重力場 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1982年6月号
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1. SFマガジン 1982年6月号

物だけにしか作用しないから、一〇〇光 年も先の星がその重力で落下してくるの 8 カ は変じゃよ、 オしカーーと思われるかもしれ 重 の ないが、それはあくまでも地球に住んで いる人の固定観念であって、《号》 にいる人にとっては、無限につづく重力 離場が存在するーーーというのが真実なので 1 こ ある。 の それ以外のことは観測のしようがない 時 る のだ。 場 け カ お ここで、さいごの図⑤に注意していた だきたい。 内航測 鉛度観《号》からはなれて下方へ落下して ) 速の いった太陽系は、一光年の直前 ( 〇・九 加で 定中九光年 ) でストップしてしまっている。 の これは、重力場の性質によるものなの 系 年 であるが、結果としての数値は、前の図 光 図 4 の@とまったく同じになっている。 《号》の中が世界のすべてである人それが図⑤である。 つまり、特殊相対論による推理と、一 図⑤は太陽系にいる人の考えでは《般相対論による計算結果とが、完全に一 物に対して、アルゴルが速度で落下し て来、太陽系が速度で落下してゆきっ号》がアルゴルに到達したことを意味致しているわけである。 つあるのた。 しているが、《号》のなかの人物に この一致は、太陽系との距離たけでは そして、五・三一年たっと、一〇〇光とっては、あくまでも上方にあったアル なく、アルゴルが到達するまでの時間に 年″上方″にあったアルゴルがちょうど ゴルが落下して自分の所にまで来た しろ何にしろ、同様である。 《号》の所にまで落下し、そして同と解釈されるのである。 すなわち、重力場を考慮しない特殊相 じ場所にいた太陽系が約一光年 ( 〇・九というよりも、他に解釈のしようがな対論による図 4 のような推理が、現象の いのである 九光年 ) 下方にまで落下し去っているー 結果としては、一般相対論によって矛盾 ーという状態になる。 ちょっと考えると、重力場は船内の人なく裏づけられたのだ。 く SF 号》 重力場 太陽系 ←〇 Z00 = 広 = 。光年一一一爿 (f) 船内の重力場中での観測 ( 出発直後 ) ア丿レゴ丿レ ( の船内の重力場中での観測 ( 途中 ) 重力場 z ・ア丿レゴ ) レ Z00 = 0 重力場 x 2 700 = 工 Z60 J50 太陽系アルゴル Z00 = 工 Z60

2. SFマガジン 1982年6月号

さて、そうなると、こんどは図 4 の現これについて答えるために、まず、 ( 厳密には重力場のポテンシャルの差に 象の途中にみられたパラドックスーーす《号》からみた太陽系とアルゴルのよって ) 光のスピードが変化することが なわち、アルゴルとの距離が超光速でち落下速度をグラフにしてみよう。図 8 が証明されているからである。 それである。 ちまってくるという事実ーーーについて、 《号》の人物にとっては重力場が存 図 7 の一般相対論的解釈がどのように答光速度を基準にしてみると、太陽系在しているので、右のことは、《 えるか , ーーという最後の問題になる。 の落下速度はゼロからスタートして〇・号》の人物が観測すると、光のスピード 五になり、それ以後ふたたび減少してゼは場所によってちがって観測される ということを意味している。 口に近づいていることがわかる。 ついに解決しましたー また、アルゴルの落下速度は、やはり この、重力場によって光のス。ヒードが という現象は、急に ゼロからスタートして同じ時間に最高速変化してしまう 度 ( 光速じの五〇倍 ) いわれると奇怪な感じをもたれるかもし になり、そののち漸れないが、ファンならば、じつはご 減してほぼ一 ( つまくありふれた話なのだと、すぐに気づか , 基り光速じとほ・ほ同れることと思う。 フを ・フラックホールの近くでは時間も光も 一 ) になって《 ラ という例の話とまっ 速号》の地点を通りす停まってしまう 離のぎることがわかる。 たく同じことなのである。 距常 重力場の関係で光速がゼロに近づくこ と通度これをみると、一 年時—下般相対論においてもとがありうるということはまた、その重 る。落やはり″超光速″がカ場のありさまが逆転すれば、光速がふ け測の つういわれている光速よりも大きくな 間お観ル存在してしまってい 時にのゴ 行でルるように思われるかることもありうるーーーということでもあ 2 過 る。 航中アもしれない。 度場と 速カ系しかし、そうでは だから、重力場のつづく世界で、光の 加重陽 速度が、重力場のない世界での速度に 定の太ない 一内た なぜかというと、 くらべて大きくなったり小さくなったり 一般相対論においてするのは、一般相対論としてはあたりま 図 は、重力場によってえのことなのである。 あ = 0.88 アルゴルの落下速度 1 落 ー 0.2 じ 07C ( 5.3 し I) 0 4

