卩 - みる会図書館


検索対象: 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3
209件見つかりました。

1. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

「詳しそうだからだ ! 魔女とは、悪魔とどういう感じなのだ。何を捧げるのだ卩 ・ : と、言われていますが : 「一般的には、身も心も : えんりよ さすがに希璃華本人が近くにいるだけに、えるるの声は遠慮がちでか細い。 ようしゃ が、ルシュラの質問は容赦なく続く。 「なるほど。しかし、、いはわかるが、体とは何だ ? 特段、身動きがとれない様子ではな 「いえ、そういう意味ではなくて、その : 「何だ、はっきり言えー ・ : 男女の、いわゆる : 「で、ですから、その : 頬を赤らめつつ、希璃華をチラ見するえるる。 希璃華は希璃華で、何やら恥ずかしそうにしていた。 「どういうことだ ? 悪魔と男女の何があるのだ卩」 「いえ、ですから、その : : : 大事なものというか、純潔、という、か : 「もっと大声で " せ : とルシュラが急き立てたところで、顔を真っ赤にした希璃華が立ち上がった。 ふいちょう 「いいかげんになさいー そんなの、一神教が勝手に吹聴したデマでしよう卩私はまだ、 くわ いつばん ほお ささ

2. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

「あーら、心強い D 」 せんこうほとばし 一言うや否や、芽依の瞳から、閃光が迸った。 いっせん 闇を切りくその一閃が帯びるのは、太陽の波動。 いっしゅん 一瞬で射線上にいた吸血鬼の胸を射貫き、そのまま灰化させた。 目からビーム出した卩 「あなた : : : 今、ビ 1 ム出した卩 「あれ、言ってなかったつけ ? おどろ じゅうだん 「いや、言われてても驚くわよ ! それに、何よ、吸血鬼には銃弾もビームも基本的に効 い . ちげ・き かないのに、一撃で : 「あ、ルシュラ用に装備変えたの。ソーラービーム。日中に浴びた太陽の光を凝縮して打 くも ち出すから、直撃すれば、吸血鬼でもアウト D 欠点は、昼間が雨とか曇りだったり、私 が屋内に引きこもってると、使えないこと」 ちゅうしやく 「いらないわよ、そんな注釈 ! どんな体してるの卩」 「いーじゃない、別に。それより : : : 来るわよ ? 」 せま 迫る吸血鬼の群れ。 かたすく 肩を竦めながら、芽依と希璃華は対峙した。 吸血鬼対ーー人造人間と魔女、開始。 な ぎようしゆく

3. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

「紅城さん」 蘭月とえるるに構わず、緋水はその場から離れた。まるで、手当てを拒絶するかのよう ・ : 死にたいの卩早く、応急処置を : 「どうして、こんな : 「いいよ、別に 苦痛に顔を歪めながら、彼は首筋を手で押さえることもしない。 それどころか、傷口を指でパックリ開き、血を体内から放出し続ける。 「 : : : 死ぬ気卩これ以上流したら : ・ 「どうかな ? 」 声に力強さが戻っていた。 周囲に血をぶちまけ、えるるの顔をしかめさせながら、緋水は首の傷を蘭月に晒す。 傷はある。 しかし、ほほ塞がっていた。見ている間に、回復していく。 じようきよう 元々の体質、そして失血死寸前の危機的状況下でのみ目覚める力が、彼の回復力を底 上げする。 らんげつ ふさ きょぜっ さら

4. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

おおがみ かりや 「大神さんですか ? 狩夜です , めずら 「珍しいこともあるものね。あのボーヤから、何か聞いたの ? 「用があるのは、私ではなく、彼です。今、替わりますー とぎ 一旦声が途切れ、電話ロの向こうの相手が変わった。 聞き覚えのある、吸血鬼とつるんでいた、いけすかない少年に。 「えーっと、大神さん ? アンタ今どこ ? 警視庁にいるわけ ? 「ぶしつけね。今、帰庁中よ , むか かんし 「急いで回収された柩に迎え。そして監視しろ。何かあったら、滅ほせ , 「はあ卩 いきなり何を言っているの ? 柩が動きだすとでも卩あれは厖析の結果 「柩じゃない 断定した物言いに、蘭月はロを噤んだ。 この少年ーーー何かを知っている。 「吸血鬼がそこにいる」 「 : : : まさか。柩は、空つほだったわ。あなたも見たはず。私だって : 「本当にそう思ってるか : らんげつ つぐ ほろ

5. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

というか : : : 体全体に、透明な肉体が重なっている。 「と、透子さん卩」 「、つん、おはよう」 ゅうれい むじやき 無邪気に笑う幽霊が、自分の内側にいた。 ひょうい 絶賛憑依中。 「ど、ど 5 ゅ 5 ことかな 5 これは ? 」 「緋水君 : : : 私ね、恋もせずに死んだの。死の間際、ステキな人に出会ったと思ったら、 吸血鬼で、殺されちゃった」 ア「うん、それはお気の毒に : : : そんなあなたのために、俺達は今、がんばってるわけで」 ュ 「だからね、せめて恋がどういうものか、大人になるってどういうことか : : : 味わいたい キ 防の。あなたの体で、 ちが コレ男の体ですよ味わっても、絶対何か違うよ卩そもそも恋 架「おかしいおかしい、 字 + じゃねーし。肉欲だし ! ルシュラに至っては、もはや肉欲ですらねーし " こ の 銀「私 : : : 大人になりたい ! 」 「他を当たれ " 】」 むな 緋水の願いも空しく、透子は体に居座り続けた。 まぎわ

6. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

「いやいやいや、怖い怖い 残して ! 」 「あ : びもくしゅうれい 言われてから気づいたらしい。眉目秀麗を地で行く少女のくせに、こういうところは、 をてつ , もし 「 : : : そういえば、そうね。って、それ以前にあなた達、何て格好なの卩と、とにかく くじよ・つ 紅城君から離れて : 「ねえ : : : センパイ、何だったら、加わる ? 」 こわく ゅ えんぜん ア蠱惑的に尻を揺らしたまま、芽依が艶然と問う。 ュ この場合、取り込んだ方が事は早い。 キ ラ「く、加わるって、私は、そんな : 靴「ルシュラは血、私は下半身、ヒー君の顔は : : : 空いてるわよ ? つば 字 + ゴクリと唾を飲み込み、希璃華が緋水の顔に視線を落とした。 の 銀目が、ちょっと危ない。 「あ、あの : : : センパイ ? 」 「そ、そうよね、いきなり、そんな : こわ だったら、水筒だけ置いてけばいいでしょ卩置手紙とか ・・こ、つい、つことはもっと、順序を追って : ・・ : 」 かっこう

7. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

そもそも、部屋のグレードは格段に落ちるはずなのに。 言いたいことは山ほどあるが、下手にロごたえすると、そのまま外に放り出されかねな いので、緋水はとりあえず睡眠スペースを確保すべく、部屋に入った。 「何か暗いな : : : 灯りのスイッチどこ ? 」 しゆくは′、 「点けない方がいいんじゃないんですか ? 血しぶき : : もとい、元々宿泊用ではないの で、見なくていい汚れを見るかもしれません 「おい、今血しぶきって言ったよな ? 血しぶきって言ったよな」 「言いました」 ア「あれ、あっさり認めた卩ちょっとは否定してほしい自分がいたけど卩 ュ「捨てておしまいなさい、そんな自分ー さと 防「何で諭す感じになってんだよ : : : っーかこの部屋、そういう部屋なの」 靴「布団部屋ですから、 + 「布団部屋Ⅱいわくつきの部屋じゃねーし ! それで割高って、一体どうなってんの の ふだん 銀「だから、普段人を泊めないんじゃないですか。そして、そこにムリを言って泊めてもら っている。いいかげん、道理をわきまえてください 何言ってんだコイツ ? と、いわんばかりのえるる。 あか よご すいみん

8. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

だれ 「ど、ど、つしよ、つ・・・・ : ちょっと、誰か " 透子の呼びかけに、緋水達も気づいた。 すぐに水が苦手なルシュラ以外が救助に向かう。 幸い、それ以上流されることもなく、えるるは救助された。 くちびるむらさき 砂浜に横たう彼女は、唇を紫に染め、小さく震えている。 「 : ・ : ・ちょっとコレ、まずくない ? 息 : ・・ : してなくない卩」 してき 芽依の指摘に、緋水がまず応急処置の必要性に気づく。 「こ、つい、つときは、とにかく心臓マッサージだっけ卩え 5 っと : Ⅲ 、ノーに目をやる。 ア誰がするか : : : という視点でその場のメノヾ ュ ルシュラと芽依ーー不可。パワーがありすぎて、逆の意味で心臓を止めかねない。 キ 防希璃華ーー不可。冷静ではあるが、やり方がわかっていないようだ。 齔透子ーー論外。そもそも触れない。 字 + 「俺しかない : の 銀うろ覚えだが、 保健体育の教科書を思い返してやってみる。 両手を重ねて、胸の中央に置く。 かんはっ あつばく 間髪入れずに、そのまま胸骨を圧迫

9. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

込み始めた。 「や、やめろ何をする卩何だ、これは卩 しやこうざい 「遮光剤よ。吸血鬼なら知ってるでしよう ? 日光を防ぐクリーム。今では科学的に調合 まじよ されたものも使われているみたいだけど、起源は、私みたいな魔女に、吸血鬼が依頼して きたのが始まりよ。塗り込めば、海水浴の間ぐらい持つわ。安心なさい、肌には無害よ」 説明しながら、希璃華は丁寧に肌にクリームを塗り込んでいく。 されるがままのルシュラだったが、やがて意を決したように口を開く。 「あ : : : その、何だ」 ア「何よ ? ュ : いたっ・ 「えっと、そ、その : : : あ、あり・ : キ ラ慣れないことを言おうとしたせいか、もつれて舌を噛んだ。 架希璃華は笑いを堪えながら、作業を続ける。 字 十「お礼なら、紅城君に言いなさい。どうせ、あなたが肌のケアのことを考えてないだろう の 銀からって、事前に私に作るよう頼みにきたんだから」 ぼうぜん 呆然となるルシュラに、希璃華は今度は彼女の髪を目がけてスプレーを吹きかける。 ていねい たの かみ

10. 銀の十字架(クロス)とドラキュリア 3

第一一章透子さん ツツツツツツツツツツツツツツツツツツツツツツツツ 「ひ とどろ かたわ 居間に轟く大音量で悲鳴をあげ、ルシュラは傍らの緋水の腕にしがみついた。 「いて、ちょっとやめろよ ! お前はムダに力が強いんだから : : : しかも夜だけにパワー アップしてるし。もげたらどーすんだよ卩 「だ、だって、アレ・ なみだめ 涙目で、ルシュラは居間に設置されたテレビ画面を指差す。 すでに画面は切り替わっているが、ついさっきまでは、テレビ画面の中のテレビ画面か しようぞく しちょうしやせま ひとみ ら這い出た白装束の女が、視聴者に迫るかのように不気味な足取りで近づき、血走った瞳 さら のアップを画面いつばいに晒していた。 「何なのだアレは卩 「いや : : : サ〇コさんじゃねーの ? っーか、怖いなら借りるなよ あき 呆れたように言い、緋水は傍らのレンタル Q>Q のケースに目をやる。 ルシュラを迎えに行った帰り、新作のポスターに惹かれて、近所の小さなレンタル か こわ ひすい