南西から北東冫 こ走る別の ( イウェイと交差した。この ( イウェイは の神殿を手中におさめたのは、三か月ほど前の・フルーリポンと名付けられている。俺たちは・フル ーリポンを北東へ 8 3 ことだった。かねてから抗争中だったゾクと決着をつけるべく奇襲とはいった。 をかけた俺たちは、わすか三、四〇分の戦いで圧倒的勝利をものに きようの襲撃目標は、ヴェラ・ドーリ ーの村。ブル ーリポンに沿 した。奇襲は俺のもっとも得意とする戦法であり、かって奇襲を用ってえんえんと広がる規模の大きい村だ。過去に襲ったことはな いて失敗したことは一度もなかった。打ち破ったゾクの繩張りと神 この村は、俺たちが三か月前に叩きつぶした例のゾクの繩張り 殿は、〈ファイアポール〉の繩張りと神殿になった。 にあった。 その神殿が、 << << だった。 キャンプを発って、おおよそ一時間後、俺たちはヴェラ・ドーリ 俺は神殿におもむき、それまで乗っていた CB650 を捧げ、か 1 の村に到達した。 わりにミッドナイトブルーの N 6 5 0 f-* を賜わった。 畑と畑にはさまれて、白く踏み固められた道が、ハイウェイから 再び << << —が、俺の神になったのだ。 村へと長くつづいている。 俺はセルフスターターのボタンを押した。 俺はハイウェイの上で、いったんを停めた。素早く振り返り、 四サイクル四気筒 0 O 六五二 O O のエンジン が、目を醒まし手信号で後続のバイクに指示を送った。襲撃の際には、ほとんどロ をきかない。意思はすべて手信号で伝える。 それにつづいて、五〇台のバイクも、出陣の雄叫びをあげた。 五〇台のバイクが、道幅に合わせて四列の縦隊をとった。ニック しばし、耳を聾する爆音が、キャン。フ周辺の大気を縦横にかき乱ともうひとりの二台が、俺の両脇につく。をホルスターから抜 した。 き取り、ストラツ。フを肩に通した。 俺はクラッチを静かにつなぎ、 N を湖畔に沿って北へと進めた。 時刻は予定どおりである。 五〇台のバイクが、二列になって俺のあとに従った。 正面に、小さな砂塵があらわれた。 キャンプの端で東に折れ、曠野をひた走った。赤い太陽が、正面砂塵は尾を引いて、こちらへと伸びてくる。 ハイクだ。ス から昇ってきた。 ホ】クⅢ。本日の伝令を務めるレイモンである。かれは五番隊のリ ほどなくハイウェイが見えてきた。近隣の村の連中がビーナス・ ーダ 1 をも兼ねている。 レッグと呼んでいるハイウ = イだ。ビーナス・レッグはほとんど南 ハイウェイの寸前で、レイモンは急激な制動をかけた。 北へとゆるいカープを描いて伸びている。 パーホークⅢのリアが大きく流れ、車体がハイウェイとほぼ 俺たちはビーナス・レッグにのり 、北に向け、進路をとった。 平行になった。もちろんレイモンは左足を大きく伸ばし、ハンドル トリツ。フ・メ】ターが八二を刻んだころ、ビーナス・レッグは、 にはカウンターをあてている。
「南を選んだのは、失敗だったかな」 ぶほどではなく、それは丘と呼ぶのがふさわしかった。 「たしかに丘たが、それがどうした ? 」 「曠野におりて、 ードッリーを捜そう」 「登ろう」 「捜して、どうするんだ ? 」 ロコフは、きつばりと一一一口った。 「そこで寝ていれば、ディーが通りかかるかもしれん」 「なんだって ? 」 「凄いアイデアだな」 「登ろう」 しいだろう ? 」 ゆっくりと繰り返した。 ードッリーまでは送ってやる」 「登って、どうするんだ ? 」 「それで ? 」 「周囲をてつべんから見渡すんた。このままハイウェイを走ってい ても埓があかない。てつべんから眺めれば何か見つかるかもしれ 「お前を置いて、俺はハイウェイに戻る」 ん。