同情、理解と ( さいごまでおききなさい ) というサインを送ってい否しており、そしてラウリ・がミラ・・フラウンを指名するつもり たので、黙ってきいていた。 だとみんな信じていた。 ミラ これは、天才の下でずっと『ナイ 「そのことが彼の性格に最大のファクターとなり、今回の事件の遠 、ハー 2 』の座をしめさせられて ミラ 因となったであろうことを、私はうたがっておりません。 , ーー彼に いた彼にとっては、ようやくやって来た、正当な復権なのでなくて とって、世界は、彼にきわめて多くのものを与え、彼をたいへん偏はなりません。彼のパーソナリティを、たえずゆがめ、刺激し、圧 愛しているかのようにみえるのに、それでいてさいごの一瞬でつね迫していた。フレッシャーは、それによって一挙に解消するわけで に彼をこばむ、という印象を与えたにちがいありません。彼のシニす。 ズムは、うたがいもなく、要求依存したい心と、再びしつべ返しを ミラ・プラウンは、そこで、本来の彼のキャラクターを解放し、 くわされるのではないか、というひそかなおじけとの混淆の、あらゆがみとシニズムを放棄する最大のチャンスをもったわけです。し ミラ われかたのごく典型的なパターンです。そしてーーー彼に、ラウリ・ かし、その期待にもかかわらず、ラウリ・が。フロポーズしたあい ミラ が特別な関心をよせ、いずれパ ートナー・。フロポーズをするであてはこのイヴ・イエンセンだった。つまり、彼は、さいごの、自我 ろう、ということは、きわめて明白と、班の中で見られていたことの復権、正当な場所の要求を、無法に拒まれた、さまたげられた、 は、データ中にありました。 かねがね私の研究しているよう 不当に疎外された、という印象を抱いたーー」 プラザ に、未成年者たちにとって、指導員に第一。、 トナー申込をうけ「ちがいます」 る、というのは、きわめて重大なこととなります。というのは、そ ぼくはハッとした。 れまで、班のメン・ハー全員にとっての庇護者ーー専門用語でいうと 自分が叫んでいたことに気がっかなかったし、そんなことをする 『心理的親』であ 0 たところの指導員が、その一人の庇護者になつもりもなか 0 たのだ。それは無作法なことだし、ことにこのカウ る、独占できる、ということで、きわめて特権的な心理が生まれるンセラーは明らかに、そうした無作法をことさら苦にするタイゾの からです。それゆえ、私はかねがね指導員は第一・、 トナーの資格人間だ。・ ひりつと電流が眉間を走り、彼は手をあげた。 を失うものとすべきだと提言しているのですがーーーしかしこの場合「何か私をさえぎる根拠をあんたはもっているのですかね」 ミラ にもどると、ことにそれは、彼にとっては必要なことだった。 必要以上にていねいな表現ーーー怒りと不満 : ほくがあわてて出し というのは、ふつう指導員が・ハ ートナー申込をする場合、班中た詫びのサインを無視して話を中断したのは、あえてこの問題をつ、 で、特別な『ひいき』がないかぎり、いちばん成績がよく、目立っきつめようとする《攻撃の意志》だ。 子に対象をきめるのが一般的です。ところがこの班には前にも云い 困ったことになったとぼくはった。 ジーニアス ましたとおり天才がおります。 「すみません。しかしぼくは、 ジーニアス 当然その特権は、その天才にゆくべきなのですが、彼はそれを拒「質問に答えて下さい」 ミラ 幻 4
私の夫は冗談を聞きのがさず、目の前にある包丁の刃を意味あり よ。簡単なテコや、水準器のようなものに対してもね。奉仕せよ、 お前は私に対して完璧に奉仕しなければならないんだ ! お前は私げに見つめていました。 の仕事を軽減するか、私のかわりにやらなければならないんだ : : : 」 「・ほくがこの包丁を先生のところへ持ってきたのは、ロポットと厄 介なことになるだろうと思ったからです。先生の発明されたもの 「そこのところからまちがっているんです : : : 」 ・フレスルは興奮していいました。本物の酒場の喧嘩よろしく、今を、一般社会に提供すること、つまり口ポットの全容を発表するこ にも象眠のほどこしてあるテー・フルにその大きな包丁を突き立てはとも、先生のためにはならないのです。