感謝 - みる会図書館


検索対象: ロウきゅーぶ! 11
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1. ロウきゅーぶ! 11

かんしゃ 「ご厚意感謝します、七夕さま : てすが本日は、真帆さまたち水入らずてのお祝いにお任せし たく存じますのて、またの機会にぜひ」 かあ 母さんの誘いもやんわりと断り、そのまま我が家を後にする久井奈さん。たぶん、真帆たち てつだ かつやくきかい に花を持たせるため、手伝いすぎて活躍の機会を奪わないようにしようという配慮だろう。 つも真帆への愛情て溢れている久井奈さんらしい優しさだなと思った。 「それにしても、これはまたけっこうな大荷物ね。ねえ真帆、いったい何を作るつもり ? 」 さき ひび 久井奈さんを見送った後、改めて紗季が感嘆の声を響かせる。届けられた物資は底の深い寸 どうなべ ふろしき 胴鍋や風呂敷に包まれた巨大な板のような物など、なかなか家庭ては目にする機会がなさそう おれ ひそ おどろ なアイテムばかりぞ、俺もまた密かに驚きを禁じ得なかった。 「ぬふふー。聞いて驚くのだ このたびあたしとアイリーンとヒナてリーチを続けた結果 ! 」 : リーチ ? もしかして、リサーチって言いたかったの ? 「あーもーサキはいちいちうるさいなー 。リサーチを続けた結果 ! すばるんの大好物をつい につきとめてみせたのてす ! 」 「おー。みせたのてす」 ばばーん、という効果音が聞こえてきそうなほど、堂々と胸を反り返らせる真帆とひなたち ゃん。なんと、俺のためにそこまて気を遣ってくれたのか : いかん、感動て涙が出てきそ あふ なゅ やさ よいりよ ずん

2. ロウきゅーぶ! 11

んてすけれど、やつばりちょっとだけ、い配だったのて」 おれ ともか 「そうだったんだ。あはは、智花にはもう俺のことは全部筒抜けなのかもね、家族と変わらな ′、、らいに」 「ふえつ、そ、そんな : さきかんしゃ それからチャコールグレーの手袋を実際にはめてみせつつ、紗季に感謝の意。本当にサイズ ふたり 感がばっちりて、アドバイザーになってくれたらしい智花にも再度感謝を伝える。一一人が協力 して最高のプレゼントを仕上げてくれたという点は、真帆たちと同じなんだな。 すてき つくづく、なんて素敵な教え子たちに囲まれているのだろうと感慨がよぎる 「うーん、くやしーけどやつばりエースはもっかんだなー。すばるんの好きなモノを教えてく れたのももっかんだし、手袋のサイズを教えてくれたのももっかん」 「おー。ともかが、おにーちゃんエース ? 」 はせがわ 「えへへ、やつばり長谷川さんについてなら、智花ちゃんがいちばんだもんねつ」 すばる : は , フ - フ」 「も、もうつ ! 真帆たちまて昴さんに失礼なこと : ちぢ 称えられて、恥ずかしそうに縮こまってしまった智花。ても実際、俺にとっての智花は既に ートナーという枠を超えた、人生そのものを支えてくれるようなかけがえのない存在なのか だま もしれない。口にしたらますます困らせてしまいそうたから黙っているけど、自分自身もまた、 きより 智花とは特別な距離の近さを感じずにはいられなかった。 ノ たた

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242 せいかん た、かわいらしくも精Ⅳな、バスケットボールのユニフォームだつご。 気に入ってもらえそ - フかな ? 」 あっけ しせんくぎづ 呆気にとられ、視線を釘付けにさせている子どもたちのもとへ、風雅さんが軽やかに歩み寄 ようす る。皆はしばし顔を見合わせ伝えるべき言葉を探している様子だったが、表情を見ればどれほ どの感動に包まれているかなんて、あまりにも明白だった。 「いいのつ これ、もらっていいのあたしたちの、ユニフォームにして良いのつ卩」 「もちろんだとも。よかったら、みんな手に取ってみておくれ。裏に控え室もあるから、面倒 てなければ試着もてきるよ」 かわい 「すごい 可愛くて、ても、格好よくて。みんなお揃いの、ユニフォーム。なんだか、夢 みたい・ 「あっ、もう背番号と名前も入れて下さってるんてすね : これを見ると、すごく実感が うれ 一男′ \ し J し - フカ・ ・ : 嬉しいてす」 「なんだか、わくわくしちゃうね : ハスケの選手に、ちゃんとわたしもなれたのかなって すてき 「おー。ひな、とっても大事にする。ふーが、いつも素敵なお洋服、ありがとう」 た かんしゃ 溜めに溜めた喜びを爆発させるように、声のトーンを高めて風雅さんへの感謝を告げる五人。 おく 大会出場を果たし、よりいっそうチームとしての一体感が高まったところてこの贈り物は、ど わ ばくはっ そ ふうが めんどう

