ン″や″宇宙船〃をつくって、移動と定 追放された移動というカテゴリーは、 とりこめるものは、すべて、とりこんで 空想の領域に、亡命の地を見出した。一肥大していく。自動車でさえ、定住社会住との相克にたいし、新たな次元を主体 九世紀初頭から、二〇世紀初めにかけてが自然や外部社会を胎内化する手段とし的に切り拓いていきたい。 ウ 続出した欧米の発明家たちが、鉄て位置づけられてしまう ( 川添登『移動惑星に定住することを拒み、宇宙船で 移動し続ける者たち。 道、汽船、内燃機関を使った三輪車、船、空間論』鹿島出版会選書 ) 。 自動車、二輪車、飛行機などの移動手段しかし、一九世紀初頭以来の移動手段現在に定住することを拒み、タイムマ シンで移動し続ける者たち。 の発明に熱中したのだった。しかし、こ発明系列の、ほとんど最後尾にくる″タ レ 彼らこそ、農耕民に対する遊牧民、植 れらは、ことごとく、工業型定住社会のイムマシン″と″宇宙船″ ( 本格的イメ 物に対する動物の心意気を復活させるも ジの成立 ) とは、とりこもうにも、と 5 支配領域の拡大に益するばかりだ 0 た。 のたちである。しかも、宇宙空間と時間 ところが、「この一〇ないし十数年とりこみようがない程、異質だった。たし という新しい舞台が提起する、とんでも 、う短い間こ、 ・ : 現代人のなかに、意かに、空想が商品化されるという形で、 ない問題に果敢に挑みつつ。定住文化に 識のレベルで定住から移動へという位相とりこまれはしたが、空想そのものが、 反逆するは、その予兆ではあるまい の反転が生じはじめた」それには三つの定住の枠組をはみだしてしまう。 か。 ( 『移動人間論』 / 著者平野秀秋 理由がある。自動車の大衆化、高速大量この本の根本テーゼは、《人類文化 / 二一四頁 / 紀伊國屋書店 / 一三〇 輸送手段の発達、情報化である。それな は、移動と定住との相克によって創ら 〇 ) らば、位相の反転は、二〇世紀初めのれ、変化する》である。テーゼ展開のひ 型自動車の普及によって始まったという とつに、「遠くからやってくる救済者」 べきだろう。 にたいする愛着は「かれの用いる移動手 しかも、その時、すでに、移動力テゴ段にたいする畏敬と愛着とも、 : : : 切り ) ー追放のニつの原因は消減していたのはなせない」という命題がある。では、 ではなかろうか。ひとつは、ウエルズ・ほくたちファンが愛着してやまない 『宇宙戦争』のコズミック・カタストロ ″タイムマシン″や″宇宙船 / こよ、 フィの先駆的把握によって。もうびとっかなる救済者がのっているのであろう は、相対論的な時空観によって。 か。という発問自体、定住者の側に身を にもかかわらず、いったん確立したエおいて、救済を待っていることになる。 ・ほくたちは、あくまで自ら″タイムマシ 業型定住社会というリヴァイアサンは、 クルマ 円 7
やればよいのです ? ペタ塗りですか ? 枠線引きですか ? 」 「見ろ」 どう考えたって、この青鬼の顔をした宇宙人が、マンガを描くと 青鬼が言うと、機械の横の壁に、丸い穴が開いた。点から、みる は思えない。あたりまえだ。 みる広がってゆき、直径四十センチほどの穴になる。ガラスのよう 「なあに、簡単なことだ。ワシがおまえさんにやったことと同じこ な物が入っているところを見ると窓のようだ。 びくつきながら、その窓のようなものに顔を近づけて覗いてみとをやればいいんだ」 「へ ? 」 青鬼はおれを、おれがとび出てきた白いスクリーンのような所ま 「ぎやっ」 でつれて行った。 「判ったか ? 」 青鬼は左手に小さな箱のようなものを持っていた。ボタンが付い 「わ、判りました」 ている。それを押した。 ガクガクうなずいた。 と、白いスクリーンに、もやもやと映像らしきものが映り始め その窓の外は宇宙だった。そして眼下に、巨大な地球が見えたの た。部屋の中は天井が青白く光っているだけで、かなり暗い。 