東京湾は、入り口が狭くなって中で広がったは、日曜日にどっと人が押し寄せる。いかに人断道路の建設計画についてみてみよう。 埋め立てなどの「開発」はもうやめたーーと 袋状になっているため、湾内の水が外の太平洋間が海の水を求めているかを物語っている。 いう東京湾の中にあって、動き出しているビッ こうしたこともあっ 埋め立てて砂浜をつぶすのは、いとも簡単だ の水と入れ替わりにくい。 て、この先、水泳ができるような水質まで浄化った。だが、その砂浜を人工的に作ろうとすれグプロジェクトである。 できるかどうか ば膨大な金がいる。このような人工海浜は、そこの道路のプランは、かなり古く、昭和三十 東京湾は、水質の悪化ばかりでなく、沿岸のうたくさん作れるものではない。自然環境の破年代後半に構想が浮かんだ。その後、オイルシ 砂浜が埋め立てによってコンクリートの岸壁と壊は慎重なうえにも慎重に行い、必要最小限にヨックなどがあって、足踏み状態だったが、最 ッ 化し、市民は渚で波やカニとたわむれることがとどめなければならないことを、東京湾は教え近になって、再び計画実現へ向かって動き出し た。この道路は、東京湾東側の千葉県木更津か ピ出来なくな 0 た。東京湾に自然の砂浜が残るとている。 トころはほとんどなくなり、市民は湾から隔絶さ埋め立てで干潟もほとんど全減し、シギ、チら、湾西側の神奈川県川崎へ湾中央部を一直線 れてしまった。かって砂浜は市民の憩の場であドリ、サギなどの冬の渡り鳥は、千葉県内の新に橋とトンネルで結ぶものだ。片側一一一車線で、 ったのに、いまやコンクリートで固めた埋め立浜や谷津に残されたわずかな干潟に集中。この上下合わせて六車線。長さ十五キロのうち、中 / て地となり、工場が建設されて、企業のものと干潟は、まさに " 黒山の鳥。とい 0 た過密状態央部五キ 0 間は海底トンネルとし、大型船舶の なってしまった。 だ。人工海浜にアリのようにたわむれ、残され湾内への航行の支障にならないようにする。両 エ・ そこで「砂浜を、海岸を市民に取り戻そう」た木更津の潮干狩場にむらがる人間の姿をみる側五キロ間は橋とする。両側の橋の区間から中 / との声が高まった。この声にこたえて出来たのと、この鳥たちのイメージと重なり、なにか背央の海氏トンネル部分へ移る個所には人工の島 を造成する。 サが、東京都葛西沖の「人工なぎさ」と、千葉県筋が寒くなるような気持ちになる。 この道路が完成すれば、現在東京を回らなけ 千葉市稲毛海岸の「人工海浜」である。いずれ いま、千葉の干潟を守る会 ( 大浜清代表 ) も二キロたらずの短い人工砂浜だ。蔦西沖は、 は、東京湾の奥部に残る唯一の自然の干潟であればならず一一時間余もかかる湾両側相互の交通 まだ交通の便が悪いが、稲毛の「人工海浜」にる「谷津干潟」を埋め立てから守り、自然野鳥が、わずか十五分に短縮される。まさに″夢の 観察園として保存、道路″″夢の架け橋である。 いま、海底のポーリング調査など技術上の最 整備し、首都圏一一千 万人のオアシス、教終的な詰めを行っており、うまく行けば、来年 育の場とするよう精度から着工の可能性が出てきた。しかし、完成 湾力的な陳情活動を続までには十年から十一一年もかかるうえ、七千億 京けている。自然の砂円も巨費を必要とする。景気低迷のうえ、石油 へ東 の浜をつぶして人工海不足という厳しい情勢の中で、このようなビッ 海目浜を作る「愚挙」をグプロジェクトがすんなりスタ】トできるかど うか、予断を許さない い注繰り返すことなく、 青か もし実現すれば、日本の海の玄関の新しいシ 残る自然の千潟は、 ンポルになり、出船、入り船の人達に親しまれ のえ過密の首都圏ならこ てがそ、極めて貴重なもることになるだろう。そのころまでには、東京 つみのであるだけに、保湾はより一層クリーンなものとなり、願わく 存す・ヘきだと痛感すば、水泳のできる青い海が帰ってきてほしいも る。 のだ。そうなれば、東京湾クリーン作戦は「奇 さて、もう一つの跡のよみがえり」として、世界の人々に反響を 2 話題である東京湾横呼ぶことになるだろう。
ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ ゾーンと鼻をつく、あの潮の香などどこかへ行 ってしまった。あれよあれよと、たった十年た 2 らずで″死の海″へ一変してしまった東京湾。 2 当然のことながら、魚は次々と姿を消し、湾内 の漁業は消減した。名物「浅草ノリ」もとれな くなった。残るは、細々としたレジャーの釣り 船、つまり「観光漁業」のみとなった。 公害、環境破壊への反省が巻き起こった昭和 四十年代を迎え、東京湾の汚濁の進行にストッ ブをかけ、浄化しようとの機運が高まった。下 池見照二 水道の整備を進めるとともに、湾内へ流入する カット / 島津義晴 工場排水、生活排水の規制を強化。こうして水 質は、昭和四十年をビークにわずかずつだが改 東京湾は日本の海の玄関である。この東京湾業地帯の川崎港、横浜港、京葉工業地帯の千葉善に向か 0 た。 ドス黒い川の水が流れて、。フーンと悪臭が鼻 をめぐ「て、いま注目すべきプロジ = クトが進など〈出入りする。港湾での荷物取り扱い量は 日本の港湾の中で東京湾が最も多く、全国の二をついた「春のうらら」の隅田川も、かなり水 行中である。 がきれいになった。早慶レガッタや両国の花火 その一つは、浄化作戦である。″死の海″と〇 % を占める。 東京湾の沿岸には、京浜、京葉両工業地帯がも復活し、魚も戻ってきた。湾に流れ込む川の 化した東京湾を青い海によみがえらせようとい うものである。はたして成功するものかどう立地する。首都東京を中心に首都圏にかかえこ水がきれいになれば、湾の水もきれいになる。 まれた形で東京湾は横たわっている。これら湾まだ「青い海」にはほど遠いが、最悪時代に比 べるとかなりよくなり、ハゼ、イワシ、カレ もう一つは、東京湾の中央部をほ・ほ東西に横の後背地の首都圏の人口は、二千万人に及び、 イ、トビウオなどの魚も戻ってきた。市民レジ 切る横断道路の建設計画である。巨額の建設費全国の人口の二〇 % に達している。 このように、東京湾を取り囲む工業地帯からャーの釣りも年々盛んとなり、湾内の釣り船は が必要とされるうえ、海底には″地震の巣″が は工業排水が流れ込み、また一般家庭からも生三千五百隻。春、夏、秋の釣りシーズンの日曜 あり、軟弱な地盤に建設しても大丈夫かという 技術的な問題を抱えている。こちらも陽の目を活排水が多量に流入する。陸上と同様に過密な日には、釣り船が湾内にい「ばいに並び、釣り 見るかどうか関係者の興味をそそるものであ交通ラ , シ = ぶりを示す航行船舶からも、廃油ファンが釣り糸をたれる。 こう書いてくると、このまま浄化作戦は効を などの不法投棄が後を断たない。 る。 こうして、東京湾の水は、すっかり汚れてし奏し、青い海によみがえるのはもうすぐだと思 ではまず、浄化作戦からみてみよう。 東京湾は日本の玄関であるだけに船舶の交通ま「た。かって、東京湾は「浅草ノリ」の名前われるかも知れない。だが、現実はそうたやす いものではないようだ。いくら流域下水道を整 量は日本一だ。その船種も、中東から石油を運で知られるように、海は青く、魚はとれ、ノリ んでくるタンカー、太平洋をまたいで荷物を運も生産された。