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1. SFマガジン 1981年8月号

文科学と自然科学両面の教育を受け、法学 部在学中、スリリンク・・ワンダー・ストー リーズ誌に小説を持ちこんだのがきっかけ で S F 界に入った。編集長モート・ワイジ ンガーは作品の推敲を手助けし、その時期 TWS 誌が催していたアマチュア小説コン テストに応募してみないかと勧めた。ベス ターは応募し、入賞した。 1939 年 4 月号に のった "The Broken Axiom ”がそれであ る。 1942 年までに彼はさらに 13 の S F 作品を 発表するが、そこで友人ワイジンガーに誘 われ、オットー・ビンダー、マンリ ェイド・ウェルマンらとともにコミック ブックス界に転身、 D C コミックス系の 『スーバーマン』や『 / くットマン』に関係 した。 4 年間にわたってコミックスのアウ トラインと台詞の作者として重用され、 『キャフ。テン・マーヴェル』にもしばらく 関係したのち、ラジオ界に移り、『チャー リー・チャン』や『ザ・シャドウ』の台本 を手がけた。このキャリアは、アクション たつぶりのフ。ロット作りを学ぶ集中コーース の役目を果たし、 19 年には ( パ ートタイ ムながら ) より成熟した作家となって S F こうして続く 6 年間 にカンノくックした。 に、ジャンル S F 最高最大の成果と多くの 人びとがいまだに認める、一連の短篇や長 篇が書かれることになる。 ベスターは多作な作家ではなく、 1960 年 まで見ても、あと 12 の短篇を発表している にすぎない。だが、これだけをとっても S F の殿堂入りを果たすには、おそらく充分 な資格となるだろう。彼の短篇ははじめ 2 冊の本にまとめられた。 & r 立 ( 集 1958 ) と『ビー・アイ・マン』 The Da & 売 可、 / 厖 Ea ん ( 災 1 % 4 ) である。上記 2 冊はのちに再編集され、 7 篇を外し、旧作 2 篇と最近作 3 篇、ならびに自伝的ェッセ イ "My Affair with Science Fiction ” ( 1975 ) を加えて、新たに 2 冊の短篇集 T んな F のなのた・ c ( 1976 ) と & 0 だん / g ん 4 & 4 だお r な ( 1976 ) にまとまった。そ の後これらは一巻本 & 4 なんた 7 ' んに G な記 S ん 0 な窺 c た・ 0 れ可、既な d お e 立だ ( 集 1977 ) となり、べーパーバックで再刊された。 の最後のものが、今いちばん入手しやすい 短篇集である。 ベスターの文才はその初期から明らかだ った。 1939 年から犯年までの時期には、少 なくとも 3 篇の忘れがたい作品がある。 「イヴのいないアダム」 "Adam and No Eve ” ( 1941 ) ( アダムとイプ、世界の終 わり ) 、 "The Push 0f a Finger ” ( 1942 ) 、 そして "Hell is Forever ” ( 1942 ) であ る。後者はアンノウン誌にのったショー ト ノベルで、 こには後にベスターの名を 高からしめる数々の特色が見出される。物 語はシニカルで、装飾的かっ攻撃的であ り、冷たい華麗なイメージを矢つぎばやに 繰りだし、強迫観念めいた心理状態をテー マにとっている。後期のもっとも印象深い 短篇は、「ごきげん目盛」 "FondlY Fahrenheit" ( 1954 ) 。男とそのアンドロイ ド召使いの物語が息もつかせぬ迫力とへ スで展開し、二人の性格は互いにかみあっ て血に飢えた感応性精神病の発作を生む。 また「時と三番街と」 "Of Time and Third Avenue ” ( 1951 ) 、「消減作戦」 、 'Disappearing Act ” ( 1954 ) 、「マホメヅ トを殺した男たち」 "The Men Wh0 Murdered Mohammed ” ( 1958 ) も忘れが 「マホメットーー」は、おそらく S F 史上ウィットの凝集度のもっとも高いタ イム・バラドックス小説の新機軸だろう。 この作品が書かれたと同じころ、ベスター はシカゴ大学の S F シンポジウムに招か れ、講演している。講演の記録は、ほか 3 人の作家のものと合わせて The & じ F / c 〃 0 〃て , : カ〃 ag / れ 4 々・ 0 れな〃イ SOCial 270