である。 なんだか映画を見ているような感じだ。 「ここは宇宙船の中 : : : 」 スクリーンの映像が、はっきりし始めた。 青鬼はうなずく。 「うわお。お、おれの部屋だ」 「す、すると、あなたはもしかすると宇宙人」 おれの部屋がスクリーンに映っていた。いや、映っているという 青鬼はもう一度うなずいた。 より、眼の前にある感じだった。 「ひええええええ」 「ああっ。机の上がメチャメチャだ。原稿がインクで真黒。破けて おれはのけそり、その丸い部屋の中をドタバタと走りまわった。 いるのもあるう」 テープルのまわりを七回まわってから青鬼の前に立つ。 すぐ眼の前に机があり、そのむこうにべッド、タンス等が見え 「どうだ驚いたか」 る。ちょうど、おれがぬけてきた壁側からの視界である。 冫しったい全体、あの地球の、日本列 「気が狂いそうです。それこ、、 むろん部屋には誰もいない。 島の、東京の町にある賃貸しマンションのおれの部屋の壁のヌ】 ド・ポスターの股ぐらから、どうやって、地球から遙か離れたこの「方向は自由自在」 青鬼は言いながら手にした機械をいじる。 宇宙船に来れるのです」 すると、画面が動き始めた。ぐるりとまわってべッド側からの視 7 壁の窓が小さくなり、点となって消えた。 「お、おれはどうしたらよいのです ? プシスタントって、なにを界だ。
適格」 "Misfit ” ( 193 のでは、宇宙船の最 年少の乗員である少年が、天才的な数学の 才能によって宇宙船を救う。ハインライン の 10 代向けに書かれた小説は、『宇宙船ガ リレオ号』火 oc S んゆ Ga 〃ん 0 ( 1947 ) から『大宇宙の少年』圖〃。 s. 加 c ハ″″ Ⅳ / 〃 Travel ( 1958 ) まで、大半がこ のパターンに合致しており、後年の『ポデ ィの宇宙旅行』研 Ma ” ( 1963 ) もこれに含まれる。若すぎる大人というべ きか、早熟な青少年はまた、ジェイムズ・ H をシュミツツの「チックタックとわた アトムの子ら ウイルマ ~ ・材、シス 「アトムの子ら』 ( ハヤカワ文庫 SF ) し」 "Novice ” ( 1 % のをはじめとする《テ ルジー》シリーズや、アレクセイ シンの『成長の儀式』ぉ age ( 1968 ) 、そしてサミュエル・ R ・ディレ イニーの多くの作品にも登場する。 Nova ( 1968 ) に代表されるディレイニーの長篇 群は、アルジス・パドリスのことばを借り マジック・キッド れば「、、魔術的少年″の成長・・・・・・その素朴 な気品と本能的な器用さが万人の興味を ひかずにはおかない、聖なる子供」の物語 である。ハインライン流の修養にもたよら ず、純粋な魅力だけで大人の社会の承認を 他の作家たちの作品、例えばジョン・ヴァ ーリイの「鉢の底」 "ln the Bowl" ( 1975 ) にも登場する。 文学一般と同様、子供の視点が S F 作家 によってもよく用いられるのは、それが世 界を新しい目で見直す便利な視覚を提供す るからである。例えば、キングズリー・エ イミスは IF の世界を扱った小説 The A ra た・。れ ( 197 のにおいて、聖歌隊員で ある少年ヒーローをうまく使っている。レ イ・フ・ラッドベリは自分の子供時代の経験 をノスタルジックで恐ろしいファンタジイ 『火星年代記』 The Ma れ” C ん r な ( 1950 ; 図 The & んん oc な英 ) と『何かが道をやってくる』 So 襯ん・れ g Ⅳなん T んなⅣ Co 襯 ( 1962 ) に変 形させて描いた。ジーン・ウルフは子供の 視点をくりかえし使って、忘れ難い効果を あげている。例えば「デス博士の島その他 の物語」 "The lsland of Dr. Death and Other Stories" ( 197 の、 "The Fifth Head of Cerberus" ( 1972 ) 、「アイランド博士 の死」 "The Death of Dr. lsland ” ( 1973 ) がそうだ。 / 、一ラン・エリスンのファンタ ジイ「ジェフティは五つ」 "Jeffty is Five ” ( 1977 ) は永遠に 5 歳のままの少年を扱 い、アメリカの大衆文化の質の明らかな低 下を子供の視点を用いて論じている。これ らの他にも数多くの例が存在する。 子供に関する作品ばかりを集めたアンソ ロジーとしては次のものがある。ウィリア ム・テン編 C ん″イれⅣ 0 れ r ( 1953 ; 團 04 ” : C ん″イ尾” Ⅱ % 〃わ、アイザック・アジモフ編 To 襯 0 " 0 て 0 な C ん″・ ( 乞 1966 ) 、ジ ャー・エルウッド編 D ど襯 0 れ Kind 1973 ) 、同じくエルウッド編の C ん″イ〃 研 1 り ( 1973 ) 〔次号につづく〕 XV 〔 DP 〕 マジック・キッド 得る、、魔術的少年〃 257 このような少年は
ハトログラフは、どうなったかしら ? 今でも宇宙空間を飛びつ果し、必す要求された期日の中で果した。パ トログラフは、宇宙船 づけているんたろうか。それとも、どこかの恒星に引き寄せられて乗りにとって、あこがれの的であり、彼のクルーに加えられること 3 火の玉になってしまったのかしら ? 」 を最大の念願にしていたものだった。 リトル ' ハラはつぶやいた。 「あたしは大きな間違いをしてしまったのかしら ? 」 恒星の核融合反応の超高熱に巻きこまれて燃えっきるならまだし そのパトログラフを、宇宙空間に葬ってしまったなどと、心ある も幸せであろう。永劫の闇黒の中を、果もなく漂流しつづけるの人たちが聞いたら、その心ないしわざにはげしい怒りを感ずるに違 は、悲惨なことだ。 「パトログラフは悲しがっているだろうか ? 」 「そうだったのか」 リトルバラは、急に、自分が大変な失敗をしでかしたような気が リトル・ハラは頭をかかえてうめいた。 ス・ヘース・マン 宇宙技術者としてまさに失格だった。 オペレーダー 「ね、通信士。私は相棒の遣体を宇宙空間に流してやったのよ。 「どうしたらいいの ? 」 けないことしたのかな」 リトル・ハラはロトにたずねた。 「調査員。きみは相棒を宇宙葬にしたのか ? ひどいことをしたじ ロトは悲しそうにリトル・ハラを見つめた。 ゃないか。きみの相棒は、もう二度と故郷へ帰ることはできないん その目は何も語ってはいなかった。 だぜ。どんな偶然も、彼を彼の故郷へ引きもどすことは不可能だ。 「あたし、パトログラフを探してくるわ」 リトル・ハラは立ち上った。 おそろしいことじゃないか。悲しいことじゃないか。彼には、永遠 の暗黒しかないんだ・せ」 「どこへ行くんだね ? 彼は宇宙の果へ流れていってしまったんで / トログラフ」 はなかったのかね ? 」 リトルバラは、金星のビーナス・クリーク出身の、べテランの宙「そうよ。でも、あたし、行って連れもどしてくる」 リトルバラは立ち上った。だが、どうしたらそれが可能なのか 航士の記憶を呼びもどした。 とほうに暮れた。 褐色の髪と、空色の目を持った、がっしりした体驅のその男は、 もう百年以上も調査船に乗っていた。必要以外にはほとんど口を開「これ、使うといい」 ロトが熱線銃をさし出した。 かないそのペテランの宙航士は、リトル・ハラにとって、住む世界の 人間だった。宇宙旅行や未知の惑星の探察には、何の興味も関心も「これで ? 」 抱いていないようだった。最初からそうだったのかどうか、誰冫 こも「そう。それは銃把の中に安全装置が内蔵されていて、銃把を強く わからない。だが、与えられた任務は、つねに百パーセント確実に握らないと引金が引けないから、自分へ向ける時は両手でやるとい ナビ
