ハヤカワミステリ 既刊 1232 点 立本 月曜日ラビは旅立った 狼が来た、城へ逃げろ 近刊題名は仮題 運命の裏木戸アガサ・クリスティー ボアロー、ナルスジャック ひとり もの エド・マクへイン つんぽ男に聞いてみろ ポケットにライ麦を 心地よく秘密めいた場所 エラリイ・クイーン / 青田勝訳 母の胎内で成長する胎児のように周到に育まれる殺人 計画。 ーとダネイのコンビ最後の作品 ! ⑦五二〇円 アカサ・クリスティー / 字野利泰訳 「マサー・グースの歌」から抜け出てきた連続殺人 ミス・マープルの活躍は ? 改訳決定版ー五五〇円 リイ・ケメルマン 8 0 ¯) ・・マンシェット 4 ワ 0
アシモフの中篇集『火星人の方法』 "The 先月号の柴野拓美氏に続いて、今月は私が までをも所有し、そして驚くべきことに二つ Martian 舅、 a 》 64 が出た。 ・カ ◆・◆・◆・△ビンチヒッターです。なお担当の福島正実氏の男性自我までがそこに加わっていた △は来月から体調十分で登場するとおっしやっ らなる精妙な寄せ木細工の華麗さである。各 生存に不可欠の水を地球政府に差し止めら 各の主体性を主張する十六の自我の、それにれた火星人が土星の輪に活路を求め、ついに ・△ていますので御安心下さい 問題を解決するという表題作の他、「若い種 ふさわしい強烈な個性と才能は、なにかあら 族」「精神接触」「まぬけの餌」の三篇を収 ・、、・、こい程の魅力をもっている。 ・ " 小学校三年のとき、寒い四月の朝、ドーセ 録。 ( 浅倉久志 / 小尾芙佐訳・五三〇円 ) 昔読んだシェクリイの短篇の中で地球人全 、く , トおばあちゃんは死んだ・ = ・ = 。埋葬された ハヤカワ文庫からは四冊。ジェイムス ・。祖母を追って墓穴の中に飛び込もうとしたシ員の心を頭の中に詰め込んだ男の話があり、 ・・ジョ ン教授シリーズの三巻目、ニール - ・ - ビルは〈大きな手〉に引き戻されたような気フィクションとは言いながら気の遠くなるよ ーンズの『惑星ゾルの王女』 ( 野田昌宏訳・ うな思いを味わったものだが、この作品は、 がした。そして、ふと気がつくと教室のなか、 ノノイムがデ イそれも見慣れた = 一年生の教室ではなく、五年それとは逆の意味で気の遠くなるような印象二四〇円 ) ドナルド・・ウ , 」、 ヴィッド・グリンネル名義で書いた『百万年 生の : : : まわりにはひとまわりずつ大きくなを与えてくれた。『シビル〈私のなかの 後の世界』 "Across Time"'57 ( 稲葉明雄訳 ・△った友人たち。目の前にはきちんと執ってあ人〉』読 b 一 l' こ 73 ( 巻正平訳・一七〇〇円・ ローダン・シリーズの ・二七〇円 ) ペリー・ ◆・◆・◆・△るノート。「シビル、やってごらんなさい」早川書房 ) 創元推理文庫からは、・・ヴァン・ヴ十六巻目、ショルス & ダールトンの『ロポッ ◆・◆・◆・△ーーでも、わたし、三と四までの掛け算しか ト皇帝の反乱』 "Der Kaiser von New Yo- オクトと夫人の・メイン・ハル共著『惑星 「昨日まで出来たのに、どうし 知らない。ーー 売ります』 "Planets For sale" ・ 65 ( 永井淳弄 . Ausflug in die Unendlichkeit"'61 - ・たっていうの ? 」・ 訳・二四〇円 ) とジェーン・ギャスケルのア ( 松谷健二訳・二九〇円 ) ・・・ハロウズ トランティスの女王シリーズ完結編『アトラ のターザン・シリーズ『ターザンと失われた ・・タイム・スリツ。