と執政官。少々がっかりとしている。 くれないと、歓迎の儀式もできないと言ってですってね。素晴らしいことですわ」 ただしその謙虚な言葉も、宣教師の目には 「いや、そういうわけではないんです」 います」 俺は仕方なく言った。 俺の言葉を聞くなり、執政官はさっさと服悩まし気なストリップ・ダンスとしか映らな 。宣教師は思わず後退りしながら、 「我々の方に多少問題があって、近づこうにを脱ぎだした。宣教師もしぶしぶ見習う。 「その前に服を着る習慣をつけていただきた も近づけないでいるんです」 「し、しかし・、アダムとイヴの故事に い ! 」 「それでは・、彼らに害意のないところならって、いちじくの葉一枚程度はかんべん とわめいた。俺がその言葉を伝えると、住 を伝えてやってくれ」 してもらえぬものでしようか」 執政官の命令である、逆らうことはできな「残念ながらオーム師。そこはつまり民たちは口々に悲鳴をあげた。 い。俺はしぶしぶ前に出て、それからいきな、 ZO を意志表一小するための大切な部分で「そんな卑猥なことを ! 神さまは私どもに り服を脱ぎはじめた。 してーーーですからこの星では、そこを隠すとそのような過酷な試練をお与えになるのです か ! 」 「・、気でも狂ったのか ! 」 いうことは本心を隠すということーーーっまり 「いたって正気ですよ」 二心ありと見なされるわけです。ついうつか住民たちに、足といわず手といわずからみ 俺はぶつきら棒に答えた。 りと隠したために殺されそうになった執政官つかれ、胸をすり寄せられ、宣教師は失神寸 前である。彼は顔を真赤にし、体を硬直させ 「ここの住民は音声言語を使わないんです。もいます。気をつけてください」 ついに現地語で叫んだ。 つまり俗に言うボディ・トークというやつで「ーーー難儀なことです」 「神の御心のままに ! 」 してね」 宣教師はぶつぶっと祈りはじめた。 俺は最後の一枚をも取り去り、生まれたま俺たち三人が素裸になったのを見届けると 応募規定 まのかっこうになった。それから腰をくねら住民たちがワッと集まってきた。体をすり寄 臨応募資格一切制限なし。ただし、作 せたり、足を上げ下げしたりして : : : 汗だくせんばかりにして歓迎してくれる。 品は商業誌に未発表の創作に限りま になって通訳をはじめた。 中の一人の女が、とくに積極的に執政官に す。 執政官や宣教師が目を丸くして俺の狂態をからみついてくる。執政官は嬉しさを隠しき 住枚数四百字詰原稿用紙八枚。必すタ 見つめている。そりゃあそうだ、俺だって、れぬ様子。浮き浮きと俺に尋ねた。 テ書きのこと。 題原稿に住所・電話番号・氏名・年齢・ まさかこの年になってストリップを踊ること「・、彼女は何と言っているのかね」 職業を明記し、封筒に「リーダーズ になろうとは、夢にも思わなかったんだか「地球と同じですよ。握手したいそうです」 ストーリイ応募」と朱筆の上、郵 いいとも」 「おお、いいとも 送のこと ( 宛先は奥付参照 ) 。・ヘン しばらく通訳をし続けていると、向こうの執政官は彼女の手をとって、そそくさと茂 ネームの場合も本名を併記してくだ 茂みから若い女が姿を現わした。むろん俺とみへと消える。その後を数人の女が追う。き さい。なお、応募原稿は一切返却し っと握手・せめに会うに違いない。歴代の執政 同じ素裸だ。執政官がごくっとつばを飲む。 ません。 ーワークにならなければい 官のようにオー・ハ 女は胸をゆすり、悩ましく腰を振った。 盟賞品金一封 「お、おい、・、彼女は何と言っているいのだが : ・ 目掲載作品の版権および隣接権は早川書 別の女が宣教師にすり寄っている。 んだ」 房に帰属いたします。 「ーー↓一」のワイセッな布地を早く取り去って「あなた様が神の御言葉を教えてくださるの 5 9
