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検索対象: 多摩湖さんと黄鶏くん
117件見つかりました。

1. 多摩湖さんと黄鶏くん

、象して見ているの。 私とか想イ : これってみんなやってる、よね ? 」 たまこ 「それは知らない才、 。と・・・・ : あのねえ、多摩湖さん」 わざ 「結局最初が一番キツィよ ! 正義の味方を見習えよ ! 必殺技は最後にしておけ ! 」 「そ、そんなことないって ! 恥ずかしい順だし ! 」 しゅうちしん 「どんな羞恥心の形してるんだよー さっきから不思議て仕方なかったけどー 「ぬううう、 相容れない ! 」 がっち 「その通り、意見が合致しない ! 」 もど はな 一一人同時に首筋から顔を離す。そして各自の椅子に勢いよく戻り、また対峙する。 かしわ もんし 「今日は黄鶏君の悶死記念日として刻んてやる ! 」 「そっちこそ、多摩湖さん羞恥心解放の祝日として学校をサポる日を作ってやる ! 」 「大歓迎じゃないのそれ ! 」 うな 多摩砌さんかカードを高速てかき混ぜ、うーうーと威嚇するように唸る あきら 俺はパンツ一丁てどう格好つけるか考えている内に、『あ、無理だ』と諦めた。 というわけて、ポーカー再開。 その勝負によって生まれた、悲喜の入り交じった叫びをダイジェストぞどうぞ。 かく たいじ

2. 多摩湖さんと黄鶏くん

219 「たまこい はあ、てりや 掛けしてる人かいたらみんな、そのまま星がそいつの頭に落ちろって思うよー 「なら俺のターン ! 取ってえ、 あ ! うおお、黄鶏君が多摩湖さんにて命令が止まったー かみけ 取ってえ、また取ってと。出来た ! 多摩湖さんの髪の毛を腰に巻く ! , 「そんな腰に巻くな ねっぞう んて一言葉の札作ってないってーの ! 命令捏造はペナルティ ! 、「それならやむを得ない、 ・命令出 いこいてす ! 」「やむを得ないってルール尊重する気ゼロじゃん ! え、こい だれ 来てるの ? 「多摩湖さんが逆立ちて過呼吸する」「誰が得する組み合わせなのそれ ! ー「そ つか して疲れた多摩湖さんを俺が介抱するわけてす」「まさかじ、人工呼吸てもするつもり ? 「いや皮膚呼吸してる場所にキスして酸素注入ぞもしようかと」「介抱の意味をご存じかし と思う ! 」「はい多摩湖さんの番てす ら ! , 「安楽させる」「黄鶏君の頭も介抱された方がいい にわとり よ。飛ぶ鶏を落とす勢いて俺の喜ぶ命令を作っちゃってくださいー「鶏は飛べねーてしょー 今の君はどんな命令しても喜びそうて怖いよ ! 」「多摩湖さんと別れろ系以外なら好き嫌いな はあ ! 鎖骨を しけます ! 」「そんな命令する多摩湖さんは地球上にいません ! せい かた たが いいなー。お互いに要らない札をトレード 肩を髪を ! なにこれ、③が一枚もない ! 」「あ、 こしませんか ? 「トレカじゃねーっつーの ! 少しはゲームしてる気になりなさい ! 」「じゃ あ逆立ち。多摩湖さん逆立ち ! 」「なんてそんな逆立ちさせたがるかな ! 」「逆立ちしたら なまあし っ ゆかたきじめく 浴衣の生地が捲れててすね、多摩湖さんの生足がデーンと天を突くようにそびえ立つわけてす む とうひってき よ ! それを太陽の塔に匹敵する造形物と認めるのはやぶさかてはない ! 」「君の脳も剥きだ か かいほう こわ きら さこっ