私が実在であるか、無にすぎない物かどうかを私は知りたいと思 さて、最後に私もここで、いまは自分の順番がきたことを述べね、ったのだ。 まならよ、 0 しかし どういう運命のいたづらなのかー私はそれを天神の摂理と考える私はいま思う】 のだがーおどろくべき偶然が私にひきあわせた二人の遭難者はふた 「父」とは一たい何なのだろうか。 りとも分らぬ父をさがし求めていた。 たったいま別れたばかりの新しい知己たちは、数や番号の父に腹 てて が私にいわせれば、彼等の立場などは「父無し云々」などというを立てていた。それらは私からすれば遙かに形のある実在なのに、 べきほどではないのた。 彼等はそれさえ空しいとして実体の存在をたしかめたがった。 そう。、彼等ではない。 そしてそれを結局空しいと諦観し、悟りの道に入ったようにそれ 私ーー私こそがそのはじめ、三才の幼児のときから「父 _l を探し以上の言葉をのこさずに死んでい 0 た。 もとめてきた人間なのである。 してみれば私のそれが迷いのうちのまた迷いでなくて何だろう。 私の母はマリ子といい、漂流した宇宙船のなかで私を身籠 0 たド追求すべきでない無を求めて、己ればかりか愛する者をさえ虚空の 当時それは、あるいは醜聞として、あるいは神秘な不思議とし流し者にしかけた。 て、あるいは心因反応のもたらした想像姙娠の変形として、物好き この船は方向舵管を爆発の破片で吹飛ばされたので、どこへ航角、 な世間の話題と電画・新聞雑誌をにぎわしたものである。が最終的をとることもできない。 にはけつく解明できない宇宙の謎として残り、私は「宇宙線の子」 私はいま眠っている恋人を床睡し、冬眠凾に入れて木星あてに個 と渾名してよばれた℃私はその「父」の正体をさぐり求めた。 身用ロケットで流す。 私が宇宙の始元神格を信じ、この教の道に入たのもその為である。 そして私じしんを冷凍し、永劫の無へ漂い出る。 こんどの旅はその仕上だった。 な・せなら 私は。 ( ウロ司教に付き従う巡回の中途から、恋人をつれて逃げた無有と輪廻を信じるからだ。 人間の生んだ宇宙観を学ぶ者として、この私はここで亡びてもい 宇宙へ出、果しなく旅して廻ろう。 つかまた同じき形を生じ、同じき周囲の人・友達と遇い、交わるに 一・その間、私はけっして恋人に愛をしかけない。はじめて会ったと違いないことを信じるからだ。 きのままの乙女の彼女のままでおく それゆえに私はゆく】 彼女は姙娠するだろうか ? 亠久よさらば。 もしすれば「宇宙線という「父」は在るのだ「・、 カ反対なら : リゲルで会おうーー」 0 7
には常に・フラスターをもった二人のクリトス人ケインは足で蹴りつけ、 . とっくみあいが始まっ いないのだ。 ボディガードがっき従い、しかも地球にもめった。両手を縛られたままのケインは圧倒的に不しかしそのとき、二人はまたもや何者かに襲 たにこようとしない。 利だ。しかし決死の力がものをいった。男を組われた。二人は縛りあげられ、エアカーに連ば 2 それがケインの猜疑を呼んだ。これだけ臆病みふせたのだ。と、突然男は心臓をおさえて苦れて、森の奥深くの空地に放り出された。ケイ な種族がそもそも宇宙旅行というものを発明すしみ出し、絶命してしまった。そのとき、エアンは森には巨大な蛇がいるとチャ 1 ポーン人が ること自体がおかしい。 ロックの内扉が開き、乗組員がプラスターを手いっていたのを思い出した。案の定大蛇スラッ ある日、ケインがエリザベスの部屋を訪れたに現れた。ケインは殺人犯として逮捕された。 クスは二人を襲ってきたが、ペンドレイクの超 とき、突如衝動にかられて彼は彼女に襲いかか死んだ男はアーチベランの準市民だったのだ。人的な力で逆に倒すことができた。夜があけた った。運よくべンドレイクがいてくれたおかげアーチ。ヘランに着いたケインは、早速裁判にとき、驚くべきことにその空地にはクリトス人 で大事に到らなかった の骨が累々と転がっているのがわかった。その が、これでケイン自身も とき一人のチャーポーン人が姿を現し、二人を ″流行性精神病に冒さ 町まで連れていく。 