「 S F マガジン」創刊号表紙 界科学冒険全集は、非常に順調に巻を重ね、翌々三十三 年に全三十四巻を予定どおり完結。しかも、・ヘリャーエ フ、ハインライン、ウォルハイムらの作品に混えて、瀬 川昌男の本格宇宙小説『火星に咲く花』を送りだすとい う快挙をやってのけた。 昭和三十二年に、第一号を刊行する同人誌「宇宙塵」 は、三十一年の夏には始動を開始していた。 そして、昭和三十二年十二月、早川書房は、故福島正 実、都筑道夫氏らの尽力によって、ハヤカワ・ cn シリ ーズの前身であるハヤカワ・ファンタジイ・シリーズの 第一冊、ジャック・フィニイ『盗まれた街』を刊行した。 さらに、二年後の昭和三十四年十二月、本誌マガジ ンが誕生。ここにおいて、昭和二十五年の『アメージン 米英第一線級作家の傑作を、これだけ揃えたこのシリグ・ストーリー ズ』日本語版にはじまった、翻訳出 ーズが挫折したのは、出版社が小さすぎたことと、その版は必ず失敗に帰するというジンクスは終止符をうつこ 翻訳の悪さだった。ともかく、おどろく・ヘき珍訳・誤訳とになったのだ。 の連続で、二十五年を経過した現在でも、誤訳の話とい 自分でも予想していたとおり、すいぶん荒っ・ほい紹介 うと、いまだに、 このシリーズの名前がでてくるくらい になってしまったが、終戦直後の混乱期から、はじめて ひどかった。 成功するシリーズであるハヤカワ・ファンタジィま このシリーズが、室町書房シリーズの、あるいは石泉での、おおよその日本出版の様相は理解いたたけた 社シリーズの訳文であったら、おそらく、のちのハヤカ ことと思う。 ワ・ファンタジイ・シリーズの出現を待たずに、最初の ここで、触れなかった単発作品や探偵小説雑誌の 成功した翻訳出版になっていただろうことは、想像特集にも、いくつか見るべきものがあるが、これは、こ するに難くない。 のあたりの状況に詳しい他の研究家の筆を待ちた 惜しいことではあった。なんにせよ、ジンクスは、こ こでも生きていた。 けれども、そろそろ、この不吉なジンクスが破られそ うな気配はあった。元々社シリーズに三カ月遅れてスタ 1 トした講談社のジュヴナイル・シリーズ、少年少女世 “ー 70 =
28 。リ斤れ d SF Spirit 全国 4000 書店にて開催 グ月 10 日より例年好評のハヤカワ SF フ ェアが開催されます。暑さを吹きとばす S F スピリットの数々をお楽しみ下さい。 東京都千代田区神田多町 2 の 2 ■早 ) 日書房■振替番号東京・ 6 ー 47799 25
第七回「ハヤカワ・コンテスト」 明日の U)LL を創る新人を求めます 小るって御応募ください ーーー応募規定ーーー ・未発表の小説にかぎる。 選考委員小松左京氏 ・枚数四百字詰原稿用紙四十枚以上、百枚まで。 ( 必ず三枚程度の梗概をつけること ) 眉村卓氏 ・締切昭和五十五年十一月二十九日。 ( 当日消印有効 ) ・発表本誌昭和五十六年七月号誌上にて。 石原藤夫氏 ・宛先〒川東京都千代田区神田多町一一 5 早川書房第七回「ハヤカワ・コンテスト」募集係 ・原稿は縦書とし、鉛筆は不可。必す右側の二カ所を紐て綴 伊藤典夫氏 じ、住所、氏名 ( 本名 ) 、年齢、職業、電話番号を明記する ・該当作のない場合、仕作を何篇か選ぶこともある。当該作 賞金 品には、応分の賞金を呈する。 入選第一席二〇万円・当選作の著作権および上演、上映権等、ならびにこの作品 から生する一切の権利は早川書房に帰属する。 入選第二席 一〇万円 ・原稿は、 たとえ返送料が添えてあっても一切返却しない。 入選第三席 五万円 ・募集要項および選定結果などについての問合せには一切応 しない 卍 0 戸 0 6