なぜ、ほかの人たちにも分 しないか、と私はひやひやしていました。体がふるえていたからでち与えねばならないのです ? そんなことをすれば、先生はせつか す。やはり、一晩中寝ていなかったのだ、と思います。音のとおらくの発見なのに、得るところが少ないということになるでしよう。 ぼくはロポットがチャベックを亡きものにしたのですし、これから ないガラスの壁越しに見ていた人がいるとすれば、何かとても興味 のある問題について議論をしているように見えたでしようし、その先生に対しても、基本命令を撤回するのは許さないだろう、と思っ」 場合、その包丁は検討中の価値を測る器具のように見えたかも知れてきました : : : 」 ロズムはその瞬間、包丁を握りしめました。一 ません。 「そうすることによって、先生はロポットにとてつもない可能性を「きみ、ありがとう。武器を持てて私はうれしく思っているよ。ビ 与えられたのです。人間に奉仕することのできるのは、比較的簡単ストルのことを考えたのだがね、今日どこでビストルを手に入れる ことができよう ? 自分でつくったロポットを負かすのは、楽じゃ な機械だけです。機械が先生に似ている場合、先生のようになった なかったよ。今のところ、手なおしをするのに隣りの研究室に置い 場合、それが先生のロポットである場合、相手が人間であることが わからず、先生に奉仕するばかりでなく、危害を加えることだっててあるのだがね : : : 」 ありうるのです。われわれが人間であるのは、実にわれわれの役ロズムはといいますと、もう少しで笑い出しそうでした。まるで に立っことだけをするのではない、という点にあります。先生ご自小さな男の子に、今ごろミクラーン ( サンタク。 7 スに当る。ただしチ , 「で 。てくるのは十 ) はどのあたりに来ていると、説明しているようでし 身、役に立っことだけをするようなことはけっしてしてこられませ二月六日の前夜 んでした。この問題を・ほくに説明するために、先生がこうして話した。彼は立ち上って、その場を去ろうとしました。私にはそのわけ てられることも、先生の利益にはけっしてならないのです。ご専門がわかっていました。私たちのフラットは親子電話になっていたの の分野の基本問題をぼくに説明するのに、よくそうであったようです。もう一つの受話器は、彼の研究室にありました。 に、先生は自分の時間をなくしていられるのですから。ぼくはあり「手なおしの仕事は、すぐ終わるからね。きみの持ってきてくれた 、刀ノし と思っているのですが」 武器は、この仕事で必要になる、と思うよ」 「この対話も私には役立っている、と私は思っているよ : : : 」 「ロポットは、決定的にやつつけなければならぬわけですか」 274
接触して引き起こされたものです。症例のほとんどが救出以前の死みや腫れを起こしますが、・症の場合はそれが大脳両半球のエ 亡なので、まだ正確にはどのようなものかわからないのが実情ですネルギー平衡化が進行するときに生じるのです。そのうち患者は左 が、左右大脳半球機能の不思議な平衡化が見られます。また、これ右随意筋の分離統御ができなくなり、右手と左手を同時にさし出し たりします。妊娠している場合は、たいてい死産ですが、その子に こそ驚異なのですが、一部の患者体内に型アミノ酸を含むタンパ ク質が発見されているのです。これはのレベルによるのかリ遺伝子異常も認められます。しかし、発病しなければ、出産に際し ェクリ・フス ポソームのレベルによるのか、まったくも「て判りません。どのレて危険はありません。 " 精神蝕。は、物理的な作用が先にあるので はなく、精神的作用が原因なのですから。精神的な結びつきがなけ ベルでも外からの観察ではまるで正常のように見えるのです。しか ェクリプス れば″精神蝕″は起こらないとーーー」 しそのうちに全身の機能障害を起こして死に到ります。 母親の声はしなかった。ギ、ンターは、母親がどんな顔でそれを これは・に接触した当事者の症例なのでわかりやすいと思い ますが、それにひきかえ第二次性、あるいは間接性・症侯群聞いているのか知りたくなって、ドアをほんの少し開け、のそいて ェクリ・フス は、他人に発生するのです。これは俗に″精神触と呼ばれ、統計見た。 