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検索対象: ロウきゅーぶ! 11
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1. ロウきゅーぶ! 11

226 「ほえ ? どしたのすばるん ? 」 きよ、つまほ 「いや。今さらなんだけど : 今日、真帆のお母さんってどこにい ' 」 ? オのてきればご挨 したかったんだけど」 「え 5 、ほんと今さらだな 5 。おかーさんなら、ずっといっしょにいたじゃ 5 ん」 ひじおれ っしょにいこって あきれ加減の横目と共に、つんつんと肘て俺のわき腹を突く真帆。え、 かしいけ めんしき そんなはずは。だって、香椎家のご両親とひなたちゃんのお母さんを除いたら、今まて面識が なかった人なんてあの場には ひとり らっしやらなかったわけだが ・一人しか、い ふうが 「もしかして、あの風雅さんに給仕されてた方が : 「そだよ、あたしのおかーさん。ぶくく 、すばるん気付いてなかったの ? 」 たたず いやいや気付くって一一一一口うか、考えもしないぞ。あの上品ぞ理知的な佇まいの方がまさか : えんどお ごへい って、その言い方だと真帆が上品て理知的な佇まいと縁遠いみたいて語弊があるな。 そうてはなくて、もっと根本的な問題として、あの女性 : 「な、なんてメイド服姿だったの」 「おとーさんのシュミだよ ? 」 さよう ・ : 左様て、ございましたか」 ああ、なるほど。遅ればせながらに、俺は今ようやく理解してしまった。 かあ あ

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33 scene. 1 「よーし、まかせろすばるん ! まほまほ特製のステキングなプレゼントて、メロメロにさせ ちゃうぜっ ! 」 たの さらに、前方のコアラ状態を継続している真帆が愉しそうに俺という幹をよじ登り、顔にぎ ゆっとしがみついた。そう言ってもらえるのはとても嬉しいのたか : 、苦しい。汗て湿気 きいろ はで たいそうぎ ふさ を含んだ体操着に鼻と口を塞がれ、脳内にまほ色の黄色信号が派手に点滅し始める 「ちょ、ちょっと真帆、それじや長谷川さんが息てきないてしょ ! 早く離れなさい ! 」 「えーすばるーん、あたしがくつついたら、イヤ ? やめてほしい ? 「そ、そんなことはないけど : 「だよね ! ほら、すばるんもいいって ! 」 「気を遣って下さってるのよ ! いいから離れなさい ! 」 「ちょ、こらー そんなスハツツ引っ張ったらおしり出ちゃうだろー しかしてサキ、ほんとはじぶんもやりた、 ( んじゃないの ? 」 「なつなにを言ってるの ! そんなわけないじゃない ! 」 : ねー、アイリーン ! アイリーンもすばるんにびたって 「荒てるところかあやしいなー してみなよ ! 左側空いてるよ ? 「えつて : ても、これ以上増えたらやつばりご迷惑じゃ : いや、迷惑なんてことは、ないんだけど」 : ぶぶ、てゆーかも

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8 真帆たちのカ作の完成を、楽しみに見守らせてもらおう。 いよいよあたしたちのスペシャルプレゼント、 『愛のマヒうどん』を作りたい 「そいてはー と思います ! 」 ぶっそう なんだか物騒な名前だった。たぶん、『愛』莉、『真』幗、『ひ』なたちゃんの頭文字なんだ ろ - フけじ J 。 ネーミングを聞いて紗季もちょっと苦笑を浮かべていたが、ここは空気を読んてツッコミを 我慢し、真帆の司会進行に全てを委ねることにする。 : まずは、なんだっけ ? 「まずはー きじ 「え、ええと。打ち粉をして、生地をのばすところから、かな」 「おーたしか、そうごったはず」 ふだん かくにん やや行程に自信がないらしく、小さな輪を作り確認し合う三人。そういえば、普段は料理ぞ も頼れるリーダーの紗季が今回は別チームなんだよな。愛莉もよくお菓子とかは作るそうだけ ど、うどんとなるとだいぶ専門外だろうし、イレギュラーな形のチームワークか求められてい がんぶく ほほえ しこ、つさく′」 ても、試行錯誤する三人の様子もまた微笑ましくて、さらなる眼福を味わう。バスケの試合 ともか 中ても、もしかしたらこんな、智花も紗季もリーダーシップをとることが出来ないような局面 け . いけ・ん なんてのは、さすがに が訪れるかもしれないし、ついぞに良い経験の場になってくれれば すべ ゆだ わ あい ま