3. 多摩湖さんと黄鶏くん

たず 味なさそうな顔つきて尋ねてきた。 きようだい 「ご姉弟てすか ? 」 じようだん 失礼な。俺と多摩湖さんがカレシカノジョ以外に見えるとは、冗談キツイ。 「どう見えます ? 」 こた 多摩湖さんが質問に質問て応えると、仲居さんは眠たげな目もそのままに、顎に指を重ねる。 「仲の悪いご姉弟といったところてすか」 まぶた じっくり見られたら悪化した。もう少しその重たそうな瞼を開いたらいかがだろうか ふんがい 「悪いが余分てす」と多摩湖さんが憤慨する。 ちが ていせい 「ご姉弟も違います」と俺も便乗して訂正を求める。 「てはあなたたちは仲てすか ? 」 「ええ、私たちは仲てす」 どんな会話だ、と横て聞いていて呆れる。こんな人が受付やっていて大丈夫なのか、この 旅館。そんなこと言ったらその人と和やかに会話している多摩湖さんはどうなんだって話だが 受け取った鍵に刻印された部屋名と仲居さんの道案内に従って、俺たちの宿泊する部屋へ向 かべ ろうか たび いかった。廊下も首や鼻が動く度、潮の匂いが飛びこんてくる。そのせいか分からないけど、壁 てんじよ、ついた ひど かけら や天井の傷み具合がなかなか酷い。触れればポロポロと、潮の欠片がこばれそうだった。 8 「風情があるね、うんつ。さすが私の選んだ旅館だ」 あき なご にお ねむ だいじよう

4. 多摩湖さんと黄鶏くん

192 敢えて問わないけど、そうかあ、多摩湖さんの中てはこんなイメージなのかあ。 「いじめっ子的というか、デ〇ズニ 1 的というか けっしよう 「ふふふ、どうかねこの努力の結品は」 「これの制作期間はいかほどて ? 「三ヶ月ぐらいかかったかな。いや私も多忙てね、先週、やっと最後の札が完成してねえ。思 か いの外、札に描く絵を考えるのに時間がかかっちゃってさー」 うった 身振り手振りを交えて創作過程の苦労を訴えてくる。大変だったのか、そうかー、って、 ひま : みたいなー」ああ、最後が弱気に。 「いやそんな暇あるなら、その分俺と会おうよー か おとめ 多摩湖さんは目をばちくりとさせて、それから「乙女的に照れ」と鼻を指て掻い けず ~ も安心したまえ。君と会う時間を削ったのてはなく、睡眠時間と授業を受ける時間を注い だのだよー よゅ、つ 「あーまあ多摩湖さん、授業なんか受けなくても期末試験とか余裕てすもんね」 けいこう 「三度目の一年生だからね ! 各試験問題の傾向もバッチリてすの ! あっはつは ! 」 わははー ・ : あれ、今年て四年目ては ? ーしいカら、ゲームしましよ」 「さ、そんなどうてもい くちびるつ 畳の上にばらけた自作花札をかき集めて、ニィーっと唇を吊り上げる。本当に合宿以外の目 むだ 的なかったのかー、わーいまたまたぬか喜びー。心臓、無駄に生き急がせちゃったぜー たぼ、つ すいみん

5. 多摩湖さんと黄鶏くん

234 なんてことがあったのが、もう 十五年も前だなんて信じられない。 あふ まぶたご 俺はゆっくりと目を開いて、瞼越しても感じ続けていた光が溢れる青空を見上げる。夢の と あいまい こ、どろどろに、いの底へ溶けてい ような回想がゆっくりと解けて曖昧 ( たび 次に具体的な形になって思いだせるのは、いつになるだろう。歳を取る度に俺は背中を押さ せんめい れて前〈進み、楽しかった思い出との距離を強制される。段々と過去の鮮明さが失われてい のだ。もしかするとこんな風に、当時の彼女が活き活きと動き回るのはこれが最後かも知れな おそ それが布くもあり、だけど恐れること自体が幸せだったことの証明にえて、俺は笑った。 おび 当時は将来に不安を抱くことも少なかった。失うことに法えるのぞはなく、幸福がすぐ側て 息づいていることに安堵していた。俺は当時の彼女に夢中だったし、彼女も俺のことが好きて かくにん 俺たちの距離は近かった。 あったと信じる。そんなこと確認する必要もないほど、 もど もし十五年後の俺、つまり今の俺が過去に戻って現状を伝えたとしても。未来に起きうる出 会いと別れを語ったとしても、かっての俺の信用を得ることは出来ないだろう。遠い昔に読ん ふじお だ藤子・・不一一雄の短編にそんな話があった気もする。時間は俺たちを分断する。過去の俺 かたむ は、今の俺とは別人なのだ。別人のタワゴトに耳を傾けるほど、当時の俺は彼女以外に興味が ふじこ こわ きより とし

