目 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1982年2月号
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1. SFマガジン 1982年2月号

ローダは田 5 った。だが電源はどこだ。天幕の中を見回ずく 電気た ! した 0 ーダは、その光源から最も遠い隅に一人の女がすわ 0 ている「一人の幸連は、もう一人の不運であることは珍らしくはない。だ のに気がついた。女は、ゆ「くりと立ち上が「た。身長はーダとが、いっかは幸運が巡「てくるものです」 そこには、ほんのかすかなものであるにしろ、一種のあわれみに 同じほどだった。意外なほど若い。三十歳、いや、四十歳に近いか もしれない。やせこけ、黒いも「れた髪が白い小さな顔の周囲をか近い感情が潜んでいるように思えた。それは、 0 ーダの心の奥にあ るこの惑星の住人たちに対する優越感を正確に逆転させたものであ こんでいる。 るように感じられ、ローダは奇妙な劣等感に自分がとらわれてしま ビナカルが、背筋を伸ばした。 うのを感じた。 「シギイト、ローダです」 それはすでにビナカルと出会ったときにも感じたことであった ロ , ーダは、また笑みを浮かべ、目の前に立っ女を見つめた。 が、一丁の銃と一つの通信器以外にマイダスに由来するものを持た 「ロ , ーダ、族長だ」 ない今、一層、強く感じられた。そして、はたして何がシギイト ローダは耳を疑った。たがそれを態度に示すまいとする。 に、あわれみの感情をもたらしているのか、そのことに疑問を感じ 「シギイトが、我々を導き、金属のありかを教えてくれるのだ」 シギイトと呼ばれる女がうなずいた。。ーダる余裕を。ーダから奪 0 た。 ビナカルが、言い、 は、ビナカルがや「てきたとき、自分たちの飛行艇がある場所をお「。ーダ、あなたたちが我らにもたらした幸運に釣り合うものは、 告げによ「て知「たのだと言「ていたことを思い出した。この女一つしかない。それを私はあなたたちに与えたい」 シギイトは言った。そして、天幕の壁面近くに置かれた黒い木製 が、どのような方法で、それをやってのけるのか、見当もっかなか 「たが、その能力の故に、族長であるのだろうということは、容易の箱に歩み寄 0 た。箱の中から、細い筒のようなものを取り出す。 そのとき、ローダは、箱の中に銀色に光る金属の塊の一部を見た。 に想像できた。 それは、ローダの心をしびれさせた。 「よくそいらしてくれた、彼方からの旅人よ」 シギイトは、手にした筒の中から、丸めた動物の皮を取り出し シギイトが言った。低く滑らかな声だった。 「我が部族が、あなた方に最初に出会うことができたのは、幸運だた。それを広げながら、 0 ーダを呼んだ。。ーダの目は、箱の中に 釘付けされたまま、夢遊病者のように歩む。 った」 よ、。ヒナカルから聞いて 「あなたたちが、道に迷っているという話。 シギイトの表情が柔らぐ。ローダは、そこに、。ヒナカルの笑みに いる。これが、あなたたちのこれからの旅の助けになるだろう」 似た相手の気持をなだめる力が潜んでいるのを感じた。 9 とうやら、一種の地図であるらしロ シギイトの手にしているのは、・ 「私たちが幸運だったとは、思えませんが」 かった。おそろしく古・ほけてはいるが、その黒ずんだ表面には、う ローダは、ステンのことを思い出して、言った。シギイトがうな