そうしたら、その方角に進むんだ」 「やれやれ : : : 」 「なるほど : : : 」 俺たちはロをつぐみ、また何の変化もなく時間だけが過ぎた。 「アキラ ! 」 俺は納得した。いい考えだと思った。すくなくともパ いきなり、ロコフが口を開いた。 を捜すよりはマシだ。あのくらいの斜面ならで充分に登れる。 「なんだ ? 」 「よし」俺は言った。「その提案にのろう ! 」 俺はいささか面倒くさそうに応じた。 俺は速度を緩め、を左に倒し、ターンした。はハイウェ 「左の地平を見ろ」 イをはずれ、曠野にでた。 傾斜が予想外にきつく、登攀にはけっこう時間がかかった。 ロコフは斜め前方に腕を突き出した。 それでも一時間ほどで、 e は丘の頂上をきわめた。 「何を見るんだ ? 」 眺望は雄大の一言に尽きた。 俺は訊いた。 「丘だ」 白い大地は無限に広がり、黒いハイウェイが、その広がりを大胆 に断ち切っている。ハイウェイもまた、無限だった。 ロコフは一一一口った。 目的は別として、ただ登ったというだけでも、俺たちは深い満足 を味わった。 「盛り上がっているだろう」 から降り、俺たちは胸いつばいに空気を吸いこんだ。なんだ ロコフの言うとおりだった。地平のあたりで大地のうねりが大き くなり、さほど高くはないがなだらかに盛り上がっていた。山と呼か空腹もまぎれるような気がした。 352
をゆっくりだが、大きく開けた。 のか、俺たちは知らない。とにかく、この世界にはハイウェイと曠 ミ 1 ー、い 1 レこ 0 七〇〇〇でクラッチ 野があるのだ。 そして、俺たちにはパイクがある。だから、ハ N は弾かれるようにダッシ = した。エンジンが鋭い、猛獣の雄叫イウ = イは俺たちのものだった。 びのような唸りを発した。スロットルは、なおも開ける。一〇〇〇 ハイウェイの名は、適当につけられていた。入り乱れ、錯綜する クラッシ 〇でセカンドにシフト。クラッチは切らない。・ハッ ハイウェイには起点も終点もなかったし、ゾクによっても呼称は違 、でギアをつなぐ。ほとんど間を置かずに六速まで掻き上げて、 しっていた。アンクル・ジョ 1 ジがどこからどこまでアンクル・ジョ ジなのかは、はっきりと定まってはいないのだ。アンクル・ジョ たちまちのうちにスビードメーターの針が、一六〇の目盛を突破 ジは、くル 1 トの村のあたりでは、ママ・レヴィになっていて、 キンザの村近くになるとアント・ドー ネンになっている。どうも立 俺は頭を低く前傾させ、 ( ンドルを押さえこむようにしてを操体交差があるごとに別の名がつけられるらしいのだが、それもたし った。激しい風が、俺の髪を後方に向かって根こそぎ吹き流そうと かにそうと決まっているわけではない。例外も多いのだ。しかし、 する。襲撃のときはゴ 1 グルは付けるが、メ ' トはかぶらない。誰俺たちにしてみれば、そんなことはどうでも良か「た。世界には ( が決めたというわけではなく、闘いやすいから自然にそうなったの イウェイがあり、 ・ハイクがあり、村があり、俺たちがいる。それで だ。たしかに死ぬ率は高いが、どうせ死ぬなら俺たちは風を胸いっ 充分だった。これで燃える水さえもっと豊富にあれば、、 ℃、つことは ばいに吸いこんでから、死にたかった。 何もない。スタチオンがくれるギャスは、どのゾクにも平等に少な 舗装されていない荒れた大地をはひた走った。速度はおよそ百 っこ 0 七〇キロ。砂と小石におおわれた大地にグリツ。フはほとんどない いきなり、ホーンが鳴った。 が、 N は直進するのみなので、リアが流れるということはまったく 俺はあわてて振り返り、俺の左手を走るテッドとやつの >•<*-, を見 よ、つこ 0 た。テッドは腰を浮かし、右手を頭上で振って走っていた。何とい 数分走ると、前方に黒い帯が一本、あらわれた。