二人 - みる会図書館


検索対象: 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3
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1. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

262 立っているのはえるる : : : そして、芽依と希璃華。 きゅうけつき 芽依と希璃華により、吸血鬼はあらかた滅ばされた。多少負傷もあるが、二人共無事に 緋水達のサポートは果たした。 : あ、そこの二人は、かなり強力してくれたみたいね ・ : あなた達 : : ご協力ありがとう。吸血鬼は、とりあえず殲滅 : おそ 、も、つ遅い 取り繕ったが、 おおぎよう ためいきっ えるるは溜息を吐き、大仰に首を振った。 めんどう 「また、面倒なことになりましたね : 「ぶっちやけ年上だから対象外だと思うけど、変に粉かけられるのはねえ : めんどくさそうな芽依。 「 : : : 警察官なんだし、ショタコンは犯罪ってわかってますよね ? 未成年に、『合意で した』は通用しませんよ ? してき 冷静に指摘する希璃華。 みな 皆、視線が冷たい。 いや、そんなんじゃないし。ただその : : : ねえ ? ハッと三人は鼻で笑い飛ばし、そのまま帰路につく。 せんめつ

2. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

いなさい 「母ちゃんか、お前は。まあいいや、とっととアイツ迎えに行くか 庁舎の外に出る緋水。 その後に続くえるる。 いや、三人。 並んで歩く二人 : もう一人、いた。 あまた 庁舎に出入りする数多の人間のうち、それに気づいたのは、果たして何人いたか ? 緋水とえるるは知らぬことだが、彼らを見て、「ひいつ」と小さな悲鳴を上げて後じさ Ⅲった者が、その場に数人いた。 じまん 性別も年齢も外見も、まったく共通項のない彼らだが、一つだけ、あまり自漫できない、 ュ ラついでに人には言えない特技というか : : : 力があった。 とそれゆえに、見てしまった。 字 少し距離を置いて緋水を追う、セーラー服姿の、体の透けた少女を。 十 れいかん 銀霊感の強い者だけが見えるーーーこの世ならざるモノを。 きより ねんれい むか

3. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

「何をわけのわからぬことを言っている卩まずは血を吸うのが先だ " 【吸い終わった後、 めかく お前に目隠しをして、私は服を着て部屋を出る " 】」 「その順序、ちょっと並び替えてみようか : 「うるさい、黙れ " のが 首筋を求め、逃すまいとさらに体を密着させるルシュラ。 ギュ 5 ッと抱き締められ、さらにムニュ 5 ッと柔らかい胸が押しつけられる。 「ちょ、ホント、マズイ : 「よ、つやくおとなしくなったな。さ 5 て : せま 舌なめずりをして、迫るルシュラ。 しず 観念した緋水は、せめて言うことをきかない下半身を鎮めようと、目を閉じて精神を集 中する。 とつじよ そんな中、突如救い主が現れた。 おお まだ緋水とルシュラの下半身を覆う毛布ーーそこに今まで気づかなかったが、二人の体 とは別のふくらみが生じていた。 いもむし 驚く二人に構わず、巨大な芋虫のごときそのふくらみは、そのままもぞもぞと這い進み おどろ きょだい

4. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

そのまま、口論に突入する三人。 長々と続きそうな言い合いの中、おずおずと彼女が手を挙げる。 「あのお : そろそろ、私の話、聞いてもらっても、いいフ 「「「ああアアアアアツツッフ 割って入られ、ほとんどゴロッキ同然のレベルで睨みを利かす三人。 「ご、ごめんなさい : きようふおのの 恐怖に戦き、彼女は引き下がった。 幽霊なのに。 Ⅲ 所在なさげに指を絡ませ、背後のまともな二人に、救いを訴えるような視線を向ける。 ア えるると希璃華は、わかってるというふうに頷き、えるるが動いた。 ュ めいわく ラ「そのへんにしてくれませんか ? 彼女も迷惑していますー AJ 「「「ああアアアアアツツツ」」」 架 字 えるるは無言で緋水のロに聖銃アルゲントウムの銃口をねじ込んだ。 十 センした サ 銀「はーへふひひは : うかが 「よろしい。では幽霊さん : : お話とやらを、伺いましようか ? とつにゆう うった

5. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

げせんまが りる。下賤な紛い物や、忌まわしい魔女の助けなどいらぬな」 「じゃあ、一人で頑張ってね , すみ サラッと芽依が告げ、ルシュラのことを思考の隅に追いやり、ケータイを操作しだす。 「あ、メ 1 ル来てる」 えつらん ぼっとう 手早く新規メールの閲覧を終え、芽依はそのままケータイの操作に没頭しだした。 、んるるもまた、パ ソコンの操作に熱を注いでいる。 ルシュラのことなど無関心、とい、つか、元からど、つでもよさそうな二人。 そがい 思いっきり疎外感を覚え、ルシュラは救いを求めてーー緋水を見るが : らで、希璃華と盛り上がっていた。 ししよう 「へえ、それじゃあセンパイのお師匠さんって、センパイのお祖母さんなんだ ? 」 「そうよ。柤母から全部教わったの。魔道書に道具、庭園も残してくれたから、研究には 事欠かないわ」 「その呼び方 : : : もしかして、お祖母さん海外の人 ? 」 「由緒正しいイギリス人よ。代々魔女の家系とか。ちなみに、私はクオーター」 「あー道理で。何か日本人離れしているというか、気品があると思った、 : ほ、ほめても、何も出ないわよ ? クッキー焼いてきたんだけど : : : 食べ ゆいしょ グランマ がんば : こちらはこち

6. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

出会ったばかりの彼女なら、ためらわずに、タカ派の主張を述べたところだろう。 では : : : 今は ? 「あなたの部屋、もう用意ができているようです。案内しますから、こちらへー ついきゅう 緋水はそれ以上追及せず、先導するえるるに続く。 「しかしアレだな、何か、俺だけ一人部屋ってのも気がひけるな。そっちは、そんな広く もない部屋に、四人だろ ? 」 「男女が同じ部屋で寝るわけにもいかないでしよう ? 二対三で分かれることもできませ アんし、当然のことです」 ュ「そりや、そうだけど キ 防「着きました」 えるるが足を止め、引き戸を開く。 架 うすぐら + 眼前に広がるのは、薄暗い和室と、床一面に積み上げられた布団の群れ。 の 銀「ここって : : : まさか」 「布団部屋です」 あっさり、んるるは言った。 ゆか ふとん

7. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

214 すなお 芽依の言葉は、皮肉ではなく素直な疑問だった。 自分が害されたのならいざ知らず、殺されたのは取るに足らぬはずの人 もう死んでいるのに。 「あのままだと : : : 『じよーぶつ』できぬであろう ? 傷の痕も : : : そのままだ」 「それはわかるわよ。同情もするし、どうにかしてあげたいと思う。けど : : : それが普通 の吸血鬼でしょ ? 否定したら、アンタも辛くなるだけよ だま ルシュラは押し黙った。 わかっていたことだ。 やっていることは、吸血鬼としては、偽善以外の何物でもない。 「いいんじゃない ? 少なくとも、紅城君の血しか : : : 吸っていないのなら、わからない でしよ、普通の吸血鬼の感覚なんて」 仲裁するように、希璃華が二人の間に割って入る。 しかし、その表情は厳しく、ルシュラを擁護するわけでもない。 「けど、いっか紅城君の血でも、満足できなくなるかもしれない。そうでなくとも、彼以 外の血を吸っていた自分を、思い出すかもしれない。そうなったときは、私達、きっと今 ぎぜん よ - つご 間ーーーしか、も、

8. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

よらっ 同時に、蘭月の容貌も変化していく。 にくしよくじゅ・つ けものきば 口元には、吸血鬼のそれとはまた異なる獣の牙が光り、両手の爪は、肉食獣のそれに変 わった。 ワーウルフ その姿、まさしく人狼。 ならしよう クリーチャー 吸血鬼、フランケンシュタインの被造物と並び称される、魔物の代表格にして、世界の 伝説や神話に数多く姿を見せる、獣人の最高位。 ねら 語り継がれるその獣の爪が、今緋水の首を狙う。 うが するど だが、鋭い爪が首を穿つ前に、えるるが二人の間に割って入った。 ア「おやめなさい " っ せいじゅう ュ 突きつけるのは、聖銃アルゲントウム。 キ 銀の弾丸を込めたその銃は、対人狼戦においても、必殺の武器と化す。 、ま むえん いろこいざた 架「あら : : : 庇うの、彼を ? 珍しいわね、色恋沙汰とは無縁と思っていたけれど + 「 : : : そんなんじゃありません。離れなさい。彼の言動に問題がないとは言いませんが、 いりよく もっ の うで 銀の弾丸の威力、その身を以 銀ここで争っても仕方ない。私の銃の腕はご存じでしよう ? て知りますか ? 「当たれば、でしよう ? 本気の私、見たことあったかしら ? 」 ワーウルフ

9. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

顔を引きつらせる緋水に、えるるは無表情で頷く。 ゅうれい しわゆる幽霊です。 「はい、、 「マジで」 青ざめながらツッコんだとき、彼女が動き出したことに気づいた。 こちらに向かって : : : 四つん這いで這ってくる。 ゆっくりと、ゆっくりと : : 細い手を伸ばし、近づいてくる。 「お、おい巣道、何とかしてくれ ! 」 いや、だからアタシは科学サイド寄りだから、物理攻撃効かないのはちょっと : Ⅲ アンタがなんとかしなさいよー ア 「わ、私もああいうのはダメだ ! 魔眼が効くかもわからぬし : ュ ラてんで頼りにならない、魔物二人。 とギャーギャー言い合ってるうちに、彼女は座り込む緋水の足元まで来ていた。 のろ 字「ちょっ、待っ : : : 落ち着いて、呪うのはナシで ! 」 の 返答はなく、彼女は顔を近づけてくる。 こうちよく 硬直する三人。 たよ まがん の 一っ洋冖・き

10. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

230 こんわく 敵意を感じさせない動作に、ルシュラは困惑した。 「何を : : : 考えている ? 「リに、ただ、お近づきのしるしに、何かお手伝いができれば : ・ : と。仮に自分の血統で なくとも、『真祖』に礼を尽くすは、種族共通の礼。それだけですが : : : まさか、それす らもお忘れに ? 」 「いや、しかし : ・ 「ご質問があれば、場所を変えてごゆるりと。ただし : : : そちらの下賤な者どもは、同行 させませんがー ふおん ファーガスの周囲に不穏な空気が満ちた。 えいきよう 魔眼の影響からか、周囲には鳥がざわめきだす。 さらに : : : 彼の皆麦にま、、 しつの間にか、無数の下僕がいた。 きゅうけつき のろ すでに全員完全な吸血鬼ーー首筋に、呪いの牙の痕は見られない。 数は優に二十人を超える。 この吸血鬼は、目覚めてから、これほどの人間の血を吸ったのだ。 「貴様 : こむすめ 「その二人、私を海に投げ出した、あの小娘と共におりました。捨て置けませんのでね。 っ あと げせん