「おれが知るわけねえだろ」 「アニキおかしいと思わねえか ? 」 「それもそうだな」 「ラッシュの地下鉄なんていつもこんなもんさ」 「おおかたお上がなんか考えて減らしてんだろ。ま、 「でもよう、この地下鉄に乗ったってやつの話、アニ おれたちにや関係ねえ話さ」 キ聞いたことあるか ? 」 「そうだな」 「いや」 「だろ。おれもねえんだ」 「アニキさあ」 「それがどした ? 」 「あ ? 」 「この地下鉄、乗るやついても降りるやついねえんじ ゃねえか ? 」 「この地下鉄、運転手いねえんじゃねえか ? 」 「なんで ? 」 「あ ? 」 「いやな、ふとそんな気がしたんだ」 「つまりよう、よくわかんねえけど、なんだかおれた 「じゃ、自動運転ってやっかもしんねえな」 ちこのまま降りられねえような気がするんだ」 「そうか」 「おめえどっかおかしいんじゃねえか ? 」 「そうだ。しかし、この暑さどうにかなんねえかな「アニキそう思わねえかい ? 」 あ」 「思わねえなあ。その証拠に、ほれ見ろ。前の方に明 「ああ」 りが見えてきたじゃねえか」 「あれ駅の明りじゃねえよ」 「じゃ、なんだってんだ ? 」 「アニキよう・・ : : 」 「なんかでつかい火が燃えてるみてえだぜ」 「どした ? 情けねえ声出して」 「おれなんかやな予感がするんだ」 「疑り深え野郎だな、おめえは」 「なにが ? 」 「アニキ」 「だってよう、この地下鉄なかなか次の駅に着かねえ 「うるせえ、もう黙ってろ。 し、だんだん暑くなってきやがるし、みんなお通夜み ああ、それにしてもなんでこんなにクソ暑いんだ てえなツラしてるし : : : 」 よ。たまんねえぜ、まったく」 ゴ 「なにビビってんだよ」 3 5
ツアーに、なンと、講師としてっして行ったので 終りにさしかかっているなア : : ・。なぜ俺は、あか、いずれにしろロクなこと , はなるまい : ある。 の美女達ともつもあと別れを惜しまなかったん私はどう説明すればいいといのだ ? はじめは、無気力なお金持ちの坊ッちゃン嬢ち ・たつ、つ 〃アノ、昨日、僕、デス・ス ~ タアに化けたンで 〈スーウォーズ〉。ポやン達ばかりが来るんじゃあるまいかと気が重か まで考えたとたす。知ってるでしょ ? なぜ、こんなにく家 , ったのだが、これがそうではないンだなあ : : : 。・、 んに私はとび上っ三 ! ぞして風呂場へ駈け込んク、あの翻訳者なンです・ : それそれ、″浪人しないで国立大学に入ります そんなわけで、私はタワシ・こすりすぎてまだ は汗のために流 でシャツをぬい ヒリヒリしているおなかをさりながら、ケネデからとか、″お嫁入りの資金は自分で稼ぎます れ出して、私のおよかに々るもイヤらし - ン から″とか、聞いてみるとみんな涙ぐましい取引 工港に降り立ったわけであ 模様ができてしはていゑ もうお風呂が愑まで待てはられない。私と・こちが私に当 0 た入国審官が、まるでゴリ はとび上りそうな熱いシャワをおなかにぶツか , 奈資 ~ 黒 0 。 0 。 0 。」 0 絜雰岳」よ 0 。 5 0 。こ房 けた。 ところが駄目だ。あのとき、よに - : およ 今から用意をして、来年はきべ行こ・う」 ' かの表面の汗や脂具合でインクがうまらな ( 来年も俺を講師にしてぐれるかなに ? 高校生 いて、今回は入国にこッそりビールを飲ませたしなア、を物 = : い E¯。 いという訳で、油性・水性いろいろサイ一ン とにかくみんなが真摯厄の。そしてよく勉強 をご , ちゃに使せいなのだ。タワ , 一す一一 寸クでも、まさに寸秒を惜し、むさ・ほるよ 、 . プ、いくら説明しても、 " 一ま「を ' テに日ケ , トや飛行機や恐竜〈見入を彼等の眼の 庫きは感動的だった。キミもイザとればあんな 風に眼をキラキラさせるのかなア ? だったのだ : ″アメリカにも—O の高い、宇宙航空マニアの少 明日の早朝、 」笑絶、ず、 = 、 0 社 , 年少女 0 〈く = ~ 」ゑ。↓一を・ 0 、〕本 0 少 年少女達のすばらエさは「あれだけ高度の知識を 私は蒼くなっ - 。 ら持ちながら 一、、を、ズ十数 ? メ、み空港 . ・タ′結局そのプチは、東京〈帰り第くまで 、でオかを出 か〕′、兇 二二ロ を先に言うと、日本の若者は立派だれも ーもしい言われ・たらどうなる ? うら若い女もいるアメリカの入国審査官が、この未にみい ! 私は々ジに の、見るも奇ッ怪な私のおなかのプチを見たとた・酋武の一 ( サイ = ンみ .- 〕ガ「・ 、本別れ難くり難マー・とい 情で・年 0 込んだまま解故 : 」 0