地平線の右からうことはない。ただの気まぐれで鳴らしたのだ。いかにもテッドら 左へと、まっすぐに伸びている。黒といっても金属的な暗色で、陽しい。陽気で気まぐれなテッドは、 ・ハイクの腕はさほどでもないの 光を浴びてそこはかとなくきらめいている。 に不思議と人気がある。調子屋で、何をしでかすかわからない男だ ハイウェイだ。 が、どこか魅かれるところがあって、憎めない。俺もやつが好き それは俺たちが、アンクル・ジョージと呼んでいる ( イウェイだ だ。やっと組むと、いつもヒャヒャさせられる。だが、それがまた ・フラネット った。 ( イウ = イは無数にあり、この世界を縦横に駆けめぐってい楽しみだった。 る。なぜこんなに ( イウ = イがあるのか、誰がなんのために造った俺はテッドに、気をつけろ、と合図を送った。はしゃぎすぎは事 3 20
ジェフの N だった。ジェフは N から降りた。 右にターンした。ハイウェイを行く気た。東南である。 N がハイウェイに達した。同じく右にターン。これで二〇メート 「早く、これに乗るんた」 ルがとこ距離は詰まる。テクニックの差た。 俺に言った。 「しかし : : : 」 が走る。 N が追う。 曠野があって、ハイウェイがあって、蒼い空がある。 俺はためらった。 テッドは死にものぐるいだ。俺も全身が怒りではちきれそうにな 「あいつを殺るのは、あんただ ! 」 っている。差は一八〇メートルで固定した。まるで、やっと俺との ジェフは言った。反論を許さぬ強さがあった。 「すまん ! 」 間に、何か目に見えない棒がはさまっているかのようだ。 俺は N 7 5 0 X ーⅡにまたがった。・ キアを蹴りこみ、発進させ ハイウェイはつづく。 曠野も果てしない。 六七馬力のパワーが爆発した。 しかし、いっかはギャスが切れる。 全開で、を追った。 切れた方が負けだ。どちらが先に切れるだろう ? やっか、俺か も必死だった。障害物を避け、仲間のイクをかわしてひた すら逃げてゆく。進路は南だ。自分のキャン。フに逃げ帰ろうというわからない。 曠野があり、 のか。仲間はどうする ? お前のために血を流している仲間は : 俺たちは、良ど。 ″美神のヘソ〃を抜けた。 もう、ほかにパイクがいなかった。走っているのは、やつの >< と、俺のだけだ。距離はおよそ二〇〇メ 1 トル。ダ】トだが、直 線た。どちらも時速二〇〇ャロを大きくオー ーしている。差は広 がりもしなければ、縮まりもしない。 ハイウェイが見えた。 東南から北西に伸びるハイウェイだった。これがまた信じられな い速度で近づいてくる。 〈がハイウェイにのった。突っきるか、それともハイウェイを 走るか。 る。 ハイウェイがあり、蒼い空がある。 ◇ ◇
まさかターンするとは思っていなかったらしく、追っ手は予想 北東をめざす。逆方向に走ると西からきた ( イウ = イと交差し、 外に混乱した。距離が接近していたことも、その混乱を助長してい 3 イウェイ組の追っ手ともろに顔を合わすことになる。 スロットルは全開た。といっても、八〇〇〇まで回したところでた。 ライアットガンが、あらぬ方角を撃った。 意味はない。 俺はスラロームをやめ、まっすぐに突っこんた。もう何も怖くは は、ひたむきにかっ飛んでいく。 追っ手が、ハイウェイにのった。 顎ひもをはすし、ヘルメットを脱いだ。 五台だ。 0 、 すれ違いざまに、三番手につけていた X のフロントホイール 1 ホークⅢが二台、あとは p¯•にに。ライアット にヘルメットを叩きつけた。のライダーは、鉄。 ( イプを振り ガンを持っているのはだ。 かざしている。 二発目の銃声が轟き、俺の左手で散弾が路面を打った。 