言葉通り一片の迷いもなく言い切るステフに。 そら つぶや まあ、 いいけどと、呟いて空が一一一口う。 「たとえば獣耳王国ーーもとい、東部連合を攻めるとしよう」 あきらめてはいない、 と主張するように空。 「だが、獣人種についてわかってる数少ない情報は、敵が第六感を使うってことだ , : 、いを読めるといわれてますわね : 「え、ええ : 「心を読まれるならプラフは通用しないし、駆け引きも出来たもんじゃない イクシード さいカ : イマニティ 【十六種族】位階序列十六位である、人類種には、特殊な能力も魔法もない つまり『超常的なカ』を駆使する他種族とゲームで争い勝とうとするなら 「せめてク敵の情報〃がなきや、ゲームにすらならない イマニティ なのにーーー人類種が持っている他種族の情報は、あまりに少ない 当然、知られては不利になるのだから、各種族が秘匿しているのだろう。 だがそれにしたって、少なすぎるのだ。 図書館の本に対し不満をこばすのは、その事実に対してである。 こちらは相手のゲーム内容がわからない、能力がわからない ワービースト
「それ以前にその上に住んでる、『天翼種』すら、人類種には勝ち目がないですし」 アヴァント・ヘイム : アレがそうなのか」 「天翼種ーーあ、ああ『天空都市』 通りすぎていく、ラピュタあらため。 ファンタズマ 幻想種『アヴァント・ヘイム』を見送って空。 驚きのあまり頭から抜け落ちていたが。 以前読んだ書物に書かれていた内容を思い出す。 イクシード 『天翼種』。 【十六種族】位階序列・六位 かっての大戦において、神に創られた、神を殺す為の尖兵。戦闘種族。 『十の盟約』以後、その戦闘能力は事実上、封じられたが。 永遠に等しい寿命、高い魔法適性を有し、文字通りの天空都市を唯一の領土とする。 カ その為国境線を賭けた『国盗りギャンプル』は行っていないが、強い知識欲から、世界 つまり本を集めるため、個人的にゲームを行っている個体が多い 中の種族から知識、 べ イマニティ 並賭けられるものが限られている人類種にとって。 空達が有する『異世界の知識』を餌に釣ることが出来る、数少ない相手でもあり。 章 この世界に来て空が真っ先に目をつけた種族でもある。 第 の、だが。 フリューゲル 「 : : : やつば天翼種を味方につけるのが得策なんだが、コンタクト取れねえんだよなあ」 フリューゲル フリューゲル えさ フリューゲル イマニティ
指を滑らせてスケジューラーにーーー入力する。 「善は急げだ、今から行けば夜には戻ってこれるだろ。ステフ、馬車を手配しろ」 「え、はい ? タスク そら そう言って、ケ 1 タイに入力した目標を再度確認する空。 もら 『人類種の知識を返して貰う』。 いや、たぶんこれもいけるか、追加しておこう」 そういって、空がさらに入力する。 「えー『天翼種を一人、手に入れる』っと : たったさっき。 ステフが『勝利不可能』と言った種族を。 位階序列六位ーーー神殺しの種族を。 あまりに気楽に。 ぼうぜん ク手に入れると口にしたク空の背中を呆然と眺めるステフをよそに。 空は、白と手をつないで歩き出した。 イマニティ フリューゲル しろ : こんなもんか
234 め 皮肉るような笑顔で、いのの眼を。 心を読めると自称する獣人種の眼をのぞき、言う。 心が読めると嘘をつくのは何故だ ? 」 「【問 3 】 : : 読めない、カら : : : 」 そら しろうなす 即座に答える白に頷き、空。 「そして嘘をつくのは、知られちゃ困ることがそこにあるってことだよな ? 」 「さあ見えてきたな ? 【問 4 】原理的には勝てるはすなのに勝てないゲームとは ? 」 楽しそうに空。 「ーーさあヒントでございます ! 」 なぞ 謎掛けを楽しむように、芝居がかった動作で言う。 フリューゲル 「天翼種、森精種、人類種。性質が全く違う種族に必勝で、防衛戦でしか使えす、記憶を 消さなきやマズい、心が読めない、技術に優れた種族の、必勝ゲームといえばツに」 ちらりと、テレビのほうを見て、白が応える。 「・ : ・ : チート、し放題の : ・『電子ゲーム』 イマニティ ワービースト テレビ
幻 7 第四章ーー王手 「この世界、ギクシャクしすぎじゃね ? あとハゲザルって俺らのことか ? 「永遠に等しい時間を争ってた所、突然戦いを禁じられれば。遺恨も残りますわ : : : 」 まして イクシード 「 : : : 血の気が多いことにかけては【十六種族】最上位の二種族ですもの」 2 つ目の質問にはー、ー・応えるまでもないとステフが首を振る。 「ふふふふ、武力が禁じられた途端気を大きくされて、子供は元気でございますね学」 おかた 「はつはつは、殺すしか能がなくご隠居された御方と違って、いやはやお恥すかしい」 そらしろ 空と白、兄妹は二人して同じことを思った この世界、武力が禁止されて当然だ、と。 ■・■ ピリピリと音すらたてそうな空気のエレベーターから抜けだし、到着した六十階。 ひろうこんばい おぼ ステフは既に疲労困憊という様子で、客間と思しき広間に通されると、迷わす座った。 「つ、疲れますわ : : : 」 それは全く同感だったが、空は周囲をただ見回していた。 0 おれ
