チェス - みる会図書館


検索対象: ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)
23件見つかりました。

1. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

そう言って、『幽霊』の対面につき、手を組んで問う。 「それで、ゲームーーーチップとい、つからには、カードゲ 1 ムかしら ? 」 たが はやざ 「いや『早指しチェス』だーー互いに不正がないとわかりやすかろう ? 」 言ってテープルの上にあったチェス盤に視線を落とし、森精種は一言う。 しいわ、では、はじめましよう」 「ああ、だがその前に : と『幽霊』が、小馬鹿にするような声で言う。 「コマを戻してくれるかね ? 先手は白であるこちらなので。申し訳ない。 ああ、ごめんなさい。チェスにはあまり詳しくなくて」 ゆが ないしん わず うそぶ そう嘯いてク見抜かれたことに内心舌打ちし、その表情が僅かに歪む。 オクタ・キャスト おそらくク全力ク 八重術式で偽装しただろうべテンが見破られた。 エルフ ニーナと呼ばれる森精種は考えるーーーやはり正体不明の相手を試すのは危険か ? 心そしてコマを戻し、同時にこうも考えるだろうーーー アーカ・シ・アンセ 「それじゃこちらのチップは : : : 『虚空第零加護』の理論提唱者が実は 章 という情報なら持っている」 「君ではない わらエルフ ブラフ 第 別の手段で試すーーそう内心嗤う森精種は、続いた言葉に 「というのが嘘だという情報、その嘘を私に信じさせる魔法を使うという情報も ばん エルフ みやぶ

2. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

フォ 1 クをシュヴィに向けて、リクは眼を細めた。 「生き延びる術、それだけだ」 れんちゅういったん 人間を破滅に追いやっている連中の一端。 ェクスマキナゅ - っ いただ 「機凱種が有する知識、 数学、設計技術ーー - ー俺が勝てば、それを頂くぞ」 もら その力を人間が使わせて貰う。生き残る為に。明日 いや『今』の為に。 「 : : : ん : : : わか、った : : : 」 頷き、だが どこか残念そ、つなシュヴィに、リクは続ける。 「んで、俺が負けたら ? どうせ何らかの要求があるんだろう、機械的に、打算的に。 ぎみ そう苦笑気味に尋ねるリクに、シュヴィは端的に答える。 『コミュニケーション』 のぞ 黒い リクの眼をまっすぐ覗き込んで続ける。 ・ : リクの知る、『心』の定義 : : : その情報 : : : 求め、る」 げんがい 「一言外の言葉を読むことでしか理解できない、そう言ったはずだが ? 」 「 : : : ん、だから、言外の、言葉 : ・ : ・シュヴィとの、意思疎通、努力 : ・・ : 要求 : ・・ : 」 : いいだろう」 と言って、リクは食事を横にずらし、チェス盤を前に座ってー・・ - 、始める。 チェス盤を睨み、何年ぶりだろうか、リクは本気で熟考する。 うなず ・『心』、知りたい : ため ばん

3. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

レーゼン 「【典開】ーー遊戯 001 『チェス』 かざ と、少女が翳した手のひら いや、手のひらの先の地面に。 り - んか′、 えが 虚空に光で輪郭線を描くようにチェスのシルエットが浮かび上がりーーー具現化する。 ェクスマキナ こいつが、と機凱種の武装展開法に目を剥くリクに、おもむろに少女は言う。 「【勝負】当機が勝てば、当機を集落に持ち帰り、生殖行為の実践を要求」 「ーーで、俺が勝ったら ? きよか 「【解答】当機を集落に持ち帰り、生殖行為の実践を許可」 「どっちも変わんねえよツに」 わず 無機質な表情の中、僅かに浮かんだ名案を誇る色に、リクは思わず声を荒らげた。 だが同時にリクは田 5 うーーーチャンスだ、と。 ししゃ。ゲームに乗ろう、ただし条件は変更だ」 「でもま、、、 最善とは言えないまでも最尤の手 つな 死と手を繋いで歩いてきた頭が、瞬時に複数の戦略を組み上げる。 最低限の手で最大限の情報を引き出し、たった一手でこの状況を利用し尽くす。 さあ、どこまでやれるか。腕の見せ所だぞーーーベテン師。 「俺が勝ったら、俺を見逃し『集落』へ来ないことを要求する」 そう言いながらもリクには分かっていた。このゲームで勝っことはク不可能クだと。 さいゅ・つ あら

4. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

130 ひそ 廃都の研究所最上階、小さな部屋に身を潜めたリクにシュヴィが問う。 どうくつはいきょ 「どうもこうもない。洞窟、廃墟、それもなきや穴掘ってやり過ごすだけだ」 あらし ため息をついて、リクは答えた。死の嵐はそれほど珍しくもない。経験上では数時間 長くとも一日で止む。狭い穴に埋まって一日を待った経験は、一度や二度ではない。 問題はーーーここが穴より安全かどうかだ。 「シュヴィこそ、どうだ ? 生命反応とか、探知出来るか ? 」 」れいカ 「 : : : 霊骸、が、阻害・ : : ・長距離観測器、ほば : : : 使え、ない : ていど 「ふむ : : : でもま、それならこっちも、ある程度は安全ってことだ」 つまるところーーー死の嵐のクおかげでクこっちも発見されにくいわけだ。 ノュヴィも広域索敵なしに高速移動するのは危険だ。 どのみち外には出られない、、、 たず ならば、とリクはシュヴィに訊ねた。 ばん 「なあシュヴィ、チェス盤持ってきてるだろ ? とが 荷物は最低限にーーーそう一言われていたシュヴィは、咎められたと思ったのか : ごめん、なさい : おそ 、バックパックから恐る恐るチェス盤を取り出した。 顔を隠すよ、つに謝りながら しぐさ その仕草ーーー機凱種が人間に怒られるのを怖がるのが妙におかしく、リクは苦笑する。 ひま 「別に咎めないって : : : 嵐が止むまで暇だからゲームしようぜ」 あやま せま

5. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

302 「ーーーゲームが終わってないから、だよ . コロンが立ち去って無人になった部屋に。 いつの間にか、つば付きの大きな帽子をかぶった少年が立っていた。 スーニアスター そばほしがたせいじゅうにめん 側に星形の正十二面体ーー『星杯』を漂わせた、いたすらげな笑みの少年は。 チェス盤に歩み寄りーーーそっと、黒いクイーンを動かして、零す。 そしてーーーコロンの勘違いを訂正する。 「チェックメイトじゃなくーーーチェック、だよ : ・・ : でもこれじゃ : ・・ : 」 えが みお そう、少年は盤面を見下ろし、ここから取り得る手を思い描き。 せんにちて どうコマを動かそうとーー千日手以外の展開がないことに、笑みを零した。 ーベチュアル・チェックに持ち込まれたね : : : はじめてだね、僕と引き分けたの」 最後まで、最後の最後まで、彼はーーー諦めなかったわけだ。 圧倒的劣勢でも、せめて食らいついてやろうと、ここでさえ なあ、またゲームしようぜ : : : 今度こそ、勝ってみせるから、さ : シュヴィと一一人で : : : ぜっ、たい : ただ、顔を覆って、壁にもたれかかるように、コロンは退室する。 おお あきら

6. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

てかげん 「 : : : むうう : : : おまえさあ、こっちは髪洗いながらなんだから手加減しろよ 左手でシュヴィの髪を洗いながらも、これでもかと熟考し唸るリクに。 つぶや おもむろに、シュヴィがほっりと呟く。 「ごめん、なさい : 「 : : : なにが」 じこけんお いや、わかっている。だが自己嫌悪は自分も同じ、ととほけるリクに 融「 : : : あの後、情報精査、した : はんせい 一そんな『心』の機微などわかるはすもないシヴィが、反省を語る。 章 「 : : : 加害者が、被害者に、『心』問う : : : 不合理。正当的情報、得られない : 第 加害者と被害者ーーー機械からそんな言葉が出たのをリクは意外に感じた。 ごと なぜ ごまか 同時に何故か『機械如き』と思った自分に妙な嫌悪感を覚え、誤魔化すように一一「ロう。 こんなこともあろ、つかと、と言わんばかりに。 というより最初からそのつもりだったのだろう。 シュヴィが脱いだロープの中に隠していたチェス盤を取り出してみせた。 「 : : : はあ、わかったよ。ただおまえの髪を洗いながらだから時間制限なしな」 ため息を一つ、リクは苦笑して白いポーンを掴んだ つか

7. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

246 ゲームは終わり、シュヴィが死んだ。 きじよ - っふ 『幽霊』の報せを受けたリクは気丈に振る舞い、部屋に戻るのが限界だった。 さ おこな ひとり 対面が空席のテープルで、シュヴィと何度も行ったチェスを一人で指す。 むかしむかしこども 遠い昔々、子供だった時にそうしていたように。決して勝てないゲームを さ コマを指しながら正面の空席を見る。 しょ・つき - ったが 正気を疑われようが、見えるものは仕方ない やはりそこには昔見たように。 え ふてき 不敵な笑みの少年ーーーシュヴィが信じると言ってくれた、ゲ 1 ムの神がいた。 「なあ : : : なんで、勝てねえんだろ、つな : ・・ : 」 決して答えることのない少年に、だがあえて問う。 ふたり 「今度こそ勝てると思った : : シュヴィと二人ーーー皆となら、勝てると思ったんだ」 たれ 【ルール二】誰も死なせてはならない。 いっさい 【ルール六】上記に違反する一切は、敗北とする。 「なんで、勝てないーーーのかなあ : そう、違反した時点でこのゲームは終わりーーまた、負けた。 ましてそれがシュヴィでは ま

8. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

97 第二章ーーー無謀 リクは考える。 ェクスマキナ 不可能だ 機凱種の演算能力に、最善手の読み合いで勝っ だがシュヴィの行動、心に対する不理解、行間読みの失敗。 それらはみ計算不能な要素が確実にあることを示していた。 チェス盤だけを見据えていたら、勝てない。 だが心理的要素、駆け引きはーー通用する可能性が高い。 「ーーチェック」 そう確信したリクの安易な罠に、シュヴィはあっさり引っかかりチェック。 「・ : ・ : チェック」 だがシュヴィは、即座にそれを織り込んで対応してくる。 しや、その種族的特性を事実として。 そう言わんばかりに。、 同じ手は二度通じない ならばど、つする ? 単純だ。同じ手を二度と使わず戦略を変え続ける。 ク無限 % 心理誘導、誘いや駆け引きまで織り込むのであれば戦略の数は ェクスマキナ ク無限クを計算出来るのならーー計算してみろよ、機凱種 どこ 疲れは何処へやら、猛然と思考が唸り上げるリクに、ふと リク、笑って、る・ : : ・」 ・。な わな お ッ

9. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

「 : : : 初めて会った時、なんで俺が童貞なの知ってんですかねえ、と ようす 完全に、文字通りフリーズした様子のシュヴィに、苦笑してリクは続ける。 「まー他にも、俺に『心の再確認』っつたり、この世界で人間が生き残ってる因子をク俺 の心クと決め打ちで言ったり、そもそも何故集落からあんなに離れた場所でク待ち構えて たのかとか、ゲーム番号二番みが何でチェスなのかとかー | ーまあ、うん」 意外と詰め甘いよな、と照れ笑いで一一一口うリクに、シュヴィはただただ目を丸くする。 言葉を失う。思考はエラーに染まり空転しかしない だが、疑問が漏れた。 「 : : : な、のに : : なんでだろな ? ははつ、わかんないなあ 本当に自分でもわからない様子で、笑いながらリクは続ける。 「ーーそれを全部織り込んだ上で、シュヴィに惚れたから、かなあ」 心「 : : : 過去、を、忘れる : : : ? 「いや。シュヴィが俺の故郷を結果的に滅ばした : : : それは確定してる過去だ」 章 その言葉に、シュヴィは無いはずの『痛み』に倒れ込みそうになるが 第 : ま】やつば俺、アホなんだよ。だってさ、同時に、こうも思うんだ」 じちょう 照れ隠しか、それとも本当に自嘲なのか。頭を掻いて、 ほろ

10. ノーゲーム・ノーライフ 6 (ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです)

147 第三章ーー無亡 「ーーー『大戦の終結』ーーーそれが我らが手にする一勝だ」 永遠の神々の大戦を、人の身で終わらせる。 いや、傍らのシュヴィさえ眼を丸くした。 そう言い切ったリクに一七七人が 「ま、勝利条件は 5 : : : 控えめに言っても、気が遠のくほどシビアだが : いたずら だがリクはそれを、悪戯に成功した子供の笑顔で受け止めーー思い出す。 子供の頃、世界はもっと単純だと思っていた。 勝てない勝負はなく、努力は報われるもので、全ては可能だと。 おろ 何も知らない、無知で愚かな子供が思った、それは。 まなこ 曇り無き眼で世界を見て思った、それは 「この世界は : : : やはり単純な『ゲーム』だった」 やはり 間違っていなかった。 バーリ・トウード・ルール 唯一神の座 「神々は好き勝手に『星杯』を求め何でもありのゲームに興じてるだけだ」 リクは思うーー・話は単純だろう ? 「だったらーーーこっちも、やりたいようにルールを創るだけだ」 もてあそ そう、リクはチェスのコマを手で弄びーーーシュヴィを見る。 0 かみがみ ころ こども め