ルにはさまれて砕け、 ヘルメットが ()5 X のキャストホイー 「ちくしよう ! 」 X のフロントがぐちゃぐちゃになった。 俺は唇を噛んだ。ひじようにまずい。今は三〇〇メートルほど離 まるで足をすくわれたかのようにが転倒した。四番手、五 れているが、これが四分の一に縮まったら、ガキでも当たる。 ーホークⅢが、その転倒に巻きこまれる。さらには、 番手のスー とあの連中では最高速で一五キロ近い差があるから、二〇 0 メート ルくらい、あ 0 という間に詰められる。状況は最悪だ。考えられるのライダーが持「ていた鉄。 ( イ。フが二番手ののリアホイー ルに飛びこみ、もつんのめった。 死に方はふたつある。ひとつはこのまま逃げて、背中からぶち抜か ハイウェイを滑走し 四台がひとかたまりになってもつれあい、 れるケース。もうひとつはターンして勝負を仕掛け、正面からぶ ち抜かれるケース。このふたつのうち、どちらかだ。 俺は一秒間考え、後者を選んだ。どうせ死ぬなら、少しでも華々俺は、再度ターン。 のライダーが、振りむきざまに俺をライアットガンで撃っ しい方がい℃ た。やつだけは無事だったのだ。スモークシールドのフルフェイス ギアを落とし、素早くターンした。車間は、意外に詰まってい をかぶっているので顔が見えない。しかし、体格と乗り方で、やっ た。撃ってこないから、もっと開いていると思っていたのだ。 ターンと同時に、浅くスラロームした。あがきといえばあがきが誰かは見当がついた。やつは、テッドだ。 俺の左肩に激痛が走った。散弾の一発が喰いこんだらしい。ダメ だが、やはり、散弾はめりこませたくない。ス。ヒードを殺してない ージはないが、痛む。 から効果は多少ある。 俺はスクラツ。フの塊になったパイクと倒れて動かない四人のライ いや、効果は多少どころではなかった。
俺はひっきりなしにギアを掻き上げた。 二〇〇台。そのうえに時間は三時間と限られている。何だか、この 六速の七五〇〇がビークのようだった。スピードメーター まま逃げきれそうな気がしてきた。 の針は、一六〇をわずかに越えている。四サイクルよりもさすがに しかし、現実はそれほど甘いものではなかった。 ' ハイヴレ 1 ションがひどい。エンジンはラ・ハ ーマウントされている曠野を二時間あまりもひた走って、どうやら大丈夫だ、逃げきっ はすだから、たぶん車が古いせいなのだろう。 たに違いない、と思ったときだった。 ックミラーに映る砂塵に気がついた。振動がひどいので・ハック スロットルを開閉したり、ギアを適当にシフトしたりしてしばら ミラーは見辛く、最初のうちはミラーの汚れだと思っていた。 くまっすぐ走らせ、エンジンの癖を憶えこんだ。頭打ちは早いが、 素直な、いい エンジンだった。操縦安定性も、悪くない。 俺はあわてて振り返り、背後を肉眼でたしかめた。 ある程度に慣れたところで、俺は進路を変えた。このまま西 間違いなく、砂塵たった。 はっきりと俺を捉え、迫り に行けば、最短距離で ( イウ = イにでられるが、俺はそのコースを追っ手である。姿はまだ見えないが、 択らなかった。はハイウェイに向かない。幹部クラスが追っ手つつある何台かの・ハイクだ。 の中にいないから、ナナハンやロクハンに追われる心配はなかった いきなり俺の喉が干上がった。カラカラになり、ヒリついた。 が、それでも X や (-') 4 0 0 には簡単に追いっかれる。それ どうしたらいいのかわからす、思念が俺の頭の中でめちゃくちゃ よりもコースを惑わせて追っ手を撒くのが e の場合、最善だっ に渦を巻いた。 とにかく、まっすぐ行こう、と決めたのは何秒か後だった。あと 俺はを左に倒し、南へと向かった。倒したときに、地面がマ数分でハイウェイにでる。追いっかれた以上、ハイウェイで勝負す フラーをがりがりと削った。