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検索対象: 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2
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1. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

137 剣刻の銀乙女 2 ーー 1 だ 、月に 血 そ手簡 そ 駄あ 王ひ た を 人 っ 潔 の都と れが理 ギ理 目 め 石皮 な - 手・ っ と に月 息そ で ヤ は の も な手 手 . 実 て き を し か レ ひ よ ワ 、目リ つ と 剣えの漏ね て い が よ ツ な私亥腋事 ル ト ら し、 い触 チ な ヒ る ヒ の ち 、て 隊 ら が ル に ク の は も フ怪み は ス オし を ス や 次 ウ 物ん わ 、が ル組 ん は る ス わ あ の 胸 か と の な チ ん ン 目舜 と 体力 か っ ル だ 見 で締 駄 だ 操刻をえ 間 は つ の て 歩 ら魔まて柱 だ 、め 目 に い あ の も は な い遅 な れ カゞる で る け い か ん け な た現わ ひ の の っ れ な ら く あ れね と ね ・つ つ も た も れ 特 ば る た ? つ そ と 人事 こ話 る マ り 無だ の を に件 寄 よ さ ナ っ体 っ 男 の ま里 . さ り な や 笑 を どた れな わ カゝ の し ) 顔 穢た 感 人 リ れ 覚 を た っ け さん は オ ろ 浮 れだ を も の わ か 話 首 は て を べ で し、 傾 た て は か い な の だ な る ・つ た の よ の だ ね : それから、駄目になったの

2. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

ぶあいそう より無愛想と言ったものだった。 それを見て、ヒースは「おや ? 」と思った。 メガネだ。貴族なのかな ? 弓い視力を補強するための器具だが、それが非常に高価な品物だということを、ヒースはしつ ていた。一般庶民には購入することが難しい 「こちらにおいででしたか。騎士団より伝書が届いています」 こわば ルチルの表情が、目に見えて強張った。 「わかった。すぐに行くわ」 うなす 頷いて、ルチルはエステルに目を向ける。 「悪いけれど、少し用事ができたわ。エステル、食事どきにまで文句を一言うつもりはないけれ ど、これ以上の騒ぎは自重なさいー 「人が笑ったら騒がしくなるもんだよ ? 」 まるで反省のない様子にルチルが目を吊り上げると、エステルはケラケラと笑いながらヒー スの背中を押した。 「じゃあ、また明日ねー 「うわっ、ちょっとエステル、本が落ちるー 「あたしのなんだからいいのいいの。ほら、キミ、エリオちゃんだっけ ? キミもだよ」

3. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

「うぐっ : : : それは、だって、マナには才能があったし : 「だからって目の前で無理されたら、わたしだって悲しいんだよ ? まったくの正論に、ヒ 1 スは頭を垂れた。 「すみませんでした」 エリオが青ざめた顔をした。 ボクなんか、ちょっと居心地が悪かっただけで、あんな : 「大変だったんだね : はまだまだ甘えてるんだな」 同情したのか、涙ぐむエリオにヒースとマナは慌てて首を横に振る。 「で、でも今はマナも学園に入れたし、俺まで勉強もできるようになったしー 「お兄ちゃんだって自分こと考えるようになってくれたし、わたしもそばにいれるようになっ たもの ! 」 この一か月は、まさに夢の時間だったのだ。 : : : 勉強は、辛かったが。 「二人とも、人間ができすぎてると思うよ」 ぬぐ 妃そっと目元を拭うと、エリオは入り江で噴き上がる波しぶきへ目を向けた。 乙 と思うんだけどな」 銀「君たちはエステルさんくらい、わがままでもいい 釣られて目を向けると、そこでは凄まじい勢いで沖へ突き進む銀髪の少女がいた 「ほらほら、ルチルもいっしょに【冰ご、つよー ボク

4. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

うするんだい ? : でも、も、つひとりほしいわ。できれば 「ひとり、使えそうな生徒に心当たりがある。 オーメントーカー 〈占刻使い〉で」 その目になにかしらの期待が籠もっていたことで、ヒースは首を傾げた。 俺、ここに転入してまだ一か月なんだけどな : ようやく同級生の顔と名前が一致したところだ。それぞれの力量や人格などはさつばりだ。 きゅ・つ 心当たりがなくて窮していると、ルチルはズィッと顔を近づけてきた。 うろた がんぼう 可憐な顔貌と距離が縮まり、ヒースはわかりやすく狼狽えた。 「な、な、なんだい ? 「あなたの妹さん : : : マナさんにお願いしたいのだけど、駄目かしら , その人選はまったくの予想外で、ヒースは目を丸くした。 : マナ ? 」 「ええ。彼女ならエステルとも仲が良いし、エステルも付き合いやすいと思うの オーメントーカー 「で、でも、マナはまだ〈占刻使い〉のカリキュラムに入って一か月だぞ ? 実戦には早いん じゃ : その答えに目を丸くしたのは、ルチルだった。 オーメントーカー 「あなた、知らないの ? あの子、〈占刻使い〉としてはかなりの実力なのよ」 かし

5. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

276 しょ・つげき 手足がバラバラにひき裂かれるような衝撃だった。目の前が真っ赤に染まり、次に視界に欠 落が発生する。 あ : : : 目が : 異物でも刺さったのか、片方の目が見えなくなっていた。 それでも、ルチルはまだ空にしがみついていた。ルチルが握っていた〈白銀の乙女〉ただひ と振りが、まだ残っていたのだ。 憑依からアンサラーソードに戻すことで、なんとか宙に浮遊させる。足場を失ったルチルを 支えるのは、たった一本の短剣だった。 「あっ : : : く、う : その短剣を握る手を、固い靴底が踏みしだいた。五本の指から、苦痛と共に力が抜けていく。 「気分がいいな。これが、揺るぎない力というものか」 踏みつけたルチルを気にも留めず、エリオットは天を仰いで微笑んでいた。 「ああ、すまないな。君があまりに必死だったものでね。つい、からかいたくなったんだ。ど うか許してほしい」 胸に手を当て、腰を折りながらもその足はじわじわとルチルの指を踏み躙っていた。 「ルチル・アフナール。君は確かに強いよ。ヒトという種は、君という存在を生み出したこと さいか おうか を誇っていい。並の罪禍、あるいは皇禍ですら、君の前には打ち倒されることだろう」

6. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

242 競り負ける : 受けるまでもなく、質量の違いが理解できた。 「ーーー止まらないで ! 」 すぐ後ろから聞こえた、しかしそこで訊くとは思わなかった声に、ヒースは目を大きくした。 だが、迷わなかった。 トンーーーと、槍の後ろに支えを感じた。なにかが石突きを押してくれている。 けんこく ほんりゅう うが 《剣刻》の槍が、紅の奔流に点を穿つ。 流れを乱された閃光は、幾重にもひき裂かれて夜の空へと突き抜ける。割れた鏡に乱反射す るかのごとく。 閃光が収まると、果たしてそこには生き延びたヒースが、確かに立っていた。 「 : : : ど、ついう、つもりだ」 だが、エリオットが目を向けたのは、ヒースではなかった。 ヒースも同じことを問いたい気分だった。 「エリオが、二人 : : : ? そこにいたのは、ヒースが知るクエリオクだった。

7. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

256 取り乱すヒースとエリナを見て、ルチルが小さなため息を漏らした。 「普段のヒースに、戻ってしまったわね : とまど うずくま 胸元を隠して蹲る少女に、ルチルが戸惑い混じりの目を向ける。 「あなた、女だったの : : : ? 「 : : : 初めは、お兄様が事件を起こす間だけの役目だったから」 ごまか 「そう。誤魔化せない部分は、お兄さんの方が出ていたわけね」 男女の入れ替わりなど、こんな状況でなくとも、いずれは露見することだ。 エリオットの不在の間だけ女だとバレなければ良かったから、それもエステルを捕らえるま でわずかな期間だけで良かったから、そんな無謀な策を実行したのだろう。 全員が、動揺を静めようと視線を宙にさまよわせていたときだった。 『オオオオオオオオオオオオオオオオン ゾッとするような咆哮が、王都を揺るがした。 なんだ今の ? ハッとして、カタリーナが外へ目を向ける。 「罪禍、です : さいか

8. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

たのだもの」 現場不在の証明は、成されているのだ。 というか、一度疑われたから信用されたってことなんだな。 ばってき 疑われたからこそ容疑が晴れ、特務小隊に抜擢されたのだ。同時に、反射的にとはいえ、エ リオに疑いの目を向けてしまったことを、反省した。 俺だって、容疑者だったんじゃないか。 説明を終えると、ルチルは鋭く目を細めた。 「納得してもらえたなら、本題に入るわよ。あなたたち、まだ働けるわね ? 」 説明してはい解散、というわけではないらしい うなず ヒースたちは硬い表情で頷いた。 「今日、姿を消したのはアマリアという、三年の女子よ。まだ助けられるかもしれない だから、ルチルはあれほど帰りを急いだのだろう。 頷くヒースをよそに、エステルは難しそうな顔をしていた。 女「エステル、どうかしたのかい ? 銀「んー ? んー、ちょっと、気になって : 「なにが ? 」 エステルは困った顔で人差し指をクルクルと回すと、誰も予期しなかった一言葉を口にした。

9. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

思えば、朝のエリオにはなにか違和感を覚えた。あれは、エリオットの方だったのだろう。 ヒースはカチャリと槍を揺らした。 「あいつ、この槍を見てなんか動揺してたみたいだった。名前も知ってたし、それについて、 なにか知ってるか ? エリオはマジマジと金の槍を眺め、小さく頷いた。 「クラウンと取り引きしてたとき、すごく強いヒトの騎士が現れて、お兄様が手傷を負わされ たことがあった。そのときの騎士の槍が、これだったと思う」 ゆが それが誰なのか察して、ヒースは表情を歪めた。 「騎士 : : : ギャレットさんねー つぶや 呟いたルチルは嬉しそうな、しかしやはり海しそうな、複雑な表情だった。 やつばり、まだ整理できてないんだろうな : 手が怖いと言ったこともある。ヒースとて、兄弟子の死をどう受け止めればいいのか、未だ にわからないのだ。 だが、ルチルはそれを忘れようとしている。目を逸らしているわけではなく、目の前の現実 を見つめるために、後回しにすることにしたのだ。 だというのに、ヒースか引きずっていい場面ではない。 そんなことより、今 、ハッキリさせなきゃいけないことがある。 うなず

10. 剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 2

「いや、なんか普通にそう言ってもらえたのが新鮮で : : : 」 つくろ それから取り繕、つよ、つにルチルに目を・回ける。 「それより、ルチルの方こそもういいのかい ? 」 ヒースが目を覚ましたとき、ルチルもまだ治療中で面会できなかったのだ。 ルチルは手の平で左目を覆う。 「右目の視力は少し落ちたけれど、十分見えるようにはなったわ。傷自体は、あなたよりは ずっと軽傷よ ? なんでもなさそうに言うが、一時は失明しかけたという話だ。 無理しなくていいって言ったのに、もっと無理させた : うめ ヒースが呻いていると、ルチルはストンと椅子に腰を落とした。先ほどまで、エステルが座っ ていた場所だ。 「エステル、やはり落ち込んでいるようね : 「ルチルから見ても、やつばりそう ? 」 うなず 女頷くルチルに、ヒースもため息を漏らした。 乙 銀その仕草に、ルチルは荒てたようにつけ足す。 え、エリナのことだけど 「それと、エリオ : : : いい エリオットが消えて以来、ヒ 1 スはまだ彼女と顔を合わせていなかった。