2. SFマガジン 1981年8月号

スキャナ 1 の当番ということで、本棚の前に 立つ。すると、どうしても目につくのが、ドウ ・ブックスの強烈な黄色の背表紙だ。他のペー 1 ・ハックはおとなしく鎮座しているのに、ド ウの・ヘー 1 ・ハックは「お兄さん、寄ってかな い」といわんばかりに、媚を売って誘惑する。 ほんと、その黄色の背表紙はよく目立つ。特に シリーズものの多いドウだから、本棚にはどう しても並んで収まっている。そうすると、本棚 に入っているのはドウの本ばかりというような ー・ハックの存 錯覚を覚えてしまう。他のペ 1 在をかすませてしまうこの派手さは、そのまま ドウ・・フックスの特徴といえるだろう。 ドウ・・フックスは、一九七二年の四月に刊行 を開始して以来、月三、四冊のペースを維持し ながら、すでに四百冊を越える出版点数を誇っ ている。まったくドナルド・・ウォルハイム というお人はすごい人だ ( このドウ・ブックス のがウォルハイムの頭文字をとったもの だというのは、もうみんな知ってるよね ) 。多 分刊行ペースを維持するためだろうけど、ワー ルド・ワイドな作品選択といし 、まったく無名 の新人作家の登用といい、その幅広いのお さえ方には敬服する。ウォルハイムの場合、あ れもこれもといった感じで、他の編集 者と比べるとかなり柔軟性に富んでいる。この 辺の何を選び出すかわからないところがウォル ハイムのよさといえばよさだ。数うちゃあたる がドウの方針だといってしまえばそれまでなん だけど、それでもまったく読めないような代物 を出版するわけではないんだから、まあ、決ま りきった規準で採用されたものよりも思わぬ拾 生粋のドウ作家 M ・ A ・フォスター SIF SCANNER 米村秀雄 いものをする可能性もあるのだ。 とはいえ、ドウ・ブックスで何が売れるのか 2 といえば、やはりシリーズものだ。アラン・・ハ ート・エイカーズ ( ケネス・・ハルマー ) の〈ド レイ・プレスコット〉シリーズ、グレゴリイ・ カーン・ O ・タブ ) の〈キャップ・ケネデ イ〉シリーズ、リン・カーターの〈緑の太陽〉 〈ゴンドウェイン〉シリーズ、タニス・リーの 諸シリーズ、 O ・・チェリイの諸シリーズ、 プライアン・・スティ・フルフォ 1 ドの〈グレ ンジャー〉〈ダイダロス号〉シリーズ、他の出 版社から移籍したシリーズには、マリオン・ジ マー・プラッドリイの〈ダーコーヴァー〉シリ ーズ、・ O ・タブの〈デュマレスト〉シリー ズ、ジョン・ノーマンの〈ゴル〉シリーズ、ア ンドレ・ノートンの〈ウィッチ・ワールド〉シ 丿ーズ、イアン・ウォーレスの〈クロイド〉シ 丿 1 ズ、マイクル・ムアコックの〈エルリッ ク〉シリーズ、ジャック・ヴァンスの〈悪魔の ・フリンス〉〈アラスター星団〉シリーズ、等々、 数えあげればきりがないほど多い。しかし、シ リーズものもこれだけ多ければはずれも多い シリーズものでさえそんな具合だから、単発も のとなると、よほど著名な作家でないとまず売 れないことになる。だから新人作家などは、高 名な書評家に好意的な評価をもらわない限り、 埋もれてしまうのだ。それともドウ・ゾックス 自体のファンというのがいるのだろうか。そう いう数少ない ( と思うが ) ファンが一生懸命に ドウから出る新人作家の作品を読んでいるのだ ろうか。しかし、そうしたファンにより注目さ れた作家の例は聞いたことがない。まあ、

3. SFマガジン 1981年8月号

THE ENCYCLOPEDIA OF SCIENCE FICTION SF 工ンサイクロべティア ピーター・ニコルズ扁 浅倉久志・伊藤典夫監修 伊藤典夫訳 Copyright ◎ ROXbY Press Limited 1979 9 . 略語および記号 A S F : アスタウンディング・サイエン ス・フィクション誌、および ( 後 年の ) アナログ誌。 F& S F : ファンタジイ・アンド・サイ 工ンス・フィクションんじ、 TWS : スリリング・ワンダー・ストー リースじ、 NW : ワーノレス羌じ、 : アンソロジー 異 : 版による題名の異同 加 : 加筆 國 : 改訂版 歯 : 短篇集、またはひとりの作家による 長篇のオムニバス版 繦 : 複数の短篇を加筆改訂し、長篇のか たちに統合したもの 前 : 戦前にしか邦訳のない書名 * : 訳註 : 参照 1 . 邦訳のある作品には邦題を添え、未訳作 品は原題 ( または英訳題名 ) のみ記した。 2 . 原題のうちイタリック体で表わされてい るのは単行本、引用符 ( “” ) でかこんで あるものは短篇。 3 . 邦題も 2 にならい、単行本は「』で、 短篇は「」でかこんだ。 4 . シリーズ名は、未訳のものも含めて日本 語で表記し、《》でかこんだ。 5 . 作家名の中には、あえて慣例に従わず、 原音に近い表記をとったものがある。 ( 例 : ヴァン・ヴォート ) 6 . 本文中のポールド書体は、本事典中に項 目の立てられている見出し語。またポール ド書体の年号は、初版発行年。 7 . 映画および TV ドラマについては、日本 で公開された作品には邦題を『』でかこ んで添え、原題をイタリック体で示した。 未公開作品は原題のみを示した。ポールド 書体の年号は .. 本国での製作年。 8 . コミックは《》でかこんだ。 筆者 B S : プライアン・スティフ・ルフォード PN : ビータ ー・コノレス J C : ジョン・クルート MJ E : マルカム・ J ・エドワーズ J -HH : ョンニヘンリ・ホルンペリ ベスター、アルフレッド BESTER, ALFRED ( 1913 ー アメリカの作家、編集者。 ューヨーク のユダヤ系家庭に生まれ、以後の活動もニ ーヨークと密接に結びついている。フィ ラデルフィアのペンシルヴェニア大学で人 2 刀

