マジで - みる会図書館


検索対象: 銀の十字架(クロス)とドラキュリア
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1. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

第四章子羊は捧げられた きおくそうしつ 「 : : : で、ヒー君はその記憶喪失の『真祖』様に、毎日一発ヌかれちゃってると」 「やめてくんないその表現卩抜かれてんのは血だからね ? 地味にキツツィんですから 「いや、だからヌかれてるわけでしょ ? で、何かわかったの、あの娘のこと ? 」 : 今のところはな 5 んにも。っーか、マジでその表現は勘弁して : ひすい ア放課後の教室で、緋水は机に突っ伏しながら気だるげに語る。 となり こしか め ュすでに教室に人気はなく、隣の席に腰掛ける芽依がいるだけだ。 ラ土日を挟んで数日ーールシュラの存在もあって、クラスメイトとの交流が少ない緋水だ 架か、芽依とはわりと言葉を交わしている。 字 + 今日は世間話ついでに、ルシュラの出自に関する意見を訊いてみたが、芽依とその「一 の 銀族」も、吸血鬼に関する情報はさして持っていなかった。 : マジでどこから来たのかな、アイツ」 はんい 土日を利用し、緋水は可能な範囲でルシュラの出自を追ってみたが、今のところ手がか か き かんべん

2. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

むだ ど・つさっ ひょうしぬ 芽依は拍子抜けした。無駄に洞察力を発揮したくせに、今の緋水はやる気ゼロのダメ人 間にしか見、んない だま アイツ 「しいて言うなら、ルシュラの正体黙っといてくれってとこかな ? まあ言っても誰も信 じないだろうけど。お互い様だな、それは 「つていうかさ、マジで人造人間なのか ? あれって何かこう、もっとごっくて、こめか みとかにポルト埋まってなかったつけ ? 」 「いつの時代の話よ ! しかもそれ、もろ映画とかのイメージでしょ ? そりや初代の被 ーチャー 造物は醜かったけど、アタシは見てのとおりよ ! 」 ア 証明すべく、芽依は近づいて緋水の手を取り、自分の顔に触れさせた。 ュ かんしよく ラおっかなびつくりの緋水だったが、手から伝わるなめらかな感触に、すぐに自分のイメ とら げんそ・つ ージが先入観に囚われた幻想にすぎないことを知った。 架 ふつう マジで : : : 普通の顔」 字「ホントだ、やわらかいし、スベスペだし : : : 継ぎ目とかもない。 銀「でしょ ? むなもと えがお 笑顔のまま、今度は緋水の手を胸元に導く芽依。 たんのう 自然な動作に、つい緋水も感触を堪能してしまった。

3. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

るおそる教室を振り返る。 明らかにヒイているクラスメイト一同。 たず 委員長としての責務か、あるいは隣の席という縁からか、玲奈がおずおすと尋ねる。 どうせい 「紅城君、彼女と : っていうか、その、まさか : : 知り合い ? ・ : 同棲 ? 」 ・そ、つい、つ説もある、かな ? むだ とばけてみたが、無駄だった。 クラス中の視線が集まってくる。 ャパイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ、マジでヤバイ。 ア 「何だ、アイツ、あんなトリプルエークラスの美少女と知り合い っーか同棲 ュ ラ「オイオイ、高校生だぜ : 「テンション上がったのに、彼氏持ちかあ : 架 字「入学早々、見せつけやがって : の いやあせしたた クラスがざわめく中、緋水は嫌な汗を滴らせながら、必死に打開策を考える。 こんなに注目を集めるなんてーー望んでいない。 ふ となり えん

4. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

162 あざけ 駄目押しに向けられる、嘲りの言葉。 ほこ 「何か言いましたか、顔が多少整っているだけの、人間の誇りを忘れたダメ人間さん ? 「おまっ : 後頭部に減り込むのは、えるるの靴底。 とちゅう かろうじて、彼女が自分の言葉の途中で立ち上がった。 その後は : : よく覚えていない。 何をされた卩 あしばら 足払いでバランスを崩された : : : 気がする。実感がないのは、払いの見事さと速度のた めだろう。 あっさりバランスを崩され、そのまま無様に頭から床へダイプ。 くつじよく そして、屈辱のこの体勢。 「何モンだよお前・ 「あなたみたいなダメ人間とは別種の存在です。同い年とは思えない愚かさですね」 「え、マジせめて中学生かと : きたん 忌陣のない意見を述べたとき、踏みつける足は重さを増した。唇が硬質な床に貼りつき、 緋水はそれ以上言葉を継げられない。 ためお め っ くちびるこうしつ

5. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

くわ かくにん けるとは思えない。俺も実際に病院で状態を確認した。そっちの方が詳しいだろう ? 」 するど さらに鋭さを増す緋水の指摘。 そして、居並ぶ機動隊員達のざわめきも、さらに広がっていく。 これ以上の混乱を避けるため、えるるは確固たる物的証拠を持ち出す。 「 : : : ですが、歯型は一致しました。同一の歯型はこれまで見つかっていない。指紋照合 まちが 並みの精度です。万が一にも間違いはありません ! 」 「マジで ? 」 「しつこいですよ ! 何故、そんな害獣を庇うんです ? 」 ア「ありえない」 いっしゅん ュ胸を反らして言い放った緋水に、一瞬えるるも気圧される。 キ 防「ありえない。歯型が一致するなんてことは 靴「何を馬鹿な : 字 + 「コイツが一言うとおり : : : 俺は疑ってた」 の 銀ルシュラを後ろ手に指差し、緋水は告げる。 そう、ずっと疑っていた。 ただしそれは きりふだ しもん

6. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

「見るなああああああリ」 あったような気がしたが、ルシュラがその辺に落ちていた物を頭に投げつけてきた ことで、脳内ハードディスクから、強制的に映像は消去された。 : って、おい、マジかよ」 「殺す気か " ・ げきとっ 額に激突した物の正体に気づいたとき、緋水の顔はこわばった。 それは愛用の大音量目覚まし時計。 むざん こぶし 正面は拳の形にへこみ、時計盤は見るも無惨に崩壊していた。 「ああ、それか。何かうるさく喚いたので、殴っておいた。人間とは、わけのわからん物 を作るのだな」 ひつじゅひん もう鳴ってたのか : 「必需品だリ かくにん 緋水は青ざめ、べッドの宮の部分に置いてある腕時計を見た。正確な時刻を確認すると、 顔はさらに青ざめていった。 ・ : 昨日食ってなかったから、朝 : もう全速カじゃなきや間に合わない : 「ヤバ 飯はがつつりいきたかったのに ! 」 言、つや否や、緋水は服を脱ぎ出した。

7. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

したた くて、血も多く滴ってそうな肉を買って : 「短剣でちょうどいい大きさに切ってかぶりつき : と ? 」 顔を真っ赤に染め、ルシュラはコクンとうなずく。 こら 一方、緋水は腹と口を押さえ、込み上げてくる笑いを堪える。 「ちょっ、マジで卩練習て : : : 血を吸う練習て ! 何それ、そんな吸血鬼聞いたことね ぶたにく ーし ! しかも肉屋て ! え、なに、豚肉、それとも牛肉 ? ロと短剣に血がついてたの は、つまりそれ卩」 だから言いたくなかったのに : 「、つ、、つ、つ、つ、つ、つるさあいツツツツ 恥ずかしさのあまり半泣きになり、ルシュラはポカボカ殴りかかってくる。 ゆか ) こよ腹を抱えて床を転げ回る。 が、緋水の笑いはやまず、しまし。 ( かんべん ・ : なんか今日一日、色々考えてた自分がなさけない : 「勘弁してくれよ : だま 「うるさい、しいかげん黙れ " 】」 きげんそこ すっかり機嫌を損ねたルシュラは、廡然とした表情で唇を尖らす。 たず ようやく笑いの治まった緋水は、気を取り直して尋ねる。 : 何で練習しようなんて思った ? 」 : もとい、血を吸う練習をしてた

8. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

ほ・つかい 授業初日に学校を崩壊させないために、緋水は気だるげに仲裁に乗り出す。 「やーめーとーけ。ゴジラ対ガメラ的な夢の対決は、夢のままにしとこう」 やっ 「アタシは別に、こんな奴ど 5 でもいいわよ。ただ、血を吸われたくないだけ。アタシ達 が人間になれたところで、吸血鬼に血を吸われたら全てがパーだもの」 「だからキライってか。なるほどね」 「誰が吸うか ! 『真祖』たる私は、貴様のような紛い物の血は絶対吸わぬわリ」 ・『真祖』 ? 何、マジで言ってんの かたふる 肩を震わせて、芽依は笑う。 くも アますます顔を険しくするルシュラに、緋水もいよいよまずくなったと顔を曇らせる。 さかのぼ ュ 「『真祖』って、確かアレでしよ、吸血鬼の血統を遡った先にいる、原初にして至高の存 キ ラ在とかいう奴でしょ ? 何でそんなのが、こんなとこで高校生やってんのよ ? そっち 齔「人造人間が言えた義理か」 よ - っしゃ 字 + 緋水の容赦ないツッコミに一瞬目を泳がせながらも、さらに芽依は続ける。 こっとうひん 銀「そんな骨董品的な存在、もう滅びてるはずじゃない。何言ってんだか」 だま 「黙れ、私は本物だー 「じゃあ証明してよ。アタシ達にもわかるように。ねえ ? 」 いっしゅん

9. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア

かんりよう 「 : : : というわけで、任務完了よ ! 」 「お疲れ様でした、密告者さん」 身体測定を終えた後の休み時間、緋水は校舎裏で芽依にそう言い放った。 まぎ きゅうけつき 「しつつれいね 5 。仕事よ、仕事。吸血鬼が高校に紛れ込んでますよ 5 って、警察に報告 しか しただけ。むしろほめられて然るべきでしょ ? 」 らちかんきん あ 「おかげで俺は拉致監禁、ロクでもない目に遭わされました、 5 」 なっとく ねぶそくきげん 昨日の一件を、緋水はまだ納得していない。 ついでに寝不足で機嫌も悪い。 ア「いいじゃない、少なくともヒー君はまともな人間だって証明できたんだし ュ「俺は証明するまでもなく元から人間だ。血を吸われようが、吸われまいが関係なしにな。 ラけど、そのことは一言われなかった。お前、俺の体質のことは言ってないんだフ たず うなず 靴「検査、の際に生じた疑問を尋ねると、芽依は頷いた。 字 + 「そーよ。大体、私だってまだそんな体質信じちゃいないし。ありえないわよ、吸血鬼に の 銀咬まれて平気だなん下 ふつう 「普通に血液減ってるから平気ってわけでもないけど : : : それだけは助かった。言われて かいぼう たら、解剖されてたかも。あのえるるって女、名前と裏腹にマジ何しでかすかわからん」 つか