2. SFマガジン 1982年2月号

にあの窓を消去できるなら : ・ : ・もし、それだけのテレキネシスの支「クランツ博士 ! 」だれかがさけんだ。ー「クランツ博士 ! 」その声 配能力を持っているなら、やつがわれわれの世界へ窓をあけるのには混じりけない恐怖がこもっていた。 二人はぎくりとふりかえった。計時係の兵士が震える手で指さし を、どうして妨げられる ? ひょっとすると、やつらはいまわれわ れを観察しているかもしれない。われわれがやつらを観察していたている。二人がそっちに目をやるのといっしょに、なにか白いもの が穴の縁の真上で忽然と宙に現われ、下向きの飛行をつづけて、す ように。すでにやつらは、われわれがここにいるのを知った。そこ からどんなことを思いつくだろう ? ひょっとすると、やつらは肉でに地上に転がっているそれに似た物体のそばに落下した。また一 をほしがっているかもしれない。ひょっとすると : : : ああ、神様」っが飛んできた。そしてまた一つ。また一つ。ぜんぶで五つ、それ 「いや」ギルスンはいった。「そいつは不可能だ。あの世界に窓がが約一メートル平方の範囲に散らばった。 「骨だ ! 」クランツがいった。「ああ、なんてことだろう、ギルス 開いたのは、まったくのまぐれだった。カルヴァギャストは、コン ン、これは人骨だ ! 」彼の声は震えながら、ヒステリーと紙一重の ビューター操作卓に坐ったチンパンジー同様、自分がなにをしてい るか、かいもく知らなかったんだ。もし、パラレル・ワールドの仮ところをさまよっていた。ギルスンはいった。「やめろ。なにもい こっちだ ! 」二人はそっちへ走った。さっきの兵士は一足 説がこの現象の説明だとしたら、彼がひき当てた世界は、数かぎり ない世界の一つということになる。かりにあの世界の怪物どもがあ先に現場へ着いて、しやがみこんでいた。その顔は吐き気と恐怖で あした窓の作り方を知っているとしても、やつらがわれわれを見つ別人のように見えた。 ける確率は無限の中の一つ。つまりは不可能ということさ」 「あの骨」兵士は指さしながらいった。「あそこのあれ。あれはや つらが犬に投げたやつです。歯型が見える。くそったれめが、犬に 「そう、そう、もちろんだ」クランツはわが意を得たようにし た。「もちろんだよ。やつらがいくら探しても、永久にわれわれは投げたやつを」 見つからんだろう。かりにやつらがそう望んでもね」しばらく考え やつらはもうすでに窓を作ったんだ、とギルスンは思った。この てからーーー「やつらがそう望んでいることはまちがいないな。あれ早業から見ても、やつらはこの種のことを知りつくしているのにち 、ま、やつらはわれわれを観察しているのだろう。しか 、力し↓はしし はまったくの反射的な反応だった。やつらがリーヴズを殺したやり しつ し、なぜ骨を ? 近づくなという警告か ? それとも、たんなるテ 方はだ。見たかぎりではっ膝反応のように無意識なものだった。い ま、われわれの存在を知って、やつらはなんとか侵入を試みるだろスト ? だが、もしテストなら、な・せわざわざ骨を ? なぜ小石を それとも角氷を ? ひょっとすると、こっちの 使わないんだ ? う。そうしないでいるとは考えられない」 反応をさぐるためか。こっちの出方を見るためか。 ギルスンはあの目つきを思い出した。 7 しかし、こっちはどう出るというのだ ? こんな相手に対して、 4 「だとしても、すこしも意外じゃないな。しかし、それよりもいま どんな防御ができる ? もし、あの怪物どもが一致団結ということ