6. 多摩湖さんと黄鶏くん

122 「おお ! 」 これて多摩湖の多摩湖さんの写真を撮って、就寝前にエア多摩湖さんと様々なイメトレに ほほえ 励める。という喜びを口には出さなかったのて、多摩湖さんの朗らかな微笑みは保たれている。 もど その微笑の直視によって、今日という休日に過ぎた熱風は折り返し地点から戻ってきたように、 もう一度部屋に籠もりだす。 じよ、つしよ、つ いまさら そうか部屋の熱の正体は、俺自身の体温の上昇だったんだ。今更、そんな当たり前のこと に気づかされて、人体を軽く燃やし尽くしてしまいそうな多摩湖さんの『カ』に俺は感服する。 とこなっ 夏もそろそろ過ぎていこうっていうのに、多摩湖さんのもたらす燃料は常夏をたたえるよう : とまあ、こんな風に旅行の約束などしてしまったりして。 かしわ あせ 「それて黄鶏君、わ、脇は : : : 今度、汗かいてないときね」 多摩湖さん大好きー ~ もその代わり、私ももう一回、黄鶏君の眼球舐めるから 「え、そっちも喜ぶようになっちゃったの」 しゆくじよ 「そーそー 。だから多摩湖さんも脇を舐められて喜ぶ淑女になれますよ びしよ、つ わき 0 っ と しゅうしん な

7. 多摩湖さんと黄鶏くん

1 ) 8 もうそう 俺としてはこっちが正しい道筋だと信じて疑わないのだが。色々と考える ( 妄想する ) こと は夢が広がって楽しいじゃないか、主に考える方が。想像に使われた方は堪ったものじゃない。 「どっちがより生まれたての多摩湖さんなんだろう」 びみようふく 「君の言い方はいつも微妙に含みがあるよねえ 「今回は胸を見つめてもなあ : はしばしにじ らくたん 「なをて落胆が言葉の端々に滲んてるの ! 」 うな なまへんじ いやそんなことないッスよ、と生返事してから唸る。ああもういいや、勘て決めよう。神様 : どんな神だよ。 が俺に多摩湖さんの写真とキスさせたいなら、味方してくれるだろう。 勘て選んだ方の写真を机に置いて、多摩湖さんの方へ差しだす。多摩湖さんはそれを見下ろ ほほえ かくにん して数秒、なにかを確認してから俺に向けて試すように微笑む。 かしわ 「それは黄鶏君の見立てて何歳 ? 「へえ、どうしてそう思ったの ? 」 かみ 「勘。後、髪がそっちの方が少し長い、気がするから」 まゆね こんきよそ 弱い根拠を添えると、多摩湖さんがなぜかムッと眉根を寄せる。不正解かな、と肩をすばめ て苦笑すると、多摩湖さんは「ぶーん」とそっぱを向いてからばそりと合否の結果を呟い 「せーかい」 ため たま かん かた つぶや

8. 多摩湖さんと黄鶏くん

186 こわ 『そうなんだー、頼もしいぐらい布いね』 えがおひど ニコニコーツと爽やかな笑顔て酷いことを言われた気がする。てもそのときの俺には皮肉も うなず いっさい 嫌みも一切が通じなくて、多摩湖さんの大になったように従順に頷いていた。むしろ飼われた ないしょ えつひた 、象して内心、一人て悦に浸っていたのは俺だけの内緒なのてあった。 いとか考えて想イ ひさん そして同時に前回の旅行が悲惨だったことによって一抹の不安を抱いていたのも、秘密。 『それじゃあ今度は多摩湖行く ? ちょっと遠いけど』 ふだん 『普段見られない多摩湖さんがそこにいるならどこてもいいてす ! 』 『そ、そう ? なんか照れちゃうなあ、そんな言い方だと』 「だから風呂場ても可てす ! 』 おとめ 『もったいねー 乙女的に照れるの早まったー しんこん ぜっきよう などと絶叫混じりに話し合った結果、『多摩湖に行くのは新婚旅行て』という結論て今回 は見送りとなった。新婚て。結婚てすよ、多摩湖さん ! なんか今からこんな約束して、夢に まて見たバカップルみたいじゃないてすかー もんもん ふとん その日の晩は布団に入ってからも悶々として眠れなかった。だから仕方なくダルマのダル子 悶々さんとキスの練習に励んて、翌日の日の出を迎えた。感想は、朝日を浴びたダル子さんの つかめ 赤さが疲れ目に染みたとだけ言っておく すで 旅行に関して、ウチの両親は特に反対しなかった。既に二度、三度と旅行に出かけているし、 し たの さわ 0 ねむ むか いちまっ

