探偵小説 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1975年3月号
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1. SFマガジン 1975年3月号

, 年」のは相手にしないようなものばかりを取り上げていた。そ 探偵小れは大別して、探偵小説の系列とユーモア小説の系列と 説が純に分けることができた。 ( 中略 ) 然たる この″探偵小説〃を、イコール推理小説とだけ理解し ) ~ ~ 携箋をー ( ア第鄰減を・ ( 第を ( ・「 ~ 、第翻訳でてもら 0 ては困る。当時の探偵小説という言葉は、今日 、ーま′ , ( ( ( 、寔を、あった いう推理小説のほかに、犯罪小説、怪奇小説、恐柿小 、、こと説、幻想小説、冒険小説、サスペンス小説、スリラー、 冢に第第も、心はては空想科学小説などをも含み、要するに他雑誌では ある読相手にしてくれなかったような異端の文学のすべてを一 、挙第 ( ( ( ( 者達の括する呼称だったのである。だから、今日言う怪奇・幻 間に、想・恐怖の小説や物語は、すべて″探偵小説″の中に含 意外のめられていた。 ( 日本怪奇文学の系譜大内茂男 ) 信頼を かち得たのではないかと考えられる。 ( 「日本探偵小説傑〈新青年〉は、戦前における探偵小説のメッカだった。 作集」序森下雨村 ) 探偵小説といっても、きわめて広義のもので、さまざま な傾向の作品が同誌には同居していたが、甲賀三郎はそ : 学 と雨村は後に述懐している。これだけみると実物を見れを「本格」と「変格」に分類した。論理的な謎解きを たことのない読者は「新青年」という雑誌は推理小説誌主眼にしたものを「本格」、それ以外のものを「変格」 盟た であって、とはあまり関係なさそうに思われるかもと呼んだわけである。はその「変格探偵小説」の一 知れない。ところが、これが大変にと関係が深いの部として、同誌を母胎に揺籃期を過ごした。以前 表 】発 石川喬司 ) - - 果 当時の「新青年」は、今では推理小説専門誌として懐もう少し具体的な例を示すものとして、世界全集 - - ス号 かしがられているようだが、なかなかどうして、そんな第三十四巻「日本の ( 短篇集 ) 古典篇」 ( 早川書房 ン 9 単純な性格のものではなかった。今で言えば、「小説推刊 ) を見ることにしよう。この巻には昭和前期 ( 一九二 コ年 ii 説 3 理」「ミステリマガジン」「マガジン」「幻想と怪五 ~ 四七年 ) に発表されたふう短篇が集められてい 昭奇」「芸術倶楽部」「宝石」それに「宝島」を足して七るが、第一部に収録された二十一作家二十七篇のうち約 ・回で割ったような、ずば抜けて面白い性格の雑誌であっ半数の十三篇が「新青年」から採録されている。この事 ~ 一第和た。創作も翻訳も、もつばら他の文芸雑誌や娯楽雑誌で実からも「新青年」がに対してどれほど好意的であ : 0 こ

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った。しかし、 米戦争で日本が勝利した世界を描いた、ランドルフ ~ 月 ・ロ・ハニ作「さかさまの世界」 ( 昭和二十七年、筑摩書 雨村が引き継いだ時期では将来性がなく行き詰まって 房 ) を紹介するだろうと思った人は大はずれなのだ。ど いた。気の進まない雨村に対して、おもしろくなければ うだ、まいったかー 改題するなり、新規の雑誌にするなり任せるというの で、一年ほど辛抱することにした。 ( 「新青年」三十年史 囹「新青年」のに果した役割 中島河太郎 ) - - 期 さて、今回は前回で予告したように、第二十一回の続 と、こんな事情で「新青年」は大正九年一月、森下雨 きとして大正時代のにもどることにしよう。 大正時代にに好意的だった雑誌として「新青年ー村を編集人として誕生した。 と「科学画報」があったことは第二十一回にもちょっと ( 雑誌の ) 内容は、都会の青年よりも寧ろ地方の青年読 触れたが、今回はこの二誌との関係などを追ってい こう。 