れたことがわかった。 あまりの野放図な彼らの行動にチャーポーン 彼はヒスラックの船に 人の心証は悪くなった。そんなことにはおかま ~ 第 0 0 便乗して、チャーポーン いなく二人は彼らを襲った犯人ラシスを捕え、 人の母星アーチベランに 彼の宇宙ョットでアーチベランを脱出した。 0 行くことにした。しかし チャーポーン人には宇宙船を操縦できない。 船内でも災難が待ち受け一 チャーポーン人と初めて接触したのはケンタウ ていた。ケインらは船内 リ植民地である。ケンタウリ植民地人の何人か での行動を厳しく制限さ 、・はアーチベランの準市民となっている。″流行 れ、操縦室も見せてもら 性精神病が発生し始めたのは、チャーポーン えなかった。しかも船倉 人が地球を訪れてからのことだ。地球人はチャ には強烈な匂いのする、彼らの食料でもあるムかけられたが、ペンドレイクの証言により無罪ーポーン人のことをほとんど知らない。ケンタ ーザル樹が自然のままに植えられていた。そん放免になった。セファン人は絶対に嘘の証言をウリ植民地人は、臆病なチャーポ 1 ン人を隠れ なある日、彼が自分の船室のドアを開けたとしないと信用されているからである。 みのにして、地球からの独立、あるいは地球の き、ペンドレイクが床に倒れているのが目に入アーチベランは森林の星で、チャーポーン人征服を企てているのだろうか ? った。その瞬間彼も後頭部を殴りつけられ、気の小さな町があちこちに点在しているだけの、 地球に近づく頃、ラシスの様子が一変した。 を失った。気がついたとき、彼は両手を縛られとても発達した文明をもっ星とは思えなかつまるで憑きものがおちたように。燃料切れと宙 たままェアロックの床に転がされていた。隣にた。ケインとペンドレイクはチャーポーン人の港の反重力ビーム操作の不手際で、宇宙ョット はペンドレイクも同様に転がっている。そして字宙船の操縦室に忍びこんだ。そこに見たものは着陸時に大破する。その際にラシスは死ん 一人の男がエアロックの外扉を開けようとしてはーー・地球人の宇宙船の操縦室だった ! 明らだ。 かにチャーポーン人が操縦するようにはできて地球はまったくひどい状態だった。精神病が いた。宇宙空間に放り出そうとしているのだ。
NASA 現地取材 ! 宇宙船クリーク待望の一冊 ! 野田昌宏編著 B5 判並製本定価 1500 円 / 絶賛発売中 S F 小説の著者、翻訳者、紹介者としておな じみの宇宙大元帥野田昌宏氏が、直接現地 N A S A に取材、無重力状態における訓練風景 や、未公開だったシャトル打上げ発射台、発 射のたびに話題をまくタイルの修理風景など N A S A 最新情報を満載したファン必携の書。 また、竹内均氏、竹宮恵子氏との対談も含む。 全米のポリスマンと危険な犯罪地域を歩いた迫真のルポ ! リカン体験旅行 水野晴郎著 予定価田 00 円 ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど 18 の警察署、ハイウェイ・パトロール、 s w A T 、警察学校を歴訪。映画評論家としておな しみの著者が全米のポリスマンと危険な犯罪 地域を歩き、なまなましい体験をもとに溢れ んばかりの熱情をこめて綴った迫真のルポ。
〃刊米 ) 、『奴隷狩りの惑星』 これは遺伝工 The ん″ 0 ( 1972 ) 学を扱っている、『傷ついた栄光』 The Big 窺“た M な ( 1975 ) 、『黄金の星間 連絡艇』 & C 硼 ( 1977 ) がある。第 二系列は、もっと早い時期に始まり、さら に続巻が予定されているが、これは内部的 な順番を意図しないで書かれている。グラ イムズは第二の経歴を、リム・ランナーズ やリム・ワールズ宇宙軍予備組織でおく る。