ステッ。フもメインスタンドも接地してるのが一番いい方法だった。オフロードでは、路面にグリップがな いるようだった。く / ンク角が浅い。 さすぎる。 ハイウェイに着くまでに、追っ手との差は、ぐんぐんと詰まっ 走りながら、俺はロの中で、数を数えていた。ガーレンが数える / ワーの差が歴然としている。 た。すごい追いあげだ。。、 くらいの早さだ。おおよそだが、そんなに違ってはいないだろう。 それが、五〇〇に達した。二〇〇台の・ハイクが俺を追跡しはじめ ハイウェイが近づいた。 る瞬間だ。俺はを浅く倒し、再び進路を転じた。今度は東南に ドコーン、という銃声が、俺の鼓膜をビリビリと震わせた。ライ 向かう。 アットガンだ。 東南は、ハイウェイにもっとも遠いコースだった。俺は、追っ手俺の血が逆流した。あの中に銃を持つやつがいるのだ。 のほとんどがハイウェイに行くことを願った。もしくは北北東の二 ハイウェイに躍りでた。すかさずター ゆるい坂を駆けあがり、 番目にハイウェイに遠いコースだ。コースは無数にあり、・ハイクはン。ガリガリと火花を散らすのも構わずハイウェイの右端に寄り、 337
だから楽しみはなおのこと大きい。イオッタの村のような空振りは 故のもとだ。ましてややつの腕では、なおさらに心配だった。 は、ゆるい昇り勾配にさしかかっていた。ハイウェイにつづもうごめんだ。 イオッタの村のとき、俺は五番目の鉄砲玉を務めた。相棒はきょ 、長い斜面た。一速落とすほどではないが、速度は落ちる。タコ うと同じテッドだった。 メーターの針を九五〇〇にへばりつかせた。 ハイウェイの黒い帯が、あっという間に視野いつばいに広がっ ドジを踏んだのは、斥候のティン・ホワイだった。ティン・ホワ イは三日も村にへばりついていながら、ボタ】トが穀物倉から運び 俺は慎重にブレーキをかけてスビードを殺し、ギャを三速に落とだされたことに気がっかなかったのだ。村の連中もお人好しではな 。ゾクの斥候がいるのを見れば、それなりの対策をたてる。わざ した。回転は下げない。 ポン、と跳ねあがるように ( イウ = イの上に飛び出した。すかさわざ斥候に行ってはめられて帰「てくるとは、笑い話ではないか。 ティン・ホワイは、ムレオクリになるはずだった。ムレオクリ ずマシンを倒し、右にターン。リア・フレーキが啼いて、路面に黒く は、ゾクでもっとも厳しい刑罰だ。だが、ティン・ホワイはムレオ タイヤマークが残る。 おとしまえ ( イウ = イの中央にでて、スロットルを全開にした。素速くギアクリになる前に決着をつけた。村の連中に、ショットガンで首から 上を吹き飛ばされたのだ。ティン・ホワイは突入のときには本隊の を掻き上げ、オー ートツ。フに持っていく。 中にいた。その日死んだのはティン・ホワイひとりだった。 ーしている。 あとは一直線だった。速度は百七〇を優にオー イオッタの空振りで、俺たちの食糧事情は最悪になった。アタマ ックミラーに >< の姿がない。振り返ると、四〇〇メートル近い差 がついていた。どうやら ( イウ = イにの「たところでもたついたらのガーレンは、即座にガナ・モレサを次の目標にすることを決め そう、ふんだのだ。 た。ガロナ・モレサなら空振りはない。 しい。スロットルをわずかに閉め、が追いついてくるのを待っ トップ 一番目の鉄砲玉には、俺とテッドが選ばれた。大抜擢だった。や た。作戦はコンビネーションが原則だ。勝手に行ってしまうわけに ドッリーの下で、そのと るのは降雨の直後と決定し、俺たちは・ハ】 ーいかない。時間にはまだ余裕がある。 きを待った。そして雨がやみ、俺たちは出発した。 が追いっき、俺の右側に並んだ。テッドは照れたような笑い ップに選ばれたのをしおに神殿でメイン N は快調だった。