3. SFマガジン 1982年6月号

物 / それがゼロから非常にな下方 ( 太陽系が落下していった方向 ) 大きな値まで変化するでは、光速度は距離とともにぐんぐん減 8 ことをあらわしてい少し、マイナス一光年のところで完全に ) る ″ゼロ″となってしまっている。 フ ここでは 2 を重力場むろん、同時に時間も止まっている。 年グ化 中のその位置での光速すなわち、そこが″世界の終りとな 光 ( 変 。離のとし、むを重力場のな ってしまっているのだ。 。距 3 5 と速い世界での光速として このマイナスのがわの光速ゼロの壁 離間 4 時いる。そして、タテ軸は、シ = ヴァルッシルトの障壁とたいへ のるⅡは 3 / じすなわち 3 がんよく似た一種の障壁である。 3 らけ かお測に対してどのぐらい 物理的イメージがっかみにくければ、 船に観 もう一度図 7 の⑤をごらんいたたきた 星行のの比で増減するか ー恒航でという量で目盛ってあ 度中 壁速場る。 《号》から落下してゆく太陽系は、 0 の加カ ロ定重このグラフで表現さ重力場によって自由落下しているにもか れる光速変化の様子のかわらず、マイナス一光年のところでス 特徴は、光速 2 の変化 トツ。フしてしまっているのだ。これは、 その場所での光速 光図 が《号》からの距光速でさえゼロになるのだから、とうぜ では、《号》の重力場の場合には離に比例しているということと、プラスんのことであり、・フラックホールに落下 それがどうなっているだろうか ? のがわとマイナスのがわ ( 上方と下方 ) する物体の運動と同様のことなのであ それをグラフにしたのが図 9 である。 る。 で、非対称たということである。 図 9 の横軸は《号》からの距離を図の右方すなわち重力的な上方 ( アル さらに、この問題についての物理的理 あらわしている。 0 の点が《号》のゴルのあった方向 ) では、光速は距離と解を容易にするために、図 4 の⑨を見て 位置であり、その右の。フラスの数字が上ともにぐんぐん増大し、ある値に制限さ いただきたい。 方 ( 図 7 で右方 ) にあたり、左のマイナれるということがない。距離が無限に近 ⑨の図においては、重力場がどうの、 スのがわが下方 ( 図 7 で左方 ) にあたつづけば光速も無限に近づくという恐るべ光速の変化がどうのということを言わな ている。 き状態となっている。 ″特殊相対論″による推論を図示して タテ軸はそれそれの位置での光速で、 これに対して図の左方すなわち重力的いるのだが、結果としては、太陽系と 光速がふつうの光速に等しい点 ーーっ′ ( 観測者のいる場所 ) 内 、 0