( ットーは、ポケットに・ホルトとナットをつつこんだまま、薄暗両手をもじもじさせながら頭をめぐらした。何もありそうになかっ い部屋に実体化した。彼は、その部屋が、虚空にうかぶ巨大な人工た。ネズミの死骸も、水晶のかけらも、とびはねるものも、びかび 3 ーの興味を引くような か光るものも、くるくる回るものも。 星の一部であることは知っていたが、恐怖は感じなかった。 ( ットーは、とても単純な子供だった。だからこそ、彼は、大人ものは何も。 ハットーはあきらめて、別の場所を見物することに決め、胸の前 たちの誰ひとりとして信じようとしないことだが、″旅″をするこ とができたのだ。 ( , トーは、時間だの空間だのとい 0 たややこしで両手を組んだ。それは、彼が " 旅。をする時に何となく実行して いる、一種の儀式だった。 い約東ごとは、何ひとっ知らなかったし、知ろうとも思わなかっ た。従って彼は、どこにでも、いつにでも、一瞬のうちに″旅″すこんなに遠くまで、そして時間的に隔ったところまで″旅。をし ることができたのだ。そして ( ットーは、自分の″旅″をする能力てみるというのは、あまりいい思いっきではなかったかも知れな ーが両手の親指であごをはさみ、ジャン と思いながら、ハット が、自分を裏切らないことを心得ていた。彼は真空について、何ほ どのことも知らなかったが、 " 能力。が、彼自身の生存をあやうくプにそなえて目をつぶった瞬間、誰かの声が、室内に響きわたっ」 こ 0 するような″旅に導くことはあり得ないと信じこんでいたのだ。 「待て ! 」 少なくともこれまでのところ、その確信は的はずれのものではなか と、その声は命令した。 ハットーはびつくりして目を開き、声の主を探した。命令する人 部屋は十五メートルに十メートルほどの長方形で、微生物発光の ・ ( イオルミネッサンス・。 ( ネルが二、三十枚、天井から青白い光をは好きではなかった。その人がどこにいるのか確かめて、命令に従 放っていた。壁はあらい仕上げの灰色をした。フラスチール・タイうか、逃げるかを決めなければならない。 「待て、お前は誰だ ! 」 ル。味もそっけもないつくりの部屋だ。床にはほこりひとつなく、 椅子、テー・フル、べッド、くずかご、その他人間の営為を感じさせ命令した人は、姿を見せずに質問した。 ( ットーはいつも、でき る限りすみやかに、質問には答えることにしていた。さもないと、 るような品物は皆無だった。空気は妙な匂いがして、乾いており、 嫌いなものがデザートに出されたり、耳をひつばられたり、いろい 冷たい。 ( ットーは、目を輝かせて、ひとしきりあたりを見回していたろと不愉快なことが起こるからだ。 、、ツトーだよ」 彼よ、もっとマシなものを期「ほく が、やがて、その瞳から光が失せた。 / ー 待していたのだ。品物が運び出されたあとの倉庫などではなく。彼ポケットの中のポルトを握りしめて は、その光景に、自分が知ることのできない裏の意味がーーー何か面えた。 「ハットー ? 何しに来た」 白いことがかくされていはしないかと探るように、さらに数秒間、」 、ハットーはおろおろ声で答