4. SFマガジン 1981年8月号

現代 S F の多くは、生物学の現況に深い関 心を示しているように見えるが、そこに現 われる思弁に、、外挿的〃とか、、リアル″と 評せるような例はほとんど見当たらない。 だが、これは必ずしも批判の言葉ではな こうしたアイデアの扱い方は興味深い ものにはなりうるし、文学性を高めている 場合も多い。ただし生物科学そのものを扱 う S F がきわめて少ないことは認めなけれ ばならないだろう。人間が人間であるゆえ に置かれる状況を表現するのに、生物学的 アイデアを暗喩に使うのは、あるいは避け られないことなのかもしれない。人間は生 物なのだから、生物学の思想が人間のイメ ージに影響を及ぼすのは当然のことなので ある。 S F はたんにその影響を誇張 ( あえ ていえば、外挿 ) しているにすぎないの だ。少なくとも生物学に関するかぎり、 S F は現在に至るまでまったく人本主義的な 媒体であったといえる。 〔 B S 〕 ビオイニカサーレス、アドルフォ BIOY CASARES, ADOLFO ( 1914 ー アルゼンチンの作家。その作品は、 S F や探偵小説の形式を観念的かっパディ風 に用いているが、意図はふつう形而上学的 なところにある。ん 4 て , 紐 c れ / ( 1940 ; 英訳 T んど怩れた・ 0 れ研ユん / 4 れ d 0 & 0 お 1964 所載 ) は、その ような作風でモレルがついに不死性をかち えるまでを描く。代表作刃ーど加 / の ん分。ぉ〔英雄たちの眠り〕 ( 1954 ) は、超 自然の存在らしい謎の人物に、死にかけた ところを救われる職人の物語。職人は何年 か後にまた同じ状況におちいるが、今度は ん″ビ ra た行・ 4 五 4 ー立 / ca に幻想小説のアンソロジー ・ポルへス、シルビーノ ビオイ = カサーレスは、 何の干渉も入らない。 XII ( 乞 1940 ) を編 厩 olog ・オカンボととも ホルへ・ルイス んでいる。またオノリオ・フ・ストス = ドメ ックの名でポルへスとの合作がある。 〔 J C 〕 『ポルへス怪奇譚集』 既訳作品 0 化厩の房・れ , ぉ raor 市れ 4 ん ( 1967 , ホルへ・ルイス・ポルへスと共著 ) 。『プス トス = ドメックのクロニクル』 C お 6 襯・ c の 召 4 の Do 襯 ( 1967 、ホルへ・ルイ ス・ポルへスと共著 ) 。 ビショップ、マイクル BISHOP, MICHAEL ( 1945 ー アメリカの作家。幼年時代、世界各地を 旅行。ジョージア大学で英語文学の修士号 を取得、学位論文のテーマはデイラン・トマ スの詩。 1970 年、ギャラクシイ誌に。、 Pifion Fall" で登場、短期間のうちに 70 年代の代 表的な新人作家の地位を確立した。作品は 並みなみならぬ知的複雑さをそなえ、異星 260 じえた主人公の自己開発の物語は、説得力 的な分析が積み重ねられてゆき、暗喩をま る。異星文化のこみいった、ときには感動 政治のしかれた地球に送還される運命にあ を起こさなければならず、失敗すれば独裁 宇宙ェビック。主人公は異邦の惑星で奇蹟 その典型である。フ。ロットはゴシック風の 4 ra / 工 br 訪刃ッぉ窺 ( 1975 ) は 具もすべてそろっている。処女長篇み 舞台で、伝統的スペース・オペラの小道 ドコア S F であり、その多くは他の惑星が はこれがない。彼の小説は表面的にはハー 気が陰に陽に感じられるが、ビショップに 去 10 年に現われた創作教室の解放的な雰囲 ニュー・ウェープの影響が色濃く見え、過 ・プライアントには、 60 年代アメリカン・ 扱えないものがある。たとえば工ドワード の時期輩出した一群の作家たちとは同列に がうかがえるものの、ビショップには、 わには、内容の暗さもあえて辞さない姿勢 人や人間の疎外状況を人類学的に扱う手ぎ

