私は一人玄関ホールにたたずんで、いつまでも、ルビーの実をつ材を利用してきた。統計マンである私は人類の経済生活における林 けた胡桃の木から眼を離せないでいた。未知の世界からわが地球へ業の重要度を心得ている。新しい状況のもとでも森林開発ができる 0 使者が送られていたという意想外な発見に動転していたのだ。そう だろうか ? 森林が承知しないだろうというだけではなく、人間の して、今まで、自分が現場で見てきた現象にこんな途方もない説明方でも森林を一次産業の資源とばかり見るわけにいかなくなるだろ がっこうなどとは夢にも思わなかったのに、今では、反対に、このうから、そうではなくて、何というか : : : 同類だ、同類というより 世の中に起こりえないことなどはないという気がしていることに気ない。樹木がわれらの仲間とは : : : 結局、今の事態でよかったのか がついて、おちつかなかった。かりに、森林が動き出してカルバチもしれない。私は自分の思案の行きつく先の結論がおそろしくなっ ア山脈を離れたと聞いても、信じたことだろう。私は日常性の境をたので、別の問題に頭を切りかえることにした。とは言っても、こ 越えていた。その彼方の茫漠たる未知の領域で、ありとあらゆる幻ちらも劣らず不安の種である。ョアナのことだ。 影のとりこになっていた。私にはもはやなにひとっ信じられなかっ ″放射光の影響は不明だ〃というコルネアの言葉が頭の中で無気味 た。ところがコルネアは事柄自体にはとまどった風はなくて、自分に鳴っていた。今私を悩ませている言葉を彼が発するまで私の父性 が庭の掘り返しを命したという過ちにあわてているようた。しか本能が何の警告も発しなかったのは不思議だ。あの玄妙な光線のか も、なぜか、まるで事前に私と相談したとでもいうように、その結け橋も、また胡桃の木の光彩陸離たる噴水も私の頭に危険という思 果の責任を私にもかぶせてきた。思考する植物という衝撃的な発見いを呼び起こさなかったし、ヨアナに植物の言葉を聞き分けさせ、 に対してコルネアは即座に解釈と仮説を立てて対抗しているのだ物を透視するようにさせた掌の異様な赤味を改めて見直したのもコ が、一方私はいわば足元の地面が消えて行くような心地だった。 ルネアの言葉を聞いてからだった。この超能力は無害そのもののよ どこかの惑星上のある世界がわれわれのところへ手をさしのべうに思われる : : : だがどうしてわかろう、着色の時の影響について た、そうしてわれわれはそれを迎えるすべを知らず、赤い葉の樹木どんな見当がつけられよう、有害な副作用を伴うことはないとだれ の思考の世界についていくらかでも理解するチャンス、ことによるが保証してくれよう ? ョアナの掌が受けたきらめくエネルギーの と唯一のチャンスを、だめにしてしまった。樹木の思考 : : : そう、流束についても、有毒か無毒かを断言できる人が一体いるだろう ″樹木の思考″にちがいない。 これはなんという世界だ ? もしこ か ? コルネアにしてからが慎重に構えている。わずか六つの女の の試みが実現していたら ? 一本の木ではなく、二本でもなく、地子を使ってどこか遠い惑星上の生命体に関するデータを得ようなど 上の森林が思考しはじめたとしたら ? 果実に思考の座があるとわという頼りない生物学上の期待のためにヨアナの生命を危険にさら かったとしたら、それが人間の思考と近縁であり、われわれの考えしていいのか ? 自然の秘密を解明するためという自覚のもとに身 を理解することができ、これまでだれも夢想だにしなかった秘密をを犠牲にする学者の例を引き合いに出すわけにはいかな、、 これは 教えてくれるものだったとしたら ? われわれは森林を伐採し、木自分の実験の意味すらわからぬ子供なのだ。考えれば考えるほど、