こちらに属するものとして、ね / み〃れ 4 U れれ , “ ( 1964 ) 、 CO ra ん” d 工襯 0 e ”第 4 化 ( 1967 ) 、 The 火 / 襯 Go ( 1969 ) 、 T ん Da D / 襯豆 0 ( 1971 ) 、ス〃 er れ 4 Or 房な ( 1971 ) 、 7 ' ん e Ga 侃 , ( 1972 ) 、 The Ⅳお“ん ( 1976 ) がある。これらの作品 に描かれるグライムズのややメランコリ ーな気質と変わらぬ発明の才は、しばしば C ・ S ・フォレスターの作中人物ホレイシ ョ・ホーンフ・ロワーを想起させるが、フォ レスターの影響は作者自身も認めている。 しかし、もちろん初期にあった類型からの 影響は、ホーンフ・ロワーのキャラクターだ 《グライムズ / 銀河辺 けにとどまらない。 境》シリーズの全作品は、まことに明白に 通常のケースよりはるかに直接的に ー商船や海や港を、宇宙船や宇宙、惑星へ と置き換えたものなのである。チャンドラ ーの作品にある温かみやディテールの多く は、舞台のこうした直接的な転移によって 生じたものである。グライムズ自身、ちょ うどホーンフ・ロワーの読者が感じているの と同じような忠誠心を、彼の読者に植えつ けたのだ。実際、チャンドラーのスペース ・オペラは、この分野で最も好ましく、よ く構築されたもののひとつであり、また彼 の描く、、リム・ワールド〃の光景ーー冷た く、貧しく、銀河間の闇と面したさい果て の地、しかしたくさんの開拓者的美徳にあ をする。この小シリーズにはグライムズの 名も現われる。しかし、彼自身のシリーズ は、キャルヴァーのそれと酷似した経歴と 人生を、微に入り細をうがって膨大に引き 伸ばしたもので、グライムズは二系列の連 作中で主役を演じている。第一系列は、時 間経過にそって ( もっともその大半は後で 書かれたものだが ) 、銀河連邦監察宇宙軍に おけるグライムズのキャリアを、彼が、、リ ム″へと宗旨替えする時点まで描いてい 0 トラム・チャンドラー A ・ る。 1977 年末で区切って ( まだ何点か続巻 が予定されているが ) 、このシリーズに属 する作品を物語の時間順に挙げるなら、 『銀河辺境への道』 The d ね ( 1967 ) 、『エル・ドラドの生贄』 To ~ 滝切に the 襯 2 ( 1971 ) 、『連絡宇宙艦発進せ よ ! 』 The 4 Ⅳの ( 1972 ) 、 『異次元のエデン』 The 召加んれ Cycle ( 1975 ) 、『惑星スパルタの反乱』な e Fa れ d ( 1968 オーストラリア ; 23 XI
このての精神障害は、宇宙の辺攬では致命的だった。 「人じゃない ? なんだ。ロポットか ! 」 「誰が射ったの ? 」 「ロポット ? あたしは心がないからね。その意味ではロポットか 2 「誰が射ったのでもない。強いて言えば自分で自分をさばいたのもしれないわね」 だ。それがおきてだ」 「ロポットじゃないだろう ? 人間だろう ? 連邦じゃこんなロポ 「ここには七人いたはずだわね。あとの四人はどこにいるの ? 」 ットが造られているのか ? まさか」 「知らない。皆、自分を見つめている。その作業は尊い」 「人間とロポットとどこが違うの ? 自分がどちらの方だと思うの 男は暗いまなざしでリトル・ハラを見つめた。 か、それによるんしゃないの ? あたしは人間。それでいいじゃな あなたはどっち ? 」 「調査員。きみはこの中継局の機能が停止した理由を中央へ報告い。 し、それからどうするのか ? 」 通信士は泣くようにさけぶと、こぶしを固めて躍りかかってき 「どうするって ? 」 「わかっているさ。次の命令が与えられる。すると調査船に乗って リトル・ハラはむしゃぶりついてくるロトの両手を引きはがし、体 また宇宙へ飛び出す。何十日も、何百日もかけて目的地へ行く。そを突き飛ばした。ロトはテープルにぶつかって床にくずれ落ちた。 