俺は < 級通訳の e ・、自分では仕事熱心の顔を見るなり、気の毒そうに、 に、俺は二人を星へと伴った。 なほうと思っている。この星に配属されてか「・、気を落とすなよ」 「この星は、どんなだね」 ら五年たつ。最近は少々・ハテ気味。なにしろ と言う。俺は嫌な予感がした。 と執政官ウエルダン。 仕事はハ ードだし、神経の休まる時がない。 ゲストル】ムに案内され、一歩踏み込んだ「ほ・ほ地球型です。気候はちょうど亜熱帯と これが級通訳なら、自動翻訳機にプログ途端、俺は思わず棒立ちになった。助平った いうところ : ・・ : 」 ラミングしてしまえば、あとはコン。ヒ、ータらしい口ひげをたくわえた中年男ーーたぶん「ああ、いや、そんなことはどうでもよろし ーまかせですむ。ところが < 級ともなれば、新任の執政官だろう、これは仕方がないとし キミ、女だよ、いい娘はいるかね」 あくまでも現場で、微妙な = = アンスまで伝ても、もう一人のほうは、どう見ても宣教師「まあ十人並みですがね」 えるのが仕事。それだけに求められれば、たである。 俺は慎重に答えた。 とえアンドロメダの果てだろうが、出張しな ャング長官が紹介の労をとる。 ただし人口比に多少偏りがあります。 ければならない。であるから << 級はつねに、 「こちら執政官ウエルダン氏。そして宣教師男一に対して女五。男の生存率がやや低いも パイロット並みの訓練を必要とする。 のオーム師 : : : 」 のですから」 俺も級であるからには、体には自信があ ゲストルームを出るなり、俺はヤング長官「フムフム、女護が島か : : : 」 る。だがこの星での仕事はハード過ぎる。早に噛みついた。 執政官はすでに、心ここにあらずといった いところ休暇でも取ってーーーたとえば故郷の 「いったい地球政府は何を考えているんだ。様子。オーム師はそんな執政官を、軽蔑しき 地球へでも帰って静養しないと、そのうちダ宣教師だと、馬鹿な ! 」 った目で見つめている。 ウンしてしまうに違いない。 「あいつらは現場からの報告書など、まとも 「やれやれ前途多難だア」 俺が配属されていた五年間に、執政官 ( 地に目を通しやしないのさ」 俺はため息をついた。 球政府の全権委任官吏 ) は七人も変わってい とヤング長官。 そうこうするうちに連絡船 ( 星間航行用ロ る。前の執政官などは、半年もしないうちに「それにしても、もう少し適性のある人間をケット ) は星に着いた。 オー・ハーワークで頓死した。 送って欲しいもんだ。ああ、またしても休暇土煙がおさまり、広い大地に三人だけが・ほ 今回俺が衛星トボロジカを訪れたのは、新はお流れだなあ : : : 」 つんととり残されてしまうと、俺のゆううつ 任の執政官を迎えるためである。願わくは長俺の嘆きをよそにトボロジカは適性就道には極点に達した。 持ちして欲しいものだ。 入った。嫌でも問題の二人を星まで連れてい 「・、ここの住民は、あまり我々を歓迎 俺を迎えたトボロジカのヤング長官は、俺かねばならない。ャング長官の同情の目を背していないようだな」 0 今月の入選作・ 「通訳」 水木星 4 9-
彼は手にしていたカラー印刷の新聞を広動き始めたので驚いて法官に話しかけようへ行ってもその意味の実践法廷が開かれて げて私に見せてくれたが、確かにそこには としたが部屋はすぐ静かになり、再び門が いますよ。林彪・四人組がでっちあげてき 4 はっきりと〈光明時報〉と書かれていた。 自動的に開いた。この部屋は自動電梯にな た、借り物の言葉で世の中を支配するとい 「一九九〇年に光明日報は光明時報と改名っており、あっという間に私たちを四十二 うような悪い作風は一掃されました。四人 し、一日三回の発行で中国国内や全世界の階の執務室の前まで運んでくれたのであ組の時代は本当に不合理な事がまかり通っ る。 ニュースを迅速に報道しています。あなた ていました。これは最近明らかにされた事 はまたどうして昔の光明日報の記者証を持 私は執務室に人ると早速法官に用件を切件ですが、ある労働者がかまどの西側で働 ってここにいらっしやったのですか」 り出した。 いていたところ、東から風が吹いてきて頭 私は法官以上に驚いていたのだが、この から灰をかぶってしまい、おもわずこうつ 「私はここに来るまでに十七世紀の意太利 説明を聞いてますます混乱してきた。私の の宗教法廷と十八世紀の法国の理性法廷をぶやきました。