そこには、無言で涙をぬぐっている母親と、それを見つめて途方 的には第一次の犠牲者の近親者に起こるのですが、予め認定するこ にくれたドクターが立っていた。ギュンターは、何だかわからない とはできないのが実情です。なんと言いますか、関係の明らかでな か 0 た恋人のような場合ですと、前もって診断することが不可能でが、とても悪いことをしたような気がした。彼はペッドへとってか す。お子さんが隔離病棟で見たあの患者がその例ですね。第一次罹えすと、毛布にもぐりこんだ。 患者と精神的に強い絆で結ばれているためにそうなるらしいのです「発病の時期というのもまちまちなのですがーーー」 が、強迫神経症、ヒステリーの類ではありません。第一次患者の被気をとりなおしたドクターが、再び話しだした。 「二世は強い免疫性を持っており、ほとんど一生発病しません。普 災を知らなくてもこれは起こるのです。彼女の場合は、その相手、 つまり最初の犠牲者がわかりません。飛行士か ( ンターの誰かなん通の患者は発病後、彗星などの周期に合わせて病状が進展します。 また、末期になると、地球の自転に合わせ、即ち自分の位置が・ でしようがね」 の方向を向いたときに過激な症状があらわれるのです。これらの 「どうしてあんなふうになるんですか ? 」 「詳しいことは、まだ判らないのですが、筋肉の間にある種の化学現象をホ。ス 0 ープ効果と呼びます。まあ、これから先のことはお 物質が蓄積されるために起こるようです。筋肉や関節が炎症を起一」話しするまでもありますまい。お子さんが自分でこれから学んでゆ かれるのですからね」 し、変形をきたします。初期の段階では、エリテマトーデス、リウ マチ、痛風などと区別がっきにくいのですが、・症は大脳機能 障害を伴うのが特徴です。リウマチなども、左右対称的な関節の痛結局幼いギンターはというと、長い検査のあと、特別の学校へ 353
「あなたはもうやった ? それとも、最高だといくつくらいの年齢も知ってる ? ぼくは誰に対しても、わけへだてのない感情をもと までやったことあるの ? 」 うとはしたんだ、ふつうならこうなんだろうと想像したとおりに 「臨終のとこはやったにはやったんだけど、よくはわからないんさ。おまけに、きみなら三人と一緒の時期をやったのは、ぼくらが だ。すっかり耄碌しちゃっててさ。きみの場合、なかの意識の方はふたりつきりだった時期をやったのよりか先だった。それなのに、 しつかりしてたらしいけど、それだってそんなにどこまでもは記億とにかく、ぼくはロンダよりはきみのものだって気がしてたものだ たどれないだろ。それが、ぼくの場合はとてつもない高齢だときてよ」彼は言葉をきって、ひとくち飲んだ。「意識が記憶しているこ とに影響されて、肉体もフィード・ハックをおこしたりすることがあ るんだもの。ひどく年とってるってことだけはわかってるんだ。い ちど、しばらく七十歳をやったことがあるんだけど、その時はまだるんだろうか」 かくしやくたるものだったからね」 彼女の瞳のはるかむこうから、彼女の意識が彼をみつめていた。 「なのに、わたしは五十三で死んじゃったんだわ。ひどいわ、ひど「わからないけど。でも、虫の知らせっていうのかしら、予感てい うのかしら : : : そんなものを感じることはあるわね」彼女は頭をふ いわ。ラリイ ! 」 って徴笑した。「ラリイ、あなたの方は ? いまの生活、どうなの 「エレーン」彼こ、、 / 冫しったい何を言ってやることができただろう。 「量より質って場合だってあるさ」 すごいしかめつらになって、彼女は鼻をならさんばかりの声を出「まず第一に、こんがらがっちゃって困ってるってとこかな。最初 の結婚と二度めの結婚のことよ、、 ーっか、またに まくはやってないけ した。 どきみの方はすませちまった時期かなんかに、たぶん知ってること 「質があればね。わたしの身の上のこと、少しはおぼえててつ・ ・マーシャルと一緒なの。彼はちょうど深は全部話したと思うけど。ほら、表のここをみればわかるけど、ぼ まは、最初の夫のジョー くはけさ、女房と女房の端ざかい期に目ざめたってわけだ」 酒をはじめたとこ。たしか、死ぬまでにはまだ十五年かかるんだけ どね。