者層の開拓を目ざしたもので、編集者自身としてもあま ″日本界の祖″と呼ばれる押川春浪の主筆、編集でり気乗りのしない、というよりも、その頃としてもいさ 創刊された武侠冒険雑誌「冒険世界」 ( 明治四十一年四さかピントの外れた編集振りであった。が、その中でた 月創刊、博文館発行 ) は、明治四十四年に春浪が「武侠だ一つ青年読者にとって、所謂『健実』で、『目新しい』 世界」興味本位の読物として選んだ翻訳探偵小説が、幸い若い に去っ読者達の歓迎をうけ、一方真摯な寄稿家諸君の支持を 〕た後、得、号を追うてその方面に多くのページを割くようにな 阿部天 り、当初は気乗り薄だった編集当事者もそこにようやく キ風らに活路を見出したというのが真実である。 よって探偵小説が若い読者の興味をそそったのは、探偵小説 、 0 ~ 第当み引き継そのものの魅力によるはもちろんであるが、一つは大衆 、も、がれ大文学刷新の烽火が将に上らんとして、心ある新聞編集者 。。鞏 ~ ~ 暑 ~ 、正八年はそろそろ講談読物をその紙面から駆逐しようと考えて ~ には森いた当時である。何の変哲も刺激もない在来の小説読物 下雨村類に少なからぬ惓怠を感じていた一般読者、特に若い読 「・ ~ 、、、 0 〔 ~ 一医強第竃 ~ ぼ、、が編集者層が智的要素を多分にも 0 た猟奇文学に惹き 0 けられ たことは余りにも当然だったのである。それに「新青 人とな 9 :

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、密接な関係を有していたかおわかりいただけるだろ 一集 囹「科学画報」と科学小説コンテスト 昭和に入ってからは海野十三、蘭郁二郎といった作家「新青年」創刊の二年後の、大正十一年 ( 一九二二年 ) : 作達もこの雜誌を中心に活躍することになるので、「新青には、原田三夫氏の編集によって誠文堂新光社から「科 年ーの創刊は、推理小説のみならず史的にもかなり 学画報」が創刊された。『私は宇宙飛行の実際問題の勉 大きな事件であると言えるだろう。 ( 概説日本史強が手にあまり、には全くごぶさたしているが、三 島本光昭 ) 十年ほど前にはやろうかと思ったことがある。「科学画 報」をはじめたころ、故海野十三さんに一緒にやろうと : 学 いわれ、アメリカからゲルンス・ハックのアメージングを というわけで、一般には推理小説誌の先駆として知ら を毎号とりよせたりしたが、語学の力が不足 れている「新青年」の創刊およびその発展は、日本ストーリー 史上でも大正時代最大のできごとであった。 ( これが後で読みこなすことができず、断念した。そしてその雑誌 ミステリイファンの人びとの " 変格ミステリ を全部、中学同級の親友であった小酒井不木にやってし イ″説の根拠となるわけだが、「新青年」および以後のまった』 探偵雑誌は、たまたま独自の舞台を持たないに誌面 ( 原田三夫「科学と寄蹟」宇宙塵七一号 ) を提供してくれただけであり、・ほくとしては、やはり 「科学画報」は、こういった文章からも想像されるよう に早くからに意欲的で多くの作品を掲載し、時 〉ステリ には特集などさえも行なう程だった。 ( 概説日本 ( プイは別史 ) ~ 一一分野の そして、昭和二年秋の十一月増刊「日本の科学号」 磊「 ( あるこで、この雑誌は「探偵趣味に堕しない純科学的な物で而 二一とを主も文芸味ゆたかな革命的創作を求む : : : 」として、おそ 張したらく日本史上最初と思われる「懸賞科学小説」を募 集している。 ( つい最近、明治時代に「科学小説」の懸 賞募集が行なわれていた、という話を小耳にはさんだが 未確認 ) このコンテストの発表は、昭和三年一月号誌上。たい

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近代文明は或意味に於て科学文明といふも過言ではあ回目には石原純、菊池寛、佐藤春夫と応募するのがこわ りません。而して総ての生活が文芸の対照であり得る以くなるような名前が並んだ。 上科学を対照とする文芸の成り立ち得ない理由はありま結果は同年九月号に発表されたがあまり。 ( ッとせす、 こ題するものゝみを以て科学今回も第一回に続いて一等当選作がなかったばかりか、 せん。探偵小説や冒険小説冫 二等もなく、 小説の全部なるが如く解釈してゐる時代は過ぎました。 