4. SFマガジン 1982年6月号

ット第ー第。冢を吶物ぞ ' 引・中 《号》との距離は一光年をこえておの太陽系の落下″というモデルで扱わねるのではなく、重力場中の光速と比較 らず、その点ではまさに、一般相対論のばならないことを、意味しているのであしなければならない。 る。 つまり、図 9 の光速と比較しなければ 帰結と同一なのである。 さて、″一般相対論における光速の変ならない。 再度述べると、図 4 ⑨のように、《 化″という、これまでの中や科学解 だから、検討すべきなのは、 / 。で 号》がいくら長時間飛翔しても″ロー レソッ短縮″によって故郷の太陽系との説書の類にはあまり出てこなかったが学はなくて新 / 2 なのである。 者にとってはごくあたりまえの、この現そういう新しい一般相対論の立場にた 距離が一光年よりも大きくはならないー ーという現象は、それが加速度系の現象象を認めていただいたとして、図 8 にみって、太陽系とアルゴルの落下速度を図 であるがゆえに、本質的には、図 7 で説られた超光速の。ハラドックスを解いてみ示してみよう。 明されている一般相対論的な″重力場中よう。 すると、図川が得られる。 図 8 のカー・フでわ おめでとうございます。 5 船下かる落下速度が一見太陽系の速度にしろアルゴルの速度に 落超光速のようにみえしろ、時間とともにゼロからしだいに増 るのは、じつは、実大し、やがて光速に漸近し、そして決し フゴ という結果が得ら 速度を重力場のない て光速をこえない 5 ア光速で割って考えてれるのだ。 年 離系 いたからだったの しかも、上方から落下してくるアルゴ 距陽 ルも、《号》から落下してゆく太陽 と太オ 日・ー日旧一 ところが、重力場系も、一般相対論における光速 2 で割っ 時時Ⅲ 中の一般相対論的なてみると、まったく同一の変化をするこ 2 け測 お観光速 3 は、場所によともわかるのである。 って変化する。した ( タテ軸のスビードに負号がついている 行で 航中 がって、重力場中ののは、上方の向きを正にとったからで、 度場 うまでも 速カ速度が超光速かどう たいした意味はない。また、い ないが、アルゴルや太陽系の落下は先方 定の度かをチェックするた 一内速 めには、その速度からみれば宇宙船の飛翔ということであ を、重力場のないとる ) 図 きの光速と比較すこのように、加速度系の真の光速は。 太陽系とアルゴルの落下速度に・、ー 0 彡、 」 0 93

5. SFマガジン 1982年6月号

田 0 図 7 の 9 ⑧⑤に読者の明眸をうっしてどうしの乱交パーティをひらいた結果生っている。 いただきたい。 まれてきた遺伝子工学的混合クローン人 ⑧がそれである。 これは事象としては、図 2 の⑧⑤から 間 ) が、あくまでも自分を不動の原点と従前の図では太陽系とアルゴルの間を 図 4 の@④⑨までとまったく同じことをして周囲の星界を観測したときの図であ《号》が飛翔したわけであるが、今 あらわしているのだが、観測の主体 ( 四る。 回は停止したままであり、そのかわり、 次元座標 ) が大きく変更されている図で したがって、①⑧⑤の三図とも、恒星太陽系とアルゴルが逆のがわに移動して ある。 きつつあるのだ。 船《号》が不動の位置にある。 すなわち、恒星船《号》の内部で その点を、まず確認していただきたい。 これは、きわめて奇妙なことのように 生まれた人物 ( たとえば宮武一貴と永瀬図 7 の①は、出発の直後である。直後思われるが、一般相対論においては、こ 唯と江藤巌の三氏が長旅のなぐさめに男といっても、すでに加速度は一定値にあれに対してじつに見事な解釈を与えてい り、その人物は他の世る。 界を知らないから、太すなわち、恒星船は太陽系からみると 陽系にのこっている人加速度をもっているため、その加速度は Ⅱ 物とはまったく異世界《号》の人にとっては重力場となっ フ の住人である。 ており ( すなわち等価原理 ) 、その重力 この時点において場のなかを太陽系とアルゴルが自由落下 離測は、太陽系は《しているー、ーと考えるのだい 年距観 3 との号》のすぐそばにあ重力のペクトルは図でいって右から左 間で り、そして目的地アル に向いて発生しているから、出発後遠ざ 時内 る船ゴルは一〇〇光年先にかってゆく太陽系はその重力場の中を下 2 過けた 方に落下してゆくのだーーーと解釈し、ま おしある。 に理 ここまでは、従前のた、近づいてくる目的の星アルゴルは、 行推 航で ~ の図の同一時点その重力場の中を上方から観測者にむか 度系 速陽とかわらない。 って落下してきているーーーと解釈するの 加太 しかし、出発してしである。 定 ばらくしてからの旅行図の⑧はそのことをなんとかそれらし 9 途中での様子は、まっく描こうとしたものであるが、おわかり 9 図 たくちがった図柄とな いただけるかどうか : 両星間の距離 7 ( 光年 ) ( 超光速 ) / 0 = 5. 引年 ん ' 十な = 0.99 光年 4 一 0