人々は、夏には水泳や海水浴を備し、工場排水を規制しても、汚濁物質の湾内 ぶ高速 = ンテナ船、プルネイなどから液化天然楽しみ、魚もとれた。だが、戦後の高度経済成〈の流入がなくなるわけではない。薄めて大量 ガス (=ZO) を運んでくる船、それに長時代に沿岸は次々と埋め立てられて臨海工業に流せばいい「濃度規制」から、流れ込む汚濁 日本観光の外国人を乗せて寄港する客船など、地帯と化し、人口が集中、昭和三十年代に入る物質の総量にワクをはめる「総量規制」〈進ん と急速に汚濁が進んだ。そして四十年ごろにできたが、それでも汚濁物質の流入はゼロでは あらゆるタイ・フにまたがっている。その数は、 ない。やはり汚濁物質の流入を回避することは 一日に出船が約五百隻、入り船が約五百隻、合は、ドプ池のようになってしまった。 無理なのである。 わせて千隻にの・ほる。東京港をはじめ、京浜工湾内の水は、赤茶けたコーヒー色に変わり、 ( し サイエンス・トピック 甦るか東京湾
お待たせしました。第六回 入選作該当作なし コンテストの発表です。 今回の選考は、五月一日、大阪 ロイヤル・ホテルにおいて、小松 左京氏、眉村卓氏、伊藤典夫氏に ス佳作 よっておこなわれました。 最終選考に残ったのは、応募作 一ア『一人で歩いていった猫』 三百六篇のうち、「繭の時代」石 大原まり「ナ ( 東京都 ) 飛卓美、「一人で歩いてい。た猫」 ン 大原まり子、「アウトクライド・ ドリーマー」大河司、「時を克え すぎて」火浦功、「生体電子脳の 回発参考作 ( 順不同 ) 悩み」石坪光司、「夢魔のふる夜」 水見稜、「宇宙船タイタニック号」 『アウトクライド・ドリーマー』 円卓朋代の七篇。結果は、残念な 第選 がら入選作はありませんでした。 大河司 ( 東京都 ) 応募作品全体としてのレベルは 上がっているのですが、これとい ワ入 った決定打に欠けたようです。も っとも、小松左京氏をはじめ、超 カ『時を克えすぎて』火浦功 ( 神奈川県 ) 一流の作家が輩出したコンテ ストであることを考えれば、入選 がいかに困難なことであるか、容 易にうなずけるというものでしょ う。なお、講評その他は次号に掲 『夢魔のふる夜』水見稜 ( 東京都 ) 載いたします。 ( 編集部 ) 9
田 第七回「ハヤカワ・コンテスト」 明日の U)LL を創る新人を求めます 小るって御応募ください ーー応募規定ーー、 ・未発表の小説にかぎる。 選考委員小松左京氏 ・枚数四百字詰原稿用紙四十枚以上、百枚まで。 ( 必す三枚程度の梗概をつけること ) 眉村卓氏 ・締切昭和五十五年十一月一一十九日。 ( 当日消印有効 ) ・発表本誌昭和五十六年七月号誌上にて。 ・宛先〒皿東京都千代田区神田多町二 5 一一 石原藤夫氏 早川書房第七回「ハヤカワ・コンテスト」募集係 ・原稿は縦書とし、鉛筆は不可。必ず右側の二カ所を紐て綴 伊藤典夫氏 じ、住所、氏名 ( 本名 ) 、年齢、職業、電話番号を明記する こ , と ・該当作のない場合、佳作を何篇か選よこともある。当該作 賞金 品には、応分の賞金を呈する。 入選第一席二〇万円・当選作の著作権および上演、上映権等、ならびにこの作品 から生ずる一切の権利は早川書房に帰属する。 一〇万円 入選第二席 たとえ返送料が添えてあっても一切返却しない。 ・原稿は、 五万円 入選第三席 ・募集要項および選定結果などについての問合せには一切応 しない。 0 203
ロ ( 受取人 ) ロ東京都千代田区 ( 神田局区内 ) 神田多町二ー二 きを カ 0 早川書房 郵 マガジン編集部行 20 円切手を 貼ってお出 しください