小関茂 - - 呼我等は科学小説は科学小説として独自の天地ある事を確三等当選物質と生命 信するものであります。と同時にもう今日の我国にも本四等当選イサべラの昇天那珂良一一 五等当選・ハチルスは語る阿部彦太郎 当の科学小説らしい科学小説の出ても好い時代と存じま どす。之れに多年科学思想の普及の急先鋒となり努力しの三作が「懸賞当選科学小説」として掲載された。だ 来たる我社が、百尺竿頭更に一歩を進めて、科学を中心が、ここでそれ以上に興味深いのは、おそらく予想以上 “よス とする新文芸運動に着手する事となった次第でありまにコンテストの結果が悪かったための苦肉の策の編集と 誌カ 」ルす。之れ蓋し科学の真の理解は、文芸の極致と一致する思われるが「傑作科学小説」と題した純文学系作家の四 ムタ しささか信し ものある事を確信するがためであります。幸ひ我等微意作品が同時掲載されたことだ。そこには、、 「ス のある処を御諒承くだされ、奮って御応募あらん事を御られないような顔ぶれがそろっている。 中河与一 願ひ致します。 数式の這入った恋愛 博士の貝殻状宇宙に就て稲垣足穂 伊藤整 ー第ー , 〕、・ 0 「・・・、を第 4 第扉 . 、 = 《物、爰を・第・物・、そし潜在意識の軌道 竜胆寺雄 》み第夥て、第軽気球で昇天 これが文芸誌ではなくて、ポ。ヒュラーサイエンス誌の をを」窰會「回の 、・戛ンテ特集というのだからおどろきだ。このうち伊藤整「潜在 梁表〉、 ~ ( 「登 ~ 物 0 ( 一】スト、の意識の軌道」は「日本の ( 短篇集 ) 古典篇、に収録 いと思うが、いずれの作 、鳬・第ね ~ 一い時は審されているので一読されるとい , 4 薹審 ~ 事種第 ~ ( 《 (. 査員も品も同誌の狙う " 科学を中心とする新文芸運動。を意識 下第物電 ) をまーはっきしすぎたせいか、小説としてはともかく、としての りして完成度はあまり高くないようだ。 し子 / 、刀 ともあれ、結果は別にして、日本自体がまったく ったのそのジャンルを確立していなかったこの時期に、まがり が、こなりにも、に対するひとつの定義を作りだそうと の第一一し、新人作家を発掘しようとした「科学画報」の功

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やがて、にはミステリイ誌系のものと通俗科学解 3 第ゞ、ー第響定義づ説誌系のものと二つの系列が現われるが、その源は大正 、けなどのこの時期に始まったと言えよう。 ( 概説日本史 ) ず、囹大正版「火星シリーズ」ほか 作品に第二十一回と合わせてここまで、大正時代の日本 なま第 ~ ー物を第 自由にの流れについて、細部を除いてひと通り見てきた。残り 門戸をベージは、そのほか大正時代のに関するもので、目 開放しについたものをいくつか拾ってみることにしよう。 、せおをた「新そこで、まず最初に紹介しなければならないのが、あ 、・縁 0 い - 、 ~ 第な青年」の・・・ ( ロウズの「火星シリーズ」大正版のこと とはまた。「火星シリーズ」が大正時代にすでに日本で翻訳さ 史関係の資 た別の意味で高く評価しておかなければならないだろれていたことはあまり知られていない。 料でも、さいさんばくが引用させていただいている島本 二回のコンテストに入選した新人作家の名は、その後光昭氏の「概説日本史」の中に、 育成を目ざした同誌の意図に反していずれも消えてしま ・ライス・、ハロウズの「火星 うが、ばくの知る範囲では那珂良二のみが後にゾロ作家大正の終りにはエドガー として活躍していたようで、昭和十九年の「成層圏要シリーズ」がはじめて日本に紹介された。現物を見てい ないので詳しいことは何とも言えないが、今日泊亜蘭氏 塞」ほか数冊の著書を残している。 の「科学小説の系図」によれば、『一部が大正の末、研 ン オ 大正十三年には、「科学画報」の兄弟雑誌として、青究社の「中学生」に翻訳、連載された』のだそうである。 少年向きの科学解説雑誌「子供の科学」が創刊された。 のビ ii 星ス この年、「子供の科学」には小酒井不木の小年科学探偵という一文を見るくらいで、これについての資料は、 これまでほとんど見当らなかった。ところが、昨年の七 女小説「紅色ダイヤ」が掲載された。恐らくこれは、同誌 りの に掲載された的小説の最初のものであろう。以後同月のこと、この幻の火星シリ 1 ズの一部がファン出版で よ貌 = 誌美誌には、松山思水「天魔来襲」。海野十三「海底大陸」復刻されたのだ。この復刻版が載ったのは T べム」第一 ~ ム人 など、多くの少年向が掲載されて、その傾向は戦後一号。 ( このページの第十六回の資料を提供してくださ = べ色 った名古屋在住の研究家、岡田正哉氏の個人研究 : 「赤にも及んでいる。 : : : 202 , :