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213 scene. 4 が こうやってバスケ部全員が家族ぐるみて交流の場を持てたことも、なんだか良かったなと思う。 くいな かも ゅう 久井奈さんとは別の、とても上品ぞ落ち着いた雰囲気を釀しているメイドさんの給仕て、優 ふうが かんしゃ 雅にティーカップを傾けている風雅さんに対し、改めて深い感謝の念が膨らむばかりだ やさ すばる 「いつもひなちゃんに優しくしてくれて、ありかとうございますー。やっと昴おにーちゃんに きよう お礼が言えたし、今日は来られて良かったわ 5 」 あいさっ 「そんな、こちらこそご挨拶てきて光栄てす : : : ! 」 にこにこと俺にジュースを注いて下さったのは、ひなたちゃんのお母さん。今日が初対面だ ったのだか、なんというか、まさしく『ひなたちゃんのお母さん』という感じの女陸だった。 えがお おも ひなたちゃんよりもウェープが強めなところを除けば髪型も似ているし、柔らかな笑顔にも面 かげ 影があって、遠い未来にひなたちゃんが成人したころにはますますうり二つとなっているのて はないだろうか きよ、つが・く かんじようくく ' 」だ、ひとつの驚愕は。『成人したころ』というのはどんぶり勘定の括りてはなく、完全に 言葉通りの意味なのてある : 信じがたいことにひなたちゃんのお母さん、お世辞など入る ちしき 余地なく本気て大学生くらいにしか見えない。予備知識を持たない状態て三児の母てす』と じようだん うあ 告げられたら、百人が百人『ご冗談を』と返すこと請け合いオ おどろ め 生命の神秘に驚きを隠せないが、いつぼうてかげつちゃんの面影は眼の色形くらいにしか感 とう じないから、かげつちゃんはお父さん似なのかもな。そのお父さんだが、今日は五年生の方を っ 0 かあ

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「じゃあ、また一触即発の状態てすか ? 」 「んー。それが最近、未有の方がわりと人間出来てきてね。なんとか我慢してくれて、部活崩 けいしん 壊みたいなところまてには到達してない。 この辺に関しては、慧心のみんなが来てくれたのが おとな かんしゃ きっかけて未有もちょっと大人になったのかなって思う 。だからほんと、慧、いには感謝してる トま。 ~ のり・・がし」 - フ」 「 : : : みんなにちゃんと伝えておきます」 えいきよう そっか、あの出会いて未有ちゃんにも良い影響があったのなら、ますます行くことがてきて よかったなと思う。 すばる 「子どもたちもだけど、昴くんにも感謝してるよ。てまー、ぎりぎりのところてチームにはな ってるんだけど、いつ、ハランスが崩れちゃうかわかったもんじゃなくてねー。お姉ちゃんが言 ことしすずりだに ってたんだけど、今年の硯谷ミニバスは間違いなく『過去最強』か『過去最悪』のどっちか になるだろうって」 「あはは : : : 布いのは、内仰のⅢ題オ。 ー」日」・ごナとい - フ咸〔じ。てしょ - フカ 「ん。性格には問題ありまくりだけど、私から見てもすごいよ、あの子。ちょっとモノが違 みちび あのままだと、 : たからこそ、ちゃんと選手として良い方向に導いてあげたいんだけど。 きっとどこかてチームの輪に戻れなくなっちゃう」 2 呆れ笑いから一転、真剣な顔になる先輩。とても仲間想いて責任感のある方だから、語り口 あき わ

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「うう。あ、あんまりこっち見ないて すてき 「そうは言ってもこんなに素敵なプレゼントもらっちゃったら嬉しくてなー」 : だあっ ! もうやめなさいってば ! 」 その挙げ句、葵は我慢の限界とばかりに立ち上がり、顔を真っ赤にしながら俺に向けて人差 し指を突き出した。 にそれ、あんたのことを 「ちょ、ちょっと昴ー 勘違いしないてよね ! べ、別 : そう、義理よー お祝いしたくてプレゼントしたわけじゃないんだからっ ! あげたのは : きかい ひごろ ちょ - フど それだけなんだから ! 」 い機会だから、日頃の義理を返しただけー 激しくたた み掛けられ、俺は少したじろいてしまう。 「も、もう良いってば。褒めすぎ」 かんしゃ ちょっとうんざりさせてしまってるかもしれないが、感謝の気持ちが抑えきれないのだから 仕方あるまい。ついつい緩んてしまう頬をそのままに、俺は葵に笑みを向け続ける。 ゆる ほお