頬を引っぱたかれて、俺は重大なことを思い出した。 「蘭花ちゃん、出発の時からこの部屋に隠れていたのか ? 」 「だって、雪之丞さん、はじめてひとりで宇宙船を操縦すると いうから、わたしだって心配してたのよ」 「く、くっー 俺は蘭花ちゃんの気持ちがうれしくて、思わす涙が出てき そもそも俺のっとめていた零細広告代理店が倒産した時に、 宇宙飛行士になるように勧めてくれたのは他ならぬ蘭花ちゃん だったのだ。それというのも、俺はゲームに夢中になって いて、いつも負けてばかりいる「スペース・インペーダー」で 一度でいいから蘭花ちゃんよりも高得点を出そうと、練習を重 ねていたのだった。 こ 0 重版情報 ハヤカワ・ミステリ文庫 ハヤカワ文庫 SF/JA/NV/NF 宇宙の孤児 ロバート・ A ・ハインライン \ 300 夏への扉 ロ / ヾート・ A ・ノ、インライン \ 360 百億の昼と千億の夜 光願龍 \ 440 卒業 チャールズ・ウェップ \ 400 顔 ェラリイ・クイーン Y360 どもりの主教 E ・ S ・ガードナー \ 340 長いお別れ レイモンド・チャンドラー \ 540 さらば愛しき女よ レイモンド・チャンドラー \ 380 プレイバック レイモンド・チャンドラー \ 300 わたしを愛したスパイ イアン・フレミング Y280 死の接吻 アイラ・レヴィン \ 440 「たいじようぶ、雪之丞さんくらいの点数なら、宇宙飛行士に なれるわよ」 広告代理店がつぶれた時、蘭花ちゃんはそういってなぐさめ てくれた。なんでも最近の宇宙船は自動操縦になっていて、 「スペース・インペーダー」よりも操縦は簡単だそうだ。俺よ り高得点の蘭花ちゃんが保証してくれるのだから間違いない。 そういう訳で俺は零細貨物宇宙船″ゼロセ / の操縦士にな ったのだが、最初の飛行が心配で、見にきてくれたというのた。 「心配することはないよ」 俺は自信満々でいった。 「『スペース・インペーダー』よりもずっと簡単だよ」 宇宙船の操縦といっても、自動操縦装置のぶくんと突き出し たふたつのつまみを操作するだけだから、・フロック崩しよりも アガサ・クリスティー ヘラクレスの冒険 \ 480 複数の時計 \ 440 ボアロ登場 380 おしどり探偵 \ 440 ヒッコリー・ロードの殺人 Y36 。 雲をつかむ死 \ 380 復讐の女神 \ 400 東京神田多町 2 ー 2 早川書房 振替東京 6 ー 47799 ロ 7
水流に押しひろげられて、堂々たる地下の川となったのだ。それをないことが分かった。 サンクチュアリ いつの頃にかオン・フリ族が発見し、彼らの聖城へと出入りする通流れの幅は広く、両側の壁まではたつぶり三十メートルほどもあ 路として用いるようになったのだろう。 った。頭上も、入口の狭さからは想像もっかないほど広く、ゆった へき ″大地のへそ″を取り巻く陥没壁の一部であるその岩壁は、高さ一一りした天蓋を成しており、岩天井の中央はふかく鋭く裂けて、はる かな高みにまでその亀裂が続いている。教授たちのことば通り、そ 百メートル余り、巨人の斧で無造作に削られたかのように荒々しく そそり立っていた。近づくにつれ、ばくの胸は高鳴って来た。 こから射し込な光が、ほそい筋となって、うねうねと続いていた。 そしてぼくは、松明の光が浮かび上らせる岩天井の妖しいかがや チャレンジャー、サマリー両教授とエスメラルダは、オンプリ族に さかのぼ とらえられて川を遡る中途で、地下の流れをくぐる幻想的な体験きに、心を奪われた。あるいは黄金をふくむ石英の鉱脈が露出して いるのかも知れない。 ・ : 岩壁の至るところからまばゆく光が反射 をしている。しかし・ほくとロクストン卿にとっては、初めてだった しゃ し、闇の世界を豪奢な光の宮殿に変えていたのだ。