わたし、子どもの頃とか学生時代とか、それにまあ結婚生活「けさですって ? じゃあなた、この期間はまだ、けさはじめたば のはじめの五年間くらいにしたって、その頃のことについては、まっかりなの ? 」 あ文句は言えないと思うのよ。でもわたしって、これから先離婚ま「うん。ジュディと住んでるんだ。六週間くらいのうちには結婚す での八年間のうちの四年間だってやっちゃってるじゃない。順序もると思う」 何もばらばらで、細切れに三回にわたってやったわけなんだけど。 「ジュディ ? ジュディって、あの飲んべえの ? 」 だめなの、ラリイ。質のこといったら、あなたと一緒だった頃しか「いまはまだちがうよ。むこう二年間はだいじようぶだ。きっとき ないわ。あなたと、それにあとのあのふたりと一緒だった頃しか」みに彼女のことを話したときには、最後の頃のひどかったときのこ 「あの頃は、・ほくにとってもいい時代だったな」彼は言った。「でとしか、頭になかったんだろうな。うん、きっとそうさ。いったい
アルゴル いからだ。とにかく光れるという物理的事実である。 でも一〇〇年かかる旅 / が〇・九五だから、この式の値 は約〇・三一になる。 測行を考えているのだ。 次の図 1 ⑤は、《すなわち、《号》の内部での時間 球号》が目的地のアル経過は〇・三一になっており、したがっ 地 ゴルに到着する直前をて太陽系での一〇五年は 105X0.31 0.33 という計算によって、《号》 離あらわしている。 A 」 このとき、太陽系で内では三三年にあたっているーーと推定 は一〇五年が経過してすることができるのだ。 いるだろう。 このため、太陽系にいる人は、 0 過行 4 経航 18 + 0.95 北 105 「《号》の乗組員は一〇〇光年を三 だからとう・せんのこと三年で航行したように感じている」 と推論するかもしれない。 一である。 つまり⑧から⑤へのそれをグラフにしたのが、図 2 の上 がわの細い方の直線である。 変化は、一〇〇キロメ 1 トルの距離を年速〇これは、光速の三倍のスビードで《 ・九五キロのカタッム号》が飛翔したことをあらわしてい 航行距離 ( 光年 ) リが一〇五年かかってる。 た、出発直後の《号》の位置であ旅行しました、ーーというのとまったく同だから、ある意味では《号》の速 度は″超光速である。 る。スビードは光速の九五。 ( ーセントでじことで、何の変哲もない話である。 ある。 これをグラフにしたのが図 2 ⑧の太線しかし、それは見かけの超光速であっ 目標の恒星アルゴルは一〇〇光年の彼であり、一〇五年かかって一〇〇光年をて、物理学の定義にしたがって測定され 方にあって、太陽系に対して静止してい 航行したという、きわめて単純な航程がた超光速ではない。 る。 直線であらわされている。 なぜなら、三三年という時間は、《 《号》は出発の直後には太陽系のご ただ、カタッムリの場合とちょっとち号》が飛びはじめたあと船内で測った く近くに見える。なぜなら、たとえ光速がうところもある。 ものであり、一〇〇光年というのは飛び であっても、二日や三日ではアルゴルと それは、相対性理論によって運動するはじめる前に測定できた距離だからであ の距離一〇〇光年はほとんどちちまらな系では、 1 ー ( ミ c ソの割合いで時間が遅る。 アルゴル 100 桓星船で測った時間 と地球で測った距離 れ = 3C ( 超光速 ) 地球で測った 時問と距離 ク = 0.95C 20 国 5 60 70
ンベルク変調″と名づけたこの故障の確率は、算出可能です。ある あります。 それにもかかわらず、チオチモリンをだますことが可能であるの研究者は、一つの装置が擬陽性を示す確率を、百万回に一回弱と見 は、理論的に明らかです。 ( イゼンベルクの不確定性原理にしたが積もっております。 えば、任意のチオチモリン分子の一個が水を加える前にかならず溶擬陽性とは、遠隔時間連動装置の最終ュ = ットが、第一ユ = ット 解すゑとは断言できないばかりか、溶解しない確率が充分ありうに水が加えられていないのに溶解することをいいます。それよりも ややひんばんに起こると思われるのは、ちょうどその逆、つまり、 ることが証明でぎます。 