3. SFマガジン 1982年2月号

・、たい宿痾でもしよいこんでいるか、とほうもなく甘やかされた結との住む美しい街、ぼくのシティ、 ・イースト。そこでは 果だめになってしまったあほうだとしか思えない。美しく清潔で、 人びとは、何もかも持っており、何もかも与えられ、そしてミラ 貧民窟も被差別者も、不具者、病人、老人もいないぼくらのシテは、たぶんその中でさえ、決して劣等には属していなかった。 ミラは年のわりに背がたかく、美しかったし、カイハセーショ だのにミラは給水塔からとびおりた。 ン、ことに皮肉のつかいこなしは群をぬいていた。ラウリをなど待 きっと秋は、ぼくの心の中にこそ住みついてしまったのだ。だか っていなくても、いつでも彼はパ ートナーをさがせたにちがいない ら人びとは、何となくうろんげな表情でぼくを避けて歩くーーーぼくし、そしてたぶん、アダルトになっても、何をやるにせよおそらく のからだのまわりに、夜がしみついてしまったのかもしれない。た一等地を抜いた存在となったことだろう。まちがいなくミラは才能 そがれが だがどうして ? どこから、それはやって来たという があり、そして模範市民にもビューティフル・。ヒー。フルにも、とい トレイダー のだろう。秋も、夜も、シティの環境管理局がプラスチックの袋に って反逆者にもなりえただろう。 つめて、ユニットへとどけてくれるものなのに。 それなのにミラは給水塔からとびおりたのだ。 ミラが死んで以来、ぼくは朝も昼も夜もミラのことを考えてい ああ、ーーそんなふうに云うと、なんて下らなく、俗つぼく、メロ た。そんなふうに考えるのはとてもふしぎなことだ。なぜなら、他ドラマふうにひびいてしまうことだろう。だからぼくは表現者の訓 の同期生たちは、・ こくあっさりと、あれを《なかったこと》にして練には向いていないといわれるのだーー・・・『何もかもみたされていな しまったし、ラウリもいなくなって、何もかもが、三日とたたぬう がら、ゆたかな未来とたくさんの可能性を一瞬の激情に見かえた若 ちに馴れられてしまったからだ。できれば、あとはただ、ぼくさえ い自殺者、何が彼をそうさせたのか ? 』だ。 いなくなればかれらにとってはきわめて申し分がなかったのだろう 言葉、言葉、そんなふうに云えばたぶん、たくさんの市民は安心 と思う かれらはいつも、ひとつの偉大な真実を遵奉している。するにちがいない。それも、「やつは気が違ったのさ」ですませよ 「道端に汚物があったら目をとじろ」という。 目をとじれば、 うとしないごく誠実で知的にもたかい人びとが。どうして、そうい イヤなものを見なくてもいいのだ。 う云いかたがかれらを安心させるのか、それは・ほくにはうまく云え 何もかもがとてもふしぎで、寄妙な感じたった。ぼくはミラやラないのだが、しかしかれらが安心することはわかっている。そして ウリのことを、 いくら考えても、それで悲しくなったり、とりかえ・ほくは、無性にそれがイヤなのだ。かれらが安心するのがイヤだー しがっかないと思うわけではなかった。むしろ、いろんなことが、 ーかれらがそうした。 ( ターンにミラをあてはめるのがイヤだ。「違 こういってよければぼくにとってはあまりにも自然だったので、ぼ うったら、違う ! 」と叫びたい。ひとりひとりの、首をつかんで くはむしろ、その自然さにショッ クをうけていたのだ。 ゆさぶってやりたい。 何もかもがこれほど完璧におぜん立てされ、快適で、美しい人び ・ほくは、一体、どうしたというのだろうか ? ぼくは変わっ 8 2

4. SFマガジン 1982年2月号

乗り組むことが多い。中には地球に戻ってこようとせず、着いた先ある。 の惑星にすみついたり、別の航路を次々と移ってゆくものもある。 パネル上のインジケーターは、船が慣性飛行の状態にあることを この方法だと、確かに同じ見知らぬ時間線にぶつかる場合でも、 示していた。 「変わり果てた故郷」という、つまらない感慨を抱かなくてもす な・せ乗員に集合呼集がかからないのだろう ? む。ふるさとは遠くにありておもうもの宇宙版である。 地球を出てからかなり時間が経過したのだろうか ? だとする ところが軍人、ことにハンターはそうはいかない。地球や各コロ と、作戦変更は多かれ少なかれ、・の動きによるものだろう。 一一アル・ペースの周囲に配属されている常備軍はまだしも、 - ハンタ パネル上の時計は、しかし、離陸後七時間一一六分四〇秒たったこ ーは、・の犠牲にならぬ限り、かならず帰投せねばならない とを示していた。」 いや、厳密に言うと、たとえ・の餌食になっても、多くの場合 七時間 地上に戻ってくるのである。これは考えれば考えるほど、気のめい いくらなんだって、そんなに早く作戦が変更になるのはおかし る条件ではある。 。全行程からみれば、まだ時間にして百分の一、距離にすれば百 だからギ = ンターは、近い将来、亜光速航行によって地球の時間万分の一も来てない筈だ。 が、はるか自分の後方に過ぎ去ってしまう可能性がなければ、ハン ギュンターは、自分の頭がまだ完全に醒めぎっていないのではな ターになることに二の足を踏んだかもしれない。やはり彼は、見知 いかと思った。だがそうではないようだ。シートをつかむ手がじつ、 った人間の前に自分の変わりはてた姿をさらすのはいやだった。 とりと汗ばんでぎた。 今彼の目の前にちらっく良き友人たちは、ギュンターのハンター この段階で、目標状況に変化があったとは思われない。何かが変 としての立場をよく理解しているかのように微笑をたたえ、彼に手わったとすれば、それは地上か、この船の命令系統が変わったの を振っている。ギュンターはシートのウレタンを握りしめた。 そのとき、頭の中、眉間のあたりに赤い光点が突然ともった。臨ギュンターは、となりの力。フセルの中で横たわっているはずのエ 時覚醒のサインだ。ほんの小一時間しか経過していない感じだが、 イ・フの様子をうかがおうとした。しかし、シートに・ハインディング 本当は長い時間がたっているのかもしれない。薬の効果は講義で耳された状態では、それはできなかった。通話器を通して話をしよう にたこができるほど聞かされていたからだ。 としても、オーダー・スタイハイの状態にしておく限りそれは不可 ともかくギュンターの意識は一瞬のうちに覚醒させられた。目を能だった。 ギュンターの頭にま ? さきに浮かんだのは船のハードウェアの 開けると、顔前のパネルの上端に赤いランプが点灯している。彼は 9 ディスオ -•ダー となりのスイッチを押し、オーダー・スタイ ( イの状態にした。こ変調ということだった。単にインジケーティング・・ ( ネルが故障 れは「予め地上で与えられた作戦指示に変更を加えるときの操作でしているだけかもしれない。」