″大地のへそ″ からだ。岩壁がより壮大にそそり立つにつれ流れも早くなり、やが を取り巻く地層に、黄金の鉱脈があってもふしぎではない。あの廃 てその下端にごく浅くくちをひらいている洞口が見えて来た。 でどころ たいまっ ロクストン卿は、食糧とともに積み込んであった二本の松明に、墟の宝庫に蓄えられていたとほうもない黄金製品の出所も、それで ウインチェスター銃の弾から抜いた火薬とマッチを使って点火し くらやみ た。教授たちの話では、地下流は決して真っ暗闇ではなく、はるか 書泉「文庫・新書祭」のお知らせ 上方の裂け目から射し込む陽光で、・ほんやり明かるいということだ あかり ったが、筏の操縦のために、より強い照明が必要だと考えられたか ☆をはじめ、文庫、新書を多数揃えて、 らだ。地下の川で、筏が転覆し、川に放り出されるような羽目には 皆様の御来店をおまちしています。 なりたくない。全員が、命取りになるおそれもあったからである。 あらが 水は音もなく、しかし抗うことの不可能なカづよさで、筏を洞ロ 時五月二十日 ~ 六月三十日 めがけて押しやっていた。高さ二メートル足らずの、平べったい楕 ところ せま 円形の洞口が見る間に迫って来たかと思うと、たちまち・ほくらは暗 〇書泉グランデ・一階 ( 東京都千代田区神田神保町 黒のうちに吸い込まれていた。 一丁目三番地 e 2 9 5 ー 0 011 ) その時ぼくは、筏の後端に立ち、竹竿を握って、先端に立っロク 〇書泉。フックマート・ 一階 ( 東京都千代田区神田神 ストン卿とともに、筏が壁に衝突しないよう操縦する役目を受け持 保町一丁目二番地 , '-a 2 9 4 ー 0 011 ) っていた。しかし、チャレンジャー教授とエスメラルダがかかげる たいまっ 松明が、筏の周囲を照らし出すとともに、とりあえずはその必要が たくわ
特ー そのために、といってはあまりに小規模です と載 9 編集後記 行満Ⅷ が、五月三十一日、六月一日と九州でおこなわれ 旅物 る高千穂遙氏、梶尾真治氏のサイン会にあわせ 河読 銀ど 第六回コンテストの結果が出ました。入選て、「ワークショップ」をおこないます。詳 国作は残念ながらありませんでしたが、佳作の大原細は四十五頁にありますから、参加希望の方はそ ⅷまり子さんの作品は、いかにもらしい雰囲気ちらを御覧ください。 原ラⅧ 翩を持っ好篇です。特に、ラリイ・ニーヴンを思わともかく、これで第六回コンテストが終わ 石コ " 川せる異星人の描写が実に魅力的です。素晴しい新り、第七回の締切り待ちとなりました。今回選に か定 叫人の登場を拍手で迎えましよう。 もれた方も、次回をめざして頑張ってください。 号 ほ未Ⅷ また、次回のコンテストですが、二百三頁の選者のたまげるような作品の登場を期待していま告月 > 典題 応募規定を御覧になった方はお気づきでしよう、 す。 ( 今 ) 予 8 再 古「 岫石原藤夫氏に選考委員に加わっていただきまし置能力ほどではなくても、人間には隠れた号年上村 てⅧ 曲た。工学博士、石原藤夫氏のサイ = ンスに対するる才能というものがあります。〈クリコン祭〉次 0 誌眉 国深い知識は、次代のを育てていく上での貴重の射撃大会で、小生が川又千秋杯を奪うという誰 9 会 印な戦力になることと思います。 もが夢想だにしなかったアクシデントなどその好 ク 選 本 ところで、こうしたコンテストの応募原稿を読例。自分の才能を知らなかったはいえ、川又氏の 日の聞 「宏Ⅷ んでいると、ちょっとした勘違いや思い込み、不ファンサービス企画に水をさす結果となり、反省 クク テ 彌昌Ⅷ 国注意をしばしば見受けます。