6. SFマガジン 1982年6月号

S 様 C 打 強度に不安がある。しかし火星の重力は弱 くなる。もし一二〇〇 / の電池が出 の いし、アストロ。フレーンは激しい運動をし来れば、アストロ。フレーンの航続性能は二 ないはずだから、これでも良いのかもしれ倍以上にもなるだろう。 カ 動 太陽電池を動力とするのは、アストロ。フ 構造にはグラファイト ( カーポン ) 繊維レーンの翼面積 ( 太陽電池を張る ) 、火星 複合材料、ケヴラー複合材料などが使われ表面での光の弱さを考えれば、無理があ る。全体の質量は三〇〇で、その内構る。またヴァイキング・ランダ 1 、ヴォイ ロン 造、電子機器、動力などを合せた自重は一 ジャーなどの電源として使われている、ラ啣 一三になる ( ヒドラジン・エンジン ) 。 ジオアイソトー。フ熱電発電器ーープルトニ空 工 ペイロードは四〇 ~ 一〇〇取、燃料は一四ウムの崩壊熱を熱電対で電気に変換する 10 七 ~ 八七搭載出来る。 は重過ぎて、搭載不可能だろう。 ジヒ ラ ドム月 アストロ。フレーンの動力の第一候補は、 アストロ。フレーンを収めたエアロシェル と性 アッカーマンのヒドラジン・エンジンだ。 航続距離 ) 四個と、通信中継用の衛星とをひとまとめ 燃料は胴体の重心前後に一個ずつあゑ容にして、スペースシャトルに搭載し、二段楕円軌道、最終的には周期一ソルの円軌道 量九〇宅のタンクに入っている。。フロペラ式 ( 慣性上段、固体ロケット ) で火へと移行する。これは火星の同期軌道に他 ならない。 は直径四・五もある、きわめて幅広のも星軌道に投入することが出来る。このよう ので、根本から折り曲げてェアロシェル内なパッケージを三機同時に火星に送れば、 三機の同期 ( 静止 ) 衛星があれば、一つ に収まるようになっている。 合計一二機のアストロ。フレーンが火星の空の惑星のほとんど全域をカ・ハ 1 出来ると もう一つの候補は、電池と電気モーター を飛び回ることになる。もっとも、通信管は、アーサー・ 0 ・クラークが四十年近く の組合せだ。しかし今手に入るリチウム電制やデータの処理を考えれば、全部の機を前に予言したことだ。 池の性能 ( 一三〇 ~ 三三〇 / ) をも一度に飛ばさない方が良いことは言うまで通信衛星が同期軌道に入って二ソル後、 ってしては、ヒドラジン・エンジン機の半もない。 最初のエアロシェルが分離し、火星大気圏 分の航続距離しか得られない。 ェアロシェルと通信衛星は、最初に近星に突入する。念のため言っておくが、エ だがアメリカ海軍の開発している高性能点 ( ペリア。フシス ) 五〇〇、周期四ソルアロシェルは火星に発したものではない のリチウム電池 ( 三三〇 ~ 六六〇 / の楕円軌道に挿入される。この軌道の遠星ので、再突入 Cre ・ entry) ではなく突入 ) が使えるのなら、航続距離は逆にヒド点 ( アボア。フシス ) において、通信衛星は (entry) だ。 ラジン・エンジン機よりも一〇 ~ 三〇 % 長ェアロシェルと分かれ、周期一・五ソルの 高度九・五で直径一三・ 一の。ハラシ 第 OU 17.8 電第 ( 000 嬲一 ) 3 3 2 8