フ・テーマのプロ。、 ンの女王 3 』 = 、一・ he City" 》 66 ( 深町真理子帝国』 "Tarzan and The Lost Empire" ・・によくありそうな一節だが、これはノンフィ 訳・四四〇円 ) が出た。 に 9 ( 高橋豊訳・三〇〇円 ) このところ、『私という他人』 ・ - クション 前者は〈アスタウンディング〉誌に連作短 ートラム・チャ ブックスからは・ハ ・・『私の中の不思議な他人』と続けて出版され篇として発表され、後に長篇のかたちにまと ンドラーの『宇宙の海賊島』 "Rendezvous ◆・◆・◆人た多重人格テーマ・ノンフィクションの決定められたもの。 on a Lost W 。 r 一 d ・こ 61 ( 中上守訳・久保書 ◆・◆・◆人版とも言える、なんと十六重人格という世界 物語は銀河系最大の企業家アーター・プロ - ・記録を持っ女性の物語である。 ドを主人公に、その巨大な富と権力の奪取店五八〇円 ) が出た。七四年五月号のスキャ ・・・著者のフローラ・リータ・シュライ・ハーは ナーで野田昌宏氏 をもくろむ敵役を配した善玉悪玉入り乱れて ・・・精神医学関係のジャーナリストで、作品中に が紹介しているリ の宇宙大活劇。主人公が危くなると突如新兵 ・◆・◆・◆・《も登場するウイルバー博士によって主人公シ ム・ンリー ズの一 ・◆・◆・◆ : ビルを紹介され十年の歳月をかけて本書を書器が登場したり、主人公しかわかりようのな 篇で、六一年の い解決法がまさに神の啓示の如くひらめいた き上げたという。 〈アメージング〉 - ・・こまかいストーリーの紹介は省くが、いま り、スペースオペラ特有の御都合主義はいく誌に発表された つか含まれているが、いろいろともりだくさ チ "When the Dre- - ・日本でも社会問題化しつつある・ハタード・ んのサービスにはことかかず、軽いエンター am Dies" を長篇 蜘・・ャイルド ( 被打撲児 ) のいつもながらの悲し , ◆・◆・◆・・くいまわしい物語からデウス・エキス・マキ ティンメントとしては中の上といった作品。 化したもの。昔な ・◆・◆・◆・・ーナの如き精神科医の登場、治療 : : : と型ど 後者については、福島氏がシリーズ完結後がらのサイエンス ・フィクションと おりの進行の中で、この物語が文字どおり光まとめて紹介する、とおっしやっていますの ・・彩を放つのは、主人格シビルを含めた十六の でここでは触れないことにします。 いった感じで気楽 に読める作品とい 一・・完結した ( 完成されたではない ) 人格ーーそ い◆い◆れらは異なった個性のみならず、姓名、容貌 ハヤカワシリーズからはアイザック・ ったところ。 ョ 水 クル文 ニ = ロ 外 当 日一
「きみの主張は、なんだか詭弁くさいぞ。 り、ノーベル賞受賞二回におよぶ天才生化学 0 そのでんでいくと、劇場の放火魔も、自分 8 ューモアといえば、カットナー、・フラ者エメット・ダックワースが、大学当局をはじ の家のストー・フに火をつけているかぎり ウン、シェクリイ、テン : : : という系譜がすめとするエスタ・フリッシ = メントをむこうに は、社会的に有用な行為という理屈になり ぐ頭にうかびますが、初登場のラリー・アイ回して大活躍を演じるのを、ワトスン役のコ やしないか」 説ゼイ ( ーグもその伝統をうけつぐ作家。