5. SFマガジン 1982年2月号

から姿を見せたとき、かれらは一斉にざわっとゆらぎ、警戒したよ からだ中の肉が、それそれ中枢の東縛を逃れ、好き勝手に盛りあ うだった。 がり、砕け、移動した。背中の上を、何十匹もの小動物が走りまわ 3 ギュンターは、数秒そこで尻ごみしていたが、意を決して窓の方っているように見える。 へ向か、った「、窓には、、今まで気づ - かなかったが、格子がはま、ってお←全体の形は、まるである種の海生植物のように見える。 , 無数 , のこ り、そこに葉が数枚からみついている。ガラスには木洩れ日がまだまかいざわめきが、全体として大きなうねりを形成し、ゆらゆらと らに落ちていた。ギンター . は、窓の下に大きな石をかかえてきてゆれる。 置くと、その上にのって窓の中をのそきこんだ。、それだとちょうど 一、ふり向くと、森中の枝という枝、葉という葉が、女の動きにあわ 鼻から上ぐらいが窓枠の上に出た。昼さがりであって、急に暗い室せてゆらいでいる。葉が次から次へと窓ガラスにへばりついてゆ 内をのぞきこんだ彼の目は、容易に物を捉え得なかった。 。女と森は、相呼応するようにからだをしならせ、まるで会話を がーーーやがてべッドが見えてきた。その上では、やつれてはいるしているようだ。ギュンターにはそれが、とても邪悪なことのよう が、おだやかな寝顔の女が眠っていた「女は鋭角的な顔立ちで、美に思え、胸がむかむかしてきた。 しいとは言えないかもしれないが、魅きつけるものを持っていた。 彼は石の上からとび降りると、手の届く枝を引っぱり、葉をひき だが、何と言っても、その女が安らかに眠っていたということに、 ちぎった。そして枝を一本へし折ると、それを持って他の枝をめち ギンターはほっと安心するとともに、軽い失望をも覚えたのであやくちゃにひつばたたいた。彼の目から知らないうちに涙があふれ る。 ていた。 この間見た光景は夢だったのかもしれない。これからはあの幻影 へとへとになり、彼はふらふらとその場を離れ、中庭を横断しは に悩まされずにすむ。 じめた。なにかわけのわからぬものがずっと胸につかえていて、息 しかし、心の中には、そんな筈はない、そんなことがあってはな苦しく、ときおり吐気がした。中庭のちょうど中央まで来たころで らないと呟く声があったのである。 あろう。彼は気を失ってその場にくずおれたのである。 ふと、女が上体を起こしかけたように見えた。 空気の密度がさっと変化したようだ。窓から室内に、午後の赤み耳もとでいろんな声がささやいていた。ギ = ンターの頭は、それ がかった光が細くさしこんでいたが、それが二、三度ペッドの上でを聞くのを拒否するように、不快な夢を織り出した。 ひらひらと翻った。 彼のからだが波間にただよっている。波に翻弄されながら、必死 女は痙攣するように上体を折った。ギ、ンターの頭上で、背後で、 に何かにとりすがろうとしている。 樹々がしめしあわせたように葉を鳴らす。まるで歓声をあげている ふいにかなたにひとりの女が現われた。見知らぬ女だが、ひどく ようだ。女は胸を膝につけ、完全にからだをふたっ折りにした。 なっかしい。ギュンターが近づいてゆくと、彼女は手で顔をおおっ

