ー迅社文庫 剣刻の銀乙女 2 ユングフラウ 剣刻の銀乙女 2 手島史詞 ュングフラウ ー迅社文庫 手島史詞 ー迅社文庫 一迅社文庫
ュングフラウ 剣刻の銀乙女 2 手島史詞 ー迅社文庫
-剣刻@銀乙女 , 一、 司 . "J 。手島史言 膩ⅡⅧ馴ⅢⅧ 9 7 8 4 7 5 8 0 4 4 0 8 0 1 9 2 01 9 5 0 0 6 5 8 4 のミ J ー迅藝辛粤手島史詞 の本 タロットソーサレス X Ⅲ番の魔符詠姫 タロットソーサレス X Ⅲ番の魔符詠姫 2 ユングフラウ 剣刻の銀乙女 ユングフラウ 剣刻の銀乙女 2 旧 BN978-4-7580-4408-0 C0193 \ 638E 定価ー + 税 発行ー迅社 J ー藝庫 著者 手島史詞 イラスト ( てしま・ふみのり ) 第 1 9 回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞。代表作は「影執 事マルクの手違い ( 富士見ファンタジア文庫 ) 」「飛べない蝶と 空の鯱 ( ガガガ文庫 ) 」。 学園ものというと、七不思議のようなものはどこにでもあると思 います。ですが私は小中高校と、一度として七不思議の囀を聞 けなかったのです ( 悔しい ! ) 。今も、あるところにはあるのでしよう か ? 今回はそんな学園内での奇妙な事件のお話です。 ュングフラウ 剣刻の銀乙女 2 イラスト 八坂ミナト ( やさか・みなと ) 仕事と「とびだせどうぶつの森」をやっていたら、いつのまにか 新年を迎えていたというグラフィッカー兼イラストレーター ロ絵でタコかカニを描いてと言われ、迷ったすえにタコにしてみ 賃 3 ) PV 大れ町・謎のクラウ , との刻印を巡る戦いからしばらくのち。 強制Ä学させられたエストレリャ学園での生活に慣れることができないヒースと、 慣れすぎてあちこちで騒動を起こす工ステルは、今日も騎士姫ルチルの説教を浴びていた。 そんなある日、近隣の港町コスタに現れた罪禍の怪物を討伐すべく、一ルチルは ヒースとエステル、そしてヒースにようやくできた友人の三リオを伴って向かうことにしたのだが、 そこに現れたのはエステルも知らない未知の罪禍だった。 その頃、 , ルチルたちが不在の学園でも生徒が行方不明になる事件が起こる。 消えた生徒たちにはある具通点が見つかり 王国を襲う新たな危機に、 - 騎士姫ルチルが立ち向かう。シリーズ待望の第ニ弾登場 ! ! ー迅社文 一迅社文庫
316 みなさまお久しぶりでございます。とりあえず手にとってみた初めましての方、どうぞよろ てしまふみのり しくお願いします。手島史詞でございます。 おかげさまで無事に二巻をお届けすることができました。 剣刻戦争の黒幕クラウンと一応の決着をつけ、ルチルの学園に強制入学させられたヒース兄 妹 & エステル。初めての友達ができたり、意地悪な先輩に難癖つけられたりしながら学園生活 に馴染んでいく中、生徒の失踪事件が発生したり。 剣刻戦争はなにも終わっていなかった。エストレリヤの平和を守る騎士姫ルチルと、魔王と か′、せい して本気を見せるエステル、そして覚醒する主人公ヒースががんばりますー 今回もサービスシーンは最後まで駄目出しがすごかったのですが、その辺りを電話で言い 合ってるときに隣に娘がいたりしてすごく困ったのは根に持ってます e 澤さん。 そうそう、娘といえば先日うたた寝をしていたときのことです。「お父さん、どうぞ ! 」と言っ て寝室から枕を持ってきてくれて幸せでした。 亠めとが」 なんくせ
317 あとがき あと、最近息子が朝ご飯に目玉焼きを焼いたり、ゴミ出しをやってくれたりと健気で愛らし いのです。またガンプラを買い与えてしまいそ、つです。 ュングフラウ さて、今後の予定ですが、たぶん次は『剣刻の銀乙女』の三巻が先になりますかね。その次 はどれが先になるかわかりませんが、またごちゃっと発売日が重なりそうな感じです。 しやじ それでは今回もお世話になりました各方面へ謝辞。 休暇とった日は仕事しなくて良いんだよ、妖精さんをこよなく愛する担当澤さま。 やさか 今回も細部まで凝ったイラストを用意してくださいました八坂ミナトさま ( ロ絵のタコさん が愛くるしくて ! ) 。カバーデザイン、校正、広報、印刷に携わってくださいましたみなさま。 今でも毎回本買ってくれてるくん z さん。いつもおもしろおかしく笑わせてくれる奥さん 子供たち。 そして、本書を手にとってくださいましたあなたさまー あり・がと、つございました ! なぜか子供と同じテ 1 プル囲って仕事や宿題やってる晩に手島史詞 アトリエ月の窓 http://teshima.at.webry.info/
ュングフラウ けんこく 剣刻の銀乙女 2 手島史詞 二〇一三年三月一日初版発行 発行人杉野庸介 せ社係 寄生 発行所株式会社一迅社 2 お株続 〒一六〇ー〇〇一三 を階ナ 、 8 ( ミ 東京都新宿区新宿一一ー五ー十成信ビル八階 想ル坂 電話〇三ー五三一二ー七四三二 ( 編集部 ) 感八 ー六一五〇 ( 販売部 ) 〇三ー五三一一一 装丁 木緒なち (KOMEWORKS) 印刷・製本大日本印刷株式会社 意宿詞 乱丁本、落丁本はお取り替えいたします。 1 」新史 区は島 本書の内容を無断で複製、複写、放送、データ配信等をすることは、堅くお断りいたします。 る宿て 定価はカバーに表示してあります。 本書のコピー、スキャン、デジタル化などの無断複製は、著作権法上の例外を除き禁じられています。 本書を代行業者などの第三者に依頼してスキャンやデジタル化をすることは、 個人や家庭内の利用に限るものであっても著作権法上認められておりません。 ロ明 o 乍 6 〒