生体ンビ、ーター科学者が書きつづる、という形 「それをもう一歩押しすすめてもいいよ」解臨床医学のコンビ = ーター科学者が本職で、式のシリーズです。 = ーモアとはいって ダックワースよ、つこ。 。しナ「この大学にいるそのかたわら、こうしたワサビのきいた小品も、作者の専門を生かして、かなり ( ードな科 きみにとってはばかばかしく聞こえるよう を書きつづけ、すでに短篇集一冊 "TheBest 学的アイデアがとりいれられているのも、一 Laid Schemes" ( 七一年 ) があります。中でつの特徴でしよう。この作品は、 & 誌の なアイデアや、示唆や、提案が、よそでは も評判のいいのが、このダックワース物、つま七〇年一月号に発表されたものです。 ( 訳者 ) 正当な賞賛をうけることもありうる」 それについての彼の具体的な説明は、だが、とうとう聞けずじま含めて、こう書かれてあ 0 た・ー・『ダ ' クワースは体制のイヌ』 いだった。ちょうどそのとき、一通の特別書留が届いたのである。 数カ月のあいだに、キャンパスの中では、ダックワースはたんな 手紙にはホワイト ( ウスの消印がついていた。ダックワースは沈痛る一つの記憶、それもおぼろげな記憶になりさが 0 てしま 0 た。し な面持ちでそれを読みおわった。 かし、あの懐しい親友の性格は、まだなまなましくわたしの心の中 「わが祖国がこのわたしを必要としているんだ」彼は白い上 0 張りにあ 0 た。わたしは、彼を手きびしく断罪しすぎたのではないかと の胸ポケ ' トの上に手を置きながらい「た。「どうして断わること考え、いまごろ彼は新しいポストでなにをしているのだろうか、と ができよう ? 」 考えた。すると、まるでテレバシーでもかよいあったかのように、 「たとえそれが汚ない戦争に手をかすことであ 0 てもかね ? 」わたダックワースから手紙が届いた。いちど会いにきてくれないかとい しはチクリと厭味をいってやった。 う、懇願に近い文面だった。 ダックワースは肩をすくめた。 この招待を受けるべきかどうかと、わたしは思いなやんだ。ダッ 「わたしにはわたしの動機があるさ」そう彼が答えるのを聞いて、 クワースに対する友情はまだ強く残っていたが、彼の新しい研究を わたしは憤然と席を立った。 見せられたら、きっと激しい反感がわきおこるのではないかと、心 ダ ' クワースは無期限の賜暇を与えられた。学生たちは彼の出発配だ 0 たのである。しかし、同時に、わたしは非常な好奇人にから に複雑な感情を示した。彼の研究所の前にはプラカードが咲きほこれた。結局、わたしは行くことにした。わたしに会って、ダックワ り、それにはこんな文句が書かれていたーーー『それだけはするな、 1 スはとび上がらんばかりに喜んだ。 ダ , クワース』ほかのプラカードには、わたしのかついでいるのも「きみに会えないのは淋しか 0 たよ。この白堊のビルの都では、イ