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「どうしてそんなことを : : : 」 「多分、君らから直接地球の情報を収集するためたろうな」 「俺をここへ呼び寄せるためさ。彼らは単に俺の書いた小説を問題私が口をはさむと、大野は顔を赤くした。 にしているのであって、君らは道具にすぎない。あの小説と全く同「スパイですかー じ経験をしたと思い込まされて : : : 」 「まあそんなところだ」 「絶対そんなことはありません」 「冗談じゃない」 大野が言った。しかし飯田は、 「でもそれなら話の筋が合う。君らは地球に送り帰され、知らない 「そうか、むずかしい問題だな」 うちに連中へ情報を送っていた。ところがそのうち、俺の小説を知 と考え込んだ。 った。それは君らの経験に酷似したストーリーだった。その情報も 「おい飯田。お前、あれを信じられないのか。俺た - ちはたしかに亜連中へ送られた。連中は俺を調べる必要を感じて、君らをもう一度 空間要塞へ行った・せ」 使うことにした。どうだい、筋が通るだろう」 大野がなじるように言う。 大野は憮然とした顔になった。 「そうあせるな。飯田だ 0 てあれを幻覚だったなんて思ってやしな「で、連中はあなたに何をしたんです」 いさ。でも、たしかにむずかしい問題がある」 ほかの二人もテープルへ集まり、焼けた鉄板に肉や貝が並んで音 「何がむすかしいんだ」 をたてはじめた。 大野は加藤を見た。 「ワインをあけろよ」 「俺たちは自力で脱出したと思っていたけれど、そうじゃないかも私は催促し、ウイスキーの残りを呻った。グラスと皿と箸が配ら 知れないということさ。だって、現に宇宙人が俺たちの体に乗りうれる。 つったそうじゃないか。だとすると、奴らは俺たちが今日ここにい 「わけのわからないことを言いやがった」 ることを知っていたわけだろう。しかも、あの小説の作者を連れて 三人は私をみつめた。 来ていることも知っていたんだ」 「なぜ俺が亜空間要塞の実態を、自分のオリジナルなイメージとし 飯田も加藤に同意した。 てひねり出し、小説に書いてしまったか、そこのところをはっきり 「そうだよ。俺たちはまだ連中とつながっているらしい。とするさせるために、俺の過去を追跡するんだとぬかしやがった」 と、連中は俺たちをわざと逃がしたことになる」 「過去を追跡 : : : おかしな表現ですね」 「なんのために」 飯田は判りがよか ? た。 「知らないよ」 「タイムマシンでも使うつもりですかね」 飯田は肩をすくめた。 加藤が言う。 9

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私は家に背を向けてつぶやいた。 除をします」 「小説なんてみんな嘘じゃないか。人物の名前からして嘘だ。作者 飯田は如才ない態度で言い、三人は私を外へ残して中へ入ると、 すぐに・ハタ・ハタとありったけの戸や窓をあけはじめた。言われたとが勝手に付けるんじゃないか。なんだい、それをもっともらしく、 おり車のそばでそれを見ていると、やがて電気掃除機の音がしはじ真実だの写生だのって : : : そっくりそのまま写生してみろってん だ。そんなつまらねえものを誰が読んでくれる」 めたので、私は建物の外をまわって海側へ行った。 私はうんざりした気分で芝生の庭を眺めた。芝はだいぶ伸びてし「あんまり歩きまわらないでくださいよ」 まっていたが、それでもあの作品に書いたのと同じように、崖の手 加藤の声だった。 前の松林まで、ずっとひろがっていた。ただし池はない。 「純文学なんて、どこが純なんだかね。判んねえなあ。だいたい、 「池はどうした。