンポルをつくるのに、彼らが、現代的な道具や測量機械を持っ - 実際ライヒ工は、このことを実証するさまざまのスケッチの痕や、円周を ていなかったのはもちろんのこと、その仕事の進捗ぶりを見るための高台を求めるため杭を打った穴のあとなどを発見したという。 それにしても、いったい、そんな苦心までして、なんのためにこうしたシ すら持っていなかったこともたしかなのだ。 ンポルを建設したのか ? では、いったい、どうしてやったのか。 再びフォ - ン・デニゲンに登場を願えば、彼はこれを宇宙からの来訪者の飛・ ここで、フォン・デニケンの宇宙人来訪説が登場する。彼峡この当時の 連載〔ーサイエンス・ジ、ヤーナル

10. SFマガジン 1974年6月号

合が同時に起っているらしい。そして : : : 〉 だが、とにかく帰らなくては〉 フル一一工はアクセルを踏みこみ、ル / ーや小さなシトローエンをそこまで考えた時、男が乱闘の中から抜けだして、タイムマシン の運転席に座った。手がレ・ハーにカカった かきわけるように、研究所に向った。 次の瞬間、男の姿はタイムマシンとともに、やはりそこにあっ 研究所は大騒ぎであった。どこから聞いてきたのか、通産省や大た。 〈イセの仮説の四によると、宇宙という時空連続体には、その包 蔵省、それにたくさんの政治家たちがやってきて、交替でタイムマ シンに乗っていた。加えて、話のようすでは、それ以前に、彼がプ容できる世界の数に限りがあり、タイムマシンの作動によって、別 ガ , ティは乗 0 て走りはじめた頃から、研究所の所員たちが乗っの世界が作られて、その限界に達すると、タイムシンはもはや作 動し得なくなる。タイムマシンによって作られる世界の数は、作動 て、タイムマシンの特許申請の先陣争いをしていたらしかった。 回数をとした場合、 2 の乗であり、宇宙が包容できる世界の数 「やめたまえ ! 」 はかなり小さいと考えられる〉 フルニエは大声をあげた。 「タイムマシンを勝手にいじってはいかん。デュポネ大統領のご命 一九五六年七月一日、ランス・サーキットで行なわれたフランス 令を忘れたのか ! 」 ・グランプリで、ブガッティ・タイプ二五一というレーシングカー 「大統領はこの私だ。デュポネは副大統領秘書だ」 ーリス・トランティニアンの手で走った。フランス国民の期 「なんでもいい。所長として命令する。すぐこの部屋から立ち去りが、モ 待にもかかわらず、未成熟なこのクルマは、とてもフェラーリやマ なさい」 セラーティの敵ではなく、加えて気化器に故障をおこして、十八周 「所長だって。平所員の分際で何を言う。所長は私た」 でリタイアした。このタイプ二五一が、・フガッティ社の最後の作品 一人の男が言った。それを遮って、 「タイムマシンの特許の所有者として、タイムマシンを無断で製作である。これは歴史的事実である。 した責任者たる所長に、特許侵害の損害賠償を要求する」 と、もう一人の男が言った。 〈こいつはえらいことになった〉 フルニエは臥った。 〈イロセの仮説によると、タイムマシンが過去を変えるという仮説 と、過去を変えることはなくて、そこからもう一つの世界が枝わか れしてくるという仮説とがあるが、どうやら実際にはこの二つの場 ー 43