女子 - みる会図書館


検索対象: 中二病でも恋がしたい!
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1. 中二病でも恋がしたい!

と、熱弁していた。 「うむ」 考えるように一度、唸る。 っしきまこと 一色誠。名は体を表すと言うのか、誠心誠意、何事にも真面目にぶつかっていくようなやっ である。面白いやつだ。 見た目も誠実さを具現化したような男で、別に運動部所属というわけでもないのに五厘刈り で、現代においてかなり希少種になった制服を真面目に着用する、シャッⅲ君である。その真 摯な性格故になのかはわからないが、クラスでは風紀委員というポジションを獲得している。 ゼりふ 風紀チェックの際にいつも言ってる決め台詞は「四の五の言うな。風紀の乱れだ」である。こ と密かに思う俺であった。 れで竹刀でも振り回していたら : ・ しかし、少し残念なことに女子という存在が大好きなのである。大好きという言葉では足り よ、まど、女子を愛している変態た。こういう真面目な性格をしたやつは大抵、女子に興味は 一化プしーを 遊ないとか言うと思っていたのたが、会話にはよくクラスの女子の話が出てきたり、女子の魅力 について語り出したりする。真面目に女子が大好きなのた。 話 まあ、女子が嫌いなやつなんているとは思わないし、可愛い女子の話をするというのは至っ 第 て普通たとは思うが、一色の場合は普段が、風紀チェックをしていたり、授業中は絶対寝ない などと真面目すぎるせいか、俺は余計に性格とのギャップを感じてしまっていた。

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253 第 9 話恋話 - コイバナ - 「ん ? あ、ああ。ありがとう」 服従 ? 一色が ? やつばり何を話していたのかさつばりだった。まあ、でもなんだか会話 作戦は成功した様で六花はあまりシャイモードを発動していないようだ。 「ということで一色も居るけど来るか ? 」 「行く。勇太、召喚魔法を使って , 「そんな魔法しらねえよ ! 」 「仕方ない、すぐに向かう」 そう言い終えてから、すぐに俺の耳にツーツーと通話終了を知らせる音が流れ込む。やれや れと肩をすくめて携帯をポケットに戻し、一色に視線を戻すと、泣いていた。 「お、おれ初めて女子と会話したよ : : : 」 「んん卩」 「すごいな女子って。電話越しで話しているだけなのに、あの電話越しから伝わる吐息が、俺 いやー素晴らしい。やつばり女子って素晴らしいなーーー」 の鼓膜を刺激すると言うかー ー一口オこいつの女子マイスターというのは剥奪した方がいし 一色はそう噛み締めるようこ語っこ。 んじゃないだろうか。あれだけ意気揚々と女子について語っていたのに、女子と喋ったことな いとか詐欺だろ。 というか今までどうやって過ごしてきたんだ ? 女子の風紀委員だって居るのに。

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い行動力だ。見習いたいものだと少し感心する。奇異の目を向けたくなった衝動もすっかり消 え失せていた。 「ちなみに一色は誰なんた ? 俺だけ言わせて自分は言わないなんて、言わないよな ? 」 「ふむ、俺は全員大好きなんだがなー うちのクラスの女子はレベルが高いぞ ? いや、学校 全体として高いと言っていいかもしれん。学校自体も、女子の方が人数多いわけだし、そうい う意味では可愛い女子率が上がっているのかもしれんな。二、三年生の先輩もすごいぞー。特 にダンス部の方々はレベルが高い。あんなレベルが高い集団がダンスしてると思うだけでエク スタシーを感じることが出来るね」 一色は愛と熱意を込めて捲くし立てる。 : どんだけ女子好きなんだよ ! ちょっと引くぞ , 「で、肝心の一色の可愛いと思う女子の話が出てなかったんだが : : : 」 「ばれたか ! いや、本当に全員可愛いんだ。クラスでは影が薄くあまり人気がない、 さんだって俺は愛しているね。むしろ何故人気がないのか俺にはわからないくらいだ。しかし、 あえて一人を選ぶとしたら、 : そうだな、丹生谷さんかな」 「ああ、えっと委員長か ? 」 確か、男子の中で学級王と名が付いてる人だ。俺自身は、特に関わりがない。 : まあ、ほとんどの女子と関わりがないわけだけど。後ろの土岐瀬さんとプリントを渡す ときせ 目加田