小説を書くというこしきりです。天才は知らないうちにやってくる。 ン 工 順田Ⅷ コ 田野 ⅶとは、結局は本人がたった一人でおこなうことで恐ろしいことです。好評のこの企画、今年の eo 横「 回あり、また小説を書くことが果して教えられるこ XOZ Ⅶでも行なわれるとか。小生に銃を貸した 京篇紀亜治ト > 一卓龍ニ場 とかどうかという疑問はあるにしても、何をやらがために勝利を逸した高千穂氏や川又氏ら強豪が 六左作正泊真一載サ光登燐 Ⅲなければならないか、とか、どんな風にふつうは雪辱に燃えています。腕におばえのある方は挑戦 第松カ田日尾バ連一村瀬中々相 く小く山今梶ロ < ア眉光田久殊Ⅷ 凹書くものか、という基本的なことだけでも知る機してみてはいかが。と射撃大会になんの関係 恥会を作るべきではないか、という気もします。しがあるのか、などとまったく悩ますにこんな楽し いことをやるのがファンなのです。 ( 池 ) かし、マガジンの読者の大多数は、やはり小 前説を読み、楽しんでいる人たちでしよう。マ■今月号でレポートしている〈クリコン祭〉に ーガジンは雑誌ではありますが、研究誌で私も行ってまいりました。そこで高千穂氏の銃を ロはありません。その意味では、創作のための記事借りて川又千秋杯争奪戦に参加。なんと、零点と いう成績で見事ビリ。トツ。フを見事にさらってい に多くの紙面を割くということはやるべきではな った ( 池 ) 氏には遠く及ばずで、ガンマニアとし いと考えます。もっとも、適宜そうした企画も、 ( 田 ) 紙面に盛り込んでいけたら、とは考えているのでては恥かしい限りの成績でした。 ーマガジン一九八〇年七月号 ( 第二十一巻七 号 ) 昭和五五年七月一日印刷発行発行所東京 都千代田区神田多町二の二郵皿早川書房 東京 ( 二五四 ) 一五五一 ( 代 ) 発行人早 川清編集人今岡清印刷所誠友印刷株式会社 伊藤典夫 こ
図 3 なっかしのファンジン「宇宙気流」 ) 野田大元帥がインデックスづくりをアジ (o) 私を感激させたタイムマシン用時間計の (<) 創刊号 ( の可好会として出版 った号 ( 一九六五年六月号 ) 発明がのった号 ( 一九六六年五月号 ) している ) デックス的な人間が、その本能の命ずるまである。しかし自分の精神が次第に堕落し 私は双方に入会していたが、いずれもと まに、どうやって『インデックス』 てゆくような気がして、そういう使い方はても特徴のあるファンジンでおもしろかっ について想い出話しばらくしてやめることにした ) をつくっていったか インデックス構想を具体化する直接的な 『宇宙塵』は投稿原稿の査読のきびしいこ を書いてみることにしよう。 きっかけとなったのは、 t-n 同人誌としてとで有名だった。 私の g-æは本誌のようなプロジンでポッ 前述のように、本誌を読みはじめ有名だった『宇宙気流』誌にのった男シャ ンプロウ氏のアジテーションだっこ。 をつくるようになっ になったことは一度もないし修正を命ぜら ると同時に″カード″ 一九六五年の六月号である。 たのだが、はじめのうちは、ただそのカー れたことも一度もないが、『宇宙塵』では 『宇宙気流』はいろいろな意味でとても有 ドをしまっておくだけだった。 いくつか返戻になっている。返戻になった インデックス構想は最初から本能的にあ名な同人誌で、日本発展につくした陰原稿をそのまま当時のマガジン編集長 の功績にはそうとうなものがあった。私もの福島さんのところにもっていって、「こ ったが、具体化はまだしていなかったの 毎号のように寄稿していた。 れは宇宙塵でポツになったものです」と言 ったらニャニヤして受け取り、無修正で本 ( カードの特殊な用途としては、自分の作 その当時、東京には二つの大きなファン 誌に掲載してくれたりしたことがある。 品だけ物妻く誉める言葉を記入しておき、 ジンがあった。柴野さん編集の『宇宙塵』 それを毎晩寝る前に読むーーーというような そのころの『宇宙塵』はそれくらい厳し ことをしていた。そうすると安眠できるのと牧村さん編集の『宇宙気流』とである。 いファンジンだったのだ。正直にいって私 一日 宇宙気流 SFM[äIk3A 千宙気冫充 5