第六回「ハヤカワ・コンテスト」 最終選考会・誌上再録 ^ 選考委員〉小松左京、眉村卓、伊藤典夫 横田順彌 日本こてん古典第引回急ぎ足・戦後日本史 野田昌宏盟 野田昌宏のセンス・オプ・ワ多ーランド⑨ ◇連載◇銀河旅行と特殊相対論 スターボウ 石原藤夫 4 章 9 きみは星虹を見るか・ 難波弘之 難波弘之のトラック・タウン⑥ 田順彌 題名未定新コラ乙⑩ ☆盛況 ! ワークショッフ ☆スター・トレック・談義 井口健ニ加藤直之 深見弾 ・スキャナーストルガッキー兄弟の新連載長篇 スタジオぬえ ・スターシップ・ライプラリイの ) ・キャラクター・ア・ラ・カルト① ) ・ < ・ラフアティ 安田均 ・サイエンス・トピック宇宙の油断 池見照ニ ・レビュウ 伊藤昭 / 鏡明 / 中島梓 / 三井継 / 森下一仁 DIMENSION O 霜月象一祐 世界情報 ・てれほーと・ 0 ハロー・ファングループ・ マガジン・バックナンバーのお知らせ・ 第七回「ハヤカワ・コンテスト」応募規定・・ : の スター・トレッワ・タイジェスト ・・ー恒星フリッジからの展望ー 黒丸尚 2 ン隆之隆 ョ直嘉 シ光藤治 一依加佐 レ ト達造郎責 ス慶太一 ラ森淵信武 イ金岩高宮 加藤直之 表紙 宮武ー貴 目次カット 扉・目次レイアウト安藤三香子
ユヨー・トレ当鰯 今こそ、人類の冒険が始ま UMAN ADVENTURE 」 U?T BEGIN 全国 4000 書店にて絶賛開催中 0 ジーン・ロッテ、ンべリイ 映画原作ユヨー・トレり冬川亘訳 ~ パラマウント映画 7 月 1 2 日出より全国一斉ロードショー公開 C ℃配給 ハヤカワ文庫 S F ( ジェイムズ・プリッシュ ) ・地球上陸命令 ・メトセラへの鎮魂歌 ・ニ重人間スポック ! ・禁断のパラダイス ・暗闇の悪魔 ・小惑星回避作戦 ・パイリスの魔術師 ・見えざる破壊者 ・謎の精神寄生体 ・明日への帰還
五百六十円 〇のバックナンバーの在庫一覧を掲載し八月号 ます。ここに掲載されていないものは全て品切 ^ 第五回「ハヤカワ・コンテスト」入選第 れです。なお、☆印は残部少数につきお早めに一席〉「花狩人」野阿梓、「ロストワールド 2 」 御注文ください。 ④田中光二、「輪」今日泊亜蘭、「宝石泥棒」 ( 最終回 ) 山田正紀、「言語破壊官」かんべむ さし、「小惑星帯遊侠伝」横田順彌、「すべて ン の人々」ラフアティ、「夢幻時界へ」リチャード ナ ・・ルポフ、「豹頭の仮面」栗本薫、「ある記 五百円 録」③光瀬龍 + 萩尾望都、エッセイ・野田昌宏、十一月号 ク 「 Run with the WolfJ 栗本、「妖精が舞う」 ッ 一九七五年 九月号 五百円神林長平、「十三人目の男」今日泊亜蘭、「逆 ノ七月号 ( 八百円 ) 〈二〇〇号記念特別増大号〉 「鉛の兵隊」ジョーン・ヴィンジ、「無重行の夏」ヴァーリイ、「われらかくシャルルマ ~ ン十二月号 ( 四百五十円 ) 〈クラシック特集〉・カの環」堀晃、「ふうてん効果 ( たぶん ) 最後ーニュを悩ませり」ラフアティ、「蝗虫、ホー の応用例」梶尾真治、「サルマキスの夢」殿谷 ) ーと愛」マイクル・・コーニイ、 . 「ロスト ガ一九七七年 五月号 ( 四百八十円 ) 、六月号 ( 四百八十円 ) みな子、「濡れた指」森下一仁、「第三の可能ワールド 2 」⑥田中光一「「宗教・理性・実践」 ^ 戦争特集〉、十】一月号 ( 五百円 ) 〈フラ性」クシシトフ・ポルニ、「プラグを抜かれる ! 」厳家其、「銀河旅行と特殊相対論」石原藤夫、 ンス特集〉 ・グーラート、〈第五回「ハヤカワ・コ吾妻ひでお ( コミック ) ンテスト」佳作〉「狐と踊れ」神林長平、「あ 一九七八年 一月号 ( 五百円 ) 、三月号 ( 五百円 ) 、四月号る記録」④ ( 宇宙叙事詩・最終回 ) 光瀬龍十十ニ月号 五百円 「 Run with the WolfJ 栗本薫、「塩の指」 ( 五百円 ) 「五月号 ( 五百円 ) 、六月号 ( 五百尾望都、エッセイ・野田昌宏、 晃、「マトリックス覚書」かんべむさし、 円 ) 、七月号 ( 五百円 ) 、入月号 ( 五百円 ) 、 五百円「失った顔」ョゼフ・ネスノートノ 