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「まあ、俺が密かにそう思っているだけだがな。もし本当にそうなら女子的魅力倍増だよなー 嘆息。 俺のツッコミを全部返せ。まあ、本当にそうなら女子的魅力倍増だと思うけど。 「ま、それは冗談として、噂の方は心に留めておいてくれ。数少ない小鳥遊さん情報だ。どう してだか小鳥遊さんの情報はあんまり聞かなくてな。また仕人れておくさ」 「というか、その情報は誰情報なんだよ ? 」 「はは、女子に関する情報は全部、全クラスの男子や風紀委員の先輩とかに聞きまくっている のだ ! 常に情報は動き、増える。だから正確に誰かからの情報というものはないのだ。それ と余談になるが、制服の乱れが目立つやつは女子情報の量を多く持っている。風紀の乱れを正 すと同時に情報も仕人れる。一石二鳥とはこのことだな」 花すげえ職権乱用方法だな ! 遊 そんな女子ばりに男から噂話を仕人れている一色に、俺は奇異の目を向けたい気分に駆られ 鳥 たが、一色は続けざまに、 話 「ま、富樫の一票は小鳥遊さんに投じられた。ふふ、後は俺の最後の票を投下すればこのクラ 第 スの人気ランキングは完成だ と、話す。すでにクラスの男子全員に聞きまわっていたということか。なんという素晴らし

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なるほどな」 何かを理解したようにうんうんと頷く。 「ん ? それだけでなんか情報が繋がったのか ? 」 「富樫と性格が似ている。つまり、そうだな、女子力があるということだな 「何故そうなる卩」 「いや、お前、けっこう女子っぽいぞ。お化け布いとか言うし。ほら、お前の後ろにスーツ着 たサラリーマン風の男が」 ・くそ : : : 嵌められた。 後ずさっていた。 「んーおしいなー どうしてお前は女子に生まれなかったんだ卩あーでも女装とかしたらい ける・ : ・ : か」 「いけねーよ ! 超ワイルドに生きてるつもりだよ ! 」 「それはない」 即答された。俺ってそんなに女々しい感じ ? きっと乙女座という誕生日の星座のせいだな。 自分の誕生月を呪うことにしよう。 リにどう思われようが構わないし ! 」 「ふ、ふん ! 男 「ふん ! とか言うのはすごく良いな」

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第 1 話「小鳥遊六花」 「さて、第一回可愛い女子選手権を開催する ! 「はい ?. 俺の横を歩く一色が、突然謎の選手権開催を宣言したので、思わず素で間い返してしまった。 さっきまでしていたテストの答え合わせの話とは、全くもって関係ない話だ。 「はい ? じゃない。 うちのクラスで最も可愛い女子は誰なのかをそろそろ決定しようじゃな いかという偉大な選手権だ。それを今やろうというのだ」 「いきなりすぎて理解できるかよー 社会のテストの答え合わせは何処にいった 「社会のテストの答え合わせより大事なものがあるだろ ! それを俺は、今理解したんだー そして今、富樫にも届いた ! さあ、白状しろ ! 」 「何故俺から」 「一般的な男性の意見を取り人れる必要がある。俺みたいな女子を隈なく見た人間では評価に 苦労するのだ」 なんとなく、一般的という単語が嬉しかった。 一色はそんな俺の機微に気づくことなく続けて、 「俺には全員が愛おしくて可愛いのた、だからお前の意見を聞きたい

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と、振り返りながら走って行った。いつの間にか、いつもの帰宅ルート別れ道に来ていたよ うだった。 俺は走っていく一色を見送りながら、自宅へと足を向ける。 「ん ? というかクラスの男子十三人だけで残り女子二十七人のランキングなんて出来るんだ つつ , つ、か : そんな疑間が今更だけど浮かんだ。 次の日。一時間目の授業開始十分前。予鈴は鳴り終わっているが、先生が来るまでにはもう 少し時間があるので、教室の中はまだ賑やかであった。 そんな中、俺は教室のど真ん中の席で悶々と昨日の話について考えていた。 小鳥遊六花。俺の前の席に人形のように座っている女子高生。ショートカットが似合う綺麗 つや な漆黒の髪。後ろから触ってみたくなるほど、艶のある髪をしている。 何故か女子だけプレザー制服なのだが、最近は暑さのせいもあってか上着を椅子にかけて、 少し腕捲くりしたプラウスだけの状態 オオ普通の着こなしではなく赤のチェック柄スカー トにとても相性の良さそうな黒色のベルトをしている。詳しい知識がないので正確なところは 000 よれい