『西風さえ吹いていてくれ 訪れたのはたかだか一九九四年にすぎない 取材してきました。北京ではあなたがたのればなア』幻想小説を書いている記者さ が、これがさらに十年後の二〇九四年だっ実践法廷の様子を取材させてほしいのですん、これで犯罪が成立したんですよ。理由 たらどうなっていただろう。私の陳腐な服 は毛主席の言葉″東風は西風を圧倒する″ 装や昔の身分証明書を持って現れたとした 「実践法廷ですって」 という言葉に背いたからというわけです。 ら、それこそ歴史博物館送りにされてしま 法官は眼を丸くした。 こんなことがつづくおかげで民衆は他人の うかもしれない。 「中国には人民法廷があるだけです。そん前ではロをきかなくなるようになりまし 今度は落ち着いて、実は私は一九七八年な実践法廷のことは聞いたこともありませ た。その時の様子は″職場では無ロ、路上 の光明日報社から取材のために派遣されたん」 では冗談、家庭では真実″と言い伝えられ 私は伏爾泰たちに理性法廷の所在を聞、 記者であると一部始終を説明したところ、 しています。しかし民衆はついに立ち上が 法官はすぐ理解してくれて大きな門の方へ て失敗したのを思い出し、法国の理性法廷り、実践法廷で四人組を裁き、追放しまし 案内してくれた。 も実際は抽象的な概念であったことを法官た」 に注意深く説明し始めた。 大きな門は自動開閉式になっていた。中 私が感心して聞いているのに気がついた に入ると簡素ではあるが落ち着いた造りの 説明が全部終らないうちにこの聡明な法法官は、微笑みながら立ち上がると私を誘 部屋があり、門が静かに閉じると法官は私官は私の言いたいことを悟ってくれた。 ってバルコニーへ歩いて行った。このバル をソフアに座らせた。これはきっと来客用「あなたのおっしやる実践法廷とはそうい コニーからは民族宮や天安門、北京飯店が よく見える。 の小さな客間だろうと思っていると、突然う意味だったのですか。現在の中国はどこ ッ , ルテール フランス フラノス エレ・ヘーダ
ほうが、より妥当のようにも思われる。 白いものだという。 安政二年十月の江戸地震は、マグニチュード 山車の上には神主ふうの男が、 六・九で、地震の規模としてはそれほど大きく やはり、ひょうたんを持って立っ はなかったが、いわゆる直下型の地震で、その ており、そばにナマズがいる。山 ため江戸の倒壊焼失家屋一万四三五〇戸、死者 車をひくと、神主もナマズもぐる 七〇〇〇人余という、当時としては大変な被害 ぐる回転する仕掛けである。 かなめ を出した。 茨城県の鹿島神宮に、「要石」 この地震について『安政見聞誌』の上巻に といって、大ナマズを押える石 は、つぎのような意味の、興味深い事例が書か が、昔からあるのも、よく知られ れている。 た事実である。 「本所永倉町の篠崎という人が、ウナギをとり 大ナマズがはねまわるさまは、 に行ったところ、ナマズがしきりに騒ぐだけ まことに勢いがよく凄まじい。そ で、ウナギは一つもとれず、しばらくしてナマ れに日中は砂泥の底にひそんでい ズが三尾釣れた。 るが、夜ともなれば、泥煙をあげ 『不思議なことがあるものだ。とにかくナマズ て魚やカエルを食い漁る淡水の王 が騒ぐときは地震があると聞くから急いで帰ろ 者だ。 う』 そんなところから、古人が得体 というわけで漁をやめ、家に帰ると家財道具 の知れぬ地震とナズとを結びつ を庭に出して異変に備えた。女房は笑った。け けて考えたとしても、不思議では れど、その夜、突如、大地震があり、家は倒れ なかろう。 たが家財は助かったという」 なにしろ、かのギリシアの大学 これなどは、ナマズによって地震予知が行わ 者アリストテレスだって、「ウナ貴 れ、被害を最少限に防いだ好例である。この話 ギは泥中のミミズより生ず」と信 武 にはさらにオチがついていて、隣人の釣り気違 じたくらいである。ウナギについ いは、ナマズが騒いでも知らぬ顔の半兵衛を決 ては日本でも、「山芋変じてウナ めこんで釣りつづけていたところ、突然の地震 ギとなる」という諺がある。 カ 0- 」 0 そしてこのウナギも、地震予知 の引きあいに出される魚の一種なのである。 しかしながら、ナマズについては、もっと即驚いて帰ったが、家も家財もすべて烏有に帰 した後だったという。一方はナマズのお告げを とかく未知不明の部分の多いものについて時的に、 信じて助かり、他方はそれを無視したばっかり は、洋の東西を問わず、神秘的な解釈がっきも「地震が起こる前にナマズが騒ぐ」 ののようだ。 とか、あるいは何らかの異変が多々見られたに、すべてを失ったというわけである。 ために、地震とナマズとを関係づけたと考えた大正十一一年九月の関東大地震の前にも、向島 “粤