最後は明らかに門番とは無関係なことを叫びながら、それでもヒースは逃げることはできな かった。首の後ろを、しつかりとっかまれていて。 「ほら、見てくれよ。たくさんの人がいて、俺たちはそれを迎えて、励ましたり、祝ったり、 少しでもこの町に来て良かったって思ってもらえるようにがんばるんだ。それで笑ってもらえ たら俺たちも元気をもらえるし、そうやって旅とか流通とかって回るもんだろう ? 俺の居場 所は、そこにあるんだー 胸を打つ、熱のこもった言葉だが、その恐怖に染まった視線が向けられているのは少女が手 にする教科書『近代エストレリヤ史Ⅱ』だ。 「あなたが門番を愛しているのはよくわかったわ。きちんと卒業して、立派な門番になってちょ うだい」 「それじゃあ遅すぎるんだ ! 俺は、今ー このときを門番として生きたいんだー 「それだけの情熱があったら、学園の勉強くらいこなせるでしよう ? 」 やはり勉強に話を戻されてしまい、ヒースは背中を向けて逃げ出した。 : ルチルに首根っこをつかまれた状態では、一セルカも進むことはできなかったが。 「嫌だー・勉強は嫌だー・もう、文字を見るのは怖いんだよおっー これまで勉強と名のつくことは、槍の使い方くらいしかやったことのないヒースは、学園の 難解な授業に心が折れていた。
「アフナール様は我が校の象徴であり、誇りです。アフナ 1 ル様の名前は、すでに我が校の歴 史に刻まれるものです。どうぞ、ご自分の立場にも意識を向けていただきたい」 ヒースたちは友人よ。 怒鳴りつけたい衝動を、ルチルは寸前でこらえた。 「 : : : わかっているわ。でも、彼らはこの国にとって必要な存在となる。特にエステルは」 「あの方が先日の事件での英雄的な活躍をしたことは存じ上げています。ですが、アフナール 様の隣にふさわしいかどうかは、別の話です」 副会長はルチルの冷たい眼差しにも、まるで動じた様子はなかった。 だが、その = 一一口葉にルチルに対しての悪意はないことを、ルチルは知っていた。彼女は彼女な りに、ルチルの立場を案じているのだ。 数秒の間、睨み合うとカタリーナはそっと腰を折った。 「出過ぎた話でした。お許しください そう一言うと、カタリーナは腕に抱えた書類を差し出す。騎士団から届いたという伝書だ。 しよかん 書簡を開いて、ルチルは険しく眉間に皺を作った。 女 けんこく 銀それは騎士の死亡報告だった。ただの騎士ではない。《剣刻》所持者ーー・・・・あるいはそれに関わっ 剣」名おに にまず目をみはり、それからそこに並 ずしっとしたその量ーー・数十名分に及ぶだろうか しわ
「ひっ、は、はいー ビクリと身を震わすエリオに、続きを語ったのはエステルだった。 「あたしは皇禍だよ。北の大地を統べる魔王の第一候補エステル・ノルン・シュテルンー・ーー改 めてよろしくね、エリオット・グリートちゃん ? 魔王の第一候補 , ーーそれは、世界でもっとも強力な罪禍であるという宣一言だ。加えて、彼女 けんこく が《剣刻》のひとつを所持していることは、周知の事実だ。 個として彼女を打倒しうる者は、恐らくこの世界には存在しない。せいぜい、伝説にある魔 神くらいのものだろうか 珍しく、威圧するようなもの言いだった。 「エステル ? 思わず、間に割って入ってしまった。すぐ後ろで、エリオがホッとしたように息を漏らすの がわかってしまった。 「なにさ、ヒース」 ムッとした顔をするエステルに、ヒースは困ったよ、つに一一一一口、つ。 「 : : : なんていうか、そういう言い方は、俺の知ってるエステルじゃないと思う」 おうか さいカ
そうだよな。エステルは、あくまで誰とでも笑い合える魔王になりたいんだ。 決して、ヒトとして生きたいわけではない。罪禍の在りようを変えたいのだ。その線引きを、 間違えてはならない。 思わす沈黙する中、エスエルは苦笑を浮かべる。 「ーーーなんだけどさ、昼間のこと、覚えてる ? 「昼間って : : : 罪禍討伐のこと ? 「うん、それ。あれもさ、あたしが知らない子たちだったじゃないか ? そういう罪禍の事情 は、どう考えたもんかなってね : : : 」 言いながら、ふと思い出したように目を向けたのはーーー・青ざめた顔のエリオだった。 ヒースとルチルは同時に声を上げた。 そういえば、エリオはエステルが罪禍だって知らないんじゃ : 一日行動を共にしていて、エステルはその事情をあからさまにロにはしなかったが、隠そう ともしていなかった。そして今の言葉は、明確に自分は罪禍だと口にしたようなものだ。 乙 銀 エリオほどの男が、エステルが罪禍側の視点でものを語っているとわからぬはずはない。 の 剣 ルチルがエリオに負けず劣らず、オロオロした様子で声をかける。 「エリオ。あなた、今、とても困惑していると思うのだけれど、落ち着いて聞いてほしいの」