5. SFマガジン 1981年8月号

界の動向から見放されているドウ・・フックスの士』をとりあげる。なんとなれば、これが″ラ両方が植民していたが、攻撃を受けたのは人類 という超人種族を扱ったシリーズの最初のの都市だった。そしてラーそっくりの侵入者が ことだから、あたりまえといえばあたりまえだ ・、 0 作品であり、またけっこう売れた作品でもある着陸し、人間を狩り集め、さらっていったの 、カ しかし、冒険活劇の未来を模索する者にからだ ( ちなみに書いておくと、私が読んだのだ。その報をもたらしたのは一人の交易商人 で、チャルセドンからほうほうの体で逃げ出し は三版目のものである ) 。 とっては、ドウをないがしろにするわけにはい てきたのだった。そして最寄りの星であるシー かない。冒険路線、新人作家の登用を主眼さて内容紹介に人ろう。 ・フライトに来たのである。 とするドウ・ブックスは、格好の漁場なのだ。 数の多いなかには変種が混ざっていることもよ西暦五〇〇〇年頃の未来、人類は宇宙に進出しかし、この報にはふにおちない点があっ し、様々な星に植民地を築いていた。ここはとた。ラーの文化では飛び道具というのは禁じら くある。いささか正攻法的すぎるけれども。 というわけで、今回とりあげるのは・・ある植民星、シー・フライト。交易船船長を志望れているのだ。強靱な肉体こそが彼らの武器で ー・トレック・するハン・キーリングは、ある日政府に呼び出あり、飛び道具のような卑怯なものは使わない フォスターという作家。〈スタ ログ〉シリーズを書いたアラン・ディーン・フされた。彼を待っていたのは、政府の高官と、のを主義としているのである。しかも彼らは人 オスターではない ( 昔、誤解したことがあるかラーだった ! 彼はその場の異質さに驚く。ラ間のように好戦的な種族ではなく、平和的な種 族なのだ。 ーがシー・フライトに来るとは ら、念のため ) 。この作家はドウからデビュー ラーというのは、人間から人工的に発生させかくして、この事件の真相を究明する使命が し、いまだにドウだけで書いている生粋のドウ られた種族である。はるか昔、原子力時代に人ハンに与えられる。彼の相棒となるのはリスゼ 作家である。 ドウ・ブックスは、略歴等の作家の情報を全類の進化をはやめるために、遺伝子操作によりンディルという名のラーの女性である。ラーの 然載せてくれないところが不親切なんだけど、生み出した一種の超人種族なのである。しか社会は専門別の家族単位 ( 氏族と称される ) か ー・ニコルズ編のし、人間の間で進化は環境の産物であるというら成っており、彼女は警察に相当する格闘術に 運よく本誌連載中の・ヒータ エンサイクロペディア』に簡単な記入が意見が強くなり、人間とラーの関係は次第に気たけた氏族の出だった ( 彼らの家族は複雑な構 あるので、それをひいてみると、フル・ネームまずくなった。少数民族であるラーは、着実に造をもっている ) 。 はマイクル・アンソ = イ・フォスター、一九三自分たち独自の文化を築きあげ、ついに超光速二人はチャルセドンに赴く前に、情報提供者 九年生まれのアメリカ作家で、元データ・シス船を造って地球を去った。そして銀河系の自転に会って詳しいことを聞くことにする。しか テムの解析家でありアメリカ空軍の発方向とは逆に植民していった。やがて、彼らはし、ホテルの男の部屋に行くと、男は何者かに 射要員の指揮官であった。セミ・プロの写真家銀河系の自転方向に沿って植民している人類と殺された後だった。そばには見慣れぬ銃が転が でもある。界へのデビ = 】は『ドーンの戦再び出会った。そして今、人類とラーは相互不っている。いよいよ事件の不審さが目立ってく 士』 The ミミ・ユ。こミ・ D ミ。ミ ( 一九七五千渉を旨に、薄氷のような状態で並存している。 年 ) からで、現在のところ四冊の著作がある。た。それを破るような事態が起こったのだろう二人は商人を装って辺境の星チャルセドンに 到着する。公然とした調査は人々に不安を与え いずれも長篇で、短篇は書いていない。 3 これが・・フォスターについてわかってその通りだった。人類とラーが遭遇した境界るから二人は秘密裡に行なわねばならないの いるす・ヘてである。 近くの植民星チャルセドンの都市が何者かに攻だ。攻撃を受けた都市に向かう途中、案内役を 今回は彼のデビー作である『ド】ンの戦撃されたのだ。チャルセドンには人類とラーのっとめていたラーの ( シンガーが、突如一一人に