九月号 ( 五百円 ) 、十月号 ( 五百円 ) 〈ヒュ☆十月号 1 ゴー / ネピュラ賞特集〉、十月号 ( 五百円 ) 、 ^ 年ヒュ】ゴー / ネピュラ賞特集〉「ジェフの姫君」«< ・マキャフリイ、「イーデンの向性 十二月号 ( 五百円 ) 〈イギリス特集〉 ティは五つ」エリスン、「ラセンウジバエ解決彫刻」 ) ー・キロウ、「ロストワールド 2 」⑦ 一九七九年 法」・シェルドン、「キャラハン亭に夜は更田中光二、連載科学工ッセイ・石原藤夫、吾妻 一月号 ( 五百円 ) 、四月号 ( 五百円 ) 、五月号けて」・ロピンスン、「ロストワールド 2 」ひでお ( コミック ) ( 五百円 ) 、六月号 ( 五百円 ) 、七月号 ( 五百⑤田中光一「「風の浜辺」森下一仁、「あし」 一九八 0 年 円 ) ^ 第五回「ハヤカワ・コンテスト」入岬兄悟、「カメレオン部隊・グーラート、 「星のめぐり」・ゼプロウスキー、「三人が一月号 選発表〉 五百円 環ってきた」鏡明、エッセイ・野田昌宏、吾妻「ロストワールド 2 」⑧田中光一「「火星人た 一九七九年 ひでお ( コミック ) ちの戦野」川又千秋、「ユウ・とどかぬ叫び」 0 230
騎 ハヤカワ・ノウ左ルズ 明日の国際政治を演出する怖るべき黙示録 ! 『パリは燃えているか ? 』の著者か四年 の歳月をかけて今春完成させた、戦慄の 大型ポリティカル・ファクション ! 話 題の書、英米に先がけ遂に日本へ上陸 ! あらゆる話題を独占して絶賛発売中 ! 目者は死す マリオ・プーヅォ 平尾圭吾訳 \ 2000 今。ス イ ト : ン 火第ス 濃霧を衝いて着陸を開始したー 7 。 トマス・ペイジ / 深町真理子訳予 \ 八六〇 ノース・カロライナで発生した〃火を吹くゴ キプリ〃の群れがニュにヨークを襲う ! 恐 怖の八カ月を迫真の筆致で描くサスペンスー の前でセティ一世の立像が姿を消した。 ーマ』の著者が解き明す、古代の巨宝の謎ー 0
S•F : 1 日発行冫第 21 を第 8 号 . 第和 35 年 4 リ 12 日第三種咫物認昭和 34 年 12 リ 1 日国東局特別扱認第誌第 682 号 - 昭和 55 年 8 リ 1 日印制・発行 ! 毎リ凵可 マガジン 19 アメリカ・ファンタジイ & SF 言志寺約 第 6 回ハヤカワ・ SF コンテスト く最終選考会・誌上再録〉 今日泊亜蘭 川又千秋 く傑作短篇〉 伊藤典夫 眉村卓 小松左京 Sc た〃 c S ビ c 膨 / 砒わ〃 & 月 c 0 〃 / Fa 厩
「ダーテイベアの大冒険」で爆発的な 人気を呼んでいる高千稠遙氏のサイン 七月五日 ( 土 ) 名古屋 会が、東京では三省堂渋谷店、紀伊國 〇三省堂書店名古屋店 屋新宿本店、池袋西武ブックセンタ 「ハヤカワワークショップ」 ( 講演と質疑 店 、また福岡、熊本の紀伊國屋の五カ 応答 ) 所でおこなわれました。また、紀伊國 一ミ ~ 第☆二時 ~ 四時 屋福岡店、熊本店では「ワークシ せ☆講師高千穂遙氏、本誌編集長 ( 他店も同じ ) ョップ」も開かれました。 ら「ダーテイベアの大冒険」発売記念サイン会 伊 フ サイン会はどの会場も長蛇の列がで 紀皿知☆四時十五分 ~ 五時三十分 き、時間切れで集まっていただいた方 お☆著者高千穂遙氏のサイン会を行ないます。 京 東 全員にサインできない会場もかなりあ ( 他店も同じ ) の りました。福岡、熊本でおこなわれた 場所名古屋ターミナルビル 2 名古屋市中 景 ョ 風 ワークショップは、耳なれない言葉に 村区名駅一ー一 ー二 0 5 2 ー 5 6 会 会 戸惑う方も多かったようです。本来は ン ン イ 実際に創作をしながら勉強する会です第 が、今回は講師を囲んでの話をす サ七月十九日 ( 土 ) 札幌 る会という形式でした。 「〇リープルなにわ ところでそのワークショップは、高 び「ダーテイベアの大冒険」発売記念サイン会 よ☆一時三十分 ~ 一一時三十分 千穂遙氏が、。