協力隊の最終報告書を書 するようになる。それに『惑星 04 ー 8 ー いて、そしてポンべイか ー』に出てきた渡り鳥というのが時々狂言 らタンザニアへ、キリマ 回しの形で出てくる。″航空宇宙軍史″も ンジャロに登るため。タ , ′第未来史の最初の一部分なんだけど、今度の ンザニアは物価が高くて 書き下しはその話。だから、今まで書いた 闇ドルがあったんだけど ものが、そういうように考え出すと、みん 知らなくて、最後の金を なつながってしまう。今度マガジ かき集めて三等の汽車に ン″に載せてもらう百枚の作品もやつばり 乗ってエジ。フトを見て、 ・ ) 〕一・〕・そうなんです」 日本に帰ってきたので なにを考えてもになってしまうとい 旅行中、小説は書い う谷さん。インド周辺や東アフリカで見て たのですか ? 史の中でも技術が直接つながってストレー体験したことも、そのまま宇宙にもってい 「一応例によって原稿用紙は持っていった トに出てくるから。で、のストーリ ったら、作りものでないような宇宙が描け のだけど書けなかった。三分の一がテント アイデア考えていても、びつくりするるのではないか、いろいろ抱負を語ってく 生活で、他は安ホテルを転々といった感じようなのは浮んでこんのですよ。画期的なれた。実は″隠れ新井素子ファン″という で : : : 。今年の初めくらいからまた書き始技術よりも周辺技術というか、そんなもの一面を持ち、理科系出身の強味と海外での めていたら、早川書房から書き下しのシリ ばかり浮んでくる。今書いてるのでも出て体験を生かし、自分だけの宇宙未来史を、 くるんですが。 その現場感覚リアリティーで、時には冒険 1 ズをスタートさせるんで書いてみないか ードで壮大な筆致で語ってい と話があって、その時は六十枚までだった未来史を作りたいと思ってるんですよ小説風に、ハ けど、今は三百枚まで行った」 ね。地球が太陽系内を支配し、近くの恒星ってくれるだろう。「終わるまで、二、 戦記的なものが好きなんですか ? 系まで進出してゆく。そこで汎銀河勢力と十年はかかり、今世紀末までにはなんと 「メカが好きなんですね。それと戦争は歴会って、やがて地球自体が追放されて放浪か」という未来史を。 SF NEW GENERATION 5
それに 君は今 すごーく 不幸だ 家出してすぐ 雨にふられて きガえ落して びしょぬれに なったら 幸福なわけ ないじゃない 世け よな カイ次元の カバンがあれば グレイトな 気分さ 保証するよ たから特別 - すごいカバンを 売ってあげるよ あら : ちょっとステキ なカハン カ′、 他にお店も なさそうだし 買ってあげ るわ
80 どうもすみません 最近の店員は 質カ悪くて : : : こらそこで何を していた お客をおどす なんてけしからん 今 - 地獄にもど「て 針山でも そ , つじしろー 御両親に 電話して おきました ナナミちゃん これからはママ お仕事へらして 家にいるよ , つに するわ ああつなんで ( 」 ) 家出なんか ししたの さみしいのなら ( し そ - っ言えば よかったのに ロ 5
第二回奇想天外新人賞で佳作入選しになる青年海外協力隊の話から : ・ 体、法人で、その中に、国際協力事業団と た谷甲州さん。そのデビュ 1 作は「機動 青年海外協力隊と移住事業団があるんで 旅団」。そして発表号の自己紹介文にあつ「今は、事務局で一年間契約で働いています。今の国内協力員というのはアル・ ( イト た″今は在ネパール青年海外協力隊隊員〃す。国ごとに隊員が送ってくる報告書を編みたいなもので給料も安い。帰国した隊員 という言葉が印象的だった。 集して、年間三冊から五冊出す仕事。広報が次の仕事を見つけるまで一年間働くんで 来年の春には、また海外へ行ってしまう課で一番下っぱだから校正したり、いろいすね。ぼくは今年の三月に入ったんです かもしれないという谷さんを尋ねて、東横ろ手伝っている。他に協力隊のフィルムを が、前任者は。フロジェクトでインドネシア 線の妙蓮寺駅で降りる。地名でいうと横浜貸し出したり、写真の貸し出しとか。そこ に行ってます。協力隊は一一年間の任期で、 市港北区。駅の傍の不二屋パーラーで待ちにいると、隊員が帰ってたりするから面白行って帰って終わりというのが普通です 合わせ、歩いて五分ほどのところにあるアい話も聞ける。 