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・ F ・フ・ライラー編 ) は、 S F またはファ ンタジイの読者に関心のある作品を集めた 短篇集としては、たぶんもっとも優れたも のだろう。 T ん Co 〃記 S ん 0 & 0 ( 團 1970 ) もおすすめできる。 〔 J C / P N 〕 その他の既訳作品ーー ( 本文中、訳題の ない短篇集も、現在収録作のほとんどが邦 訳されている ) 『ビアス選集』全 5 巻 T Co 〃記Ⅳ。 5 み襯房・。“住尾 ( 1909 ー 12 ; 1966 ) から精選、『修道士と絞 刑人の娘』 T ん e イの廰 0 れ d の皙襯が 5 Da な g ん ( 1911 ) 。 ビッグル、ロイド、ジュニア BIGGLE, LLOYD Jr. ( 1923 ー アメリカの作家、音楽学者。ミシガン大 学で音楽学の博士号を取得している。音楽 その他の芸術分野への彼の関心は、読者の ロ当たりをよくしようとするサービス精神 のために必要以上に薄められている感はあ るものの、全 S F 作品に共通してうかがわ れる。 1956 年ギャラクシイ誌に音楽テーマ の "Gypped ”で登場した。処女長篇 The れ gry E 催 5 ( 1959 "A Taste 0f Fire ” の題名でアメージング誌 ; 削除個所を修復 して國 1961 ) は、異邦の惑星でこみいっ た冒険に巻きこまれる地球人を主人公とし たもので、以後の大部分の作品の基調をな している。『暗黒のすべての色』ス〃に Co / 0 研の 4 れぉ 5 ( 1963 ) は、現在まで に 4 点発表されている長篇シリーズの第一 作。ほかに『暗黒の監視人』Ⅳ訪 5 研 のの・ん ( 1966 ) 、 『この暗黒化する宇 宙』 T んな Da のれツ g U れん“ ( 197 の、 そして & I なの d 砂 ( 1977 ) がある。 このシリーズは 20 世紀末の私立探偵ジャン ・ダーゼクの冒険を描くもので、ダーゼク は、母なる銀河系を統治する至高者評議会 に雇われ、おそるべきューテフがつきつけ 265 る数々の難題に立ちむかう。 ユーデフと は、小マゼラン雲の文明世界をつぎつぎと 破壊してゆく、、暗黒″の力。コミカルなェ ヒ。ソードもあり、物質瞬送機も彩りを添え る。 The 幵 % r / イれ” ( 1971 ) , T ん住 んな T ん N , 催Ⅱ 5 ( 1972 ) といっ た長篇も、以上とさほど異なってはいな い。また T ん & , Small 砿 T 加な ( 1968 ) のように、音楽への関 心を壮大な筋立てと組みあわせた長篇もあ る。短篇は達者ではあるが視野に乏しく、 T ん沢な訪 D00 だ 0 〃 d 0 訪 c だ Fa 記に g あれ 5 ( 集 1967 ) 、 A G 記なェ , & れ g 催 5 ( 集 1976 ) の 2 冊の 短篇集がある。スペース・オペラとして読 むかぎり、ビッグルは軽さと娯楽性をめっ たに失うことのない作家である。それ以上 を期待するのは知的スノビスムというもの だが、その反面で、より大きな可能性が、 意識されぬままに眠っているという印象を うける場合も多い。匂わせるばかりで、稀 にしか見せることのない才能を彼が発揮す るとき、その作品はたんにロ当たりがよい だけでなく、知的スパイスを加えたものヘ と向上してゆくだろう。ビッグルはアメリ カ作家協会の活動的なメンノく一であり、 N 訪 0 イ & 0 ん es S れ℃れ ( 1972 ) を編集している。 ビンダー、イアンド BINDER, EANDO アール・アンドルー Andrew Binder ( 1904 ー 〔 J C 〕 ) とオットー ビンダー Ear1 ・オスカー・ビンダー OttO Oscar Binder ( 1911 ー 7 の兄弟の共同ペンネーム。ほか にも数種のペンネームを使いわけたが、 れがもっとも有名。 1940 年ごろを境にアー ルが小説から遠ざかって後も、オットーは このペンネームを使った。したがってイア ンド・ビンダー名義の本の中には、 2 人の VII