9. 多摩湖さんと黄鶏くん

づらしの 利じゃないか。これが終わっても胸に数枚、特選したマスケ面を忍ばせておこうかな。 かしわ 「お待たせ、黄鶏君。うーん、名前の割に部屋の中をバタバタ走ってないねつ」 徹夜に伴う独特のテンションを引きずったように、陽気な多摩湖さんが親指を立てて部屋に 入ってくる。そんな堂々と、無断て利用している部屋に入っていていいのだろうか。しかしそ ふ ゅ けて、その風に吹っ飛ばされた。 んな疑問は制服のスカートの端がひらひらと揺れた かんがい 「ここに集まるとなんてか、いつも感慨深いね、うんうん」 」り む つぶや 多摩湖さんが「かんがいかんがい」と呟きながら顎を一一度引く : て、耽る前に噎せる。埃っ ばいからな、ここの空気。掃除もほとんどしないし。 「さ、カードゲーム研究会の活動を始めるから席に着くように」 たた いつも使っている方の椅子に腰かけてから、机をバンバン叩いて呼んてくる : ふむ、ほほーう」 「よいよ、。 立ち上がりつつ、多摩湖さんの格好をジロジロ。その視線に気づいた多摩湖さんはちょっと 歳警戒するように首を引っこめる。 ちカ ん 「どしたの ? なんかいつもと違う ? さ 「今日は厚着とか目立っ用意もしてないなって思った」 多 あんなのもう古いのだよ」 「ああ、脱衣ポーカーフ ちちち、と満面の得意顔て人差し指を横に振る。うわあ、嫌な予感しかしないぞう。 ともな だつい そうじ 0

10. 多摩湖さんと黄鶏くん

2 てつや アダルトな 徹夜して考えたゲームが脱衣ポーカーから三ミリぐらいしか成長していないー だめ たまこ 多摩湖さんの発想は田 5 い立ったらとにかく形にしちゃ駄目てす ! と言いたいのか俺は。 いやても、キス。俺の部屋て多摩湖さんにキスしたりされたり。げほ。高校一一年生を色ポケ すで じづら の海に沈没させるには十分すぎる字面だいや既に十分そうなっているとかそんな指摘はさて おくとしても。 シャッフルを終えたカードを投げるように配りながら、多摩湖さんが目を伏せて言う。 かしわ 「この間、黄鶏君がダ、ダルマとキスしてた話を聞いて決心したのよ」 「いやそれ口に出して言わないて ダルマまて照れて真っ赤になりますから。あ、元からかな。つまりいつも照れているわけか とうひ シャイな奴だな、なんて現実逃避している場合じゃない じゃっかん 人差し指を立てて、若干赤面しながら多摩湖さんがおねえさんぶる。 「そろそろ私たちもキスの練習をしないと駄目かなって」 そろそろって。付きあって四ヶ月目だと、もうそこまて進んていいのかいやこんなゲーム わきけものみちそ 行うカップルは脇の獣道に逸れているんじゃないのか くちびる つな 「俺たち、手を繋いだこともないのに」初めて手に触れたのが唇てしたとかどうよ。 多摩湖さんは親指を立てて、むふーっと鼻息荒く付け足す。 「安心して、このトランプに唇のカードはないから。あくまてこれは練習よ」 ちんぼっ やっ だつい あら ふ ふ してき