売消滅の光輪 人間の注意を惹くことになる。われわれには、それは望ましくない て立っており、その手から、めくるめく光がほとばしっていた。 ことだ」 それが、手鏡を日光に反射させているのだと見て取ると同時に、 「私が、誰かに合図を送っていたというの ? 」 ・ほくは彼女に飛びかかった。手首をねじ上げ、手鏡を取り上げた。 エスメラルダは、冷ややかにいった。 ・ほくは女性に対し手荒な真似をしたことはない。だがこの時ばかり こ ! まさか私が、メンドーザ兄弟に通じている 「でもいったい誰冫 は話が別だった。ことの重大さを直感し、本能的に行動していたの というのではないでしようね ? 」 「誰もそんなことはいっておらん。君自身をのそいてはな」 「何をするの ! 私の腕を折るつもり ? 」 ロクストン卿も、きびしい声になっていった。 エスメラルダは叫んだ。だがそれは明らかに芝居がかった叫びだ 「だが今後は、気をつけてもらいたい。さもないと、われわれのパ トナー・シップも、これで終わりということになる」 この鏡で、いったい何を 「・ほくの方こそ、それを訊きたいね。 「分かりましたわ、ロクストン卿」 していたんだ ! 」 はず エスメラルダは、を、わざとらしく強調して発音した。 ・ほくは仲間たちの視線を受け、息を弾ませながらいった。 冫いたしますわ」 「女には、自分の顔を気にする権利があるわ。鏡を見るのは、女の「仰せの通りこ、 このようにして、おどろくべき古代人の岩壁画に接した・ほく 習慣なのよ」 らの高揚も、いささか水をさされることになった。しかし、それが 「だが、時と場合によるね、ルイスさん」 すべてを見て取ったらしいロクストン卿が、おだやかにいった。存在したという事実は変らない。ばくらは前途に光明を抱きなが 「ここではまずい。ここで鏡を反射させれば、数十キロ四方にいるら、 " 蛇の山″を下りることになったのである。 眉村卓畢生の巨篇 ! 中 減亡迫る惑星の全住民移住計画ー星を覆う壮大なドラマを背景 好 に、巨大管理社会で真摯に生きる司政官を描く、肩村の白眉 ! てかがみ 消滅の光輸、 宿村事 一八 0 〇円四六判上製 早川書房 8
正直いって、原稿ができあがったとき、 注文主はもう忘れているのではないかと思 った。また、予定の三倍の長さではとても 営業的に成立しないのではないかとも思っ た。そのときは自費出版でもーーーと考えて いたのだが、幸いにも「売れなくともよ 。あとで引用されるような内容であれば ・ : 」という浮世ばなれした担当者の考え で、出版してもらえることになった。 ・フルー・ハックスから出た『銀河旅行 / Ⅱ』がそれである。もともと五、六冊分あ った資料や計算結果を数分の一にまで圧縮 したがそれでも注文の三倍になってしまっ という本なので、電車の中などで読 むには重すぎると感じていたのだが、営業 成績もとしてはまあまあーー・・とのこ とで担当者にもそう迷惑はかけず、ほっと している。 さて、三番めの夢である近距離恒星地図 航宙図ーーーについてであるが、これへ のアプローチは多分に僥倖に助けられてい 『銀河旅行』執筆中に、とうぜんのことな がら、近距離恒星の地図 ( 銀河地図と呼ん でいる ) を描く必要にせまられた。必死に なって資料をあさったが、完全といえるも のはどこにもなかった。しかたなくジェイ 9 ムズ・ストロングの先駆的な仕事である こ