ないじゃないか」 芸術なんてのは人に売るもんじゃねえだろうに。芸術のつもりで小 自分の作品どおりでないのをとがめるように、私は家の中へ声を説書くんなら、二十字一行の原稿用紙なんか使ってくれるなってん かけた。 だよ。二百字づめ四百字づめ : : : あれは文字をはかる桝じゃねえ 「ええ、ないんです」 か。一枚いくらで売っといて芸術もねえもんだ」 二階の窓から加藤が顔を出して詫びるように答える。 なんだか知らないが、私はやたらに腹が立っていた。 「畜生 : : : 」 「戻って来てください。そのへんに例の小さな亜空間があるんです 私はロの中でそう言い、顔だけは笑いを浮べて加藤に軽く手をあから」 げた。 私はギクリと足をとめ、あわてて家のそばへ引っ返した。 冗談じゃない。現実がそう完璧に小説どおりであってたまるか。 「本気かい」 「現実そっくりに書こうとしてもどこかに嘘が入って来ちまうん「本気 : : : ええ。だって本当に例の楕円形の妙な空間があるんで だ。それが小説だよ」 「え : : : 何か言いましたか」 私はため息をついて庭を振り返った。そよ風が吹いて、松の林が 電気掃除機の音の中で、加藤がまた二階から言った。 おだやかな陽の光の中にあった。 「なんでもない」 「やれやれ。とんでもないことになったもんだな」 私はつつけんどんに答えて芝生の上を松林へ向かった。 「まったくです」 「いったい、小説で人生を学ぼうなんて、誰が言い出したことなん大ざっぱな掃除がすんたらしく、三人は私のほうへ集まって来 だ。小説で人生を学ばなければならないような奴は、さっさと死んた。 じまうがいいんだ」 9

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テリ〉〈ミステリ風〉〈ミ 謎とき小説における新しい認識、における新 ステリ〉 ( 最後のやつは、ミステ しい認識、つまりセンス・オヴ・ワンダー。今回は、 リともともいえないやつ。良 この二つの関係について書こうと思ったのだが。 くいえば、 (f) とミステリの両方 再びメモを見てみると、十二月二十日に翻訳家の の長所をそなえたものだし、悪く さんから電話があったことがわかる。もともとミ いえば、どちらから見ても、つま ステリ・ファンあがりのさんは、推理小説と らない作品 ) の三つに分けてみた の論理は違うという御意見だった。 場合、この "A Stretch 望 The 友人との会話のメモもある。彼によれば、の lmagination" が〈風ミステ 論理とは、ハル・クレメントのいわば″理科小説″ リ〉に入ることは、まず間違いあ に見られるものとは違うのである、という。 るまい。 僕も同感だが、ではの論理とは何かというと それはそれでいし 答えられない。 ()n 雑誌にミステリの紹介をの 実はかぜをひいていて、考えを煮つめることがで せても、それによってとミス きないほど熱があるのだ。で、結論らしきものが頭 テリの論理の違いがわかってもら にうかんだので、ここに示しておく。論証は別の機 えればいいのだから。問題は、僕 会に。 に、その違いがわかっていないこ における論理とは、作者が自分の小説世界を となのである。 構築するための基礎となるものである。 問題を整理してみよう。前回、僕は、のセン解を恐れずに言えば純粋なーーこれの定義もむこれが本当かどうかは、熱のさめた頭で考えなお ス・オヴ・ワンダーとは何だろうかと考えてみた。ずかしいがーー・ではないように思えるのだ ) 、もちさなければいけないが、これで、いわば僕の観 僕にとってのそれは、イメージや絵であり、新しいろん、謎とき推理小説にもある。そして、謎とき小といった基本的な部分ーーっまり自己紹介を終わ 認識である、ということがわかった。 説で、前半なにげなく張られていた伏線が、後半、り、次回から、こんな僕が自分なりの基準で選んだ そして、次の話題としてとりあげたのが、〈謎〉犯人指摘の大きな手がかりになる部分で僕はセンス中短篇をどしどし紹介していくつもりである。 の問題である。謎をとく面白さというものは、純粋・オヴ・ワンダーを感じる、と前回に書いた。つますでに資料の収集もすすんでいるが、例によって、 なにもあるし ( 僕はここで、アシモフのロポッり、一見無意味なものに大きな意味があったといお手紙をくだされば、幸いです。 トもののことを言っているのではない。あれは、誤う、新しい認識を感じるのだ。 0 0 0 0 0 A CASE 0 日 0 [ NT 灯 Y RANOALL GARRETT ランドル・ギャレットの『魔術師が多すぎる が載ったアナログ誌 6 0 0 引スキャナ ー 25