分の質問に答えら 時計〈 The Bulletin of the Atomic 交歓の末に生まれたビースの箱よりも小さい れなくて、ウンウ Scientists の表紙の時計は、再び去る 9 月号ツルっ禿げの極小人間「アビラ」などがある。 司 ン唸っているとい : ◆・◆・◆から、 3 分間進められて、核戦争による世界 武装小説〈 : : : 新聞雑誌の報道やノンフ う ) 、「解説型」 : ◆・◆・◆の終末の分前を示すようになった。・ : : ・今度 イクションでは、ふーんですんでしまうのに、 ョ ( 「この作品はリリ の時刻修正について、編集長の・・ディ 小説によって追体験し感情移入を遂げると、 ックで」といい ・・は、次のような五つの理由をあげている。① がぜん無関心ではいられなくなってしまうの 何かなと夫人が訝 ク石 ・・・一米ソ戦略兵器制限交渉の行詰り②新しい核弾です。ウルフガイは他愛ないスー。 ( ー : ◆・◆・◆ っていると間髪を ・・・一頭と核ミサイルの開発③インドの核保有、連説で、大神明はおセンチだそうですが、だれ 入れず「叙情的」 本 - ・・一鎖反応的な核拡散の危険性④政治的に不安定も食指を動かさない、失礼、むずかしくてよ と説明を加える ) 、 当 「歌唱型」 ( 一番 ・ - - 一な中近東への原子炉の輸出⑤テロ分子の核物くわからない大高級小説より、武装した小説 日一 質奪取の危険性 : : : 〉『自然』Ⅱ月号・ミ かもしれないと最近気づきました。情緒麻痺だけならともか を強襲する を粉砕し、日常性のコンクリート く、この人は二番 : ◆・◆・◆ニスコー。フ欄から。 のは、まさしく小説特有の荒療法ではありま まで歌う人です 怪獣〈今迄のところ、怪獣ヒパゴンはロ すまいか〉平井和正『魔境の狼男』 ( 祥伝 よ ) 〉日『週刊文春』川月日号「この人と一 〉・◆・◆・◆マンというよりは行政化され、一つの観光資 社・ 600 円 ) のあとがきから。 週降」から。 了◆・◆・◆源として、比婆郡西城町に物見遊山の客を集 。このたび伏せ字だ 伏せ字〈お立ち合い めてきた。しかし : : : 私は、たとえ実在しな ◆・◆・◆ らけの小説が現れた。『問題小説』 9 月号の 今月の収穫〈書きおろし長篇〉①半村良 ・・一くても、「実際に起らなかったことも歴史の 『平家伝説』 ( 角川文庫・ 2 5 0 円 ) ⅱ『黄金 了◆・◆・◆ 筒井康隆『弁天さま』がそれで、なんと二ペ ・ - ・一うちである」という視点に立って、この怪獣 1 シにわたって xx が行列しとるのだよ。じ伝説』『英雄伝説』につづく伝説シリーズ第 ・ - ・一の実在を裏付けたい、と思うのだ。それは、な つはこれは、梶山季之の小説が二。〈ージほど三作。書きおろし文庫版で、お買い徳。②田 ◆・◆・◆ 中光二『爆発の臨界』 ( 祥伝社・ 600 円 ) せ怪獣があらわれたか、ということよりも、 ワイセッのカドで、同誌 7 月号が発禁くらっ ⅱゲリラによるマンモス・タンカーの乗っ取 ・・・一西城町がな・せ怪獣を必要としたか、というこ たことのカリカチュアなので。なにしろ弁天 りを描いたサスペンス。 とである。ヒパゴンの出現によって埋めあわ さまとナニをイタすくだりだから絵空事も極 〈戯曲〉安部公房『緑色のストッキング』 〉・◆・◆・◆されている町民たちの缺落は一体何だったの まるが、それさえワイセッ感催して興奮する ( 新潮社・ 7 8 0 円 ) 日下着蒐集狂の中年教 〉・◆・◆・◆カ ? 〉寺山修司『花嫁化鳥』 ( 日本交通公 桜田門あたりの連中には、読ましてやらない 師が地上最初の草食人間に変身するドラマ。 ・ 1000 円 ) から。この本は、日本各地 よ、という作者のゼスチュアだ。わずかには 〈短篇集〉半村良『都市の仮面』 ( 角川書店 ーに残る呪術的因習を訪ねて回 0 た = = ークな さんだ文字に「伏字のため余計に興奮した女 880 円 ) 。