6. SFマガジン 1982年2月号

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7. SFマガジン 1982年2月号

例はこれぐらいにしておくがーーの言っていることが、わたしにち年間働いてもらうということだ。さいわい、あなたは健康で、冷凍 んぶんかんぶんだったのも無理はない。専門用語とおかしな略語の処置も適切だったが、そうでなかったら、この期間ははるかに長く 8 集積が、古代ギリシャ語よりもわけのわからない言語を生みだしてなるところだった。わたしといっしょに仕事をするわけだが、これ しまったというわけである。「医者にはどうやって話すのですかはなかなか楽しい、興味深い作業になると思う共同で、あなたの生 きた時代の音楽史の決定版を執筆するのだ」 どうやら、生活費の心配は先へ延びたようだーー借金を返すまで 「普通の話題ならば、〈共通〉で話す。誰にでも理解できるから ね。あなたの問題のような専門的な話の場合は、コン・ヒ、ーターをは、パル・レオンが食べさせてくれるのだろう。 「第二は、君にとって良い知らせだ」 使って、両者の言語の中から、互いに対応する概念を捜す」 パル・レオンは仔細ありげにわたしを見つめた。蘇生の際、あな 各分野にまたがる計画は地獄に違いない。とはいっても、これは たの身体とホルモンの・ハランスにいくつかの問題ーーというか、欠 昔からそうだったのだ。なんとも不思議で、理屈にも合わないこと だが、わたしは心が浮きたつのをお・ほえた。体中の力をため、意を陥 ? が見つかった。それは治療しておいた。ドクターたちは、 決して上体を起こそうとした。頭は五センチほど枕から持ちあが治ったと考えている。これで、あなたの寿命は百七十年から二百年 り、次の瞬間また元へ戻った。 に延びるはずだ。 「急がないで。ローマはー - ー一日にしてーーーならず」パル・レオン ホルモン調整は更に徴妙だった。あなたは一種の狂気の徴候を示 は、このようなまぎれもない古アングル語の名文句を口にだすことしていた。ある女性に対して統御不可能な衝動と固定観念を持って ができ、いかにも得意そうだった。「健康体に戻るまで、いくつか いた。このことは解凍が進み、心理探査に反応が出てきた時点で、 月がかかるだろう。注意事項をあと二つあげて、それからあなたの ドクターたちが気づいた。すこしばかり化学的な修正をほどこした 治療を続けさせる。 ので、その障害は除去できたと思う。あのアナという女性につい 第一に、あなたをここへ運び、蘇生させる段取りをつけたのは、 て、今どんなふうに感じるかね ? 」 わたしだということだ。わたしは音楽学者で、二十世紀と二十一世 パル・レオンはじっと見つめている。心臓は高鳴り、胸には重し 紀、特にあなたの生きていた時代に関心を持っている」 がのせられたような感じだった。目をつむり、長い間アナのことを わたしは大昔の賭けの一つに勝ったわけだ。とすると、現在の音考えたのち、ようやく冷静さを取り戻した。目を開くと、わたしは 楽はどうなっているのだろうかっ・ , 作曲できるようになるだろう 、弱々しく頭を振った。「何も。た ・、ル・レオンを見つめたまま だ、以前、何かがあったような感じがかすかにするだけです。ちょ 「この時代の法律によると」とパル・レオンはつづけた。「あなた うど、古い傷痕のように」 は蘇生と治療の費用をわたしに払う義務がある。いいかえれば、六 「結構ー彼は徴笑してうなすいた。「それでいい。彼女がかかって