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誌 ) アートページ三〇ページにイラスト主体に復刻され「火星の神々」が連載される旨が予告されています。引 カ ている立派なものだ。同人誌であるためのファンき文句が面白いので写してみましよう。 の目に触れる機会も少ないだろうから、イラスト数葉を「猿人ターザン」の連巻小説と活動映画で世界を唸らせ ジ 転載させていただき、原本提供者野晒悟氏の解説「鳴呼た・ハローズが遙かに空想を恣まにした火星小説 ! . ・り姫懐古火星の神神」から説明文を引用して紹介させてい花の如き小星の王女を妻とする地球の怪男児が如何に不 ただくことにする。古典に興味を持っていない人可思議の世界に於て活躍するか見給へ、第一回はアリゾ 誌ビ 一一」スも、このイラストだけは見ておくほうがいい。伝え聞くナの険崖より、彼の血紅色の火星〈リ ( 原文のまま ) ところによればあの火星シリ 1 ズプームを招いた張本 ( 中略 ) こうして″神秘小説火星の神々″は、翌年の大 人、宇宙大元師の野田昌宏大人ですら、このイラストの正十二年一月号より、本多秀彦という人の訳により連載 デジャ 1 ソリスを見て感涙にむせんだというほどだ。 されはじめます。 ( 中略 ) なかなか要領よく訳してあり ( この部分、未確認情報 ) ます。さわりの部分を少し写してみましよう。 暫くは、もの凄い叫と、跪躍との混乱の中で、びかり シリーズと言いましてびかりと雷光のような一本の長剣が閃いていた。樹人の も邦訳されたのは一巻の足が飛び、手が千切れ、首がごろごろ転る。どさんどさ み、シリーズ中二巻目んと倒れる。併し緑人は、武士一人を残すばかりとなっ にあたる "THE GODS た。そして漸く血路が開けたと見るや、彼は、ひらりと OF MARS" で「中学身を躱し、絶壁の下の茂みを目がけて走り始めた。 生」という 雑誌に″神秘 ( 中略 ) 連載は一回につき、だいたい八、九ページ池内 小説火星の神々″という愚美のイラストが毎回二つ程入っています。池内愚美 題で大正十二年一月からは、本名伊丹万作、後の映画の巨匠です。作家伊丹十三 一年八ヶ月に渡り、つごの父親で〕故人。 ( 中略 ) 当時の読者の反響ですが、 ( 中 、 , う十八回連載されまし略 ) 「火星の神々 ! 」なんて痛快な文字でせう、私は本 た。 ( 中略 ) 大正十一年誌が私の机の上に載せられる時、私は直ぐ此の名を思い 十二月に″ちっと許りの出します。実際、血わき肉おどると言ふのは、此の事で = ( ( 《愿単新年特別号予告。というせう、私はヂョンカーターの名はいつまでも忘られませ 。ヘージがあります。そのん。 中に連載一一小説と題し、 ( 大正十一一年七月号読者欄より ) べープルースの自伝小説こういう投書を見ると、こっちまでうれしくなってく し・ ( 第「金色のパ ' ト」と共にるから不思議なものです。特にイサスが登場してからは :. 203 :

10. SFマガジン 1975年3月号

も、はいってないものまで出てくるわけないので 国「流星王子」『ロック昌 【お譲りします】 次す ( もし出てきたらだ ) 。 加田伶太郎全集、「月は険記」「スリル博士」①② あ、一月号の『夢の言葉』のわかる部分に「 無慈悲な夜の女王」「軍靴「小説怪獣ゴジラ」「月光 ファンなんて差別語は割と早目になくなるであ の響き』「家畜人テープー」仮面」を適価で。または、 で係 ろう」とありましたね。うれしいなア。それだ「ポオ小説全集』④文庫版私の『グ「大使」①② れと ー大平記」等手塚・ け好き ( 差別語は使わない ) がふえてくれる『日本ア。ハッチ族」シナリ んだから。僕のクラスでを読んでるのは僕オ「メトロポリス」を適価作品、その他まんが小説数 書ねだけなのですよ。