眉村卓ショート・ショート集 ・・一紀行ェッセーである。 『・ほくの砂時計』 ( 講談社・ 640 円 ) 。今日 房は」云々とあって、一見抱腹する。しかも 香山滋研究〈香山滋氏ほど、自分の作品 に多くの怪物を登場させた作家は、古今東西原稿紙に x x 書き並べて稿料かせいでいるん泊亜蘭『最終戦争』 ( ( ャカワ文庫・ 3 20 円 ) 。河野典生『いっか、ギラギラする だから、ヤルねえ、このヒトは。これはタイ 例を見ない。ある時は架空の生物、ある時は 日々』 ( 文芸春秋・ 950 円ーー収録 5 篇の - -. デフォルメされた現存の生物、失われた前世ムリーなナンセンスで、二度とは誰も真似が うち『羽根のない鳩』がファンタジー ) 。 できない〉 " 東京新聞『大波小波』でこう紹 界の生物であり、中でも原始世界への郷愁は 〈ェッセー集〉『日本教養全集』第川巻 ( 角 古生物を多く登場させ、現世界に復活せしめ介された『弁天さま』をふくむ筒井康隆『ウ 川書店・ 110 0 円 ) に、丸谷才一、開高健 ィークエンド・シャッフル』 ( 講談社・ 78 た。氏の理想郷にとっては、怪物たちは必要 とともに小松左京『未来への地図』が収録さ 0 円 ) 。近作篇を収録。 不可欠の重要な要素だったのである。私は、 寝言〈克美夫人によると、小松左京氏のれ、巻末に星新一が解説を書いている。 その怪物たちを通して、香山世界にメスを入 〈科学読物〉平田寛『科学の起原ー古代文 ・ ~ ・・一れて行きたい〉日竹内博『香山滋の〈怪物〉寝一 = 〕には四種のパターンがあるという。「通 ◆・◆・◆ 像・ 1 』 ( 大衆文学論叢・創刊号 ) から。筆常型」 ( ふつうの寝一 = ロ ) 、「インタービュー型」化の一側面』 ( 岩波書店・ 2400 円 ) 古代 者がリストアップした香山製怪物には、人獣 ( 自分で質問し、自分で答える。ときどき自科学史の決定版。
( 王石推理小説傑作選 ~ 推理小説専門誌『宝石』より厳選した埋もれた名作集 / 遂に刊行 城昌幸 あの時代の、あの作者の、 ・一 = 度と→颪めない懐かし ) 子平発売中 高木彬光女 - 三ロ ↓めの作ロⅢ 中島河太郎限宀疋出版八八八部 星新一 ・推理小説専門誌『宝石』から厳選された珠玉の間編 その当時問題を提起した硎争、対談、話題の評唄読物 ' 山村正夫全 3 巻ワンセット ・創以来の完全な作品目録が網羅された推理ファン 横溝正史定価ニ七、〇〇〇円 ( アイウェオ順 ) 垂涎の画期的豪華本″ ※全巻おもな作品と作者 犯罪の場 ( 飛島高 ) 網膜物語 ( 独多甚九 ) 殺人演出 ( 島田一男 ) - 鸚鵡裁判 ( 鬼怒川浩 ) サンタクロース殺人事件 ( 乾信一郎 ) 幽霊消 ・第 1 巻 / , 却法 ( 海野十三 ) 天狗 ( 大坪砂男 ) 小草の夢 ( 佐藤春夫 ) 猿神の贄 ( 本間多麻誉 ) 地虫 ( 鮎川哲也 ) 三つの樽 ( 宮原竜雄 ) 接吻物語 ( 藤村正太 ) メフィスドの誕生 ( 水谷準 ) 私の探偵小説 ( 坂口安吾 ) 探偵小説の新領域 ( 埴谷雄高 ) はか : 青い帽子の物語 ( 土屋隆夫 ) リラの香のする手紙 ( 妺尾アキ夫 ) キキモラ ( 香山滋 ) 雁行くや ( 島久平 ) 畸形の天女① ( 江戸川乱歩 ) 畸形の天女 ( 大下宇陀児 ) 崎形の天女 3 ( 角田喜久雄 ) 畸形の天女④ ( 木々高太郎 ) ロンドン塔の判官 ( 高木彬光 ) 首 ( 