7. SFマガジン 1982年6月号

アストロプレーン ( VTOL 型 ) の胴体断面図 巡航用ヒドラジン・タンク ( 55 の ヴァイキング・ランダーのロケット ロケット推進剤タンク ( 22 の 重力計 巡航用ヒドラジン・タンク ( 55 の ウライキング・ランダーのロケット これは地上からの発進には向いているが、 —の火星飛行機ーーアストロプレー 空中で発進する火星飛行機には不必要な性ン・・マース 1 と名付けられている・ーーはグ 質だ。巡航に重点を置くのなら、主翼はもライダーに似た、優美な外観を持ってい っとアスペクト比を高く ( 細長く ) しなける。 ミニ・スニッファーは双胴式で、二本 ればならない。 のティル・・フームの先に尾翼を配し、プロ チリヴェラとリードは、の技術 ペラを後ろ向き ( 推進式 ) に付けていた。 宇宙計画部門の・ 0 ・クラークの所へ行アストロプレーンは、普通の飛行機と同し って、火星飛行機の構想を説明した。 配置を採用している。 クラークの最初の反応も、「火星飛行機アストロ。フレーンの主翼はミニ・スニッ ク 0 だって、冗談だろ」だったが、そこは技術ファ 1 よりはるかに細長く、アスペクト比 ロ 者、具体的な数値を示されると、たちまち ( 主翼の縦横の比率 ) は一三・ 一になる。 構想の熱心な支持者に変わった。クラ 1 クしかし、高速能グライダーにはアスペクト レタ 工剤 はジョンソン宇宙センタ】の火星計画科学比が三〇を超えるものまであり、アストロ 者、の火星計画部長などを説得し、 プレーンの主翼が特に細長い訳でもない。 ム 火星飛行機は Z<<t-n< との将来の計 これはやはり、アストロプレーンを折り ゲスロ 画の一つとして検討されることになった。畳んで、エアロシェルに収める必要から来 匕し クラークをリーダーとして、に火ている。主翼は左右三カ所ずつで折り曲げ 可ロ 下イ星飛行機研究チームが形成された。実際のられ、胴体の上に重なるようになっている。 機体の設計は、デヴェロツ。フメンタル・サ 胴体は主翼付け根 ( 重心位置 ) が一番太 イエンス社— ) に依頼された。同社くなっていて、細い後部胴体には逆字形 の火星飛行機設計主任となったア・フラハム に尾翼が付いている。後部胴体には三カ所 ・ケレムは、イスラエルの——社でのクの関節があって、複雑に折り曲げられて、 フィル戦闘機の開発を手がけたこともあ尾翼が裏返しになった形で、エアロシェル る。 に収まるようになっている。 にはリア・シーグラー社宇宙電子主翼も胴体もかなり手の込んだ折りたた 主翼内側の折りたたみ 機器事業部、マーティン・マリエッタ社み方をしており ( ヴァイキング・ランダーを開発 ) も協力個所を斜めに切って、胴体の上で重ならな ーーーその分 した。 いようにするなど、芸が細かい ヒドラジン・エ . ンジン ( 11.2kW ) ー 08

8. SFマガジン 1982年6月号

ってナ ジョンスン宇宙センターの技術者、ジェイすると出力が低下して来るのだ。 ムズ・アッカーマンの開発した、ヒドラジそこでリードは、ジ = ット推進研究所 ドイドン飛行研究センター トルの着陸場としン・ェシジンだった。これはヒドラジン (—A=) におもむいた。ここはよく ォルニア州工 名に ( ) を触媒で分解し、生じた高温ガスの機関と誤解されているが、本当はカ リフォルニア工科大学 ( カルテック ) の研 の角にあるの名は ( アンモニア、窒素、、水素の混合 ) を、ビ のストンに導いてエネルギーを取り出す仕組究機関で、の契約研究機関として っ になっている。外観は 2 ストローク・サイ の指導者 ドラ不ドシ博 ルのガソリン・エンジンに似ているが 良・ディル、作原理はむしろ蒸気機関に近い。一切の 九五三外気を、要としないので、超高空でも、真 , 、之、一い空中でも動する ( 背圧の減少で出力は向 0 た。ケ ' 発実験機一 = 画診洳し、リ云上する ) 。 ミニ・スニ アーに取り付けられたエ ング・ボディ。験気 2) で ンジンは、排気 ( 三一で、一二・七 一に研究計画技術者務みをいる。例の 0 一「 想が具体化する になった。高 叫より空を長時間滞空するの型機には、写 ini ・ Sniffer) - 真偵察、電子偵察、パ対電子戦 ) 、 、考えられ 通信継、囮なぐ - くの 、はるの開廃に物手した。ミ一 こんでロ 、、・スあナ , いは高度一一上数で巡航出る。 、飛行 、いの六。「ラ機で、成層樹の大気を【ゲ ' トで発射し、 あるいに天然の汚させたら面白、 ヒ そのような任 久性・た。媒 亠一【新いを嗅ぐ者 ) ' 第う名そにに由来、ドラジン・ = 、 る。 ・、腐食して、 一金属粒子が当たて 、、をニッファーの動力は、 z 傷つけるため、 しシンでは二時 工 っ 0 ガス室 ガス発生器 ( 触媒 ) 燃料ポンフ / スロットル ノヾノレプ ピストン 排気管 クランク 窒素ガス社 。 : ヒ ? ジイき 減速キア フ。ロくラ ヒトラシン・エンシン