ト を浮かべている。しばらくは、、 / イウェイをのんびり巡航だ。 きようの目標は、ガ 0 ナ・モレサの村だ 0 た。三か月ぶりであテナンスしたばかりなので、 = ンジンはいくら回しても〈タらなか った。立日もいい る。前にやったときは、あっけないほど楽な村だった。先発の鉄砲 ツ。フ・メーターが一〇〇を過ぎ、一二 景色が変わったのは、トリ 玉が飛びこんでぐるぐる回り、浮き足だったところへ本隊が突入。 ノ、 . , . , カたつぶ〇に達しようとする寸前のことであった。 ( イウ = イの右側がだし それでおしまいである。獲物のほとんどはコレノ。こっこ。、、 りとあったし、味も悪くなかった。今はボタートの取り入れの時期ぬけに広々とした農場になったのだ。白茶けた土地は鮮やかな緑で
「違うな : : : 」俺は言った。「荷車や側車をつけている。ゾクはあ 「登って良かったな」 んなものをつけたりはしない」 ロコフが言った。まったくそのとおりだった。 「すると : : : 」 「しかし、何もない」 「商隊だ ! 」 ロコフは付け加えた。それも、そのとおりだった。 「南東に別の ( イウ = イがある」俺は言った。「あっちを走ってみ俺は叫んだ。間違いない。あれは村から村へ物資を連ぶ商隊だ。 ようか ? ・」 俺はロコフを抱えて、に戻った。 「あのハイウェイはすっと南で、俺たちが走ってきたハイウェイと「どうする気た ? 」 「商隊かどうかたしかめるのさ」 交差するそ」 「商隊だったら ? 」 「北東に向かうんだ」 「北東に ? 」 「襲う」 「武器もなしにか ? 」 「どうせあてはないし、この辺で気分を変えたい」 「ふむ : : : 」 「何とかなるさ : : : 」 俺は全体重をかけて、キックレバーを蹴りこんだ。 ロコフは考えこんだ。 俺は風と陽光をあびて、見るとはなしに、そのハイウェイを見て 何かがハイウェイの上を移動していた。 。ハイクの群れは、やはり商隊だった。 俺は声をあげた。ハイウェイの上を移動だって ? 俺たちは丘を南にくだり、商隊の正面へと回りこんで様子を窺っ た。積荷の多い商隊は、速度が遅い。先回りするには、何の苦労も いらなかった。 ロコフは気がついたようだった。 「ハイクだ : : : 」 「がほとんどだ」俺はロコフに言った。「一二三 O O で、出力 . い。ハイクなのは一一馬力しかない」 . しハイウェイに里 それはバイクの群れだった。黒、 ノイクは二〇台以「俺の村ではのを使っていた」 で、よく見えなかったのだ。気がついてみれば、く 「似たようなものだ。あの連中は、神殿がたまたまだ 上もいた。しかも、南西に向かっている。 ったんだ」 「ゾクか ? 」 冂 ( イク談議はあとにしよう」ロコフは言った。「あんたの作戦を ロコフがいた。 353
のダッシュと、毒針の届くのがほとんど同時だった。 布の裂ける嫌な音がした。 ch がハイウェイを直角につつきり、曠野へと飛び出した。 「くそったれ ! 」 ロコフが罵声を吐いた。 「やられたのか ? 」 シフトアツ。フを繰り返しながら、俺は説いた。 俺たちは、もう五日間もハイウェイを南下していた。 「一張羅を半分もってかれた」 憮然とした声でロコフは言った。 あの日、夜明けと同時に俺たちは南北に走るハイウェイを見つけ 俺は振り返って、ロコフを見た。そのとたんに吹きだした。 た。よく見ると、左手にもおおむね東西に向かって伸びているハイ ロコフのからだを覆っていた黒い布が、見事にその左半分を失っウ = イがあった。俺たちはわざわざ ( イウ = イに沿ってオフロード ていた。ロコフは半身はたかなのだ。 を走ってきたのだ。 