横溝正史 ) ・第 2 巻 流木 ( 山村正夫 ) 奇妙な隊商 ( 日影丈吉 ) 電話事件 ( 加田伶太郎 ) 師匠 ( 梅崎春生 ) 影なき男 ( 遠藤周作 ) 電話 ( 吉行淳之介 ) 詫証 文 ( 火野葦平 ) 怪異投込寺 ( 山田風太郎 ) 探偵小説新論争 ( 江戸川、木々、大下他 ) 推理小説と文学 ( 平野、松本、江戸川 ) ほか : ( 星新一 ) 団十郎切腹事件 ( 戸 ある脅迫 ( 多岐川恭 ) 水中花 ( 石原慎太郎 ) かあちゃんは犯人しゃない ( 仁木悦子 ) おーいでてこー ( 河野典生 ) 夜明けまで ( 大藪春彦 ) お助け ( 筒井康 板康二 ) 散歩する霊柩車 ( 樹下太郎 ) 青い火花 ( 黒岩重吾 ) 狂熱のデュエットロ ーマン ( 山川方夫 ) 燔年は長すぎる ( 笹沢左保 ) 狂生員 ( 陳舜臣 ) 年下の亭主 ( 新章文子 ) 闇の中 ・第 3 巻 / ,. 降 ) 飢渇の果 ( 南條範夫 ) 0 ンリ から ( 戸川昌子 ) 女か怪物か ( 小松左京 ) 長い暗い夜 ( 曽野綾子 ) 化石の街 ( 広瀬正 ) 紳士ワトソン ( 椎名麟三 ) ほか : -J 〇三 ( 五八六 ) 一八ニ一 申込先いんとりつぶ「宝石」係 振替東京一三五〇ニ四 東京都港区麻布飯倉町一ー六
達雄進 照辺 純睛 田島森農野 ョ角中金畑山 次ラ淵井井 ク 表目イ楢岩石新 イ フ ス ン イ サ イ ジ ン 1975 年 1 月号 ( 第 16 巻 1 ) S F マガぐ 昭和 50 年 1 1 日印刷発行発行所東京都 千代田区多町 2 の 2 郵 1 0 1 早川書房 TEL. 東京 ( 254 ) 1551 ~ 8 発行人早川清 編集人長島良三印刷所誠友印刷株式会社 連載評論幻想小説の方へ でてくたあ サイエンス・ジャーナル破減の新要因 ? てれぽーと : 世界みすてり・とびつく : すべーす・たいむ・あんてな・ 世界情報・ 立ド入選作品発表 LL 三大コンテストアート 61 U) LL スキャナー 連載 ( 思考の憶え描き 望遠鏡計画 日本 U) LL こてん古典 巻頭小説第五弾ナンセンみの新鋭登場イ〔 かんべ、むさし 決戦〔・日本シリーズ 第二十二回なぜか昭和ニ十九年の LL 横田順彌 ー又千秋 大空翠 Ⅱ又千秋 自本〉石川喬司〈海外〉設水研 加藤喬川 ホールドアップ . ・ハーソン 「手を上げろ / 人問 真鍋博 4 192
リスン浅倉久志訳 呷殺意の惑星 酷な自然の支配するディス星をとらえた狂気の自殺行為とは ? 果してその真相は何か ? 定価四六〇円 3 アイサック・アシモフ小尾芙佐・浅倉久志訳 火星人の方法 の真髄を一貰して追求する科学者ライター、アシモフのカ作中篇をここに結集する ! 定価五三〇円 ストルガッキー兄弟深見弾訳 幽霊殺人 とある山荘に続発する怪事件ーーー幽霊の出現、被害者なき殺人、密告の手紙、そして : ・ ズ む ジェイムズ・プリッシュ岡部宏之訳 星屑のかなたへ 玄ス 銀河の渡り鳥クリス少年の成長を、叙情的な筆致でつづった《宇宙都市》シリーズ第四弾 ! 定価四二〇円 カレル・チャベック栗栖継訳 程シ、手山椒魚戦争 里 LL 南海の孤島で発見された人語を解する奇妙な山椒魚は、やがて全世界を席捲するのだった ! 定価六八〇円 の (J) ストルガッキー兄弟・他深見弾編・他訳 アトランティス創造 卑ワ 偉大な文豪たちをうんだロシアの風土が育くむ作品群の、最新の成果をここに結集 ! 定価六〇〇円 LL カ 近刊 ( 仮題 ) 果てしなき永劫 世界傑作選 閉ざされた世界 「マ ◆◆◆最新刊 ロジャー・ゼラスニイ小尾芙佐訳 ウォルハイム & カー団精二訳 ジェイムズ・ホワイト伊藤典夫訳 定価五〇〇円