9. SFマガジン 1982年6月号

かなり変わってくる。普通の主翼は火星で ランド・キャニオンが長さ一五〇、稚内地球上での観測のために造られたミニ・ から沖繩までが二五〇〇と書けば、マリスニッファーは、たとえ気圧などの条件がは十分な揚力を発生出来ず、反り ( キャン ー ) の大きい特別の翼断面形が要求され ナーの谷の雄大さの一端が分かるだろう。似かよっていても、火星での飛行に最適と る。 いう訳ではない。火星の希薄な大気に、小 もちろん太陽系の中で最大の地溝であ ミニ・スニッファーは巡航性能よりも、 、将来火星が観光化されれば、名所の一さい重力と、二酸化炭素が主成分 ( 九五・ 三 % ) という条件が加わると、空気力学は上昇性能に重点を置いて設計されている。 つになるに違いない。 カール ・セイガンの「コスモス」の一話 ( 「赤い惑星のプルース」と言う原題たっ たと思う ) では、この谷の模型の中にカメ ラ ( シュ / ーケル・カメラ ? ) を走らせて いた。火星飛行機はマリナーの谷を端から 端まで、二〇時間ほどかけて飛ぶことにな ろう。その時人類の目の前に、どんな景観 が開けるたろうか。 ン あるいは、火星飛行機をオリンポス山一 COlympus Mons) の回りを飛ばすのも ロ 面白いだろう。この火山は裾野の直径五〇 〇 ~ 六〇〇、周囲よりの高さ二四の雄ス 大さで、火口の直径さえ八〇ある。あま た っ り大き過ぎて、火星飛行機の視野には収ま ま らないだろう。 収 工 シ ア 工 マース 1 ・アストロフレーン・ 1

10. SFマガジン 1982年6月号

火星に適した翼断面形 SPAN 2 ⅱ 11 0.655E 6.35m 1. Om 0.8m 3.4m 0.8m 4.5m ( 一五頁より続く ) しながらティル・・フー ム、主翼、尾翼、プロペラと順番に展張し て行く。エンジンが始動し、パラシュート を外したミニ・スニッファーは、火星の空 へと発進して行く。ミニ・スニッファーの 航続距離は、ほとんど火星半周にもなる。 ミニ・スニッファーが火星で行なう任務 としては、映像 ( 写真 ) 、大気、重力、地 磁気、地質などの観測が考えられる。気 図象、地質、地球外生物学などの観測機器を 三組み込んだ、小型の自動ステーシンをい くつか搭載して、火星表面に投下してまわ ることも考えられる。ヴァイキング・ラン ス ダーが一カ所を狭く深く調べたとすれば、 マ ミニ・スニッファーは広く浅く調べてまわ ン ることになる。 レ 火星に無人飛行機を飛ばすとしたら、私 ロ はぜひとも VaIIes Marineris を旅させて ス アもらいたい。直訳すれば「航海者の谷」だ が、マリナー 9 の映像から発見された由来 を考えれば、むしろ「マリナーの谷」と呼 ぶ方が適切だろう。 マリナ 1 の谷はポエニクス湖 (Phoeni 、 cus Lacus) から真珠湾 CMargaritifer Sinus) にまで達する、長さ四八〇〇の 大地溝帯た。幅は一〇〇から二〇〇で、 何本にも分かれ、深さは六程度ある。グ 0