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% なのだが、結果として今回の対決は、互いがどちらかに寄りすぎていたのかもしれない。 さておき、体力に陰りが見え始めてきた速攻系特化の五年生チームにとって、ここからの逆 きやっかんてき むずか 転は客観的に見て難しそうだ。 なんて、な。そうそう簡単に予断が許される相手なら、苦労はしないんだけど。 「まだ、まだデス : ここに至ってつ いに、そして、またしても。相手側の超小学生がエンジンをフルスロットル て回し始めた。 しゅうばん ゆだ 以前の勝負のリピート映像を見ているかのような展開。終盤、エ 1 スに局面を委ねるとい よていちょうわ あいたい う予定調和は当然相対する側にとっても予想がしやすく、裏をかいたり 、意外性て盲点を突 くといった効果は全くもって期待てきない。 それぞもなお全てを託さずにはいられなくなるほどの信頼と技術を備えた選手に与えられる 称号こそか、まさしく『エース』という概念そのものなのだ。 まと ほしくずごとひかかがや 矢のようなドリブルて突っ込んてくるミミちゃん。纏った汗は星屑の如く光り輝いていて、 美しさとは裏腹に触れてしまったらたちまちその熱て大やけどしそうだ。 ともか 「さあ、頼んだぞ。 ・ : 智花 ! 」 しかくしりぞ みなと この最後の刺客を退けられるのは、同じく我らが『エース』、湊智花しかいない 「何たかひさしぶりだね、こうしてミミちゃんと向き合うの : かんたん ねっ

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150 「うん、そうなの。見ての通り期待の新人。よーしアヤ、自己紹介してみよー」 「あっ。は、はいっ . そう言い切れたのは自分の相〃小学生〃眼に自信があるからてはなく、この『アヤ』と呼ば せんれつ れた子が、とある鮮烈な個性の持ち主てあったためだ。 まなかせんばい 期待の新人。それはきっと建前などてはなく、麻奈佳先輩の本心から迷わず出てきた言葉だ 0 ろう みやこおおじあや けいしんがくえん 「都大路綾、と申します。は、はじめまして。慧心学園のみなさん : : : 」 たいそう きゅうげ・き 「アヤはもともとは体操部にいた子なんだけど、見ての通り高学年になってから急激に背が 伸び始めてね 5 。これはもしかしたら、体操より球技の方が向いてるんじゃって話になって、 しれつ ハレー部との熾烈なスカウト合戦の果てにありがたくもウチて迎え入れることになったのてす よ。ねっ ? 」 「え、えっと、あの : : : すみません。誘って頂いたの ( こ、バスケ、ぜんぜん下手て、練習にも ついて行けてなくて : : : 」 ほほえ めそ 微笑む先輩からびくりと眼を逸らし、肩をすばめる綾さん。 「んなことないってー。これからこれから」 そう。特徴とはずばり、背の高さ。なんと五年生にして、央活に鼓舞の言葉を口にしている 麻奈佳先輩より数大きい。俺よりは幾らか低いようだが、だ ごとしてもこのサイスにはごいぶ がん へた