え、ロをあけて抗議するように弱々しく、六部合唱で泣きわめいてはじまりだったのである。 いるその生きものたちを見るうちに、彼の胸には、父親らしい保護のちになって、その夜の、東京周辺・ーーに限らず、たまたまそち 5 らの方角へ望遠鏡を向けていた、アマチュア天文家の全員から、続 欲と愛情が、みるみるわきあがり、ふくれあがってきた。 と続と天文台へ、その流星の報告がよせられることになったが、むろ お前たちーーーと彼はそっと呼びかけた。お前たち、いったい、・ ん、彼には、そんなことは知るよしもなかった。 こから来たのだ。これから何をしようとしてるのだ。 すべての赤んぼうは奇蹟であるーーずっと昔に誰かの云ったこと彼にわかったのは、ただ、ひきよせられてゆくことーー・そして、 ばが思い出された。まさしく、そうに違いな、。ほんの数ヶ月前まろうとの中に吸いこまれ、にわかに周囲が暗黒になり、そしてかぎ ーしたこ で、どこにも存在せず、何ものでもなかった。それが、いまや、こりなく落下してゆくような感じのあとで、ふいに彼がそここ、 うして生きて、生きていることを口々に訴えており、そしてこれかと、ただそれだけだった。 ら育っていって、食べたり、本を読んだり、けんかをしたり、ひと おそらくは、その荒々しい圧倒的な経験でもって、彼の、もとも を愛したりーーーするのだ。 とあるべき形状からひきはなされ、不馴れなやりかたで維持しよう 何てことだ、と彼はひとりごちた。おれは、六人のおやじなんだとっとめていた自己意識には、いささかの混乱が生じていたのにち がいない。彼が、おちこんでいた失神状態ともいうべきものから、 再び目を、ガラスケースにもどしたとき、何かがかすかに彼の心我にかえって、あたりを探査しようとしたとき、彼はそれがどこ の中でつぶやいた。それは、これからさき、ずっと彼を悩まし、しで、自らがどう対処するべきなのか、何ひとっ把握することができ だいに大きくなってゆくはずの疑問だった。それにしてもーー・それなかった。 にしても、一体、六人めの子は、どこから来たのだろうーーーそして、 そこは暗く、あたたかく かぎりない庇護と、そして融合の、 どの子が、スティーヴン・フォレスターの、生まれる予定のなかっ官能的なまでに快いパターンだけがあった。そこにいるかぎりすべ た六番めの子供なのだろう ? ては正しく、よくーー彼は、至純な幸福感を味わった。それは、は 六人の赤ん・ほうは、さながら、何か他の兄妹たちと異る行動をしるかなかれらの母体の中で、彼がびとつのセクションとしてその役 て父親の疑惑をかきたてることをおそれてでもいるかのように、き 割をはたし、フレニアと合体して味わったあの融合と正当さのよろ そいあいで、声をはりあげて泣きつづけていた。 こびよりもさえ、深かった。その一体感の中には、母体にあったよ うな義務と、庇護との相関関係はまったく感じられず、ただびたす 5 ら無償の愛ーーーそれにつつまれているものをうっとりとするような やすらぎにつつみこむ、至上のゆるしと庇護と献身、ただそれだけ そして、それは、彼にとっても、思いもかけなかったできごとのが感じられたのである。