無あ な集 て〇五冊位のば 量ら らだ まれ う み いは あ S 量め 流名 る中 な つがたい冊〇の研に 私で つな 冫こ F ほ 島 とらかき 氏てすいど 、冊うほ究数の あチ と だ いと た し、 。何界質れ もる 思が か氏 しみしでそちか資え も ョ と が / っ の 十がでて のたあれ っ う わ ま コ し の コ るに S 九 s 類み 年 ぅ 方量 こあ れ そ てを フ よ ン レ にで 。雑 F 七 F が る 覯ろ かれる と もそ る ア う る ク ) ク い 誌外〇が書 ム の 本う る ンな と シ チは がが年約棚 ょ 誌ダ著 だが 苦追 、本 ほく ョな ま う 一約代七一電 り 学 : ム名 、を・ り つん コい ン 年的なな っ 気 〇三が〇二子 の持 大 ンが て ク ) 輩実ど方 道 く のな 種 四〇本通ざ し つ のカ 遠く か収こ 類 一〇分 ますて 推 イ言、 での をた っ カ・の 0 よお 歩め く ほまカ な 々 と・ っそ か ねは る らは ナこ よ も超 く が なま う うれ来殖 う分 多 、原を世く よ そ の旧 し、 一版う原 典 お 界の らたににな語と も各御 の方減く 照ち国援 の 語助 も つら ′々 、のを の ナこ 力、 へ し ス っ S 文し く のてら お F 献ナ れ力も今れ ど B そ 、回る マにだ 。眼祝 N の え力、 カ・ つ、 いて シ - 見 ス と よ り ン てし づ 石皮 は超る の つの つけ創人 も て て て刊的 呼 い分が しお号な ぶる は 。そ〇 ら以学 ま べ テ希ら件 う 係おき ま資 けで 快も たは めし 超 ラ S 望大がれも 、そたる戦り料右 しだも 願よ ほ最一 親 ン F し丈なばいか と近冊それこけ後な 。あ いう その 切 の界っ夫カ れの 、あいし しな んでと う でと し 、れよ り の 経はづでな 見どは送いもが ど本→ 眈自う な り か 験若けあかがら定 なこ方 もは者体な ビ新つつ本な 人 、年 、あもを資 はいてろむた か と み ョ進てた棚い 々 料 た い一後 。戦るおく ず な も冫 作下超 貴世いう ら 的 ち 臂 あ S 前てらだ 重界る か しキ家さ親 。かと の の趣 っ F し ~ 思 。私 う っ切 のいれさな なで の し、 分 S どるるお また界 いうカ味 のあ と の 高 コたな フ ぐ F 系 。とカ しが 。を の く カ ; でる だ レ お ァ ら て 、創おひ は統 、の いそ あだ 0 よ が 信 ク 力、 ン し、 は資作貸かと お本 ほ的 るけ タ う い ゕ ・は 強料活 か仕格 。に とに 親の つ で か く活 動いと な事参 ん集 ら近とあーあ 切ほ の加 大 そ動はた どめ きカ し しる冊る し、 な条たて よ関を う の 集て 珍全て 。ま わ ヨー
レヒ三ウ 日常的な社会イメージを安易に異星人社会にられ、周到に考え抜かれ、様々な概念的な対とは言いたくない。 ( 『烙の眼』 / 著者マ もだぶらせてしまう、ドゾアの的思考の立を可能な限り盛り込んで、この種のタイ。フィクル・ビシ = ツ。フ / 訳者冬川亘 / 二七九 弱さによるもののように思えた。ここでのの決定版を目指したようなところがあ頁 / \ 一四〇〇 / 四六判上製 / 早川書房 ) 的思考と言ってみたのは、たとえばある社会る。シ・ゴスフィとシ・ガイジュの対立から を描出するのに、一種の抽象的な構造モデル人はどれほど多くの対置観念を引き出すこと ジョン・ヴァーリイ著 を設定し、その骨格に肉づけするような形でができるだろう。深読みかもしれないけれ 物事を捉えていくような考え方のことであど、・ほくには的方法論への批判さえ読み り、その一番てじかな例として、この『烙の解ける気がした。ビショップの作家活動を考 眼』をあげることができる。 えれば必ずしも誤読とは思わないのだけれ ところが、異星人社会の異質な感触というど、まさにその方法論にのっとってこの小説 のが、『烙の眼』でもやつばり、のたりなが書かれているようにみえるところ、釈然と 伊沢昭 い。はっきり言って人間くさいのである。顔しないものを感じる。 の中央に結晶状の大きな眼をもっ両性具有人概念的な対立がきわだてばきわだつほど、 というふれこみの異星人の風貌が読んでるう日常的な感触から切り離されたならでは めちゃくちゃ遅くなってしまったが、かと ちにどっかへ押しやられ、ヒロインあたりにの異質な世界がひろがっていく。