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雅美さんだったが、実のところあのフリー気味の状況は半ば演出により創り出されたものだっ 十 / ↓ / さき とはいっても、もちろんただ悠然と自由にさせていたわけてはない。紗季がマークを外した じよばん のは、雅美さんが一定以上ーーー序盤にシュートを打ってきた位置よりも遠くに陣取っている間 ちよくせんきより のみ。つまり、雅美さんがフリーになれるポジションⅡゴールとの直線距離が本来の射程圏 よりも遠目のゾーン、という図式てある。 きちょうめん ふだん 雅美さんは見聞きしたところによるとかなり几帳面な陸格らしいのて、普段はいくつか同 じポジションを決め、ルーチンワークの繰り返してシュート練習を行うことが多かったのては ないだろうか。それは正しい距離感を身につけるためには非常に有効なのだが、反面実戦にお ける応用力はあまり身につかない。 くら えさ そのため、紗季が用意した『ばっと見、どフリー』 という餌に目が眩んてしまい、平常時よ ちょうし りも遠目から打っているという実感を得られないまま、いつもの調子てボールを放ってしま った。さすれば必然として、着弾点は微妙にブレる。 かんべき 断一言するが、これは雅美さんのミスを責めるべきてはなく、微妙なさじ加減をいきなり完璧 ぜっさん に実行して見せてくれた紗季の方を絶賛すべきだ。さすが六年女バスのマザーコンビュータ。 ちみつ 緻密な状況判断能力なら五人の中て突出している。 8 あとは、もしミニバスにスリーポイントシュートのルールかあれば、雅美さんは普段からラ まさみ

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じぎど、っちょう 並んだまま、元気の良い声てお辞儀を同調させてくれた。うーん、懐かしいな。いっしょに汗 きのう を流したり、肉をむさばりあったり ーベキューて ) したのがつい昨日の出来事のようだ。 小学生の女 ところて今ふと自覚したが、俺って人の顔を覚えるのは苦手だったはずなのに、 きおく の子に関しては例外的にしつかり記憶を保持てきているな。なんてだろう、とても不思議だ。 「おー。おひさしぶりてす」 きゃーきゃー、相変わらずかわいいてすねっ 「わあ、ひなたちゃんだー こうふん ひなたちゃんがいちはやく返事するや、たちまち遊園地のマスコットのように祭られ興奮の だれ 輪に取り込まれる。やはり天使は誰の目から見ても天使。もはやぐうの音も出ないほどの天使 久、 A フし」い A フ、」し J 、刀 なお、当然五年生の子たちよりひなたちゃんの方が実際は年上なのだが。まあ細かいことは 置いておこ - フ。 「・・・・ : あれ。そちらの子は、新入部員てしようか ? ようす 硯谷のチームジャージに身を包んだ少女たちにひなたちゃんがもみくちゃにされる様子をし ばし苦笑混じりて見つめていた俺だったが、遅れてふと、ひとりの子が輪に入りあぐねたのか 所在なげに立ち尽くしていることに気付き、麻奈佳先輩に尋ねてみる。俺たちと同じくちょう ど五人構成らしい硯谷チームのうち、四人まては顔に見覚えがあるのだが、この飾り気のない きれい 綺麗なセミロングへアの持ち主てある少女とは間違いなく初対面だ なっ

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れているてはないか。みなさん笑顔て、あわせて用意されたカッパを着込んだりして、汚れ対 策まて万全のご様子。 ほごしゃ 保護者まてノリノリとなれば、もはや止める者などいない あいり 「あ、愛莉が : : : 水着て人前 とりで あら 強いて言えば、あられもない姿の妹を見て動揺を露わにしている万里辺りが最後の砦か : と思いきや、こいつもちゃっかり瓶は握りこんてやがった。 結局、みんな一度くらいはやってみたいんだよな、ビールかけ。 とうだん ともか なお、真幗とひなたちゃん以外の子どもたち : : : 特に愛莉と智花は水着ての登壇に照れてず きようみ っともじもじしている。それても異を唱えていないのは、うん。同じく興味があるのだろう。 よきよう この、普通に生きているだけてはまず間違いなくたどり着けない余興 ( おれ ( いや、もう。倫理的に問題がないのなら、俺もまた自らの欲望に従ってやる ゅうしよう 「そいては、あらためまして ! あたしたち優勝記念のビールかけ大会、スタートー おとな 真帆が声の限りに叫ぶと同時、白い泡が吹き荒れる。大人も子どもも関係無しに、誰彼構わ らんちきさわ ール ( 風の液体 ) をかけ合う、乱痴気騒ぎ。 ず無邪気にビ いくよお兄ちゃん」 「えへへ、 「んぶわ、わはは、やったな愛莉 ! こ、つげき ー。かげに、あわあわ攻撃」 ようす えがお 0 0 だれかれかま