8. SFマガジン 1982年2月号

黒い髪で、ヒゲをきれいにそり、のつべりした、女のような顔立ち休息と、治療と教育が必要だ。じつはあなたと最初に話す人間にな 。・ツドの傍まで来ると、主人然とした満足そうな顔でりたくてね。人違いして、ドレイク・マーリンではない男を覚醒さ をしているヘ せるようなことになってはと、不安だったのだ。それに、覚醒時の わたしを見下ろした。 「気分はどうか ? 」奇妙な発音の英語だった。ありがたかった。眠苦痛で発狂する者もいる。あなたは強い人間だ、ドレイク・マー りにはいる際、誰の目にも明らかな危険性は別として、わたしにはン。解凍の間、泣きもせず、うめきもしなかった」 わたしは別のことに心を奪われていた。かたわらでは、二人の医 二つの懸念があった。一つは、アナの再生が絶望とわかって、わた しまでがごく短期間で蘇生される可能性。いま一つは、五万年後の師が耳慣れぬ言葉を喋りながら仕事をしている。わたしはそちらに 「言葉はすっかり 世界に生きた化石として浮上し、未来人にこちらの意思を伝えるこ目を転じた。彼らにアナがなおせるだろうか ? 変ってしまったようですね」とわたしは言った。「あの人たちの話 とができずに終る可能性である。 「大丈夫です。でも、カがはいらない。赤ん坊みたいだ」試みに上していることは、さつばりわからない」 「わからない ? 医者の話す言葉が ? 」男はびつくりした顔をし 体を起こそうとしたが、すぐに考え直した。 た。「もちろん、わかるはずがない。わたしにもわからない。当然 ーリンだね ? 」 「あなたはドレイク・マ のことだが、彼らは〈医学〉で話しているからね」 「そうです」 わたしは眉を上げた。この表情は元の通りの意味を保ったまま生 彼は満足してうなずいた。「わたしの名前はパル・レオン。わた き残ったのだろう、彼はこう続けた。「わたしは〈音楽〉と〈歴 しの話す言葉がよくわかるかな ? 」 「よくわかります。な・せそんなことを訊くのですか ? ここはいっ史〉、それから、もちろん〈共通〉を話す。もう一つ、あなたの時 代を理解し、あなたと話すために、古アングル語を学んだ。しか ですか ? 」 いくらか勉強しても、容易なことではなし、〈医学〉はわからない」 「古い言葉を話すのは、 。そちらの尺度で言うなら、あなたは予言者キリスト暦二三七四「〈医学〉というのは言語のことですか ? 」長い眠りと薬品のため に、わたしの頭のめぐりはのろくなっていた。 年にいる」 「その通り。〈音楽〉や〈化学〉や〈宙航〉と同じだ。しかし、こ 三百六十年。予想よりも長かった。しかし、短いよりも長いにこ ういう事は、あなたの時代にもすでにあったはずだ。各々のーー何 したことはない。わたしが恐れ、また避けたいと思っていたのは、 この過程を、 〈穴〉の底へ身を躍らせ、解凍によってまた這いと言ったかーーそう、学問ごとに、専門の言語ができていたのでは ないかね ? 」 あがるという過程を、何度も何度も繰り返すことだったのだ。 7 0 「わたしは加温と治療の間、ずっとここで待っていた」パル・レオ「それはそうかもしれませんが、これほどはっきり形で出てはいな かった」なるほど、教育者や心理学者、コンビュ 1 ター科学者 ンは言葉をつづけた。「そんなに長居はしない。あなたには、まだ