S F の初 , むを伝える 冒ドとロマンの ハヤカワ文庫 SF 既刊ロ 8 点 最新刊 熊神の王国の剣士 ノーーウ・エノレ・ W ・ - ヾイ、ン Y 2 9 0 勇猛剛毅の剣士プレスター・ジョンが孤軍奮闘、熊神の王国を征服する爽・決譚 ! 燃える氷惑星 ダーノレトン & プラント Y 3 0 0 氷惑星に閉しこめられたグッキーたちの連命は ? ロ 7 ーグン・シリーズ第 17 弾 ! 魔島 ロフ・ソン ロホット皇帝の反乱 グリンネノレ 折れた魔剣 百万年後の世 ショノレス & ダーノレトン Y 3 3 0 0 0 Y 3 8 0 Y 2 9 0 異世界の門 ターサ、と失われた帝国 ファ - ーマ Y 3 0 0 法の月血闘 / ヾロウズ Y 3 0 0 Y 3 0 0 由商人ス。リンガー アンタ、一 - スン 超革命的中学 平井和正 ダ - ーノレトン & シェ・一ノレ ヒュプノの呪縛 団 超ミ、一タント当現 ! 2 8 0 マーノレ & ダーノレトン 人狼地獄篇 平井和正 惑星ソルの王女 、ンヨーーン′ス . 銀河のさすらいひと 〔 12 月刊行作品〕 ローー - マ Y 2 7 0 Y 2 4 0 Y 2 7 0 恐怖の宇宙王 出雲のマトタケル 豊田有恒 暗黒神のくちづけ ノレ 申と闘うソンカー 、ン・ヨノレス & 、ン 秘密スイ " , X 階層宇宙の創造者 ファー - ・ - マ Y 2 8 0 Y 3 0 0 Y 3 0 0 Y 2 5 0 Y 2 7 0 Y 2 9 0 Y 2 8 0 ネ申々の国 ( 仮題 ) クルト・マール ターサンの密林物語 ( 仮題ノヾロウス、 A 6 判 ( 文庫サイズ ) カラーロ絵・挿絵っき
今回は、ポルへスを、『・フロディーの報告書』を、読んでみる所ま 。 ( でや「てきた。もはや一切のことが書いてある。 集さて、最終回を書くのが、にもかかわらず楽しみだ。これから一 学体どうするのか、ということに、これらを落としこんでゆくのであ 、・た界る。 小さな物語が、割に先へ進んでゆける。ポルへスのようにではな いけれど、より速く進んでゆける。そんなものを我々は創るべき 。集集だ、と思った。 しかし、風邪をひくというのはイヤだなあ。今や記憶力とか、も のを考える気力なんかが ( 風邪のせいばかりじゃないけれど ) ヤフ ー人程度になってしまったみたいな気分だ。寝不足と、アルコール 不足にたたられている。 すこし枚数が余っちゃったので関係ないけど少し書くと、ちょっ と前に読み終えた筒井康隆の『ウィークエンド・シャッフル』 ( 新 潮社刊 ) は傑作だった。どういう訳か、今探してるのに見つからな と『・フロディ】の報告書』の〈まえがき〉に書いた彼、だからこそ いので詳細は是非あなたに読んでもらいたいけど、最近の筒井康隆 いっさいのことを忘れてしまったとしても、どんな風に宇宙と関わ の作品集のなかで、一番充実している、と思った。筒井康隆の小説 りあおうとも、結局は同じ『パベルの図書館』なのであろう。 は、これも悪習の一種で、知らず知らずになにもかも読んでしまう 長い年月、作者は二、三の主題にのみ心を奪われてきた。っ のだが、これだけ秀作がそろったのは珍しいのではないだろうか。 