一個の分子をとりあげた場合はで最終ュ = ットが、第一ユニットに水が加えられたにもかかわらす、 これは疑いもなく正しい その事前に溶解しないという現象であります。もちろん、理論的観 す。しかし、最も小型化された遠隔時間連動装置の一単独ュニット に使われる最も微量のチオチモリンでさえ、数百、数千京個の分子点からは、前者のほうが興味深いことは、申すまでもありません。 を含んでいるのですから、これら数百、数千京個の分子のすべてここで一つの疑問が湧いてまいります。では、その水はどこからや が、あるいは検出可能なたけの一部分が、溶解しないという確率ってきたのか ? わたしの研究室は、そうした擬陽性、つまり、結果的に水を加え、 は、極微であるといえましよう。 たしかに、数千個もの = = ットをつないだ遠隔時間連動装置を作なくても溶解が起こる現象を、実際に記録しようと試みました。物 「た場合、これらの = = ットのどれか一つが溶解の変調を来たせ質が無から創成される可能性が存在するとすれば、これはホイル " ば、装置全体に変調がおよぶわけであります。われわれが " ( イゼゴ】ルドの定常宇宙論との関連で、非常に大きな意味を持っことに Tt-PNU0 0 3 2
に寄付してくれないだろう : という経営上の恐怖心があの発 言になったのだ。この珍説は女 房からきいたから信憑性があ る。女房はそのころ高斎正さん と同じ大学の同じ学部の同じ学 年にいたのでそういうことはよ く知っておりますのだ 合 の 行は《号》が一定速度 航 で太陽系からアルゴル 速へ航行する場合 先月号において、″二隻の恒 光 3 図星船のパラドックス″について 図解し、それを一歩一歩解きほ ぐしてゆくことをお約東した。 今月はその第一歩である。 すなわち、図 1 で説明される ような、一定速度航行の場合に 研 系 ついての話である。 陽 このパラドックスを正しく理 の 解するには、地球にいる人と恒 石 ( さそかし壮大な光景が展開されるでしとだからである。 星船内の人との " 世界認識の差一を正確 にはあくすることが必要である ようなあ ) ( ちなみに、かって″女子大生亡国論″ したがって図もその線にそって描かれ 3 ①から⑤にかけての詳細は割愛する。 を私大の有名教授が唱えた真の理由をご 私のの熱心な読者ならば、またかー存じだろうか ? 女子はもともと異星人ている。 ーとシラけてしまうほどよくご存じのこ だから男子とちが「て卒業してから母校図 1 は太陽系にいる人間が観測し ()F 号》 = 0.95C 国 0 光年 (a) 地球ぞ見た出発直後 ア丿レゴル 太陽系 《 SF 号》 t = 5 年 to = 33 年 国 0 光年 (b) 地球ぞ見た到着直前 太陽系 《 SF 号》 アノレゴ丿レ ← ぃ = 0.95C (c) 恒星船て、見た出発直後・ 引光年 アルゴル to = 33 年 t = 25 年 = 0.95C ← (d) 恒星船て、見た到着直前 引光年 アルゴ丿レ ー 57
日間もそれを隠しておいた。大佐の報告がなければ、いまでもわれ しい気候なんです。家族はおたがいに親切で、おたがい 昔かな われは知らずにいたかもしれない。おかげで五日間がむだになっ しいい人たちですよ。じきにわかります」 が大好きらし、 た。あの現象がどれだけ続くか、だれにわかる ? 一流科学者が大 「そうね、そろそろむこうは夕食でしよう。夕食のあとは、いつも挙してここに集まるべきだ「たーー第一日目からだ。これには総力 を挙げた調査が必要だ。いまごろは、もう蜂の巣のような活動状態 外へ出てくるんです。たぶん、あと一時間ぐらいで」 「ここで待とう」ギルスンはい 0 た。「待 0 ているあいだに、すまでなけりやいけない。それがどうだ。来てみると、あんたと大学院 生が一人、石を投げたり、棒をつつこんだりしているだけ。それに ないがさっきの続きを話してもらえないか」 ガールフレンドが衣装の時代を調べただけ。これは犯罪行為に近い クランツはふたたび講義口調になった。 「あれの性質については、なにもわからない。ここに窓があり、そぞ」 クランツはうろたえる風もなかった。 