こで任務を果す。そして帰る。また命令だ。そのくりかえしだ。い そのままの姿勢で、彼は声を放って泣きはじめた。 つまで ? もちろん、どこかで遭難して死ぬまでだ。いっかその時 リトルバラは回廊へ出た。その時、どこかでさけび声が聞えた。 が来る。そうだろう。きみの宇宙船はいっか駄目になる時が来る。それは人の声というよりも、鳥か虫の鳴き声の断片のようだった。 整備の不良や故障ではない。 リトル・ハラはさらに進んだ。 レーダーでもとらえられない微粒子や いん石の衝突がその原因かもしれない。あるいは宇宙空間にただよ部品倉庫があった。縦横に区切られた棚に、コンテナーや金属ケ っている中性子のガスかもしれない。その時、きみは最期の瞬間を ースが整然と収められていた。床には、地上車の組立て式のフード むかえるのだ。それまでの間ではないか。その瞬間をむかえるためや、ロート・ダインの胴体が置かれていた。 にそんなことをやっているのか ? 」 とっぜん、怪鳥のようなさけびが、沈澱した空気を震わせた。 リトル・ハラは反射的にドアのかげに跳んだ。 通信士のロトはリトル・ハラの腕をとらえて言いつづけた。 「そうかもしれないわね。だからどうだと言うの ? 」 また絶叫がはしった。リトル・ハラの右手が信号拳銃の銃把を握っ ていた。 「さびしくないか ? 恐ろしくないか ? 」 ロトの目は限りなく暗かった。リトル・ハラはその目の奥をのそき声の発した方向をうかがった こんだ。 , 小さく自分が映っていた。 軽金属の鉄骨を支えに、何本もの梁が頭上を横切っていた。それ 「あたしは人じゃないもの」 がクレーンのレールであることは、頭上に停止しているホイストで こ 0
いとか、胎盤と乳腺で哺育した母親が重要なんだとかって考えは間 違ってると思うよ。おめえは「構造原素」だとか言ったナ " その通り だ】父親はおれの素子なんだ。、それを知らせねえって法はねえ ! 」 「それやそうだが、だからどうなんだ」 「だからョ、お蔭でぶじ助かってもおめえを追掛けることを止めや しねえが、今までとは違っておめえの気持を解りながら追掛ける ゾ、って言いたかったんだ。ーーー正直言って、おめえはどうか知らね えが、おれは : : : おれは識らねえ親父に会いてえと思うーー」 「わかったーー、火を入れろ」 ◇第四のテープ 「私は旁らから彼等の会話をききかっ様子を察しながら、どうする ことも何を言うこともできなかった。ど、、 オししち、それは他人の容喙 すべき事ではなかった。私はただ彼等のど性っ骨・ : 何というか最後 まで理性と諧謔を失わずに力を尽すことを止めない「宇宙魂」に圧 倒され、畏敬の念とおのれの無力の歎きにうちひしがれていた。 舟はそのあいだにも秒速千キロで飛び、すでに遠く火星圏をあと にしていた。彼等が地球大気を脱出してから三日、私に遇ってから 二日がすぎ、そのあいだ彼等は「あと数時間の命と言いながら互 いに悪罵と助言をとり交して癒着部の穿孔や駆動機の修理を試み・つ づけたのだ。船の空気洩れは装備の酸素ポンべがほんとうの空にな るときが致命の時期だったが、それも宇宙兵スクレニの言うとお り、稀薄になると圧が減って漏洩も軽減するのだった そして、それでも司法部員の体力が限界に達したとき彼等の録音 ☆十一月ニ十三日 ( 火・祭日 ) 毎日放送 ( テレビ 3 、ニシリーズ ) ( 一部午前九時五十五分 ~ 午前十一時、 二部午後三時 ~ 午後三時五十五分、 三部午後四時 ~ 午後五時五十五分 ) 「火星年代記」 レイ・ブラッドベリ作 マシスン 脚本日リチャード・ 演出日マイクル・アンダースン ハドスン、ダレン・マクギャビン、 出演はロック・ / ニカット ニイ・ケイシイ、ゲイル・、 ・メディア情報 0 ☆十一月十六日 ( 月 ) ラジオ・ラジオ図書館 ( 午後八時 ~ 午後八時五十五分 ) 「折紙宇宙船の伝説」 矢野徹作 脚本Ⅱ鈴木清順 7 6