けれども日言って触れずに通り過ぎることのできる作品 いつのまにやら、どこかそこらへんから借り常性からの離脱はイコール人間性からの離脱ではないので、ひとこと言っておこう。もう てきた地球人の美女のイメージをあてて読んではないのだ。むしろ概念性が強まれば強ま読んでしまった大勢の人、ごめんなさい。で でいたりする。 るほど、人間的な視野の束縛は大きくなる場も損はしなかったでしょ ? ふつう、異星社会の構造みたいなものは、 合が多い。異星人社会を構築しようと真剣に とにかくこれは面白い。他誌で鏡明氏もこ 外から来た人間、つまり地球人が地球人の視努力することが、かえって社会を人間的なもんな書き出しで本書を評していたけれど、ま 点から、いくつかの手掛かりを鍵にして〈発のにしてしまう、そんな手法的ディレンマをつたく同感である。そして、このような不思 見〉するというタイプの小説が多いのだけれ目いつばい抱えこんでいるのが、この『烙の議な読後感を抱かせる作品を他に知らないこ ど、ここでは公用語のできる現地人が、地球眼』という作品であるような気がしてならなとに思い当たった。そうすると、この「ティ 的な言葉、地球的な概念をつかってあまりに 1 ターン』という作品やヴァーリイという人 明快に自分の社会を〈説明〉してしまう。た異星人の人間らしさを、作品におけるどのの底知れなさが、胸の中でむくむくとわき起 とえば・ほくらが、他国の言葉で、・ほくらの文程度の傷とみるかで、評価は傑作から上質のこってきたのである。 化を説明しようとするとき、たぶん生じてく水準作の間を前後するように思う。たとえば批評的に本を読むというのは淋しいこと るような言いよどみがすこしもない。そんな諸星大二郎の『マッドメン』が単なるニュー で、本来内容に感動してから著者のことに関 よどみのなかに異質の感触が生きてくると思ギニアの話であることを思えば、もう少し異心を持つのが順当なのに、物語の端々で立ち 、つのに。 質の感触がどうにかならんもんだろうかと考どまって著者のことを考えてしまう。その状 ビショッ。フはすごく理知的な人だと思う。 えてしまう。ビショッ。フだからそこまで言い況にも二種類あって、作者の技量が ( 優秀に 異星社会の構造モデルは細部にまで気がくば たい。ビショッ・フだからこの程度で満足したせよ貧弱にせよ ) どの程度のものが算定でき 『ティーターン』
もっとも、メシ炊きといっても適当にレーション . パッ クを調理したぶつつぶしてしまえる。 いざ″というのはこの星系の独立運動の り、レーションの員数を艇のメイン・ バンクで確認するだけという ことだ。そんなことは子供でも知っているが。 気楽なものだが。 それにしても、今回の任務はえらく貧乏くじを引いたもんた。四 なんでこんなに大そうな肩書きがついてるかっていうと、艇長の〇日にわたって定期。 ( トロールと、観測任務をやったあと、さて母 ミン大尉以下五人しか乗り組んでいないこのグルカ一〇七には、主艦に帰ろうという時になって、太陽系の方から飛来してくる未確認 計兵・士官が二人いて、下っぱの方の俺が次席と呼ばれてるだけの飛翔体があるから、そいつを調査しろときた。俺達五人のクルーの トラッカ 話だ。もう一人の主計は、通信員でもあるチョードリ少尉で、こつ中で、ぶーたれてない奴は一人もいなかった。 ちの方はメシ炊きはやる必要がない。通信業務の他はもつばら艦の いくら大型の艦載機だといっても、グルカ級の哨戒艇 航宙・作戦記録を担当し、毎日のデータをメイン・・ ( ンクに放り込は四〇標準日間もの長期間にわたって単独行動をとれるようには、 エンジニア んでいる。あとの二人の乗組員は、航法員のダワ三曹と機関員のゴできちゃいない。軍は、哨戒艇なんて大げさな艦種名をつけてくれ ータム二曹だ。 たが、要するに艦載機なんだ。重武装して対艦攻撃や対地攻撃がで グルカ一〇七は、艇という名はついてはいるが、実際は艦載機だきるように設計されているんで、居住性なんて最初から無視されて し、それに見あった高加速性能を持っている。