今まで一人寂しく孤閨を守 0 てで。送料要。往復葉書で連百種と交換可。往復葉書で 一の宮の 5 星野薫 ) 今出川新町東入ルモナコ ・センター内泉清 ) 「処女惑星』「銀河パト ロール隊』」銀河帝国の興■「入門』「日本 投封宛参教授にはできるなら女の人で 亡」②「エスパイ』「地球シリーズ」できれば揃い できるなら美人で 0 年」「砂の惑星』①、交。、で。いずれも初版、美本希 できるなら平井和正のファンで 換可。往復葉書で連絡を。望 ( 観川口市芝 4917 できるなら古今のに通じた人を ( 繝北九州市小倉博区中っ秋元勝 ) 謹啓、愛読者先輩の方々。おそらくこの 「虎は目覚める」「美女 手紙でおん目を汚される方々の・ 4 % 以上は僕お願いしますーーー無理かな、やつばし : : : 僕とし曾根岸本潤田尚次 ) より先輩でありましよう。すなわち購読のては殿方でも一向にかまわないのですが、できる、、恐怖とわの青い影』「 = スパーお蘭』 なら : ・やつば : : ・・あー未練未練、ポカリ ( 頭をた怪奇、寄想天外その他「デス ( ンター』全巻、 決心をかためてからの僕のもっは五冊ポッ 推理恐怖アクションを三百す年 2 月号を適価で。 たいた ) キリしかないのです。 葉書で連絡を。 ( 明石市 冊半値位で。リスト有。 ですから、あの僕としては : ・ : ・ ( どうやって結 かような新米ですから、この投稿が『てれぽー ( 紹大阪市東淀川区山口町西明石南町 2 の 9 の入 ・ほう ) ・ : えーとえーと、その : ・・ : とにかくよろし と』にポツになってもけっして後悔したりしない 期の 9 松岡茂雄 ) っ江貴子 ) くお願いしまアす ! ( 強引に終わっちゃった ) ■手塚「ロック昌険記」①『虎空の遺産」「天界の ( ような心境になりたいな ) と思います。 ② ( ①の愛蔵版もあり ) と王」「フェッセンデンの宇 しかし、しばしばあるように新米ほど情熱が強 ( 福岡市西区七限松山団地矚馬場伸一 ) 「ひょうたん駒子』石森宙」「英雄群像』世界 に熱を上げております。どんどん上げておりま僕は来春文学部を受けようとしているひとりの『幽船』を適価で。往復す全集第Ⅱ巻、「ター す。おとつい体温を測 0 たら = 一九度一一分ありまし受験生です。もし合格できたら自分なりにに葉書で連絡を。 ( 繝岐阜市・キ , グ」『ター・キ , た。冗談じゃありません。を読まんがためついてとことん研究してみようと思っています。 ト・号を適 渡辺孝也 ) ところで、こんな僕が昔 ( と言っても四、五年 価で。美本希望。葉書で連 の夜更しがたたったのか、受験勉強のやりすぎな 【お譲りください】 のか ( この可能性薄いです ) ひどい風邪をひいて前 ) から考え続けていることがひとつあります。 困「イシタルの船」「高絡を。 ( 千葉県旭市鎌 しまったのです。一応おさまりましたけど鼻風邪それはと文学との問題なのです。 い城の男』一冊につき千数 10520 宇井忠夫 ) 闘広島県呉国萩尾望都「あそび玉」 になっちゃって、今もチーンしたそのすぐあとに友人からそんなことを考えるのはナンセンスだ円。送料別 ( - だら ~ と何やら出てくるのです。しまいにや鼻のと幾度か指摘され、自分でも何も考えずに楽しめ市広町横路 2025 平岡 ( 少女雑誌に掲載されたも の ) を高価でも。 ( 脂長崎 方脇本英之 ) るところにの良さがあるんじゃないかと思お 頭がすり切れるんじゃないんでしようか。 ー『電人アロー」① ~ ⑤か県下県郡厳原町久田道ー 6 話がそれましたが、って面白いですね。うとしたこともあるのですが、結局のところそれ『鉄腕アトム』全巻のいずー 8 久富美智 ) わかんないのもあるけど。そう、「夢の言葉・言は僕を完全な納得には至らしめなかったようでれかを適価で。 ( 山口■「火の鳥』全巻を適価で 葉の夢」なんか。き 0 と僕には程度が高すぎるんす。も他の小説同様文字によ 0 て著わされ、県豊浦郡豊北町北宇賀上畑 ( 弸長野県北佐久郡望月 9 町望月に柴平昇 ) 安成智 ) でしよう。中三程度の脳みそをいっかな絞って書物によって広められるのですから、これと文学