9. SFマガジン 1982年2月号

: 、いに ですがーーー」 「そりやそうだ。しかし、まあいいさ。ともかく ( ッ チは開くんだろ ? 」 「マニ。ヒュレ 1 ターを差し込んだら、そこにパルス電 流を次のコードに従って通じてください それはなかなかやっかいな手続きだったが、最終的 にハッチは開いた。 ギュンターはポートの鼻先をそこにつつこみ、スー ツの気密状態を確認して中へ入った。二重のシャッタ ーを順に開閉し、彼は船室に入っていった。 〈メイトリア〉は、ギ = ンターがカメラの目の届かな いところに行ってしまうと、気が気でなかった。彼女 はさっきから同じ計算を何度もやっている。ギュンタ ーがここで三十五分以上時間をかけると、後の作戦が 非常に難しくなり、危険度が大幅に増す。 「〈メイトリア〉、聞こえるか生存者一名。ジノ・ マイヤース大尉だ。収容した後、ただちに帰還する」 「彼は意識はあるんですか ? 動けるんですか ? 」 「前者はイエス、後者はノーだ。〈メイトリア〉、今は 口をきいてるひまがない。ポートに戻るまで通信を絶 〈メイトリア〉は不満ではあったが、少し安心した。 〈メイトリア〉は通話回路を閉じた。 375

10. SFマガジン 1982年2月号

いった人たちの持っている粘り強さや、がんばりの精神に感心しまのチャベックさんがロポットなんてものを考え出したものだから、 ロポットをつくりたい、といっているのだよ。何ごとに対してであ す。人生で何かをやりとげよう、と思っている人なら、誰だって、 このような性質を持っているのではないでしようか。これは、アマれ夫は、機智めいたことをいってコメントを加えるのでした。人の ことをとても意地悪く嘲笑するのです。私は夫のそういうところが チュアの粘り強さです。でも、たいていのプロに見られるシニズム いやでした。 やおごりより、人間的にずっと価値があるのです。 、いかね、・ほくの姓はロズムなのだよ。 Rossum's Universal 「そういうものを、夫にお渡しになっているのでしたら、そしてお ロッ - サム万能ロポット製造株式会社、略号を・・というこの会社は、 チャベックの同名の戯曲では本社と工場を大西洋上のある島の上においてい っしやるように、それを香港でそれほどの大金を投じてお買いにな R0b0ts 0 たのでしたら、夫はあなたのご提案を検討するにちがいありませの甥の姓。ズ、 Roz 。日を英語化したもので、チ、。語で。ズ、は「理性」を意れする ) ん。あなたご自身の。フランもきっと評価して、近いうちに手紙を書空想と科学とを混同する人が、今日なんと多いんだろう。何か人を くことと思います。私からもよくいっておきますので、どうかご安あっといわせるようなインチキをやって、研究や調査の手間をはぶ と思っている人が、一体われわれのなかにどれだけいる、 心ください。でも今は私、あいにく外出せねばなりませんの。ですきたい、 から、なかへ入っていただくこともできなくて。それに、私にご自というのかね ? 今になって私は、ああいった奇人型の発明家について夫の意見を 分のかかえていられる問題をお話しになろうとしても、むずかしい と思いますわ。だって私は、自然科学のことはわかりませんし、自とり入れていることを意識しています。以前私は、そういう人たち 分の夫が一体どんな研究をしているのかさえ、わかったためしはなに対しては好意的だったのです。それとも、かわいそうに思ってい たかも知れません。いずれにせよ、嘲笑していなかったことはたし いのですもの : : : 」 かです。チャベックさんがこつけいな存在なのでしたら、夫はなぜ チャベックさんは、それからまだ泊っているホテルの正確なアド レスばかりでなく、部屋と電話の番号まで書いて私に渡した上、長文書を受けとったのでしよう ? でも、こういったことはすべて条件法による架空の対話で、実際 長と別れのあいさつをし、まるで催眠術をかけようとしているみた いに、私の目をじっと見つめました。あの東洋でいろいろの術を学には一度もおこなわれませんでした。といいますのは、私がそれつ んできたのだ、一と思います。でも、それはうまく行きませんでしきりチャベックさんのことを忘れてしまったからです。 た。チャベックさんが帰ったあと、私はドアをしめ、急いでスーツ 次の週になって、私の夫は有名になってしまいました。本当に、 ケースの仕度をしました。 目がさめてみたら有名になっていた、のです。その時まででも、研 今でも私は、チャベックさんの来訪を夫に報告するのを忘れたこ究所には分子生物学の研究室があることは、みな知っていました 3 とで、自分を責めています。夫はきっと、声を立てて笑ったことでし、生物学の学生なら誰でも、生きた物質の基本的構造の解決をは 5 しよう。どこの馬の骨とも知れないチャベックさんとやらは、作家やめる、といわれるヘモグロビンの分子構造が発見された、という