フロレスになそらえて小説の構造を説明するなどューモラスな ~ ' ( ( ~ ~ ~ " 一、 ( ( ( 【 ( " " 、・義物ー物ミー話に沸きに沸きました。 お場所札幌市中央区南一条西四丁目日之出ビル ワ 熊本では、熊本在住の梶尾真治氏が 。フ〇紀伊國屋書店札幌店 高千穂遙氏とともにサイン会をやり、 ッ 「ダ 1 テイベアの大冒険」発売記念サイン会 ワークショッ。フにも参加しました。 ョ☆三時 ~ 四時 て高千穂氏が長篇、梶尾氏が短篇の書 「ハヤカワ TJ ワークショップ」 シ 店き方、そして「ハヤカワコンテス ク☆四時十五分 ~ 六時十五分 本ト必勝法」など、さまざまな話題で進 一場所札幌市中央区南一条西一丁目十四番一一号 屋行しましたが、コンテストの話題 況 61 0 ; 11 人ーワ】 11 ーっ朝 1 、つ 01 人 ワ 國のときに、聴衆の中に野阿梓氏がいる 七月ニ十日 ( 日 ) 旭川 ・。・一紀のを、高千穂遙氏がすつばぬきました。 盛 さかんに照れながらも、無理矢理講Ⅷ〇三省堂書店旭川店 「ハヤカワ TJ ワークショップ」 一風師の席〈ひ「ばりあげられた謎の 、会作家野阿梓氏の、ついにファンの前にⅧ新☆十一一時 ~ 一一時 「ダーテイベアの大冒険」発売記念サイン会 イ姿を現わしたひと幕でした。 ☆二時 ~ 三時 サイン会、′ワークショップは、これ 場所旭川市宮下通り八丁目西武旭川店九階 からも下欄の場所でおこなわれます。 0-1 ーワ貿ーっ朝 0 1 ・せひ多くの方に参加していただきたい と思います。 ( 今 ) ・ .I ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢいⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡ序 け 7
「いや、心理的な影響などということはないが」 「われわれはいかなるものからでも、恐怖や危険を感じたりするこ 「そのように報告を受けています」 とはない。だから、外界を直接、目にしたからといって、どうとい 第五委員のシドが身をのり出した。 「第一委員。一度、外部の様子をこの目でたしかめてみたいと思うことはない」 「必要ないということだけだ」 。報告だけでは、十分に情況を把握することはできないからな」 委員たちは、口々に言った。その顔に、はげしい恐怖がわいてい 彼の発言に委員たちははげしく動揺した。 「第五委員。それは不必要ではないかな。必要なことは、専門機関た。 によってなされた調査にもとづく詳細な分析結果であって、われわ「わしは見たくない。外界など、見たくないんだ ! 」 れが直接、外界を目にしたところで、何の意味もない」 ふいに第七委員が絶叫した。蒼白な顔に、汗の粒が一面に浮いて うなずく者が多かった。 「今の第十二委員の発言は至当だ。外界の状態をわれわれが見たと「みなもそうだろう。専門機関の調査結果が大事なのだとか、われ ころで、しよせん、しろうとの観測に過ぎない。かえって間違ったわれが見ると、間違った判断を下す恐れがあるとか、そのようなこ 判断を下す恐れが十分にある。それはやめた方がいい」 とはすべてこじつけだ。第一委員。わしははっきり言う。わしは恐 「わしもそう思う」 ろしいのだ。この《城塞》の頭上、何千メートルの所に、永遠の死 「それに危険だ。心理的な影響は避けられない」 の世界がひろがっているのだなどと、考えただけでも、恐ろしさに 第七委員が、他の者と違うことを言った。 気が遠くなるようだ。外のことなど、考えたくもない。この《城 好評発売中 ! 梶尾真治 地球はプレイン・ヨーグルト 甘いラブ・ロマンスから奇想天外なユーモアまで、達者な筆が展 開する世界 ! 久々に登場した本格短篇作家の作品集。 地球はユレ、 三ニ 0 円ハヤカワ文庫 n< 早川書房 3