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があり、事件と葛藤の場面場面にみごと に融けこんでいる。れ Strange 記 訪 4 れ〃尾 T ( 1976 ; お〃 ea / ん the S んユん 0 ) は、説得力の点で やや劣る遠未来の物語である ( 近く刊行予 定の英国版は加筆されているという ) 。そ の世界では住民の大半が、はるかな昔、遺 伝工学によって改造され、攻撃性をはじめ 感情の表出のいっさいない種族となってい る。 & 0 んれお“ ( 1977 ) は、レフ。ラに似 た病気に侵されたらしい惑星植民者と他所 コミッサール 者の人民委員をめぐる、暗い小粒な長篇。 物語はルポルタージュと寓話を組みあわ せ、距離をおいて語られる。 A 〃″ん K 〃 03 れイ 'ge ( 1977 ) は、ドーム都市アト ランタ ( ジョージア州 ) に復興なったキリ スト教政権を描いたもので、ひとりの異星 人が異常な形で改宗を強いられる。この長 篇と同じ設定で、 70 年代なかばに書かれた 《都市核》シリーズがある。舞台はすべて 都市核アトランタ。未来世界の年代順に作 品を列挙すると、次のようになる。。Ⅱ a Flower Could Eclipse ” , “ 01d F01ks at Home", "The Windows ⅲ Dante's Hell", "The Samurai and the Willows", "Allegiances", そして "At the Dixie- Apple with the Sh00-FlY-Pie Kid ” ショッフ。の短い作品では、ヒューゴー賞と ネビュラ賞の候補になった "Death and Designation among the Asadi" ( 1973 ) が おそらく傑出している。ほか諷刺的な「は ぐれトマト」 "Rogue Tomat0" ( 1975 ) 、 佳作・。 On the Street of the Serpents" ( 1974 ) などで、ネビュラ賞候補 4 回、ヒ ーゴー賞候補 3 回。受賞の経験はないも のの、彼の名声は高まるばかりである。 〔 J C 〕 ビクスビー、ジェローム BIXBY, (DREXEL) JEROME (LEWIS) 259 ( 1923 ー アメリカの作家、編集者。きわめて多作 の短篇作家だが、 S F は比較的少ない。雑 社に短篇 S F を発表するさい用いたペンネ ームには、ジェイ・ B ・ドレクセル、ハリ ーノレ、アノレジャ ー・ロームなどがあ XIII があり、怪奇小説を思わせるその雰囲気 イギリスの作家、古書籍商。多くの長篇 ( 1923 ー BLACKBURN, JOHN FCENWICK) プラックバーン、ジョン・ 〔 J C 〕 近年は映画関係の仕事に力を入れている。 さほど重要な位置を占めるものではない。 供 ) 。作品は手なれているが、この分野で チャイルドの物語 ( S F に登場する子 れている。サイ能力を持っ邪悪なスーパー で、これは数多くのアンソロジーに再録さ "lt's a C00 Life ” ( 1953 ) も怪奇 S F のもっとも有名な短篇「きようも上天気」 朝〃 for 側 E ェ。な ) は幻想と怪奇。彼 ている。 D れ , ″な & ra カろ 0 ( 1 % 4 ; 図 S 加化 the % ん ( 1 4 ) に収められ "Tubemonkey ”で、 S F 作品の大部分は ット・スト リーズ誌に発表された Spac の。 S F 第 1 作は、 1949 年、フ。ラネ ( 1958 ; 図川〃尾 4 襯が尾ア襯 0 の・ 検』 ! T ん T' 夜フ・の・カ℃襯召 0 の S. カ化 いており、そのひとつは『恐怖の火星探 部小説が多い。 S F や怪奇映画の脚本も書 ミックス雑誌に関係している。作品には西 リング・ストーリーズ誌、その他数種のコ またギャラクシイ誌、 TWS 誌、スタート ックスを創刊、最初の 3 号まで編集した。 ト・サイエンス・アドヴェンチャー・フ・ ー・コンフ。リ まで手がけ、その姉妹誌トゥ 誌の編集を、 1950 年夏季号から 51 年 7 月号 リスとの合作。プラネット・ストーリーズ る。ローム名義の作品は、アルジス・ぶド

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こでは運命の皮肉も読者の期待を裏切る ことはない。 19 世紀後半の大きな生物学的テーマはも ちろん進化であり、これが引き起こした思 想の対立は、 S F の発展に最大の刺激を与 えた。この論争に対する反応は、さまざま な形をとった。人類の進化論的未来に関す る種々の考察は、進化と遠未来の項で論じ られている。またヒトの進化論的歴史は、 ヒトの起源の項にまとめられている。進化 を適応の過程と見る考え方は、地球とは異 なる環境に適応した生命体という形でいく つかの試みを触発したが、これらは異星人 と宇宙生物の項で取り上げた。同じ発想が もうすこし控え目なスケールでなされた場 合には、風変わりな地球生物を描く数々の ファンタジイになる。中ではウィリアム・ ホーフ。・ホジスンの海洋小説と、ロノく一ト ・ W ・チェンバーズの S なん the U 加〃 ( 團 1904 ) に収められた諸短篇 が注目に値する。前世紀の奇怪な残存生物 ( 通例は恐竜 ) は、探検メロドラマに不可 欠な彩りとなった。その中では、ジュール ・ヴェルヌの『地底旅行』の , age のイ 化厩尾 / 4 な e ( 18 ) と A ・コナン・ ドイルの『ロスト・ワールド』 T んビん 0 立 べレズフォードがいる。 G ・ウェルズ、 J ・ H ・ロニー兄、 J リアム・ホープ・ホジスンのほかに 中に多用した初期 S F 作家としては、 生物学的思弁にとりわけ力を入れ、作品 Ⅳ or ( 1912 ) がとびぬけている。 H ・ ウィ るか後年になるまで進歩が見られなかった 要なテーマとして初期に登場しながら、は デアにおちいりがちだった ( 医学 ) 。重 疫病など、常套化のきわまりつつあるアイ た。医学方面の思弁は、万病の薬、新種の 験生物学をあっかう小説の影を薄くさせ わたって生物学 S F の中で優位を保ち、実 進化論的ファンタジイは、その後多年に のは、生物工学 - 一一生物の戦略的改造であ る ( 遺伝工学 ) 。現実世界では、研究に よって多くの可能性が開かれつつあった が、 S F 作家の想像力を刺激するまでには 至らなかったようだ。きわだった反応を引 き起こした唯一の事件は、放射線の突然変 異誘導特性の発見である。突然変異という 発想には、好奇心をかきたてずにはおかな いものがあり、進化論の中で決定的な役割 を果たすことにより、その重要性はまし た。 S F 作家たちはそれ以前にすでに、メ ロドラマ作法上のさまざまな理由から光線 のたぐいに魅せられており ( 動力資源、 武器 ) 、生物学的思弁に放射線を取り入れ た結果、、、突然変異ロマンス″が急速に開 花した ( ミュータント ) 。ジョン・ティ ンはこうしたロマンスの代表的作家であ る。 初期のパルフ。作家には生物学の知識をそ なえた者は稀で一一一例外はスタンリー・ G ・ワインポームぐらいだろうーー作家たち は奔放に、無雑作に生物学のアイデアを処 理した。ワインポームはおもに異世界の生 物系の想像にその専門知識を生かしたが、 生物学的実験を数多く取りあげた唯一の作 家としては、医師であり、後に精神科医に なったディヴィッド・ H ・ケラーがいる。 ( ただし生物学者ジュリアン・ハックスリ ーが、 19 年、アメージンク・・ストーリー ズ誌に "The Tissue-Culture King ”を発 表していることも、 ーに記しておいてよ いだろう ) 1940 年代に入ると、事態は多少改善され た。生物学の素養のある作家たちが、この 時期何人か S F 界に補充された。中では生 化学者のアイザック・アジモフ、そしてジ ェイムズ・プリッシュが有名である。フ・リ ッシュはカレッジで動物学をおさめ、医学 関係の技術者をしていた。 S F を精力的に 書きだすのは年代に入ってからだが、彼 262