されているのである。 そんなわけで、 / ウハウに関する部分は 残念ながらおいといて、なにしろ暑い夏だ あの頃の俺に見せたいなあ・ : った。抜けるみたいに空が青くて、ちょう あの頃の俺が見たら、どんなに狂喜して どビキニ環礁で第一回の原爆実験の行われ たとしで、われわれはその新聞記事を参考熟読玩味したことであろうか・ イラストカし。し 、つ。よ、入っていて、もう本 に、発射班・観測班・記録班などを組織し て、ドン ! とやったわけだ。 当にそんな感じの本なのである。 X 時は、もちろん満月の月の出。 第一章日ロケット・プロジェクトの編成 なにしろ、ロケットには、月が、よく似と危険防止、第二章ロケットの基礎設 にすれま、 合うのである。 。しし力と力とにかく口ケット 計、第三章日ロケットの推進剤、第四章日 0 このロケット打ち上げの片棒をかついだ 打ちあげのノウハウのすべてをキミにあげ のが、現宮崎大学の今田雄久 ( 清久 ) 教授 ちゃいたいのである。 である。宮崎大のファンのかた、教授 あの頃と違って、今なら廃物利用を工夫 へよろしく。 、 2 しなくても軽くて強い材料が安くふんだん に手に入るし、電卓や— O もあるのだか さて、ちょうどその頃、ロケットにこッ ら、僕の / ウ ( ウをもとにしても「と大き なロケットを作ったら、キミは本当に月へ ていたのは私ひとりではなかった。あとで こ 、 ) つ行けるかもしれない。搭載する食料にして知「たのたが、海の向うではもっと大掛か もカップヌードルや粉末のミソ汁など、 りに、アメリカ陸軍までがさりげなく手を ろいろとあるではないか 貸して、派手に打ちあげがおこなわれてい だからすべて教えてあげたいのだが、当たのである。 〈 U. S. Army Amateur Rocket Program 〉 ( 一節、 0 ケ ' トの作りかたなどをお・ほえる というのが一体どれほどの規模のものだっ 、、と、それを月ではなくて、他〈向けるのが いるというので困るのである。あの頃のわたのかよくわからないのだが、このプログ れわれは、テストの点が悪いからといって ラムの Project Officer をつとめていた B. ー職員室へロケットを撃ち込もケなどとは考 R. Brinley 陸軍大尉が、青少年のロケッ えもしなかったが、当節、居るんだそうで ト・ファンを対象に執筆した "Rocket Ma ・ すね、そんなことをやりかねない人達が : nual 「 or Amateur" という四百ページ近 い大冊も・ハランタイン・・フックスから刊行 0 第、 0 動 0 、 第 1 を Capt. BERTRAND R. BRINIEY ROCKET MANUAL AMATEURS 物ー 00M 社 Ett. い OR ″賺 0 ー 0 ー SAH 報 0 畿 0 物 第 DESIGN 本 TESTING PREPARATION 0 「 「 UELS ・ FIRING 0 を ROCK 日 5 れ 0 CA 、 MAKE YOu 日 5 日下 Forewotd by WILLY LEY 戸にし A をユ N を 8 0 0 K s 6
を時間的・空間的に支えているのは、異った次元にある三個のプラ零は鎖骨の痛みを我慢して腕を上げ、絆創膏のある額を指した。 ック・ホ 1 ルだろうとのことだった。寿命はごく短い、という。ど「かろうじてかわしたが >E-«信管が作動してーーキヤノ。ヒを突き破 4 のくらい、とジャクスンは科学者にいている。そうね、まあ、一 った破片で負傷したんだ。それを調べればわかるよ。二十四片もあ 万年くらい。 るそうだ」 「弁護人として要求します」クーリイ准将が度の強い近眼用眼鏡を「すべてキャ / ビと・ハイザーのものだった」 人差指であげて言った。「そのシルフィードはどの戦隊に所属して「おれのせいじゃない、証拠の破片が出なかったのは。そうだ、女 いるのか調べていただきたい , 房役はどうした。おれと組んでた少尉、彼に訊いたか」 「そうだ」零はうなすいた。「戦隊マークもパーソナル・マークも「死んだ」ちょっとした沈黙の後で判事が言った。「原住恐竜にや つけてなかったように思う。