もっとも、シリウス 星系には艦載機を多数搭載した宙域制圧戦闘母艦は一艦しかない。 やたら馬鹿でかい推力のエンジンを積み込んで、そのくせクルー その、俺達の母艦はカンチェンジュンガ級の三番艦″アコンカグのためには情ないほどのスペースと質量しかさいてはいない。まっ ア″だが、彼女は今はシリウス・メジャーの内惑星軌道にいるはすたく、戦争なんてここ何十年もやったことがないのに、何だって軍 だ。そして、俺達のような艦載機群が母艦を遠くはなれた宙域で、 の造船屋はこんなに戦争道具ばかり作りやがるんだ。 哨戒任務についている。 五人が四〇日間も暮らす艇に、船室と呼べる空間が三カ所しかな スキッパ ナビゲーダー 言ってみればアコンカグアは、単艦でシリウス星系全域の救難、 いのはどういうことだ。その三つのうち、ひとつは艇長、航法員、 工 / ジニア トラッカ サーベイヤー 警察任務をカ・ ( ーする艦載機群の基地になっているわけで、俺達の機関員のおさまる操縦席で、もうひとつは観測員の俺と、通信員の グルカ一〇七もそんな艦載機のひとつだ。艦載機群をふくめて、アチョードリ 少尉が陣どる観測ドームだ。この二つは、とても部屋と コンカグアは太陽系から派遣されてきた。 呼べるような場所じゃない。無駄なスペースは一切作らんぞと意地 シリウス系の、内宇宙における商業航路の船腹量が増大するにつ になって設計したような場所だ。 れて、組織化された救難・警察行動が必要になってきたことがその ただひとっ部屋と呼べるのは、もう一つの生活区画というところ 派遣の理由で、太陽系からの一種の開発援助といえた。だが、いざだけだ。この生活区画だって、合理性をどこまでつきつめられるか となったら汎用性能を持つアコンカグアは、単艦でこの星系全部をためしてみたような区画で、狭苦しい空間が、居住区兼体育室兼調 システム ナビゲークー ペ ス システム スキツ・、 2 ー 7
SF レヒッウ 消極的な意味でも。積極的な意味とは ( フ科のカ、電磁気力、核力の四種類があゑこの 会の大田原治男氏から学んだのだが ) 、たとうち、電磁気力のみが、超自然現象に使える えば自転車に初めて乗る人に対して、自転車可能性がある。な・せなら、ほかの三つの力を の後から支えながら走ってやる人が、ある時使うには、日常使われるエネルギーの何百万 黙って手を離し、それでも、支えているふり倍もの量が必要になるからだ。それならばっ をしてやることが、プラスに働くのと同じよてんで、彼は彼自ら《超自然現象にともなう うに、初めはだまされてやることが、ほんと電磁気的なシグナル探し》に、四年間従事す いる。そして、結論ーー「超自然現象は、つい うに超自然現象を引き出す可能性があると うことだ。 に発見できなかった。出会ったものは、貧弱 しかし、問題は、自分で自分をだますことな実験結果、見かけだおしの理屈、人間の迷 ・ : たびかさなると、かえって、だんだん、信癖などばかりだ」 ( こんな結論は、やるんですが、しかし、どーにも、こーにも、今 それが本当のことだとぼくたちの心が思いこ 前からわかりきっているのでは。でも、自分ひとっ分らないことがあるんです。第五のカ んでしまう傾向があるってこってすね。そこで実際やってみるってことは、やはりエライが、電磁気力と「同じように」ではなく違っ は、ジョン・テイラー、抜かりはない。あく た風に現象することがありうるんじゃないか まで、現代科学の手段と理性 ( そして狂気 ) いや、待て、待て、まだよく知られていな なってね。 を堅持する。 ″第五のカがあるかもしれんぞ、の声。 敢えて分らないって言うことが、実は 彼は、ユリー ・ゲラーの「奇蹟」のほか、そう、もし、この力が金属原子をしばりつけの立場って気もするんですが、どーでしょ サイエンス さまざまな超自然現象の報告をいろいろと紹ている電磁気力に打ちかって、たとえば「スう。科学する面白さと、空想することの不安 介している。たとえば、ですよ。