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ルト探偵ジョン・サイレンスは擬似科学的 な技術を用いる。その冒険のいくつかは 『妖怪博士ジョン・サイレンス』んれ & ん ~ ゞな〃 E 囮 or 房ツ ( 集 1908 ) に収録されている。再生をテーマに した作品が多く、五 / / んビ舅 4 〃 0 れ . ・れ 刃第な 0 ( 1916 ) と The Ⅳ 4 怩 . ・月〃 Eg. ッ第れ・ス川ん ( 1916 ) が知られる。 〔 J C / P N 〕 その他の既訳作品 『ジンポー』 60 , 4 お 4 厩 4 ( 1909 ) 。『ケンタウロ ス』 The C 〃 r ( 1911 ) 。『幽霊島』 ( 1958 日、平井呈一編 ) 。『フ・ラックウッ ド傑作集』 ( 1972 日、紀田順一郎編 ) 。 プレイド、アレグザンダー BLADE, ALEXANDER ジフ = ディヴィス系の S F 誌でもっとも 長期間使われたハウスネームのひとつ。は じめはディヴィッド・ヴァーン ( ディヴィ ード ) 個人のペンネームだっ た。この名によるヴァーンの作品は特定で きないものの、 "The Strange Adventure of Victor MacLeigh ” ( 1941 、アメージン グ誌 ) は彼の手になるものといわれてい る。後には、次のような作家たちがこの名 ハワード・フ・ラウン、 前を使った。 ・クック、チェスター・ S ・ガイアー、ラ ンドル・ギャレット ( ロノく一ト・シルヴァ ーグとの共作。またシルヴァー / く一グ は単独でもこの名を使っている ) 、ロジャ ・ P ・グレアム ( ッグ・フィリップス ) 、 ェドモンド ・ / 、ミルトン、ノ、インリヒ・ / 、 ウザー、バークリー・リヴィングストン、 ープ・リヴィングストン、ウィリアム・ P ・マッギヴァーン、ディヴィッド・ライ ト・オフ・ライエン、ルイス・ H ・サンプラ イナー、リチャード・ S ・シェイヴァー、 ドン・ウイルコックス、ル戸イ・ヤーク サ。プレイド名義で発表された作品は約 50 篇にのぼり、大部分はアメージングとファ ンタスティック・アドヴェンチャー誌上だ が、イマジネイション誌、イマジナティヴ ・ティルズ誌、サイエンス・フィクション ・アドヴェンチャー誌にもこの名前が見え 〔 J C 〕 る。 プラスター BLASTER S F 用語。拳銃の一種であり、殺人光 線、レイガン、ディスインテク・レーター ( 分解銃 ) などとともに、早くから S F の 中で名誉ある地位を占めた。初期スペース ・オペラにあっては、六連銃をさげたカウ ポーイと似た感じでもてはやされ、コミッ ク・ストリップやテレビジョンではいまだ 〔 P N 〕 に人気がある。武器。 プライラー、エヴァレット・ BLEILER, EVERETT F. ( 1910 ー アメリカの編集者、書誌作成者。 The C ん / な t of 、お 4 4 立たん″ど ra 尾 ( 1948 ) を編纂。同書を出版するために、シャスタ 社が創設された。 508 点以上の書名をおさ めており、現代 SF 書誌の里程標である。 彼は T ・ E ・ディクティとともに、最初の 年刊 SF 傑作集を編集している。 T 召 & ル加ど c た・ 0 れ & 0 ぉノ 949 ( 1949 ) に始まるこのシリーズは、二人の共編では 5 巻まで続いた。また T んビ Year's 召ぉ要 & 加ビけ / 0 れ 0 て , どな 1952 ( 1952 ) に始まるショート・ノベルの年刊傑作集も あり、これもディクティとの共編で 3 巻出 している。 1955 年、ドーヴァー出版社に就 職、 1967 年には取締役副社長に昇進した。 〔 MJE 〕 〔次号につづく〕 XVI 256