ね。国際協力事業団がプロジェクトを立て ートへ向う。朝早く起きて掃除をしまし国際事業団というのが外務省の外郭団調査をして、協力隊は現地の政府の職員と て、と言われる。が、一 一緒になるわけです、二年間。ただし、生 人住まいというものの、第 活費や経費は協力隊からもらって、職員と かえってかたずいている 一緒に政府の。フロジェクトをやる、と。三 ため、机と本棚と登山用 年ないし五年の実務経験があるというのが 具が目立ち、生活の臭い 条件ですけど、職種によって違いますね。 土木・建設・測量・設計・配管などの土木 が薄く、風来坊の部屋と = いった感じ。山と土方と 建設関係、冷凍機械・無線伝信・船舶機械 の三身一体という谷 ・自動車整備・溶接といった機械関係、他 さん。冷えた麦茶が酒に ~ に保健衛生、看護婦、教育とか、全部で七 変わり、夜更け近くまで つあるんですよ」 いろんな話を聞く。まず ということは、同じ日本人でありなが は、現在の仕事と一番気 ら、現地ではそこの日本人に対して政府側 連載インタビュッー」谷甲い 四。ヘージに写真
〈散財〉の徹夜祭のころにべィアアストに着く予定よ」彼女はべイな態度を装って、もっと強い口調で、「ぼくにできることなら、ど ファスト地区の地図と、タル・ベネシ、の本営の詳細な間取り図をんなことでもよろこんでやらせてもらうよ」 さし示した。「今は計画の詳細に立ち入るわけこよ 冫冫いかないけれ「素晴らしい ! 」とターチャはいった。彼女は立ちあがった。「さ ど、わたしたちはあのコレクションを救おうとしているのよ。わたてと、陸へ上がって荷物をまとめる気になったでしようね。ケドが したちの雑誌には、全〈タルレ社〉の無条件のうしろ盾があるわ」 ポートを出して送ってくれるはずよ」一同は部屋を出て外へ向かっ と、マチョーソのほうにうなずいて、「この大冒険に関してはね。 た。その中程でタウンスとギルがぬけて植字区画へと去った。歩い 楽なことではないでしようね。でも、アンチョの助けがあれば成功ている間、スヴィルは考えなおして心臓の止まる思いがした。彼は できると思うの。それに、あなたも必要よ。あなたはアンチョをい想像力が旺盛で、それがいま、所定の時間を過ぎても働いていた。 ちばんよく知っていて、協力するよう説得できるでしよう」 アンチョが彼の恐怖に不安げに反応し、頸のところで神経質に身を スヴィルが視線をおとしてみると、小さな哺乳動物は、自分をめ動かした。 ぐってたてられている計画のことなど知らずに、坐ったまま肢をな昇降区画に着くと、マチョーソが乗組員をさがしにいった。ター めていた。「うん」と天文学者は答えて、「ドーフォックスというチャはスヴィルのほうに向いた。そっと彼の手を握り、寄ってき のは、そういう点では難しいな。いちどきに一人の主人のいうこと た。「ありがとう、スヴィル。わたしとしては、ぜひともあのコレ しかきかない。また、いっ仕える相手を変えるか、正確なところは クションを救いたいわよ。でも、それ以上に、またあなたに会いた 誰にも予測がっかないんだよ」 いの。あす、戻ってきてくれるわね ? 」 「スヴィル、これは危険なことになるでしようね。でも、わたした ふわりと彼に両腕をまわした。彼は、彼女の肉体が自分に寄り添 ちにはあなたが必要なの。また、ベネシュが持っている、ほかのど 、唇にくちびるが重ねられるのを感じた。不安も、計画全体をほ こにもない幾つかの作品にとってもね。わたしたちと一緒に来て、 うり出そうとする半ば無意識的な考えも拭い去られた。戻ってくる 手伝ってくれない ? 」彼女は懇願していた。 へドリッグスは自分が何をするよう求められているのかを不意に 実感した。自分は殺されるかもしれない それも、何冊かの雑誌もう昼近くになっていた。へドリッグスは、アンチョを肩にのせ のために。今までは、クラウネッセまで旅するのかと、そう思うだて、〈〉の船首部を補強している補助甲板の端に立っていた。タ けで不安だった。そして今は、その国の政府に対する陰謀にいのち ーチャが、ここでおちあって案内してまわろうと言ったのである。 を賭けようとしているのだ。彼の内部の分別ある部分が絶叫してい 〈タルレ艀〉は、昼間みると、ことのほか印象的だった。幾世紀も いけない た、いけない いけないー だが彼はターチャの眠の間に、それはとりとめもなくふくれあがっていた。新たな船倉甲 の中の懇願を見た。「うん」と震える声でいってから、自信ありげ板が継ぎ足され、重ねられーーーまたその上に増築されていって、そ 幻 8