れがどうやら過去に開いているらしい。その中をのそけるところか 「そういうだろうと思っていたよ。しかし、見方を変えてほしい ら見て、光を通すことはわかる。ただし、一方向にしか通さない。 その証拠に、あの中にいる人びとは、ま 0 たくわれわれの存在に気好むと好まざるとにかかわらず、こんな結果を生み出したのは、テ づいていないんだ。光以外は、なにもあれを通りぬけることはできクノロジーでも科学でもない。純然たる超能力だ。もし、カルヴァ ない。石がどうな 0 たかは、さ 0 き見たとおり。あの境界面に長いギャストの研究を再現できたら、なにが起こ 0 たかをつきとめられ るかもしれない。この現象を反復できるかもしれない。しかし、政 棒を押しこんでみることもやったーー抵抗はまったくない。だが、 府がここへ科学者たちを召集したあとに起こるだろうことが、わた に。なにをあ 中へ入った部分は消えてしまう。神のみそ知るどこか しは気に食わないんだよ、ギルスン。連中は測定し、テストし、臆 の中へ入れても、もどってこない。棒の場合は、そこからすばっと 切り取られる。実に面白い。しかし、あれがなんであろうと、あの測し、仮説を立てるだろうが、ただの一度も、一瞬たりとも、この 家のある場所にはない。あの境界面は、われわれと過去とのあいだ現象のほんとうの土台を受け入れようとはしないはずだ。連中が到 着したその日に、わたしは追い出される。冗談じゃない、ギルス にはなくて、われわれと : : : 別のどこかとのあいだにあるんだよ。 ン、これはわたしの研究なんだ」 あそこにあるあの窓は、たんなる副作用にすぎないという気がす る。つまり、あの境界面に存在するなんらかの応力から作り出され「いまはそうじゃなくなった」ギルスンはいった。「問題が大きす ぎる」 た、時間の : : : 時間の歪みなんだ」 「われわれだって、厳密な実験をしなかったわけじゃない」クラン ギルスンはため息をついた。 7 、。ナ「リーヴズ、きみの・ハッティング・マシンのことを話 あんたはおよノよ、つこ。 2 「クランツ、これを長官になんと報告すればいし そ前例のないような大発見に、運よくめぐりあった。ところが、五してあげろ」
なるからです。 にひびが入ったり、割れたりするのでした。 この実験に用いた原理は単純なものでした。学生の一人が装置を最後の実験では、たしかに″ ( イゼン・ヘルク変調″が発生したよ 2 セットし、翌日に手動操作で水を加えられるよう、準備をととのえうに思えましたが、結局、この実験は文献に報告されておりませ ておきます。その間、彼が誠心誠意、実験を進行させるつもりであん。その代りに、わたしはこの実験が意味するものを、政府の当局 ることよ、、 しうまでもありません。理論的には、これで最終ュニッ者に報告しようと試みましたが、これといった反応は得られません トが溶解するはずであります。そこでわたしは最初の学生に別の仕でした。そこで、いまからみなさんに、この実験のことをお話しし 事を割り当て、第二の学生にこの装置を受け持たせて、水を加えるたいと思います。 なと命じます。 われわれの最初の大きな驚きは、こういう状況のもとで、約二十われわれは、装置が溶解を示したのちに、それをステンレススチ 回に一回、最終ュニットが実際に溶解したことでした。これは″ハ 1 ルの容器に密閉し、溶接しました。 イゼン・ヘルク変調″で説明しうるものに比べて、はるかに高い発生そして、水を加えるべきであるがそうしない瞬間を待っているあ 率といえます。しかし、その後まもなく、これはチオチモリンが 、だに、″ダイアン″暴風がニュ ・イングランド地方をおそいま ″たまされた″わけではないことが判明しました。いつの場合も、 した。一九五五年八月のことです。暴風の襲来は予報されており、 なにかが起こって、水を加える結果になったのです。第一のケースそのコースも追跡されていたので、こちらの準備はできていまし では、最初の学生がもどってきて、ほかの者が止めるひまもなく、 た。五四年と五五年には、ニュー ・イングランド地方が何度もハリ 水を加えてしまいました。別のケースでは、偶然にだれかが水をこケーンにおそわれたので、われわれも慣れつこになっていたので ・ほしました。