10. SFマガジン 1981年8月号

り、 S F やファンタジイのテーマをしばし ばポップ・カルチャー ( 架空または現実 の ) カルト的人物、シュルレアリスム的文 学技法と組みあわせた形で扱う。 〔 J-HH 〕 生物学 BIOLOGY 歴史をふりかえると、生物科学における 知識の拡大は、物理科学における知識の拡 大に対して常に遅れをとってきたかに見え る。 ートンによる物理学と天文学の統 合は、生物学と化学の結びつきより 200 年 先んじている。機械装置に関しては、発明 の時代は 19 世紀初頭に始まっているのに対 し、生物学では発明の時代はいまスタート したばかりにすぎない。その意味で、思弁小 説全体の歴史をながめるとき、機械装置の 発明を扱う作家たちの手際が、おおむね自 信ありげなのはさほど驚くべきことではな く、また彼らの予測がしばしば適中するの も実はこの領域なのである。 SF を予言的 な媒体とする立場になにがしかの根拠があ るとすれば、その予言の成功がすべてハー ドウェアと関わりあうところにあることは 認めざるを得ない。しかし思弁小説の作家 たちがこれまで生物科学に充分な関心を示 さなかったと見るのは誤りだろう。これは 生物学理論の社会環境への応用例が少ない ため、 S F 作家が生物学の知識をあっかう 場合、処理方法がやや異なったということ に尽きる。ごく最近まで一一つい 10 年か 15 年前まで一一 S F 作家は生物学の諸相を哲 学的なアイデアとして捉え、実用性よりも 暗喩性に重きをおいていた。生物学的発想 が S F に取り入れられるとき、そこには何 らかの神秘思想が必ず存在した。 原 S F の中にも、含蓄に富んだ生物学的 思弁を行なっている主要作が二つある。 ヨハネス・ケフ。ラーの『ケフ。ラーの夢』 263 ・ S の〃″襯 ( 1634 ) は、本来天文学に関す るェッセイだが、最後は月世界生物学を生 みだそうとする興味深い試みでしめくくら れる。フランシス・べーコンの『ニュー アトランティス』をて v ス〃厩な ( 1629 ) は、主として技術的予測で評判をとってい るものの、医学と作物学についても意味深 い進歩を数多く予告している。しかし実験 生物学への姿勢は、物理科学の実験に対す る態度とは、やや趣きを異にしている。後 者は悪くても無鉄砲と見なされる程度なの に、前者は最悪の場合、まぎれもない漬神 行為なのだ。かくして、生物科学の将来に 多くの作家たちが否応なく感じる魅惑、そ れを彩る恐怖、神の手わざに干渉して良い 結果が出るわけがないという確信一一その すべてを、われわれは見出すことになる。 これはメアリ・シェリーの『フランケンシ ュタイン』お ra 翩立夜ツ ( 1818 ) にも明ら なおや かで、題名の名祖であるヒーローは、彼の 創造した怪物のために絶望と破減に追いや られる。同じことはナサニエル・ホーソー ンのいくつかの寓意小説にもいえる。こと に "The Birthmark ” ( 1843 ) と「ラバチ ニの娘」 "Rappaccini's Daughter ” ( 1844 ) では、人体への実験が悲劇的な結 果を生む。もうすこし時代が下がると、同 じうしろ向きの姿勢を見せた作品として、 ノレイス・スティーヴンスンの ト 『ジーキル博士とハイド氏』のだ . わ , 〃 の記 Mr. 丑 3' ( 1886 ) 、 ハリエット・ス タークの The お ac 辺 of お ea ″ ( 1 0 ) が現われる。 20 世紀の小説にも同様の傾向 を見出すのは困難ではない。しかし 198 年 以降、そうした風潮に変化が訪れることは 特記してよいだろう。マリ ー・コレリの The Y04 れ g D れ ( 1915 ) は、 ′、リュ・ツ ト・スタークの長篇と同じテーマーー完全 な美貌を生みだそうとする科学実験ーー・を 扱っているが、結果ははるかに肯定的で、 IX