少なくとも・フーメラン戦隊機ではなられた」 「だから言ったのに : ・ : もっともエンジンの再始動に成功してなか ったら同じことか」 リン・ジャクスンの著書内には地球防衛軍誕生の経緯がくわしく 「パラシュート が木にひっかかり、脱出する途中、下から襲われた 載っている。地球上の戦いそのものはあっけなくおわったのだが、 要求は認める。きようはこれで閉廷。少尉はいっさい 後が問題だった。戦いの主力たった軍事超大国がその通路を独占管らしい 理することは、大中小国から宇宙天体条約 ( 月その他の天体を含むの作戦行動から離れて謹慎すること」 宇宙間の探査および利用における国家活動を律する基本原則に関すフェアリイに営倉はない。死刑以外の有罪なら地球へ逆送りだ。 る条約 ) を盾に批難された。結局国連から地球防衛機構が独立する出身国によってその再罪人の扱いは異なるが、良くて原犯罪判決に こととなり、構成員にはなるべく片よったイデオロギーを持たな脱走罪を加えての刑執行、悪ければ問答無用で処刑。日本はどちら だろうと零は思い、そして、自分が国を意識する時はいつも厄介事 、主張しない、人間が要求されたいっしか戦士たちは地球側か ら見るとアナーキスト集団となった。ついには国策にそわない反動といっしょだとため息をついた。 分子が送られるようになった。だんだん質がおちて、フェアリイは臨時予審法廷、戦術航空軍・第七作戦小会議室を出た零はクーリ 刑務所別館となった。 イ准将に呼び止められ、言葉遣いがなってなかったとたしなめられ 「航空宇宙防衛軍団・防衛偵察航空団の機だと思われる」 「・フラウニイ基地の ? 偵察用のシルフなら増速用ラム・ジェット 「私の顔を潰す気か、中尉」 ・・フースターをつけて高度三万を飛んでるよ。ミサイルを持ってる「耳をやられたかなーー・中尉だって ? 」 わけがない」 「予審無罪になればの話だが。なんにせよ、無事帰還できたのは喜 「攻撃されたのか」 ーし影」
ものだ。ぼくはいわば、恋という蟻塚にのめり込んで、全身を鋭い 煩悩の針で食いちぎられている男だったのである。 その体を骨だけにした犯人が、ビラニアであることは間違いな ぼくの目はふと、右手の水面に姿を現わしたいくつかの白っ い。だが問題は、 Ⅱにはまり、彼らに襲われて死んだのか、あるい ぽい背びれをとらえた。淡水イルカの群れだ。喜々として跳ねなが は死んだのちに食われたのか、どちらなのかということだ。しかし ら、カヌーを先導するかのように泳いで行く。 今、その答えを知るすべはなかった。 彼らは、ある意味では奥アマゾンの主といえるだろう。陸封さ ぼくは目を上け、上流を見つめた。かがやく川面が、ふいに黒い れ、決して海へは下らない彼らは、どんな細い川筋にも入り込み、翳りをたたえてどっとのしかかって来るのを感じた。 おうか 自由そのものの生活を謳歌しているーーロクストン卿の説明によれ ば、アマゾン・オリノコのインディオの大部分は、イルカをタブー 「明日は、私が例の遺品を手に入れたインディオの村に着く」 と見なし、食糧にしようとはしない。すなわち彼らは身を脅かされ ロクストン卿が、食後のパイプをくゆらしながらいった。 ることはないのだ。・ほくはいっそ、彼らの一員になりたいと、一瞬・ほくらは、岸辺の小さな砂浜に張ったキャンプで、変り映えのし しゅうちゃく 思った。彼らはまったき自由の民族。恋の執着に悩まされること ないメニューからなるタ食を終えたところだった。 カッサ・ハの もないたろう。 餅 ( ュカイモから採った澱粉を焼いたもの ) 、チュズと水ガメのシ ・ほくがイルカの群れを・ほんやりと見守っていた時、ふいに先頭のチ = ー、それに紅茶といったメ = = ーで、混血の案内人二人とイン カヌーから叫び声が上がった。インディオの一人が上けた声だっ ディオたちは、まだ旨そうに平らげていた。 た。櫂の先で、右舷に近い川面を指している。 夕暮れにはまだ間があった。あのおそるべき蚊の来襲からは今し りゆ - つぼ′、 ゅうよ ・ほくはその一点を見つめた。何か黒い流木のようなものが、浮きばらく猶予されていた。