イクシード 【十六種族】位階序列・十四位『獣人種』。 世界第三位の大国『東部連合』を最大の領土とする種族である。 きわ 情報が少なく、極めて優れた身体性能と五感。 心さえ読むという第六感と呼ばれる感覚を有するとしかわかっていないが 「 : : : ステフ、可及的速やかに回答を求む」 「は ? な、なんですの ? 」 ワービースト 「獣人種ってのはーー今のステフみたいに、獣耳としつほのある女の子がいるのか」 なぜ 「 : : : 何故女の子と限定するかは理解しかねますわね、でもーー」 いる : : : とい、つか、とステフ。 「獣人種の女性体は、ほば全員そうですわよ ? 」 : つまり何だ、『東部連合』って国は べ 並ゴクリと、つばをのみ、確認するように空が問う。 しつほ 一「人間のおにやのことほば変わらない容姿で、獣耳と尻尾、あと肉球とヒゲくらいまでは ある、そんなアルテイメッツにプリティなアニモーで女性人口が埋め尽くされた、楽園の 第 ような国が、この世界にはあると・ーーそう、言、つのか ? アルカディア それが『東部連合』という名のー・・・ー理想郷だと、言、つのか ? ワービースト 0 ワービースト
143 第二章 手 あのたった一発であの男は、必要な情報を、既に全て引き出していたのだ。 熱でも、圧力でも、毒物でも、自分を殺せないことを、最初からわかっていた。 この一連のやりとりは、意識をそらし。 『茶番』。 三十秒に賭けると、見せかけるための わな 全て、全てが、罠。 空の人差し指が意味するように 最初の一手で、ゲームは終わっていたのだ。 もはや直視すら叶わぬ、恒星の数倍の輝きを放っ惑星核から目を背け。 おも ジプリ 1 ルの胸に去来する想いは一つだった。 イマニティ すさ いえ、人類種ーーー本当に、凄まじい種族ですね」 「ーーー異世界人 : 序列が絶対的なものである、この世界で。 戦いが禁じられ、ゲ 1 ムで全てが決まる、この世界で。 イマニティ 序列で、十も己を下回るク人類種を相手に、よもやーー殺されるなど。 笑いが込み上げたジプリールの脳裏に、伝え聞いた『人類種の王』の演説がよぎる。 さいきょ・つ 「 : : : 何ももって生まれぬ故に、何者にもなれる、最弱の種族ーーですか」 果たしてその手は、本当に神にすら : : : ? かな
そら そして空達に倣って視線を上げて。 「あれは、『アヴァント そう言われ、よく見ると。 ただの岩盤に見えた島に、申し訳程度にヒレがついており。 こともない、ような気がする。 巨大なクジラ、のーーーよ、つに、見えない、 ふとわき起こった疑問が口をつく。 ファンタズマ ってク幻想種 ? 」 この世界さ、日照権とか領空権は侵害していいの 「ええ。【十六種族】位階序列ク二位気そのうちの一体ですわね」 【十六種族】。 神が定めた『十の盟約』が適応される、十六種の知的生物。 だが、上空を、いやラピュタ ( 仮 ) を指さして空が吠える。 「あれが知的生命体だとツにあんなんとどうゲームしろと。ーーっか、そもそも意思疎通 しゃべ 出来るのかよツに『ラピュタはある』ならまだしも『ラピュタは喋る』って抜かしてたら かわいそうめ おやじ パ〇ーすら親父さんを可哀相な眼で見て終わってたぞッ凵 「 : : : 後半はよくわかりませんけど、まあ、無理ですわよ」 きつばりと、ステフが一一一一口、つ。 ファンタズマ ・ヘイム』ーーー幻想種の一体ですわ ,
その視線は、さながらに。 遊園地へ行く当日、玄関で親の支度を待っ五分をすら急かす子供のように。 つぶや ふつーーーと、虚空から聞こえていた声の気配が消えたのを確認してテトが呟く。 』さん」 「あんまり待たせないでね『 コッコッとかかとで、座っているコマの縁を叩いて。 「そろそろ我慢の限界なんだよ 5 、あんまり待たせるとーーー遊びに行っちゃうよ ? 口元を不敵に歪めて、神が、そうこばし。 「あ、そ、つだ。続きーー」 と、物語の続きを思いついたのか、羽ペンを回してテトが言う。 イマニティ イクシード 「ある日その世界に【十六種族】序列最下位・人類種の国に、異世界から二人のゲーマ 1 イマニティ が招かれた。二人は窮地にあった人類種、最後の国ーーエルキアを他種族から防衛し、王 : っと ) 」 と女王となったーー全ては、この時はじまった : 紡ぐ紡ぐは、今は物語。 やがては吟遊詩人達に語り語られる壮大な叙事詩。 神が筆を執り描き詠うそれは未来の神々の、すなわち。 つづ 最も新しき神話を、綴るプロロ 1 グ ゆが
最弱の種族の手は一一 天翼種・獣人種に一一そして 神にさえーーー ? それは、この私に 脆弱な人類種が挑む と解釈して 宜しいのでフ おまえこそ , 翼おつむが弱い 頑丈で長生きなのが 力と思ってるなら 、、彼ら、、は来るよ 一僕のたもとまで 君らに、それを 止められない 担当さん ふと思ったんですが 魔法使う連中に イカサマゲームで 勝っとか無理しゃね ? : おい作者 作者も読めぬ展開にーー・一 - ー ~ 君はついてこれるカ仁ー ! ?