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検索対象: ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)
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1. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

261 第四章再試行 カ 笑いを噛み殺すような声で、寝たフリををやめた空と白が虚空を見つめていた。 「・ : : ・あ、あははあ、す、すみませえん : : : あのそのお : : : 」 ダンビール イマニティ 吸血種の隠密魔法を、ただの人類種がどうやって見破ったのか。 魔法を解除して姿を現したプラムは、申し訳なさそうな笑顔を浮かべて頭を下げ 「正体をばらしに来たのか ? 」 続いた空の一言にーー・プラムは笑顔のまま、固まった。 そんな様子に構わす、起き上がり座り直した空と白ーーー一一人の顔には。 いっせいちだい いたすら 一世一代の悪戯が成功した子供のような笑顔が浮かんでいた。 「お世辞は言わない主義だ。心から敬意を払うよ、見事な策略だ。まさか本当にーーー」 しよ、つさん 心からの称賛を贈る空が、だか 「最後の最後までたった一度も嘘をつかす俺らを誘導しきるとはな、プラムーーいや ダンピール 皮肉げに口を吊り上げ、吸血種の少女を ダンピール 一「吸血種最後の男性体ーープラムくん、と呼ばうか ? 」 少年を見据え、空が告げる。 : はあ、と。 ころ

2. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

254 え、そっちに着目すんの そら きようがく 驚愕に声をあげるのは空。だってそれって つまり不倫を繰り返すつつ 1 他人のものを欲しがる的な どーしょーもない女の典型ってことではないのか ? 「え、つまりこいっ惚れても惚れられると冷めるわけ ? なにその迷惑なビッチ」 すみませええん学 迷惑なビッチですうう、 5 「ああああん学はい、 みもだ 指さされ罵倒される女王が、身悶えして幸せそうに笑う。 ク私の全ての権利を与えるク しろ 誰もがもっと注目するべきだったその意味に、唯一気付いたらしい白が言う。 : にい、そのひと、の : : : 全権利、持ってる : : : 踏んで、あげるの」 え、あ、はあ : 「あはあああああッ学も、もっと強くしてくださああ 5 い学 ダンピール ここまで、ずっと閉ロするしかなかったプラム以下、吸血種一同。 ・ : 八百年眠られて、ボク達滅びかけたんですよねえ : : こんな理由でえ : ここまで詳細でないにせよ、説明を受けていたプラムは魂さえはき出す深いため息。 ダンピール だが、そう零して白目を剥くプラムと吸血種一同に、女王が意外そうに叫んだ。 : え、わたしホントに八百年も寝てたのツ だって、と続ける。 ライラ

3. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

264 「おまえら、つったんだぞ。だがおまえは自分には一切言及せず、男性じゃなきや駄目と だけ言って、誰の主観で幼いかもわからない男性を持ち出したーー」 そ ワービースト 獣人種の前で嘘をつくことは出来ない。故に主観を逸らすしかない つまりまだ生殖能力がないおまえを、な ? 」 しろ そう、ここでようやく気付いたのが、白だった。そこで 「白のケータイ見て『なら別ににいじゃなくてもいい』って言ったの覚えてるか ? 」 : で、でもそれがあ ? 」 そら とくしん まだそれだけでは得心がいかない様子の少年に、空は苦笑して答える。 「あれな、本当は、今言った全てが書かれてたんだよ」 「わざと書かれている内容と違うことを読みーーー嘘を巫女さんへの合図にしたわけ ダンピール そうプラムーーー吸血種最後の男性ー。ーはク徹底的に明言を回避した % 都合の悪い質問が来ると、『 < かか』という時に『ではない』とだけ答え続ける。 だがそれは『故に < である』とはならす、嘘をついているわけでもない いかワービースト 如何に獣人種とて、真実しか言っていない以上、巧みな言葉遊びは感知出来ない 「だがそうすると、なかなか面白いことになるな ? 」 まとめようか、と空が手を打ち、部屋を歩き心底楽しそうに語る。 ダンピール 「おまえが吸血種の解放を狙っていたのは本当。惚れ魔法で惚れさせられるのも本当。だ うそ

4. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

269 第四章再試行 ッ 「ーーま、待てーーそれは いのちご 恐怖に顔を白く染めて命乞いのような悲鳴をあげる空に。 だがプラムは血のような羽を広げ、妖しく輝く牙を剥き出し嗤う。 それじゃあマナーとして、と囁き。 「いただきまあすーー ) 」 そして、恐怖に染まった顔の空の首に牙を突き 立てようとして。止まる。 : : : ・ : ・ : え ? あんあれえ ? え、なんでですかあつに」 うんさんむしよう : せつかく高まったカリスマを雲散霧消、夜の王はーープラムに戻る。 : しば、 : ノ \ さい・ 「はあ ? いやいや、ここは多少オー ノーにやるべきとこだろ ? 」 先程までの恐怖の顔は、何処に置いてきたのか。 かんだん 一狼狽するプラムを前に二人は、ただヘラへラと歓談していた。 「何度でも繰り返すぞプラム。見事だ。そんな見事な策を組む奴がーー俺らが女王を起こ ダンピール すことに成功した場合の吸血種解放をどう企むかーーー計算してないわけないだろ ? 0

5. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

266 「いや 1 俺らにここまで出来ると見込んでくれたのは素直に光栄だと言っておくよ。正直 アヴァント・ヘイム攻略は、予定してた手が使えなくて、ぶつつけ本番だったんだが」 、まあーー」 ほおか だが狡猾な策士の少年が、苦笑する。 そう、頬を掻いて幸薄そうな 「じゃなきゃあ、あんなゲ 1 ムに : : : 協力するわけないじゃないですかあ , 当然でしょ ? という不敵な笑みで。 そら ダンピール さらりとそう言ってのけた吸血種最後の男性にーーー空は笑う。 策略の完成に必要なら、己の身すら投じる。 に、空は心から一一一一口、つしかない まったく、文句のつけようがない『ゲーマ 1 』 いや、動くしかなか 「まーでも、ここまで読んでも、おまえの策略通りに動かされた この『ゲーム』引き分けかな ? 」 ったわけだ。悔しいがまったく見事の一一言 「・ : : ・プラム、ぐっじよぶ : : : 」 しろ すがすが そう、あぐらをかいて、だが清々しい笑顔の空と白に。 この『ゲーム』はボクの一人勝ちですよお ? 」 「あはは、それは違いますう そう言って、幸薄そうな顔のまま、鋭いーー見下すような眼で。

6. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

『どうか女王さまを惚れさせてくださいー その為の策も用意しましたあ ! 』 そう、それは最初に空達の元を訪れたプラムの要求だった 「ずっと引っかかってたのはここ。おまえ、起こしてくださいとは言ってない。あくまで 惚れさせる策を用意したとしか言ってないんだよなあ : : : 」 そこで 「俺らは巫女さんとこで、ク二つクカマをかけてみた」 1 「 / ・ 8 『ク必勝の策クとやらはわかった。だがなんでおまえらが自分でやらない ? そして続いて、対比させるように、白が続ける。 ワ 3 0 ・つ 0 ・ クプラム乙 ダンピール 『吸血種最後の男性はまだ幼いんですよお』 『せめて生殖能力がある男性じゃないとお』 「まず一つ、俺らは必勝と再三強調したが、おまえは一度も必勝と言ってない」 行 「つまりーーーおまえ、惚れさせても勝てないと最初から知ってたんだよな ? 」 苦笑を浮かべるだけのプラムに、次に : : : と苦々しい顔で、 四 なぜ 第 「んで二つ : : : 俺は、何故々おまえらクがやらないかと質問した」 そしてそれこそが気に入らない部分だと、しかめつ面で空が告げる。 ため

7. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

282 セーレーン 「はて、海棲種が海から出られるはずないのですが」 「あのプラムってャローも来てやがる、です」 ダンピール 「ああ : : : 吸血種の魔法でございますか : : : しかし早く水に入れなければ死にますよ ? 「ステフッ ! 早く水槽を ! あ、中庭に池があったなあれでもいいのかツ」 「何でもいいですけど外でやってくれませんもしくは仕事してくれませんのつ凵」 騒がしい執務室を眺め、ジプリールが一人、静かに思う。 セーレーンダンピール イマニティフリューゲルワービースト そこには人類種、天翼種、獣人種、そしてーー海棲種と吸血種までいる。 争う様子なく。 アズリールもー、ーアヴァント・ヘイムも、変わろ、つとしている。 世界が、何もかもが、ゆっくりと、だが確実に いや以前ですら、変われなかったーー何かへと。 『十の盟約』以後ーーー・・ 己の主二人を中心に 「マスター達の聖典が、本当に神話になる日 : : : そう遠くないようでございますね そらしろ うなず ジプリールは静かにそう頷き、聖典にーーー空と白の観察日記に書き加えた。 Ⅷ年 = Ⅷ月Ⅸ劇日ーーーマスター童貞受胎するーーと。

8. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

円 2 「ぎゃああああごめんなさいごめんなさい殺さないでくたさああい アズリールが伏し目がちに掴んだ手の先から、絶叫が響き渡った。 そらしろ 掴んだはずの空と白ーーだが、手の中で叫ぶのはーーあの、なんだ、えっと。 : あれ ? 名前きいたつけかにや ? ダンピール 名も知れぬ吸血種の少女だった。 一瞬、遅れて理解する。 ク幻惑魔法み ダンビール 吸血種の幻惑魔法ーーー本気を出せば森精種も、天翼種も撹乱出来る種族の魔法。 あざむ オールドデウス 強力な魂をーー血をーー取り込んだ直後であれば、あるいは神霊種すら欺けるーーー ? だがそれでは空と白、二人の羽はーーー加速した空と白は、何処に そう高速で思考するアズリールーー・その横を。 恐ろしい速度で通り抜ける気配に、まるで時間が、止まった。 全てがスローモーションのように、アズリ 1 ルの目には映った。 プラムをーー・マフラーをーー・翼を失った人の身で。 人の身には過ぎた速度で。 振り返りざま撃ち出された空の拳が、アズリールの肩に突き刺さるー つか フリューゲルかくらん

9. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

273 第四章再試行 セーレーン 女王が目を覚まし滅亡は避けられたが、今まで通り海棲種と共生は続き、酷使される。 セーレーン ダンピール そして海棲種が空達に協力するなら共生関係にある吸血種原則方針に逆らえない。 ものの見事に、こっちの策を利用されて、取り込まれたわけだ。 それもーー誰もが確かに、損はしない形で。 「、つ、つ、つ . ・『完全勝利』しといて引き分けってえ、皮肉ですかあ ? 」 鮮やかに自分の策を逆手に取った空達を、ふて腐れた様子でプラムが睨む。 セーレーン 「言っておきますけどお海棲種にいつまでも飼われてるの、納得しませんからねえ ? 」 だから これだけは言わせて貰う、と。 ダンビール 「ーーーあまり、吸血種をナメないでくださいよお ? 」 見るもの全てを震え上がらせる夜の王の眼が、空と白を捉える そろ だがそんな視線をそよ風のように受け流し、二人は揃って親指を立てた。 「おう、ナメてかかって勝てるわけないだろ。またゲームしようぜ。待ってるぞ」 「 : : : 楽し、かったよ : : : プラム、くん」 ただ凄腕のゲーマーを称える笑顔で、応じる。 もう、考えるのをやめ再度床に突っ伏した。 一暖簾に腕押しな様子に、プラムは 「 : : : ところでえ、これで勝負は終わりですよねえ ? 頼みがあるんですけどお」 プラムが、極めて真剣な顔で空の目を見つめ、そして のれん すごうで

10. ノーゲーム・ノーライフ 5 (ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです)

272 その一言にーーー全てを察して、プラムは嘆息した。 まんしん : この期に及んで、まだ慢心があったんですねえボク : : : まさかそんな 「ーー・あははあ・・ : まさか本当に : : : 」 わけないと思ったのが間違いだったわけですよねえ : そう、普段の幸薄そうな顔に戻ったプラムが天井を仰いで零す。 「 : : : 本当に唯一神に挑もうとしてるなんて、思わないですよお : : : 」 そらしろ だがその言葉に、空も白も満足げに笑う。 ダンピール やつばり、こいつは。プラムは。吸血種最後の少年は。気付いている。 この世界の攻略法に。 世の中にはもっといるべきだ。今回は、あと一歩だったぞ」 「おまえみたいな奴が、 「・ : ・ : また、あそばう、ね : : : プ一フム、くん : : : 」 次は気をつけろと、アドバイスまでするような、毒気のない声で告げる二人に。 はあああ 5 : と長いため息をついて、プラムが床に突っ伏した。 フリューゲルワービースト ・ : 天翼種も獣人種も警戒して、 完璧だと思ったのに、 「あああん悔しいですよおっー お二人も最大限高く見積もって、アヴァント・ヘイムで嫌な予感はしたんですけどお : : : 」 よぎ の - つり一 一瞬脳裏を過った、この二人が危険過ぎるという悪寒は正しかった、と。 「 : : : はあ : : : 何処が『引き分け』ですかあ、これじや現状維持ですよお : そう、結局プラムの策によって、何が変わったか。