蚊帳の中の ( ンモックにもぐり込むまで、 せいひっ 沈みしながらこちらへと流れて来る。それが何かに気づいた瞬間、 わずかな静謐を楽しんでいたのたった。 ・ほくのロ中はたちまち干上った。腕をだらりと伸ばした死体だ。黒 エスメラルダは例によって、びったりと寄り添ったムンゴととも い髪が、ぶきみな水藻のように、ひろがって、顔をおおいかくしてに、砂浜の端に佇んでいる。川面に目を放ち、物思いに沈んでいる いる。男女の区別すらっかなかった。 風情だった。 へさき ・ほくらのカヌーの、舳先に坐っていたキンテーロが、ライフルの だが、さすがの・ほくも、ロマンチックな気分からはほど遠かっ 銃口を伸ばして、それを突っいた。死体はぐらりと仰向けになり、 た。あの白骨死体が、瞼の裏にこびりついて離れないでいたのだ。 がん 骨だけになった顔がむき出しになった。食いしばった歯、虚ろな眼明日にも・ほく自身が同じ姿にならないとは、誰にも保証は出来ない のだ。 窩が・ほくたちを見つめ、エスメラルダがさすがに悲鳴を上げた 辛うじて浮いていたらしい死体は、見る間に沈み始め、見えなくな「あの時は、急いでいてろくに話も聞かなかったが、今度はじっく みず ひあが ありづか でん かや 9 9
りフルタイムではない。 話図果則縮則場用解論す 次 ードについての定義論争にはふれ の宙効法短存磁応誤対と定 の の相め予 保 目星航一 このコラムの読者のほとんどは、私 とじる ン ラ の と星果ス論 の 宀疋恒 ードについてのコンテキスト の言うハ と効ク対律はな 二 = 卩 O ッ 一ソ相果をに を共通的にもっているだろうからである。 果速一対 E 質 虹ト効と人目 = 用侖ラド殊因ルむ 論昌近 私の名前を見て堅すぎる方向への偏差はあ 一中 提索星象縮現宙の活対ラ ( るかもしれないが : : : ) ホか 界 相の探と現短れ宇ム利 ( ク論 このような現状を打破するために、私と テのととの世 殊の望差の遅 ・ 6 一何目」司ゞ してはつぎのような提案をしたい。 間去差一丁の 日怛尸カス 特邦 , 一フ相 ハード専・目ー と紀連の絖時崎ちシ 「今後二〇カ年のうちに、 空行速プ般 のフルタイム・ライターを、全作家数 旅光銀旅す推銀銀銀超的 ーセントにまで引上げる」 の三パ の LL 河 というものである。 章 章章る 章 章 章 章 章 章章 章 私の予測では、二〇年後には純正の 作家は現在の五倍以上になって一〇〇人に いても意味をもつだろうと考えたわけであで火焙りになったプルーノにくらべればな は達するだろう。そのうちの三人に、 にほどのこともない軽い犠牲である ( だん ド ()n v-v 専門の作家になってほしいというわる。 だん悲壮になってきた ) 。 この努力目標のために、およばずながら けである。 ノードの中でもと 私のハ 三という数は、人によっては少ないと感がんばってみたい。今度の連載もそれをつ くべつなものである。だから、次回から述 よく意識している。 ムこはとても大きな じるかもしれないが不冫 具体的には、私がこれまでに宇宙執べるノウ ( ウは特殊なノウ ( ウである。し 数に感じられる。なにしろ現在はゼロなの かし万人に共通するの方法というもの だから、無限大の三倍の増加率 ( 一ョ 0 ) 筆のための資料集めにつかってきたノウ ( X3 を達成させなければならないのであウを、ひとつのこらず公開するつもりであはないのだから、たぶん参考にはなるたろ る。 る。 秘密はのこしておかない。秘密を見せて 二〇年という年月は、私が家を建てるの イントロのさいごに、予定している目次 間しまったために私の存在価値がなくなって に借りた住宅金融公庫のローンの返済期 ードを表にしておこう。これはあくまでも予定 にヒントをえて考えついたものである。つもかまわない。二〇年後に三人の ( なので、そのつもりで見ておいていただき 作家が出れはそれでいい。笑って死ぬこ まりなまなましい実生活の借金においても 学 / し 意味をもっていどの期間たから、におとができる。惑星も地球と似ていると叫ん