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『優勝、ばんざーいっ ! 』 はじ 歓喜を弾けさせた五人が身を寄せ合って輪を作り、この日まての成果をたたえ合う。 しゅんかん やつばり、努力が確かな形になる瞬間って、本当に良いものだよな。自分もまたチームの あふ 一員として、最高の結果に喜びがとめどなく溢れてくる。 「すばる 5 ん ! 勝ったよ ! あたしたち、優勝したよー ! 」 しどう 「ふふ、なんとか今まてのご指導の成果を実践て出すことがてきました ! 」 はせがわ 「えへへ。長谷川さんのおかげて、わたし、少しずつ強くなれた気がします : : : 」 おにーちゃん、ありかとうございます。ひな、もっともっとみんなといっしょにが んばる」 ねが 「どうか、これからも私たちのことをよろしくお願いしますっ ! 」 えがお 小さな英雄たちをフルスロットルの笑顔て迎えてやると、真帆、紗季、愛莉、ひなたちゃん、 智花の順て、五人は栄光の時間を俺にも共有させてくれる 「三戦とも、本当に良い試合だったよ。お疲れさま。そして、こんな幸せを味わわせてもらえ だいかんしゃ て、むしろ俺の方から大感謝だ。こちらこそ、どうかこれからもよろしくお願いします」 おも 深々とお辞儀し、みんなに率直な想いを伝える。この先、五人しかいないというチーム事情 ぜんしんぜんれい 。だとしても残された時間を、俺は全身全霊を は、深刻な不自由さをもたらしてしまうだろう 賭し、共に歩んていきたいと決意を新たにした。 おれ

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112 「そういえばひな。げつたんたち、ここまてどうやって来ることにしたって ? 」 「おー。ばばとままか、くるまに乗せてくれる」 「お、ほんじやヒナのおとーさんたちも来るんだ ! 」 と、つ きよう かあ 「えへへ、今日はわたしのお父さんとお母さんも見に来てくれるって」 次々と笑みが花咲く。ひなたちゃんと愛莉のご両親とはまだ会った 紗季の質問を皮切りに、 あいさっ おれき ことがないから、俺も機を見て挨拶に行かないとな。 かんきやくせきにぎ 「ふふ、今日の観客席は賑やかそうね。ウチの両親も、お店をランチ休業にしてまて来てく すふじ ても、やつば れるって。寿し藤もお休みみたいだから商店街のお客さんには申し訳ないけど、 うれ り嬉しいわ」 ともか かつやく 「みんな、活躍を見てもらえそうぞよかったな。智花のご両親も来て下さるんだよね ? 「はいつ。お母さん張り切っちゃって、たくさんお弁当作ってくれてるみたいてす : : : 」 うれ にじ まゆじりわず 眉尻を僅かに下げてほんのり困り顔になりながらも、それ以上に嬉しさを滲ませる智花。ち なみにお弁当と言えばなぜかウチの母さんも大はりきりて、あとて会場にも来るつもりらしい 俺が出場するわけてはないのだが、まあ楽しそうだったからい ( カ 「ーーーふつふつふ、やっと現れたな ! 」 「ボクたちに怖れをなして逃げ出さなかったことは褒めてやる ! 」 あいり