テレバシー ・フーン曲げ」が起ったとすれば、そのとき、 との界面にたっての宙ぶらりん 2 あいまい や透視という能力を、かって人間が持ってい原子は、電磁気力よりも、ずっと強く、このさ。あるいは人と人との上下関係の客観的認 たのに、文明の進化発展とともに失ってしま第五の力に反応していることになる。そもそ知と、ヨコの一体感の共同幻想との・ハランス ったのならば、幼い子供たちには、その片鱗も、電気や磁気を帯びた粒子は、自分のまわのわからなさ。そういったものこそ、 (.nræ を見つけだすことが可能かもしれない、としりに、電場や磁場を生みだす。「同じよう だ。なーんて、自分の無知無能を合理化しす て、アーネスト ・スピネッチがしたユニークに、原子が第五の力に反応するならば、自分ぎちゃったよーですね。このへんで、ハイチ な実験など。しかし、テイラーは、それらののまわりに第五の力を生み出せなくてはならャツ。 ( 『超自然にいどむーーこの世に不思 報告をいろいろと紹介しながらも、いちいちない。すると、原子にそなわる第五の力が、議はあるか ? 』 / 著者日ジョン・テイラ 真偽を検討しない。これは賢明だったろう。 超常現象の生じているあいだだけ働くというー / 訳者Ⅱ渡辺正 / 一一四〇頁 / \ 五六〇 / 新 どうしても水掛け論争になってしまうから。 ことはありえず、つねに働いていなくてはな書判 / 講談社 ) 彼の戦略は、こうだ。たとえ超自然現象とらない。ところが、原子物理学において、そ いえど、必ず物質的効果をともなって現象すのような力は検出されたためしがない」 るはずだ。そもそも、物質の構成要素をまと どーですか。この″第五のカ否定論 ? める力として、現在のところ、重力、放射能私には、それなりに納得できる議論ではある この世に不思議はあるか ? 円 2
しかし、『羽魚の秘密』というのは聞ページから立ちのぼる秘境的怪奇幻想の真相はどこにあるのだろうか ? 作風は、われわれ変格好みを魅了してや部数がひじようにすくなく、ほとんど いたことがなかった。 中島河太郎氏のその解説中のリストをむことがなかった。映像世代の人たちにの人の眼にとまらなかったのか、それと とっては、怪獣ものの元祖、アノ『ゴジも、印刷はされたものの何らかの事情で 教えてくれた會津信吾君も知らないとい ラ』の原作者だ・ーーとい・つた方がわかり未公開のままにおわったものなのか ? ほとんどビヨーキどころか本当にビョやすいかもしれない。香山滋の真骨頂は中島河太郎氏は香山滋とはデビュー当 時から御親交があり、出版された本はす 別の作品にあると思うけれども : : : ) ーキといっていいほどの信吾君が知らな さて、中島河太郎氏のお話しによるべて寄贈をうけておられたそうだし、ま いのだから、これはじつに珍しい本にち と、香山滋はおそろしいばかりに整理好た仮に寄贈もれがあったとしても、氏ほ 、刀し / し 私はさっそく中島河太郎氏におうかがきで几帳面な性格であり、デビー以来どのコレクターが求めそこなうとは考え の自分の全作品についてのリストを自らにく、 いをたてた。 したがって、前者である可能性はすく その結果、意外なことが明らかとなっ作成していた。 ないことにはなるだろう。 それも、作品名の五 0 音順、年代順ば じつは氏御自身もその本は未見ーーとかりでなく、作品の中に登場する架空動しかし、「ある」ということの証明は いうことなのである。 植物のたぐいを一つ一つリストアップしやさしいが、「ない」ことの証明はまこ もちろん氏のような方が未見の書をてた一覧表をも同時に作成していたのであとにむずかしい。 る。 だから、ひょっとすると古書市等で発 きとうにリストしてしまうはずはない。 大きな根拠があった。 この貴重なリストは、現在、香山滋の見されるかもしれない。 作者香山滋自身が作成した著作リスト御遺族から中島河太郎氏が遺品としてゆ読者の中で、もしこの件で情報をおも ずりうけられ、保存しておられるのだそちの方がおられたら、ぜひ御一報下さ に明記されていたのである。 究 ( ここでハッと気がついた。