「寒くて、かなわん」 俺たちは砂・ほこりで真っ白になった互いの顔を笑いながら、南へ ロコフは残った布で必死にからだを覆い隠そうと努力していた。 行くことを決めた。理由はない。しいていえば、あの何ともシャク しかし、その努力は当分、報われそうになかった。 な東西のハイウェイと交差するのが嫌だったのだ。 は白い砂塵を巻き上げながら、曠野を疾駆する。スコル。フは ハイウェイにはいったものの、はギャス欠寸前だった。コッ もう一匹も追ってこない。完全に逃げきったようだ。夜明けまでに クはとうにリザープになっていて、それももう空になるかならない はまだ間があるが、走ってさえいればあんな目にあうことはない。 かというところまできていた。俺は速度を四〇キロに抑え、ひたす 「おい : : 」ロコフが説いた。「いったいどっちへ向かう気なんたらギャスの温存をはかった。もしギャスが切れたら、俺はロコフを 乗せたをスタチオンまで押していかねばならない。そいつはご 俺は空を見上げて星座をたしかめ、それから答えた。 めんだ。考えただけで右足の傷がうずいた。 「東た」 幸いにも、ギャスが切れる前に、俺はスタチオンを見つけた。俺 とロコフはスタチオンの一〇〇メートル手前で歓声をあげ、肩を叩 そう。それは太陽の昇る方角たった。 いて運の強さを喜びあった。 スタチオンの造りは、どこでも同じだ。四角いコンクリートで固 められた敷地に、円筒形のポックスが立っている。ポックスにはメ 第二章 343
「わかるかよ、俺に ! 」 「ゾクは連中に追いつくかな」 俺は顔を真っ赤に染めて怒鳴り散らした。こんなバカなことがわ「すぐに追いつく」俺は言った。 「前にでて道路をふさぎ、ター かってたまるか。 ンするところを包囲して丸裸にするんだ」 「俺たちをゾクだと言ったな : : : 」 「すこし残すとか : : : 」 ロコフが一一一口った。 「期待する方がおかしい」 「嘘つきよばわりもしたそ」 「やはりな : : : 」 「待てよ : : : 」 俺たちはいつの間にか商隊とゾクとのチェイスを見物していた。 ロコフの眉がビクンと跳ねた。 ハイウェイは南西に向かってややくだり坂になっており、その様子 「どうした ? 」 は実によく見ることができた。 「連中、何かを見たんだ : : : 」 逃げる商隊を、ゾクは一直線に追ってゆく。ゾクは俺が思ったと ロコフは唇を噛み、あわててキョロキョロと周囲を見回した。 おり、商隊の鼻先にでようとしている。ゾクのパイクは速い。商隊 「あれだ ! 」 も積荷を捨てれば少しは逃げやすくなるのに、律気なのか抜けてる 左手を指さした。東の方だ。 のか、けっしてそうしようとはしない。もしかしたらゾクが村の者 を殺さないと知っていて、とりあえす積荷を抱えたまま逃げている 俺はその指の示す先を見やった。 白い砂塵が見えた。こちらへと向かってくる砂塵た。かなりの規のかもしれなかった。 ゾクが、ハイウェイに達した。案の定、商隊の鼻っ先だ。 模た。横に大きく展開している。 「追いついたそ ! 」 俺には、それが何かすぐにわかった。 ロコフが嬉しそうに言った。どうやらすっかり諦めて、今は見物 「ゾクだ ! 」 人に徹しようとしているらしい 「連中はあれをいち早く見たんだ」 ロコフが一 = ロった。 「このあとは威嚇射撃だ」俺は解説した。「一斉に空に向けてライ アットガンを撃ち、商隊を怯えさせる。商隊はターンするから、 「俺たちをあの先発隊だと思ったんだな」 そこのところを左右から包囲するんだ . とんだ誤解である。 「なるほど : : : 」 「ひどいタイミングだ」 ロコフが・ほゃいた。 ゾクと商隊の距離が詰まった。 「食糧が逃げてゆく : : : 」 。、ツ。、ツ。ハッとゾクの間で白煙があがった。 商隊はハイウェイを一目散だ。 「あっ ! 」 356