まり、作者はしごく退屈な人間なのである。 さて、いよいよ次回は、最終回である。もしこの連載を一度も読 とポルへスは続けている。 んだことのない人が居たら、最終回だけは視てぐださい。ひょっと さて、を愛する諸君よ、が教えてくれるものを復習して して、とても・ハ力なものを見つけることができるかもしれないし。 みてはくれないだろうか。最近、所謂ファンダムとのつきあいが全 ( つづく ) く途絶えてしまって、一体諸君が何をやっているのか ( いないの か ) 見当がっかないけれど、きっとそのへんの所というか、今日の 風邪ひきの僕みたいな気分なんじゃないのかな ? なんともう皆さんお忘れだろうが、本稿の第一回目で宣言したこ とと言えば、評論というのは、もうこれから何の役にも立たない、 役に立つ状況が消えてしまったのだから書いても仕方がない、とい うことだ・つた。そして、実際そのようにしてこわれてきた。そして
「他に方法はない」 急に、周りが静まりかえったように思えた。 「不可能だーーー」 時おり、氷の炸音が聞こえてくるだけで、今は風さえも凪いでい 6 「だから、ブリッジの船長に頼みこんで、クララ号を停船させたー ー対潜無人へリコプターは、広角度のカメラアイを備えつけている私は駆逐艦に眼をやった。 はずだ。クララ号が停まれば、必ず偵察にやってくる : : : 一〇〇メ ヘリコプターも爆撃を中止していた。なにかクララ号をうかがっ 1 トルまで接近してくれれば、可能性はありますよ」 ているような感じで、空を旋回している。 可能性がある ? 私は言った。 捕鯨砲でヘリコプターを撃ち落とそうという作戦に、どんな可能 「偵察に来るだろうか ? 」 性があるというのか。 峰は応えた。 だが、私たちが会話をしている間にも、ノルウェー人の船員は、 「テイム船長が、降伏すると打電したはずですーー奴らにしてみれ 黙々と捕鯨砲をセットしていた。鋳鋼鍛造の銛を片手で砲座に支えば、一〇〇パーセントはとても信じないでしよう。まず、ヘリコ。フ て、内部の空洞に火薬をつめる。中心部のリングワイヤーを滑らせターに偵察させるのが、自然じゃないですか ? 」 て、捕鯨綱を通す。ゆっくりとやっているように見えるが、仕事の 沈黙ーーー 手順によどみがなく、総てセットし終わるのに五分とかからなかっ 私は祈るような気持ちで、ヘリコプターの動きを凝視した。 ヘリコプターは旋回を続けていて、こちらに飛んで来そうな気配 レディ も見せない。 ノルフェー人の船員は、髭面をほころばせて言った。 私たちは待った。 「本当は中間綱を結ばなければいかんのだが : : : ヘリコ。フターが食五分、十分・ : べられるわけじゃないしなーーー要は、銛がまっすぐ飛んでいけばい 「どうした ? 」 いんだろう ? 」 耐えかねたように、峰がつぶやいた。 「なぜやって来ない ? 」 とうなずいて、峰は捕鯨砲のつまみを握って、両足を開いた。 そう、なぜやって来ないのだろう ? 本気でやるつもりらしかった。 こちらの動きを怪しんでいるのか。 考えてみれば、このまま手をこまねいて駆逐艦に追いつめられる いや、それより心配なのは、ヘリコプターが浮氷爆砕作業を再開 のを待つより、それがどんな荒唐無稽な手段に見えようと、少しでして、駆逐艦が前進を始めはしないか、ということだ。そんなこと になったら、峰の計画は、逆にクララ号の破減を早めることにな も救かる可能性があるものなら、試してみるべきであった。 こ 0