・ほくらの年 ( ひょっとして香山滋のいたすらだった の代のものにとっては、香山滋という作家そして、そのリストの作品名の所に は有名すぎて、なんの注釈もいらない。 『羽魚の秘密』が出版年月、出版社名とりして : : : まさか ! ) 原しかし一〇代二〇代のファンにとっともに明記され、架空動物の所に《羽 ては、ひょっとすると耳なれない名かも魚》が明記されているーーーーということな しれない。香山滋は戦後昭和一一〇年代かのだ。 ′ら三〇年にかけて大活躍をした変格派の ( これをウギョと読むこともそのリスト 異才である。エキゾチックな雰囲気が全からわかるのだ ) 間翦ー壓和ド中 こ 0 幻の海野十三 疑問の出た第二は海野十三の『俘囚其
魔法使いはその夜も 結界を守るために炎をにらんでいた 魔法には未来を知る方法はないのかと訊かれて 少なくとも「竜の魔法」にはないと答えていたが いにしえの人びとに予言者がいたことを 老人はやっと思い出した 予見の祭事は百年ごとと決められ さらに水に かかげる者にのみ 新たなる智の恵みを受けうるものとし 史記にあった たしか 「夜の時代」以前のことしゃ ソムレキアいやミステルタインの剣と その頃は町んでおったのだな こいつを扱う法はお師匠の本には無かった それだけではない闇の中で行なう魔法も 知る限りでは予見の儀式ひとっしゃ いや待て暗闇の異変はもうひとっ かの国の王を討ち滅したハ ーディア黒髪王 その子のケイいセレディズ騎十王の二人 オリアンの日蝕の戦いで 突然姿を消しておる ーディア王はとうとう戻らす ケイ日セレディスは 来たるべき日を見たとだけ告げている もし闇にかかわる魔法がかってあったのなら 沈みきった夜の重みが 突然はしけた焚き火の音にゆらいだ 魔法使いは呼吸を整え炎の乱れに目をこらした すでにいくつか黒い影カ 結界の中に侵入している 瞬連れを起こそうかどうしようか 迷いが生したところに 炎の中の影は消し難い数にふくれあがっていた 手遅れだむかえ討っしかあるまい 火の周囲に新たな防壁をめぐらし 寝覚めの悪い男にはたつぶりと威しをかけ ここ数日やっとのんびりしていたろばに 追いむちをくれてやり 悲鳴に近い持ち主の罵倒を背に浴びて 魔法使いは敢然と立ち向かった かに見えた 群れよる敵の数の多さ勝ち目はない なまみ 唯生身の人間はというと 火灯りに照らしだされた魔物の形相に 目をくぎつけにされたまま ・底なしの絶壁でも覗きこんだように あか それが予知を得る一つの方法だとしたら どうしてそれが今に伝えられていないのか 「童の魔法」から除かれてしまったのか おど
リータズ・ストーリイの新鋭登場 ! 黔オ秀明 イラスレーンが目ノ 9 家一一 ま ー 1 ー -1 ー 1 ー 1 ー 1 ー 1 そそこそ毎なあみそさなア 我いし慣車だよまのラんな 慢っかれ掌れくあかツ、、あ れうんう日んあんうつん にだなかこ ないきだキ しちしつやにだ か しな中んお無やか ? こな文れ ろやよ ュんア てあでな通表そら ううんん句もんのだ も は調夜情うほ もぜ、なか言文な地 ? キ し子みだだか う、身つにう句も下 やでてぜなの すホ動てよん言ん鉄 んい通え ぐンきんうだわだ だ ? ねろて で勤だ だ L—ト L— しな ら のにつろ らてあ な の 暑 き あ り だ は く も カ や な ロ ぜ無 し て も 理 か も ね ク や ん な が な あ 混 し た ん な で あ」 か」 「ああ」 「よう、アニキ」 「へ ? 」 「次の駅まだかなあ ? 」 「もうすぐ着くだろ」 「乗ってからずいぶんたっぜ」 「こいつはきっと急行なんだろ」 「地下鉄に急行なんてあんのか ? 」 「あんだろ」 「聞いたことねえなあ」 「ところでアニキ」 「このごろ都会の人口が少なくなったんだってな」 「どこで聞いたんだ ? そんなこと」 「テレビのニュースで言ってたぜ」 「ニュースなんか見るのか ? 」 「たまにな」 「そういわれりや、そんな気もするなあ」 「だろ」 「まあ、そのほうがゴミゴミしねえでいいじゃねえ 「なんで少なくなったんだろ ? 」 2 5