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そんな真面目な変態さんではあるが、高校に人学してすぐ出来た友人が一色だけで、それ以 来かなりの時間、俺は一色とつるんでいる。特に意味もなく廊下でダべったり、 昼食を共にす るのも一色とだ。親友と言ってもいいんじゃないだろうか。 男子の友情熱いぜ , そして、今もその熱い友情を噛み締めつつ、一色と二人で、正午の照りつける太陽の中、浮 かれて帰宅しているところだった。 何しろ高校生最初のビックイベント、中間テスト全教科を終えたばかりだからな。どんな質 間でも軽いノリで答えてしまいそうだった。社会の答え合わせもすでにどうでもいし 「富樫もさ、いるだろ ? 一人くらい可愛いなと思う淑女が。俺らの仲じゃん。やつばり可愛 い女子の話したいじゃん ! 一色も俺と同じように熱い友情を噛み締めているようだった。 ここで話のテンションを下げるわけにもいかず、俺はその友情に応えるしかなかった。 「ああ、いるさ、可愛いと思う女子 ! クラスについた時、男なら誰もが行うだろう女子の可 愛さチェック行為、しないわけがない ! 」 「やはりな、それでこそ紳士 ! さあ、教えてくれ、友よ」 なんだろう、無駄に演技臭くなってしまった。きちんと友情に応えるのは難しいということ か。仕方ないので演技臭くいこう。

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120 終始一色は女子という存在の素晴らしさを語っていたようだが、俺は生返事で答えるしか出 来なかった。俺の頭の中は六花のことでいつばいになっているのに、丹生谷の存在で混乱まで してしまっている。丹生谷、ああ、そう言えば。 「一色、あんまり変態オーラたしちゃ駄目だぞ」 「ん ? 怪訝な顔になる一色。 しかし、その続きは可哀想なので言わない。自分で気付くのが一番だ 「おい、それはどういうことだ俺はなんか言われたのか」 女子の素晴らしさを語ることを忘れ、そのことについて必死になる一色を尻目に、学校へと 向かった。 教室には誰も居なくなり、今日も特に何事もなく放課後勉強タイム三日目が慣行されようと している。そして、いつものように教室に誰もいなくなってから六花は俺の方へ机と椅子を向 ける。 000

10. 中二病でも恋がしたい!

202 第 8 話「遠足 ! 」 遠足日和と言っても良いほど週明けの月曜日は快晴であった。 色とりどりの私服姿で教室に集まり、友達グループに分かれて談笑中のクラスメイトをちょ っとだけ観察。本日は遠足と言う名がついてるので、制服姿の人はいない。色々な人の新鮮な 一面を見ることができるだけでも、価値のある遠足だと思えてしまう。 俺はと言えば巫部さんの私服姿にかなり目を奪われてしまっていた。さすが人気ランキング せんじようてき 二位だなと感心してしまう程、巫部さんの私服姿は可愛く、とても煽情的な服装である。 他に目に付く私服姿と言えば、六花だった。昨日見たような闇ガールファッションを身に纏 、夏に近づいている暑さの中で、ひときわ暑そうな格好をしているのである。もちろん眼帯 と包帯も常衣のように装着済み。 「いやあ、女子の私服姿は眼福たな」 俺と同じことをしていたのだろう、ざわっく教室の中で女子大好きオーラを発して興奮を抑 えようともせず、鼻息を荒くした一色が俺の横にまで近寄り語る。 「遠足、それはイベントの中でも恋が生まれやすい部類の学校イベントの一つだろう。男子は 女子の私服姿に目を奪われ、女子は遠足中に見せる男子の無邪気な笑顔の虜になる。このイベ ントなくして恋は成就なしと言えるな」