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121 scene. 3 あかし 自信たつぶりな言葉は、それを裏付けるだけの努力と成長を、自分の目て見届けてきた証な のだろ , フ ならばその信念を汚さぬためにも、 100 % のフル。ハワーて迎撃するのがコーチとしての俺 の務め。 「なら、 ーさ。んじゃな」 「ああ、また後て。コートて」 こぶし こつんと拳をぶつけ合い、今度こそ俺も竹中の傍を離れる。 かんしゃあふ 胸の内には静かな高揚と、この日を迎えられた数々の出会いへの感謝が溢れていた。 「にやははは、青春よのー」 ・いけね、そういえばこいつも居たんたった。 かっこつけ気味なシーンをミホ姉に目撃されてしまったことに遅れて気付き、ちょっと後悔。 いさか それにしても教師のくせに、子どもたちの諍いを見てもいっさい収める気無しなんだな。ま あ深刻な類てはないという判断なんだろうけど、それ以上に面白いから放っておこうとか思っ てそうなのがやっかい極まりない いや、それはちょっと身勝手な言い分か だって、どんな結末に転がるとしても、この対決を楽しみにしているのは俺自身も同じなの 4 に力、ら 0 0 たぐい ねえ おもしろ

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お好み焼きても試してみたいくらいだわ」 ゃんばるのおすすめ ! 」 「えっとね、昆布と、あとトビウォたつぶりー すごく良いお味だねつ」 「トビウォ ? トビウオの出汁って、私は初めてかも : きゅうしゅう 「えへへ、アゴだしって言って、九州てよく使われるんだって」 あら ともか 紗季がその出来映えに感嘆を露わにし、智花も上品な風味の秘密に驚いている。 のうこう 「本当に、やわらかて濃厚なお味。うふふ、すばるくんは幸せ者ね」 えんりよ 母さんは足りなくなったら悪いからと最初は遠慮していたが、是非食べて欲しいと逆に頼み 込まれ、晴れて感動を共有てきている。 「本当に、本当に幸せだよ。こんなに美味しくて手のかかったプレゼントをもらえるなんて。 あいり ありがとうひなたちゃん、愛莉、真帆 「おー。どういたしまして」 「えへへ、気に入って頂けて、ほっとしました」 「あたし、もううどんの作り方はカンベキマスターしたから、また食べたくなったらいっても 三人にしつかりお礼を伝え、温かな気持ちを共有する俺たちだったのだが、どうしたのか真 りようほお 帆がいきなり大きな声と共に立ち上がり、両頬を押さえて目を見開く。 「と、ど一フかしたの ? 」 かあ こんぶ

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すると、ものの数分後。 「真帆さま、準備万端てございます」 せいぜん くいなひじり 三沢家のメイドさん、久井奈聖さんがやって来て、涼しい顔て運んてきた大荷物を整然と並 。へこりと俺たちにお辞儀をなさった。 「うむうむ、大義てあった」 ありがとうございます、やんばる」 「運んて下さって、本当に助かりましたー くちょう かんしゃ 真帆に続けて、ひなたちゃんと愛莉も協力してもらったことを改めて感謝するような口調。 ここに来る前、真帆の家て事前にいろいろ下準備をしてくれていたのかもしれないな。 : それよりも、この後は本当に助手を務めさせて頂か 「いえ、おやすい御用てございます。 なくてよろしいのてしようか ? 」 たんじようび きよう 「おうともさ ! 今日はあたしたちからすばるん ~ の誕生日プレゼントだから、やんばるの お手伝いはナシてやりとげねばならぬのだ たび 「かしこまりました。それてはすばるんさま、私はこれにて失礼させて頂きます。この度はお 誕生日、まことにおめてとうございます 「あっ、ありかとうございますー 「あら久井奈さん、せつかくてすしもう少しゆっくりしていきませんか ? みさわけ

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) 9 scene. 1 「ナイコトハ、ナイデスガ。イマサラ、イキタイナンテ」 「 : : : そうだよな。ごめん、余計なこと訊いちゃって」 だそく いちる これて誕生日の話題は終わりと言われた後てはいかにも蛇足だったけど、それてもつい一縷 すてき の希望に賭けてしまった。とはいえもちろん、 ーティに来てもらえなくたって、素敵なプレ ノ セントを頂けたことだけて、葵には言い表せないほどの感謝が膨らむばかりだ。 「おまたせえ葵ちん、せんせえ」 かぜ 「シャワー空いたぞ 5 ! 風邪引く前 ( , リこ行ってきておくれやすー」 そうしているうちに先陣が戻ってきたのて、俺と葵も入れ替わりて汗を流しに向かう。 : あは、あははは、は」 「ど、ど一フかしたか ? 」 ようす その間、どうも葵の様子が妙だったの。て心配になったが、何を訊いても要領を得ない声が返 ってくるばかりて原因究明には至れず。 「 : : : はあ」 ためいき 「あ、葵 ? あんま溜息つくと幸せが逃げるぞ」 「あはは、幸せが逃げたから溜息がてるんじゃない ? むしろ、ね」 「なるほど、それは一理ある説かも。 : ん、てことは逃げたのか ? 葵から、幸せが」 いつばんろん 「んーん。一般論よ、ただの一般論 : : : 」