「そうかそうか。よく知らせてくれたな」 る別の場所を思い浮かべる事は、即ちその場所にいるという事に他 鬼瓦のような顔をした看守が、鍵を開けながら優しく言った。も ならない』。それがレイクのロぐせだった。 う一人の方は、気のない様子でレイクのペッドを照らし、ふんと鼻 だから必然的にレイクが移動できるのは、む理的に″見える″範 を鳴らした。 囲に限られてくる。全く知らない場所へは″跳べない〃わけだ。 「頼むから、中へ入ってきちんと調べてくれよ。なあ、おい、ほん おそらくレイクは、二人が今までアジトにしていたダウンタウン 戸ケイト となんだったら ! 」 の賃貸しフラットに、自分の存在を″位置づけ″したはずだ。あと 「ああ、わかったわかった。お前の言いたいことはよくわかった は、精神エネルギーを一度に解放するための、後催眠暗示の引き金 よ。さ、だから、別の部屋で、ゆっくり話を聞こうじゃないか」 をひくだけでいし キーワードは、この宇宙の根本原理とも言える 「ちょ、ちょっと待ってくれ。おい。ちょっと待てったら。 お公式、 E=MC2 だ。 賃貸しフラットは、おそらく警察の手によって、徹底的に捜査さ 叫び続ける男を、二人の看守はひきずるようにして連行していつれた後だろう。もちろん何も見つかるはずはないが。 ナいくつもの目が、鉄格子の内からその様子を見守っていた。 レイクはここで、少しの間″回復″を待たなければならない。空 男の声は次第に小さくなり、やがて長い廊下の彼方に消え失せ間跳躍はひどく疲れるしろものなのだ。場合によっては、気を失う た。留置場に、また元の静けさがもどってきた。ジムは、自分のた こともある。 め息が他の囚人に聞こえはしなかったかと、一瞬ひやりとした。 フラットの出入口には、警官の張り番が立っているかもしれな しかし、レイクはきっとうまくやるだろう。身軽さにかけて は、猫と対等に張り合える男だ。 時計の針が午前 0 時を回り、囚人たちもすっかり寝しずまった。 通りへ出たレイクは、物陰を選びながら、ミッドタウンの貸ガレ ジムは全身を耳にして、べッドに横たわっていた。どこか別の階 ージへ向かう。そこには二人があらかじめ用意しておいた、乗り換 を歩く看守の靴音が、コンクリート の壁を通して、かすかに伝わっ え用の車ーーー黒の。フリモス・ ()5 ーーーが置いてある。ガレージの てくる。 料金は一年分前払いしてあるから、犯行に使ったエア・ビ 1 トルが もうそろそろだな。 見つかるのは、うんと遅れる計算だ ( 今となっては、どうでもいい ジムは思った。レイクとは長いっき合いだ。ジムには、レイクのことだが ) 。 行動が手にとるようにわかっていた。 ブリモスのトランクには、万一に備えて予備の武器弾薬や医療キ ダレント レイクの能力は、かなり特殊た。本人はぞれを単に″位置づける ットなどが隠してある。レイクは、それを使って今ごろは : カ″と呼んでいる。あるいは″ハ ・ロケーション″と。『あその時、ジムはふと、どこか遠くの方で車のクラクションが鳴ら メディ 3 7