また別のケースでは、雑役夫が す。 しかし、チオチモリンがいわば、″頑としてだまされなかった″ しかし、そのうちに気象庁が、ハ リケ 1 ンは海上に去ったのでも ケースを、事こまかに説明するのは、退屈なばかりでしよう。いまう危険はなくなった、と発表しました。われわれは胸をなでおろし はただこれだけを申し上げておきますーーーわれわれは正真正銘のて、ゼロ時間を待ちうけました。 ″ハイゼン・ヘルク変調″のケースに、ついに一度もめぐりあえませ ところが、もしみなさんの中にあの日ニュー ・イングランドに居 んでした。 合わせた方があればご記憶でしようが、気象庁はその後になって、 もちろん、経験を重ねるにつれて、われわれは通常の事故に対す ハリケーンを″見失った″こと、意外な暴風の逆戻りがあったこ る予防策を徹底させるようになり、″疑似変調の発生率は減少しと、局地的に一時間百三十ミリもの大雨が降っていること、河川の ました。たとえば、乾燥したガラス容器の中に装置を密閉すること水位が増大し、各地で浸水が始まっていることを発表したのです。 にしたのも、その一つです。しかし、疑似変調の場合は、この容器わたしは窓から外をながめました。まさしく豪雨でした。キャン
ある程度集中させてどこかへふりむけることができるのは明らかだまにテレキネシス・エネルギーを伝え、あやつることができるよう これがカルヴァギャストの仮説だった。カルヴァギャストは、 にする言葉だ。魔法の呪文、まじない、といってもいし 彼らの精神活動の中になにかの共通因子を見つけ出そうとした。 カルヴァギャストは、わたしの思っていたよりも先を行っていた 彼はテレキネシス能力者とされる人たちを大ぜいここでテストらしい。すでになんらかのまじないを発見し、それをテストして、 し、そこにあるパターンを見つけたと報告した。言語のレベレの、 ′しテレキネシスを試みたのにちがいない たぶん、デスクの上の灰 ちばん根底、もしくはその下部に、一種の記憶装置が働いている。あ皿を宙に浮かせるような、ささやかな実験だ。そのまじないはたし る被験者の場合はそれが楽音の組み合わせであり、別の何人かの場かに効いたが、そこで得られたものは、灰皿を浮かせるだけのささ 合はさまざまなちんぶんかんぶんの言葉であり、また、別の一人のやかなカじゃなかった。彼は誤 0 て大きく門を開け放してしまい 場合には、初歩の算術のレベルの数式だったという。彼はこうしたある種の恐るべきエネルギーが流れこんだ。もちろん、これはまっ データのすべてをコン。ヒ、ーターに入れ、単純なノイズと被験者の たくの臆測だが、このような結果が生み出されるためには、それに 個人的性癖をとり除いて、実効のあるエッセンスをあばき出そうと似たことが起こったにちがいない」 試みた。つぎに彼はそのエッセンスを言葉に直そうとした。標準ア それまで無言で聴きいっていたギルスンがいった。 メリカ英語をしゃべる人間の精神流に作用して、話し手の意志のま「あんたの頭がおかしいとはいわんよ。あの家も見たし、あの角氷 重版情報 ハヤカワ文庫 風雲児コナン ロバート・ E ・ハワード 360 円 10 月 1 日では遅すぎる フレッド・ホイル 320 円 宇宙のあいさつ 星新一 240 円 竜神戦士ハンニバル 田中文雄 420 円 スティンク ロバート・ウィーバーカ 320 円 華氏 4 5 1 度 レイ・プラッドベリ 360 円 恐怖の関門 アリステア・マクリーン 440 円 瀕死の戦闘機隊 ゲルト・ガイザー 360 円 ダプノレ・ダプノレ 工ラリイ・クイーン 440 円 大富豪殺人事件 工ラリイ・クイーン 360 円 死ぬのは奴らだ イアン・フレミング 360 円 0 0 7 はニ度死ぬ イアン・フレミング 360 円 栗本第 ( グイン・サーガ ) ①豹頭の仮面 340 円 ②荒野の戦士 340 円 3 ノスフェラスの戦い 340 円 0 ラゴンの虜囚 340 円 3 辺境の王者 340 円 0 アルゴスの黒太子 340 円 ②望郷の聖双生児 34 。円 0 クリスタルの險謀 36 。円 ①七人の魔道師 44 。円 ※表示の価格はすべて定価です。 振東京ま諾早川書房 239