気がついたとき 太陽はすでに木々の梢を赤く染めていた 汗でぐっしより濡れた衣類を脱いでいると 魔法使いが湯を沸かして持ってきてくれた ういきようのお茶で体を暖め 乾いた毛にくるま「て 老人にあらためて礼を言った 魔法使いはにたりと笑うと 急に真顔になって彼に立てるかと訊いた 年寄りの肩を借りるのは気が進まかた 立ちみが「て二、一歩あを 0 」」 もうんらふらして 何かに寄りかからずにはいられなくよ、 そうして何歩か前進したあとで 彼ははしめて木立ちの間に 見えかくれする白い壁に気が付いた あれは何だ 魔法使いが声をおとした もとは城壁しやった だが今はごらんのとおり はか ただの壁に他ならぬ 近づいてみると 手で押せば崩れ落ちるほど 石積みがゆるんでいるのがわかった このむこうにおそらくお前さんの弟の 行方を捜す手がかりがあると思う お前さんにそれを確かめてもらいたい そのうえでこれから先のことを 決めようと思ってな 老人の声がただならぬ気配を帯びていた いったい弟に何が起きたというのだろう 訊きたい気持をおさえて 導かれるままにその壁をのりこえた 森は突然そこで終わっていた まばらになった木々のむこうに 広々とした湖がさざ波をたてていた 水面を吹きわたる風が 疲れきった体にここちよかった 彼は自分の名を呼ばれるまで そこに立ちつくしていた ラルドお前の弟も この近くに来ている筈だ ここがまだ童の土地で 賢者が住む森だったころ ここにあったのは城だった 今その名残をとどめるのは あの一段高くなったところにある 離宮の廃墟だけになってしまったが ばうやはそこでえらいものを手に入れた 童の力が宿ったものーーーそれが何なのか わしにはまだよくわからん とにかくそれはど、つにかして ばうやの中にこもりカの復活を待った みなも
。をあナをお ( でらちあナすもなんでもないよ 何の因果か俺たちの飯の種にも - もてあ、ゞでいた木切れを火にくべて なってるというあんはいだ ん。と鼻をならした ご先祖が聞いたら目をまわすだろうね まったく ャの下ラア , ンの火の羽根 首から提げた大きなメダルが 」三・ルドが屮スの賢者の短剣 手持ちぶさたの男の手の中に囚われて 鎖を小刻牽に〕し揺らしていた セレイト【 【第フ宀スアの月の鏡だ。 ~ 尹 第そナいやおい「幽霊」さんよ ・ ( 町にも稀なる宝物、《 ~ おげにかけまるは 魔法使いなら知ってるだろうがそんなこと をわたぐし「東町ヤの商人 , ラルド 不思議や魔法はあんたの商売だろ しろうと 。実なユれなる品は皆をわたぐしが こちみたいな素人まで巻き込むのは やめにてもらいたいもんだね 苦労の果で 6 集めい朝たものでござ」ます幽霊なら幽霊で死んだままで」てくれたほうが こっぢもありたいってもんだが さすが ( 」 , までしようとは田 5 わん 、をあい「た宝の - 野にあづたんだ 今し一 3 何ひつ一「 ~ 残ってやしないが だから静かに退厰しょナとするんだが ←話だけは相変わらず伝わっている どんなに隙を突いても「逃げられん 弟は知らないが 馬やろばは目に見えて痩せてくるし 俺ちのお袋の親父 , 。 煙草ももうすぐ極上とっときのやつに らまりじいさまの代までは代々 手をつけなきゃならん 城 そういった話を調べて歩く》 何かいい思案はないものか →ス はか ) せ えらい博士さまだったんだ の イ 王様にもお仕えしていたそうなんだが その夜やっとのことで眠りについた兄は っ 臣下の謀反の巻き添えくらって城を追われ 弟が金色の眼をして 載 今しゃ一」んな有様さ 自分をのぞきこんでいる夢を見た のこ 連 じいさまの遺してくれた古い記録が とら
ここひと月はど降らなかった雨も いざ降ってみると 旅をする者にとっては さほどありがたいものでもない 木々が雨をよけてくれるので 少しでも枝振りの密なところへと 選んで歩いてゆくのだが おかげで石畳からはすれて 根っこが盛りあがり枯れ葉が積み重なったなかを 絶えす上を見て進む破目になった 森は濃い霧に包まれて 昼前に通ったところも今も 大して変わりがないようだ 弟は森に入ってからのことを すっと考えていた 以前来たときよりもどことなく静かで、… 何かを待っているよ、つな 張りつめた気配がある 森全体に蜘蛛の網が掛けられていて 侵入する者の動静を ちくいちさぐ 逐一探っているふうだ もしかすると単なる気のせいでは ないかもしれない こうして木の間をすりぬけるだけで くも